試合の背景並びにTV放映データなどを記録した、管理人によるコラムです。
537 AKIRA選手に「お年賀」
昨年12・5大田区大会でAKIRA選手より「クリスマスプレゼント」としてサウナスーツとサプリメントを用意されたドッティ。そのお返しとばかり、「お年賀」としてAKIRA選手の「恥ずかしい写真」(新日本プロレス時代の伝説のアイドルユニット「JJ Jacks」の斬新なコスチューム姿)をわざわざパネルにして用意して「ハッピーニューイヤー野上彰!」と絶叫。1週間後に迫った世界Jrのタイトル戦に向け、ますます遺恨を深めています。
なお、出場したこの試合は会場アナウンスではメインイベントとコールされていますが、全日本の新春後楽園2連戦初日恒例の「100万円争奪ヘビー級バトルロイヤル」がこの日の最終試合として開催されています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #83』(GAORA)'06.01.28放映
538 初の興行Wヘッダー(1)新春恒例Jrヘビー級バトルロイヤル
全日本の新春後楽園2連戦2日目恒例の「50万円争奪Jrヘビー級バトルロイヤル」に初参戦。前日の続きとばかり優勝賞金度外視でAKIRA選手との前哨戦に終始。バトルロイヤルとあって公認の連係技を駆使してAKIRA選手からフォールを奪い、直後にAKIRA選手が報復のアシストで3カウントを奪われています。試合は、盟友が失格となり敵だらけとなったYASSHI選手がしぶとく生き残り、見事優勝を果たしています。
【賞金50万円争奪Jrヘビー級バトルロイヤル(15選手参加)結果】
●退場順と決まり手
NOSAWA(回転エビ固め)TAKA
TAKA(回転エビ固め)NOSAWA ※菊タローが上記をひっくり返す
菊タロー(スモールパッケージホールド)渕 ※中嶋、石森、ハヤシ、ウラノ、MAZADA、荒谷、土方がアシスト
ハヤシ、土方(トップロープを使っての股間引きずり攻撃)菊タロー
土方(エビ固め)ハヤシ ※土方へのWA4を荒谷、MAZADAがひっくり返し、旭とともにアシスト
ハヤシ(エビ固め)土方 ※荒谷、MAZADA、旭が上記をひっくり返す
近藤(バビロン→片エビ固め)AKIRA
石森(スクールボーイ)近藤 ※AKIRAが場外からパネル攻撃 旭、中嶋、ウラノがアシスト
中嶋(体固め)旭、石森 ※ウラノへのWロメロスペシャルの体勢を、中嶋が2人同時にフォール
荒谷(体固め)ウラノ ※上記の直後に押さえ込む
中嶋、YASSHI、MAZADA(体固め)荒谷 ※中嶋のハイキックから
YASSHI、中嶋(体固め)MAZADA ※YASSHIのバッドボーイから
YASSHI(10分10秒 急所打ち→ラ・マヒストラル)中嶋
《優勝》"brother"YASSHI
※優勝賞金50万円を獲得
※『オールジャパン・シャイニング・ファスト #2』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.01.05放映
539 初の興行Wヘッダー(2)太陽ケア選手をVDMに勧誘
この日の本来の試合はRO&Dとの全面対抗戦。戦場を新日本マットに移したジャイアント・バーナード選手の穴を埋めるべく、VDMはRO&Dのエース格・太陽ケア選手の勧誘を開始しています。
※『オールジャパン・シャイニング・ファスト #2』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.01.05放映
540 初の興行Wヘッダー(3)KAIENTAI DOJO初参戦(他団体に初のゲスト出場)&女子レスラーと初対戦
全日本での昼間興行を終えたVDMはその足で千葉に向かい、先ほどの対戦相手であったTAKAみちのく選手が主宰するKAIENTAI DOJOの新春第1弾恒例「ビックリショー」に出場。ドッティにとって(フリーでありながらレギュラー参戦している全日本を除いて)純然たる他団体に上がった初めてのケースが興行のハシゴという初物づくしで、さらに所属する女子選手が男子選手と区別なく闘うK-DOJOとあって、女子選手と初めて対戦するというおまけまで付きました。ただし、串刺しラリアットを繰り出したくらいで、山縣選手との接触はほとんどなく(日頃から女子レスラーとの対戦をアピールしていたYASSHI選手が独占してました)、ドッティの出番のほとんどはパワーファイターの火野裕士選手との力戦に終始してました(なお、火野選手はYASSHI選手の高校時代のレスリング部の後輩にあたるそう。このレスリング部からはYASSHI選手のもう1人の後輩が某団体でマスクマンとして活躍しているそうで、高校のレスリング部としては、三沢光晴&川田利明選手を輩出した足利工業大学付属高並みと言えるかも)。
ちなみに、「ビックリショー」はその名の通り他団体からシークレットゲストを招いて、入場時まで誰が出てくるかわからない趣向のサプライズ興行で、この日の他のゲストは村上和成選手(ビッグマウスラウド)、吉田万里子選手(M-STYLE)、モリ・ベルナルド&アントーニオ本多選手(DDT)。フリーの菊タロー選手が菊藤さんとしてランジェリー武藤選手とプロレスLOVEなタッグを結成した試合もあり、大いに盛り上がりました。
※『プロレスKING #37 KAIENTAI DOJO CLUB-K SUPER1.6後楽園大会』(GAORA)'06.01.29放映(ダイジェスト)
544 AKIRA選手を退け世界Jr2度目の防衛/諏訪間選手がVDM入り
予告通りAKIRA選手が体重計を持ち込んで入場しましたが、ドッティは103.5kgでその場での計量をクリア(リミットは105kg)。20分を超える激闘の末、初めてとなる大阪府立体育会館のメーン競技場で元IWGPジュニア王者(第16代。野上彰時代)の挑戦を退けるというメジャーなシチュエーションとなりました。なお、試合途中にドッティは場外に出たAKIRA選手を抱え、実況席にいたゲスト解説の東京愚連隊めがけて投げるという挑発行為。試合後に愚連隊がパソコンのキーボード攻撃で王者を襲い、バックステージでも小競り合い。ともに「戦争」を宣言して新たな因縁が生まれています。
また、この日のメイン(小島vsTARUの三冠ヘビー級戦)終了後に、防衛に成功した小島選手の腰にベルトを巻いていた諏訪間幸平選手が、その姿勢からジャーマンスープレックスで投げて反逆し、その場でVDM入りを宣言。デビューから1年弱のアマレス出身のエリート選手として全日本期待の星だった諏訪間選手のヒールターンは、太陽ケア選手獲得を陽動していたこともあってまったくの盲点(ケア選手の勧誘も3月シリーズまで継続。ディーロ・ブラウン選手との仲間割れを執拗に画策するも実らず)。諏訪間選手自身も気の優しい子連れルーキーのイメージで親しまれていたことから、VDM入りは驚きを持って受け止められました(諏訪間選手はVDMデビューとなる2月3日の試合よりリングネームを「諏訪魔」と改名。髪も赤く染めてイメージを一新しています)。逆に結成2年目を迎えたVDMにとっては、全日本生え抜きの選手を獲得したことで、1年目とは違った形の展開が図れそうです。
※『ALL JAPAN B-Banquet #85』(GAORA)'06.02.11放映
545 「OVERHEAT Vol.1」参戦
チケットぴあHPのプロレスコーナーに同名の連載エッセイを持つ全日本プロレスの本間朋晃選手が主体となったイベント型興行に参戦。ドッティにとっては1・3K-DOJOに続き、フリー転向2年目にしてようやくフリーらしい行動を始めた年明けとなりました。この日のカードは当初の発表では、第3試合にYASSHI選手とのタッグでAKIRA&石狩太一組との対戦が予定されていましたが、大会ホストである本間選手が腰を負傷して試合することが出来ず、メインのカードが大幅に変更(本間&中嶋勝彦組vs日高郁人&藤田ミノル組戦→鈴木健想&TAKAみちのく組vsTARU&YASSHI組戦)。その余波でドッティは第3試合のままシングル戦に変更となりました。当初、他のインディー団体の選手とのカードを提示されたようでしたが、ドッティはみちのくプロレスで活動する後輩(闘龍門9期生)のパイナップル華井選手を指名して、TORYUMON X世代の選手に胸を貸すことになりました。試合は前日に2度目の防衛を果たした世界Jr王者の貫禄を見せつける横綱相撲。試合運びの巧さに定評のある華井選手ですが、日頃はロス・サルセロス・ハポネセスのメンバーとしてタッグ戦出場がほとんどのため、大きな経験となったのではないでしょうか。なお、華井選手は続く「RINGSOUL LIVE」でもカズ・ハヤシ選手とのシングル戦がマッチメークされましたが、これはドッティがその後に関わる、ある明確な意思を持って、華井選手の力を図ろうとしたものと思われます。
なお、この興行は「資料として」映像収録されていたものの、放送予定もビデオ・DVD化の予定も一切ないとのことでした(大会翌日にFIGHTING TV SAMURAI『NEWS侍』が一部試合をダイジェストで紹介したのみ)。
546 「RINGSOUL LIVE Vol.1」〜新宿カス野郎プロレス〜参画
神戸のプロレスショップ「リングソウル」が開店7周年を記念して主催したイベント興行。2005年12月17日に同所で行われたVooDoo Murdersトークショー「そーゆーこっちゃ」の席上で開催が発表されたもので、また「新宿カス野郎プロレス」のサブタイトルが示すように、リングソウルとは闘龍門JAPAN時代から親交のあるTARU選手とドッティ、YASSHI選手の3人がホスト役を務める「リングソウル×VDMのコラボレート興行」というのが正確なところかもしれません。
ほとんどの団体・選手と交流のあるリングソウルの参画とあって多彩なメンバーが集結。ドッティ自身も金丸選手とのタッグでの対戦でNOAH初遭遇を果たすなど、非常に手応えを感じた様子。また、メインでは佐々木健介&中嶋勝彦組と対戦するTARU&SUWA組のセコンドにYASSHI選手とともに付き、『週刊プロレス』の座談会企画(「悪党同窓会」2005年12月21日号掲載)で実現させた顔合わせを試合会場で披露。闘龍門JAPAN時代に抗争に明け暮れた「Crazy-MAX」と「イタリアン・コネクション〜はぐれ軍団〈仮〉〜悪冠一色」の武闘派同士の4ショットは、観る者に感慨を抱かせずにいられません。
なお、会場となった新宿FACEはライブハウス専用会場だった新宿リキッドルームをプロレス・格闘技興行にも使用できるよう改造された場所。この日の会場で早くも発表された4・28「RINGSOUL LIVE Vol.2」や、4・27新団体のプレ旗揚げ戦(後述)など、その後も多く活用されることとなりました。
この興行は最初から「TV放送やビデオ・DVD化の予定の一切ない、一夜限りのLIVE」と発表されていたことから、指定席は売り切れ、立ち見客(「カス席」として前売発売)も多数出る上々の入りとなりました。
547 東京愚連隊との因縁対決〜全日Jr、タッグ戦争へ
1・8大阪で生まれた遺恨対決がマッチメークされましたが、ドッティがドラム缶を被せたボンバー斉藤レフェリーに、4選手が代わる代わるに確信犯的誤爆を繰り返す大乱戦で収拾がつかず。荒れるリングにJr戦士が続々集まり、現場監督の重鎮・渕正信選手の号令のもと、次期シリーズでJrタッグリーグ戦の開催が決定。対VDMへの包囲網が敷かれました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #86』(GAORA)'06.02.18放映
番外 dd初のファン感謝イベント「dragondoor2006〜Dia de accion de gracias〜」参加
dd第4弾興行の前々日となる2月5日に、dd初のファン感謝イベント「dragondoor2006〜Dia de accion de gracias〜」を、闘龍門JAPAN時代によく利用された「青山ベルコモンズ・クレイドルホール」で開催。「悪党たちがファンサービス」がウリとあって、この日ばかりはファンサービスに努めていたようです。
※『dragondoor「RETURN OF THE HEXAGON〜T2Pワンナイトスタンド〜」2006・2・7後楽園ホール NEAR LIVE!! 』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.02.07放映
※『プロレスKINGインフォメーション』(GAORA)'06.02.12 & '06.02.19放映
549 dd第4弾興行・T2P一夜限定の復活、ミラノ選手と久々の対決、dragondoor興行終了
六角形リングとテーマ曲、ジングルの復活、「ロイヤルブラザーズ」フィリップ・J・福政選手とガジャルド選手(TORYUMON X)の引退式、ホルヘ・リベラコーチの出場や大柳錦也選手の登場、TORYUMON 2000 PROJECTのTシャツなど、闘龍門第2世代をひたすら懐かしむための興行。足かけ3年ながらもわずか14ヵ月(2001年11月〜2003年1月)の活動で、しかも大都市中心の散発興行と、必ずしも強い印象をファンに残していない「団体内団体」のリバイバル興行でしたが、昨年5月のDRAGON GATE退団以来、久々に日本での試合となったミラノコレクションA.T.選手への注目で上々の客足となりました。
「LUCHA LIBRE CLASICA BEST&NEXT」と銘打たれたメインは、T2P興行の名物だった「61分」「ルチャリブレ・クラシカルール」を採用。ミラノ選手率いるイタリアン・コネクションのプチ復活(DDT・飯伏幸太選手をトリノ出身の「イブシーノ」に仕立て、懐かしの癒し系マスクマン「ベルリネッタ・ボクサー」の復活)と、T2P時代をイタコネとして共に活動したドッティとYASSHI選手、T2P時代はロイヤル・ブラザーズだった菅原選手のトリオが迎え撃つ構図となりました。
試合後、ドッティはミラノ選手とベルトを賭けての再会をアピール。その後、SAMURAI TVのゲスト解説に来ていたウルティモ・ドラゴン校長が4月16日後楽園ホールでの「U・ドラゴン復活&闘龍門第4世代の逆上陸興行」の開催をアピールすると、ドッティは「新たなプロジェクトを立ち上げる」として校長興行への参戦を固辞。今後の活動は2月23日の記者会見で明らかにされましたが、4回に渡って開催されたdragondoorの興行はこれがラストとなりました。
※『dragondoor「RETURN OF THE HEXAGON〜T2Pワンナイトスタンド〜」2006・2・7後楽園ホール NEAR LIVE!! 』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.02.07放映
※『dragondoor「RETURN OF THE HEXAGON〜T2Pワンナイトスタンド〜」2006・2・7後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.02.18放映
551 「2006エキサイトシリーズ」終了
7日間連続のツアー中、dragondoorのイベント&興行とかち合ったため第1、2、6、7戦しか参加できませんでしたが、ドッティとYASSHI選手は全日本の年間シリーズへの参加が一巡しています。
※『オールジャパン・シャイニング・ファスト #3』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.02.12放映
552 全日主催のイベント興行参戦
ライブハウス"SITE KOBE"とのコラボレーションイベント「武陵桃源(ブリョウトウゲン) 全日本プロレスの章〜プロレスLOVE〜」に参戦。4組によるバンド演奏、「リングソウル」藤永オーナー進行による武藤選手トークショーに加え、2試合が行われました。
全日本の通常興行ではないイベントにフリーであるVDMが呼ばれるのは珍しいですが、TARU選手の地元にして闘龍門出身選手にとっても因縁浅からぬ神戸で、この日のプロモーター氏とも懇意であることから参戦が実現したものと思われます。
※『ALL JAPAN B-Banquet #91』(GAORA)'06.03.25放映(ダイジェスト)
番外 「プロレスリングElDorado」旗揚げ発表会見
2月23日、有限会社闘龍門・川畑代表はdragondoorの「NEXT door PROJECT」として、団体「プロレスリングElDorado(エルドラド)」の4・27新宿FACEでのプレ旗揚げ戦、7・19後楽園での旗揚げ戦を発表。会見に同席した全日プロ参戦中のドッティとYASSHI選手、石森選手、ZERO1-MAX参戦中の菅原選手、DDT参戦中の大鷲選手(高木選手は「誰も連絡しなかったため」欠席)、みちのくプロレス参戦中の景虎選手、華井選手が参加を表明して、「旧悪冠一色+TORYUMON X」が中心の新団体であることが明らかになりました。興行形態は、当面は各選手が主戦場とする他団体への参戦と並行して、記者会見が行われた渋谷・円山町のライブスポット「club asia(クラブ・エイジア)」でのプレミアムマッチや、約3ヵ月周期で後楽園大会を開催しつつ、団体としての力を蓄えていく模様です。と、同時に、連続性のあるストーリーを提供すべく、将来的にはメンバーを固定する「鎖国」による団体運営を希求。ドッティがddスタート時に「いちばん面白かった頃の闘龍門JAPANの試合を見せる」と言っていたのはこの鎖国路線であり、日米墨を股に掛けたワールドワイド路線を描く現在のU・ドラゴン校長の方向性とは180度異なることから、ElDoradoは校長から独立して運営されることになりました(有限会社闘龍門による両グループのマネージメントは継続)。
ちなみに「ElDorado」というネーミングは、15世紀に新大陸(中南米)に渡ったスペインの征服者たちが目指した「黄金郷」伝説から(「アンデスの奥地にあるインディゴの部族に、湖に黄金やエメラルドを捧げる儀式があるらしい」と聞きつけた征服者たちが艱難辛苦の末にその湖・グァタピタ湖を発見し、ほど近い盆地に都市=現在のコロンビアの首都・ボゴタ=を築き、ここを足場にエメラルド鉱山を開いたと言われている)。記者会見の席上ではドッティが「プロレス界に黄金郷はあるか、探してみようと思います」と語り、これが団体名の由来であると報じられましたが、これだけでは「エルドラド=黄金郷、理想郷」という単純な訳による解釈。かつてT2P戦士は「(闘龍門JAPANを侵略しに来た)征服者たち(=コンキスタドレス)」になぞらえられ、dragondoor時代を含めて幾たびも大会名に用いられていることから、dragondoorの元となったT2Pからの連続性をも表現できる団体名として提案され採用されたもので、T2Pなくしてはあり得なかったネーミングであることを強調しておきます。
553 「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニア・タッグリーグ戦」開幕初戦・vs東京愚連隊
2・3後楽園でのJr集会を経て正式決定した「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニア・タッグリーグ戦」。全日本マット参戦から丸1年を迎えたシリーズで、連日Jrにスポットの当たるイベントが組まれました。開幕戦は因縁の東京愚連隊との再戦でしたが、今回は完封しています。
「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&"brother"YASSHI組:1戦1勝(得点2)
※『オールジャパン・シャイニング・ファスト #4』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.03.05放映
※『ALL JAPAN B-Banquet #90』(GAORA)'06.03.18放映(ダイジェスト)
557 「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニア・タッグリーグ戦」第2戦・vsAKIRA&土方組
開幕戦の後の3大会は公式戦がなく、残り4戦が4連戦というバランスの悪い日程となりましたが、この試合もクリア。他のチームが星の食い合いをする中、2連勝を飾っています。
「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&"brother"YASSHI組:2戦2勝(得点4)
※『ALL JAPAN B-Banquet #90』(GAORA)'06.03.18放映(ダイジェスト)
558 「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニア・タッグリーグ戦」第3戦・vs世界Jr元王者コンビ TAKA選手を病院送り
シリーズ途中の2月28日多治見大会の試合中にTAKAみちのく選手が右手を負傷。3月2日の広島・呉大会の公式戦「ハヤシ組vs菊タロー組戦」でYASSHI選手とともに本部席に陣取っていたドッティがTAKA選手の右手に鉄パイプを振り下ろし、さらにダメージを深めたところで迎えたこの日の試合。TAKA選手は強行出場するものの、2度に渡る鉄パイプ攻撃でついに戦闘不能に(この日より欠場し、リーグ戦は棄権)。孤軍奮闘するカズ選手もついに力尽き、なおも暴れるコンブラを他のJr選手が蹴散らし、現場監督の渕選手が「あいつらの優勝を許すな」と参加メンバーに檄を飛ばしています。
「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&"brother"YASSHI組:3戦3勝(得点6)
※『ALL JAPAN B-Banquet #90』(GAORA)'06.03.18放映
559 「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニア・タッグリーグ戦」第4戦・vs菊タロー組 菊タロー選手と初対決
新春のJrヘビー級バトルロイヤルではまったく絡みがなかったため、ドッティとは実質的に初対決となった菊タロー選手。コミカルなファイトにどこまで付き合ったのかどうかわかりませんが、リーグ戦4戦目も土つかずで突破しています。
「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&"brother"YASSHI組:4戦4勝(得点8)
※『ALL JAPAN B-Banquet #92』(GAORA)'06.04.01放映(ダイジェスト)
560 「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニア・タッグリーグ戦」第5戦・vs新世代Jrコンビ 全勝でリーグ戦終了
2人合わせた年齢がわずか41歳(石森選手が23歳、中嶋選手が18歳)のフレッシュなタッグチームとの最終戦も突破し、無傷の得点10でリーグ戦1位通過。優勝戦へとコマを進めています。
「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&"brother"YASSHI組:5戦5勝(得点10=全日程終了)
※『ALL JAPAN B-Banquet #92』(GAORA)'06.04.01放映(ダイジェスト)
561 「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニア・タッグリーグ戦」優勝戦・vs東京愚連隊 次期世界Jr王座挑戦者内定?
2位で通過して来たのは、このタッグリーグ戦開催のきっかけを作った東京愚連隊。コンブラはNOSAWA選手の負傷している左ヒザに的を絞りましたが、5分経過とともに愚連隊側のセコンドについたリーグ戦参加全選手が鉄パイプ攻撃を阻止。観客の声援を含め会場のムードを一体化させた東京愚連隊が耐えに耐え、逆転で勝利を飾りました。試合後、MAZADA選手はドッティの世界Jr王座へ挑戦表明しています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #92』(GAORA)'06.04.01放映
【「HOLD OUT TOUR 2006 ジュニア・タッグリーグ戦」全試合結果】
※リーグ戦はすべて30分1本勝負。上位2チームが優勝決定戦を行う。
勝ち=2点、引き分け=1点、負け&両者リングアウト=0点。
参加チームと勝ち点
カズ・ハヤシ&TAKAみちのく(勝ち点4)
近藤修司&"brother"YASSHI(勝ち点10=1位)
NOSAWA論外&MAZADA(勝ち点6=2位)
AKIRA&土方隆司(勝ち点4)
中嶋勝彦&石森太二(勝ち点4)
菊タロー&菊ジロー(勝ち点2)
2・25松本
○ハヤシ組(2) vs 中嶋組(0)●
TAKA(17分18秒 ディックキラー)石森
○近藤組(2) vs NOSAWA組(0)●
近藤(14分5秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)NOSAWA
2・26魚津
○AKIRA組(2) vs ハヤシ組(2)●
土方(16分51秒 腕ひしぎ逆十字固め)TAKA
○中嶋組(2) vs 菊タロー組(0)●
石森(11分6秒 スーパースターエルボー→片エビ固め)菊ジロー
2・27高山
○NOSAWA組(2) vs 中嶋組(2)●
NOSAWA(15分18秒 4禁クラッチ)中嶋
○AKIRA組(4) vs 菊タロー組(0)●
AKIRA(14分46秒 ムササビ・ボディプレス→片エビ固め)菊ジロー
2・28多治見
○中嶋組(4) vs AKIRA組(4)●
中嶋(16分6秒 TKO)土方 ※側頭部へのハイキック→レフェリーストップ
○菊タロー組(2) vs NOSAWA組(2)●
菊タロー(16分5秒 開運トルネード→片エビ固め)NOSAWA
3・2呉
○近藤組(4) vs AKIRA組(4)●
近藤(9分43秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)AKIRA
○ハヤシ組(4) vs 菊タロー組(2)●
ハヤシ(13分1秒 ファイナルカット→片エビ固め)菊ジロー
3・5後楽園
○近藤組(6) vs ハヤシ組(4)●
近藤(13分17秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)ハヤシ
3・7秋田
○NOSAWA組(4) vs ハヤシ組(4)●
※TAKAみちのく負傷欠場によりハヤシ組不戦敗
○近藤組(8) vs 菊タロー組(2)●
YASSHI(14分3秒 ウラカンラナ切り返し→回転エビ固め)菊ジロー
3・8五所川原
○近藤組(10) vs 中嶋組(4)●
近藤(12分56秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)石森
○NOSAWA組(6) vs AKIRA組(4)●
NOSAWA(16分18秒 みちのくドライバー→片エビ固め)AKIRA
3・10大田
優勝決定戦(時間無制限1本勝負)
○NOSAWA組(リーグ戦2位) vs 近藤組(リーグ戦1位)●
MAZADA(18分6秒 横回転十字固め切り返し→エビ固め)YASSHI
562
『ALL JAPAN B-Banquet #95』(GAORA)'06.04.29放映
564
『全日本プロレスNEAR LIVE SP「2006チャンピオン・カーニバル」4・9後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.04.09放映
568
『ALL JAPAN B-Banquet #98』(GAORA)'06.05.27放映
571 MAZADA選手を退け世界Jr3度目の防衛
「チャンピオン・カーニバル」開催シリーズとあって最終戦のカードがギリギリまで決定しない中、唯一シリーズ前から決定していたカード。前回防衛戦に端を発した因縁はJrタッグリーグ戦を経て、3ヵ月温め続けたのちの決着戦を迎えました。
試合は、YASSHI選手がセコンドに付いたものの、試合開始からほどなくしてMAZADA選手の盟友・NOSAWA選手が排除。このため、全日マットにおけるドッティの試合では珍しい「反則・介入なしのシングル戦」になりました。
この日の「一点集中」のテーマはMAZADA選手の首。その結果「リング内のMAZADA選手の半身をエプロンに引っ張り出して繰り出す"断崖式DDT"」「トップロープからの雪崩式DDT」「エプロンのMAZADA選手をリングに引っ張り入れ、足はセカンドロープにかかった状態からフェースバスター」「パイルドライバー2種(ドリル・ア・ホールとツームストン)」「ギロチンドロップ」「首投げクラッチ式ヘッドロック」など、これまでおそらく使ったことのないと思われる珍しい技を続々披露。と、言うよりも、シングル戦常套のランサルセやゴリラ・クラッチも一切出さず、「ザ☆オリジナル」「背後からのブン投げ」以外は日頃の持ち技もほとんど使わず、ほぼ新技のみで組み立てる珍しい試合を展開しました。
この試合のハイライトは、MAZADA選手が繰り出した「正田デストロイ」。ドッティが2発目のドリル・ア・ホール・パイルドライバーを狙うところを空中で反転して逆にパイルドライバーを突き刺すというもので、この技を筆頭にハイレベルの切り返しの応酬が見られた試合となりました。
試合後、全日Jr戦士が恒例の集会を行い、次々期シリーズでの「Jrシングルリーグ戦」開催が決定。ですが、試合後にとっとと引き揚げたドッティはバックステージで、「集まった奴らが全日Jrをダメにしている」と批判して、世界Jrの次の挑戦者に懲りもせず渕選手を再び指名。結局、Jrシングルリーグ戦にドッティのエントリーはなく、リーグ戦は世界Jrの次期挑戦者を目指す様相となりました。
なお、この日の大会は、アメリカ修行中のミラノ選手が参戦(セミファイナルで武藤選手と組み、TARU&YASSHI組と対戦)。MAZADA選手は闘龍門MEXICOのインストラクターですので、闘龍門系がセミとセミ前を占拠した形となっています。そしてメインのCC決勝はVDM諏訪魔選手が出場。ドッティもセコンドとして肩入れしたものの、RO&Dのセコンド勢が介入を阻止。太陽ケア選手が悲願の初優勝を飾っています。
※『ALL JAPAN B-Banquet スペシャル チャンピオンカーニバル2006優勝決定戦 4.20国立代々木競技場第2体育館(NEAR LIVE)』(GAORA)'06.04.20放映
『ALL JAPAN B-Banquet #101』(GAORA)'06.06.17放映
572 ElDoradoプレ旗揚げ戦
7月16日後楽園ホールでの本旗揚げ戦を前に、実験的な興行を打つ目的でプレ旗揚げ戦が開催され、2月23日の記者会見で近ブラとのタッグを希望した華井選手とのトリオでメインに出場。戦前から華井選手のなで肩の怖さをアピールし「なで肩のヤツがやると垂直に落ちる」として「奈落」と名付けられたショルダースルーをアピールするも試合ではついに出ず。しかしながら「FUCK!」(サンドイッチ低空ドロップキック)の3者合体版を見せるなど連係はスムーズで、今後もElDoradoのリングで引き続き組んでいくことが確認されました。
対戦相手の1人、JKO選手は「ジャンピングキッド沖本」の略称であるらしく、リングネームで本名を明かしているというマスクマンはもしかすると世界で初めてのケース。闘龍門9期生でYASSHI選手の高校時代の後輩。この因縁はElDoradoで生まれた初めてのアングルとして、ストーリーが続いていきそうです。
一方、dragondoorからの継続のアングルとしては、メイン後に景虎選手がドッティと石森選手にまとめて宣戦布告。「俺とおまえはいつまで経っても先輩後輩」とあしらうドッティに向かって行き、ラリアット相打ちの後の折り返しの一発でドッティを蹴散らしています。ドッティは試合後のコメントで「どの団体でも、誰にでも牙を剥く奴が1人はいる」と余裕を見せていましたが…。
なお、全5試合が行われたこの大会で、他団体からの参戦はDDTの2選手のみ。飯伏選手はddから継続参戦するセミレギュラー選手で、「エルドラドの王様」の触れ込みで金色の全身タイツ姿で登場したキング・ポコダ選手はかつて闘龍門9期生だったマサ高梨選手と、いずれも限りなく身内に近い存在で、早くも鎖国状態。エンディングMCではYASSHI選手の呼びかけで旧・悪冠一色の5選手がリング上に集まり、YASSHI選手が「後輩たちと絡んでいけるのがうれしい。このリングはファンとともにイチから作り上げていく」と宣言しています。
※『ElDorado「BREAK THE DOOR OPEN」2006・4・27新宿FACE』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.05.07放映
573 「RINGSOUL LIVE Vol.2」〜新宿カス野郎プロレス〜第2弾
TARU軍vsリングソウル藤永オーナー軍の9vs9対抗戦として、各リーダーが集めた9選手をオープニングMCをしながら計5試合に振り分けてカードを決定。TARU軍はブードゥーマスクなる選手まで登場して、実質VDM+旧悪冠一色の混成軍。
セミに出場した近ブラは、ケガで欠場となったディック東郷選手の代役として緊急参戦した竹村選手(無我〜新日本プロレス〜フリー)と初対戦。竹村選手は現在、東京愚連隊のメンバーとして全日本参戦を目論んでおり、先日の世界Jr戦で退けられた無我時代からの盟友MAZADA選手の敵討ちとして、完全にドッティにロックオン。勝敗度外視でやり合い、場外乱闘からバックステージでの殴り合いに発展して両者戻って来ず、その間にYASSHI選手が押さえ込まれて決着してしまいました。
竹村選手との絡みは今後の闘いを期待させるものでしたが、その後、竹村選手の全日本への参戦が正式決定。結果的にこの日の対戦は今後の全日Jr戦線の前哨戦となってしまいました。夢カードを実現する舞台として存在するリンソラで、第1弾のNOAH・金丸選手に続き、めったに実現しないと思われる東郷選手との対戦が流れたのは残念でした。
574 『PREMIUM BATLLE LIVE vol.0』石森選手と初タッグ結成
ライブスポット「渋谷club asia」でオールスタンディングの定期戦開催を決めたElDoradoが、7月の本旗揚げ戦を前にvol.0として定期戦の序章となる興行を実施。この日のオープニングで、4月23日の日本武道館大会でNOAH初参戦にしてタイトル初挑戦(GHC Jr選手権・vs KENTA戦)を実現した石森選手が、NOAHマットレギュラー参戦を目指すべく、ElDoradoの退団を発表。ラストマッチとなることから、ドッティと華井選手が「闘ったことはあるが組んだことはなかった」とメインでの初タッグ結成を提案。このキャラクターでは初の景虎選手&対戦自体が初めての佐藤兄弟とのマッチメークとなり、パートナーも対戦相手もすべて闘龍門9期生(TORYUMON X世代)という、ドッティにとって新鮮なカードとなりました。試合では石森選手と合体技バビロンを繰り出すなどの見せ場を作り、試合後には「もしNOAHを素行不良でクビになったら、ここはおまえの家だからいつでも帰って来い」と、らしいフレーズ。これまで、闘龍門MEXICOでのヤングドラゴン杯に始まり、東京ドームでのWRESTLE-1、dragondoor、全日本プロレス、ElDoradoプレ旗揚げまで、長く続いた闘いにひとまず終止符を打ち、石森選手を送り出しました。
575 『RISE UP TOUR 2006』開幕 ジュニアMC合戦に参加
この日の第2試合・TAKAみちのく復帰戦(TAKA&カズ・ハヤシvsNOSAWA論外&竹村豪氏戦)後に、新日本退団後の初登場となった竹村選手が全日マット継続参戦&次期シリーズ開催予定のJrリーグ戦参戦を表明。そこへドッティとYASSHI選手が登場し、YASSHI選手を遮ってドッティが珍しくマイク。4・28『RINGSOUL LIVE Vol.2』で因縁の生まれた竹村選手相手に「俺とキャラかぶってんだよ」と宣戦布告。Jrリーグ戦に関しては「渕正信が参加するなら俺も出てやる」と、現世界Jr王者の特権(?)を振りかざして、他の選手に揺さぶりをかけています。
このシリーズは、10日前後の短期集中開催の多い全日本では珍しく、3週間にわたってみっちりとサーキットが組まれました。このシリーズの前後をElDorado渋谷定期戦(5・17と6・16)で挟んだちょうど1ヵ月間、カバン1つで全国を飛び回るロングツアーとなっています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #103』(GAORA)'06.07.01放映
580
『全日本プロレス「RISE UP TOUR 2006」5・28神戸サンボーホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.05.31放映
588
※『ALL JAPAN B-Banquet #105』(GAORA)'06.07.15放映
590 『PREMIUM BATLLE LIVE vol.0.5』オープニングマッチ出場
ElDoradoが7月の本旗揚げ戦前の最後の大会として実施された、渋谷定期戦2回目となる興行。本旗揚げを前にして2回目ということでカウントはvol.0.5として辻褄合わせされました。
このvol.0.5の興行は当初6月13日火曜日の開催として、前回大会時に配布されたリーフレットでも告知されていたのですが、その後公式HP上で6月16日金曜日へのスライドを発表。この日にはDRAGON GATEが後楽園大会を、近ブラが参戦中の全日本プロレスは特別興行「NOSAWA BOM-BA-YA3」新木場大会をすでに発表しており、集客上わざわざ不利な日程にシフトしたことの真意が問われましたが、単に会場側の都合で13日が使えなくなり、代わりに提示されたのが16日だった模様です。また、周囲の目からはどうしてもオポジション(競合団体)として捉えられがちなDRAGON GATEが同日に後楽園で興行があることについてはドッティ曰く「(ElDoradoメンバーの) 誰一人知らなかった」とのことで、同団体についてまったく関心がないよう。全日とのバッティングについては「オファーはあったけど(ElDoradoの興行とあれば)こっちが優先だから」と、ElDorado所属選手としての立場を鮮明にしていました。
この日の試合では、ElDoradoで初となるオープニングマッチに出場。前回5・17渋谷大会に「大人の事情で」参戦できなかったJKO選手と、彼の高校時代の先輩であるYASSHI選手が因縁を深めています。なお、華井選手は参戦中のみちのくプロレスで、TORYUMON X時代からのユニット「ロス・サルセロス・ハポネセス」を離脱したことからリングネームを変更。本名(坂井謙一)でデビュー後に、サルサ軍を結成して「パイナップル華井」となるまでの間に名乗っていた第2次リングネーム「華井謙一」に戻っています。
591 『CROSSOVER '06』開幕 パン攻撃再び
ドッティが「渕正信が出ないなら」とエントリーを拒否した「Jrヘビー級リーグ戦」が、シリーズ開幕戦のこの日、参加選手入場式と開催宣言が行われました。現・世界Jr王者のドッティの不参加について、全日Jrのエースのカズ・ハヤシ選手は「俺やTAKAみちのく(が世界ジュニア王者時代)なら必ず参加してた。ヤツは王者の器じゃない」と非難していましたが、ドッティはまったく意に介さず。この日行われたリーグ戦の大一番・ハヤシvsTAKAみちのく戦にも乱入はおろか「客席で観戦」という揺さぶりすらせず、ひたすら無関心を貫いています。
そんなこの日の対戦相手は、武藤選手と、マスコミから「デーブー・マーダーズ」と名付けられた吉江選手とブルート選手の超巨漢コンビ。オープニングMCでVDM総出で客席のファンを指して「デブは帰れ」と下準備をした上で、試合入場時に持参したシュークリームを「デブの客だけ食え」と客席に投げ入れて、巨漢コンビを挑発。最後には諏訪魔選手がKOしたブルート選手の口に、取り出した菓子パンを押し込めるなど、闘龍門時代の2003年9月8日大阪での「焼きそばパン事件」(当SCORE2003年度版COMMENT「205」参照)を思い起こさせる狼藉を働いています。
他の全日Jrの選手たちの熱い闘いが始まった日に、現Jr王者のこの行動はあきれるばかり。試合では吉江選手を肩車で抱え上げるも投げることは出来ず、出番のほとんどを相手の攻撃を受けることに終始するなど、出場6選手の中で唯一のJrとあって見せ場はほとんどありませんでした。
※『ALL JAPAN B-Banquet #108』(GAORA)'06.08.05放映
596 BIG MOUTH LOUD初参戦
VDMの3選手がホスト役を務める「RINGSOUL LIVE」の第2弾(4・28)「TARU軍対藤永軍9vs9全面対抗戦」でBIG MOUTH LOUD社長レスラーの村上選手が藤永軍として参加した縁からかどうか、「BMLvsVDM」と銘打たれた同団体初の6人タッグマッチに出場することになりました。格闘技をバックボーンとするBML勢とジャパニーズ・ルチャの旧闘龍門勢とあって、かみ合うかどうか心配されましたが、熱心なファンの多い同団体への出場とあって通常のヒールスタイルを貫くことで会場はヒートアップ。裁いたのが全日の和田京平レフェリーとあって、なおのことVDMペースで試合を進め、最後は反則負けという不透明決着。いずれ再戦へとつながっていきそうです。
※『BIG MOUTH LOUD 7・2後楽園大会』(J SPORTS ESPN)'06.08.05放映
DVD『BIG MOUTH ILLUSION 2006〜激闘(DISK 2)』('06.10.25発売)収録
597 世界Jr次期挑戦者決定
『CROSSOVER '06』最終戦のこの日、シリーズを通じて行われた「Jrヘビー級リーグ戦」の優勝戦「カズ・ハヤシvs中嶋勝彦戦」が行われ、全日Jrのエース、ハヤシ選手が優勝。世界Jr王座挑戦者の名乗りを上げ、「しかるべき舞台を用意する」と全日プロ夏のビッグマッチ8・27両国大会での対戦が決定的になっています。
なお、この日のドッティ自身の試合は、シリーズ開幕戦でVDMがケンカを売った「デーブー・マーダーズ」。このシリーズ中に幾度となく対戦が組まれ、そのたびにブルート選手を標的にいじめを徹底。このため、彼らがフルメンバー決起で臨んだ復讐戦でしたが、VDMは彼らを返り討ちに。試合後にはダウンした3選手を紐でグルグル巻きに縛ったあげく、中華街で売られているような豚をモチーフにしたお面をかぶせるなど、やりたい放題。次期シリーズ以降に遺恨をつなげています。が、この試合の3日後、嵐選手が不祥事を引き起こし(2006年7月6日、大麻所持容疑により逮捕)、このトリオが2度と観られなくなっただけでなく、事実上、この試合が彼の最後の試合となってしまい、TV中継も当然、お蔵入りとなってしまいました。
599 & 600 ElDorado本旗揚げ戦
ついに迎えたElDorado本旗揚げ戦。試合前の会場には四方に篝火が焚かれ、小川内リングアナやセコンド陣は海賊のコスチュームで臨むなど、東京ディズニーリゾート風味の演出が施され、黄金郷をテーマにマット界に新風を巻き起こそうとする志がアピールされました。
この日のドッティは、闘龍門時代からの闘いの基本構造である「テクニコvsルード」をテーマとしたセミに出場し、インディアンを彷彿とさせる羽根飾りを被っての入場。コスチュームも旧悪冠一色時代のイメージカラーである赤を基調としたもので、本旗揚げ戦に合わせてガラリと変えてきました(全日本プロレス参戦時は従来の黒基調を継続)。セミは1選手ずつ入場したため、大会直前に手がけたという菅原選手のテーマ曲も披露されました。
試合では、闘龍門同期生であり悪冠時代からの盟友でもある菅原選手と、ElDoradoプレ旗揚げ時から近ブラとのタッグを志願したKen45°選手(華井謙一がこの大会より改名)が対立。仲裁に入ったドッティが、乱入したSTONEDのバラモンシュウ、バラモンケイ選手(佐藤秀、佐藤恵がこの大会より改名)の竹刀攻撃を受け、そこへブレイザー選手が空中から舞い降りて、久々のラナ葬の憂き目に遭いました。
STONEDは続くメインの「大鷲透vsKAGETORA(景虎より改名)」でもセコンドとして介入を繰り返し、旗揚げ戦のメインが無効試合に。そこへドッティ&YASSHI選手が現れ、STONEDを蹴散らして憂さ晴らし。大鷲選手のセコンドに付いていた高木選手を加え、STONEDと4vs4の緊急試合を行うことになりました。
1年半振りにタッグパートナーとなった大鷲選手と、初めてとなる「FUCK!」(サンドイッチ低空ドロップキック)の3者合体版や、実に久々の「龍原砲」の復活を見せるなど、かつての時代の連係を次々に披露。ドッティのラリアットで試合を決めると、YASSHI選手がかつてのユニフォームの入った箱を持ち出して旧悪冠一色の復活を宣言(チーム名はこの時点では未定)。試合には姿を見せなかった菅原選手が呼び込まれ、ベロアのジャージを受け取ったものの袖を通さず。菅原選手は、並行参戦しているZERO1 MAXでコンビを組むKAGETORA選手(景虎より改名)からSTONEDへの勧誘も受けましたが、無言のままバックステージに消え、態度を保留。次回8・22新宿大会での両軍団の8人タッグ戦に、旧悪冠、STONEDの双方が菅原選手をラインナップした出場メンバーを発表して興行終了。連続ドラマの序章といった雰囲気の中、ElDoradoが本格スタートしました。この日の興行は、観客動員面ではまったく振るいませんでしたが、次回への興味をつなぐストーリー展開で、今後どこまで固定ファンを増やしていけるか注目されます。
※『プロレスリングElDorado 「旗揚げ戦〜THE CREATION OF ElDorado」2006・7・16後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.07.19放映
601 カズ・ハヤシ選手との因縁深まる
サマーアクションシリーズの開幕戦から、翌月の両国大会での世界Jr戦が決定しているドッティとハヤシ選手が前哨戦として6人タッグで対戦。ハヤシ選手が心理戦として「アイツの嫌がる技をやる」と、決別したかつての師匠ウルティモ・ドラゴン選手のアサイDDTを披露。そのままファイナルカットにつなげて王者からピンフォールを奪いました。ドッティもその後の試合で、ハヤシ選手のかつてのみちのくプロレス時代のキャラクター「獅龍」のお約束ムーブである"欽ちゃんジャンプ"を繰り出してからかって報復。リング外でも、お互いに連日のように相手を罵るコメントを発するなど、タイトル戦を前にして抗争状態に突入しています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #110』(GAORA)'06.08.19放映
602 「馳浩引退記念マッチ」出場
参議院選挙に当選以来、プロレスラーとの二足のわらじをはき続けた馳浩選手。後に地方区選出(石川1区)の衆議院議員に転出、文部科学副大臣に任命されるなどプロスポーツ出身議員としての枠を完全に超えた重要なポジションに上り詰めており、政治家としての将来を重んじる地元後援会からはプロレス活動に反対する声も多く、完全引退を決意。8月27日両国国技館での引退試合が決まり、その約1ヵ月前に組まれた地元での興行を「引退記念興行」として挨拶する予定でしたが、メインに組まれた記念試合に出場予定だった馳選手の盟友・佐々木健介選手が左眼窩底骨折により出場できなくなったことから、8・27両国に向けてトレーニング中だった馳選手自ら予定を前倒しして参戦を決定。8・27両国の引退試合でも馳選手はVDMを対戦相手に希望していましたが、ドッティはカズ・ハヤシ選手との世界Jr戦が決定しており、本来なら馳選手との対戦は実現しなかったはず。それが、思わぬ展開で国会議員しかも政務次官と公式に試合することとなりました。
ドッティがファン時代にプロレスラーとしてのピークを迎えていた馳選手との対戦実現に感慨もあったはずですが、それ以上だったのが闘龍門時代から同じアマレス出身の偉大な選手として馳選手へのリスペクトを公言していたYASSHI選手。この日は馳選手の得意技ジャイアントスイングで31回転半させられましたが、プロレスラーとして対戦できる喜びをかみしめていたようです。
『全日本プロレス「馳浩 引退記念興行〜FINAL NORTHERN LIGHT IN KANAZAWA〜」2006・7・23石川県産業展示館3号館』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.07.26放映
606 Wヘッダーその1・カズ・ハヤシ選手との因縁ますます?
同じVDMの盟友でありながら、キャラクターが微妙にかぶっているせいか、ここまではあまり例のなかった諏訪魔選手とのコンビ編成。VDMでは8人タッグでの出場を除くと、TARU選手&YASSHI選手との「オリジナルVDM」というべき6メン(その場合、諏訪魔選手はシングル戦出場)か、もしくはJrコンビ「近ブラ」での出場(その場合、ヘビー級コンビとしてTARU&諏訪魔組が編成)に振り分けられるマッチメークがほとんどで、イレギュラーとしてYASSHI選手の"罰ゲーム的な"シングル戦+残りメンバーの6メン出場があるくらいでした。
で、この日は後楽園大会のセミに出陣となりましたが、対戦相手は小島選手とカズ選手という全日正規軍のヘビーとJrのトップ。とすれば、諏訪魔&近藤組は悪いほうの全日トップヘビー&Jrコンビとして、今後の出番が増えてゆくかもしれません。
試合では、カズ選手との因縁がますますエスカレート。大阪大会に続いてアサイDDTを繰り出そうとしたハヤシ選手に対抗して、ハヤシ選手のかつてのみちのくプロレス時代のキャラクター「獅龍」の偽物(YASSHI選手)を乱入させ、反則負けを食らっています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #111』(GAORA)'06.09.02放映
607 Wヘッダーその2・「RINGSOUL LIVE Vol.3」〜新宿カス野郎プロレス〜第3弾
後楽園から新宿に移動して、リングソウルライブの3回目。3回続けて近ブラとしての出陣で、今回のゲストはKAIENTAI DOJOはGET所属の名タッグチーム・大石&旭組。マット界のJr部門では固定チームとして比較的知られているタッグ屋同士の対戦となりました。Jrの中でも軽量に属する大石&旭組とあってスピードに翻弄される場面もありましたが、大型揃いの全日では出来ない「ブレーンバスター上げ下げ」などのパワー技を久々に披露。近ブラとしての連係技も一通り繰り出し、リングソウルライブ3回目にして初勝利を飾りました。
番外 ビッグマウスラウド後楽園大会にセコンド参戦
BIG MOUTH LOUDの7月大会のVDM参戦(596参照)に続いて、06年8月20日後楽園ホール(昼開催)「BIG MOUTH ILLUSION 7」に同団体エースの柴田勝頼選手とのシングル戦(ダブルメインイベント第1試合30分1本勝負)の相手としてTARU選手にオファーがかかり、ドッティはYASSHI選手ともどもTARU選手のセコンドとして帯同。入場時に、同団体の上井文彦プロデューサーを本部席から連れ出して暴行し、試合中もTARU選手のピンチに介入して和田京平レフェリーにイス攻撃して反則負け(9分21秒)。怒りの柴田選手に蹴散らされましたが、プチWヘッダーとなったこの日の夜の同所全日本大会を前に、悪のウォーミングアップを行っています。
※『BIG MOUTH LOUD 2006・8・20 後楽園ホール』(J SPORTS ESPN)06.09.16放映
DVD『BIG MOUTH ILLUSION 2006〜激闘(DISK 2)』('06.10.25発売)収録
609 世界Jr防衛戦1週前対戦
悪いほうの全日トップヘビー&Jrコンビ・諏訪魔&近藤組が、7月30日同所に続いて出陣。試合は、8・27両国のちょうど1週間前ということで、世界Jrの前哨戦はもちろん、大会そのものの予告編の側面も。試合決着後、武藤選手が連れてきた謎のマスクマン・AHII(アヒー)選手と、そのライバルとしてTARU選手が用意したブードゥーマスク(4月28日のRINGSOUL LIVE Vol.2で初登場)との絡みや、この日の第4試合にAKAONIとしてTARU&YASSHI組とトリオを組んだマスクマン(渕選手)が正体を晒してTARU選手を蹴散らすなど、盛りだくさんな内容。
ドッティ的には、カズ選手とのハイレベルな攻防で両国大会のベストバウトへの期待を高めたことと、武藤選手の諏訪魔選手へのシャイニング・ウィザードをラリアットで叩き落とすという新しいカットの仕方を提示した、という2点がハイライトでした。
※『ALL JAPAN B-Banquet #114』(GAORA)'06.09.23放映
610 菅原選手争奪戦(ElDorado旗揚げ第2戦)
7・16本旗揚げ戦で勃発した旧悪冠一色とSTONEDによる菅原選手争奪戦の第1ラウンド。菅原選手が旧悪冠に合流しない理由にKen45°選手が近ブラと組んでいることを挙げ、Ken選手がYASSHI選手と組んで出場した第1試合に乱入しKen選手を襲撃(これが原因でKen選手はフォール負け)。直後に両軍が集まってのMCタイムに、菅原選手はアームレスリング用のテーブルセットを用意しており、この日は腕相撲の勝者チームに付くことを宣言。ドッティとKAGETORA選手の間で争われた腕相撲で、KAGETORA選手がアルミ板攻撃でドッティを押し切り、行司役の菅原選手がKAGETORA選手の勝利を裁定したことからKen選手が旧悪冠側の4人目として名乗りを上げ、この日のメインカードが決定しました。
試合でも菅原選手とKen選手がいがみ合う展開となり、次回興行の9・16新木場大会での一騎打ちで「負けた方が二度と旧悪冠と組まない」試合が実施されることになりました。
なお、この日のメインではドッティが菅原選手相手にコルバタを披露。大鷲選手も首投げを空中で1回転して着地する受けを繰り出すなど、器用な一面を見せています。
※『バトステ60 ElDorado「BIG TIME CHANGES」2006・8・22新宿FACE』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.08.30放映
613
『バトステ・エクスプレス!全日本プロレス「サマーインパクト2006」8・25新潟市体育館』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.08.28放映
614 世界Jr4度目の防衛(両国国技館での初試合)
プロレス不況の中、全日本プロレスが社運を賭けて両国国技館大会を開催。馳浩選手の引退試合(最終・第8試合)を大きな目玉に、その脇を3大シングルマッチと銘打ったカードで固め、「三冠戦・太陽ケアvs川田利明戦」(メイン・第7試合)、「グレート・ムタvsTAJIRI戦」(第6試合)に加え、世界Jr選手権がその中のひとつとしてラインナップされました。
試合は、世界Jr3度目の防衛戦(4・20代々木第二・MAZADA戦)直後から始まり、6〜7月開催のJrシングルリーグ戦を経てさまざまな心理戦を展開してきた両者の、現在のマット界では珍しいほど長期にわたり温めてきたストーリーの集大成として、この時点での全日Jr最高峰の闘いを展開。ハヤシ選手は「ザ★オリジナルで空中に上げられたのをヘッドシザースホイップに切り返し」「エプロンでのランサルセをDDTに切り返し」「変型WA4(首のホールドなし)」「高速ウラカン・ラナ」「アサイDDT」などを。ドッティは「断崖ザ★オリジナル」「ファイナル・カット(2発目)をリバース・ブレーンバスター(※相手にとってはフェイスバスター)に切り返し」「折り返し(交わされたあとの振り向きざま)ラリアット」「正調ランサルセ」「雪崩式WA4切り返し(反転してDDTに)」などを。手の内を知り尽くした相手とあって、いずれも通常の持ち技にひと手間加えたり、相手の技を切り返すなどハイレベルの攻防が間断なく繰り出され、最後は初公開となるムーンサルトプレスからキングコング・ラリアットにつなげてドッティが勝利。ラリアットの本家スタン・ハンセンPWF会長の前でこのフィニッシュホールドを繰り出した感慨はいかほどのものだったでしょうか。
なお、VDMの盟友たちはこの日の最終試合・馳選手の引退試合の相手役として出場。タイトル戦で完全燃焼したドッティはセコンドに付くことはありませんでしたが、YASSHI選手が馳選手の得意技であるジャイアント・スイングの最後の犠牲者として、馳選手の年齢と同じ45もの回転をさせられる栄誉(?)に浴しました。また、TARU選手とYASSHI選手が、馳選手の応援に訪れた森喜朗・元首相に毒づいて翌日のワイドショーや東京スポーツ、内外タイムスの一面を飾る快挙(?)を成し遂げるなど、いい仕事を地道に遂行。世界Jr戦も含めて、VDMの存在感をさりげなくアピールした興行となりました。
※『SKY Perfec TV! LIVE SPECIAL 全日本プロレス「8.27 プロレスLOVE in 両国」』(Ch.161)'06.08.27放映
※『プロレスLOVE in 両国スペシャル』(テレビ東京)'06.09.03放映(ダイジェスト)
※『全日本プロレススペシャル 8.27 プロレスLOVE in 両国』(GAORA)'06.10.20放映
※『全日本プロレス プロレスLOVE in 両国』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.11.12放映
※タツミムック『Gスピリッツ』Vol.02付録DVD「全日本プロレス大全集」'07.10.03発売
619 VDMに新メンバー・RO'Z選手加入
このシリーズ中、VDMの総帥・TARU選手が、敵対する外国人軍団RO&Dに新加入したRO'Z選手に触手。各地で勧誘活動を繰り返していましたが、実は参戦当初から水面下で引き抜きを画策しており、「RO&D vs VDM全面対決」と銘打たれたこの日の8人タッグ戦でRO'Z選手がVDMに寝返り。VDMとしては昨年暮れに離脱したジャイアント・バーナード選手の穴埋めとなる超巨漢選手の獲得に成功。大幅な戦力アップを図っています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #115』(GAORA)'06.09.30放映
621 ElDorado初の新木場大会
この日、オープニングマッチに出場したドッティは大鷲選手との久々の「ジャイアンズ」を結成(コンビでの出場は2004年11月13日以来)。なお、対戦相手の福田選手、清水選手とは初対決でした。
この大会のメインは、8・22新宿FACE大会の結果を受け菅原選手とKen選手による「敗者は二度と近藤とタッグを組まない試合」。KAGETORA選手が第2試合後のMC合戦で「ランバージャック・デスマッチ(場外に出た選手をセコンドがすぐさまリングに押し戻し完全決着を図るルール)」を提案し、STONEDの4人と旧悪冠一色の4人、計8人が東西のセコンドとしてにらみ合う中、試合がスタート。菅原選手獲得を目指し試合介入を宣言していたSTONEDが菅原選手の足を再三引っ張り、旧悪冠ともみ合うシーンもありましたが、最後は力勝負となって菅原選手が快勝。試合後に菅原選手はこの試合に賭けられていたペナルティを撤回しつつも、自身の去就については再び態度を保留して、次回10・1新木場大会ではドッティ&大鷲選手とトリオを結成しKAGETORA組と対戦することを強引に取りまとめました。この菅原選手の姿勢にドッティは「何で"上から目線"なんだよ!」とたしなめつつもタッグ結成を了承しています。
622 小島選手と2回目のシングル戦・全日マット初のシングルメイン出場
9・9NOAH「GHCヘビー級選手権・秋山vs丸藤戦」の実現が契機となったのか、9・24新日本「棚橋vs金本戦」(ノンタイトルながらIWGPヘビーとJrの現王者同士のシングル)など、Jrのヘビー級選手への挑戦が各団体でプチブームに。全日本でも、8・27両国での世界Jr王座防衛の後「今日で全日Jrは終わり。他団体ジュニア及び全日本ヘビーとやりたい」とのドッティの発言を受け、現場監督の渕選手が「小島選手とのシングル戦」というマッチメークを早速実施。ドッティはもともと、Jrベルトを獲った05年10月の時点で「ベルト持ったままヘビー級のタイトル挑戦」をブチ上げておりましたが、約1年がかりでようやくその端緒を掴んだわけです。
小島選手とは2005年のCCですでに一騎打ちが実現していますが、当時は全日マット登場からわずか10試合目(2005年SCORE&COMMENT 467参照)。それから1年半の間、全日ヘビーの選手と当たり続けて打たれ強さもアップ。前回とは違うという思いに加え、世界Jr王座を保持する今の立場は全日Jrを代表する気持ちもあり、さらには元三冠王者の小島選手を倒せば鈴木みのる選手の持つ三冠挑戦の資格も自ずと得られるとあって、勝つ気満々でこの一戦に臨みました。
小島選手とは実は体重差があまりない(10kg弱)ことから、ドッティはいわゆる「ヘビー級同士の闘い方」を選択。スピードよりもパワーを前面に出したファイトで、元三冠王者に対して一歩も退かず。最後はラリアット合戦に敗れたものの、セコンドを付けず、ヒール色を一切出さない真っ向勝負に客席から近藤コールが起こる盛り上がりで、全日マット参戦以来初のシングルでのメイン出場の責務を果たしました。この日の試合はドッティにしては技の数が絞り込まれており、注目度の高いシングル戦で必ず観られる「新技」も一切なし。この試合が組まれるきっかけとなった8・27両国のカズ・ハヤシ戦は「ありえない返し技の応酬」「ムーンサルトプレス初披露」などで大きな評判を呼びましたが、それに続くシングル戦に期待して集まったファンに違ったタイプのファイトを披露。これまで以上に「プロレスのうまさ」を証明した試合となりました。また、この試合は「特別試合」と銘打たれており、「パッケージプロレスの完成」を目指している武藤全日本の後楽園大会のメインとしては、軍団抗争でもタイトルマッチでもない、極めて異例なものでした。
なお、この日のセミではRO'Z選手引き抜きに端を発したRO&DとVDMの「敗者チーム解散マッチ」8人タッグ戦が行われたのですが、RO&Dのディーロ・ブラウン選手とブキャナン選手が試合中にVDMへまさかの寝返り。仲間の裏切りにより敗戦したTAKA選手とケア選手はRO&Dの解散を宣言。傷心の2人に武藤、カズ選手が手をさしのべ、拡大全日正規軍として、巨大化したVDMに対抗していく流れとなりました。
※『バトルステーション ニアライブ!全日本プロレス「2006 FLASHING TOUR」9.17 後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.09.17放映
『バトルステーション 全日本プロレス「2006 FLASHING TOUR」9.17 後楽園ホール』(2時間版)(FIGHTING TV SAMURAI)'06.09.24放映
623 「大鷲プロレス」参戦
T2P時代からの盟友・大鷲透選手が地元の長野県佐久市で自身のプロデュースによる興行を開催。ElDoradoが全面協力して全選手を派遣し、大鷲選手が参戦するDDTからも半数近い所属選手が出場。さらにdragondoorに参戦経験のあるフリーの超大物・川田選手が名を連ね、女子プロレスのカードも組まれるなど地方興行とは思えない豪華なラインナップに、一選手の自主興行とは思えないほどの客入りとなり、大鷲選手の初の試みは大成功。ドッティもYASSHI選手とともに「(はぐれ軍団〈仮〉以来の)信頼できるパートナー」と大鷲選手より指名を受けてトリオを結成。2005年5月29日のシングル戦以来、川田選手とは久々の対戦となりました。
※『バトステ60 大鷲透プロデュース「大鷲プロレス」2006・9・18 佐久市総合体育館』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.09.24放映
631 世界Jr5度目の防衛戦決定
春のチャンピオン・カーニバル以降全日マットに参戦し、9月に太陽ケア選手を破って三冠ヘビー級王者となった鈴木みのる選手(パンクラスMISSION)と首都圏初対決。「世界Jr王者のまま三冠に挑戦して史上初の4冠王」の青写真を掲げているドッティにとって期するものはあったはずですが、鈴木選手と肌を合わせたもののこれといった因縁は生まれず。逆に「みのる軍団」の提唱者・NOSAWA論外選手がこの試合の数日前の対戦時に世界Jrへの挑戦をブチ上げており、この試合の勝利を決めて改めて挑戦をアピール。全日オフィスもこれを認めて、翌々日の記者会見でタイトル戦が正式に決定。この日の試合に乱入して鈴木選手を襲撃したVDMの新チームメイトRO'Z選手の三冠挑戦と合わせて、2大タイトル戦として10・29福岡で行われることとなりました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #117』(GAORA)'06.10.14放映
632 久々の3WAYマッチ出陣決定
9月16日の新木場大会を受けて行われた旧悪冠一色とSTONEDによる6メンタッグマッチ。この日は旧悪冠と組んだ菅原選手の意思表示が注目されましたが、ドッティがキングコング・ラリアットからフォールに入ったところを菅原選手が顔面へのドロップキックでカットし、勝利を横取り。この不可解な行動を「いつもおいしいところを持って行こうとするから」と説明する菅原選手の態度に、当事者のドッティも、同じく振り回され続けているKAGETORA選手も納得せず、それぞれ菅原選手に10・31ディファ有明大会での一騎打ちを要求。菅原選手は「2試合も出来ない」として3者まとめての対戦を強引に取りまとめ、今後のElDoradoの方向を左右する3WAY戦が決定しました。
なお、この日の試合で勝利を奪い取った菅原選手が引き揚げてしまったため、珍しくドッティのマイクで興行を締めることとなりましたが、「おまえらがいる限り、ElDoradoは絶対に潰さん!」と、FMW時代の大仁田厚選手をまねた苦し紛れのマイクパフォーマンス。観客に背中越しに手を合わせながら去っていき、微妙な雰囲気で興行を終了させました。
633 新日本プロレス「WRESTLE LAND」初参戦
9月13日、全日本オフィスでの「RO&DvsVDM 敗者組解散マッチ会見(9・17後楽園)」を終えたTARU選手は、YASSHI選手とともに新日本オフィスに現れ、「TARU選手と同じ神戸出身者として古くからの知り合い」"オジキのオジキ"魔界倶楽部・星野勘太郎総裁と握手を交わし魔界側の新戦力として「WRESTLE LAND 5th」への参戦を表明。9・17後楽園での小島選手との一騎打ちに備えて沖縄で短期キャンプ中(『東京スポーツ』06年9月13日発行号の記事より)のため会見を欠席したドッティとのトリオとして、新日マット初登場が発表されました。
WRESTLE LAND(以下WL)は、新日本体の興行とは別立てで、エンタメ色を強く打ち出したイベント型興行。プロデューサーを務める渡辺秀幸氏は、2005年秋頃まで全日本でマッチメークを担当しており、いわばVDMの生みの親。全日本への参戦決定以降、その体の小ささから、実際に試合をするまでは必ずしも評価の高くなかった旧闘龍門勢の才能をいち早く見抜き、現場を説得し重用してくれた氏なくしては、フリー転向後わずか1年半でここまでのし上がることは不可能だったはずで、いわば氏への恩返し参戦の意味合いもあったものと推測されます。また、参戦のタイミングとしては、これまで全日本のシリーズとことごとくバッティングしていたWLの開催日が今大会は外れていたことと関係がありそうです。
なお、WLにはかつての仲間であるミラノ選手が第3回大会の初登場以来レギュラーとして参戦中(日本定着とともに新日プロ本来のシリーズにもレギュラー参戦中)。WLでは魔界倶楽部に属していることから、バックステージで久々の再会を果たしました。
対戦相手はバトラーツ出身の田中稔選手(WLでは別人格の「田中」)、U・ドラゴン校長がエースだったユニバーサル・プロレスに所属していた邪道&外道選手と、現在は新日プロ所属ながらいずれもインディーが出発点で、メジャーのリングでありながらメジャーデビューの選手が1人もいないユニークなマッチメーク。ことに近ブラにとっては、IWGPジュニアタッグ王者組にしてマット界屈指のタッグチームとして名高い邪道&外道組との初遭遇が注目されました。
試合は、全日マット同様、典型的な善悪の構図を持ち込んだVDMが会場をヒートアップさせ、上々の評判に。なお、YASSHI選手はTARU選手(マネージャーとして帯同)とともに翌9日の愛知県体育館「ハッスル20」に登場(中京女子大レスリング部出身の女子プロレスラー、バンザイ・チエ選手のデビュー戦の相手に)。VDMは活動場所を一気に広げています。
※『バトステ・エクスプレス! 新日本プロレス「WRESTLE LAND」10.8 後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.10.11放映
634 三冠&世界JrのW前哨戦
9・30後楽園で決定した10・29福岡での2大タイトル戦の王者と挑戦者が完全交差するタッグマッチは、両軍リングアウトの後の再試合で、鈴木組がそれぞれタイトル戦を闘う相手に腕ひしぎ逆十字固めを決めたところへVDMが救出に乱入しノーコンテストの裁定に。
試合後のドッティはバックステージでのプレス用コメントで、鈴木みのる選手から仕込まれたサブミッションを繰り出すNOSAWA論外選手に対し、長州力選手の有名なフレーズ「俺をキレさせたら大したもんですよ」を口調のモノマネを交えた、著名レスラーのパクリシリーズ第2弾を炸裂。さらに「防衛記録を伸ばすのにふさわしい相手」と挑発しています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #119』(GAORA)'06.11.10放映
638
『バトステ・エクスプレス!全日本プロレス「2006 SHINING SERIES」10・21大阪府立体育会館第2競技場』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.10.23放映
643 世界Jr王座5回目の防衛
NOSAWA論外選手を迎えての5回目の防衛戦。師匠・鈴木みのる選手仕込みの関節技に、ドッティはセコンド・VDMから差し入れられた鉄パイプを使って脱出。繰り返されるセコンド介入→正規軍セコンドによる排除→1vs1の構図という、ドッティの防衛戦基本パターンで王座を死守。試合後には、次の防衛戦の相手として名乗りを上げた盟友・YASSHI選手の申し出を勝手に受諾。ベルトを管理する全日フロントがこれを認めるかどうかが注目されます。
※『ALL JAPAN B-Banquet #122』(GAORA)'06.12.09放映
644 久々の3WAYマッチ〜菅原選手との別れ〜東郷選手とタッグトーナメント出陣決定
菅原選手の去就を巡る最終決着戦として行われた、関係当事者による3WAY戦。しかしながら負傷していたヒザを試合中に悪化させたKAGETORA選手は、完全な形で試合に絡むことができず、ドッティと菅原選手が長く闘う展開に。
過去5回のシングル3WAY戦経験(「SCORE」134・159・163・206=以上2003年、442=2004年参照)や多くの6人タッグ3WAY戦出場などで複雑な試合のコントロールを得意とするドッティ。ダウンした2人を互い違いに重ねてハーフボストンクラブ(逆片エビ固め)とキャメルクラッチを同時に掛けるジャベや、「菅原選手が仕掛けようとする雪崩式パワーボムを、空中で堪えるKAGETORA選手」を2人まとめて担ぎ上げてブロックバスターで投げるなどの攻撃を披露。最後には初公開となる、肩口で担ぎ上げた体勢(バックドロップの入り際)から右腕を浴びせる「チョークスラム風ラリアット」からキングコング・ラリアットにつなげて菅原選手に完勝しました。
菅原選手は、持参した「悪冠一色」時代のベロアのジャージを羽織り、「また5人でやりたい」とドッティに詫びを入れましたが、直後に乱入したバラモン兄弟&卍丸選手とともにドッティを急襲。返す刀でKAGETORA選手にも襲いかかるサプライズで、4人による新ルードユニット結成が菅原選手の目論みであったことが発覚。
この窮地に、第1試合に出場したフランチェスコ・トーゴー選手と遠戚関係にあるディック東郷選手が大鷲選手とともに駆けつけ、翌11&12月に行われるタッグトーナメントでそれぞれドッティ、KAGETORA選手とのコンビでの出陣を表明(KAGETORA選手はこの日のケガで翌日以降の試合をすべてキャンセルし、無期限欠場となったためパートナーは変更された)。この日の結果を受け、菅原選手を軸とした新ルード軍の誕生、ルード軍を放逐されたKAGETORA選手の負傷欠場、ドッティと大鷲選手がそれぞれ別のパートナーと組むことで旧悪冠一色としてのユニット色が薄まるなど、ElDoradoマットの勢力図は予断を許さない展開に。ElDorado元年の掉尾を飾るタッグトーナメントの結果次第で、2年目のElDoradoは大きな動きを見せそうです。
※『バトステ・エクスプレス! プロレスリングEl Dorado「THE CONCLUSIONS OF AUTUMN」2006・10・31 ディファ有明』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.11.02放映
645 プロレスリングNOAH「第5回SEM」初参戦〜SUWA選手と初タッグ結成
「プロレスリング・セム」は、プロレスリングNOAHの若手主体の興行。ディファ有明の小規模バージョンでの会場設営で入場料は全席自由・一律3,000円。赤字にならなければよしとする実験的な興行で、若手育成が主目的なため、アンダーカードは若手が先輩に挑戦する試合が基本。全試合の出場選手とカードが当日発表されるというシステムで、メインのみボーナストラック的なカードをマッチメイク。2006年3月に始まったこの興行の第5回大会のメインとして、近ブラが登場。フリーながら限りなくNOAH所属に近い存在の闘龍門時代の先輩・SUWA選手が、かねてより「NOAHにとっての"害虫"を投入する」と予告しており、その害虫がVDMだったことが明らかに。VDM総帥のTARU選手もマネージャーとして帯同し「TARU水」をまき散らすなど、善悪の対立概念というプロレスの基本システムに免疫の少ないNOAHのファンにインパクトを与えました。
ファン時代、四天王プロレスに大いに影響を受けたドッティでしたが、盟友のYASSHI選手と、初タッグ結成ながら長年闘ってきたSUWA選手がパートナーで、対戦相手の1人はつい5月にElDoradoから送り出したばかりの石森選手と、6人タッグのうち4人が闘龍門選手。他の2人もヨネ選手がバトラーツ出身、青木選手はデビュー間もない新人とあって、NOAH色はほとんどなし。好きなだけ暴れまくって勝利すると、その後はNOAHマットには珍しいセコンド総出による大乱闘で興行の幕を閉じるなど、VDMにとってはまったく普段着のファイトを展開。緑のマットへの侵攻を前に、紫(SEMのイメージカラー)のマットで試運転といったところでした。
なお、この日の参戦は本来なら完全にシークレットのはずでしたが、大会を放送する日テレG+のHPで想定カードが前日にアップされ、ドッティのSEM出場が一部ファンの間で噂になりました。結局当日は別のカードが並んだため想定カードの存在は謎のまま。ちなみに幻となったそのカードは「森嶋猛&石森太二vsSUWA&近藤修司」戦でした。
※『プロレスリング・ノア中継』(日本テレビ)'06.11.06放映(ダイジェスト)
※『プロレスリング・セム 第5回大会』(日テレG+)'06.11.21放映
646 RINGSOUL LIVE FINAL/イタリアン・コネクション一夜限りの復活
1月に始まったRINGSOUL LIVEも4回目の今回で最終回。イタコネの復活と闘龍門出身の中でも代表的な6選手が集結するとあって前売りチケットは完売。当日販売のカス席(立ち見)も大きく伸びてついに札止めとなり、当日券目当てに来場した相当数のお客さんにお引き取りいただくほどの盛況の興行となりました。
イタコネの入場時、ミラノ選手のテーマ曲に乗ってドッティとYASSHI選手がイタコネの青Tシャツに白のコスチュームで登場し、ミラノガールズとともに5人で決めポーズを披露。近ブラは当時のリングネームで試合に臨み、懐かしの3者同時ジャベや合体カッター、ビッグヘッドトレインなどイタコネ時代の連係技を繰り出し、イタコネ時代にはおそらくなかったミラノ選手との2人連係にも初挑戦。対戦相手も闘龍門時代のベストバウトの相手・SUWA選手、現在ではVDMの盟友のTARU選手、旧悪冠一色の盟友・大鷲選手と、ドッティ1人から見てもすべて濃密な関係があり、6選手のどの組み合わせを取っても何らかの因縁があるという、恐ろしく贅沢な6メンとなりました。試合後は大団円となり、リングを取り囲むファンと握手して回り、リングソウル・藤永オーナーと7人でつないだ手を挙げるシーンでフィナーレとなりました。6選手それぞれが、(ElDoradoを除く)主戦場となる団体では外敵としての立ち位置にあるため、これだけ歓声を浴びるのは久々。ことにフリーランスとして活動する、ElDorado以外の3選手にとってはさながらホームリング気分だったはず。ドッティ自身も『週刊ゴング』2007年1月10・17日合併号掲載の「2007日本人レスラー名鑑」で、8・27両国でのカズ・ハヤシ戦を差し置いて、「2006年で最も印象に残った試合」の項目でこの試合を挙げています。
なお、この日のメイン以外の4試合は一方の対戦相手がすべてXとして当日発表となっていましたが、時の三冠王者・鈴木みのる選手をシークレットとして招くなど贅沢感たっぷり。藤永オーナーのサービス精神がファンの支持を呼び、TARU選手の説得もあって、FINALとされた興行の継続が決定しています。
647 プロレスリングNOAH本体に初参戦〜NOAH・金丸選手との初タッグ結成
11月11日のRINGSOUL LIVEの試合後の会見で「方舟の水先案内人」SUWA選手がNOAH11月シリーズ「Winter Navigation'06」開幕戦となる後楽園大会への投入を示唆。これを受けて立ったNOAHは、翌々13日(同大会の5日前)にドッティのスポット参戦を発表し、加えてシリーズ後の同団体の2006年掉尾を飾るビッグマッチ・12月10日の日本武道館大会への出場も合わせてリリースして、NOAH本体への出場があっさり決定。マット界の盟主として「試しに使ってみる」という余裕と懐の深さが感じられる判断の速さでしたが、ドッティとYASSHI選手はElDoradoからの参戦選手。NOAHが音頭を取って実現したGPWA(グローバルプロレスリング連盟)の一員ということが、参戦へのハードルを低くしたのかもしれません。
この日はSUWA選手に加え、1月のRINGSOUL LIVEで初対戦したNOAHの金丸選手がパートナーとして出迎えてくれました。
対戦相手は、前回のSEM興行と同じ石森選手と青木選手が務めるものの、もう1人がヨネ選手から志賀選手に交代。パンチパーマの強面キャラクターでブレイクした志賀選手はSEM興行エンディングでの乱闘に加わって大歓声を浴びており、善悪の対立構造がはっきりしたわかりやすい顔合わせとなりました。
試合は、NOAH12・10日本武道館大会のみの参戦が発表されているVDMの盟友TARU選手とYASSHI選手が帯同し、マイクで客のブーイングを煽りつつ介入を繰り返し、レフェリーをイスで殴って反則負け。試合順が全8試合中の第3試合、さらにG+での生中継とあって短時間での決着で、試合的な見せ場はほとんどなし。試合後には、1人リングに残った金丸選手の前に東京愚連隊のNOSAWA論外選手とMAZADA選手が現れ、金丸選手が杉浦貴選手と保持するGHCジュニアタッグ王座への挑戦をアピール(のち、正式決定)するなど、すべてが12・10武道館大会への予告編となる試合でした。
※『プロレスNOAHスペシャル 後楽園ホールSP(生放送)』(日テレG+)'06.11.17放映
『プロレスリング・ノア中継』(日本テレビ)'06.11.20放映(ダイジェスト)
※『NOAH di コロッセオ(241)ノア11月 11・17後楽園(1)』(日テレG+)'06.12.04放映
648 武藤選手をリフトアップ
全日本プロレス1年の掉尾を飾る「最強タッグ」が開幕するも、今年はエントリーされず。休憩前に組まれたカードは、この日は公式戦がなかった武藤選手率いる全日軍との6メン。仲間を制し珍しく先発を買って出たドッティは武藤選手を挑発して、立ち上がりで対決。公称110kgながら、現在では10kg以上は確実に上回りそうなウエイトの武藤選手を頭上高くリフトアップすることに成功しました。なお、この日のカードでスポットが当たったのは菊タロー選手で、10・21大阪大会のメインで、VDM相手に大流血に追い込まれてマスクを剥ぎ取られ素顔を晒す屈辱に見舞われたことへの復讐戦という意味合い。VDMから返り討ちに遭う中で、怒りの菊タロー選手が自らマスクを脱ぎ捨てると「怒筋の入った赤いマスク」が出現。コミカルモードを一時封印してブルドッキング・ヘッドロックを成功させると超満員の観衆から喝采が起き、休憩前の会場を温めました。
※『バトルステーション NEAR LIVE!全日本プロレス「2006 世界最強タッグ決定リーグ戦」2006・11・19 後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.11.19放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「2006 世界最強タッグ決定リーグ戦」2006・11・19 後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.11.26放映
649 タッグトーナメント開幕〜谷嵜なおき選手と久々の対面
ElDoradoの名物カード「清水基嗣vs卍丸」戦が組まれた各会場で備品を壊し続けた2選手の救済として企画されたタッグトーナメント。団体のグッズのオフィシャルパートナー「Rubber Soul」のご厚意で提供された、弁済金と同額の賞金\731,850を争奪するもので、8チームがエントリー。10・31のKAGETORA選手に次いで、11・14GPWA興行に出場した菅原選手が同じ左ヒザの靱帯を損傷して欠場となったことから、ミラノコレクションA.T.選手が招聘されElDorado初参戦を果たしました。
ドッティは10・31ディファ有明で表明した通り、ディック東郷選手とのコンビでエントリー。組むこと自体が反則と思われるこのタッグチームは、初タッグどころか対戦経験すらありませんでしたが、ともに職人肌らしくいくつかの連係を難なく披露して初戦を突破しています。
なお、メイン終了直後に元DRAGON GATEの谷嵜なおき選手が突然現れ、大鷲選手とYASSHI選手を「エンターテイメント」、ドッティを「世話焼き近藤さん」と評するなど、かつての先輩たちを「えらい円くなりやがって。俺はこのElDoradoを熱くするために来た」と挑発してElDoradoへの参戦をアピール。DG所属時の契約(退団後半年経過前に他団体に上がるとペナルティ。DGはドッティらの退団後、所属選手とこのような契約書をかわした模様)が満了となる12月の同所興行への参戦が決定しました。
「Rubber Soul presents \731,850争奪TREASURE HUNTERS タッグトーナメント」参加チーム
「キャッシング・マシーンズ」清水基嗣&卍丸
「アーティスティック・スカイハイ」エル・ブレイザー&ミラニート・コレクションa.t.
「ゴールデン・エアネス」Ken45°&高梨将弘
「南京"ファッキン"レスリング部員」辻本恭史(="brother"YASSHI)&日野本裕介(=火野裕士)with沖本摩幸(ジャンピングキッド沖本)
「大鷲バナナ園」大鷲透&X(=バナナ千賀)
「バラモン・ブラザーズ」バラモンシュウ&バラモンケイ
「イタリアン・コード」ミラノコレクションA.T.&飯伏幸太
「キングコング・パワーズ」近藤修司&ディック東郷
(※各チームの名称は公式発表されたものです)
※『バトステ60 プロレスリングEl Dorado「TREASURE HUNTERS タッグトーナメント開幕戦」2006・11・22 新宿FACE』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.12.18放映
650 中嶋勝彦選手にちょっかいを出す
メインの最強タッグ公式戦「諏訪魔&RO'Zvsカズ・ハヤシ&中嶋勝彦」戦で諏訪魔選手は持ち込んだ世界Jrのベルトに水を掛けることで全日Jrのリーダー・ハヤシ選手を挑発。怒りに燃えたハヤシ選手が諏訪魔選手からピンフォールを奪い、両者の因縁が勃発。当のベルトの持ち主であるドッティはこの試合もVDMのセコンドについていましたが、試合後に暴れる諏訪魔選手に同調して中嶋選手を「抱え上げて頭上で放つチョークスラム風ラリアット」で襲撃。こちらも因縁が生まれました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #124』(GAORA)'06.12.23放映
655
※『バトルステーション 全日本プロレス「2006 世界最強タッグ決定リーグ戦」2006・12・1 名古屋国際会議場』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.12.04放映
656 中嶋勝彦選手が世界Jr挑戦表明
11・23後楽園で因縁が生まれた中嶋選手とタッグ対決。キックが得意な中嶋選手に当てつけるかのように、土方選手をキックしてみせたドッティの挑発に、中嶋選手は試合後にベルトへの挑戦を表明。10・29福岡でのV5達成直後に挑戦表明した盟友YASSHI選手がこれに反発。次期挑戦者の座を巡る闘いがスタートしています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #125』(GAORA)'07.01.06放映
番外 新日本プロレス大阪大会に乱入
12月7日、翌日の「WRESTLE LAND 7th」と連日興行となった大阪市中央公会堂大会(「Circuit 2006 Final NEXT PROGRESS 〜未来へ〜」第7戦)の第5試合終了後、VDMのジャパン勢がリングを占拠。TARU選手が新日プロの現場監督・長州力選手との対戦をアピール。長州選手以下新日プロ勢が出て来たところへ、新日本プロレス参戦中のジャイアント・バーナード選手とトラヴィス・トムコ選手が背後から襲いかかり、VDMと合体。昨年暮れの最強タッグ終了後に新日転出のため別れを告げたバーナード選手とVDMは、約1年振りの再合体となりました。
※『新日本プロレス・SXW 12.7 大阪大会』(J sports ESPN)'06.12.11放映
657 新日本プロレス「WRESTLE LAND」2回目の参戦・久々の反則勝ち
10・8(WRESTLE LAND 5th)からちょうど2ヵ月。前回6メンで対戦した邪道&外道組と、固定チーム「近ブラ」としての対戦ということで一部ファンから注目されたカードでしたが、エキサイトした邪道選手がマーティー浅見レフェリーに暴行して、その時点で試合権利があったドッティが反則勝ちを獲得。2002年3月3日、VS大鷲透戦(2002年「SCORE」「COMMENT」049参照)以来、個人に付いた反則勝ちとしては、生涯2回目の記録となりました(チームとしてもデビュー11戦目のメヒコでのタッグ戦で反則勝ちを獲得した記録があるだけで、それを加えると生涯3回目。ちなみにその時のパートナーは「STEVIE"brother"TSUJIMOTO」選手)。
なお、この日の試合前、新日本プロレスより翌年1月4日に開催される同団体恒例の東京ドーム大会のカードとして10人タッグマッチ「金本浩二&タイガーマスク&カズ・ハヤシ&TAKAみちのく&井上亘vs獣神サンダーライガー&稔&ミラノコレクションA.T.&近藤修司&"brother"YASSHI」を発表。この大会は「レッスルキングダムin東京ドーム」のタイトルで、同名のゲームソフトを販売するユークス(新日プロの親会社)が、DVD販売を通じて縁のある全日本プロレスの協力を取り付けたことから、全日および関連フリー選手が大挙参戦することとなり、その流れで両団体のジュニア部門のベビーフェースとヒールがそれぞれ合体したカードがマッチメークされたもの。これによりドッティも新日本プロレス本体への初参戦が決定しました。
※『バトステ60 新日本プロレス「WRESTLE LAND 7th」12.8 大阪市中央公会堂』(FIGHTING TV SAMURAI)'06.12.16放映
658 プロレスリングNOAHの聖地・日本武道館で初試合〜四天王・田上選手と初対決
VDMを導く「方舟の水先案内人」SUWA選手が参戦したGHCタッグ王者決定トーナメントの準決勝が行われた11・26札幌大会で、パートナーの田上明選手と誤爆や同士討ちを繰り返したあげく敗退。仲違いしたことから、SUWA&VDM同盟軍の武道館大会の相手に、田上選手がNOAH迎撃軍の大将として迎え撃つ流れとなり、カードが決定。試合は典型的な善と悪の対決となり、全8試合中の第5試合ということもあって、ドッティはこれといった技は出さず。試合後はSUWA選手がマイクを持ち、彼のデビュー10周年に当たる翌年5月11日までの完全引退と、1月21日武道館大会以降のNOAHマットからの撤退を表明。VDM軍もバックステージ会見で、NOAHマット参戦はSUWA選手のこの意向を受けてのものだったことを明かし、11・1SEM登場から始まったNOAH侵攻の終了を表明しています。
※『プロレスNOAHスペシャル 日本武道館SP(生放送)』(日テレG+)'06.12.10放映
※『プロレスリング・ノア中継』(日本テレビ)'06.12.18放映(ダイジェスト)
※『NOAH di コロッセオ(247)ノア12月 12・10武道館(2)』(日テレG+)'07.01.22放映
番外 VDM、「2006プロレス大賞」最優秀タッグ賞受賞
12月11日、「2006年度プロレス大賞」の選考が行われ、翌日の各スポーツ紙上で受賞者を発表。ヴゥードゥー・マーダーズ(この表記は東京スポーツ新聞社独特のもので、表彰状にもこのように記載)が最優秀タッグ部門で専門誌紙記者・評論家計27名中、第1回投票で過半数となる19票を獲得して受賞することとなりました。「最優秀タッグ」という名称ながら、過去にも「平成維震軍」「nWo」の受賞があり、ユニットが選出されたのは3回目。とはいえ、受賞対象の全メンバーともこの1年以内にタッグ王座の戴冠歴がなく、タイトル挑戦すらなし。この年に全日本で行われたタッグリーグ戦も「Jrタッグリーグ戦」(近ブラ)、「最強タッグ」(諏訪魔&RO'Z組)ともに準優勝。タイトルの実績よりも、今時珍しいクラシカルな悪玉軍団として年間を通じて興行を盛り上げたことや、森喜朗元総理に毒づいて一般週刊誌にまで取り上げられた話題性(8月27日両国)などが評価された、かなり珍しいケースでした。
なお、ドッティ個人としては敢闘賞で1票、技能賞で3票を獲得しています。
第33回東京スポーツ新聞社制定「2006年度プロレス大賞」(選手名敬称略)
・最優秀選手賞 :鈴木みのる(パンクラスMISSION)
・年間最高試合賞:NOAH10.29日本武道館大会 GHCヘビー級選手権試合 〈王者〉丸藤正道 vs 〈挑戦者〉KENTA
・最優秀タッグ賞:ヴゥードゥー・マーダーズ(TARU、諏訪魔、近藤修司、"brother"YASSHI)
・殊勲賞 :丸藤正道(NOAH)
・敢闘賞 :棚橋弘至(新日本)
・技能賞 :CIMA(DRAGON GATE)
・新人賞 :HG(ハッスル)
・特別賞 :(カムバック賞)高山善廣(高山堂)
・特別賞 ;(話題賞)メカマミー(エジプト)
・功労賞 :故大木金太郎さん、故ブラックキャットさん、永源遥(NOAH)、ラッシャー木村(NOAH)
表彰式は12月25日、赤坂プリンスホテルにて行われました。
662&663 TREASURE HUNTERS タッグトーナメント優勝
準決勝で今回のトーナメント開催のきっかけとなった清水基嗣&卍丸組と対戦。1回戦で大鷲組を破る金星を挙げ、借金返済に心をひとつにした清水組の奮戦に苦闘するも、東郷選手の必殺技ダイビング・セントーン炸裂で勝ち抜けを決めました。優勝戦では、大方の予想通りの組み合わせとなり、これまた大方の期待通りの熱戦を披露。ElDorado所属の選手が1人しかいない状況の中でしたが、ドッティはなんとか試合を決め、ElDorado元年のラストマッチを締めくくりました。試合後は、山分けした賞金の半分・365,925円を「他団体にあって、俺らにないもの。ただし自己満(自己満足)」につぎ込むと宣言し、団体2年目の新展開への仕掛けを施しています。
【Rubber Soul presents \731,850争奪TREASURE HUNTERS タッグトーナメント全試合結果】
1回戦C組(11・22新宿)
○ミラノコレクションA.T.&飯伏幸太 vs エル・ブレイザー&ミラニート・コレクションa.t.●
A.T.(16分8秒 A.T.ロック)a.t.
1回戦A組(11・22新宿)
○近藤修司&ディック東郷 vs バラモンシュウ&バラモンケイ●
近藤(17分52秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)ケイ
1回戦D組(12・22千葉)
辻本恭史&○日野本裕介 vs Ken45°&高梨将弘●
日野本(13分37秒 筋肉スプラッシュ→体固め)高梨
1回戦B組(12・23清水)
○清水基嗣&卍丸 vs 大鷲透&バナナ千賀●
清水(12分51秒 ケミカル・クラッチ)千賀
準決勝(12・27新宿)
近藤修司&○ディック東郷 vs 清水基嗣●&卍丸
東郷(11分36秒 ダイビング・セントーン→片エビ固め)清水
○ミラノコレクションA.T.&飯伏幸太 vs 辻本恭史●&日野本裕介
A.T.(11分53秒 IR→片エビ固め)辻本
優勝決定戦(12・27新宿)
○近藤修司&ディック東郷 vs ミラノコレクションA.T.&飯伏幸太●
近藤(19分40秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)飯伏
※『バトステ・エクスプレス! プロレスリングEl Dorado「TREASURE HUNTERS タッグトーナメント優勝戦」2006・12・27 新宿FACE』(FIGHTING TV SAMURAI)'07.01.14放映