晩ごはんしゃぶしゃぶ篇
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●実録「プロレスラーの晩ごはん」〜しゃぶしゃぶ篇〜

 この企画の趣旨は「焼肉篇」をご参照いただくとして、ようやく第2弾をお届けすることができます。
 今回の取材はこちらが企画したものではなく、「コンドッティがごはんをごちそうになるらしい」という情報を入手した管理人が「自腹を切らずに取材できる千載一遇のチャンス!」とカメラ片手にお店に乗り込んで、強引に実現させたものです。
 今晩のごはんは「しゃぶしゃぶ」。時は2003年1月21日。デビュー1年8ヵ月にして東京ドーム興行(「WRESTLE-1」)出場を果たした日の翌々日であり、「イタコネ日本人宣言」の2日前、T2P解散興行の6日前でもあったわけです。

 19時過ぎから始まった晩ごはんですが、コンドッティの第一声。
「"晩ごはん"の取材?16時頃にメシ食ったばかりだから、今日はあんまり食えないよ」
なんでも、ファミレスでステーキ(200g)とサラダバーで野菜を食べたとか。以下の食べっぷりは、この事実を念頭に置いたうえでお読みください。


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「それでは」
かにしゃぶ(うどん付き)、牛しゃぶ(うどん付き)、ふぐちりセット(ふぐ刺、雑炊付き)(※以上、いずれも1人前)、塩煎りぎんなん、烏龍茶

 支払いは第三者持ちということで、注文がいきなり強気です。テーブルにはコンドッティと管理人とあと1名、計3人がいたので1人前の鍋を3種類注文したのですが、管理人は取材のため、あと1名は4時間前に前述の食事に付き合わされているため、食べたのはほとんどコンドッティ1人であることを明記しておきます。
 ちなみに、注文するとすぐにお通しとして「煮凝り」が出されたのですが、これには箸をつけず。
「ゼリーみたいなもんでしょ?ゼリーは甘いもの以外は食べない」
と、相変わらずのお子ちゃま味覚ぶりを発揮。そして飲み物はこの日も烏龍茶。20歳過ぎた大人、しかもプロレスラーが、このメニューで、ビールすら飲まないんですよ…。

 完全オフだったこの日のコンドッティの行動について聞くと、
「今日は裏原宿デビューを果たした。小島聡さん(全日本プロレス)が着てる"APE"のお店とか」
と、2日後に「実はあまり好きではない」と告白することになる"オシャレ"について、地道に努力していた模様。その後は、この店に来るまで渋谷でパチンコをしてたそうです。
「(パチンコはよくやるの?)時々ね。時間のあるときだけ。▲▲さんみたいにギャラを全部使ったりはしないよ」
 全国を旅するプロレスラーは、どの街でも必ずお店があることから、ちょっとした空き時間にすぐできる娯楽として、パチンコを趣味にする人が多いようです。

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「今日はもう野菜はいい。肉だけ!」
牛しゃぶ皿(2人前)、かにしゃぶ皿(1人前)

 鍋のメインのみ追加という、打算に満ちたオーダーをするコンドッティ。

 そこへ、コンドッティに電話が。ちょうどこの時間、フジテレビ『ボブ・サップのバトル・エンターテイメント W-1』で1・19東京ドームでの大会が録画中継されていて、コンドッティの地上波全国放送デビュー(?)を見届けた知り合いの方からでした。
「あ、ビデオ録っておくの忘れた。まだ(VTRを)見てないんだよね」
せっかくの機会なので、ここでしばし「WRESTLE-1」での様子を聞くことに。
「(出番が終わったあとの試合は)一部は生で観てた。ダッグアウトから観られるんだよ。三塁側だったかな」
「ドームではいろいろな人に会った。渕さんでしょ、安生さんでしょ…」
「ブルペンに練習用リングがあった。実際のリングはセレモニーのリハーサルなんかで使えなかったからなんだろうけど。パンチ(田原)さんがリング屋さんとして来てた。あと、控え室にも豪華な弁当や飲み物がたくさんあって。控え室といえば、イタコネは外人勢と一緒だった。イタリア人だからかなあ?」
「(ひとりダブルブレーンバスターの)リプレイはうれしかった」
などなど、負けてしまったことから試合自体はあまり振り返らず(!?)、バックステージについて語ってくれました。


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「せっかくだから単品を」
たらば蟹の炭火焼き、長芋と大根のシャキシャキサラダ、烏龍茶

 ここで、肉以外のものを注文。
「こんなに頼んじゃっていいのかなあ?」
といいつつも頼むコンドッティに「そう言う割には遠慮しないよね」と混ぜっ返すと、
「遠慮はしてるよ。気持ちはね」
たとえ気持ちが遠慮していても、胃袋は無遠慮の極みです。

 ところで、店の中でも帽子をかぶりっぱなしのコンドッティ。そのことについて尋ねると、
「セットするのがめんどくさいから。脱いだらボサボサだよ」
と、ここでもやはり「オシャレはあまり好きではない」ことを証明していました。






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「食いたいもん、食っていいよね?」
舞茸の天ぷら、豚の角煮、烏龍茶

 さらに単品攻撃に。注文した料理が来ると
「うんめ!何だこれ!俺が普段食ってるものと、明らかに違う」
と、すっかりご満悦。

 ここで気になる「試合前の食事」について質問。 だいたい何時間前くらいに済ませておくのかを聞いてみました。
「人それぞれだよ。第1試合の開始直前に食べてる人もいるし。出番の後先によっても違うと思うけど。俺は、昼メシを食べたあとは、会場入りして練習して、それからゼリー(アルミパックに入ったサプリメント系のもの)を。本当はゼリーじゃなくて、あればおむすびでも食べるんだけど、ヒマがないから。で、夜はがっつり食べる」
その夜のごはんも、地方興行では巡業先によっては、夜遅くまで開いているお店を探すのがなかなか大変らしいです。
 念のためもう追加はいいかと聞くと、
「この後、うどんと雑炊で腹がふくれてくれば…」
と言うことで、ようやくオーダーストップ。2人前のうどんと雑炊を食後のデザート(!?)にして、食事を締めくくりました。

ここで、最後に飛び出したコンドッティ語録。
「おなかいっぱいと言うよりも、食うのに飽きてくる。腹いっぱいになって(食事を)止めるんじゃなくて、食うのに飽きて止める。口を動かすのが疲れるとか。特にマズい食事は…道場のチャンコとか。でも、そういうことってない?」
同意を求めてくるコンドッティですが、頼むから同類とは思わないでほしい。
普通の人は、食事に飽きる前にお腹いっぱいになる仕組みになっているんですよ…。



追記
 実はこの日がコンドッティの誕生日だったということを、すっかり失念していました。
が、食事のスポンサーや同席者はおろか、コンドッティ本人すらその事実を忘れていたようなので…まあいいや(笑)。

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