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toshi-04
 
スペイン広場 (鉛筆画・F6号)

トリニタ・ディ・モンティ聖堂とその前にある白いオベリスク、そしてオベリスクから下方に開ける138段の階段の下に広がるのがスペイン広場である。スペイン広場の真中には舟形の美しい噴水が薔薇の花の束に囲まれて見事である。スペイン階段には各国の旅行者が腰をおろし、ローマの風情を満喫している。開放的な空気がみなぎり、見知らぬ者同士が自然と言葉を交わす。昔からこの界隈は外国人が多く、今と変わらぬ国際的な雰囲気があったようだ。すでに17世紀の中頃からフランス人やスペイン人が住み、また画家、彫刻家が集まり、芸術の中心地ともなっていた。それにしても目に優しい眺めである。138段あるにもかかわらず、柔らかな曲線に導かれてゆっくりと自然に上がっていく。地形を巧みに利用して踊り場を配し、われわれを舞台にいるような気にさせてくれる見事な広場である。