どうすれば着けるのでしょうか?
 
だめぞう先生、相談です。

私は地図が読めません。というより、地図は読めるのですが、着きません。どうすれば着けるのでしょうか?

だめぞう先生も方向音痴という噂ですが、きっと建築とかやってらっしゃって、私より図面に強いと思われますので、
よろしくご教授ください。

(質問者 OKオーケン)

 
 
たしかに、だめぞうは迷走本能満点でどこへゆくにも必ず迷います。それから定規をつかっても線が真っ直ぐひけないので建築はやめました。いまはサイコロをふったり、ルーレットを回すような研究をしています。

回答者には、社会心理学を学んでいるドクターコースの学生、キャサリン・フィールドアイランドが適当かと思いますので訊いてみました。
 

(だめぞう)

 
 
 
OKおーけんとしては、目的地に着ければよいわけですね。

それは簡単です。まず地図を捨てなさい。
そして、その辺にいる(男にしては)比較的優秀そうな男を捕まえて目的地まで案内させればよいのです。

Damezoから聞いたところでは、OKおーけんは優秀なビジネス・パーソンとのこと。優秀な人材が地図を読むなどという低級な作業をするのは時間の無駄遣いです。つまらない仕事は、せいぜいそんなことくらいしかできない男にやらせて、あなたはあなたしかできない仕事をするべきです。

『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ/バーバラ・ピーズ著 藤井留美訳、主婦の友社刊、といういささか問題のある本が出版されたようですが、そもそも地図というものは、古来、女を家に閉じこめるために、作られたフォーマットなのですよ。男が自分たちにだけわかる方法で縮図を描き、女を閉じこめていいように隷属するなんて、地図こそが男社会がいかに閉鎖的であるかを示すいい例だとは思いませんか!だいたい男というのは…

(以下、延々数枚に及ぶ男社会の弾劾文は中略)

さて、道案内をさせるときの注意をひとつだけしておきましょう。
男たちに洗脳されたせいで、地図が男の卑劣な道具だと気づかぬまま、行き先に迷い、たまたま道を尋ねた男に道案内をされて、
「ああ、なんていい人なんでしょう。この人なら。」
と、その術中にはまり、ついには家庭という牢獄に繋がれてしまった同士を私はいくらでも知っています。

いいですか、OKおーけん。

道案内をするのは、地図をわかりにくくつくった男の罪滅ぼしなのです。ゆめゆめ、そんなことに感謝してはいけません。彼らは当然すべきこと、すなわち、わかりやすい道順を示すフォーマットをつくること、をせず、自分たちの既得権を守ろうと、しぶしぶ道案内という小手先のごまかししているだけなのです。

日本には、ドライブする雄性配偶者が道を間違えると、烈火のごとく怒り、その無能振りをいかんなくつるし上げる頼もしい同士がいると聞きました。そうした意識の高い人が家に幽閉されているのは大変遺憾ですが、そのような劣悪な環境でさえ、社会を変革しようとする人もいるのです。

ご存じのように、地図以外にも男たちは多くの陰険で入り組んだ方法で、女を社会から排除しようとしていますが、OKおーけんも、それらの卑劣な扱いに屈することなくビジネスの現場から、このねじ曲げられた男社会の打破に突き進んでゆかれることを期待しています。
 
 
 
 

(回答者キャサリン、訳だめぞう)
 
 
だめぞうがこの原稿をもらったときに、「私も地図が読めないんですが…」というと、キャサリンは「このクズが!」とでもいいたげな冷たい視線を投げかけてきました。ああ、あの視線がたまりません。それにしても途中省略したのがばれたら怒られるだろうなぁ。
 
(だめぞう)