ブロック線図より、信号Y(s), U(s), E(s) は各々、以下の式で表される。
Y(s) = G(s)[U(s) + D(s)], ・・・(1)
U(s) = C1(s)R(s) + C2(s)E(s) + C3(s)Y(s), ・・・(2)
E(s) = R(s) - Y(s), ・・・(3)
Y(s)/R(s),Y(s)/D(s), を求めるために、U(s),E(s)を含まない式を導出する。3つの関係式から、
(式(3)のE(s)を式(2)へ代入、その代入した式のU(s)を式(1)へ代入して、) U(s),E(s)を含まない次を得る。
Y(s) = G(s){C1(s)R(s) + C2(s)[R(s) - Y(s)] +
C3(s)Y(s) + D(s)}、
Y(s), R(s),D(s) について整理すると、
[1 + G(s)C2(s) - G(s)C3(s)]Y(s) = G(s)[C1(s)
+ C2(s)]R(s) + G(s)D(s),
すなわち、
G(s)[C1(s) + C2(s)]
G(s)
Y(s) = ──────────── R(s) + ────────────
D(s)
1 + G(s)C2(s) - G(s)C3(s)
1 + G(s)C2(s) - G(s)C3(s)
よって、伝達関数は、次式となる。
(注、線形系より R(s) と D(s) の Y(s) への影響は独立に考える事が出来る。)
Y(s)
G(s)[C1(s) + C2(s)]
Y(s)
G(s)
── = ────────────,
── = ────────────,
R(s) 1 + G(s)C2(s)
- G(s)C3(s)
D(s) 1 + G(s)C2(s)
- G(s)C3(s)
E(s)/R(s),E(s)/D(s), を求めるために、U(s),Y(s)を含まない式を導出する。3つの関係式から、
(式(2)のU(s)を式(1)へ代入、その代入した式のY(s)を式(3)へ代入して、) U(s),Y(s)を含まない次を得る。
E(s) = R(s) - G(s)[C1(s)R(s) + C2(s)E(s) + D(s)]/[1
- G(s)C3(s)]、
E(s), R(s),D(s) について整理すると、
[1 + G(s)C2(s) - G(s)C3(s)]E(s)={1 - G(s)[C1(s)
+ C2(s)]}R(s) - G(s)D(s),
よって、伝達関数は、次式となる。
E(s) 1 -
G(s)[C1(s) + C2(s)]
E(s)
- G(s)
── = ────────────,
── = ────────────,
R(s) 1 + G(s)C2(s)
- G(s)C3(s)
D(s) 1 + G(s)C2(s)
- G(s)C3(s)
問題1の(2)の解答
二自由度制御の集合は、一自由度制御の集合を含むので、少なくと一自由度制御と同じ性能を示す制御を設計することは可能。
集合が大きいだけ、より性能の良い制御ができる可能性を有する。
例えば、Y(s) を 目標R(s) と一致し、かつ、外乱D(s) に乱されないためには、Y(s)/R(s)=1,
Y(s)/D(s)=0
となるように制御器を設計する必要がある。 ここにおいて、一自由度制御だと、Y(s)/D(s)=0 を出来るだけ満たすように
C2(s)
を決めると、自動的に Y(s)/R(s) = G(s)C2(s)/[1 + G(s)C2(s)] も決まってしまう。
しかし、二自由度制御だと、
Y(s)/R(s) = G(s)[C1(s) + C2(s)]/[1 + G(s)C2(s)] であるから、C1(s) の設計により、 より Y(s)/R(s)=1 に近づけることができる
可能性がる。よって、一般的には、二自由度制御の方が優れている。
この問題を通して修得して欲しいポイントは、
上記問題を自信を持って解けた人は、
自信を持てない人は、第ニ講の要旨と内容を再度読み直してみて下さい。
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