持ち技事典
hold.jpg

 このページではドッティの持ち技をご紹介します(現在22項目・43種収録。合体技については別途後述)。赤い枠で囲んであるものはオリジナル・ホールドです。
※技の名前は、正式名称不詳のため当コーナーが恣意的に付けたものが多数あり、一般には通用しないものも含まれております。また、技名の後に記載された英語名につきましては九分九厘、合っております(つまり九割一厘は間違っております)のでご了承ください。
※合体技以外で反則対象となる技は、当HP「ET CETERA」内「修司苑」に収録されています。

凡例
【】・・・・技のジャンル(投=投げ、打=打撃、極=関節、絞=絞め、固=フォール、空=飛び)
星印・・・・ドッティ本人の主観による技の威力評価(星5つが最高点)
※ドッティが当HPとの関係を断ち切った2003年秋以降に登場した技については、評価を得られておりません。
キャッツ・クレイドル(CAT'S CRADLE) 【極】★★★
cats.jpg 倒れた相手の脚を4の字にして、自分の首に相手の片脚を引っかけて立ち上がり、相手を逆さ吊りにする拷問系の技です。技の名のもとの意味は「あや取り」ですが、そんなかわいらしいものではありません。相手を持ち上げるために腕力と背筋力が、そして相手の体を吊り下げるために首の頑丈さが必要な力技です。この体勢で脚を4の字にせず、片脚だけを決める技は「ストレッチ・マフラー・ホールド」と呼ばれます。この技はデビュー初年である2001年に「T2Pジャベ」の一環として開発されています。
写真提供:『Beach Break』AIRさん

グリフォン(GRIFFON) 【極】★★ 命名:あるさん
griffon.jpg 背中合わせで片ヒザをつき、相手の背骨と片足首を極める技。専門的には「ケブラドーラ・コンヒーロから抱え上げてのバックブリーカー」(本人談)となります。グリフォンとは獅子の体に鷲の頭部と翼をもつ空想上の獣のことで、この名は当HP発足直後に行った当コーナーでの公募により、本人から正式採用となりました。以下、名付け親のあるさんのコメントです。「ライオンを意味するリオネサの変形ということで、そのさらに上という感じで、ライオンに羽根をプラスしたグリフォンはどうかと思いました。近藤選手をライオンに見立てると、相手の両腕の開き具合がちょうど羽根を広げているような形に見えますし、近藤選手には何となく肉食獣のイメージがあるので」。まさにその通り!
さて、この技は威力評価こそ低いですが、決まった際には(ドッティにしては)華麗なことから、T2P出身者が個々体得しているジャベ(複合関節技)の、ドッティにおける代表的な技と呼べるもの。イタリアン・コネクション時代の6人タッグ戦では、しばしば「3者同時ジャベ」が繰り出されましたが、この時にドッティが見せたのは必ずこの技でした。
写真提供:『OrangeBear』ゆうちゃん

拷問コブラ(TORTURE COBRA TWIST) 【絞】-
一般のコブラツイストは相手の首に腕を回して両手でクラッチすることで完成しますが、首に回さない方の腕を使って相手の脇腹に拳を押しつけ、捻り上げた腰へのダメージを深めるタイプのものがあります。古くからあるバリエーションで、ハリー・レイスやジャック・ブリスコ、ファンク兄弟など、かつての「NWA世界ヘビー級王者」が見せるコブラツイストがこのタイプだった気も。古き良きアメリカン・プロレスを彷彿させますが、悪の匂いが漂う技であることは否めません。使用はおそらく2003年頃から。主にシングル戦で、腰を痛めている選手相手に出される確率が高いです。

ゴリラ・クラッチ(GORILLA CLUTCH) 【極・絞】★★★★★
bungc.jpg gcn.jpg gorilla.jpg 本人にこの技の説明を求めたところ、「サソリ固めを腕でやるというか、テキサス・クローバー・ホールドを表向きでやるというか。これに胴絞めも合わせる」とのコメント。2001年11月16日の大阪・梅田大会で初公開されました。この技の命名エピソードにつきましては、当HPの「SCORE(2001年)」〜「COMMENT 032」をご参照ください。この技こそがドッティ最強のフィニッシュ技であり、「ランサルセ→ジャックハマー→ゴリラ・クラッチ」の流れがT2P時代の"殺人フルコース"メニューとなっておりました。
さて、この技をもう少し詳しく説明しますと、まず相手の脚を腕で畳んで絞り上げる時点ではスタンディング技で、これが決まったのちに自身が勢いよく尻餅をつき、太股で相手の胴を挟み込んで絞め上げ、グラウンド技として完成します。その際、相手の脚を腕で畳んで絞り上げる度合いが弱いとしばしば「手押し車」の要領で相手はロープに逃れますが、その手を強引に引きはがしてリング中央まで引きずってからグラウンドに移行するところが最強技たる所以となっており、シングル戦でこの形まで持って行くと、勝率はほぼ100%(※闘龍門JAPAN〜DRAGON GATE時代)。
なお、スタンディング技の時点で相手がタップしてしまうと決まり手の名称は「ゴリラ・クラッチ寝るまでもない」(写真中)となり、2002年暮れの「第6回ヤングドラゴン杯公式戦」の中にその記録があります(当HP「SCORE(2002年)」〜「COMMENT 088、089」参照)。
さらに、2004年4月28日の「EL NUMERO UNO 2004」優勝決定戦では、「〜寝るまでもない」の体勢からキッド選手を振り回したのちにグラウンドに移行する「ブン回しゴリラ・クラッチ」が初披露されています(写真右)。
写真提供 左:『OrangeBear』ゆうちゃん
写真提供 中・右:ふゆさん

ジャックハマー(JACKHAMMER) 【投】★★★★
jack.jpg アメリカで活躍するビル・ゴールドバーグ選手の得意技として知られており、もともとは「手持ち削岩機」の意味だそうです。『スポーツアルバムVol.4 闘龍門』(ベースボール・マガジン社刊)やT2P『DESEMBARCAMIENTOパンフレット』で、T2P全選手がジャベを得意技として挙げる中、近藤修司ただひとりが、ジャベではないこの技を挙げています。デビュー当時はことあるごとに「メキシコ製ゴールドバーグ」と名乗っていたように、この技に深い思い入れがあったようです。
また、2003年3月9日のシングルタイトル初挑戦時(ディファ有明での英連邦Jr選手権・対SUWA選手戦)には、コーナーポスト最上段から発射する「雪崩式ジャックハマー」が本邦初公開されました(異邦では前年12月の第6回ヤングドラゴン杯決勝・対石森選手戦で確認されています)。以後、奥の手としてシングル戦などのここぞの場面で繰り出されていますが、決まる位置がどうしてもロープから近くなるため、このままピンフォールとはならないようです。
写真提供:『30point』りおさん

旋回式アバランシュ・ホールド(SPINNING AVALANCHE HOLD) 【投】-
2003年8月頃に公開された技で、対戦相手からロープに振られるところを堪えて向き合う体勢になり、相手の胴体をホールドして肩に抱え上げ、雪崩固めの構えを取ったままその場で横に360度振り回したのち、相手の背中をマットに叩きつける(雪崩固めを決める)というものです。本人いわく「普通にアバランシュやっても間が出る」ことから考案されたようですが、「クルクルが入るので、オリジナル」とのこと。「(名前は)ない。それほどのものじゃないので」ということで技名は仮称で、威力評価についてもコメントはありませんでした。なお、この技は上記の入り方以外でも、相手を肩に抱え上げた体勢になれば、いつでもこの技に移行することができます(「突発性旋回式アバランシュ・ホールド」)。

吊り上げコブラ(LIFTING COBRA TWIST) 【極】★★
cobra.jpg 相手をヒザの上に乗せたまま、上体をコブラツイストで絞め上げる技です。相手の全体重が足腰にかかるので、とにかく腕力と体力が必要。極まるポイントはおもに首だそうです。いろいろな入り方がありますので、観察力のある方は全部で何種類あるのかカウントしてみてください。この技もデビュー初年である2001年に「T2Pジャベ」の一環として開発された、歴史の古い技です。
写真提供:『Beach Break』AIRさん

吊り下げスリーパー(HANGING SLEEPER HOLD) 【絞】-
管理人がその使用を確認したのは悪冠一色結成後の2004年3月頃ですが、その構想はすでに2002年春に練られていた(当HP「ET CETERA」内「INTERVIEW」第2弾参照)ことから、使い始めはもっと早かった可能性もあります。コーナーポスト上段にいるドッティが、相手選手をスリーパーホールドに捕らえ、そのまま持ち上げて吊り下げるものです。闘龍門JAPAN時代、コーナーポスト上段にいる相手に放つCIMA選手の「ヴィーナスからアイコノクラズム(orゴリコノクラズム)へと繋げる一連のムーヴ」の切り返し技としてもよく使用されていました。

デス・ヌカドーラ(SPIN BUSTER) 【投】★★★
T2P初の逆上陸(2001年11月)頃に使われていた技で、向き合って肩口に抱え上げた相手の足首を持って振り下ろし、背中からキャンバスに叩きつける荒技。アメリカでは「スパイン・バスター」と呼ばれています。「最終形はデス・ヌカドーラだが、入り方が違う」(本人談)ということで、オリジナル技に分類しています。実はこの技、イタコネが結成された2002年3月に「もう使わないので、このコーナーから外してくれ」ということで一度は削除したのですが、1年後のシングルタイトル初挑戦(2003年3月9日・ディファ有明での英連邦Jr選手権・対SUWA選手戦)で復活。シングルでの大一番には奥の手として今後も使用される可能性があることから、改稿したのち、管理人が勝手に当コーナーに復帰させたものです。

「人間起重機」からのストマック・ブロック(STOMACH BLOCK in CRANE MOVE) 【打】-
頭上高く相手をリフトアップしてから手を放し、片膝を立てて待ち構えて落下する相手の腹を打ち付ける技です。使い始めたのはおそらく2004年頃からですが、同年春からは相手が軽量級の場合、持ち上げてから片腕のみで相手を支えるという破天荒なパフォーマンスを披露。これについてドッティは『週刊プロレス』2004.5.26号に掲載された「マッチョ記者の闘龍門広人苑〜片腕だけで人間を持ち上げる男」の中で「人間は勝手に折れ曲がってヤジロベエみたいになるからな。バランスが取りやすいんだよ」と、話だけを聞いていると"誰にでも出来る当たり前のこと"と言わんばかりの非常識な解説を加えています。

「人間起重機」からのネック・ハンギング(→ブン投げ)(NECK HANGING TREE in CRANE MOVE(→THROUGH)) 【絞(→投)】-
相手が仕掛けた回転エビ固めを堪え、立っている自分の両足の間に仰向けになった相手の首を両手で掴んで持ち上げて、そのままネック・ハンギング・ツリーに移行するものです(単にダウンした相手を起き上がらせるのが面倒な時に、相手を跨いでそのままこの技に持っていくケースもあります)。通常のネック・ハンギングはお互いが立って向き合った状態から行うもので、両腕の力だけで寝ている相手を頭上高くまで持って行くのは常識外れもいいところ。このため、相手を痛ぶる技というよりも、怪力を誇示して相手を呆れさせ、戦意喪失に追い込む効果の方が高いと思われます。なお、吊り上げてから相手の首を掴んだまま振り回すように投げ捨てることが多く、マッチョ記者こと藤本かずまさ氏(GAORA『VAMONOS AMIGOS!闘龍門』〈当時〉レギュラー解説者)はこの一連のムーヴを「まさに首投げ」と解説されています。2004年春頃より使用。

ハイアングル・ショルダースルー(HIGH-ANGLE SHOULDER THROUGH) 【投】-
通常のショルダースルーは文字通り肩越しに投げますが、体が交差する瞬間に高くかち上げることで、直立した頭越しに投げ捨てる形となります。一見、何てことはない技のように見えますが、ショルダースルーを侮るなかれ。ドッティ自身が、この技の受け身の習得に苦労した経験があることから(当HP「ET CETERA」内「INTERVIEW」の第1回Part2参照)、「これは使える」と思ったのではないかと推測されます。この技は2003年夏頃にその使用が確認されています。

背後からのブン投げ(NECK HANGING THROUGH) 【投】-
背後に立った相手の首を掴み、肩越しに前方に叩きつける技。2004年夏頃より使用されています。

引っこ抜きジャーマン(THROWING GERMAN SUPLEX) 【投】-
2002年6月頃にはその使用が確認されている技で、「パワー系かつ面倒くさがり屋がジャーマンをやるとこうなる」といういい見本です。相手の真後ろでホールドして投げるのでかろうじて「ジャーマン」と呼んでいますが、ブリッジもそこそこに「あとはご勝手に」という感じで相手を真後ろに放り捨てるので、原爆固めとはほど遠い技。ですが、最後までキチンとホールドされている技と比べて、あるいは受け身が取りづらいと言えるのかも? ちなみにドッティが通常の「ジャーマンスープレックスホールド」が出来るのかどうかについては、定かではありません。

ひとりWブレーンバスター(DOUBLE BRAIN BASTER BY ONESELF) 【投】-
wb.jpg タッグマッチで「ツープラトンのブレーンバスター」を仕掛けられた際に、堪えるだけならまだしも、逆にその2人を投げてしまうという破天荒な技。怪物系パワーファイターにしかできないこの技を、闘龍門(=DG)マットで観られる日が来ようとは、誰が予想したでしょうか。ドッティが初披露したのは、おそらく2003年1月19日『WRESTLE-1』東京ドーム大会出場時。それにしても、投げられた相手は肉体的なダメージよりも「2人まとめて投げられた」という精神的な傷を負いそうな気がします。
写真提供:ふゆさん

ブン回しスリーパー(SWING SLEEPER HOLD) 【絞】★★
bun.jpg 相手をスタンディングでスリーパーホールドの体勢に取り、掛けたままその場で相手をブン回すシンプルな拷問技です。イタコネ結成直前の2002年春頃から使用されているのですが、発足当時ルードだったイタコネとしてやっていくに当たり、本格使用を決意したようです(当HP「ET CETERA」内「INTERVIEW」第2回参照)。
写真提供:『コンドッティ祭』かさこさん

ベア・ハッグ(BEAR HUG) 【絞】-
bh.jpg 和名では「熊の抱き締め」。本邦マット界では豊登選手に始まり、ストロング小林選手などパワーファイターが常套としてきたクラシカルな技です。おそらく2003年秋頃より使用されています。
写真提供:ふゆさん

ホエール・ハント(WHALE HUNT) 【投】-
名前の意味は、文字通り「巨鯨狩り」。本人によると「ブレーンバスターの要領で上げて、(空中で)180度回転して(つまり、ブレーンバスターとは逆向きに、相手の顔や体の向きを自分側に向ける形になります)、リバースDDTのように前で落とす」技です。2003年10月頃に初披露された技で、ちょうど闘龍門初のタッグリーグ戦「Rey de Parejas」の時期でしたので、てっきりそれ用に開発された技だと思ったのですが、「関係ない。たまたま思いついただけ。(練習中に?)いや、遊んでて、たまたま思い浮かんだ」とのこと。ああ見えても、ウルティモ・ドラゴンの弟子だけあって「24時間プロレスラー」ではあるようです。
継続使用するかどうかは本人に思うところがあるらしく、「技の威力評価」については回答を得られませんでしたが、2004年1月には「スワンダイブ式スタナーを決められ、手前に座り込んだ形となったドラゴン・キッド選手の首に、背後から腕を巻き付けて(相手を仰向けにしたブレーンバスターの形で)そのまま頭上まで持ち上げる」という変型の入り方が確認されています。その後は、持ち上げた軌跡を再び辿って前方へ落とすのですが、当HPではこのバージョンを仮に「巻き戻しホエール・ハント」と呼んでおります。

ポーンと上げてアバランシュ・ホールド(WEIGH UP AVALANCHE HOLD) 【投】-
対戦相手をロープに振り、返って来る瞬間にショルダースルーの要領で相手を跳ね上げ、すぐさま回れ右して空中でキャッチして肩に乗せ、雪崩固めを決めるという、これまた非常識な技。2004年5月頃に公開されたものですが、肩に乗せたのちは通常のアバランシュ・ホールドとなりますので、今後「旋回式〜」への連続ムーヴも考えられます。技名は例によって仮称です。

ラウンドムーヴ・チキンウイング・フェースロック
(CHICKEN WING FACE LOCK in ROUND MOVE) 【極・絞】★★★
chicken.jpg オリジナルの羽根折り顔面絞め。デビュー戦からしばらくは、通常のチキンウイング・フェースロックをフィニッシュ技として使ってきましたが、その後ホルヘ・リベラT2Pコーチの指導のもと、オリジナル・ジャベとして完成されました。入り方に特徴があり、最初の回転ではフォール技、相手にハネ返されたらすかさずフェースロックへと移行します。この連続動作がオリジナルの所以となっています。この技はハッキリ言ってタッグマッチには向かない技なので、シングル戦が多かった新人時代以降、あまり使われなくなった技でしたが、2003年春の「EL NUMERO UNO」予選リーグ戦の中で久々に復活しています。

ラリアット(LARIAT) 【打】★★★★
hizalari.jpg kudilari.jpg lariat.jpg 「関節技主体のT2P勢に対抗するためにやってる。実際、効くんだよね。ポピュラーすぎるからあまり使いたくないけど、T2Pでは使う人がいないから、ジャベに対するアンチテーゼということで」とドッティが語っていたのはT2P逆上陸当初(イタコネ入り前)のことですが、T2P自体がJAPANのアンチテーゼだったのにこの発言ですから、本当はジャベがあまり好きではなかったことが伺えます。という具合で、ルチャリブレクラシカの対極とも言えるこのラリアット、JAPANとの対抗戦に突入した2002年春以降からは存分に使い始めており、JAPAN入りののちは闘龍門の中でも一二を争う使い手として浸透。それに伴ってバリエーションも増加し続けており、試合の要所要所でさまざまなラリアットが繰り出されています。ちなみに、右利きのドッティは、どのタイプのラリアットも、ほとんど右腕で放ちます。

《ラリアット一覧(現在9種まで確認)》
○キングコング・ラリアット
2003年秋のタッグリーグ戦「Rey de Parejas」から、ドッティの繰り出すラリアットをこの名で呼ぶようになっています。横須賀享選手の「ジャンボの勝ち!」(ネックブリーカー気味に放つ独特のラリアット)と同様、団体内でもラリアットの使い手として認知された証左ですが、それ以前に放っていたラリアットとは打ち方が明らかに異なっています。
相手の首に腕を当てる瞬間、腕全体を斜めにしならせて肘の裏を中心に相手の首に巻き付け、「袈裟斬り」の要領で一気に振り抜くもので、タイミングによっては相手が1回転することも。この動きを実現するため、ドッティ自身も腕を当てた瞬間に体が斜めになります。この「斜め姿勢」は全体重を乗せる効果はもちろんですが、どの相手でも必ず同じ部分が当たるよう、相手の身長に応じて角度を調整する機能があるのではないかと思われます。さらに、ロープから返ってくる相手を待ってから繰り出した以前のラリアットに比べて、自ら走り込んで放つことで技のスピード感が格段にアップしたのが特長で、ダイナミックさが増してフィニッシュとしての説得力が付きました。
現在のマット界で、ラリアットをフィニッシュとする名手は数多おりますが、独特の袈裟斬りフォームの開発とスピード感により差別化に成功。オリジナルの名称を冠せられるほどの独自性が保たれていると思います。
○「キングコング〜」以前のラリアット
T2P時代〜JAPAN合流後の2003年秋以前は、ロープの反動を利してカウンターで相手の喉もとに肘の裏側を巻き込むように打ち込んでいました。この時代の特長としては、腕を真横に振っていたことと、棒立ちで打ち込むのではなく腰を入れて全体重を腕に乗せて振り抜くといったところでしょうか。
写真提供 左:『OrangeBear』ゆうちゃん
○串刺しラリアット
コーナーに詰めた相手めがけて、走り込んで打ち込むラリアット。タッグマッチやセコンド乱入時の「連続串刺し攻撃」でもおなじみ。
写真提供 中:『OrangeBear』ゆうちゃん
○ジャンピング串刺しラリアット
上記「串刺しラリアット」を相手選手の前でジャンプして行うもの。T2P所属時代によく観られました。
○連射式串刺しラリアット
コーナーに詰めた相手に、その場で連発するバージョン。相手の動きを完全に止める目的で繰り出される。"brother"YASSHI選手との合体技「ビッグヘッドトレイン」の発車直前は、この技で相手をコーナーに釘付けにします。
○膝打ち串刺しラリアット
コーナーに逆さ吊りした相手の膝めがけて打ち込む、誰にも真似のできない(誰も真似しない)ラリアット。シングルマッチでは一点集中攻撃を常套とするドッティが、足殺しの一環としてこの技を繰り出すケースが多いです。
写真提供 右:『Beach Break』AIRさん
○膝打ちラリアット
ロープの反動を利して走り込み、交差した瞬間に滑り込むように体勢を低くして、相手の膝に打ち込むラリアット。打撃以外に、相手の足を掬って倒す効果があります。
○旧キングコング・ラリアット
2003年夏に開発された技。ラリアット攻撃を腕でガードしてきた相手に、その腕ごとなぎ倒すラリアット。この強引さがいかにもドッティらしいところです。前述の通り、この名称は現在では「ドッティが放つフィニッシュが取れるラリアット」となっています。
○デリバリー・ラリアット〈仮〉
これも2003年夏頃から披露。リングの対角線上でラリアットを打ち、振り抜かずにそのままコーナーに運んで、相手の腰をコーナーポストに打ち付ける技です。ある意味、「ランサルセ風ラリアット」と呼べるかもしれません。

ランサルセ(LANZARSE) 【打→投】★★★★★
senkai.jpg lanzarse.jpg リング中央でフラついている相手に、コーナーから走り込んでスピアー(タックル)で相手の体を担ぎ上げ、そのまま対角線コーナー前まで持ち運んでマットに叩きつける、ドッティにとっていちばん思い入れの深い技です。足でマットをダンダンと踏み鳴らす時点から、すでにこの技が始まっていると言えるでしょう。このアクションの意図を聞いたところ、「前から考えていたわけじゃなくて、試合中につい出た。まあ、ビンボー揺すりみたいなもんだね。倒れている相手に立って来い!というアピールと、お客さんを煽るためにやってる」とのことで、観客の目を自分に集中させて、次の技への期待感を膨らませる役割があるようです。技そのものについては以前から考えていたようで、当HPの第1回インタビュー(現在は「ET CETERA」内に収録)でその開発秘話を語っています。このランサルセについてもラリアット同様、さまざまなバリエーションが開発され続けています。ともあれ、スピアーの改良型とは言え、他の誰もやっていないオリジナル技、しかも終生の代表技の開発をデビュー直後にやってのけたあたりは、非凡なセンスと言えるかもしれません。

《ランサルセ一覧(現在9種まで確認)》
○正調ランサルセ
いわゆる「足ダンダン」の予告付きランサルセ。予告技の宿命として、相手に交わされるケースが続出中。この技の決まる確率が比較的高いのはシングルマッチで、ひとたび決まるとジャックハマー→ゴリラ・クラッチの勝ちパターンにつなぐことができます。
写真提供 左:『Beach Break』AIRさん
○突発性ランサルセ
正調ランサルセが対戦相手に浸透して、決まらなくなり始めた2002年夏頃に打開策として考え出された技。このランサルセは「正調を交わした相手が油断したところに」放たれるケースが多いです。不用意に突っ込んで来た相手を担ぎ上げて放つパターンや、リング中央で棒立ちになった相手に猛ダッシュして担ぎ上げるパターンなどがあります。
○突発性ランサルセ(タックルなし)
突発性のバリエーションとして、フロントネックロックなどでコーナーに押し込まれた時に、その場で相手を担ぎ上げて対角線まで一気に走り込むランサルセがあります。同じ突発性ランサルセでも上記と区別しているのは、タックルというアクションがないためこのタイプのみ分類が打撃技ではなく投げ技のみになることと、担ぎ上げてから倒すまでの相手の滞空時間の長さが他のランサルセの倍になるという理由からです。
○突発性ランサルセ(一石二鳥型)
2003年夏以降には、タッグマッチでパートナーが関節技を決められた際に、その技をカットする目的を兼ねて突発性ランサルセに行く変型パターンが確認されています。ジャベのカットということからか、ミラノコレクションA.T.選手のパラダイスロックや、YOSSINO選手のソル・ナシエンテの完成直前形など、旧T2P勢相手に多く繰り出されたものです。
○旋回式ランサルセ〈仮〉
このランサルセはロープの反動を利してのカウンター技となります。スピアーしたまま相手を抱え上げて空中で約90度横に旋回、サイドバスターの要領でマットに叩きつけるというもので、2002年秋頃に開発され、2003年春頃から使い始めています。技名のあとに「〈仮〉」とあるのは、当初の目的である「フィニッシュが取れる新必殺技」としていまだに開発中の技であることから、ドッティが当HPにこのように申告してきたものです(開発当初の名称は「ハリケーンミキサー」という漫画『キン肉マン』由来にするもの)。従来のランサルセは決まると必ずコーナー(すなわち、ロープ)に近い位置となるためフィニッシュを取るのが難しいことから、リング中央で決まるこの技を考案したのかもしれません。
写真提供 右:『Beach Break』AIRさん
○ランサルセ・スラップスティック
旋回式と同時期に開発されたランサルセのバリエーションのひとつで、この技もカウンター技となります。相手の懐の奥深くに飛び込むスピアーではなく、相手の重心を崩すように浅めのタックルをヒットさせる技です。この技を決められた相手はバランスを失い、横にクルクル回りながら落ちていきます。この技の名前は仮称で、「香港映画の乱闘シーンとかであるじゃない、派手に転がって木の机とかをブチ破るようなヤツ。あんな感じの回り方」というドッティの説明から、管理人が勝手に呼んでいるものです。
○折り返しランサルセ
正調ランサルセを交わされたのち、そのままコーナーに突進。コーナーバックルを蹴って自爆を避けたのち体の向きを変え、相手の背中を抱え上げて逆コーナー近くまで持っていく技です。2004年4月28日の「EL NUMERO UNO 2004」優勝決定戦で初披露されました。抱え上げた際のポジションにより「フェイスバスター気味に相手の顔面をマットに叩きつける」「相手の顔面を最上段のコーナーポストに打ち付ける」という2タイプがあります。
○Wランサルセ(重ね式)
相手2人をまとめて運ぶランサルセで、2人をひとつの肩に重ねて決めるタイプ。初披露はおそらく、2002年2月27日のT2P大阪ベイサイドジェニーでのしゃちほこマシーンズとのハンディキャップ戦。軽量のしゃちほこ相手以外には不可能と思われていましたが、2003年夏の"6人タッグ3WAYシリーズ"では「リング中央でのスリーパーホールド」で攻防する2選手にまとめて決めるなど、パワーアップとともに進化を遂げています。
○Wランサルセ(両肩式)
相手2人をまとめて運ぶランサルセで、2人をそれぞれの肩に載せて決めるタイプ。2人への同時スピアーは怪力型の選手がよく繰り出しますが、ヒットした後に相手を運ぶランサルセで実現する日が来ようとは…。その日とは、おそらく2004年9月17日の代々木大会。斎藤了選手&アンソニー・W・森選手の"アベック"が"ランデブー"しています。


【参考】合体技大全集(UNITE HOLD)
軍団抗争が主流の闘龍門JAPAN〜DRAGON GATEではタッグマッチの出場が多く、チームメイトであるタッグパートナーたちと、さまざまな連係・合体技が編み出されました。このコーナーでは、それぞれの選手ごとにドッティとの合体技を紹介します(現在19項目・22種収録)。

○現在も観られる可能性のある合体技

ビッグヘッドトレイン(with "brother"YASSHI選手)
hansin.jpg head.jpg. 2人がそれぞれコンドッティ、YASSINIと名乗っていたイタコネ在籍時代の2003年春頃から使用されている歴史的な技。公開からしばらくは、YASSHI選手と組む試合では必ず、それどころかどちらかがセコンドにいる試合でも繰り出されていた「除夜の鐘式ヘッドバット」です。基本的な流れは「ドッティが相手をコーナーに詰めて"その場ラリアット"を連発」→「YASSHI選手がドッティの周囲をうれしそうに回ったのち、手を広げて待ち構えているドッティに飛び乗る」→「ドッティがコーナーに釘付けの対戦相手に突進してYASSHI選手の頭をぶつける」となります。ネーミングの由来(というか元ネタ)は彼らのバイブルとも言える漫画『キン肉マン』に登場する「ロングホーントレイン」から(技の動きもまったく同じらしい)。闘龍門JAPAN〜DRAGON GATE時代のお客さんには完全に浸透しましたが、プロレス技というにはあまりにも無邪気な光景に、公開初期の会場では歓声よりも笑い声の方が多く飛び交っていたとか。この合体技は、難易度は高くないことから、八木選手が復帰した2003年6月には2号線「パン屋ヘッドトレイン」も登場。2003年7月には一夜限定でタッグを組んだ大鷲選手との「相撲列車」(大鷲選手が重すぎて脱線)、6人タッグ3WAY対戦中の新井選手と一時的に結託した「阪神電車」など、次々と新路線が開業していました。
写真提供 左:ヒロリーノさん 阪神電車:『カミグル』シトラスさん

ペニス・カッター(with "brother"YASSHI選手)
boy.jpg 例によって土台はドッティ。相手をサイドバスターの要領で抱え上げ、そこへコーナーポストから降ってくるYASSHI選手とのギロチンドロップと合体。ドッティも同時に相手をサイドバスターで叩きつけます。2003年春頃から使用されています。
当コーナーでは、名称不詳のため長らく「立体的な合体ギロチン」と紹介していましたが、公開から1年半経った2004年12月29日号の『週刊ゴング』の企画「プロレス技BOOK」で、このような技名であったことが判明。急所攻撃でもなく「ビッグボーイ」のようなカッターでもないこの合体技が何故にこのような名称になったのかまったく不明ですが、おそらくは股間攻撃(自身の股間を駆使した攻撃を含む)に執念を燃やすYASSHI選手の命名ではないかと思われます。
写真提供:ヒロリーノさん

ビッグボーイ(with "brother"YASSHI選手)
big.jpg こちらは「立体的な合体カッター」。ドッティ自身は「合体パワーボム」と呼んでいるように、パワーボムの体勢で相手を持ち上げたまま、コーナーポストに上ったYASSHI選手と向き合い、YASSHI選手が空中で前方回転しながら相手の首に腕を巻き付け、カッターの要領で相手をマットに叩きつけます(ドッティは「投げっぱなしパワーボム」の形になります)。こちらも、2003年春頃から使用されています。なお、この一連のムーヴはYASSHI選手の指笛の合図で始まるケースが多くなっておりますので、指笛が聞こえたらどうぞご注目あれ。ちなみに、YASSHI選手が単独で出すカッターを「バッドボーイ」と呼びますので、ビッグボーイはその合体版と思われます。
写真提供:ふゆさん

バビロン(with "brother"YASSHI選手)
bab.jpg 2003年秋、闘龍門初のタッグリーグ戦「Rey de Parejas」用に開発された合体技。組体操の「直立した土台役の肩の上に立つポーズ」と同様、YASSHI選手がドッティの手を握りながら体をよじのぼって肩の上で直立し、倒れた相手めがけてドッティがYASSHI選手を投げる技で、いわば「合体フリップ」。この技自体は「ファンタスティック・フリップ」と呼ばれているようですので、オリジナル技ではないようですが、付けられた名は「バビロン」。旧約聖書にいうバベルの塔があったとされる土地の名です。「天にも届くほど高い塔を築いた人間に立腹した神がこの塔を崩し、罰として人間にさまざまな言語を与え、意思の疎通を困難にした」というお話なのですが、技名としてはなかなか深遠なものがあります。しかし、ドッティにこの技名の由来を聞いたところ「意味は無し」ということでしたので、彼が名付けたのではないことだけは明らかです。
写真提供:ふゆさん

サンドイッチ式低空ドロップキック(with "brother"YASSHI選手)
うつぶせに倒れた相手の顔面に、それぞれロープの反動を利してドロップキックで挟撃する技です。序盤に繰り出されることが多く、試合の主導権を引き寄せ、リングを一気に「悪い子ちゃん」の世界に持っていきます。相手の目の前で両手の中指を立てたポーズを誇示してからそれぞれがロープに走る姿が印象的な合体技です。
イタコネ離脱前から使用されていた技ですが、2003年春に悪冠一色に合流した菅原選手ともこの技の連係を開始。2人がかりの他、1人が正面から放つ「3者挟撃型」も披露されています。

対角線の競演(バッドボーイ→ランサルセ)(with "brother"YASSHI選手)
大鷲透選手との「対角線の競演」(詳しくは以下に記したその項をご参照ください)ののちに披露されたYASSHI選手との連係版。YASSHI選手の飛びつき式カッター・バッドボーイとの競演です。


○悪冠一色時代(YASSHI選手以外の選手との合体技)

「龍原砲」(サンドイッチ式延髄&顔面蹴り)(with 大鷲透選手)
rgh.jpg 2003年9月、イタコネを離脱した「悪い子ちゃん」とまさかの合体を果たした一匹狼の大鷲選手。「一度だけ」の約束で同年7月の川崎大会でトリオを組んだ時の幻の合体技が、同年9月の「はぐれ軍団〈仮〉」の結成で、再び観られるようになったものです。技については、サブタイトルがすべてですので説明の要はありませんが、この合体技はもともと、大鷲選手がリスペクトしてやまない天龍源一郎選手がかつて一世を風靡した阿修羅・原選手との「龍原砲」で披露したオリジナル技。よって、延髄斬りが大鷲選手となります。ちなみに同年7月の川崎大会を報じる『週刊プロレス』では、「ふたりは、同じく大相撲出身者とラグビー出身者の名コンビ、龍原砲の得意技を織りまぜながらリング内外で大暴れ」と紹介されていました。また、この龍原砲には「サンドイッチ・ラリアット」という合体技もありましたが、大鷲&ドッティコンビも延髄&顔面蹴りに行く直前に、ちゃっかりこの技もコピーしていました(写真)。関係ないですが、当HPを含め、一部のファンの間ではこの2人のコンビを「ジャイアンズ」と呼んでおりました。
写真提供:『黒幕日和。』nikoさん

対角線の競演(ランサルセ→ランニングのど輪落とし)(with 大鷲透選手)
リングの対角線を目いっぱい使って放つお互いの得意技を、時間差で対角線を交差するように繰り出すもので、(1)大鷲選手がコーナー近くで相手Aを捕らえてのど輪落としの体勢に入る→(2)相手Bがそれをカットすべく救出に走る→(3)その相手Bの動きをカットすべく、ドッティが対角線を目いっぱい使ってランサルセ→(4)逆の対角線を使って大鷲選手がランニングのど輪落とし、となります。要は互いの持ち技を続けざまに披露するだけですが、豪快なこのコンビの持ち技の中で最もダイナミックな技の競演、しかも2本の対角線を目いっぱいに使うのですから、迫力は十分。「ジャイアンズ」の攻撃はただでさえ観客のため息を(悪い意味で)誘うものが多いですが、この連続技はその最たるものと言えます。この技の名前は不明ですが、「龍原砲」同様、定着する名前を早く付けてほしいところ。管理人は仮に「時間差ランラン」と呼んでいました。

Wチョークスラム(with 菅原拓也選手)
(1)2人が相手の側面に向き合い(以下、ドッティが相手の右側、菅原選手が左側の場合)、ドッティが左腕を相手の右腕に、菅原選手は右腕を相手の左腕に、それぞれ腋から手を入れて持ち上げ、2人はそれぞれ空いている腕を相手の腰に差し入れ、相手を空中で後方に1回転させる。
(2)着地した相手の腋にそれぞれが腕を入れて持ち上げる。
(3)空中で相手のノドを掴み、尻餅をつく要領で相手の背中をマットに叩き付ける。
以上の手順のうち、(1)はなくてもよさそうなものですが、いきなりの仕掛けではポジションが上手く定まらないからなのかもしれません。いずれにせよ、スムーズに流れる(1)の動作が、この合体技のオリジナル性を高めています。2004年夏頃から使用。

顔面ドロップキック→DDT(with 菅原拓也選手)
2人がかりで相手をロープに振り、カウンターでWトーキック。すかさずドッティが相手の真横側のロープに走って反動を利し、リング中央で棒立ちになった相手の横っ面にドロップキック。相手がふらついた先に待ち構えていた菅原選手がDDTを決める、というものです。合体技ではなく連続技ですが、それだけにドロップキックからDDTに移行する際のスピードが命です。2004年夏頃から使用。

顔面トーキック→T.C.O(with 菅原拓也選手)
ドッティがコーナーから勢いをつけ、リング中央の相手の顔面にジャンピング・トーキック(いわゆる893キックをジャンピングして行う)。これまた、相手がふらついた先に待ち構えていた菅原選手が、自身の得意技であるT.C.O(ザ・クライム・オペレーション=ケブラドーラ〈振り子式〉の要領で相手を抱え上げてアルゼンチン・バックブリーカーの体勢に決め、反転したのち前へ走りながら後方に倒れ、ブロックバスターに移行)を決めるというものです。こちらも合体技でありながら連続技の部類で、上記「顔面ドロップキック→DDT」と似ていることから、順列組み合わせで「ドロップキック→ブロックバスター」などの可能性もありますが、2004年夏頃の使い始めの時点では複数の試合で、必ず同じ組み合わせであったことが確認されています。

立体的な合体エルボー(with 菅原拓也選手)
YASSHI選手との合体技「ペニス・カッター(=立体的な合体ギロチン)」の菅原選手版。ドッティが相手をサイドバスターの要領で抱え上げ、そこへコーナーポストから降ってくる菅原選手のダイビング・エルボードロップと合体。ドッティも同時に相手をサイドバスターで叩きつけます。2004年秋頃から使用。

雪崩式Wフェイスバスター(with 菅原拓也選手)
Wアトミックドロップの要領で相手選手を持ち上げてコーナーポストに座らせ、セカンドロープに足をかけた2人が、相手選手の首に腕を絡ませ、ブレーンバスターのように後ろに投げるものですが、この時、相手選手はリングを背にした形となっているため、顔面から着地することになります。おそらく、2004年12月16日代々木大会で初披露されています。


○イタコネ時代(コンドッティ時代)

3者同時ジャベ(with 6人タッグマッチ出場時のパートナー2選手)
ルチャリブレの華・6人タッグマッチの出場時、イタコネがしばしば見せたのが3者同時ジャベ。「リング内で1人がジャベを決め、そのカットのためコーナーから飛び出して来た相手を捕らえて次々にジャベ」と「3人が同時に相手3人をロープに振り、返ってくるところを捕らえて同時ジャベ」という2パターンに大別されます。この場合、ミラノ選手はA.T.ロックを除く各種、YOSSINO選手は卍固め、YASSINI選手はターンテーブル、八木選手はヒレ折り固めが多く出されていたように思います(B・ボクサー選手のケースは…思い出せませんでした)が、ドッティは必ずグリフォンでした。T2P興行でT2P選手同士の6人タッグ戦がセミ以上で組まれると、5ロストポイント制の「ルチャリブレ・クラシカルール」(ロープブレイクor反則でイエローカード提示〈=1ロストポイント〉。ちなみに、即反則負けを取られるケースではレッドカードが提示され試合終了)が採用されましたが、ポイントを先行されたイタコネが3者同時ジャベを繰り出して相手3人の同時ロープブレイクを引き出し、簡単にポイントを引っくり返したものです(かなり狡い攻撃ですが)。この3者同時ジャベはイタコネ由来の技として、3者合体カッター同様、「第2次イタコネ」(ミラノコレクションA.T.&YOSSINO&アンソニー・W・森の3選手)に引き継がれました。

3者合体カッター(with ミラノコレクションA.T.選手)
cutter.jpg ミラノ選手の長身を最大限に活かすために考案されたカッター技。土台となる2選手が相手選手を両腕をめいっぱいに掲げてリフトアップしたところに、ファッションリーダーが華麗にカッターを繰り出す、イタリアン・コネクションを代表する合体技。ミラノ選手以外のメンバーの身長がほぼ同じことから、ミラノ選手が出場する6人タッグマッチではパートナー2名が誰になっても繰り出されています。
写真提供:『コンドッティ祭』かさこさん

合体絞首刑(with YOSSINO選手)
hang.jpg YOSSINO選手の得意技のひとつ、「こうもり(旧名ムルシエラゴ)」。ロープ際で相手の肩に飛び乗り、相手の首に脚を巻き付けたまま逆さになって相手の足首を掴み、ロープに磔の刑にするという華麗な拷問技ですが、このスピーディーなジャベとコンドッティのパワーを合体させたら、写真のような技ができあがりました。いわば、ロープの代わりにコンドッティを土台にした技とも言えますが、コンドッティの体勢も「(相手の頭と足が逆の)カナディアンバックブリーカー」になりますから、その分だけ破壊力を増していました。
写真提供:『Beach Break』AIRさん

放り投げ頭突き(with ベーカリー八木選手)
2002年夏、対JAPANとの開戦を宣言したイタコネの先遣隊としてコンドッティ、ペスカトーレ八木(当時)、ベルリネッタ・ボクサー(当時)の3選手(当HPでの通称「プッチコネ」)がJAPANマットに残留した際によく見られた連係。コンドッティが八木選手を頭上高くリフトアップ、そのまま投げられた八木選手が、ダウンしている対戦相手にダイビングヘッドバットを見舞うという荒技。これはよほどの信頼関係がなければできません。

パン屋ヘッドトレイン(with ベーカリー八木選手)
pan.jpg 前述「ビッグヘッドトレイン」の2号線。「頭の大きさ」が武器のYASSINI選手に比べれば当たる面積は小さいですが、「頭の固さ」が武器の八木選手の方が、相手に与えるダメージは間違いなく高そうでした。
写真提供:さちさん

プッチコネ合体オブジェ(with ペスカトーレ八木選手(当時)&ベルリネッタ・ボクサー選手(当時)
petit.jpg 当HPが勝手に命名したユニット名「プッチコネ」が、2002年初夏〜秋までのJAPAN先行参戦時に必ず繰り出していた合体技です。6人タッグマッチで3選手が対戦相手3人をひとまとめにしてジャベに固めるというものですが、一度も見たことのない人には、下記の説明ではさっぱり理解できないことを先に謝っておきます。
(1)コンドッティがリング中央で相手選手Aに吊り上げコブラ(上体はコブラツイストではなくフルネルソンに固めておくケースもあり)を掛け、八木選手とB・ボクサー選手はBとCをそれぞれ交差させる形でロープに振る。
(2)コンドッティが吊り上げコブラを解き、前方に(Aがうつぶせになるように)倒す。
(3)八木選手とB・ボクサー選手がBとCにカニバサミし、BとCの頭がAの背中にぶつかる位置に倒す。
(4)3選手とも、相手の脚を畳んでリバース・インディアン・デスロックに固める(コンドッティのみ「吊り天井に入る前」の状態に固めるケースも)。
(5)コンドッティがBの右腕とCの左腕をAの首に巻き付けて、キャメルクラッチのように上体を反らす。八木選手とB・ボクサー選手はそれぞれBの左腕、Cの右腕を体の下から引っぱり出して捻り、「合体オブジェ」が完成。
※以上の説明は、八木選手と相手選手Bが、向かって右側になる場合。八木選手とB・ボクサー選手の位置は、左右逆になるケースもあり。
…というものですが、以上の一連の動作が瞬時に行われるわけですから、やられている選手はもちろん、観ているほうも何がどう決まっているのかさっぱりわからないという、複雑怪奇な合体技でした。
写真提供:『Beach Break』AIRさん

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