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5.西丹沢から箒杉・畦が丸を経て城が尾峠へ

  1. コース概要
  2. 車道は幸せか?
  3. 水浴び・昼食の幸せ
  4. 山頂はどこ?
  5. 佐々木君の挫折
  6. コースミニガイド

平成8年4月28日(日)

1.コース概要

丹沢山地に分け入り2日目です。前回は西丹沢自然教室を前に幕営をしたので、今回はまず自然教室を目指します。自然教室から畦が丸へ上る道もありますが、自然歩道は中川沿いに箒沢まで下り、大滝橋から畦が丸を目指します。畦が丸からは裏丹沢の稜線伝いにモロクボ沢の頭・大界木山を経て城が尾峠に至ります。今回の行程は城が尾峠までです。
ここのルートを歩くときは最新の地図を入手されることをおすすめします。 というのも、ここは東海自然歩道のルートが変更されているところだからです。 大滝橋から大滝峠上までは現在のルートと同一ですが、旧ルートは大滝峠上から大滝峠へ入り、セギノ沢を下り、地蔵平にでて、信玄平を抜けて城が尾峠に至るルートをとっていたのです。そのルートは台風によって崩れてしまったとのことで、現在のルートに変更になったそうです。 人の話によれば、旧ルートは無理をして引いたルートとのことで台風で壊れてしまうのも致し方ないとのことです。
西丹沢から下った箒沢には箒杉という丹沢随一の杉の巨木がありまず。 これは見事な杉の木です。 大滝橋から大滝峠上に至る道の途中には、その名の通り大滝という大きな滝があり、また鬼石沢には避難小屋が設置されています。避難小屋は畦が丸の頂上にもあります。 水場は鬼石沢が最後で、この後山中湖まではルート上にはないので補給を忘れないようにしなければなりません。
西丹沢までの交通は前回(西野々−西丹沢)のコースガイドを参照してください。
今回は約13km8時間の道のりです。

2.車道は幸せか?

昨日の疲れのせいか、いつものことなのか、我々が河原に張った小さなテントから顔を出したのは山の生活にしては遅い朝の7時だった。それでもすぐには出発をせず、のそのそとテントを片づけて朝飯のパンを紅茶とともに食べる。 昨日距離を(大変な思いをして)稼いだので、今日の行程には余裕があるのだ。 8時過ぎに西丹沢自然教室へ向けのそのそと歩き出す。 しばらくはコンクリートの車道の上を歩くので楽であるし、時間通りに歩くことができる。 ただし、緊張感も楽しみもないので漫然と歩くということになる。
30分ほどで西丹沢自然教室に着き朝のお勤めを果たす。 山の中ではこのお勤めを何時何処で果たすかということも大切な問題である(とわしは思う)。 また、何時でも何処でも果たすことができるようにトイレットペーパー一巻きは必携である。
佐々木君がお勤めをしている間に、わしは管理人(?)のおっさんにスタンプを借り、絵葉書に押して日本の友人から海外の友人にまで便りを書く。 各地へ出かけたときに、現地のスタンプを押して葉書をしたためるのはわしの習いとなっており、これがなかなか好評を博しているのでやめるにやめられない。
ここには自動販売機もあるので、ジュースをしこたま仕入れて9:30に出発。 今日の行程の途中にある畦が丸はここからも西沢伝いに道があるが、我々はあくまで東海自然歩道に沿って進む。 中川川に沿って下流へ進む。所々に釣り堀やキャンプ場がみえる。しばらくすると箒沢に至る。 ここには丹沢一の杉の巨木・箒杉がありこれを見上げて写真を撮る。 箒沢の集落では丁度五月の節句も間近ということで立派な鯉のぼりが優雅に泳いでいた。

3.水浴び・昼食の幸せ

happy lunch 大滝橋から再び山道にはいる。 途中、キャンプを張っている外人の一家がいたがそれ以外には人気は全くなく、水の流れが我々を誘う。 沢伝いにしばらく上ったところで沢に下り荷を降ろす。昨日の強行軍で溜まった体の垢を落とすのだ。 佐々木君はパンツ一枚に、わしはスッポンッポンになって体をこする。 気持ちいい! わしは泊まりの時には必ず手拭いなどのお風呂道具を持っていく。 今回は自然の川の中なのでシャンプーや石鹸は使えないが、網目の体洗い用のタオルで体をこするときれいになっていくのが実感できてとても気持ちがいい。 水からあがってパンツ一枚で石の上でひなたぼっこして煙草を吹かしていると、妙齢の女性を含んだパーティーが我々を見下ろしながら追い越していった。 もう少し長く水浴びをしていたら恥ずかしい思いをするところであった。
11:00に再び歩き出す。しばらくは緩やかな坂道で鬼石沢の避難小屋に到着。 12:00も間近なので、ここでお昼にする。 ベンチやテーブルもあるが、既に他のパーティーに占領されているので、わしらは鬼石沢の河原に下りて昼御飯を作る。 ここを最後に山中湖に至るまで水場がないので、たっぷりと水を使ってピリカラシーチキンを使った味噌おじやを作り、わしは水割りを飲みながらワシワシと食う。
今日は全体的にのんびりとして気持ちいい。 天気も雲一つ無い快晴で、いうことない!
たっぷりと水を補給して出発。

azegamaru

4.山頂はどこ?

大滝峠上までは緩やかな登りである。 峠上のベンチで単独行のおばはんに会い、「私はもう下山するところだから」と、飴やらゼリーやらゆで卵やらパンやらをもらう。ありがたや!
さて、ここから畦が丸までは急な登り。ここを一気に上る。 甲斐駒ヶ岳黒戸尾根コースの八丁越えを思い出す。あれはきつかった。
山頂には2時過ぎに到着。しばらく休み、他の登山者と話す。 沢登をしている人がいたが、あれは怖そうだなあ。 畦が丸の山頂からは展望が開けているはずなのだが、霞がかかっていてよく見えなかった。
畦が丸からモロクボ沢の頭、大界木山と進む。 大界木山は変な山で、ここが山頂だよという表示があるのだが、そこからしばらく軽い登り斜面が続くのだ。 どーもこの山の「山頂」は一番高いところではないらしい。

5.佐々木君の挫折

今日は思ったより距離が伸びていない。大滝峠上から畦が丸までの上りはきつかったが、それ以外は然してきつい所はない。 (といってもそれなりのアップダウンはあるのだが・・・)どーものんびりしすぎたのがよくなかったらしい。 本日は菰釣山の手前にある避難小屋まで行きたいのだ。
城が尾峠についたのが、4:30。 ここで早くもテントを張っているおっさんがいて、そのおっさんの話によるとまだ避難小屋までは1時間半以上かかるらしい。 それを聞いた佐々木君はわしの方を横目で見上げて「行くんですか?」と聞いてくる。 明日の事を考えれば少しでも距離を稼いでおきたい所だが、避難小屋まで行くとなると6時を過ぎてしまう。 昨日の夜間歩行の事を思うと、今日は早めに切り上げたいという気持ちもある。 佐々木君は(彼にしては珍しく)早めに切り上げてここで幕営しようと言い出した。 きっと、彼も昨日の体験が身に沁みているのだろう。 わしは、「明日の朝は早起きするんだよ、夜明けと共に起きるんだよ」と、(我々にとっては)無理難題を吹っかけて承諾する。
早速テントを張る。明るいうちにテントが張れるのはいいもんだ。 その夜はおっさんを加えた3人で飯を食い酒を飲んだ。 晴れているせいか、もうすぐ5月だというのにかなり冷え込み、そのせいで長酒にはならなかった。 寒いのは堪えたが、その分お月様はきれいだった。
おっさんはしきりに「山はいいべ、やめらんねえべ」と問うてきたが、つい「海もいいですよ」と言ってしまった。 さすがに、「やめらんねえことはねえな」とは言えなんだ。
少し歩いた所にもう一人おっさんが幕営していて、わしらがお開きにした後にやってきた。 わしが歯を磨こうとしていたらつかまってしまい、山ダニ・山ヒルの話をしていった。 山ダニについているつつが虫は恐いもので、こいつで毎年何人か死んでいるらしい。 丹沢は山ダニ・山ヒルの宝庫で、今の時期はまだいないが、夏になると沢を山ヒルが流れてきたり、草に山ダニが沢山ついていたりするそうだ。 とくに、明日歩く城が尾峠から菰釣山までの間は山ダニの宝庫で夏は歩かない方が良いと言われた。 本当かどうか分からないが、夏に歩く計画を立てている方は御注意あれ。
7:30におっさんから開放されて寝袋に入る。夜中に寒くて目覚めたら11:00だった。月が煌煌と照っていた。

6.コースミニガイド

今回は前回と違ってかなり楽をしたので、距離も稼いでいません。 しかし、自然歩道を歩くにはあくせくするよりもこのくらいのペースの方が良いのかもしれません。
西丹沢自然教室は自販機もあり、トイレもあり(無料)丹沢山行の重要なベースポイントです。 天気の状態が思わしくないときや嵐の後などは、ここで道の状態を尋ねる事ができると思います。
この付近には多くのキャンプ場がありますが、どれも有料のようです。 また、私が見た所この辺では近年ではオートキャンプが主流になっているようなので、登山に携行するテントだと恥ずかしいかもしれません。
旅館はもう少し下流に中川温泉というのがあるようです。 この辺の情報は山北町観光協会(0465-75-2717)に問い合わせればわかると思います。
箒杉のある道は平行して2本ある道のうち丹沢湖に向かって右側の細い道です。 大きい杉の木なので言われなくてもわかると思います。
鬼石沢までは緩やかな上りで歩いていても楽しくなるような道です。 先にも書きましたが、鬼石沢を最後に山中湖まで水場がありませんのでここでしっかり補給をしておいてください。
畦が丸の山頂は東海自然歩道から少し外れた所にあります。 しかし、距離にして100mほどなので荷物を置いてひとっ走り行ってみてください。 天気が良くて霞が無ければ良い眺望がえられるそうです。
畦が丸からは多少のアップダウンがあります。 これは、尾根伝いに山頂をいちいち通るように道がつけられているためで 「わざわざ山頂を通さんでもええのに」といいたくなりますが、我慢我慢。上り一辺倒に比べたら楽なもんです。

城が尾峠−平野へ

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