「システム制御工学」の第12講の演習問題、問題11の解答


問題11の(1)の解答

内部モデル原理より、sin(2t)  に定常偏差なく追従するためには、C(s) の分母は(s2+4)を因子として持たなければならない。
閉ループ系の極は、-2,-3,-4 の3個であるから、
  C(s) =  (a・s2+b・s+c)/(s2+4)      ただし、 a,b,c は定数、  と置く。
このとき、閉ループは、Y(s)/R(s) =  (a・s2+b・s+c)/[(s+2)(s2+4) +  (a・s2+b・s+c)]    となる。
閉ループの極は 、-2,-3,-4  より、(s+2)(s2+4) +  (a・s2+b・s+c) = (s+2)(s+3)(s+4)
上式の両辺の s の多項式の係数比較により、 a=7 ,b=22 ,c=16        となる。
よって、   C(s) =  (7・s2+22・s+16)/(s2+4)

問題11の(2)の解答

C(2j)G(2j)/[ 1+ C(2j)G(2j) ] =   [7・(-4)+22・2j+16]/{(2j+2)(-4+4) +  [7・(-4)+22・2j+16] }  = 1であるから、

ゲインは1、あるいは、0 [dB] 、位相は0度である。

(注)厳密に言うと、複素平面上で複素数が1であるとき、ゲインは1と一意に決まるが、位相は 0±2π・n、 n :  整数
      であり一意には決まらない。しかし、閉ループの伝達関数は分母が s の3次式、分子が s の2次式であるから、
      閉ループ伝達関数の位相は、πから -3π/2 の範囲にあることが分かっているので、位相は0度と一意に決まる。
 

この問題を通して修得して欲しいポイントは、

である。


上記問題を自信を持って解けた人は、おめでとう!

自信を持てない人は、第十ニ講の要旨と内容を再度読み直してみて下さい。
質問のある方は、m-adachi@02.246.ne.jp  まで、メールして下さい。