以下青字部分が修司選手のコメント、他は管理人によるコラムです。
043 2002年初試合
「足が痛くなっちゃって…。でも、動けることは動けた。息も上がらなかったし」
メヒコで「何もない」正月を過ごした修司選手は、1月10日に帰国。実家にて自主トレ、そして束の間の休息ののち神戸道場へ向かったのですが、急遽JAPAN新春シリーズ「FEILIZ ANO NUEVO」第6戦・土岐市大会に参戦することになりました。年明け早々捻挫したヒザの具合が心配でしたが、そのヒザが痛いにもかかわらず「スタミナをつけるために」走り込みトレ(!)を敢行したせいか?今年緒戦を白星で飾ることができました。当人にとっては、後楽園大会前に、試合で動けるまでの回復を確認できたことが、今年の初勝利以上に大きな収穫だったのではないでしょうか。
044 T2P逆上陸第2弾
「小川内は強かった!彼との試合で、これまででいちばんいい試合ができた。バチバチやり合う、俺の好きなスタイルだった」
衝撃の第1弾から2ヵ月、T2Pが再び後楽園に帰ってきました。修司選手は、小川内選手との8期生ライバル対決に出場。気迫のこもった熱い試合が展開されました。両選手はこの時点で、ともにデビューからまだ8ヵ月でしたが、『バモアミ』で放映されたデビュー2戦目の両者の対戦と見比べると、その成長ぶりがまざまざと感じられます。
「校長から”グッドマッチ!”の言葉が出た。あんまり言ってもらえないんだけどね」
とのありがたい評価もあり、当人も試合の出来に満足していたようです。ちなみに、この試合で修司選手は、T2P逆上陸興行におけるオープニングマッチ連続出場記録(?)を5に伸ばしています。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#26 T2P日本逆上陸スペシャル第2弾』'02.2.16放映
045 T2P実力査定リーグ戦開幕!
「はっきり言って疲れた。大鷲選手は体重があるし、ラフで来るからしんどい。ゴリラ・クラッチは出せずじまい」
参加12選手が4ブロックに分かれてリーグ戦を行い、各ブロック上位の選手による決勝トーナメントでT2P最強のレスラーを決める「実力査定リーグ戦」がいよいよスタート。2戦しかない予選リーグ戦では、初戦を落とすと自力による勝ち抜けが絶望となることから、各ブロックともこのメヒコでの第1戦が非常に注目されました。修司選手がエントリーされたBブロックには大鷲選手と川畑選手が入り、昨年暮れのヤングドラゴン杯の上位3名がここに集結!初戦からいきなりYD杯決勝戦の再戦となりました。修司選手はある秘策を胸にこの一戦に臨んでいます。同日の「肉日記」をご参照ください。
046 初の「ドラゴン・スクランブル」参戦
「TSUJIMOTO選手と、菅原選手かな?に裏切られて、オーバーザトップロープ」
今回の自主興行は「T2P実力査定リーグ戦」の開幕戦として日本のファンからは注目されましたが、その後のリーグ戦や決勝トーナメントを観られないメヒコのお客さんにとっては、ハッキリ言ってどうでもいいこと。そこで線(シリーズ)としてではなく、点(1興行)として楽しめるよう、このイベントが企画されたのではないかと管理人Sは推測しています(ちなみに昨年のこの時期には「ワンナイトタッグトーナメント」が開催されたそうです)。
12選手の入場順は下記の通りですが、この日初の出番となった4選手の入場が早いのは当然として、第1試合から第4試合まで行われたリーグ戦4戦の、出番の遅かった選手から順に入場している点は全くのナゾです。フルタイムの熱戦を展開した第4試合の大鷲・近藤両選手は、間に15分かからず決着したセミのメキシカン6人タッグを挟んだだけでの出場となりました。グロッキーだった両選手の様子は、退場順にもよく現れています(笑)。負けた時の状況を修司選手に詳しく説明してもらったところ、
「TSUJIMOTO選手と菅原選手にロープ際で押さえつけられたスカイデ選手めがけてラリアットを打とうとしたら、二人がしっかり押さえていなったのかスカイデ選手に逃げられて、そのまま勢いあまってトップロープ越え」。
これでリング下に転落してしまい、あえなく失格となったそうです。ちなみに大鷲選手の退場一番乗りは、修司選手にゴリラ・クラッチをかけられたところへ、他の選手たちから寄ってたかって空いている首や腕をジャベで極めまくられた結果だそうです。むごいハナシですが、バトルロイヤルで何人もの選手に一気に襲われるのは、他のレスラーから強い選手と認められているという勲章なのではないでしょうか。ともあれこの貴重な一戦、いつか日本でもやってほしいものです。T2P選手全員参加の「実力査定ドラゴン・スクランブル」なんていかがでしょう?
【ヤマハ杯争奪時間差バトルロイヤル(12選手参加)結果】
●入場順(3分おきに、2選手ずつ入場)
1. ベルリネッタ・ボクサー、菅原拓也
2. スカイデ、福政淳也
3. 大鷲透、近藤修司
4. アンソニー・W・森、STEVIE"brother"TSUJIMOTO
5. 大柳錦也、吉野正人
6. ミラノコレクションA.T.、セカンド土井
●退場順
(1)大鷲 (2)近藤 (3)大柳 (4)ボクサー (5)菅原
(6)福政 (7)A.T. (8)スカイデ (9)土井 (10)TSUJIMOTO
《優勝》吉野正人(25分7秒 タルサンハート)アンソニー・W・森
047 鯱魔神'sとの初遭遇
「とにかく弱い!でも、対戦してても、どっちがどっちか本当にわからない」
「T2P実力査定リーグ戦」も日本に舞台を移し、逆上陸第3弾シリーズ『Los Conquistadores』(ロス・コンキスタドレス=征服者たち)としてスタートしました。この日、リーグ戦のなかった修司選手の対戦相手は、ウワサのしゃちほこマシーンズ!初のハンディキャップマッチ出場となりました。ハンデ戦なのに相手の弱さに手を焼くという、対しゃちほこならではの好試合(笑)が展開されたようですが、驚くべきは、対戦相手にも本当に見分けがつかないという事実です。
「俺は二人の正体を知ってるのに、試合中どっちを攻めてたかわからなくなってしまう。すり替えをやられるから、一人を狙い打ちするのは不可能」
なのだそうです。これまでマット界には双子や同じマスク&コスチュームのタッグチームが数多く登場していますが、大抵は体の特徴やクセ、出す技などで対戦相手には違いがわかるもの。それがまったくわからないのですから、彼らはまさしく一心同体!実力はさておき(笑)、世界一息の合ったタッグチームと言えるでしょう。
ちなみにこの試合、しゃちほこ二匹を束ねたランサルセで修司選手が快勝しています。
048 Bブロックはついに同点首位!
「本日のランサルセは、飛びつき逆十字に来たところをなんとかこらえて、空中に浮いている相手を肩に乗せてから出した」
メヒコでともに痛み分けに終わった大鷲選手は、大阪での試合に川畑選手に快勝して勝ち点3でリーグ戦を終了。決勝トーナメント進出のためには負けられない一戦でしたが、相手の技をかわしたところで放つ突発性ランサルセが炸裂して快勝。この結果、勝ち点3で同点首位となった大鷲選手と修司選手が、翌日のディファ有明大会でBブロック代表決定戦を行うことになりました。
049 Bブロック代表決定戦
「何だあの大鷲は!好き勝手に暴れやがって!だったら最初から出るな!Cブロックは3WAYまでやってみんな苦労したのに、Bブロックときたら…」
実力伯仲のメンバーがひしめく実力査定リーグ予選は、大方の予想通り(?)大混戦となり、勝者未決のブロックが続出。決勝トーナメント当日に、第一、第二試合でB、C両ブロックの代表決定戦が行われました。参加全選手が1勝1敗に終わったCブロックは、3WAYマッチ(3人同時に闘う試合形式)による勝ち抜けマッチでの争いとなり、3者大激戦の末、森選手が八木選手を抑えて決勝トーナメントへ進出。これに続いてBブロックの1位決定戦が行われたのですが、ここで大鷲選手が大暴走!玉岡レフェリーへの暴行によりレッドカードを提示され、T2P史上初の反則負けとなった挙げ句に、「俺はヘビー級だ!」と、ライトヘビー級王者を決める実力査定リーグ戦などは、最初から眼中になかったことを暴露。大鷲選手のこの暴走ぶりには、修司選手もコメントの通りかなり立腹した様子でしたが、ともあれこれでBブロック代表の座を射止め、決勝トーナメントに駒を進めました。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#29 T2P日本逆上陸スペシャル第3弾』'02.3.30放映
050 T2P実力査定リーグ戦、終戦
「見ての通り」
釈然としないまでもBブロック代表の座を勝ち取った修司選手は、Aブロック代表のミラノコレクションA.T.選手とシングル、タッグを通じての初対決となりました。が、T2Pのエースといちばんキャリアが浅い8期生との差が如実に表れ、無念の秒殺。パラダイスロックでダンゴ虫状態に固められ、文字通り手も足も出ずに、ここに修司選手の「T2P実力査定リーグ戦」は幕を閉じました。結局リーグ戦は、ミラノ選手が有終の美を飾りましたが、決勝戦後にT2Pファン驚愕のアクションが!!結果的にこの試合が、「近藤修司」としての最後の試合となりました。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#29 T2P日本逆上陸スペシャル第3弾』'02.3.30放映
【T2P実力査定リーグ戦全試合結果】
※会場は■2.17メヒコ、★2.27大阪、☆3.2名古屋、□3.3有明。
予選リーグ戦はすべて15分1本勝負。勝ち=2点、分け=1点、負け=0点。
全試合ルチャリブレ・クラシカルールで施行。
フルタイムの場合は、2.17メヒコではロープエスケープ(E)数で決着、
2.27大阪以降は反則減点(イエローカード)を加えたロストポイント(L)数で決着。
予選リーグ戦各ブロック結果
《Aブロック》 ミラノコレクションA.T..(勝ち点4)、セカンド土井(同2)、三島来夢(同0)
■A.T.(E0)(10分13秒 A.T.ロック)土井(E2)
★A.T.(L0)(0分51秒 パラダイスロック)三島(L2)
☆土井(L2)(時間切れ ロストポイント2-3)三島(L3)
《Bブロック》 大鷲透(勝ち点3)、近藤修司(同3)、川畑憲昭(同0)
■大鷲(E3)(時間切れ引き分け)近藤(E3)※5分延長戦も引き分け(両者E0)
★大鷲(L2)(7分1秒 千秋楽固め)川畑(L0)
☆近藤(L1)(4分43秒 ゴリラ・クラッチ)川畑(L0)
□近藤(L0)(7分57秒 反則)大鷲(L4) 〜Bブロック代表決定戦〜
《Cブロック》 アンソニー・W・森(勝ち点2)、STEVIE"brother"TSUJIMOTO(同2)、八木隆行(同2)
■森(E3)(10分15秒 エスカルゴ)TSUJIMOTO(E0)
★八木(L2)(時間切れ ロストポイント2-3)森(L3)
☆TSUJIMOTO(L1)(12分5秒 ポストーレ・デ・ラ・ノーチェ)八木(L3)
□森(L0)(9分25秒 エスカルゴ)八木(L1) 他、TSUJIMOTO(L2) 〜Cブロック代表決定3WAY戦〜
《Dブロック》 吉野正人(勝ち点4)、大柳錦也(同0)、小川内潤(同2)
■吉野(E0)(10分37秒 ソル・ナシエンテ)大柳(E2)
★吉野(L0)(8分34秒 ソル・ナシエンテ)小川内(L2)
☆小川内(L1)(10分31秒 サムライロック)大柳(L1)
決勝トーナメント準決勝(30分1本勝負)
□A.T.(L0)(0分59秒 パラダイスロック)近藤(L1)
□吉野(L1)(8分31秒 ソル・ナシエンテ)森(L2)
優勝決定戦(初代インターナショナル・ライトヘビー級選手権者決定戦・61分1本勝負)
□A.T.(L4)(5分35秒 A.T.ロック)吉野(L0)
051 イタコネ本格始動!
「ルチャらしい試合だった」
3月3日にディファ有明で結成されたイタリアン・コネクションにとって、この日の「闘龍門MEXICO5周年記念興行」が正式なお披露目。"ファッションリーダー"ミラノ選手のもとに結集した4人の選手も、白をベースとしたイタリアンカラーにコスチュームを一新。「コンドッティ修司」として活動を始めた修司選手個人にとってはデビュー1周年も重なり、記念すべき大会となりました。
対戦相手の森&土井選手は、八木&修司選手がルード転向を表明した際の因縁の相手。このT2Pテクニコ軍の代表的存在といえる両者に、チームリーダー・ミラノ選手と因縁浅からぬ斉藤選手が加わったチーム相手なのですから、ルードの血が騒がないわけがありません。冒頭の「ルチャらしい試合だった」とは、「テクニコとルードがハッキリした、ルチャの典型のような試合だった」という意味なのでしょう。なお、この試合にイタコネ軍としてベルリネッタ・ボクサー選手が名を連ねておりますが、果たして彼はいつからイタコネメンバーになったのか…?この謎については、当HP「DIARY」の2002年4月29日をご覧ください。
052 イタコネ初上陸!
「イタリア人としての初来日を、お客さんが快く迎えてくれた」
メヒコでの自主興行の興奮も醒めやらぬ中、T2P日本逆上陸第4弾興行『Los Conquistadores』(第3弾と同じシリーズ名)がスタートしました。T2Pの巨大ルードユニット、イタリアン・コネクションの面々は、イタリア人として初来日(笑)。賛否両論の新コスチュームを日本のファンに初披露しました。また、T2Pとしては九州初上陸となりましたが、闘龍門興行に尽力する当地プロモーターによる凝った場内演出もあって、大変盛り上がった興行となったようです。修司選手は、T2P逆上陸興行では初のタッグマッチ出場(2001年秋のJAPAN興行で1度だけタッグ戦出場あり)となりましたが、日本でのタッグ戦、そしてイタコネの一員としても初めての勝利を飾りました。
053 ランサルセ、初の自爆!
「足ダンダンが悪いのかな?でも続ける」
ご存知、修司選手のオリジナルホールド、ランサルセ。毎試合欠かさずに出し続ける甲斐あって、直前予告ムーヴ「足ダンダン」は、今やお客さんから手拍子足拍子をいただけるT2P会場名物のひとつとなりました。が、その認知度と反比例するように命中率は急落(笑)。対戦相手の認知度も上がっているのですから当然と言えば当然ですが、その交わされ方は相手に蹴られるのがほとんど。ところがこの日の大会で、ついに初の自爆をやってしまいました。修司選手にその状況を説明してもらったところ、
「ダンダンしてる間に菅原選手が土井選手の腕を引っ張って、目標を失ってコーナーに突進。初のケースだね。まあ、(ランサルセは)お約束だから」
修司選手本人はすでに、足ダンダン付きの正調ランサルセは「お約束」と割り切っているようで、それよりも1回交わされたあとに、いかにして突発性ランサルセ(試合の流れの中で予告なしで見せる)を効果的に放つかに気を遣っているようです。この試合でも、突発性ランサルセから必殺ゴリラ・クラッチにつなげて快勝。また、この日は、逆上陸第1弾開幕戦のオープニングマッチを闘い、イタコネにも共に勧誘された盟友ともいうべき八木選手とのコンビネーションも一段の冴えを見せ、息の合った「Wタックル」や、「修司選手にリフトアップされ投げつけられた八木選手によるダイビングヘッドバット」などのムチャクチャな連係も見られたようです。
054 8期生対決!
「なかなかやるじゃねえか」
シリーズ第3戦のこの日は、同期である小川内、菅原両選手とのタッグ対決。闘龍門8期生全員が同じリング内に顔を揃えました。もちろん、試合はヒートアップ。同期ならではのライバル意識が火花を散らしたわけですが、理由はそれだけではないようです。
「八木さんや8期生とはやっぱり手が合う。このあたりは、みんなクラシカというよりプロレススタイルでしょ。上の人と比べると、クラシカ習ってる時間も短いし」
確かに、流れるようにあざやかなジャベを次々繰り出すルチャリブレ・クラシカを体現しているミラノ選手や森選手、YOSSINO選手などのファイトに比べると、このタッグマッチに出場した4選手はみな「通常のプロレスの合間に、見たことのないジャベの動きを盛り込む」といった印象があります。また、4選手とも「競い合いより削り合い」といった感じの、気迫を前面に出すファイトぶりも共通項かもしれません。T2P全体が若いメンバーの集まりなのですが、その中でもジェネレーション・ギャップが存在するというのは興味深い事実です。
また、このシリーズからは、イタコネメンバーの試合でのセコンドという仕事が加わりました。むしろ、自分の試合以上に熱くなることもしばしば。この日はすぐあとの第2試合でベルリネッタ・ボクサー選手をサポート。乱入を繰り返して対戦相手である地元出身・岩佐選手に攻撃を加え、見事会場のヒートを招くことに成功(?)。この行動がT2P技術部長の怒りを買い、Bボクサー選手ともども芸術的ジャベを食らうというひとコマもありました。
055 C-MAXとの大乱闘
「C-MAXも大人げない。これからは戦争だ!」
シリーズ中、鯱魔神のうちの一匹と三島選手が負傷したことから、以後の会場では当初の発表カードから変更が相次ぎ、この日の最終戦では、T2P興行で初のセミファイナル出場となりました。試合自体は、YOSSINO、YASSINI両選手との初のトリオ結成で、ジャベとパワーを融合させた合体技披露あり、セコンドの八木選手やB・ボクサー選手の効果的な介入あり、テクニコ軍の頑張りと見事な反撃ありで、「(翌日同所でのJAPAN興行を含めた)後楽園2daysでのベストマッチ」(『週刊プロレス』2002・6・25号)と評価の高い試合を展開したのですが、修司選手のコメントはたった一言「評判がよかった」と、非常に素っ気ない返事。自分の試合よりも、セコンドについたこの日のメインイベント「インターナショナルライトヘビー級選手権・ミラノコレクションA.T. vs ドンフジイ戦」での出来事の印象が強かったようです。
1本目終了直後に、予告通りCrazy-MAXの面々(CIMA、SUWA、TARUの3選手)が、フジイ選手を救出するとともにミラノ選手を襲撃。もちろんイタコネ勢も応戦して、そのまま試合が決着するまで延々15分以上ノンストップで、闘龍門の歴史に残る大乱闘を繰り広げたのでした。リング上では一応、本来の2選手が試合をしていたのですが、リングサイド席を完全に破壊して、フロア一面を戦場にセコンド陣が殴り合いを続ける異常事態。そんな中、修司選手がリングインしてフジイ選手に(セミでは決められなかった)ランサルセを決め、続いてイタコネ勢がコーナーを背にしたフジイ選手に串刺し攻撃し、さらに攻守を変えてC-MAXがミラノ選手に串刺し攻撃するシーンも見られるなど、新設タイトルの初防衛戦というのにその権威はメチャクチャに。こんな試合の中、終始冷静だったミラノ選手がフジイ選手にA.T.ロックを決め、辛くもタイトル初防衛に成功。試合が終了してからも乱闘を続ける両軍に業を煮やしたウルティモ・ドラゴン校長が介入し、C-MAXを蹴散らしてイタコネ勢には平手打ちで叱責するひとコマもありました。しかし、この試合にタイトルとともに賭けられた透明犬ミケーレは、本来の飼い主の元に戻った直後にフジイ選手が再強奪。イタコネのファッションリーダー・ミラノ選手は、翌日のJAPAN後楽園大会に乗り込むことを宣言しました。
この一連の乱闘中、修司選手は左目を大きく腫らす打撃を顔面に受けました。CIMA選手のパンチが原因だったようですが、
「目の上だったから大丈夫。腫れてオシマイじゃない?」
と、こともなげでした。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#33 T2Pスペシャル』'02.6.28放映
番外 イタコネ、JAPAN初乱入
「イタリアでは、眼帯はみんなあんな色なんだよ!」
この不況の折り、メジャー団体以外では考えられない後楽園2days興行を開催した闘龍門。両日ともフルハウスにしてその勢いを見せつけました。第2夜の6・7はJAPAN大会となりましたが、この日の第3試合のため入場後、リング上からT2Pを挑発するC-MAXに対し、南側客席通路にイタコネが登場。イタコネは激しいブーイングと「帰れコール」に見舞われました。なお、この日の両軍は、客席を挟んで対峙したまま、お互いがその場を動くことはありませんでした。修司選手はこの日、前夜負傷した左目を保護するため、眼帯を着用していたのですが、なんとその眼帯が赤・白・緑のイタリアンカラー!かの国の眼帯は、こんなに派手なのでしょうか!?まあ本人がそう言うのですから、きっとそうなのでしょう。ちなみにこの日の昼間、水道橋近辺の文房具屋さんに、赤と緑のビニールテープを買い求めるマッチョなイタリア人が出没したらしい、という未確認情報を併せて記しておきます(笑)。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#34』'02.7.5放映
056 MC初体験
「もうタイヘン!アップアップ!いっぱいいっぱい!」
6・7JAPAN後楽園大会での乱入時、ファッションリーダー・ミラノ選手はJAPANとの全面対抗戦突入を宣言するも、ご本人は「あさってイタリアで取材が入っているから」と、八木、修司、B・ボクサーの3選手を「置いていく」ことを発表。こうしてイタコネ先遣隊は勇躍JAPAN豊橋大会に乗り込んだのですが、会場入りしてみると、何と試合が組まれていない!そこで第1試合開始前のMC時に乱入して「試合入れろよ」とアピールを行い、同じく一部メンバーが残留していたT2P正規軍を相手に急遽「第0試合」がマッチメークされました。修司選手のマイクアピールと言えば、これまではイタコネ自己紹介で「イタリア・ローマ出身、オシャレ大好きコンドッティ修司だ!」と一方的に叫ぶだけだったので、ちゃんとした(?)MCはもちろんこれが初体験。このJAPAN参戦中に、戦績もさることながら、果たしてMCが上達するのか、いえ、そもそもMCの素質があるのか否か(笑)が注目されます。
060 初の真性乱入
「してやったり」
ルード転向以来、イタコネメンバーをサポートする「セコンド乱入」(いわば介入)は日常茶飯事となりましたが、ついに無関係の試合に乗り込む「真性乱入」(いわば襲撃)を果たしました。JAPAN残留参戦以来、各会場で新井健一郎選手が「キャラがかぶってんだよ!」と八木選手に突っかかることから、イタコネ残留軍は最初のターゲットをJAPAN正規軍に絞り、連日挑発を繰り返して来ました。次第に因縁が高じ、この日の第1試合が白熱する中、新井選手が登場。気を取られた八木選手がスキをつかれて、イタコネ残留軍はJAPAN参戦初黒星を喫してしまいました。こんな展開になると、イタコネのその後の行動は火を見るよりも明らかで、セミファイナルで行われた正規軍同士の「熱い試合」に乱入して新井選手に報復。とうとう新井選手から「俺は完全にその気になった!7・7神戸ワールド大会に出て来る勇気があるならやってやるよ!」との言葉を引き出し、当初予定になかったビッグマッチ参戦をちゃっかりと実現させました。
062 JAPAN正規軍との初対決
「楽勝楽勝。思ったよりも大したことない」
闘龍門JAPAN旗揚げ3周年記念興行というビッグマッチで実現したこのカードは、「JAPAN vs T2P」のサブタイトルがついていました。6月の地方興行でJAPAN選手とT2Pテクニコ選手のシングル戦が数試合組まれてはいたものの、9・8有明コロシアムでの「全面対抗戦」開催が発表されて以来、大舞台では初めての両軍の接触となったわけです。結果はイタコネ残留部隊が勝利をもぎ取り、試合後突如登場したイタコネのファッションリーダー・ミラノ選手ともどもブーイングの中、イタコネおよびT2Pの実力をアピールしました。なお、イタコネ4選手は、この日のメイン(JAPAN3軍によるUWA世界6人タッグ王者決定3WAY戦)にも現れ、最前列で試合を観戦。終了と同時に無言のまま引き上げています。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#35 神戸ワールド記念ホール大会SP』'02.7.15放映
063 本拠地・チキン初登場
「懐かしかったね」
7・7神戸ワールド大会翌週の7・14ディファ有明大会では帯同するも試合は組まれず、またも来場したファッションリーダー・ミラノ選手とともにセミの新井選手の試合に乱入し、メインの6人タッグ3WAYを観戦してC-MAXとモメることで憂さを晴らした(?)イタコネ軍。翌々日となるこの日のチキンでは、たまりかねて「試合を組んでください」と校長に直訴。練習生時代に場内整理に明け暮れた思い出の会場である闘龍門本拠地での、記念すべき初試合となりました。さぞかしさまざまな感慨が頭をよぎったのでは…と、修司選手に感想を尋ねると、「特にないけど」。いや、いつか俺もこのリングに…と思ってたとか、なんか感じたことがあるでしょう?と食い下がったところ、ようやく出てきたのが冒頭の発言。この日にプロデビューしたのならともかく、キャリア1年を超えた今となっては、さしたる感慨もなかったようです。それよりも、初体験となるひと回り小さいチキン用リングについては
「速く動けるように見えるからいい。スピードない俺でも速く見えるからね」、
ライブハウス会場での興行の特性については
「お客さんがすぐ近くにいるから、やりやすい。反応が早いし」
と、もっぱらどう見られるかという、プロとして感じた印象のほうが強かったようです。
074 イタコネ6WAYマッチ
「入ってくるのが遅いんだよ!」
T2P逆上陸興行第4弾終了後、チキン初登場や九州遠征を含めて計18戦、JAPANで試合をした修司選手は、ついにメヒコに戻らぬまま(つまり、逆上陸しっぱなしで)第5弾『Los Conquistadores 2』(第3弾、第4弾も同名のタイトルなのに何故か今回が「2」…)を迎えることとなりました。この日、闘龍門では初の試みとなる「ディファ有明・昼夜興行」を開催。集客が難しいとされる同所で、しかも当日には新日プロ『G1 CLIMAX』決勝戦が開催されたにもかかわらず、昼夜ともに超満員の観客を動員して、確立した人気ぶりをアピールしました。
昼の部(JAPAN)ではイタコネがメインのUWA世界6人タッグ戦を花道で観戦して試合途中にはまたも乱闘が勃発(第1試合では大鷲選手の乱入も)。夜の部(T2P)では逆に、ほとんどの試合でJAPAN選手が入れ替わりに乱入して、9・8有明コロシアムでの「JAPAN vs T2P全面対抗戦」のプロローグの様相を呈しました。夜の部のT2Pではことさらその色合いが濃く、第1、2試合では、この日のメイン・UWAトリオ王座次期挑戦者決定戦(勝者組は9・8メインで王者組C-MAXに挑戦)への出場権を賭け、正規軍、イタコネそれぞれが「代表チーム選抜6WAYマッチ」を行いました。
さて、第2試合の「イタコネ6WAY」ですが、何とファッションリーダー・ミラノ選手が最初の組で入場!開始3分で八木選手にパラダイスロックを極めてしまいました。次組の修司選手とB・ボクサー選手は花道で結託の握手を交わし、ミラノ選手を攻め立てる…はずが、ボクサー選手の裏切りに遭い、2vs1の構図に。しかしミラノ選手とボクサー選手の息が合わず分裂。次組の入場直前にミラノ選手がボクサー選手を逆羽根折りで下し、YOSSINO&YASSINI両選手の入場テーマ曲をB.G.Mに、残る修司選手にもA.Tロックを極め、次組のリングイン前に決着してしまいました。修司選手の冒頭のコメントは、花道でA.T.ロックが極まる様を眺めたまま入って来ようとしないYOSSINO&YASSINI両選手に向けられたものでしたが、3人目が沈められれば、両選手は闘わずして勝ち上がりが決まるのですから、この行動を責めることはできないでしょう。結局、ファッションリーダーの強さばかりが目立った一戦で、しかも「6WAY」とは呼べない試合となってしまったのですが、めったに観られないイタコネ6選手によるさまざまな闘い模様、いつか再戦してほしいものです。
ちなみに第1試合の「T2P正規軍6WAY」では、大鷲選手がテクニコから集中攻撃浴びるも、福政、菅原、森の各選手をトップロープ越しに放り投げて決着。この第1、2試合での敗者6選手がセミファイナルで闘うこととなったのですが…。
【UWA世界6人タッグ王座挑戦権争奪戦・イタリアン・コネクション代表チーム決定戦ドラゴン・スクランブル(6選手参加)結果】
●入場順(3分おきに、2選手ずつ入場。勝ち残り3名決定で試合終了。オーバー・ザ・トップロープ・ルール採用)
1. ミラノコレクションA.T.、ペスカトーレ八木
2. コンドッティ修司、ベルリネッタ・ボクサー
3. YOSSINO、"brother"YASSINI
●退場順
(1)八木 (2)ボクサー (3)コンドッティ
《最終タイム》ミラノコレクションA.T.(7分19秒 A.T.ロック)コンドッティ修司
ミラノコレクションA.T、YOSSINO、"brother"YASSINIの3選手が勝ち残り、メインのUWA世界6人タッグ王座挑戦権争奪戦に出場決定。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#37 T2Pスペシャル』'02.9.4放映
075 ロイヤル・ブラザーズのデビュー戦の相手に
「ヤツらのカッコがおかしくて、負けてしまった」
第1、2試合での負け選手による6人タッグマッチとなったセミファイナルでしたが、ここで事件が!?イタコネ軍入場後に「アンソニー・W・森の希望により、福政淳也はフィリップ・J・福政に、菅原拓也はヘンリー3世菅原に変更」とアナウンスされ、荘厳なテーマ曲に乗ってT2Pテクニコ軍内の新ユニット「ロイヤル・ブラザーズ」が初登場!福政、菅原両選手のまさかの変身に、イタコネ軍も自分たちのコスチュームを棚に上げて、ただただ唖然。試合でもロイヤル軍の毒気に当てられ(?)、初白星を献上してしまいました。管理人には特に変身した2選手の動きがこれまで以上にイキイキとして見えたのですが、修司選手に言わせると
「同じだよ。(変身により)ファンの見方が変わるというか、今までは(彼らより目立ってた)俺らを観てたでしょ。やってることはまったく同じ」。
しかし、現に負けているのですから、これは負け惜しみなのかもしれません。
ところで、修司選手はこの日、左肩に絆創膏を貼っていたのですが、これについては
「出来モノがあったんだけど、某選手が試合前にデコピン(するように指弾き)しやがって、血が出てしまったので…」
とのことでした。
なお、この試合では、M2Kのメンバー全員が花道で観戦。第3試合(闘龍門最弱トーナメント優敗決定戦)に乱入してマイクアピールを繰り広げるマグナム選手に対し、イタコネ3選手が9・8有明コロシアムでの対戦相手に名乗りを上げたことから因縁が生じたものだったのですが(※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#38』'02.9.6放映)、セミ終了直後に斉藤了選手が登場して勝った森選手へ嬉々として祝いの言葉を贈りはじめたことで呆れたマグナム選手以下は無言で引き揚げ、有コロでの対戦受諾は得られませんでした。このようにストレスがたまる一方だった修司選手は、続くメインの試合に乱入して、セミではまたも交わされて不発に終わったランサルセを決め、イタコネ軍の勝利をアシスト。溜飲を下げていました。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#37 T2Pスペシャル』'02.9.4放映
080 望月成晃選手との初対戦
「蹴りは重かった。でも、俺のカラダなら1発2発くらいなら大したことない」
8・11ディファ有明後、JAPANは北海道シリーズに突入。修司選手も、もう当たり前のように参戦して、連日ロイヤル・ブラザーズとの対戦が組まれました。そして迎えた札幌2連戦。初日の試合で、ロイヤルに負けてしまった修司選手と八木選手の元に、”ファッションリーダー”ミラノ選手が登場し、森選手への襲撃を指示。そこへ「アンソニーに手を出すヤツは許さない」と斉藤選手が救出に駆けつけ、翌日の同所での試合で2選手への報復を宣言。この流れなら当然斉藤&森選手との対戦になるかと思いきや、組まれたカードには森選手ではなく”JAPAN正規軍リーダー”望月選手の名前が!追いかけていたマグナム選手との対戦前に、思いがけずにJAPAN三大エースの一角との初対戦となりました。
しかしながら試合は、望月選手との対戦を目論む大鷲選手が乱入し、ノーコンテストに終わってしまいました。望月選手との絡みもロクになかったため、今後への因縁も生まれようがなく、管理人としては残念。次の機会があれば、その時は”熱い”試合を期待したいものです。
085 マグナムTOKYO選手との初対戦
「(感想は)特になし」
ついに迎えた『ABSOLUTAMENTE JAPANvsT2P全面対抗戦』有明コロシアム大会。8・11ディファ有明での対戦表明がいつの間にか(?)受け入れられて、休憩直後の第7試合、ビッグマッチのセミ直前という重要なポジションでダンスユニットとの対戦が実現しました。しかしながら、”日・米・墨ダンシングフィーバー スペシャル6人タッグマッチ”のサブタイトルが物語るように、ダンスと無縁のイタコネ3人にとってはまったくテーマのない闘いとなってしまいました。
大会前に行われたファンイベント「決起祭」や、当日の入場式後に行われた「リング選択抽選会」でマグナム選手に「絶対踊らせねえからな!」とアピールを繰り返し、マグナム選手の入場時に、抽選で決定したT2Pの六角リングでのダンスを阻止せんと待ち構えていたイタコネ勢。しかし、マグナム選手には隣接のJAPANの四角リングであっさり踊られ、挑発に乗ってリング変更も受け入れてしまう始末。こうして、完全にペースを狂わされたイタコネ勢は、踊らせないはずのマグナム選手に逆に”踊らされて”敗れ去ってしまいました。
注目のマグナム選手との絡みも、冒頭コメントの通り印象に残るほどのものはなく、管理人としては非常に残念。試合後の『バモアミ』インタビューでは、「それより(混成ユニットではなく次は)M2K(としての対戦)だ!」とコメントしておりますので、そちらに期待しましょう。
なお、修司選手はこの試合で、5月から約4ヵ月に及んだ日本滞在を終了。5日後にメヒコに戻っています。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門 LIVE SPECIAL〜ABSOLUTAMENTE〜 9・8有明コロシアム』'02.9.8放映
※DVD&ビデオ『闘龍門伝説 闘龍門JAPAN vs T2P編』('04.3.26発売)収録
086 新技・ハリケーンミキサー!
「フィニッシュになりうる技だと思う」
久々のメヒコでの試合は、これまた久々のシングルマッチで、しかも3本勝負。これについては
「息がもたなかった。結局あれが原因で風邪ひいてしまった」
と、なかなか厳しい闘いだったようですが、ともあれメヒコマット復帰(?)初戦を飾りました。しかし気になるのは、決勝の3本目のフィニッシュホールド。ハリケーンミキサーとは…?早速確認したところ、たった一言「足へのラリアット」と、相変わらず説明不足の返事が。足へのラリアットが果たしてフィニッシュになりうるのか!?そこでもう一度質問すると、
「足へのラリアットがハリケーンミキサーって言ったけど、そのあとさらに開発して、カウンターの、後ろに飛ばすスピアーみたいなヤツ?うまく言えないけど」
……わかりません!(大柳選手調)。まあ、本人も「うまく言えないけど」と言っているように、技を言葉で説明するのはなかなか難しいようです。この筆舌に尽くしがたい新技は、どうぞ試合会場で、皆さまご自身の目でお確かめください。
番外 T2P興行を初の欠場
「もう入院はイヤだ。監獄にいるようなものだ」
10・27ディファ有明でのT2P『Los Conquistadores 3』出場のため日本に戻った修司選手に突然の病魔が!興行の3日前に高熱が出て病院に行ったところ、即入院の診断が。初上陸以来皆勤を続けていた逆上陸興行は、第6弾にして無念のドクターストップとなってしまいました(当初発表されていた「C・修司&P・八木組vsP・J・福政&H・菅原組戦」は、修司選手の代わりにB・ボクサー選手が入り、第1試合として施行)。気になる病名は、担当医師にも「原因は不明」と見放されて(?)しまったため、結局わからずじまいだったのですが、少なくとも感染症ではなかったようです。そして症状ですが、高熱のほかにも体の一部に重大な変調をきたした模様。ただ、これについては修司選手は堅く口を閉ざし、ウルティモ・ドラゴン校長も「かわいそうなので本人には聞かないように!」(『週刊ゴング』2002.11.14号)と仰っておりますので、当HPではこれ以上触れないでおきます(この修司選手生涯初の入院の顛末については、当HPの「裏Lanzarse」で紹介しています)。それにしても、この突然の欠場で、新技・ハリケーンミキサーの日本初公開は先送りされてしまいました。修司選手は10・27でのお披露目を狙っていたようでしたので、非常に残念。翌日のJAPAN後楽園大会(神田裕之選手(現・闘龍門教頭)引退記念興行)にも修司選手を除くイタコネ勢が出現して、急遽カードが組まれておりましたので、この点でも残念でした。
087 アメリカマット初登場!
「まるでメヒコの地方でやってるようだった」
奇跡の復帰を遂げたU・ドラゴン校長が、かつて伝説を残した日米墨三ヵ国を巡る「ウルティモ・ドラゴン カムバック・ワールドツアー」の第3戦・ロサンゼルス エンターテイメント・センター大会(EPIC自主興行「WRESTLING ROOTS '02 〜ULTIMO DRAGON'S U.S. RETURN〜」)に、T2Pからセカンド土井選手、そして修司選手が帯同。校長の推薦により両者のシングル戦がマッチメークされました。ところが、11月16日・17日の2連戦として発表されていた同大会が、主催者の都合により急遽中止の憂き目に(「会場が別の催しとダブルブッキングして使えなかった」そうです)。しかし、すぐに別のインディー団体・WPW(ワールド・パワー・レスリング)から、アナハイムのメキシカン居住区で開催される屋外大会への出場依頼が舞い込み、ドラゴン校長はカムバックツアーの第3戦を挙行。帯同2選手もセミファイナルのタッグマッチに参戦することができ、かつてのメジャー団体・WCWのクルーザー級部門でトップをとった伝説の名レスラー「ウルティモ・ドラゴン」の存在の大きさを感じさせました。そんなU・ドラゴン選手の突然の登場に、集まったファンは驚いたのではないでしょうか。
さて、憧れの米マットを初めて踏んだ修司選手ですが、その感想は冒頭の通り。この興行は前宣伝がまったくなかったため観衆が50人しか集まらなかったことも、なおのことそんな気を抱かせたのかもしれません。
また、試合経過についても
「誰が誰かわからない。俺と土井選手の知らないところで終わってた」
と、T2P両選手は決着には絡めなかった模様。それでも、
「アメリカの事情が少しわかった」
と、プロレスラーとして貴重な経験ができたようです。それにしても、10・27T2Pディファ大会を欠場した修司選手にとっては、さながら「便乗カムバックツアー」。転んでもタダでは起きないというか、T2P選手の中でのキャリアは下から数えたほうが早いのに、T2P選手初の米マット出場を実現して、どうも行動がちゃっかりしています。
090 ヤングドラゴン杯はまたも準優勝!
「カウント2だったじゃねえか!認めねえぞ!」
毎年恒例の年末の自主興行といえばヤングドラゴン杯。今年は、5月にデビューを果たした闘龍門X勢が中心になると思いきや、意外なことに昨年出場した修司選手と小川内選手がエントリーされ、昨年のYD杯当日にデビューした菅原選手、B・ボクサー選手とあわせてT2P選手が4名参加。さながら、T2PvsXのプレ全面対抗戦となりました。
修司選手は、5〜8期生で争われた昨年の第5回大会で準優勝だったことから、先輩が抜けて8&9期生のみが参加するこの大会では負けられなかったはずなのですが、菅原・小川内の両選手を相手に勝ち上がってきた闘龍門Xの期待の新星・石森選手の勢いを止めることはできませんでした。
「試合の7割8割はずっと攻めていたのだが、クイックでやられた」
と敗戦の弁。クイックとは、一瞬の丸め込みのことをいうのだそうですが、テクニコの典型的な決め技であるスモールパッケージホールド(古くは小包固め、現在は首固めと呼ばれます)をここ一番であざやかに決めた石森選手、逆上陸が本当に楽しみです。かたや、典型的な(?)ルードの修司選手は、イタコネの盟友、ベルリネッタ・ボクサー選手をセコンドにつけ、やりたい放題の大暴れ。場内に大ブーイングの嵐を巻き起こし、
「試合自体は面白かったし、盛り上がったよ」
と結果はともかく内容には満足した様子。それでも一瞬の逆転技で負けたことは面白くなかったのか、表彰台上で石森選手に握手を要求、油断を誘っておいて、なんと優勝トロフィーを持ち逃げ!ついに手の届かなかった「コパ・ドラゴン」の象徴を不法な手段で束の間我が物にして、溜飲を下げていました。
なお、今回のYD杯は、修司選手によると「どれもこれもいい試合だった」とか。ルチャリブレクラシカを標榜して関節技主体のT2Pの中でも、入門が遅いためにあまりクラシカの色がない8期生と、もともとクラシカとは関係のない闘龍門Xの9期生の対戦ですから、空中戦がガンガン繰り出されるダイナミックな試合が展開されたのでしょう。
また、修司選手はこの日の試合から、3着目のコスチュームを新調したようです。とてつもなく斬新なデザインですので、どうぞご注目ください。
※『VAMONOS AMIGOS!闘龍門#44 T2Pスペシャル』'03.1.17放映
【第6回ヤングドラゴン杯トーナメント全試合結果】
1回戦
○SUWAシート (10分48秒 急所攻撃→エビ固め)ベルリネッタ・ボクサー●
○コンドッティ修司( 6分19秒 ゴリラ・クラッチ寝るまでもない)スモール"ダンディ"フジ●
○小川内潤 ( 5分16秒 サムライロック)新井小一郎●
○石森太二 ( 6分59秒 変形セントーン→体固め)ヘンリー3世菅原●
準決勝
○コンドッティ修司( 8分39秒 ゴリラ・クラッチ寝るまでもない)SUWAシート●
○石森太二 ( 4分57秒 エビ固め)小川内潤●
決勝
○石森太二 (11分55秒 スモールパッケージホールド)コンドッティ修司●
091 ファッションリーダーとの初タッグ
「初めての割にはソツなくこなせた」
イタリアン・コネクション結成から早9ヵ月。ようやく、イタコネのファッションリーダー、ミラノ選手との初タッグ戦(YOSSINO選手とのトリオ)が実現しました。両者のJAPAN参戦時期がちょうど入れ違いだったこともあり、同じチームでありながらこれまで組むチャンスがなかったのですが、「連係も多少はあった」とのことで、上々の初戦となったようです。6・6後楽園のセミファイナル(YOSSINO&YASSINI選手とのトリオ結成)もそうでしたが、パワフルな用心棒が入ると、"イタコネの上3人"の華麗なジャベが、その効果をより高めるような気がします。ちなみにこの日の晩ごはんは、静岡駅前でイタコネメンバーともども「しゃぶしゃぶ」を食べたそうです。
092 CIMA選手との初対戦
「誘われたけど、入るわけねえじゃねえか!」
これまではセコンドとして、ありすぎるほど接点のあったC-MAXでしたが、試合としてはこれが初めての対C-MAX戦。JAPANの第1試合で、CIMA&SUWA組という黄金コンビを相手に実現しました。試合のほうは、「出した技は、吊り上げコブラとラリアットくらいかな」と、さほど手数は出せなかったようですが、1期生の先輩を相手に奮戦。毒舌でも知られるCIMA選手から「誰やおまえ?イノシシみたいな顔して」とツッコまれ、即座に「こんな紳士つかまえてイノシシとは何だ!」と切り返すなど、MCでも負けていなかったようです。試合後、イタコネの分断を目論むCIMA選手から「ミラノの下についてないで、こっちへ来い」と声がかかりましたが、返事は冒頭コメントの通りでした。
093 T2P、解散決定
「イタリア人はしばらく消える…傷心で」
年内最後のT2P興行のこの日、修司選手はセミ前の第5試合でマグナム選手率いるDo FIXERと対戦しましたが、この試合についてのコメントは特になし。それ以上に、この日のメインで行われたT2PとJAPANの頂上対決・ミラノvsCIMA戦(インタLヘビー級戦)の結末が衝撃的だったようです。ミラノ選手がT2Pの看板を、CIMA選手がキャラ剥奪とT2P入りを賭けた激突は、CIMA選手が勝利。この結果、T2Pの解散が決定してしまいました。T2P旗揚げ以来、これまで一度たりともピンフォールを許してこなかったファッションリーダー、ミラノ選手の敗戦に、イタコネメンバーの受けたショックは冒頭コメントの通り、かなり大きかったようです。