回顧録・タイトル

経済欠航・ロゴ
 1999年の歳末。故郷の佐渡に帰省することになった。例年は年末年始にかけての帰省であるが、今年はコンピュータ西暦2000年問題の対応にあたるため、年末のみの休暇となった。

  12月31日には帰京しなければならないので、有給休暇を使い少し早めの休暇となった。これなら帰省のピークは外せると思い、のんびりと用事を済ませてから東京駅に向かったのだが、上越新幹線のホームに着いてびっくり!意外と混み合っていたのだ。

 冬休み中なので家族連れのスキー客もそれなりに居るのだが、帰省とおぼしき人達が結構大勢いるようであった。自分と同じように2000年問題の影響で大晦日を避けて休暇を取る人が多いのか、それとも帰省ピークの分散化が本当に定着してきたのだろうか?

 まあ、混んでいるといっても大した事はないし、何よりも身軽な単身だから一人分の座席は余裕で確保できる(嬉しいようなチョットさびしいような・・・)ので、とりあえず新潟駅までは順調な旅路だったのだ。

 新潟駅に着いたのは午後1時を少し回った頃。これなら【午後2時出航のジェットフォイル】に乗船できると思い、佐渡汽船乗り場までタクシーを走らせた。そして午後2時には余裕で佐渡汽船乗り場に着いたのだが、案内板を見たら【午後2時のジェットフォイルは欠航です】とのこと・・・何?それ?

 確かに冬の日本海は荒海で、欠航することも稀ではないが、何も今でなくても・・・と思ってもしょうがない。出航しないものは出航しないのだから。

 ジェットフォイルは欠航でも、カーフェリーは就航できるようである。しかし、カーフェリーの出航時刻は午後3時40分。しかも所要時間は2時間20分だから、両津港(佐渡)到着は午後6時になってしまう。ジェットフォイルなら午後3時には両津港に着いているのに…と思うと無性に腹がたってきた。

 さて、欠航する便があるくらいだから相当に荒れているのだろうと思い、少しでも快適に過ごしたいと考え、上等級客室(1等イス席)のチケットを買うことにした。自分と同じように考える人が結構いたのか、見渡してみるとこの時期には珍しく1等イス席にかなりの乗客が居た。

 船が沖合いに出ると、時折激しく揺れるときもあったが、「この程度の揺れで欠航するのか?」とか「こんなもの揺れてる内に入らネーヨ・・・」等と思いながら2時間20分の長旅を我慢するしかなかったのである。

 いよいよ下船である。ジェットフォイルに乗れなかった客がこの便に詰め込まれただから、さぞ下船口が混み合い、降りるのも一苦労だろうな・・・と当然に予想された。

 いざ、下船口に行ってみると、予想外というかあまりにも乗客の少なさに驚いてしまった。もしや・・・これが噂に聞いていた経済欠航なのか?

 経済欠航とは、荒天等の気象条件による就航不能ではなく、乗客数(収入)に比して就航コストが大幅に上回る場合、荒天等の気象条件を理由にし欠航することである。(自分の勝手な解釈です)

 ジェットフォイル(高速艇)は高波に弱いということは承知しているし、沖合いで波が高いと言われれば無理してリスクを背負う必要も無いので、欠航もやむ無し。とは思うものの、あまりにもジェットフォイルの就航率は低い!!!何とかしてヨ、佐渡汽船サン・・・

 エー、佐渡汽船に対する取留めのない愚痴になってしまいました。別に佐渡汽船サンが嫌いという訳ではないので、そのうち機会があれば船旅の素晴らしさについて書いてみたいと思います。
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