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下北半島 仏ケ浦 (鉛筆画・F8号)

下北半島をまさかりの形に例えるなら、その刃の部分に当たり津軽海峡に面した半島最西端に位置する。地勢は、概して峻嶮で平坦地が少なく殆どが山地である。役所所在地の佐井地区を中心に南部・矢越地区以南は山岳が海岸線まで迫り約2kmに亘り断崖絶壁が続く。
冬季には陸路も限られる自然環境と引き換えに天が与えたのが景勝地・仏ケ浦である。紺碧の海と白波のコントラストも美しく、白緑色の奇岩が屹然と連なる様はまさに人智を超えた仏の領域に思える。大正11年にこの地を旅した紀行家・大町桂月はその美しさを「神のわざ鬼の手づくり仏宇陀(仏ケ浦)人の世ならぬ処なりけり」と詠っている。辺境の地・下北を代表する秘境だが現在は、佐井、脇野沢の港から遊覧船が出航しており、天工の美景を手軽に堪能することができる。