近藤修司大全集
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 このページではドッティの試合中のクセやパフォーマンスその他をご紹介します(現在34項目・40種収録)。また、「HOLD」では掲載しがたい反則技はこちらに盛り込まれております。水色の枠で囲んであるものはオリジナルです。
※なお、タイトルはすべて当コーナーが恣意的に付けたものであり、一般に通用するものではありません。また、名称の後に記載された英語名は九分九厘、合っております(つまり九割一厘は間違っております)のでご了承のほどを。
※当コーナーはT2P時代以来、2004年11月まで休眠コンテンツとなっていた「裏HOLD」に大幅な加筆修正を施して時代別に編集、リニューアルして当HP開設3周年企画として地味にUPしたものです。

凡例
【】・・・・ジャンル(約=お約束、仕=力仕事、癖=クセ、返=切り返し、痛=ダメージ、貌=風貌&コスチューム関連、悪=反則全般、物=アイテム、歴=歴史、趣=趣味、助=アシスト)
星印・・・・管理人の主観による威力評価(星5つが最高点)


●悪冠一色(闘龍門JAPAN〜DRAGON GATE・〈第二次〉近藤修司)時代

青ツナギ(COVERALL STYLE) 【貌】ガテン度★★★★
tng1.jpg tng2.jpg 2004年春に登場した、悪冠一色の第2コスチューム(?)。菅原選手の悪冠一色加入に向けた策略の一環として使用され、当時の闘龍門マットを混乱に陥れ、かつ菅原選手のパートナーだった森選手(ロイヤル・ブラザーズ)に大ショックを与える(当HP「SCORE」〜「COMMENT」2004年度版参照)。調子に乗った悪冠はその後も森選手との対戦の際にこのコスチュームで試合し、森選手が負ったトラウマをより深刻にした。DRAGON GATE(旧闘龍門JAPAN)のユニットの第2コスチュームと言えばC-MAX(2004年11月に解散)の「黒の戦闘服」が有名だったが、悪冠のそれは「引っ越し業者」「自動車整備工」「飼育係」「清掃局員」などのガテン系ユニフォームにしか見えないと大評判であった。
写真提供:『カミグル』シトラスさん

赤いハンマー(RED HAMMER) 【物】凶悪度★★★★★
2004年10月24日のディファ有明大会で初登場した最凶アイテム(SCORE〜COMMENT2004年版参照)。OPEN THE TRIANGLE GATE王座を争う6人タッグリーグ戦に「お笑いレスラーをリーグ戦に参加させるこの会社はおかしい」と立腹したドッティが試合をブチ壊し、「フロリダは明日から欠場。(観客に)人間の骨が折れる音を聞かせてやる」とダウンするジョンソン・フロリダ選手めがけて振り下ろすために用意したものである。その時はジョンソン選手が間一髪除けて事なきを得たものの、DRAGON GATEマットでは戦慄のシーンであった。あまりにも危険なため、めったに登場することはないと思われるが、通常アイテムの「赤いブルロープ」を捨ててこの赤いハンマーを持ち込んだ時には「胸ドンドン(後述)のありなし」に代わる「ドッティの心境のただならなさ」を表すものと考えられ、このアイテムを持ち込んだ試合は大荒れ必至である。

赤いブルロープ(RED BULL-ROPE) 【物】使い勝手★★★★
redbr.jpg 2004年夏から登場した、入場時に携行するオリジナルアイテム。ブルロープと言えばこのアイテムで一世を風靡した"カウボーイ"スタン・ハンセン選手が振り回しながら入場するシーンが思い出されるが、「ハンセンの真似」と揶揄されるのを怖れたか、振り回しもせず肩に掛けて入場。ハンセン選手は入場時のアイテムとしただけで試合中に使用することはめったになかったのだが、ドッティは凶器として最大限に活用しているのが大きな違いである。
そもそもカウボーイ・キャラでもなく、しかも自身を闘牛にたとえた「ランサルセ(闘牛の突進)」を得意技にする男が、畜牛を捕まえるための道具を持ち込むのはかなり矛盾に満ちた姿ではある。だが、このアイテムは悪冠一色の某選手が、チームメイトのためにわざわざ実家近くのホームセンターで買ってきて「これを持ったらどうだ」と勧めたもので、しかしその選手自身がイメージするものとは違ったらしく丁重に固辞したため、当時アイテムのなかったドッティが使用することにした、という説がある。真偽のほどは不明だが、それが真実であるなら、軍団のチームワークを伺わせるのと同時にドッティのアバウトな一面が表れている逸話であるとも言えよう。
ともあれ、この「赤いブルロープ」の登場により、悪冠一色は大鷲選手の「黒のMYパイプイス」、YASSHI選手の「(悪冠一色の象徴でもある)レッドボックス」、高木選手の「チェーン」、菅原選手の「メリケンサック」と、いかにもルードらしい個人アイテムが揃うこととなった。このうち赤いブルロープだけは唯一、打撃に使用してもさほど威力を得られないもので、「背中合わせの絞首刑」(後述)のほかにも、対戦相手の首にかけてブン回したり、コーナーポスト最上段に腰掛けて相手を首吊りにしたりと、パワー系にしか出来ない使用法を編み出したことで、結果的に個性をアピールすることに成功している。
ちなみにこの赤いブルロープ、入場後には自軍のコーナーの金具に掛けておくのだが、ぞんざいにフワリと投げておきながら見事に金具に掛かるシーンが時折見られるので、悪冠側のコーナー近くに席が取れた不幸なファンの方は、せめてもの慰めとして、ぜひ注目されたし。
写真提供:『コンドッティ祭』かさこさん

足グリグリ(ASHI-GURI-GURI) 【悪】凶悪度★★★★
guri.jpg 旧闘龍門JAPAN時代に一世を風靡した伝説のルード軍団・初代M2Kが得意とした実にルードらしい攻撃で、ドッティもルードとして先鋭化したはぐれ軍時代から使用を開始。自軍コーナーに相手を詰め、その顔面に足を押しつけるというもので、タッグパートナーはもちろん、セコンドがいる時には軍団総出でと、何人でも出来ることが特長。毎試合必ず繰り出され軍団を象徴するパフォーマンスであり、この攻撃を境に観客のスタンスがブーイング一色に統一されるという、重要な役割を担っている。
※この技名は、写真をご提供いただいた悪酔さんが考案したネーミングを当HPでも使用させてもらっているものです。
写真提供:『"b"ESPERANZA』悪酔さん

足ダンダン(ASHI-DAN-DAN) 【約】アピール度★★★★★
dan.jpg ご存知ランサルセの直前に出すパフォーマンス。闘牛よろしくリングを踏み鳴らして、観客の手拍子とともに会場を盛り上げる。ところが相手選手に読まれることが多く(そりゃそうだ)、ランサルセ自体は、試合の中で意表を突いて出す「突発性ランサルセ」の方が成功率が高くなっている。しかしながら、ランサルセをオリジナルホールドとして浸透させたのはこのムーヴによるところが大きく、その功績は計り知れないものがある。現在は「見せ場」(もしくは「お約束」)としての役割が強くなっており、かなり高い頻度でこのパフォーマンスにお目にかかることができる。
※パフォーマンスの由来については当HP「HOLD」をご参照ください。
写真提供:『OrangeBear』ゆうちゃん

改名(NAMING CHANGE) 【歴】迷惑度★★★★★
DRAGON GATEで改名と言えば、真っ先に名前が挙がるのが公式記録だけでも5回改名したドン・フジイ選手(藤井達樹〈本名〉→スモー・フジ→スモー"ダンディ"フジ→スモー"ダンディ"フジ二千→ビッグ・フジ→現在。それ以外にも期間限定の「エル・キングコング」「キャッチャー・フジイ」があり、マイクをアイテムとする別人格〈?〉への変身も併せると…)。それに次ぐのが、公式記録上3回改名したCIMA選手(大島伸彦〈本名〉→シーマ・ノブナガ→SHIMA→現在)、K-ness.選手(斎藤誠〈本名〉→MAKOTO→ダークネス・ドラゴン→現在)、"brother"YASSHI選手(辻本恭史〈本名〉→STEVIE"brother"TSUJIMOTO→"brother"YASSINI→現在)と、ドッティである。
このうちドッティだけはデビュー時に名乗っていた本名に戻しただけなのでDG改名ランキング同率2位の3選手とは同列に論じられないかもしれないが、第28代UWAトリオ王座君臨時代の「同一王座保持期間中に3度改名の新記録達成(少なくとも同王座史上では)」は誰も真似することのできない(誰も真似しようとしない)記録かもしれない。
なお、2004年2月に本名に戻したのは「所属軍団が変わるたびに改名」(近藤修司〈T2P正規軍=01年5月18日のデビューから約8ヵ月〉→コンドッティ修司〈イタリアン・コネクション=02年3月3日から約1年6ヵ月〉→ドッティ修司〈はぐれ軍団(仮)=発足は推定03年9月8日だが改名は同年10月2日から約6ヵ月〉→現在〈悪冠一色=発足は04年1月31日だが改名は同年2月22日〉)という経験則に当てはまっており、これが通説であるのだが、「ドッティ修司では上を狙うには重みがなさすぎるから」という説もある。例によって、この説の真偽のほどは不明だが、この改名後に団体のトップグループ入りを果たした(4月、7月のビッグマッチ2大会連続メイン出場やルード軍団の事実上のリーダー格就任など)ことを考えると、あながち間違っているとは言えない。実際問題として「コンドッティ修司」「ドッティ修司」というリングネームは、誰がどう見ても色物以外の何物でもなかった。ちなみに「片仮名リングネーム+(本名の下の)名前」という組み合わせは本邦マット界ではあまり例がなく、ある意味では貴重であった。
本稿の最後に、繰り言であるが、ドッティの3度の改名で最も被害を被ったのは、おそらく当HPである。当HP管理人は、K-ness.選手が最終的に愛称をリングネームとしたように「近藤修司→コンドッティ修司→ドッティ修司」の次は「ドッティ」しかないだろうと信じて疑わなかったのだが…。

キョロキョロ(2004)(KYORO-KYORO 2004) 【癖】みっともなさ★★★★★
kyoro1.jpg 入場式における、T2P初期からのドッティの必殺技。JAPANに定着して入場式をやらなくなったことから封印されたものと思われたが、春の「EL NUMERO UNO」、秋の「REY DE PAREJAS」のシングル・タッグ両リーグ戦の開幕日には入場式が行われており、相変わらずドッティはこの技を炸裂させている。よって、リニューアルされた当コーナーにも稿を改めて生き残り、もう新人とは呼べない現在はさらに「みっともなさ」がパワーアップされた。
写真提供:『カミグル』シトラスさん

衣替え(COSTUME CHANGE of SPRING & SUMMER or AUTUMN & WINTER) 【貌】寒がり&暑がり度★★★★
fuyu.jpg 軍団の個性をアピールすべく、軍団カラーを模したオーバー・コスチューム(入場時に各選手が纏うもの)が定着しているDRAGON GATEマットだったが、悪冠一色では夏服(赤Tシャツ)と冬服(ベロアの茶色のパーカーとジャージ=写真)が用意されていた(他軍団ではFinal M2Kが夏服〈青Tシャツorタンクトップ〉と冬服〈本来のスカジャン〉に分けている)。
悪冠一色の場合、夏は軽快であるはずのTシャツだが、毒々しい赤はさわやかさ皆無で、ことにドッティのピチピチの着こなしは意図せざる暑苦しさを演出しており、ルードならではの「見た目から不快感」を客席にまき散らしている。この夏服は、2004年春頃に登場しており、Tシャツの袖を独自に切り刻んだものと思われるタンクトップはYASSHI選手(試合中も着用するケース多し)と菅原選手。個人Tシャツ(XLのみの生産)のある大鷲選手だけは名前の書かれた黒Tシャツを愛用。高木選手はTシャツの袖をさりげなく折って着こなしていて、ドッティはいっぱいいっぱいの首回りをカットしているなど、それぞれが微妙にアレンジしているのが小さな特徴である。
冬服は、はぐれ軍団(仮)時代から使用されているもので、悪冠一色の前身である同軍団が(2003年)秋に発足した歴史を物語っている。こちらはお揃いだが、袖と脚、そしてフード中央にメンバーそれぞれのイメージカラーが施されている(ドッティは黄・橙・赤)。
また、望月成晃選手がこの軍団の夏冬服ともに袖を通していたという事実は、今にして思えば信じがたいものである。
いずれにせよ、全国津津浦浦を巡る興行システムを採用するDRAGON GATEでは冷暖房のない体育館を回ることが多いせいか(一説によると、地方公共団体が管理する体育館では「ここは市町村民が汗をかきに来る場所だからエアコンは必要ない」というわかったようなわからないような理由を財政難の言い訳にしているらしい)、それに対応したシステムであると思われる。
写真提供:『"b"ESPERANZA』悪酔さん

「ジャ〜ックハマーッ!!!」(予告)(PRELIMINARY ANNOUNCEMENT for "JACKHAMMER") 【約】アピール度★★
jh.jpg 相手をフロントネックロックに取った体勢で"首をかっ切るポーズ"をしながら「ジャ〜ックハマーッ!!!」と叫んで技を予告するムーブメント。DRAGON GATE選手の得意技アピールのうち、発声付きのものについては、斎藤選手の「ダ〜ンシ〜ング・ヤッホー!」、森選手の「行きますよ〜!」、土井選手の「リーリーリー!」、堀口選手の「ビ〜チブレイク!」、横須賀選手の「ブレンバスター!」、谷嵜選手の「ノっちゃうぞ〜!」などが挙げられるが、ドッティのそれはYASSHI選手の「ビッグヘッド!」と並んで、場内から失敗が祈られるのが、前述選手との大きな違いである。
写真提供:『カミグル』シトラスさん

背中合わせの絞首刑(HANGMAN'S HOLD) 【悪】不快指数★★★
senaka2.jpg senaka.jpg 2004年夏より悪冠一色時代のドッティが持参するアイテムとなった「赤いブルロープ」を相手の首に掛け、反転して相手を背中合わせに担ぎ上げ、絞首刑に処するもの。道具を使わないと「ハングマンズ・ホールド」という立派な技になるらしいが、道具を使用しているので立派な反則技。2004年1月に「はぐれ軍団(仮)」が「悪冠一色」に衣替えしたのち、極悪路線がトーンダウンしていることに危機感を覚えたのか、「通常の反則小道具を使った、自分にしかできない反則技」をコンセプトに開発された模様で、赤いブルロープの登場以前は盟友・高木選手のアイテムであるチェーンや、観客から奪い取ったパイプイスにより執行されていた。なお、2004年6月には、同じく完成形が背中合わせとなる「グリフォン」(当HP「HOLD」参照)を流用した進化形が出現している(「ハングマンズ・グリフォン」=写真右)。さらに2004年12月には、ブルロープを使って背中合わせに絞め上げた選手をそのまま前方に投げ、ロープを首にかけたまま、倒れた選手に馬乗りになってロープを手前に引っ張る「ハングマンズ・キャメルクラッチ」が披露されている。
写真提供:『カミグル』シトラスさん

「ダブル三角絞め」持ち上げカット(LIFTING of "DOUBLE TRIANGLE HOLD") 【返】信じ難さ★★★★★
wmcag.jpg 2人の選手が1人の左右それぞれの腕を取って同時に三角絞めをやること自体が十分驚異的なものであるが、その対処法として考案された呆れるばかりの返し方がこのムーブメントである(この裏技については、当HP「GALLERY」の「近藤家の食卓」をご参照されたし)。2003年9月26日東京武道館大会で、YOSSINO&K-ness.選手を相手に初披露された。
写真提供:ふゆさん

ブレーンバスター上げ下げ(TAKING UP & DOWN to the middle of "BRAIN BUSTER") 【約】驚き度★★★★
ag.jpg sg.jpg パワーに自信のある選手が見せる「滞空時間の長いブレーンバスター」に、余計なひと手間を加えたドッティ・オリジナル。抱え上げながら(おそらく)わざと力を抜き、相手が元の上げられる前の状態に戻ろうとするところを再び抱え上げる。その動きを数回繰り返してから最終的には投げるのだが、別に相手のダメージが深まるわけではないので、「パワーの誇示」以外の意味はないものと思われる。2003年より使用されている。
写真提供:『コンドッティ祭』かさこさん

ベルト姿(CHAMPION'S PORTRAIT) 【貌】威厳のなさ★★★★
blt2.jpg blt1.jpg 2003年6月に奪取した生涯初のベルト姿(英連邦Jr王座=写真左)。タイトルマッチ以外の試合でもベルトを持ってリングに上がるのは王者の特権だが、ドッティは腰には巻かず、ブン回しながら入場することが多かった。同年9月にUWAトリオ王座を獲得してからは2本とも腰に巻いて2冠王であることを誇示した(写真右)が、同年11月に英連邦王座から転落すると、やはりUWAトリオベルトも腰から離れてブン回す道具に戻った。結局、タイトルそのものに対するリスペクトの気持ちは一切なく、在位中、自身が保持するタイトルの権威を貶めただけだった。
写真提供:(左)ふゆさん/(右)『"b"ESPERANZA』まゆらさん

編曲(THEME SONG ARRANGEMENT) 【趣】意外性★★★★
当HPの「PROFILE」欄に「趣味:バンド活動」という記載があるように、見た目の印象とはおよそ異なる余芸を持っていたドッティだが、プロレスラーとして余裕の出てきた2004年夏頃にその血が蘇ったのか、パソコンの音楽ソフトを駆使した作曲・編曲活動を再開(このくだりは『週刊プロレス』2004年10月27日号に掲載された「マッチョ記者のDRAGON GATE広人苑〜"ゴリラパワー"近藤の意外な趣味 目標は夢の印税生活!?〜」に詳細)。
その成果は同年11月頃に現れ、その手始めとして軍団テーマ曲を勝手に改造し、DRAGON GATE音響ディレクターの中澤八束氏を脅してムリヤリ使用させるという暴挙に出た。そのアレンジはドラムを強調させた重みのあるもので、観客の不快感を増幅させる点で見事にルードを貫いていることだけは認めざるを得ない。
団体が権利を持つオリジナルテーマ曲をアレンジしたのは、CD化された際の印税を目論んだものだったようだが、どうやら「編曲者には印税は入らない」らしいので、いずれ自身の作曲によるテーマ曲をねじ込む可能性は大である。

ボックス投げるフリ(THROWING POSE OF BOX) 【助】観客の沈黙効果★★★★
大ブーイングや野次が止まないために仲間がMCをしづらい際、ドッティが密かにやるアシスト。特にうるさい野次が飛んでいる方角に、手にしたレッドボックスをリング上から投げるフリをするというものだが、この技を繰り出すとその方角の客は息を飲むため、一瞬だが沈静化させることができる。実際に客席に投げ込んだケースは確認されていないが、「この男なら本当に投げるんじゃないか」と思わせるルードとしてのリアリティが、観客に対し大きな威嚇効果を上げている。

マイク・パフォーマンス(MICROPHONE PERFORMANCE) 【約】やな感じ度★★★★
mc.jpg 通称MC。サイドストーリーが試合の重要なスパイスとなっているDRAGON GATEでは、試合の前後に選手が自らマイクを握り、対戦相手への現在の心境や抗争の今後の展望について、観客に説明することが半ば義務づけられている。これにより初観戦の観客にも、遺恨や因縁などの「テーマ」を理解させた上で目の前および今後の闘いをより楽しませることが出来るという大切な作業である。天然ルードのドッティの場合、その口から語られる本音がふてぶてしいルックスと相まって、観客に試合の意味を理解させる以前に客席をヒートさせる意味合いの方が大きい。
ちなみに、ドッティに限らずMCの全般的な特徴として、「おい」「おまえ」「この野郎」の3語が頻出するのが一般人の会話との大きな違い。相手に対する敵意のアピールとMC独特のリズム感の形成のほか、言葉に詰まった際の一時的な逃げ場としても活用されている。
写真提供:にゃまさん

野次る客 招き入れ(INVITES in BAD-CHEERING MAN) 【助】観客の沈黙効果★★★★★
大ブーイングや野次が止まないために仲間がMCをしづらい際、ドッティが密かにやるアシストとして「ボックス投げるフリ」があるが、これを上回るアシストが2004年11月28日ディファ有明大会で登場。MCの進行を妨げるなど、看過できない野次を飛ばす客をリング上から指さし、肩と太股を使って2段目と3段目のロープを押し広げ、「あなたの意見はリングで聞いてあげるから上がって来なさい」と言わんばかりに手招きをするもので、当該客への威嚇効果は絶大である。
ただ、「カネを払って観に来てるんだから言わせろ」とばかりに執拗な野次を飛ばすこの種の客は、同じくお金を払って観に来ている他の善良なファンにとって不快かつ興醒めを催すという点である意味最強ルードとも言える大迷惑な存在であるが、それ故にこのパフォーマンスを繰り出すと一時的に喝采を浴びてしまうのが、職業ルードにとっては痛し痒しではある。


●はぐれ軍団(仮)(闘龍門JAPAN・ドッティ修司)時代

エンジン全開(FULL THROTTLE) 【約】アピール度★★★
タッグマッチなどで波状攻撃を仕掛ける際に時折見られたムーヴ。自らロープへ走る直前に「さあこれから悪いことをやるからな」とばかりに、一方の足をその場で何回も後ろに掻き上げる。さながらバイクのエンジンをかけるような動きだったが、客席がたちまちオーバーヒートしてしまうのが大きな特長であった。

ヒヨコ頭(A HAIRSTYLE like "HIYOKO") 【貌】みっともなさ★★★★★
qp.jpg py.jpg イタコネ離脱直後、極悪であることをわかりやすく体現するはずだった金髪姿だが、やっていることの悪辣さと笑いを呼ぶ見た目とのギャップで、完全に失敗に終わる(写真左)。その後も赤く染めたりモヒカン風にしたりとさまざまなヘアスタイルで悪を表現しようとしたが、髪の色を変えても顔の彫りが浅いためにまるで似合わず、モヒカン風も「悪いキューピー」(写真右)にしか見えないなど失敗が相次ぎ、はぐれ軍時代のドッティは行動以上に髪型の暴走が目立っていた。
写真提供:(左)『Che bellezza』まるさん/(右)『30point』りおさん

ボックス・タッチ(BOX TOUCH) 【約】不快指数★★★★
boxt.jpg 試合が最高潮に達した頃、ルードがとどめとばかりに繰り出す「ブルーボックス」攻撃。望月成晃選手が初代M2K時代に持ち込み、闘龍門〜DRAGON GATEではすっかりおなじみのプラスチック製青箱(本来の用途は、解体したリングのコーナーバックルや金具を入れるためのものか?)。ドッティもイタコネ時代の「ルード先鋭化」(2003年春頃)より使用を始めた。
「ボックス・タッチ」は、YASSHI選手とそれぞれに持ったボックスの端を叩き、タッグの相手に同時ボックス攻撃に行く直前のパフォーマンス。1回のみならず、リズムよく数回叩いて相手が立ち上がるのを待つのだが、このリズムに合わせて観客が手拍子を取ることは一切なかった。このパフォーマンスからのボックス攻撃の成功率は5割程度と思われ、パフォーマンスなしで攻撃を続けたほうが効率がよいのは疑いないのだが、観客に与える不快感は抜群であるため、ルードとしての自己陶酔のためにやっていたのではないかと考えられる。
なお、現在の悪冠一色では2004年6月の「望月選手追放」と機を同じくして、ブルーボックスを赤く染めた「レッドボックス」の使用を開始(1つしか制作されていないため、結果的に「ボックス・タッチ」は封印された)。軍団オリジナル凶器第1号として、青箱よりも使い勝手を重視してコンパクトになっているのだが、もともとはやはり青色であるものをスプレーで赤く染め直したものらしく、相手選手に振り下ろす度に「赤のスプレーの破片」が飛び散っていた。
写真提供:さちさん

マスクコレクション竿(THE POLE which COLLECTS a MASK) 【物】行商度★★★★
sao.jpg イタコネ離脱時の行動(ヴェネツィアの顔の皮?を剥ぐ)からエスカレートし、K-ness.、ドラゴン・キッド、ストーカー市川、ベルリネッタ・ボクサーの各選手のマスクを次々に剥いで竿に差し、試合入場時のアイテムにしていた。これまでの戦果を見せびらかすように客席にアピールしていたが、マスクマンの本場メヒコのマスク売りにしか見えなかったという声も根強い。
写真提供:『カミグル』シトラスさん

胸ドンドン(MUNE-DON-DON) 【約】アピール度★★★
don.jpg 選手紹介コールの際のパフォーマンス。言うまでもないがモチーフはゴリラ。コールを受けるや野性味満点に、というか野生そのものの迫力で、おもむろに両のコブシで胸をドンドン叩きまくった後に両手を挙げるというもので、一瞬、我々と同じホモ・サピエンスであることを忘れさせる姿であった。T2P逆上陸第1弾(2001年11月)直前の闘龍門JAPAN大会出場時(同年10月)に何かやろうと考えていたところ、自然にこれが出てしまったらしく、まさに「野人系」の面目躍如。なお、コール時にこのパフォーマンスが行われないケースも散見されたが、その時はドッティの心境がただならぬことを示しており、試合展開が荒れ模様となることは必至であった。
このパフォーマンスは悪冠一色に移行してからも継続されていたが、「そもそもルードが客に(相手への攻撃予告や悪辣さをアピールする以外の純粋な)パフォーマンスをする必要があるのか」という根源的疑問を抱いたのか、2004年夏をもって封印された模様。管理人としては、ドッティのラリアットが「"キングコング"・ラリアット」と称されることの根拠でもあり、観客もこのパフォーマンスも決してファンサービスとは思っていないので、封印はどうかと思うのだが…。
写真提供:『Beach Break』AIRさん


●イタリアン・コネクション(闘龍門MEXICO〜JAPAN・コンドッティ修司)時代

イベントでの飲食(EAT & DRINK) 【約】驚き度★★★★
eat.jpg 「ビッグマッチの際の前夜祭(後夜祭)」「ユニットまたは個人によるトークイベント&パーティー」など、しばしば行われているファンイベントのうち、食事を伴うものの中で「お約束」とも言えたのがコンドッティの食事風景。「無芸大食」という言葉があるが、コンドッティの場合は「大食」が立派に芸として昇華していた。なお、この種のイベントへの参加は、2003年夏のイタコネ離脱以降は激減している。
写真提供:ナシゴレンさん

決めポーズ(CUSTOMARY POSE of "ITALIAN CONNECTION") 【約】アピール度★★★★★
kime.jpg 「お洒落なイタリア人の集団」という触れ込みだったイタコネで、ユニットの総力をアピールするために考案された集合ポーズ。主にT2P興行で、メインでの試合に勝利した際などにしばしば披露された。初披露は2002年3月3日のイタコネ結成時(ディファ有明)で、この時のコンドッティのポーズ(片肘をついて寝そべり、もう片方の腕で力こぶ)は"ファッションリーダー"ミラノコレクションA.T.選手がアドリブで指導したもので「(のちにミラノ選手に聞いたところ)お洒落なマッチョマン、ということらしい」。だが、このポーズについては未だに「寝そべりながら視ているTVのチャンネルをリモコンで変えてる人」という説も根強い(当HP「GALLERY」〜「御宝扉絵弐ノ巻」参照)。
その後、ベルリネッタ・ボクサー選手が加入して6人体制となり、大漁旗を捨てたペスカトーレ八木選手がイタリア国旗の旗手となったことから、写真のような集団ポーズが完成。この6人のユニットが観られることはもう二度とないが、今にして思うと、戦力バランスの取れた好ユニットであり、集団を構成する個々のキャラクターが絶妙に分散(「お茶目で頼れるリーダー」「クールな快速ファイター」「トンパチ〈※時に突拍子もない行動に出る、愛すべきトラブルメーカー〉」「スタミナ兼備のパワーファイター」「威勢のよい試合巧者」「謎のマスクマン」)していたことも見逃せない。
また、決めポーズではないのだが、タッグパートナーやセコンドと親指を立てた握り拳をぶつけ合ったのち手のひらをタッチする「イタコネ式握手」も、結束を強める儀式として試合開始直前や勝利後に必ず見受けられた。このムーヴは現在の第2次イタコネにも受け継がれている。
写真提供:『コンドッティ祭』かさこさん

サイン会(AUTOGRAPH SESSION) 【仕】サービス度★★
sign.jpg コンドッティが初めてサイン会に参加したのは、2003年1月27日後楽園ホールでのT2P最終興行における休憩中(写真)。以後、イタコネ離脱までは試合後やイベントなどでしばしば行われていたが、これも現在では激減している。なお、キャリアが浅い割りには改名を繰り返しているため、時代に応じてサインは数バージョンあると思われる。

セルフ応援団(SELFAID) 【約】アピール度★★★
花道が設置されている会場ではステージ登場直後に、それ以外の会場ではエプロンに上がって客席に向かって行われていた忘れ得ぬパフォーマンス。両手を真横に伸ばして腰を落とし、両手を頭上に向かって徐々に上げていき、真上まで行ったところで一気に胸元に引きつけるもので、この名称は応援団長のポーズにしか見えなかった管理人が勝手に呼んでいたもの。このムーヴは、旧WWF(現WWE)で一世を風靡したアルティメット・ウォリアー選手へのリスペクトから来ていたらしく、「体が勝手に動いて」いつの間にか始められた模様。なお、コンドッティに変身したのちに「腕ヒラヒラ」(両腕に結ばれたひも)、「足フサフサ」(シューズを覆い隠す飾り)などがコスチュームに取り入れられるようになったが、これらもすべてU・ウォリアー選手へのリスペクトからなっている。

止められる・叱られる(REPROVED) 【悪】チームの亀裂度★★
sika.jpg tome.jpg 日本人宣言、T2P解散を経て、ユニットごとJAPANに合流したイタコネの面々(2003年1月)。2002年はT2P代表としてJAPANに対峙し、大多数のファンから大ルード扱いされたイタコネだったが、JAPAN合流を機にミラノコレクションA.T.選手とYOSSINO選手はテクニコへのシフトチェンジを希求。一方、コンドッティと"brother"YASSINI選手らはイタコネの出発点であるルードの心を捨てる気はまったくなく、"ファッション・リーダー"ミラノ選手やイタコネNo.2のYOSSINO選手から試合中に悪事を窘められているシーンがしばしば見受けられた。この頃の彼らの関係は「しっかり者の長男・次男と、やんちゃな末っ子たち」といった風情だったのだが…。
写真提供:(左)『Escargot』マーコさん/(右)『Beach Break』AIRさん

通訳(INTERPRET) 【約】以心伝心度★★★
日本語をしゃべれないベルリネッタ・ボクサー選手と、イタコネ内で唯一?コミュニケーションを取ることができたコンドッティ。イタコネ結成直後のT2P日本逆上陸(2002年6月)の出身地紹介や、「イタコネ日本人宣言」(2003年1月)のMCでは、コンドッティがB・ボクサー選手の意思を代弁。試合後のインタビューでも、しばしば同様のシーンが見られた。イタコネ離脱以降、両者とも実は静岡県出身であることが判明したが、静岡弁が他県出身者からまったく理解できない言語であるかどうかは不明である。


●T2P逆上陸初期(闘龍門MEXICO・キャリア1年未満の〈第一次〉近藤修司)時代

肩車(KATA-GURUMA) 【仕】貢献度★★★★
kata.jpg T2P逆上陸第1弾シリーズの開幕戦、後楽園大会のメイン終了後の名シーン。日本初試合を完勝で飾ったエース・ミラノコレクションA.T.選手を肩車したのは、やはりこの男だった。パワーがあり、かつキャリアが浅いため、肩車の土台としての使い勝手は抜群であった。

キョロキョロ(KYORO-KYORO) 【癖】みっともなさ★★★★
kyoro.jpg 興行毎に入場式が行われていたT2Pならではの姿。8期生とキャリアが浅いため、最初の方に入場して他の選手を待つことが多く、途中で飽きてしまうらしい。視線が定まらず、いま一つ落ち着きに欠けている。それと余計なお世話かもしれないが、ジャケットのジッパーを一番上まであげてしまうとタダでさえ短い首の在処がますますわからなくなるので、頼むからもう少し考えてほしかった。

クルクル(KURU-KURU) 【返】器用さ★★★
試合序盤のグラウンドでの攻防時に出る技。フロントネックロックを決められた相手が腕を取って逃れようとする際、相手の首をテコに360度回転して再び相手を支配する体勢を維持するムーヴメント。「これをやるとお客さんがオーッと言ってくれる。だから好きなの」(本人談)。もともとアマレスにあるテクニックで、「スイッチ」「切り返し」などと呼ばれている。よってオリジナル技ではないのだが、「他の選手がやる技はやらない」というプロレスラーの習性と、T2P興行の第1試合の常連である立場を利用して、ちゃっかり自分のモノとしていた。

つま先カンカン(TSUMASAKI-KAN-KAN) 【癖】無自覚さ★★★★★
kan.jpg 試合開始直後、相手選手と間合いを計りながらリング上を円形に移動する際に出るクセ。グルグルと廻りながら、たまにつま先でリングをカンカンと叩く。当人にはまるで自覚がなく、他の選手から指摘されてようやく気がついた。

ハタハタ(HATA-HATA) 【痛】ダメージ★★★〜★★★★★
hata.jpg 関節技を極められているときや、打撃技で大ダメージを受けたときに見せる足の動き。この動きによって自分の痛みをマットに分散させ、かつ相手の技の威力を観客席最後列にまで伝えるという、地味だが意外と優れた技である。プロレス界では普遍的に見られる動きだが、こらえ性がないのか、一試合中に何度も足をハタハタハタハタハタハタさせていた。

リング設営&撤収(SETSUEI&TESSYU) 【仕】貢献度★★★★
tesyu.jpg 団体関係者からは、試合以上に(?)そのパワーを期待されていた仕事。ちなみにT2Pで使用された六角リングの設営は、四角リングよりもパーツが多く、基礎となる鉄骨をクモの巣状に張り巡らせなければならないため、正しい位置に組むのが難しく非常に時間がかかったそう。正確な所要時間は不明だが、四角リングの設営でおおよそ1時間、六角リングの場合はそれにプラスアルファ。撤収は四角、六角ともに約1時間弱とのこと。

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