第1回インタビューPart2
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第1回 HP開設記念インタビューPart.2 

みんなが鍋を作るのなら・・・・

練習生時代の思い出

◎ところで、なぜ闘龍門を選んだのですか?
背も足りないですし、入門するには年齢もいってた自分にとって、闘龍門が学校であったということが大きかったです。それと、「SUPER J CUP」*に出てる大島さん(CIMA選手)を見て、ここで闘ってみたいと思いました。
*団体を超えたJr戦士たちが覇を競うビッグイベントで、修司選手が見たのは2000年4月、みちのくプロレスが主催した第3回大会。CIMA選手は、決勝で惜しくも新日プロ・獣神サンダーライガー選手に敗れるも、闘龍門の実力を広く世間に知らしめた。
◎で、闘龍門の試験に合格したわけですが、入門後、「やめたい」と思ったことはありますか?
ないですね。それはないです。練習はツラいですけど、でも、ラグビーやってましたから。体力面では、どんなに厳しくされても、やめたいと思ったことは全然ないです。
◎闘龍門JAPANのHPに掲載されている「道場日記」によれば、8期生は14人入門して半年後に8人残ったそうですが、逃げた人の最短は何日だったのでしょう?
2〜3日じゃないですかね。夜逃げのヤツもいましたし、ちゃんと挨拶して辞めたヤツもいましたね。夜逃げのヤツは、選手に見つからないように。でも、そんなことをする必要はないんですけど。普通に帰ればいいんですけど。
◎練習生時代に特に印象に残ったことは?
印象に残っているのは、受け身です。「トルスクワルトス」(スペイン語)って言う、いわゆる柔道受け身(前方回転受け身)はそんなに難しくないんですけど、ショルダー・スルーの受け身ができなかったです。すごく難しいんですよ。受ける時にドーンと足から落ちてしまって、胸が詰まるんです。たとえば、クラッチしてる投げなら、下手に逆らうと危ないですから身を任せて。八木(隆行)さんがやる「うず潮フィッシャーマンズ・バスター」とか、あれもスゴく痛いんですが、受け身をしっかり取れば、ケガはしません。でも、ショルダー・スルーのような技は、いちばん危ないんです。
◎ショルダー・スルーって、プロレスファンから見たら…。
なんてことないと思いますよね。でも、この技の受けがうまいリック・フレアーなんかはスゴいと思います。逆に、ショルダー・スルーを受けて足から落ちてる人は「ああ、ショッパイ」って言われてしまいます。ホントは、相手がショルダー・スルーに来たら、その前にガーンと蹴ってしまえばいいんですが(笑)。八木さんにこの前やられましたけど。ガーンと蹴り入れられて(笑)。
◎ズバリ、トレーニングは好き? 嫌い?
これは好きとか嫌いとかの問題じゃなくて、やらなきゃしょうがないですから。これが仕事みたいなものですし。何もやらないで筋肉つくなら、やりませんけど(笑)。選手にもいろいろなタイプがあって、ウェートが好きな選手と、技研(わざけん)が好きな選手がいます。自分ですか? ウェートはやりますけど、技研はそんなにやりませんから、ファンの方から「ジャベがあんまりない」とか言われちゃいます(笑)。

VIVA!MEXICO LIFE

◎メキシコに行ってびっくりしたことは?
空気が薄いです。空気が汚いです。人がたくさんいます。娯楽が全然ないです。クルマ中心の国です。だから危なくって、ランニングが出来ないです。もちろんチャリンコなんかも走ってないです。盗られちゃうから走ってないんですけど(笑)。地下鉄で物を売りに来たり、勝手にお金取っちゃったり(笑)。誰が聞いてもド下手なカラオケを唄って、お金取ろうとするオッサンがいるんです。誰もお金やりませんけど、迷惑なんですよねえ。でも、周りは文句も言わずに聴いてる…それがメキシコです。…もうエピソードはたくさんありますよ。朝の2時とか3時に道場でガンガン音立てて練習したって、誰からも苦情来ませんし。露店の音楽も、サルサ・ミュージックとか、朝からガンガンかかってますし。で、クルマもブンブン走ってますし。
◎メキシカンの気性は?
みんな気はいいですよね。そして、明るい…悪く言えばうるさいです。あと、親切すぎます。ありがた迷惑が多いです。たとえばホルヘから「やるよ」ってヘンなお菓子を出されて、「イヤ、いらないです」って言うと、怒る(笑)。「俺の親切が受けられないというのか」って。
◎食あたりは経験しましたか?
メキシコ行って、1週間くらいでなりました。たぶん鶏肉です。ポジョっていう、ニワトリを1羽まるまるただ焼いてるだけの料理なんですが、それを買って食ったら、生だったのかなあ、それで当たっちゃって、4〜5日、苦しみました。激しいのはその1回だけです。普通の下痢くらいなら、もう何てことないです。
◎「肉日記」に書いてた、リベラさんからもらった薬で下痢が止まらなかった話は?
ホント、あの人はねえ(笑)…いらないって言ってるのに薬の封を開けて「飲め」って。「何ですか、この薬は?」って言ってるのに…。いまだに何の薬かわからないんですよ。その薬で治ってもいないんです。ただ下痢だけする薬でした(笑)。
◎メキシコの食事は合いますか?
合わないことはないです。でも、おんなじ物ばっかりですから、飽きますよね。日本は中華もあるし洋食もあるし、何でも取り入れますけど、メヒコは自分の国のものしか食べませんよね。ハンバーガーとか、タコスとか、トルタス(コッペパンより大きい、わらじ型のパンではさんだサンドイッチ)ですとか。あと、ポジョですか。メヒコのどこ行っても、たぶんそうです。ポジョ屋、タコス屋、トルタス屋…それしかないです。
◎1ペソは日本の感覚で何円くらいなんですか?
10ペソ=110円とか120円とかです。生活費は結構使っちゃうんですよねえ。住居費はいらないんですが、チャンコ(食事)費は毎月1000ペソ払ってます。あとはケータイ代で、使いようによっては3000ペソは行っちゃいます。あと、たまに休みがあれば、おいしいもの食べたいですから。メヒコでは2000円もあれば、日本食とか韓国料理(焼肉)とか食えますし。
◎修司選手がチャンコ番の時は、どんなものを作るんですか?
肉じゃが、そぼろ、カレー粉があればカレーライスとか作っちゃいます。チャンコ鍋は、マズいから作らないです。メヒコでチャンコ作ってもおいしくないですから。
◎えっ、誰が当番の時でも、チャンコ鍋は作らないんですか?
いえ、自分が嫌いだからです。まあ、みんながチャンコ鍋ばっかりでも(笑)。その発想で、サンドイッチとかも作りますね。そう言えば、この前(2001年10月8日にテレビ東京系で放映された大鷲選手のドキュメンタリー番組で)ホットドックを食べていたでしょう。1人2個って少ないだろうと思われるでしょうけど、でもそんなに食えないですよ。ただパンにウインナー挟んだだけなんですから(笑)。
◎でも、プロレスラーなんだから、それだけだとお腹が減るでしょう?
だからみんな、日本食を作るんです。自分で持ってきたヤツを。
◎修司選手が作るものの評判はどうなんですか?
いい時はいいです。ただ、おんなじものを作り過ぎるから、食われなくなっちゃうんですけど。新しいものを作ったときは、結構いいですよ。焼き鳥とかは評判よかったですね。でも、手間がかかるから、あまり作りたくないんですけど。チャンコ番の時は、練習はまったく休みです。
◎練習とチャンコ番、どっちがラクなんですか?
練習してたほうがラクです。チャンコ番は朝・昼と2回、買い出し行かなきゃいけないですし。あと、留守番をしなければいけません。鍵が年中閉まってて、ブザーが鳴るごとに、下に降りてかなきゃならないんです。危険だからメヒコではオートロックが普通なので、選手が出入りするたびに。それに電話番もあるから、タイヘンです。
◎チャンコ番は何人で回しているんですか?
9期生が入る前は7・8期生でやってましたけど、7期生は免除されました。基本的には下の2期でやってますけど、9期生は8人もいますから、8期生の自分が免除されるかどうかはわからないです。
◎スペイン語はどれくらいできますか?
まったく…じゃないですけど、英語よりはしゃべれますよ。最低限ですけどね。チャンコ番での買い出し時とか、電話番とか…メキシコ人からかかってきますからね。でも向こうも日本人ってわかってますから、名前だけ言って、「いない」とか、「後で電話くれ」とか。T2Pでいちばんスペイン語ができるのは、野村さん(TARUシート選手)ですね。

(Part.3につづきます)
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