交響曲「大地の歌」

中国の詩人「李白」の詩にマーラーが書いた音楽。第1楽章はまさに究極の世界だと思う。
いつ聴いてもぐいぐい引き込まれて、熱くなる。
「生も暗ければ、死も暗い」という言葉で結ばれる詩は人の心の葛藤を描いたものだろう。
自分としてはあまりこの作品には深入りしたくないと言う感じもあるが・・・・(笑い)

以前ウィーンに行ったときにシェーンブルン宮殿でマリア・テレジアのコレクションを見たときに
たしか「中国の部屋」というのがあった。昔からこの国では、遠くシルクロードのかなたの国
に対する興味や憧れは結構強かったんだと思う。


それにユダヤの血が交じり合った、ロマン派の終着点と言うべきか・・・。



ブルーノ・ワルター/ウィーンフィル

やはり定番中の定番のこのCDがいいと思う。わざわざモノラルである必要はないけれど、
音質が極めて良好で下手なステレオよりよほどリアリティある演奏が聴ける。
冒頭のスピード感は他のCDではなかなか聴けないものだと思う。
とにかくウィーンフィルがメチャクチャ上手い!!。まさしく「圧巻」と言う言葉がふさわしい。


ブルーノ・ワルター/ニューヨークフィル

ワルターはマーラーの愛弟子であり、この作品を初演した人だと言う。
最晩年にわざわざニューヨークまで飛び、録音したこの演奏から、彼のこの作品に対する
愛情がひしひしと伝わって来る。
ウィーン盤と比較すると同じ指揮者のものか?と疑うほど落ち着いた演奏になっているけれど
こころの葛藤が余り感じられない代わりに、作品を立体的に色彩感豊かに再現することに成功
している。美しい作品だと心から共感出来る。


クラウス・テンシュテット/ロンドンフィル

この曲の持っている絵画性を強調した演奏だと思う。
独唱のバックに流れる音楽がこんなに色彩感があって、表情豊かなものだとは不覚ながら
この演奏を聴くまでまったくわからなかった。
「いつか私の時代が来る」そういったのは確かマーラー自身。こんな演奏が出なければ
この作品の本当の意味、そして面白さは一般的にはわかりずらいのかも知れない。
とにかくこの曲が苦手と思っている人がいたら、是非聴いてもらいたい演奏。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリンフィル

この演奏を聴いて熱くなる人など存在しないだろう・・・と思う。
よくもまあこれだけしらけた演奏ができるものだ・・・と感心もする。
テノール歌手などは「能天気に何を叫んでいるんだろう」といった趣。
がしかしオーケストラって凄いもんだ・・・・このCDを聴いていて新鮮な驚きを禁じえない。
カラヤン君はそれでいいのだ!!


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交響曲第4番


この曲を聴くと京都で観た「長谷川等伯」と言う水墨画家の襖絵を思い出す。
確か桃源郷の四季を一枚の襖絵に描いたものだ。この絵にはかなりの衝撃を受けた。
水墨の濃淡やタッチでこんなにも立体感や「色彩感」が出せるものだと思わなかった。
4番は、この襖絵が音楽になったような印象を受ける。

エリアフ・インバル/フランクフルト放送交響楽団

ちょっと音の線が細い感じもするけど、繊細な感じが出ていていいなと思う。
丁度自分のイメージする4番にぴったりの感じだ。

レナード・バーンスタイン/ニューヨークフィル

1960年の録音でかなり古いもの。ニューヨークフィルがとても繊細で柔らかい音を出していることに
まず感動。繊細と言っても音が細くなるということでは無い。そこがニューヨークフィルの底力か?

後のものより音色に色彩感があり、「子どもがおもちゃ箱から玩具を取り出して遊ぶ様」というイメージ
にぴったりだと思う。
ソプラノもレリ・グリストはベームのモーツァルトのオペラのCDなのでよく聞く名前。
少し癖があるけれど、そも男心をそそるような声はなんとも言えず魅力的だ。

ミヒャエル・ギーレン/バーエンバーデン(南西ドイツ)交響楽団

賛否両論あるようだけれど、自分はギーレンのマーラーが好きだ。
その理由はまず、こってりとしたマーラーの音楽を「素麺を食べるように」するするっと演奏してくれるので
お腹にもたれることがない。
それに伴ってオーケストラのパートの音が明瞭になるので「マーラーの書き込んだ音符」がよくわかる
からだ。
この第4は第7のような名演とは言えないかもしれないけれど、そういった意味で貴重なものだ。


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交響曲第2番「復活」


ミヒャエル・ギーレン/南西ドイツ交響楽団

この曲は聴いているほうが熱くなってしまう作品だけれども、それを「まあまあ落ち着けや」と言った感じで演奏しているのがこのCD。
だからといってしらけたものでは決してなく、その作品の構成美を明らかにしていく演奏だ。
例えばこの作品の「若さ」「荒削り」さをクリスタルガラスを通して眺めたような演奏とでも言うべきか?



レナード・バーンスタイン/ニューヨークフィル

とにかく凄い量感のあるサウンド゙だ、部屋が壊れそうになる。
燃える男バーンスタインが必殺技を炸裂させて、まさにド迫力の名演を完成といった感じか。
この作品のスケール感を味わいたければやはりこの演奏の右に出るものはない。
 

ジョン・バルビローリ/ベルリンフィル(1965年ライブ)

これはモノラルによる録音。Testamenntのもので状態はまあまあ良好。
世の中には「絶対」という言葉を多用する人が意外とたくさんいる。
言うまでも無くこういったタイプの人の「絶対」ほどあてにならないものも無い・・・・(笑い)

かく言う自分もマーラーの「復活」は絶対にステレオ録音でないとダメだと思っていた。

このCDをショップ店頭の試聴コーナーで耳にして、ヘッドフォンを伝わって聴こえて来る音に、
これが只者でないことを感じ、衝動買いしてしまった。
とにかく表情豊かな演奏で、聴いていてワクワクして来る。

サイモン・ラトル/ベルリンフィル

2011年発売の最新盤。これからのマーラーの演奏の道しるべとなるべき演奏と位置付け
られるものだと思う。


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マーラーの音楽はウィーンの音楽だ
言うまでもなくウィーンはかつてハプスブルグ家の支配する一大帝国の帝都だった。
その昔アジアの国々からシルクロードを通りやって来る人々がまず最初にたどり着く大国はオーストリアだった。
当然文化も多かれ少なかれ、その影響を受けることになる。
それを積極的に受け入れたのがマーラーだったのだと思う。
マーラーの異国情緒溢れる音楽の数々は東方からの行商人や文化人が妙なる音色の
楽器で奏で、唄われ旋律からヒントを得たものかもしれない。
そして音楽の都ウィーンは伝統を重んじると同じ位、前衛的な文化を生み出す土地柄で
あるように思う。ウィーンの楽界で第一人者として活躍するマーラーの作品は、国際的で
リベラルな文化人から支持される芸術でなくてはならなかったはずだ。
それに宿命の流浪の民ユダヤ人の血と世紀末の退廃的な世相がマーラーの音楽を
かくも立体的で、さまざまなパースペクティブを持つ作品にしていったのだろうと
自分は推察する・・・・・・。
マーラーの音楽は心身共に健康な時はあまり心に訴えてこない音楽なのかも知れない。
なんと言うか人の心の屈折した部分に訴えて来ると言うか・・・・

ちょっと危ない気分になりたい時はいいかも・・・・
もちろん芸術的な意味で。ですよ・・(笑い)

交響曲第9番ニ長調

ブルーノ・ワルター/ウィーンフィル


この演奏1938年のライブ。それにしては音質は良好。
特にDATTONと言う輸入盤では、録音年代を超えた本当に良い音でリマスターされている。
演奏もウィーンフィルの豊かな音色がなんとも言えない。音楽の表現自体もこの作品を
極限まで突き詰めた鋭さが感じられる。
このCDよく聴いてみると、静かな部分でやたら雑音が多いと思はないだろうか?
実はこの演奏会はユダヤ人であるワルターのウィーンでの最後期の演奏会に一つだった
らしい、会場での雑音はナチス党員の嫌がらせらしい。
そうワルターはこの時、半ば命がけで指揮をしていたのだ・・・・。なぜ、これがこんなに
凄まじい演奏になっているかお分かりでしょ・・・。
演奏するほうも、ハンパじゃない集中力でワルターに応えている。

ジョン・バルビローリ/ベルリンフィル


ベルリンフィルの古参団員が今までにもっとも印象に残った指揮者3人の名前をあげた時に
フルトヴェングラー、バルビローリ、あとは忘れた・・が挙がったらしい。
実際バルビローリとベルリンフィルのスタジオ録音は正規盤ではこれしか残っていないはずだ。
それだけ、一緒に演奏する機会も少なかったのかもしれないが、それでいて名前が挙がってしまう
指揮者だったと言うこと。なんでも音楽をスポンジのように吸収してしまう指揮者だったとか。
この録音も実演のあとに、BPO団員の総意による希望で録音がかなったらしい。
音楽があまり深刻にならずに、この作品を分かりやすく聴かせてくれることが嬉しい。
本当の名演奏はいつも明快で、その作品の素晴らしさを自然な形で伝えてくれる。
聴きつかれすることもない・・・。
ロマン派の終着点だとか、死をテーマにした作品だとか・・・そんなこの作品のイメージにとらわれず
この作品を楽しみたい人向き。

クルト・ザンデルリンク/フィルハーモニア管弦楽団


透明な響きによる美しい演奏。ここでは他の演奏に比べていくらか音の線が細いことも好ましい。
なにも特別なことはしていないけれどスッと音楽が心に染み込んで来るところが魅力的だ!!
ユダヤ人でなくてはマーラーは感動的には演奏出来ないと言う。この説を鵜呑みにするつもりは毛頭
ないけれど、やはりその血が流れるザンデルリンクの演奏に熱い共感を感じるのは自分だけでは
ないと思う。

サイモン・ラトル/ウィーンフィル

ラトルのウィーンフィル・デビュー演奏会のライヴとのこと。
オーケストラからこれだけ色彩感豊かな音を、引き出していることに驚きを感じる。
最近の若いエリート指揮者によくある小手先だけの演奏ではなく、オケ、そして演奏している作品
に対して全力でぶつかっている様子が感じられる。
確かにこの指揮者が21世紀のクラシック界を引っ張っていく可能性は高い。


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交響曲第8番「千人の交響曲」

はっきり言ってしまうとこの曲はあまり興味がなかった。
あまりに大きな編成を見ただけで「まとまりの無い演奏しかお目にかかれない」とっ言った
先入観が出来るのも事実でマーラーがこの作品を書いた意図が分からない・・・・と言うのが本音だった。
なんか宗教曲のように感じたと言うか・・・どうもつかみ所の無い音楽という感じだった。
第一部に関しては未だにチョット苦手ではあるけれど、後半は幾度かじっくり聴いて
みると、相当な力作であることが分かる。マーラーの力作とは「訳の分からないもの」といのは当たらずとも
遠からずと言ったところか・・・・・(笑い)。まあ喰わず嫌いだっただけなのかな。

これから楽しみが増えた。
オーケストラスコアを購入して、ただ今研究中・・・・。




クラウス・テンシュテット/ロンドンフィル

本命盤であるはずのバーンスタイン盤が今一音質が芳しくないので、この演奏を・・。
極めて濃く、熱くなる演奏だ。スケールも雄大、この演奏なら最後まで聴けるかもとも思う。

ミヒャエル・ギーレン/・フランクフルト放送交響楽団

やっぱり新盤を買っておけば良かったかな・・・と後悔はしている。
でも第8を分析するにはもってこいのCD。


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交響曲第7番「夜の歌」

何故かあまり人気のない作品だ。どうも作品から受ける暗い印象が原因のようだ。
しかしながらタイトルの由来となっている「夜想曲」の部分など本当に美しいし、
何度か聞き返して見ると、斬新な試みが数多くなされている野心作であることが
分かる。

レナード・バーンスタイン/ニューヨークフィル

音のリアリティでずば抜けた演奏だと思う。
やはり天下のマーラー指揮者だ。共感度が全く違うかなとも思う。
自分の感情の趣くままに音楽を進めれば、どれもがマーラーの心を覗き込むような名演に
なってしまうと言うバーンスタインの強みが一番はっきりと解る。


ミヒャエル・ギーレン/バーデンバーデン交響楽団

常々の明晰な音作りによる超名演。
まずあらゆる名演奏がそうであるように、聴いていて疲れない。
音が透明なので、マーラが書き込んだ音の綾が、生きたものとして耳に飛び込んで
来る。
どうにもテーマがさだまらず、難解な作品ではあるけれど、この演奏なら安心してマーラー
独特の音の陶酔の世界に浸っていられる。
なんども繰り返しこの演奏を聴いてマラ7を好きになろう。


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交響曲第6番イ短調

どうしてこの作品に「悲劇的」とついているのかさっぱりわからない。
まあ確かにそういった雰囲気を漂わせてはいるけれど。
でもあまりタイトルに拘って聴かないほうがこの作品は楽しめる。この作品のもつ
色彩感を存分に引き出した演奏をのぞむ。



ジョン・バルビローリ/ニューフィルハーモニア管弦楽団

オケの色彩感の豊かさで最高の演奏だ。
とにかく聴いていて、こ新しい発見がたくさんある。
美しい部分でバルビローリのうなり声がかなり聴こえて来るのは、ご愛嬌か・・・


レナード・バーンスタイン/ウィーンフィル

聴いてきて面白いことでは随一。
常々のバーンスタインらしく早めのテンポでも、ずっしりと重たいリズムがバッチリ
曲想とマッチしている。
テンポの思い切った変化も堂に入っていて「こうじゃなくちゃ」と嬉しくなってしまう。
とにかくこの指揮者のマーラーは他の演奏家ではまず表現出来ないサウンドを充分に
堪能させてくれる。

ハインツ・レーグナー/ベルリン放送交響楽団

ゆったりのテンポが大変好ましい演奏だ。
スケールも大きく、とにかくこの作品を違った視点から堪能させてくれる演奏。
かなり乱暴と言うか、大味に聴こえてしまう演奏が多い中で、一つ一つの音のからみ
を丹念に描き出しているところが素晴らしいと思う。
晩年は精彩に欠く演奏が多かったようだが、マーラーに限らず1970〜80年代の
レーグナーの指揮したものは全て買いだと思って間違いないと自分は思う。

CD=TKCC−15103

バーツラフ・ノイマン/ライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

オーソドックスな演奏で飽きの来ないもの。
普段聴きにはこれが一番良いと自分は思う。
東欧のオケの実力が堪能出来る一枚でもある。

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交響曲第5番嬰ハ短調

かなり前のことテレビ映画「戦艦大和」で効果的に使われていた。
この曲はダイナミックレンジの広い音響効果が期待出来るのでその部分だけが印象付けられ
ているけれどもっともっと奥が深く美しい作品だと思う。





レナード・バーンスタイン/ウィーンフィル

どれか1枚となればやはりこれかな。曲の魅力を存分に引き出しており楽しませてくれる。
全ての面でずば抜けた演奏だと思う。

クラウス・テンシュテット/ロンドンフィル

バーンスタインの対抗馬となるとこれかな。
常々のテンシュテットで色彩感溢れる演奏だ。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリンフィル

カラヤン初めてのマーラー録音とのことでLP発売当初、大変話題になったもの。
第4楽章はベストセラー「カラヤンアダージョ」の中でも目玉となったものでその美しさは
カラヤン美学の究極とも言えると思う。
マーラー演奏に求められる”突込み”には多少不足を感じるけれどそこがまた別の意味で
この作品の魅力を映し出すことになっているようで興味深い演奏だ。
ここでもBPOの上手さにはただただ呆れるばかり。

LP=MG8058,〜59 1973年録音

バーツラフ・ノイマン/ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

ノイマンのマーラーはその飾らない表現が好きでオケはライプツィッヒのLPを探している。
ライプツィッヒのマーラーは他にあまり無くその美しくも重厚な響きは魅力的だと思う。
何の気負いも無くこの大曲に向かい合うことが出来るLPとなっている。

LP=Philips SFL8570〜71 


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交響曲第3番ニ短調

この作品は「狩の角笛」交響曲と呼ばれているらしい。
最初のホルンによる旋律がその由来かと思われる。
正直に言ってしまうとなんとも退屈な作品で最後まで聴き通すのはかなり辛い。
しかしながら最終楽章は美しさの極みといってよい。
これからだんだん好きになってゆく楽しみがある作品でもある。

レナード・バーンスタイン/ニューヨークフィル

突っ込みの鋭さではやはり一枚上と言う印象。
バーンスタインのマーラーはとにかく飽きさせると言う事を知らない。
一つ一つの音の実在感がずば抜けているのだ。

クラウス・テンシュテット/ロンドンフィル

超名演!!コメントは後ほど。


ハインツ・レーグナー/ベルリン放送交響楽団


この後の第6とのカップリングになっているCD。この組み合わせは中古店で見つけたら
絶対に買い!!自分も諦めていたが、ふと立ち寄った中古CD店でこれを発見。
もう感激の嵐であった。
演奏も予想をはるかに上回る名演だと思う



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交響曲第3番

交響曲第6番

交響曲「大地の歌」

交響曲第5番

交響曲第4番

交響曲第2番「復活」

交響曲第7番

交響曲第8番

交響曲第9番

交響曲第1番

交響曲第1番「巨人」

ブルーノ・ワルター/コンロンビア交響楽団

最初の音を聴いただけで、誰だってもう最後まで聴きとおしてしまうこと間違いなし!!
ただその繊細な表現と美しさに酔いましょう。永遠に残したい最高の演奏だ。
出来れば60年代の初期盤LPを手に入れることが出来ればベストかも。
総合的な感銘度はCDでもまったく変わらないとは思います。

クラウス・テンシュテット/ロンドン・フィル

大変美しい演奏。テンシュテットは希代のマーラー指揮者であることは間違いない!!

レナード・バーンスタイン/コンセルトヘボウ・アムステルダム



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