内部モデル原理より、sin(2t) に定常偏差なく追従するためには、C(s)
の分母は(s2+4)を因子として持たなければならない。
閉ループ系の極は、-2,-3,-4 の3個であるから、
C(s) = (a・s2+b・s+c)/(s2+4)
ただし、 a,b,c は定数、 と置く。
このとき、閉ループは、Y(s)/R(s) = (a・s2+b・s+c)/[(s+2)(s2+4)
+ (a・s2+b・s+c)] となる。
閉ループの極は 、-2,-3,-4 より、(s+2)(s2+4) +
(a・s2+b・s+c) = (s+2)(s+3)(s+4)
上式の両辺の s の多項式の係数比較により、 a=7 ,b=22 ,c=16
となる。
よって、 C(s) = (7・s2+22・s+16)/(s2+4)
問題11の(2)の解答
C(2j)G(2j)/[ 1+ C(2j)G(2j) ] = [7・(-4)+22・2j+16]/{(2j+2)(-4+4) + [7・(-4)+22・2j+16] } = 1であるから、
ゲインは1、あるいは、0 [dB] 、位相は0度である。
(注)厳密に言うと、複素平面上で複素数が1であるとき、ゲインは1と一意に決まるが、位相は
0±2π・n、 n : 整数
であり一意には決まらない。しかし、閉ループの伝達関数は分母が
s の3次式、分子が s の2次式であるから、
閉ループ伝達関数の位相は、πから
-3π/2 の範囲にあることが分かっているので、位相は0度と一意に決まる。
この問題を通して修得して欲しいポイントは、
上記問題を自信を持って解けた人は、
自信を持てない人は、第十ニ講の要旨と内容を再度読み直してみて下さい。
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