[ナイキストの安定定理] 

一巡伝達関数G(s)はプロパーな有利関数であるとす る。G(s)の不 安定極の個数を(k重極はk個と数えて)Nguとし、G(s)のナイキスト線図が点-1+j0を時計方向に回る回数をNtとする。このとき、フィードバック系が安定であるための必要十分条件はNgu + Nt =0 となることであ る。

フィードバック系の不安 定極の個数をNfuと するとき、Nfu= Ngu + Ntである。

(注)分母と分子が各々 多項式である有理関数において、分母の最高次数が分子の最高次数より等しいかあるいは大きいとき、この有理関数はプロパーであると呼ばれる。


(証明) 定理と等価 な、次を証明する。F(s)=1+G(s)のナイキスト線図を描くと、この軌跡は原点の周りを時計方向に(NfuNgu)回だけ回る。

まず一巡伝達関数G(s)の分母多項式をD(s)、分子多項式をN(s)とすると、プロパー性の仮定よりD(s)の次数nとN(s)の次数mはn≧mを満たす。また、G(s)=N(s)/D(s)より閉ループ 系の特性方程式は