「システム制御工学」の第5講の演習問題、問題4の解答


問題4の(a)解答

入力信号  sin(2t) のラプラス変換は、2/(s2+4) であるから、
               2             2
Y(s) = ──── ・ ───、  となる。これを部分分数展開して、
          s2+3s+2      s2+4

           0.8     0.5         0.3s+0.2
Y(s) = ── - ──  -  ─────、  を得る。これをラプラス逆変換して y(t) を得る。
          s+1     s+2         s2+4

  y(t) = L-1[Y(s)] = 0.8e-t - 0.5e-2t - 0.3cos(2t) - 0.1sin(2t)

   0.8e-t - 0.5e-2t  は t→∞ で零になるので、y(t) の定常応答は - 0.3cos(2t) - 0.1sin(2t) となる。

入出力信号の振幅比と位相差は、伝達関数を G(s) で表すとき、|G(2j)|、  ∠G(2j) であることから求める。

 G(2j) = 2/[(2j)2 + 3(2j) +2] = 2/(-2 + 6j) = 1/(-1+3j) = (-1-3j)/10,

よって、  |G(2j)| は、10/100 の平方根であり、近似てきに、 23.0 [db]

             ∠G(2j) は、tan-1(3) で、0度から -180度の間にあるから、近似的に、- 108.4 [度] となる。 

(注)伝達関数の分母は s の 2次式、分子は 0次式、よって、G(ωj) の位相角は、0 〜 -180 度の間にある。

問題4の(b)解答

入力信号  cos(t) のラプラス変換は、s/(s2+1) であるから、
               2             s
Y(s) = ──── ・ ───、  となる。これを部分分数展開して、
          s2+3s+2      s2+1

           -1      0.8       0.2s+0.6
Y(s) = ── + ── + ─────、  を得る。これをラプラス逆変換して y(t) を得る。
          s+1     s+2        s2+4

  y(t) = L-1[Y(s)] = - e-t  + 0.8e-2t + 0.2cos(t) + 0.6sin(2)

   - e-t + 0.8e-2t  は t→∞ で零になるので、y(t) の定常応答は  0.2cos(t) + 0.6sin(t) となる。

入出力信号の振幅比と位相差は、伝達関数を G(s) で表すとき、|G(j)|、  ∠G(j) であることから求める。

 G(j) = 2/[(j)2 + 3(j) +2] = 2/(1 + 3j)  = (1-3j)/5,

よって、  |G(j)| は、10/25 の平方根であり、近似てきに、 9.16 [db]
             ∠G(j) は、tan-1(-3) で、0度から -180度の間にあるから、近似的に、-71.6 [度] となる。
 

問題4の(c)解答

問題(a),(b)の入力周波数は、各々 2 [rad/sec] と 1 [rad/sec] であるので、G(ωj) のボード線図上の該当する
周波数の所に×印を入れると下図となる。

この問題を通して修得して欲しいポイントは、

である。
 



上記問題を自信を持って解けた人は、おめでとう!

自信を持てない人は、第五講の要旨と内容を再度読み直してみて下さい。
質問のある方は、m-adachi@02.246.ne.jp  まで、メールして下さい。