内部モデル原理より、r(t)=t に定常偏差なく追従するためには、C(s)
の分母は(s2)を因子として持たなければならない。
閉ループ系の極は、-2,-3,-4 の3個であるから、
C(s) = (a・s2+b・s+c)/(s2)
ただし、 a,b,c は定数、 と置く。
このとき、閉ループは、Y(s)/R(s) = (a・s2+b・s+c)/[(s+2)(s2)
+ (a・s2+b・s+c)] となる。
閉ループの極は 、-2,-3,-4 より、(s+2)(s2) +
(a・s2+b・s+c) = (s+2)(s+3)(s+4)
上式の両辺の s の多項式の係数比較により、 a=7 ,b=26 ,c=24
となる。
よって、 C(s) = (7・s2+26・s+24)/(s2)
問題P12の(2)の解答
E(s)/R(s) = { 1 - G(s)C(s)/[ 1+ C(s)G(s) ] } = 1/[ 1+ C(s)G(s) ] であるから、
s2(s+2) 1
C(s) = (7・s2+26・s+24)/(s2) の場合、 e(t)
= L-1[ ───────×──]
(s+2)(s+3)(s+4) s2
1
1 1
= L-1[ ─────] = L-1[ ──
- ──] = e-3t - e-4t
(s+3)(s+4)
s+3 s+4
s+2 1
1 1 2
1 1 1
C(s) = 1 の場合、 e(t) = L-1[ ──×──] =
L-1[ ─×─ + ─×─ - ─×──]
s+3 s2
9 s 3
s2 9 s+3
1 2
1
= ─H(t) + ─t - ─ e-3t
9 3
9
ただし、L-1 は、ラプラス逆変換を示す記号であり、H(t) は単位ステップ関数である。
問題P12の(3)の解答
内部モデル原理より、r(t)=sin(3t) に定常偏差なく追従するためには、C(s)
の分母は(s2+9)を因子として持たなければならない。
閉ループ系の極は、-2,-3,-4 の3個であるから、
C(s) = (a・s2+b・s+c)/(s2+9)
ただし、 a,b,c は定数、 と置く。
このとき、閉ループは、Y(s)/R(s) = (a・s2+b・s+c)/[(s+2)(s2+9)
+ (a・s2+b・s+c)] となる。
閉ループの極は 、-2,-3,-4 より、(s+2)(s2+9) +
(a・s2+b・s+c) = (s+2)(s+3)(s+4)
上式の両辺の s の多項式の係数比較により、 a=7 ,b=17 ,c=6
となる。
よって、 C(s) = (7・s2+17・s+6)/(s2+9)
問題P12の(4)の解答
C(3j)G(3j)/[ 1+ C(3j)G(3j) ] = [7・(-9)+17・3j+6]/{(3j+2)(-9+9) + [7・(-9)+17・3j+6] } = 1であるから、
ゲインは1、あるいは、0 [dB] 、位相は0度である。
(注)厳密に言うと、複素平面上で複素数が1であるとき、ゲインは1と一意に決まるが、位相は
0±2π・n、 n : 整数
であり一意には決まらない。しかし、閉ループの伝達関数は分母が
s の3次式、分子が s の2次式であるから、
閉ループ伝達関数の位相は、πから
-3π/2 の範囲にあることが分かっているので、位相は0度と一意に決まる。
この問題を通して修得して欲しいポイントは、
上記問題を自信を持って解けた人は、
自信を持てない人は、第十ニ講の要旨と内容を再度読み直してみて下さい。
質問のある方は、m-adachi@02.246.ne.jp まで、メールして下さい。