試合の背景並びにTV放映データなどを記録した、管理人によるコラムです。
797 2008年初試合
2005年2月の乱入以来、全日マットで迎える正月シリーズも3回目。ベビーvsヒールの典型的な試合で、つつがなく新年初試合を終えました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #168』(GAORA)'08.01.19放映
798・799 カズ&TAKAと久々の対決/新春恒例Jrヘビー級バトルロイヤル/諏訪魔選手との別れ
2007年のほとんどを「メキシコ・アミーゴス」として過ごしたカズ・ハヤシ選手とTAKAみちのく選手が全日Jr戦線に復帰。世界Jrの元王者とアジアタッグの元王者組が顔を揃え、活気ある攻防が展開されました。また、恒例のJrヘビー級バトルロイヤルでもハヤシ選手が優勝して、完全復活をアピールしています。
なお、バトルロイヤルでの近ブラは、開始ゴングが鳴るやマッチメーク上めったに絡めない渕選手をいたぶるも、合体攻撃をかわされて同士討ち。ドッティはあえなく場外に消え、退場第1号となり、唯一の味方を失ったYASSHI選手は集中攻撃に遭って自らダイブして逃避行を図りました。
この日のメインは小島&TARU vs 武藤&ドーリングの世界タッグ戦。王座転落となってしまったVDMが暴れ回る中、前日のメインで仲間割れをした諏訪魔選手が現れ、VDM勢に決別の一撃。2006年の正月シリーズ最終戦でVDMに加入して以来2年間同じコーナーに立ってきた諏訪魔選手とは、これでお別れとなってしまいました。入団時から将来を嘱望されていながらVDM入りし、ヒールとなることで一皮むけた諏訪魔選手。チャンピオン・カーニバルや最強タッグであと一歩のところで勝ちきれず、殻を破るために正々堂々闘うスタイルに回帰することを決意したものですが、「VDMのみんなには感謝している」という諏訪魔選手の思いとは裏腹に、VDMのリーダーTARU選手は報復を宣言しています。
【賞金50万円争奪Jrヘビー級バトルロイヤル(10選手参加)結果】
●退場順と決まり手
TAKAみちのく(オーバーザトップロープ)近藤修司 ※スーパーKから
(オーバーザトップロープ)"brother"YASSHI ※集中串刺し攻撃を受け自ら場外へ
TAKAみちのく(ボディスラム切り返し→スモールパッケージホールド)渕正信 ※菊タロー、T28、NOSAWA論外、土方隆司がアシスト
渕正信(スモールパッケージホールド)TAKAみちのく ※菊タロー、T28、土方隆司が上記をひっくり返す
菊タロー(みちのくドライバー→エビ固め)T28 ※土方隆司がアシスト
カズ・ハヤシ(オーバーザトップロープ)菊タロー
カズ・ハヤシ(オーバーザトップロープ)NOSAWA論外
土方隆司(オーバーザトップロープ)MAZADA
カズ・ハヤシ(8分43秒 エビ固め)土方隆司
《優勝》カズ・ハヤシ
※優勝賞金50万円を獲得
※『バトステ・ライブ!全日本プロレス「2008新春シャイニングシリーズ」1・3後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.01.03放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「2008新春シャイニングシリーズ」1・3後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.01.11放映
800 新日マット久々の登場&東京ドーム大会3回目の出場
昨年に続き、新日本プロレスの恒例興行1・4東京ドーム大会に連続参戦。2007年はJr部門の新感覚ヒール軍団C.T.U.と合体して新日Jr正規軍と10人タッグで闘ったVDMでしたが、この1年の間に新日マットの勢力図は激変。天山選手、真壁選手らが結成したGBH(グレートバッシュヒール)に、C.T.U.解散後の邪道&外道選手が合流。VDMは今年はこの軍団と合体、「V・B・H」としてタッグを結成しました。相手は、同じくC.T.U.解散後の獣神サンダー・ライガー選手がヘビー級の伝説のレスラーたちと結成した「レジェンド軍」。この軍団に、新日本から独立して無我ワールド・プロレスリングを立ち上げ、昨年末からドラディションに改名した藤波辰爾選手が合体し、「ONE NIGHT STAND 〜LEGEND vs V・B・H〜」のサブタイトルで10人タッグとして行われました。
途轍もないビッグネームたちが集結したレジェンド軍に対し、V・B・Hは全員がインディー出身というわかりやすい構図。各選手のテーマ曲を繋いだレジェンド軍の入場シーンは圧巻でした。ドッティの見せ場はKUBINAGEとバビロンくらいでしたが、むしろ藤波選手のコーナー最上段からのニードロップや元祖ドラゴンスクリュー、長州選手のラリアットなど、レジェンドの代名詞技を食らったことが印象に残っているのかもしれません。
ちなみに年末年始のドッティは12月29日のElDoradoに始まり、12月31日プロレスサミット(興行終了は1月1日の0時30分)、1月2・3日の全日本まで後楽園で、この4日が東京ドーム。この1週間で12月30日を除く毎日、東京ドームシティ内で試合をするという珍しい年末年始となりました。
※SKY Perfec TV! PPV『新日本プロレス1.4東京ドーム大会「レッスルキングダム in 東京ドーム」』(Ch.162)'08.01.04放映
※『ワールドプロレスリング スペシャル 1.4東京ドーム大会』(テレビ朝日)'08.01.06放映(ダイジェスト)
※『ワールドプロレスリング』(テレビ朝日)'08.01.20放映
※『闘魂スーパーバトル』(BS朝日)'08.01.23放映
804
※『ALL JAPAN B-Banquet #171』(GAORA)'08.02.10放映
805 「カスイチイレブン」菊タロー選手と"試練のお笑いマッチ"
残り2回となったカスイチで、ついに「近藤試練のお笑いマッチ」と銘打たれたシングルマッチが組まれたドッティ。かかるプレッシャーからかコール時の「胸ドンドン」もやらず、ゴング後もなかなか自分を捨てられなかったドッティでしたが、菊タロー選手の持ち技(ネタ?)の「ブルドッキングヘッドロックすっぽ抜け」にチャレンジ。同じく持ち技(ネタ?)の「口上付きブレーンバスター」も切り返して、同じムーブをコピーするなど、めったに見られないシーンを体現。これまで全日マットで三度シングル戦を行って全敗(2006年10・17福井、2007年3・14大阪、同年5・24高知=すべて反則負け)だった菊タロー選手から初勝利を獲得しました。菊タロー選手は試合後、とっとと引き揚げたドッティに向け「ああ見えて、近ちゃんはお笑い好きだと思うよ。次の機会があったら彼の新たなゲートを開きたいと思います」とマイク。ドッティにとっての禁句である「GATE」という言葉をさりげなく織り交ぜ、ElDorado参戦を拒否されている大阪プロレス時代の盟友・マグニチュード岸和田選手を後押ししていました。
なお、この日の全カードは以下の通りです(選手名敬称略。リングアナは清水基嗣選手)。
(前説)「ジャガーズの細かくて伝わらないモノマネ」(「姉崎レフェリーのゴング直前のタメ」「"スパーク!"が"スプーン"に聞こえるスタミナ切れの時の青木選手」ほか)
(1)1/30 谷嵜なおき & 澤宗紀 vs 原学 & 豪
(2)1/30 近藤修司 vs 菊タロー
(3)1/30 TARU & 本間朋晃 vs バラモンシュウ & バラモンケイ
(休憩後)「カスイチヘッドラインニュース」(YASSHIのタイ紀行)
(4)1/60 大鷲透 & KAGETORA & CHANGO vs 金村キンタロー & 黒田哲広 & GENTARO
(5)1/60 "brother"YASSHI vs 高山善廣
806・807 大柳選手と久々のタッグ結成/悪冠一色、一夜限定の復活/岸和田選手の襲撃再び
ElDorado2008年最初の興行で、就任後初の大会を迎えた多留GMはこの日の全カードを当日発表。オープニングマッチ出場となったドッティは、大鷲選手率いる猛獣惑星(SUPER CREW卒業生の佐々木大輔選手〈フリー〉が助っ人参戦)と対決。ミラニート選手の骨折欠場でメンバーの足りないSUKIYAKIは本多選手のほか、無所属の大柳選手とフリー参戦の佐藤選手を助っ人の形でカルテット結成。ちなみに闘龍門の2期先輩(6期生)に当たる大柳選手とは、2001年9月30日(現地時間)メキシコのプラン・セクセナルでトリオ(もう一人は岩佐卓典選手)を組んで以来、約6年4ヵ月振りのタッグとなりました(「SCORE2001」023参照)。
この日のメインは、HELL DEMONSを追放された菅原選手が第1試合前のカード発表時に多留GMに直訴して決定した、1vs4のハンディキャップマッチ。しかしHDは菅原選手を入場直前のバックステージで襲い、そのまま両者リングアウトの裁定に。多留GMは菅原選手と悪冠一色として活動してきた3選手に呼びかけ、急遽8人タッグマッチが行われました。試合では近ブラスガのサンドイッチ式低空ドロップキック(3者挟撃型)、近スガの「顔面トーキック→T.C.O」、大鷲選手との「龍原砲」など悪冠一色時代の懐かしの連係が続々飛び出し、最後はバラモンのお株を奪う墨汁攻撃から菅原選手が勝利。試合後ドッティは「TARUさんに呼ばれたから来ただけだ」と、菅原選手とのタッグは今回限りであることを強調。一方、大鷲選手は菅原選手に共闘を申し入れ、菅原選手は当面、猛獣惑星の客分として活動することになりました。
なお、興行終了後、売店でサイン会を行うSUKIYAKIの面々を私服姿のマグニチュード岸和田選手が襲撃。長机を叩き付けられたドッティはまたしてもKOされ、同じく襲撃を受けた谷嵜選手は、2・3ElDorado大阪大会(デルフィンアリーナ道頓堀)の同日昼間にアゼリア大正で開催される岸和田選手の自主興行「デビュー15周年記念興行」への逆乗り込みを宣言しました。
また、この日のセミ終了後、KAGETORA選手と飯伏選手がタッグ結成と、NOSAWA論外&MAZADA組が持つUWA世界タッグ王座への挑戦を表明。挑戦者組決定戦を行うとしていた多留GMは、彼らの相手として「VDMの近藤&ブラザー」を指名。2・27後楽園大会で行われることになりました。
813 「カスイチFINAL」男色ディーノ選手と"最後の試練・究極のエンタメマッチ"
ついにFINALを迎えたカスイチで、「近藤最後の試練」として、菊タロー選手が連れて来たのはDDTの男色ディーノ選手。ドッティと同じくエンタメが苦手としてこの試合に組み入れられたKAGETORA選手ともども、男色殺法に戦々恐々としながらも、半ばヤケ気味に反撃。ドッティの股間スタナーからKAGETORA選手の逆ディープキスでディーノ選手の動きを止め、菊タロー選手へのキングコング弾でフィニッシュ。逃げるようにリングを去っていく2人に対し、ディーノ選手は「大姐さん(メンズクラブを主宰するMEN'Sテイオー選手)に推薦しとくわ」と、さらに濃密な"おとこ色"の世界へと誘っていました。
なお、全12回にわたって繰り広げられたカスイチの最終試合として、藤永オーナーのデビュー戦(兼引退試合)が組まれ、相手を務めたTARU選手のセコンドに近ブラが(藤永"選手"のセコンドには大鷲選手や谷嵜選手ら)。当初の予定は「TARU&藤永vs近ブラ」だったそうなのですが、負傷しているYASSHI選手の首がこの日の試合でさらに悪化したため、シングルマッチにカード変更になりました。藤永選手は、9ヵ月もの肉体改造の成果を披露して、大技ブレーンバスターを投げきるなどの熱い闘いを展開。カスイチは感動的なフィナーレを飾りました。
なお、この日の全カードは以下の通りです(選手名敬称略。リングアナはタイガー木原氏)。
Malwミニライブ
(前説)「ジャガーズの細かくて伝わらないモノマネ」
(1)1/30 谷嵜なおき & 清水基嗣 & X(=金村キンタロー) vs NOSAWA論外 & MAZADA & TAKEMURA
(2)1/30 近藤修司 & KAGETORA vs 菊タロー & X(=男色ディーノ)
(3)1/30 TARU & X(=石井智宏) vs 菅原拓也 & 澤宗紀
(4)1/60 "brother"YASSHI vs X(=長州力)
(5)1/60 大鷲透 & X(=荒谷望誉) vs バラモンシュウ & バラモンケイ
(再試合)1/60 大鷲透 & 荒谷望誉 & X(=カズ・ハヤシ) & X(=ディック東郷) vs バラモンシュウ & バラモンケイ & Ken45° & 豪
(特別試合)1/30 藤永幸司 vs X(=TARU)※当初発表は「藤永幸司 & X(=TARU) vs X(=近藤修司) & X(="brother"YASSHI)」
814 カズ・ハヤシ選手と久々の一騎打ち
「ドリー・ファンク・ジュニアさよならシリーズ」のサブタイトル通り、伝説のレスラーの引退ツアーが話題となったシリーズの開幕戦。約1年の「メキシコ・アミーゴス」の活動を終えたカズ・ハヤシ選手が全日Jr活性化プランを打ち出し、その象徴となるべき闘いの出来る選手としてドッティを指名。2006年8月の両国大会以来2回目のシングルマッチとなりました。試合は相手の2手3手先を読み、交わし合って切り返し合う、将棋の名人戦を早回しで行うような闘いを展開。ところが、ドッティが前回の対戦で初披露して以来となるムーンサルトプレスを狙ってコーナーに昇ったところを東京愚連隊のNOSAWA論外選手とMAZADA選手が乱入して試合をぶちこわし、ノーコンテストとなってしまいました。ここで愚連隊は「タッグなら俺たちが最強だ」と、2年前に行われたジュニアタッグリーグ戦に優勝した実績をアピール。そこへ、新日本プロレスとの契約を解除したばかりのエル・サムライ選手が現れ、愚連隊を蹴散らすとともに全日Jr戦線への参戦を表明。こうしてメンバーが揃ったことで、次期「HOLD OUT TOUR 2008」シリーズで、2年振りとなるジュニアタッグリーグ戦が開催されることになりました。
なお、首の負傷が癒えない盟友YASSHI選手に代わり、谷嵜選手が全日マット初登場。KAIENTAI DOJOの興行とバッティングした2・24前橋、ElDorado興行とぶつかった2・27ひたちなかを除くシリーズ全戦に参戦しています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #174』(GAORA)'08.03.01放映
817 栃木県で初試合
デビューから約7年でようやく栃木県で初試合。47都道府県踏破まで、残りあと2県(山梨と奈良)に迫りました。
819 ドリー・ファンクJr選手と初対決
全日本プロレスの歴史の中で欠かすことのできないレジェンドのひとり「ドリー・ファンクJr」が選手として最後の来日を果たし、ドッティもその伝説のレスラーと対戦する恩恵に与りました。ドリー選手と関係の深い西村選手が全日本に移籍するまではまったく接点がなかったことを考えると、リングで対峙できたのは幸運な巡り合わせ。スピニング・トーホールドこそ喰いませんでしたが、独特のエルボー・スマッシュを何発も受けるなど、レスラー人生のよき思い出のひとコマとなりました。
※『バトルステーション 全日本プロレス「2008エキサイトシリーズ」2・24グリーンドーム前橋』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.02.27放映
821 岸和田選手に宣戦布告
KAGETORA選手が飯伏選手と組んで名乗りを上げたUWA世界タッグ王座挑戦に、多留GMは挑戦者組決定戦の相手として「VDMの近ブラ」を指名。ところがYASSHI選手が負傷欠場し、ドッティのパートナーは大柳選手に変更。コミカルなキャラを封印後はクラシックなレスリングを追求する大柳選手と組むとあって、闘龍門で大柳選手(6期生)の後輩にあたるドッティも「原点回帰のプロレス」を行うと宣言。ベビーフェイスとヒールが闘う図式から、遺恨なき純粋な闘いへと色合いが変化しました。試合は若手のホープ2人に対し、大柳選手が多彩なジャベや切り返し、丸め込み技などの攻撃と驚異的な粘りでこの日一番の熱狂を生み出し、客席から錦也コールを自然発生させるほどファンの共感を獲得。タッグタイトルへの挑戦権こそ逃したものの、プロレスラーとして大きな宝を手にしています。ドッティも、コスチュームはElDoradoでは初のVDM仕様でしたが、ヒールらしさはまったく出さず、対戦相手とのハイレベルな攻防を展開。大柳選手とは二者同時STFや、1人に対して左右から決めるダブルのSTFなどの連係・合体技を披露しています。
また、谷嵜選手が岸和田選手を迎え撃つメインに、ドッティはセコンドとして参加。リング下から檄を送り続けた谷嵜選手がラストライドに沈んでしまうと、岸和田選手と対峙して「シングルでやってやるよ」とこちらから宣戦布告。そこへHELL DEMONSの面々がドッティを襲撃して、岸和田選手は最初からHDと通じていたことを明かし、改めてElDoradoへの侵攻を宣言。ドッティは反撃に行ったものの返り討ちに遭い、興行は見事なバッドエンドに。「何が何でも負けられない意地がある」と、岸和田選手そのものよりも、彼が並行して参戦するDRAGON GATEへの対抗心を露わにしていました。
なお、この日のセミではHDを下し大鷲&菅原&荒谷組がUWAトリオ王座を獲得したものの、猛獣惑星以外の選手と組んだリーダーの大鷲選手に対し、正メンバーの福田・千賀・CHANGOの各選手が異を唱えユニットは分裂危機に。ElDoradoの勢力分布図が塗り替えられようとしています。
ちなみに、全日シリーズ中の大会とあって、この日の前夜に長野県松本市で試合をしていたドッティと谷嵜選手は、欠場は当日の茨城県ひたちなか市大会のみで、翌日の茨城県つくば市大会に合流しています。
※『バトルステーション ElDorado「GAME OF TREASURE」2008・2・27 後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.03.12放映
823 谷嵜選手との最後のタッグ
この日の試合前にElDorado事務所で行われた会見で、谷嵜選手がソウルコネクションとのマネージメント契約を解除し、主戦場としていたElDoradoから離れ、完全フリーとなることを発表。負傷したYASSHI選手の代打として急遽参戦した全日本プロレスもソウルコネクションを窓口としたブッキングのため、シリーズ最終戦のこの日が、ドッティと当面では最後のタッグ結成となりました(谷嵜選手はこの6日後の3月7日、彼の古巣であるDRAGONGATE後楽園大会に現れ、出戻り参戦を表明しました)。
※『SKY Perfec TV! LIVE SPECIAL 全日本プロレス「3.1 プロレスLOVE in 両国 Vol.4」』(Ch.162)'08.03.01放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「プロレスLOVE in 両国 Vol.4」2008.3.1両国国技館・前編』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.05.18放映
※『全日本プロレススペシャル「3.1プロレスLOVE in 両国 Vol.4」』(GAORA)'08.07.13放映
824 ジュニアタッグリーグ戦開幕も黒星発進
2年振りの開催となる「ジュニアタッグリーグ戦」。第1回大会での準優勝コンビとして近ブラでのエントリーが発表されていましたが、3月1日両国大会で行われた世界Jr選手権戦で中嶋選手を下して第25代王者となったシルバー・キング選手が、ドッティをパートナーに指名してリーグ戦参戦をアピール。負傷欠場中のYASSHI選手は連戦を乗り切れるほどの回復状況にはないこともあり、ドッティもメンバーチェンジに応じ、VDM代表チームとして再エントリーされました。
参加6チームの公式戦がすべて組まれた開幕戦で、初戦の相手は土方&中嶋組。第23代から現25代まで世界ジュニア王者経験者3選手が顔を揃えた中、現王者からタップを奪ったのは唯一の全日本所属である土方選手。インサイドワークとパワーに秀でた2人の合体に、カード編成担当の重鎮・渕選手は優勝争いの本命と予想していたのですが、黒星スタートとなってしまいました。
とは言え、「ダブルインパクト」(キング選手が肩車した相手に、ドッティがコーナー最上段からラリアット)や「踏み台式ジャンピング串刺しラリアット」(四つんばいのキング選手の背中を踏み台にジャンプして、コーナーを背にした相手に串刺しラリアット)、「断崖式串刺しドロップキック」(リング下のキング選手が相手をエプロンに座らせて押さえつけ、そこへドッティがロープの反動を利して相手の胸めがけて低空ドロップキック→相手はリング下に脳天から転落)など、連係はスムースそのもの。ベテランのキング選手とのタッグとあって、通常の合体技連係では大概土台役を務めるドッティが動く側に回るという初めてのパターンが披露されています。
「HOLD OUT TOUR 2008 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&シルバー・キング組:1戦0勝(得点0)
※『ALL JAPAN B-Banquet #176』(GAORA)'08.03.21放映
825 ジュニアタッグリーグ戦1勝目
前日の開幕戦では大和&KAI組との若手対決を制したT28&KUSHIDA組と対戦。安定した試合運びで得点2を獲得しています。
「HOLD OUT TOUR 2008 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&シルバー・キング組:2戦1勝(得点2)
826 岸和田選手との初対決は5vs5イリミネーション戦
谷嵜選手のElDoradoマット撤退を受け、ドッティは3月10日のBlogにてSUKIYAKIの解散を示唆。ユニットの液状化で混沌とする中を無所属のYASSHI選手、大柳選手と組み、ユニットとして唯一肥大化しつつあるHELL DEMONS(岸和田&バラモン兄弟)を迎撃するはずでしたが、負傷癒えぬYASSHI選手が無念の欠場に。オープニングMCで欠場のあいさつを行ったYASSHI選手は自らの代役として、当初第3試合出場の予定だった大日本プロレスの関本選手を指名。一方、HDはセミファイナル予定の「大鷲&菅原vsKen&豪」も合体させたイリミネーション10人タッグとして行うことを主張。こうして、2・27後楽園でHD加入発覚以来、この試合が始動戦となった岸和田選手とドッティの初対決は、混成軍vsHDのイリミネーションマッチで行われることとなりました。
なお、この日の興行のため、シリーズ参戦中の全日本プロレスは同日の館林、翌日の伊勢崎の群馬県下2大会を欠場しています。
イリミネーションマッチ退場順
関本(17分48秒 ジャーマンスープレックスホールド)Ken
(21分42秒 オーバーザトップロープ)大鷲、関本 ※岸和田のWラリアットでエプロンから転落
菅原(23分19秒 横回転式エビ固め=ラ・マヒストラル)シュウ
豪(23分22秒 エビ固め)菅原 ※シュウごとひっくり返す
(24分23秒 オーバーザトップロープ)近藤、豪 ※岸和田のラリアット+豪のアシスト(場外心中)で両者エプロンから転落
大柳(26分43秒 スモールパッケージホールド)ケイ
岸和田(28分31秒 ラストライド→体固め)大柳
《勝者組》HELL DEMONS組(岸和田の1人残り)
827 vs東京愚連隊はフルタイムドロー
前回(2006年)のタッグリーグ戦の優勝チームと対戦。ヒール属性同士の激突は両軍譲らず、タイムアップとなりました。
「HOLD OUT TOUR 2008 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&シルバー・キング組:3戦1勝1分(得点3)
828 リーグ戦暫定トップに
全日本入門後いきなりMEXICOに渡り現地でデビュー。1年間修行して逆上陸という、闘龍門方式で実験的に育成された大和&KAI組が相手。4人中3人が日本人なのに全員メキシコデビューという顔合わせでしたが、元&現の世界Jr王者コンビが貫禄の勝利。この結果、全チームが最終戦を残した段階で、東京愚連隊と並ぶ得点5で同率首位に立ちました。
「HOLD OUT TOUR 2008 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&シルバー・キング組:4戦2勝1分(得点5)
829 優勝戦進出ならず
暫定トップで迎えた最終戦。引き分け(得点1)でも同率首位、両者リングアウト(両軍無得点)でも同率2位でと、とにかく負けさえしなければ優勝戦進出の可能性が残る絶対的優位な立場で、サムライ選手の丸め込みに屈したドッティ。優勝候補筆頭の呼び声の高かったVDMでしたが、優勝戦進出すらなりませんでした。
優勝戦は、このリーグ戦で気を吐き続けた土方選手が、全日Jrのエース・ハヤシ選手からピンフォール勝ちで、中嶋選手とともに栄冠に輝いています。
「HOLD OUT TOUR 2008 ジュニアタッグリーグ戦」公式戦・近藤修司&シルバー・キング組:5戦2勝1分(得点5)
※『バトルステーション 全日本プロレス「HOLD OUT TOUR 2008」3・23新潟市体育館』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.03.28放映
【「HOLD OUT TOUR 2008 ジュニア・タッグリーグ戦」全試合結果】
※リーグ戦はすべて30分1本勝負。上位2チームが優勝決定戦を行う。
勝ち=2点、引き分け=1点、負け&両者リングアウト=0点。
参加チームと勝ち点
カズ・ハヤシ & エル・サムライ(勝ち点6=同率1位)
土方隆司 & 中嶋勝彦(勝ち点6=同率1位)
大和ヒロシ & KAI(勝ち点4)
T28 & KUSHIDA(勝ち点4)
近藤修司 & シルバー・キング(勝ち点5)
NOSAWA論外 & MAZADA(勝ち点5)
3・12後楽園
○T28組(2) vs 大和組(0)●
T28(12分3秒 火の玉スプラッシュ→片エビ固め)大和
○土方組(2) vs 近藤組(0)●
土方(12分34秒 腕ひしぎ十字固め)キング
○NOSAWA組(2) vs ハヤシ組(0)●
NOSAWA(10分9秒 エビ固め=サムソンクラッチ)サムライ
3・13茂原
○近藤組(2) vs T28組(2)●
近藤(12分19秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)KUSHIDA
○ハヤシ組(2) vs 土方組(2)●
サムライ(12分47秒 レフェリーストップ)中嶋 ※羽根折り腕固めから
3・16館林
○大和組(2) vs 土方組(2)●
KAI(13分0秒 スプラッシュ・プランチャ→片エビ固め)土方
○T28組(4) vs ハヤシ組(2)●
KUSHIDA(14分22秒 月面水爆→片エビ固め)ハヤシ
3・17伊勢崎
○土方組(4) vs NOSAWA組(2)●
中嶋(17分24秒 原爆固め)MAZADA
○ハヤシ組(4) vs 大和組(2)●
ハヤシ(16分8秒 ファイナルカット→片エビ固め)大和
3・20豊田
△近藤組(3) vs NOSAWA組(3)△
時間切れ引き分け
3・21京都
○NOSAWA組(5) vs T28組(4)●
MAZADA(16分42秒 ジャックナイフ式エビ固め)T28
○近藤組(5) vs 大和組(2)●
キング(8分11秒 デスバレーボム→体固め)KAI
3・23新潟
○大和組(4) vs NOSAWA組(5)●
大和(13分42秒 クロスアーム式原爆固め)NOSAWA
○土方組(6) vs T28組(4)●
中嶋(13分6秒 原爆固め)T28
○ハヤシ組(6) vs 近藤組(5)●
サムライ(16分5秒 サムライクラッチ)近藤
3・23新潟
優勝決定戦(時間無制限1本勝負)
○土方組(リーグ戦同率1位) vs ハヤシ組(リーグ戦同率1位)●
土方(24分20秒 フィッシャーマンバスター→エビ固め)ハヤシ
830 岸和田選手との前哨戦
負傷から癒えていないYASSHI選手が強行出場したものの、負傷箇所を徹底して攻められて半ばリタイア。実質3vs2のハンディキャップマッチ状態となり、佐藤悠己選手の驚異的な粘りも、最後には岸和田選手のパワーの前に力尽きています。
※『バトルステーション ElDorado「EYE OF THE TREASURE」2008・3・26 新宿FACE』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.04.12放映
831
※『全日本プロレススペシャル チャンピオン・カーニバル開幕戦4.5後楽園ホール』(GAORA)'08.04.05放映
832
※『全日本プロレススペシャル チャンピオン・カーニバル4.6後楽園ホール』(GAORA)'08.04.06放映
833
※『ALL JAPAN B-Banquet #177』(GAORA)'08.04.12放映(ダイジェスト)
834
※『ALL JAPAN B-Banquet #180』(GAORA)'08.05.17放映(ダイジェスト)
835
※『ALL JAPAN B-Banquet #182』(GAORA)'08.05.31放映(ダイジェスト)
836 VDM、太陽ケア選手の勧誘に失敗
太陽ケア選手に対し、再三の勧誘を続けるVDM。獲得に自信を見せるTARU選手はこの日に照準を合わせ、第1試合前にわざわざ観客の前に現れて加入を宣言しましたが、結局ケア選手は応じず。それどころか、その場に現れた鈴木みのる選手+東京愚連隊の誘いに乗り、本隊でもVDMでもない第三極の新ユニット「GURENTAI」として活動していくこととなりました。エース小島聡選手を右肘負傷(変形性肘関節症および尺骨神経麻痺)の影響で長期欠場に入ったことから、ケア選手はぜひとも獲得したい人材でしたが…。
なお、この日のドッティ絡みのカードは、山口竜志選手(負傷)、ゾディアック選手(航空機トラブルで来日遅れ)の相次ぐ出場キャンセルにより、当初発表の「(第3試合)土方隆司&大和ヒロシ&駿河一vs近藤&シルバー・キング&アル・ダバリ」→「(第3)土方&真田聖也&大和vs近藤&キング&ダバリ」→実際のカードと、再三変更されています。また、このシリーズは全5戦でしたが、4・24ElDorado後楽園大会開催の影響で、4・23愛媛、4・24高松、4・26福山の3大会を欠場。この日の開幕戦と、4・29愛知での最終戦の2大会のみの出場となっています。
※『バトステ・ニアライブ 全日本プロレス「Growin' Up 2008」開幕戦4・20後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.04.20放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「Growin' Up 2008」開幕戦4・20後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.05.09放映
837 岸和田選手との一騎打ちも完敗
岸和田選手がElDoradoマットに乱入して約4ヵ月。ついにシングル戦が行われるも、ドッティは4月5日の全日本後楽園大会で痛めた右太ももを攻め込まれ、精彩を欠くファイト。ラリアットやランサルセ、KUBINAGE、リバースブレーンバスター、カナディアンバックブリーカーからのパイルドライバーなどの技も、畳みかけることが出来ず単発に終わり、ラストライドで完敗。背負われての退場を余儀なくされる、屈辱的な一戦となりました。
この結果に大鷲選手ほか主力が岸和田選手制圧に名乗りを上げ、この日正式発表されたElDorado新宿定期興行「FACE Basta」(全席2,000円で原則月2回開催)で、ElDoradoのNo.1を決めるリーグ戦が開催される運びとなっています。
※『バトルステーション ElDorado「The Age of Megalomania」2008・4・24 後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.05.04放映
838
※『ALL JAPAN B-Banquet #183』(GAORA)'08.06.07放映(ダイジェスト)
839 「プロレス大感謝祭」で大日本プロレスと合同興行開催
「プロレス大感謝祭スペシャル」として、5・5越谷(大日本&ElDorado合同興行)、5・6大阪(第1部=大日本、第2部=ElDorado)、5・25名古屋(大日本&ElDorado合同興行)の4大会でタッグトーナメントが企画されました。エントリーされたのは、大日本&ElDoradoの混成タッグ編成(2チームだけ特例で同団体編成)による12チーム。ドッティは2007年11月11日の「大感謝祭」でタッグ対決&タッグ結成で競い合った関本選手とのコンビで出陣(1回戦はシード)。1回戦が開催されたこの日は、シードされた4チームが2手に分かれての8人タッグ戦となりました。
840 「プロレス大感謝祭タッグT2回戦」で大日本プロレスに2度目の出場
この日の連続興行で2試合ずつ組まれたプロレス大感謝祭タッグトーナメント2回戦のうち、関本&近藤組は大日本での公式戦。ドッティの大日本マット2回目の登場は、メインイベント出場というおまけも付きました。試合は大本命の下馬評通り、難なく初戦を快勝して、名古屋での準決勝に駒を進めています。
842 KAGETORA選手と全日本マットで対決
KAGETORA選手が全日本マットに初登場。パートナーの全日本所属のT28選手はDRAGON GATEの練習生だった時期があり、間接的な先輩後輩関係。ドッティを含め、全日マットで闘龍門系がさりげなく集結したカードとなりました。
ドッティのパートナーは、前シリーズからVDMに加入したアル・ダバリ選手。イラン出身の彼は1984年生まれとまだ若い選手ですが、2004〜07年までコシロ・デバリの名でWWEで活躍。フィニッシュホールドはこの試合も制した、イスラム教の礼拝用の絨毯(?)に乗ってのダイビング・ボディープレス「マジックカーペット」。なお、この日の連係としては、キャメルクラッチの競演や、ダブルインパクト式のドロップキック(T28選手をドッティが肩車し、そこへダバリ選手がトップロープからミサイルキック)などを披露しています。
※『バトステ・ニアライブ 全日本プロレス「RISE UP TOUR 2008」開幕戦5・11後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.05.11放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「RISE UP TOUR 2008」開幕戦5・11後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.06.01放映
853・854 プロレス大感謝祭タッグトーナメント優勝
全日本プロレス「RISE UP TOUR 2008」5・24岡山大会を終えてYASSHI選手とともに名古屋入り。13時開始のこの大会で、タッグトーナメント準決勝&決勝を闘い、関本選手とのコンビで優勝。その余韻に浸る間もなく、YASSHI選手とともに神戸サンボーホールに向かいました。
【「プロレス大感謝祭タッグトーナメント」全試合結果】
※試合はすべて時間無制限1本勝負。あらゆる引き分けはそのまま再試合を行い勝者組を決定。
5・5越谷桂スタジオ(大日本&ElDorado合同興行)
トーナメント1回戦
○バラモンシュウ&バラモンケイ組 vs 大黒坊弁慶&谷口裕一組●
ケイ(13分54秒 ブレイザーキック→片エビ固め)谷口
○"黒天使"沼澤邪鬼&清水基嗣組 vs GENTARO&Ken45°組●
清水(10分37秒 ケミカルクラッチ)Ken
○佐々木貴&KAGETORA組 vs MEN'Sテイオー&佐藤悠己組●
KAGETORA(15分26秒 一騎当千→片エビ固め)佐藤
○宮本裕向&菅原拓也組 vs 伊東竜二&ジャンピングキッド沖本組●
宮本(13分33秒 ムーンサルトプレス→エビ固め)沖本
5・6松下IMPホール(大日本プロレス)
トーナメント2回戦
○バラモンシュウ&バラモンケイ組 vs 井上勝正&大鷲透組●
ケイ(10分52秒 バスケットケース)井上 ※イスを利用してのジャックナイフ式エビ固め
○関本大介&近藤修司組 vs 宮本裕向&菅原拓也組●
関本(19分15秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド)宮本
5・6松下IMPホール(ElDorado)
トーナメント2回戦
○シャドウWX&ベアー福田組 vs "黒天使"沼澤邪鬼&清水基嗣組●
福田(12分21秒 ファイナルフラッシュ→体固め)清水
○佐々木貴&KAGETORA組 vs アブドーラ小林&"brother"YASSHI組●
佐々木(15分27秒 右足→片エビ固め)YASSHI
5・25中村スポーツセンター(大日本&ElDorado合同興行)
トーナメント準決勝
○佐々木貴&KAGETORA組 vs バラモンシュウ&バラモンケイ組●
KAGETORA(9分14秒 丸め込み)ケイ
○関本大介&近藤修司組 vs シャドウWX&ベアー福田組●
関本(13分3秒 ぶっこ抜きジャーマン・スープレックス・ホールド)福田
トーナメント決勝
○関本大介&近藤修司組 vs 佐々木貴&KAGETORA組●
近藤(18分42秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)KAGETORA
855 名古屋→神戸へ1日3試合の旅
名古屋での大日本&ElDorado合同興行(13時開始)のメインを締めたドッティは、YASSHI選手とともに鉄路で神戸へ。17時開始の全日本神戸大会の第4試合に滑り込み、2週間続いた長期ツアーを完走。興行終了後はリングソウルで21時から行われたトークイベント「神戸ブードゥーミサ2008」にTARU選手、YASSHI選手とともに参加と、あわただしい1日となりました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #186』(GAORA)'08.06.28放映(ダイジェスト)
856 ElDorado新宿定期戦「FACE Basta」スタート/「グレーテストゴールデンリーグ」開幕
これまでもElDoradoのホームリング的な会場として使用してきた新宿FACEをフランチャイズ化して、月1〜2回の定期興行が開催されることになりました。複数のスポンサーから協賛金を募ることで、全席指定2,000円均一という破格のチケット代を実現。定期戦の名称「フェース・バスタ」のBastaとは悪童のことで、「FACEに集う悪ガキたち」の意。2008年2月に終了した「カスイチ(新宿カス野郎プロレス)」でリングソウル藤永オーナーが築いた新宿FACEとの絆が、ElDorado代表としても活かされることになりました。
また、この大会でElDorado最強選手を決める「グレーテストゴールデンリーグ(GGL)」が開幕。8月15日後楽園での決勝トーナメントに向け、10選手が2ブロックに分かれての総当たりを行うものですが、注目のシングル戦が続出するリーグ戦をあえて低価格興行で実施するところに、「FACE Basta」に賭ける団体の意気込みが伝わります。
この日のドッティは公式戦が組まれておらず、ツトム オースギ選手(ミラニートコレクションa.t.より改名)とヘラクレス千賀選手(ヘラクレスオオ千賀より改名)の新ユニット「SOS」(Speed Of Sounds)とのトリオで出陣。ぎっしり埋まった会場を沸かせています。
857・858 2年振りに開催の「大鷲プロレス」に参戦
2006年に行われた大鷲選手自主興行「大鷲プロレス」が2年振りに復活。花道設置やレーザー、花火などの特殊効果もさらにグレードアップ。およそ地方興行とは思えないビッグマッチ仕様で、大盛況の大会となりました。
※『バトルステーション 「大鷲プロレス」6・8佐久市総合体育館』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.07.09放映
859 GGL初戦・飯伏選手との初シングル
DDTプロレス所属ながら、dragondoor時代から参戦する準レギュラー選手としてElDorado最強決定リーグ戦にエントリーした飯伏選手とシングル初対決。飯伏選手の抜群のバネを伸ばしにかかる戦法に出たドッティは「エプロンの飯伏選手の脚へ場外からドロップキック」を皮切りに足殺しを敢行。「断崖式ニークラッシャー」「蹴り脚をキャッチしたまま、軸足のヒザへドロップキック」から、久々となる「キャッツクレイドル」「ゴリラ・クラッチ」まで、さまざまな技を駆使してお得意の一点集中攻撃を披露。しかしインディペンデントワールドJrの現役王者である飯伏選手のバネは破壊しきれず、飛龍原爆で逆転負けを喫してしまいました。
優勝候補が黒星発進という結果になりましたが、ともにシングルに定評のある2人の闘いに会場は熱狂。「ファイヤーバードスプラッシュを交わされると見た飯伏選手がバック転で着地→その反動で飯伏選手の体が宙に浮いたところを、ドッティが潜り込んで肩車→前方へドライバー風に投げ落とす」など、高度な読み合いによる切り返し技が多く見られました。
「グレーテストゴールデンリーグ」Aブロック・近藤修司:1戦1敗(勝ち点0)
860 渕選手と久々の対決
6月の全日本「CROSSOVER'08」は全4戦のミニシリーズ。間の2戦の24・25日の山形大会は25日ElDorado後楽園大会のため不参加となり、開幕のこの日と、28日の最終戦(大阪府立体育会館)だけの参戦となりました。
この日の試合は、重鎮・渕正信選手が久々にVDMと対戦するマッチメイク。健介ファミリーと初合体した渕選手が、VDM相手に奮闘しました。なお、この日のドッティは、心境の変化か単に夏が近いからなのか、髪を短く刈り込み、色も赤から自然な感じに戻していました。
※『バトステ・ニアライブ 全日本プロレス「CROSSOVER'08」開幕戦6・22後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.06.22放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「CROSSOVER'08」開幕戦6・22後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.07.06放映
861 GGL第2戦・シュウ選手との初シングル
バラモンシュウ選手とも初めてのシングル戦となりましたが、およそElDorado最強の座など興味のないHELL DEMONSはセコンド3人をフル稼働させ、さながら1vs4の状況での闘いに。途中でケイ選手が入れ替わって試合をするなど、双子らしさを活かした攻撃に苦戦しましたが、墨攻撃の誤爆を誘って形勢を逆転。リーグ戦初勝利を挙げました。
「グレーテストゴールデンリーグ」Aブロック・近藤修司:2戦1勝1敗(勝ち点2)
862 GGL第3戦・菅原選手と4年振りのシングル対決
闘龍門同期生(8期)の菅原選手と、ElDoradoでは初、通算でも闘龍門時代の2004年3月25日会津若松大会(「EL NUMERO UNO 2004」公式戦。当時はヘンリー3世菅原選手。score2004年版・303参照)以来2回目のシングル対決。序盤の5分はドッティがひたすらヘッドロックで菅原選手を絞め上げる静かな立ち上がり。場外で菅原選手がドッティのラリアットを鉄柱に誤爆させると形勢が逆転。以降は菅原選手が相手の右腕、ドッティが足に絞った一点集中で削り合いを展開。お互いの持ち技を知り尽くした2人ならではの攻防の末、ドッティが久々の対決を制しました。
この直後に行われたBブロックの天王山・大鷲vs岸和田戦は、セコンドを巻き込む大乱戦の末、岸和田選手が全勝をキープ。試合後も大鷲選手をいたぶるHELL DEMONSをドッティ、YASSHI選手と菅原選手が蹴散らし、ドッティは悪冠一色の再結成を提唱。観客動員の振るわない後楽園から8・15以降の一時撤退と、新宿を根城にしての捲土重来を期しています。
「グレーテストゴールデンリーグ」Aブロック・近藤修司:3戦2勝1敗(勝ち点4)
863
※『ALL JAPAN B-Banquet #190』(GAORA)'08.08.02放映
865
※『バトルステーション 全日本プロレス「プロレスLOVE in 七夕」7・7京王プラザホテル八王子』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.07.16放映
866 悪冠一色再始動
6・25後楽園で提唱された悪冠一色再結成を受け、大鷲選手と久々のタッグを結成し、若手コンビSOSと対戦。コールを受ける前に奇襲攻撃に遭うも、龍原砲や対角線の競演など連係技を炸裂させ、147秒で決着。ドッティは入場時に着ていたTシャツを脱ぐことなく試合を終えています。なお、この日は悪冠一色の盟友の菅原選手とYASSHI選手がそれぞれバラモンシュウ選手、岸和田選手とGCリーグ公式戦を行っており、介入を繰り返すHELL DEMONS勢を試合途中に乱入して強引に排除。セコンドにこそ付かなかったものの、仲間に対して地味なアシストを見せています。
867 全日本でもリーグ戦開幕 2008 ジュニア・ヘビー級リーグ戦第1戦・KAI選手とシングル初対決
ElDoradoでグレーテストゴールデンリーグが行われる中、全日本プロレスでも恒例となったジュニア・ヘビー級リーグ戦が開幕。複数団体でリーグ戦を掛け持ちでエントリーするという、珍しいケースとなりました。
昨年の第2回大会で準優勝に終わったドッティとしては、必勝を期しての参戦と思いきや、戦前のインタビューでは「とにかく試合を楽しみ、決勝ではカズ・ハヤシといい試合が出来ればいい」と、予選リーグを勝ち抜くことこそ前提としながらも、その先の野心がまるで感じられない達観したコメントを披露。ヒール軍団VDMの中でも半ば治外法権と化している「Jrの近藤」らしい、悪玉色を廃したスタンスで参戦しました。
初戦は、全日本所属ながらメキシコでデビューを果たし、日本逆上陸を遂げたKAI選手。似たような経歴を持つドッティが、ルチャをベースにしたKAI選手のポテンシャルを引き出すことを期待されたのか、所属選手同士のBブロック「カズ・ハヤシ vs T28」戦よりも後ろに組まれました。
試合では、KAI選手がゴング前にミサイルキック→鉄柱すり抜けトペの奇襲で開始。対するドッティは、コーナーに逆さ吊りにしての膝への串刺しラリアットやキャッツ・クレイドルなど、スピード系選手への常套手段である足殺しに一点集中。ベテラン越えを果たすべく今回のリーグ戦開催を提唱したKAI選手も意地を見せて粘りに粘り、20分に迫る熱戦となりました。
「2008 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」Aブロック・近藤修司:1戦1勝(勝ち点2)
※『ALL JAPAN B-Banquet #191』(GAORA)'08.08.09放映
868 GGL第4戦・KAGETORA選手とフルタイムドローで決勝トーナメント進出決定
KAGETORA選手と2回目のシングルマッチ。とは言え、初対決は2002年12月7日メキシコでの第6回ヤングドラゴン杯(「コンドッティ修司vsSUWAシート」戦。score2002年版・089参照)で、KAGETORA選手はこの年のデビュー。のち2006年10月31日ディファ有明での菅原選手を含めた3WAYマッチでも、KAGETORA選手が序盤でひざを負傷してほとんど試合に絡んでおらず(score2006年版・644参照)、お互いにキャリアを積み重ねてからは初めての対峙となりました。
序盤はドッティがヘッドロックとフェースロックを繰り返し首にダメージを与える静かな展開。中盤でKAGETORA選手がドッティの右腕に集中砲火を浴びせ、20分を超えた頃からお互いの攻撃ポイント(首と腕)を狙ってグラウンドによる壮絶な切り返し合戦を見せるなど激しく動き始めましたが、この2人に30分は短すぎたのか、フルタイムドローに。ドッティのシングル戦にしては出す技が比較的絞られており、大一番恒例の新技も、雪崩式リバースブレーンバスター狙いをKAGETORA選手に阻まれて、アドリブ的に繰り出した首折り弾(コーナーポスト最上段で宙吊りに近い状態になったKAGETORA選手の後頭部に自身のひざを当て、そのままコーナーから相手もろともダイビング)くらいでしたが、この日まで得点4でこの2人に並んでいた飯伏選手がバラモンシュウ選手に敗れて全日程を終了しており、たとえ勝てなくても時間切れ引き分けなら両者の決勝トーナメント進出が決まる状況。このため、8・15後楽園での再戦も視野に入れて、お互いに手の内をすべて明かさない闘い方をしたのかもしれません。
Aブロックは同率1位となったため、試合後にBブロック進出選手の名が書かれた封筒が両者の前に示され、先に引いたKAGETORA選手がBブロック1位の岸和田選手、ドッティが2位の大鷲選手と対戦することが確定しました。
「グレーテストゴールデンリーグ」Aブロック・近藤修司:4戦2勝1敗1分け(勝ち点5)
869 2008 ジュニア・ヘビー級リーグ戦第2戦・MAZADA選手と久々の一騎打ち
2006年4月20日代々木における世界Jr3度目の防衛戦(571参照)が隠れた名勝負として評判を取ったMAZADA選手との一騎打ち。この試合を筆頭に、2005年5月1日福岡・田川、2006年12月1日浜松、2007年5月19日鹿児島、同年12月1日浜松とこれまでに計5回シングルで闘っており、2006年の浜松での反則負け以外はすべて勝ってきたドッティでしたが、パイルドライバーを切り返すここ一番での大技「正田デストロイ」(カナディアン・デストロイヤー)を喰らい、大事なリーグ戦で勝ち星を献上してしまいました。
「2008 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」Aブロック・近藤修司:2戦1勝1敗(勝ち点2)
※『ALL JAPAN B-Banquet #193』(GAORA)'08.08.23放映(ダイジェスト)
870 2008 ジュニア・ヘビー級リーグ戦第3戦・世界Jr王者土方選手に秒殺勝ち
新旧世界Jr王者対決として注目された土方選手との対決。2007年6月28日酒田での第2回大会(727参照)以来、2回目の一騎打ちでしたが、土方選手がリングインしたところをラリアットで急襲。以降、ザ★オリジナルなどの大技で畳みかけ、土方選手もフィッシャーマンズ・スープレックスで応戦するなど、ハイスパートな展開の末、ドッティ史上最短試合となる33秒の高速決着となりました。選手コールもなく土方選手はTシャツも脱がぬ中で、「内容はともかく、勝てばいいんだろう?」と、前夜の敗戦からの開き直りで貴重な勝ち点2を獲得。また、現役王者に勝利したことで、次期挑戦者候補にも浮上しました。
「2008 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」Aブロック・近藤修司:3戦2勝1敗(勝ち点4)
※『ALL JAPAN B-Banquet #193』(GAORA)'08.08.23放映(ダイジェスト)
873 2008 ジュニア・ヘビー級リーグ戦第4戦・サムライ選手に敗れて終戦
Aブロックのこの日までのトップはMAZADA選手とドッティで、ともに最終戦を残してそれぞれ勝ち点4。勝つことが進出への絶対条件となる中、ドッティは土方戦で成功した奇襲攻撃を、サムライ選手の入場時に敢行。花道に出て来たところに背後から殴りかかるというこの上ない奇襲でしたが、サムライ選手のつかみ所のないペースは崩せず。逆にサムライ選手の執拗な腕殺しの前に、あっさり脱落。Aブロックは結局、MAZADA選手を破ったKAI選手が勝ち点3からの逆転で優勝戦進出。続く優勝戦でも勢いに乗ってBブロック代表のシルバー・キング選手を撃破。デビュー1年5ヵ月にして殊勲のリーグ戦制覇となりました。
一方、ドッティは同時開催のElDoradoと合わせた2つのリーグ戦制覇の野望を達成できず。さらにこの日の大会で、反則拒否などメンバーとの不協和音を奏でていた小島選手がVDMとの決別を宣言。冴えない1日となりました。
「2008 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」Aブロック・近藤修司:4戦2勝2敗(勝ち点4)
※『ALL JAPAN B-Banquet #193』(GAORA)'08.08.23放映(ダイジェスト)
【〜つぼ八presents〜「2008 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」全試合結果】
※リーグ戦はすべてPWFルールによる30分1本勝負。各ブロック上位2選手による優勝決定戦(時間無制限1本勝負)を行う。
勝ち=2点、引き分け=1点、負け&両者リングアウト=0点。
リーグ戦各ブロック結果
《Aブロック》 土方隆司(勝ち点3)、KAI(同5=1位)、エル・サムライ(同4)、近藤修司(同4)、MAZADA(同4)
7・20後楽園 近藤(18分49秒 キングコング・ラリアット→エビ固め)KAI
7・23釧路 土方(14分24秒 腕ひしぎ逆十字固め)MAZADA
7・24北見 KAI(11分51秒 スプラッシュプランチャー→片エビ固め)サムライ
7・25旭川 サムライ(10分58秒 サムライクラッチ)土方
7・26札幌 MAZADA(16分32秒 回転十字固め)近藤
7・27札幌 近藤(0分33秒 キングコング・ラリアット→エビ固め)土方
7・29函館 土方(時間切れ引き分け)KAI
8・1水戸 MAZADA(16分22秒 十字固め)サムライ
8・3金沢 サムライ(10分3秒 羽根折り腕固め)近藤
KAI(9分48秒 首固め)MAZADA
《Bブロック》 カズ・ハヤシ(勝ち点4)、T28(同3)、フィル・アトラス(同3)、シルバー・キング(同6=1位)、TAKEMURA(同4)
7・20後楽園 ハヤシ(13分52秒 ファイナルカット→片エビ固め)T28
7・23釧路 TAKEMURA(13分54秒 M9→体固め)アトラス
7・24北見 キング(14分3秒 デスバレーボム→片エビ固め)TAKEMURA
アトラス(10分45秒 CK3→片エビ固め)ハヤシ
7・25旭川 T28(時間切れ引き分け)アトラス
7・26札幌 T28(16分32秒 ヘッドシザースホイップ→エビ固め)TAKEMURA
7・27札幌 ハヤシ(14分20秒 飛びつき十字固め)キング
7・29函館 キング(11分33秒 デスバレーボム→片エビ固め)アトラス
8・1水戸 キング(10分10秒 デスバレーボム→片エビ固め)T28
8・3金沢 TAKEMURA(13分24秒 M9→片エビ固め)ハヤシ
8・3金沢
優勝決定戦(時間無制限1本勝負)
KAI(Aブロック1位)(13分0秒 LAT→片エビ固め)キング(Bブロック1位)
874・875 大鷲選手・岸和田選手にシングル初勝利でGGL制覇も、悪冠一色「ElDoradoマットから一線を引く」
準決勝では、大鷲選手と2003年12月28日闘龍門JAPAN川越大会(ファン感謝デー企画もまともに試合せず両者反則。comment273参照)以来のシングル対決。大鷲選手とはこれまでメキシコで4戦(2001年5月26日アカプルコ、同年8月19日オアハカ、同年12月2日ナウカルパン〈第5回ヤングドラゴン杯決勝〉、2002年2月17日ナウカルパン〈T2P実力査定リーグ戦〉)、日本で3戦(2001年10月24日闘龍門JAPAN上越、2002年3月3日T2Pディファ有明〈T2P実力査定リーグ戦〉と前述の03年12月28日川越)しており、02年3月3日のディファで反則勝ちを拾った以外はまったく勝てておりませんが、ほとんどの対戦がドッティのデビュー1年以内に集中しており、ともに実力が安定してからはこれが初対決。MEXICO時代から苦楽をともにしてきた両者は、お互いの気持ちを確かめ合うかのように力のこもった水平打ちを応酬。ドッティも久々となるジャックハマーやキャッツクレイドルなど新人時代に多用した技を連発。両者一歩も退かぬ好試合となり、ドッティはキングコング・ラリアット連発で辛くも勝利。優勝戦に駒を進めました。
決勝の相手は、Bブロックを無敗で勝ち上がって来た岸和田選手。反則裁定なしの完全決着ルールが徒となり、HELL DEMONSの介入に苦しめられる展開となりましたが、試合途中から悪冠一色の面々(久々復帰の高木"JET"省吾選手を含む)がセコンドとしてHELL DEMONSを蹴散らし、墨汁ミストの誤爆を誘ってから渾身のラリアットで決着。岸和田選手へのリベンジを果たすとともに、優勝の賞状も賞金も何もない、ただ「ElDoradoでいちばん強い奴」の称号を獲得したはずでした。
ところが試合後、悪冠一色のメンバーとともに、「俺たち悪冠一色はElDoradoマットから一線を引く」とのコメントを残して退場。後日の発表で、この日までに発表されている8・23清水&8・24名古屋には出場するものの、8・29(vol.6)以降、12月15日(vol.13)まで日程の決まっているElDorado新宿定期戦「FACE Basta」には悪冠一色勢は出場しないことが明らかに。彼らの今後の活動やスタンスについては、8・29新宿で会見が行われるとプレス発表されましたが、ドッティとYASSHI選手は当初参戦予定のなかった全日本青森大会への出場が決定し、結局会見は行われず。藤永代表は試合前のあいさつで悪冠一色の今回の行動を「ElDoradoを捨てたのではなく、団体のためを思って出した結論」と位置づけ、若手に奮起を促すためのものであることを強調。「FACE Basta」は、KAGETORA、ベアー福田選手らの正規軍とHELL DEMONSによる二極対立を軸とした新展開でスタートすることとなりました。
※『バトルステーション ElDorado「THE WONDER YEARS」8・15後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.09.15放映
【「グレーテストゴールデンリーグ」全試合結果】
※リーグ戦はすべて30分1本勝負。各ブロック上位2選手ずつによる決勝トーナメントを行う。
勝ち=2点、引き分け=1点、負け&両者リングアウト=0点。
リーグ戦各ブロック結果
《Aブロック》 近藤修司(勝ち点5=同率1位)、菅原拓也(同4)、飯伏幸太(同4)、KAGETORA(同5=同率1位)、バラモンシュウ(同2)
5・30新宿 菅原(26分13秒 十三不塔→片エビ固め)KAGETORA
6・13新宿 KAGETORA(12分42秒 一騎当千→エビ固め)シュウ
飯伏(19分30秒 ドラゴンスープレックスホールド)近藤
6・23新宿 近藤(8分54秒 キングコング・ラリアット→エビ固め)シュウ
飯伏(20分16秒 フェニックス・スプラッシュ→片エビ固め)菅原
6・25後楽園 近藤(22分26秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)菅原
7・11新宿 菅原(7分47秒 旗包み式スモールパッケージホールド)シュウ
KAGETORA(27分45秒 乾坤一擲→エビ固め)飯伏
7・24新宿 シュウ(10分32秒 スクールボーイ)飯伏
近藤(時間切れ引き分け)KAGETORA
《Bブロック》 マグニチュード岸和田(勝ち点8=1位)、大鷲透(同6=2位)、"brother"YASSHI(同2)、大柳錦也(同0)、ベアー福田(同4)
5・30新宿 福田(8分48秒 ファイナルフラッシュ→片エビ固め)大柳
大鷲(14分19秒 パワーボム→エビ固め)YASSHI
6・13新宿 福田(9分59秒 ラリアット→片エビ固め)YASSHI
岸和田(11分3秒 ダイビングボディプレス→体固め)大柳
6・23新宿 大鷲(11分38秒 パワーボム→エビ固め)大柳
岸和田(12分17秒 ラストライド→体固め)福田
6・25後楽園 岸和田(16分52秒 ラストライド→体固め)大鷲
7・11新宿 岸和田(16分4秒 ラストライド→体固め)YASSHI
7・24新宿 YASSHI(11分51秒 ラ・マヒストラル)大柳
大鷲(14分55秒 パワーボム→エビ固め)福田
8・15後楽園
決勝トーナメント準決勝(時間無制限1本勝負)
岸和田(Bブロック1位)(13分26秒 ラストライド→体固め)KAGETORA(Aブロック同率1位)
近藤(Aブロック同率1位)(15分8秒 キングコング・ラリアット→エビ固め)大鷲(Bブロック2位)
優勝決定戦(時間無制限1本勝負)
近藤(Aブロック同率1位)(18分30秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)岸和田(Bブロック1位)
876
※『ALL JAPAN B-Banquet #196』(GAORA)'08.09.20放映(ダイジェスト)
878・879 闘龍門8期生全員集合
8月15日に「ElDoradoと一線を引く」として、今後の新宿定期戦「FACE Basta」への不参加を表明した悪冠一色勢。この時点でElDoradoの今後の日程がFACE Bastaと11月の「プロレス大感謝祭」しか決まっておらず、ドッティとYASSHI選手は11月の大感謝祭の欠場が決まっているため、発表以前に決定していた前日の清水とこの日の名古屋の2大会が当面最後のElDoradoマット参戦となりました。
この8月に、高木選手の参戦で久々に5人揃った悪冠一色のこの日は、大鷲&YASSHI、ドッティ&菅原&高木と、闘龍門の7期生コンビ・8期生トリオにチームを分割。8期生トリオはHELL DEMONSと対戦したものの、短時間による反則決着でメインは台無しに。そこへ、この日の第2試合に豪選手と対戦し、やはりHELL DEMONS勢の乱入で不透明決着(無効試合)となっていたゲスト参戦のムルシエラゴ選手が救出に駆けつけ、4vs4で再試合を行うことに。
ムルシエラゴ選手は闘龍門Xで「ロス・カーロス・エクソティコス」としてベルリネッタボクサー選手(正体は高木選手)とともに活躍しており、期別では8期生。一緒にメキシコに渡ったものの、ケガのため一時帰国してデビューが遅れてしまい、闘龍門Xと絡むことのなかったドッティにとって、彼と同じリングに立ったのは初めて。試合後には菅原選手がマイクを握り、リング下で試合を見守っていた同じく8期生のJUNリングアナも呼び込んで、闘龍門8期生からプロになった5人全員が初めて同じ会場のリング上で一堂に会した夜となりました。
884 「PREMIUM」初参戦/高岩選手と初対決
「マット界の大同団結」の呼び声で蝶野正洋選手がプロデューサーとなり、新日本マットでは実現できないマッチメイクを打ち出した特別興行「PREMIUM」。第3弾となるこの大会では、Jrの大御所である獣神サンダー・ライガー選手がプロデュースした3試合がラインナップ。かつて団体横断で開催された「SUPER-J CUP」の将来的な復活を見据えたものとして、各団体からJr戦士が集い、プチ・オールスター戦の様相を呈しました。ドッティが出場した試合は「PREMIUM. SUPER-J -乱脈 ran-myaku-」とのサブタイトルが付いており、Jrの中でも格段にパワフルな4選手による対決に。「パワーを売り物にするJr戦士」の草分けとも呼べるZERO1 MAXの高岩選手とはこれが初対決となりました。また、ドッティは試合前のコメントで「ライガーも味方とは思っていない」と語っており、ライガー選手がヒール軍団C.T.U.を率いていた2007年1月4日ドームと2月18日両国では同じコーナーに立ったものの、C.T.U.分裂〜レジェンド軍結成の時期に当たる2007年3月18日尼崎と、2008年1月4日ドームでは敵対しており、友好ムードはまったくなし。岸和田選手は言わずと知れた敵対関係にあることから、緊張感あふれる闘い模様となりました。
試合では、ライガー選手と不協和音が生じることはなかったものの、連係することもなし。高岩選手との絡みでは、ザ★オリジナルを見舞い、腕ひしぎ十字固めを決められ、ラリアットは相打ちと、見せ場を作りました。
※『バトルステーション PREMIUM実行委員会/蝶野正洋プロデュース「PREMIUM(第3弾)」2008.8.30後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.09.15放映
885
※『SKY Perfec TV! LIVE SPECIAL 全日本プロレス「8.31 プロレスLOVE in 両国 Vol.5」』(Ch.162)'08.08.31放映
※『全日本プロレススペシャル「8.31プロレスLOVE in 両国 Vol.5」』(GAORA)'08.10.14放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「プロレスLOVE in 両国 Vol.5」2008.8.31両国国技館・前編』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.10.31放映
886
※『ALL JAPAN B-Banquet #197』(GAORA)'08.09.27放映(ダイジェスト)
890
※『バトルステーション 全日本プロレス「FLASHING TOUR 2008」9・20博多スターレーン』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.09.24放映
895 新世界Jr王者・丸藤選手に宣戦布告!そして…
デビューから半年を全日本で過ごしたNOAHの丸藤正道選手が約10年振りの里帰り参戦。高校時代の1年先輩でもある土方選手が保持する世界Jr王座に挑戦し、ベルトを奪取しました。王座流出の事態に、全日本Jr戦線を彩る選手たちがリングを取り囲み、挑戦をアピール。その中に、YASSHI選手と並んでドッティもいたのですが…。
※『ALL JAPAN B-Banquet #199・200』(GAORA)'08.11.01・15放映(#199:世界Jr戦の試合後/#200:大和戦ダイジェスト)
番外 全日本プロレス入団会見
9月29日、九段下の全日本事務所で行われた記者会見で、ドッティの全日本プロレス入団が発表されました。前日の横浜大会で、自身も1年5ヵ月にわたり保持していた世界Jr王座の他団体流出を受け、レギュラー参戦からすでに3年半を過ごしている全日本の一員として、奪回を目指すことを決意。横浜大会の会場で入団を直訴し、その場で了承を得て、武藤社長・渕取締役同席のもと、この日の発表となりました(正式入団は10月1日付)。これまでの全日本参戦の歩みはそのまま、ブードゥー・マーダーズとの歩みに重なるわけですが、記者との質疑の中でドッティは「(全日本入団についてVDMのメンバーには)話をしていない」と、自分ひとりで出した決断であったことを告白。思えば前シリーズは仲間と離れてのシングルマッチがいつになく多く、闘いの姿勢を見つめ直すことで、次第にその先のステップへ向かう気持ちが芽生えてきたのかもしれません。
なお、記者会見の席上ではElDoradoをすでに退団していたことが明らかとなりました。「悩み抜いた末の結論だが、最終的に藤永さんに背中を押してもらった」と、藤永オーナーが快く送り出してくれたことへの感謝のコメントも。奇しくもこの日に行われたElDorado新宿大会(「FACE Basta Vol.8」)で、藤永オーナーがドッティの退団を報告しています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #201』(GAORA)'08.11.22放映(記者会見)
896 台湾で「模範試合」
11月16日の台湾・台北ドーム興行のプロモーションのため、参戦予定の数選手が渡台。ドッティも同行し、現地での記者会見の席上でカズ・ハヤシ選手と「模範試合」で対戦。「30分1本勝負」と銘打たれたことで、顔見せ的なエキシビションマッチではなく、全日Jr最高峰のハイレベルな闘いを披露して、全日本所属選手としての初仕事となりました。試合はVDMが乱入してノーコンテストとなりましたが、この行動は台北ドーム大会に向けたアピールの性格が強く、離脱を宣言したドッティに対する意思表示は、次期シリーズ開幕戦まで持ち越しとなっています。
897 VDMとの決別マッチ
9月29日の全日入団会見の席上で「もう(この先VDMの中で)やることがない」と活動の限界を示唆し、VDM離脱を表明したドッティ。団体側では「踏み絵」として、入れ替わりの激しいVDMにおいて不変と思われた基本トリオだったTARU&YASSHI両選手とのタッグマッチを用意。パートナーには全日Jr2トップの初タッグ結成となるカズ・ハヤシ選手と、何かと注目度の高い試合となりました。
VDMでは、これまでに離れていった諏訪魔、小島両選手との離脱直後の試合では、両者ともに流血に追い込んで制裁を加えるラフファイトを仕掛けていましたが、今回は試合前にYASSHI選手が「壮行試合じゃ」とマイクしたように、凄惨な攻撃は見られず。コスチュームこそ変わっていないものの、赤の色を抜いた髪で登場したドッティも、TARU選手がハヤシ選手を襲った鉄パイプを身を挺して奪い取り、それを捨て去って生身で反撃するなど、VDMとの決別を体現。ハヤシ選手との連係でも、一度は誤爆を浴びたものの、トラースキックと後頭部ラリアットの合体技を披露するなど、団体所属初戦をいい形で終えることができました。
試合後にはハヤシ選手に促されて珍しくマイクを握り「全日本プロレスの近藤修司です」と挨拶。「奪われた世界ジュニアのベルトは…」と続けているところへ、丸藤選手を思わせるパンタロンに覆面姿の男が乱入し、トラースキックでドッティを襲撃。この怪覆面の正体は、これまでVDMがさんざんいじり倒してきた平井選手で、ドッティと入れ替わるようにまさかのVDM入り。事前に「面白いことが起きる」と予告していたTARU選手の「ブードゥーはこれからどこへ行くのでしょうか」という自虐的マイクに会場は爆笑し、入団マッチの余韻は完全に吹き飛ばされてしまいました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #201』(GAORA)'08.11.22放映
※『全日本プロレスマザー』(千葉テレビ)'09.02.13放映
番外 NOAH広島大会に来場
入団査定とも言えるVDMとの決別マッチを終えたドッティは、11月3日の両国大会での世界Jr挑戦が正式決定。王者丸藤選手は、10・25NOAH武道館大会で同門のKENTA選手との初防衛戦がすでに決定していることから、ドッティはその勝者に挑戦することに。その両者への宣戦布告をすべく、10・12四日市大会の翌日に行われた10・13NOAH「Autumn Navig.'08」広島グリーンアリーナ大会に単身乗り込み、特別リングサイドのチケットを購入して、セミとメインにそれぞれ出場した2選手の試合を観戦しています。なお、セミでのKENTA選手はブライアン・ダニエル選手の持つGHCジュニア王座を奪取したことから、10・25武道館大会ではダブルタイトル戦での開催が決定。60分フルタイムドローとなり、両者ともに初防衛に成功しています。
※『独占!NOAH情報 #38』(G+)'08.11.08放映
※『NOAH di コロッセオ #341』(G+)'08.11.18放映
906 丸藤正道選手と初対決 世界ジュニア王座奪回に失敗
10・25NOAH武道館大会の結果を受け、11・3両国大会への参戦が確定した丸藤選手と11・27に記者会見を行ったドッティは「死闘を見せる」とコメントし、団体を代表して王座奪回に挑む使命感とともに、10・25の丸藤・KENTA戦を上回る闘いへの意気込みを語りました。
ドッティと丸藤選手はこれまでタッグすら対戦がなく、まったくの初顔合わせでしたが、お互いの持ち技をかわす、切り返すほか、きっちりと受け切ることでダメージを最小限にとどめるなど、初対決の緊張感とスイング感が絶妙にミックスした試合を披露。奪回には失敗したものの、天才児と称される丸藤選手相手に戦前から高かった期待をさらに上回る好勝負を創り出し、のちにこの年のプロレス大賞で年間最高試合賞(ベストバウト)を獲得。自身のシングルマッチのブランド化を進めています。
なお、この日よりトランクスのファイアーモチーフや上腕・脚のヒラヒラはそのままに、コスチュームのカラーを一新。「濃紺地に黄」の組み合わせというこれまでに使ったことのない系統のカラーリングで、全日本所属選手としてのイメージチェンジを図っています。
※『SKY Perfec TV! LIVE SPECIAL 全日本プロレス「11.3 プロレスLOVE in 両国 Vol.6」』(Ch.162)'08.11.3放映
※『プロレスNOAH中継』(日本テレビ)'08.11.09放映(ダイジェスト)
※『全日本プロレスマザー「プロレスLOVE in 両国 Vol.6」スペシャル』(千葉テレビ)'08.11.22放映(ダイジェスト)
※『NOAH di コロッセオ #343』(G+)'08.12.01放映
※『独占!NOAH情報 #39』(G+)'08.12.21放映(ダイジェスト)
※『全日本プロレススペシャル「11.3プロレスLOVE in 両国 Vol.6」』(GAORA)'09.01.25放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「プロレスLOVE in 両国 Vol.6」2008.11.3両国国技館』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.02.06放映
907 全日本プロレス台湾遠征
地元人気歌手とのコラボレーションが功を奏し、横浜アリーナクラスの大会場の7割が埋まる盛況。オープニングマッチに登場したドッティは、あまりにも出来上がった観客のノリに驚いたと、帰国後の「S-ARENA」生出演(11月20日放送)で語っています。
※『バトルステーション 全日本プロレス「2008 プロレスLOVE in Taiwan」11・16台北ドーム』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.11.23放映
908 最強タッグ開幕・白星発進も諏訪魔選手が左眼を負傷
全日本プロレス入団時の『週刊プロレス』の取材に対し、世界Jr奪回以外の目標として「諏訪魔をもう一度押し上げてやりたい」と語っていたドッティ。かつてVDMの盟友として幾度となくタッグを組んだ両者が、ともに正規軍所属に立場を変えて、最強タッグに正式エントリーすることに。諏訪魔選手とはVDM時代の2007年秋にコンビ結成の機運が生まれ、最強タッグ出陣かと思われた時期がありましたがいつの間にか立ち消えになっており(諏訪魔選手は小島選手とのコンビで出場)、1年越しの実現となりました。
2008年の参加チームは、実績十分の天コジ、現世界タッグ王者のケアみのる組以外はすべて急造コンビという顔ぶれでしたが、その中では唯一優勝を狙えるチームとして新風を吹き込みました。
初戦の相手は、シングルでも幾度となく対戦している若手コンビ。危なげなく勝利を飾り白星発進となりましたが、「ランサルセで相手の体を渡された諏訪魔選手がジャーマン」の連係の際に諏訪魔選手が相手の体の下敷きになり左の眼球を負傷。総当たりで7チームと闘うリーグ戦の初戦から、大きなハンデを抱えてしまいました。
「2008世界最強タッグ決定リーグ戦」公式戦・諏訪魔&近藤修司組:1戦1勝(得点2)
※『バトルステーション 全日本プロレス「2008世界最強タッグ決定リーグ戦」11・22古河市古河体育館』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.11.30放映
910 最強タッグ第2戦・優勝候補筆頭の天コジを撃破
今シリーズ直前に行われていた新日本プロレスの「G1タッグリーグ戦」に優勝して、2大メジャーのタッグリーグ制覇を目指す小島&天山組とメインで激突。開幕戦で負傷した左眼を翌浜松大会でさらに悪化させた諏訪魔選手をかばうべく、ドッティがローンバトルで厳しい時間を耐え抜き、連係技の畳みかけでタイムアップ34秒前に劇的勝利。諏訪魔選手のラストライドをつないで、キングコングラリアット2連発でドッティが小島選手からフォールを取るという番狂わせを起こし、会場をヒートさせました。
「2008世界最強タッグ決定リーグ戦」公式戦・諏訪魔&近藤修司組:2戦2勝(得点4)
※『ALL JAPAN B-Banquet #204』(GAORA)'08.12.13放映
911 西村マジックに嵌りフルタイムドローも単独首位に
昭和の香り漂うクラシックレスリングを標榜する西村選手のペースに巻き込まれ、瞬く間に30分が過ぎ去って時間切れ引き分けに。それでも勝ち点を1つ加え、3戦負けなしの勝ち点5で暫定トップに立っています。
「2008世界最強タッグ決定リーグ戦」公式戦・諏訪魔&近藤修司組:3戦2勝1分(得点5)
912 世界タッグ王者組に公式戦初黒星
世界タッグ王座を保持する優勝候補・太陽ケア&鈴木みのる組と対戦。もう一方の優勝候補天コジを破っていることから、ここで勝利すれば決勝進出に大きく前進するとあって力が入りましたが、王者組の牙城を崩せず。暫定首位からも転落して、ここまで快調に飛ばしてきた勢いにブレーキがかかっています。
「2008世界最強タッグ決定リーグ戦」公式戦・諏訪魔&近藤修司組:4戦2勝1敗1分(得点5)
※『バトルステーション 全日本プロレス「2008世界最強タッグ決定リーグ戦」11・27名古屋国際会議場』(FIGHTING TV SAMURAI)'08.12.13放映
914
※『ALL JAPAN B-Banquet #206』(GAORA)'08.12.27放映
916 ブードゥータワーズに敗れ優勝戦進出に黄信号
07年の最強タッグでVDM入りしたゾディアック選手と、直後の新春シリーズでVDMを離脱した諏訪魔選手。9月28日横浜大会でVDM入りしたドーリング選手と、翌29日にVDMを脱退したドッティ。まさにVDMの新旧対決となりましたが、今大会でケア&みのる組、小島&天山組を撃破して勢いに乗る「ブードゥータワーズ」が、ヘイト選手の消火器攻撃のアシストもあって勝利。12月2日発売の東京スポーツで「連敗阻止のため、VDM時代の悪党ファイトも辞さない」と語っていたドッティでしたが、スワコンの失速は防げず。残り2戦に全勝しても他チームの結果次第では優勝戦進出がかなわない状況に追い込まれました。
「2008世界最強タッグ決定リーグ戦」公式戦・諏訪魔&近藤修司組:5戦2勝2敗1分(得点5)
917 VDMに勝利して首の皮1枚残す
一昨日の松阪大会でヘイト選手の消火器攻撃のために一敗地にまみれた諏訪魔選手がリベンジに燃え、得点2を獲得。最終戦に望みをつないでいます。
「2008世界最強タッグ決定リーグ戦」公式戦・諏訪魔&近藤修司組:6戦3勝2敗1分(得点7)
918 同率1位で優勝戦進出決定
11月3日両国大会でデビューして、タッグマッチ未経験で最強タッグにエントリーした大相撲出身の驚異の新人・浜選手と初対戦。タックルに行っても簡単に吹っ飛ばされるなど、体重191kgの巨体に手を焼きましたが、連続10発以上のラリアット弾を交互に叩き込んだスワコンがリーグ最終戦を勝利。この日、TARU組の策にはまり場外無得点試合で勝ち点8から上乗せ出来なかったケア&みのる組を上回り、逆転で優勝戦切符を獲得。続くメインで勝ち星を積み上げた天コジとの間で決勝を闘うこととなりました。
「2008世界最強タッグ決定リーグ戦」公式戦・諏訪魔&近藤修司組:7戦4勝2敗1分(得点9)〜全日程終了〜
919 最強タッグ準優勝
優勝戦にふさわしい一進一退の攻防となるも、コンビネーションに一日の長がある小島&天山組が勝利。闘いは公式リーグ戦と同じ30分近くに及びましたが、リーグ戦で不覚を取った小島選手がきっちりドッティにリベンジし、2年振りの優勝を飾りました。一方、諏訪魔&近藤組は敗れはしたものの、コンビ結成1シリーズ目にして早くも「スワコン」の呼び名が定着。全日マットの新しい風景を創り出すことに成功して、世界タッグ王座の有力コンテンダーとしてのポジションを獲得しました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #208』(GAORA)'09.01.17放映
【「2008 世界最強タッグ決定リーグ戦」全試合結果】
※リーグ戦はすべて30分1本勝負。上位2チームが優勝決定戦を行う。
勝ち=2点、引き分け=1点、負け&両者リングアウト=0点。
参加チームと勝ち点
武藤敬司 & 浜亮太(勝ち点6)
小島聡 & 天山広吉(勝ち点9=同率1位)
諏訪魔 & 近藤修司(勝ち点9=同率1位)
西村修 & カズ・ハヤシ(勝ち点6)
真田聖也 & 征矢学(勝ち点4)
太陽ケア & 鈴木みのる(勝ち点8)
TARU & ヘイト(勝ち点4)
ゾディアック & ジョー・ドーリング(勝ち点8)
11・22古河
○諏訪魔組(2) vs 真田組(0)●
諏訪魔(17分23秒 ラストライド→体固め)真田
○ゾディアック組(2) vs (0)ケア組●
ドーリング(20分3秒 レボリューションボム→エビ固め)ケア
○小島組(2) vs 武藤組(0)●
小島(23分17秒 ラリアット→片エビ固め)浜
11・23浜松
○西村組(2) vs ゾディアック組(2)●
西村(20分31秒 逆さ押さえ込み)ゾディアック
○ケア組(2) vs 真田組(0)●
ケア(14分7秒 TKO34th→片エビ固め)征矢
11・24後楽園
○TARU組(2) vs 西村組(2)●
ヘイト(17分31秒 横入り式エビ固め)ハヤシ
○ケア組(4) vs 武藤組(0)●
鈴木(20分27秒 ゴッチ式パイルドラバー→体固め)浜
○諏訪魔組(4) vs 小島組(2)●
近藤(29分26秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)小島
11・25清水
○ゾディアック組(4) vs TARU組(2)●
ゾディアック(9分25秒 TKO)TARU ※セコンドのタオル投入
△西村組(3) vs 諏訪魔組(5)△
(時間切れ引き分け)
11・27名古屋
○小島組(4) vs 真田組(0)●
天山(15分39秒 TTD→体固め)真田
○武藤組(2) vs TARU組(2)●
武藤(12分47秒 シャイニング・ウィザード→体固め)TARU
○ケア組(6) vs 諏訪魔組(5)●
ケア(20分38秒 TKO→片エビ固め)近藤
11・28富山
○ゾディアック組(6) vs 小島組(4)●
ドーリング(14分24秒 ラリアット→エビ固め)天山
○武藤組(4) vs 西村組(3)●
浜(20分7秒 ランニングボディプレス→片エビ固め)ハヤシ
11・29大阪
○西村組(5) vs 真田組(0)●
ハヤシ(21分5秒 片エビ固め)真田
○武藤組(6) vs ゾディアック組(6)●
武藤(14分2秒 フランケンシュタイナー)ドーリング
△小島組(5) vs ケア組(7)△
(時間切れ引き分け)
11・30倉敷
○小島組(7) vs TARU組(2)●
小島(14分30秒 ラリアット→片エビ固め)TARU
△西村組(6) vs ケア組(8)△
(時間切れ引き分け)
12・2松阪
○TARU組(4) vs 真田組(0)●
TARU(13分30秒 TARUドリラー→体固め)真田
○ゾディアック組(8) vs 諏訪魔組(5)●
ドーリング(12分40秒 レボリューションボム→エビ固め)諏訪魔
12・4福井
○諏訪魔組(7) vs TARU組(4)●
諏訪魔(14分24秒 岩石落とし固め)TARU
○真田組(2) vs 武藤組(6)●
真田(18分47秒 ジャックナイフ式エビ固め)浜
12・6三条
○真田組(4) vs ゾディアック組(8)●
真田組(不戦勝)ゾディアック組 ※ゾディアック急性腹膜炎発症のため
▲ケア組(8) vs TARU組(4)▲
(18分4秒 両軍リングアウト)
○諏訪魔組(9) vs 武藤組(6)●
諏訪魔(17分5秒 バックドロップ→体固め)浜
○小島組(9) vs 西村組(6)●
天山(21分48秒 アナコンダバイス)ハヤシ
12・8広島
優勝決定戦(時間無制限1本勝負)
○小島組(リーグ戦同率1位) vs 諏訪魔組(リーグ戦同率1位)●
小島(28分36秒 ラリアット→片エビ固め)近藤
番外 「11・3全日本・丸藤vs近藤戦」が「2008プロレス大賞」年間最高試合賞(ベストバウト)獲得
12月9日、「2008年プロレス大賞」の選考が行われ、翌日の各スポーツ紙上で受賞者を発表。11月3日に両国で行われた世界Jr戦(906参照)が、年間最高試合賞(ベストバウト)に選出されました。ノミネートされたのは「1.4新日本・永田vsアングル戦(初回7票・再投票11票・決選投票12票)」「4.27新日本・中邑vs武藤戦(初回6票・再投票5票)」「4.9全日本・諏訪魔vs棚橋戦(初回4票)」「8.30NOAH・中嶋&飯伏vsKENTA&石森戦(初回2票)」「07.12.31やれんのか・ヒョードルvsホンマン戦(初回2票)」と本戦でしたが、初回10票・再投票15票・決選投票19票と候補が絞られるごとに票を上乗せして、専門誌紙記者・評論家計31名の過半数を獲得しました。この年のノミネートの特長はすべてが団体対抗戦でいずれ劣らぬ激戦でしたが、受賞試合は選考日の前月の開催で、審査員の印象が格段にフレッシュだったのも追い風となりました。
また、Jr同士の試合は2006年の「丸藤vsKENTA」戦が受賞していますが、この試合はGHCヘビー級戦。ジュニアヘビー級戦としての受賞は初で、セミファイナルで行われた試合での受賞や、タッグでの前哨戦すらないまったくの初対決カードが受賞したのもおそらく初。錚々たる名勝負が並ぶ歴代受賞試合の中でも、かなり異例なカードの受賞となりました。もちろん、闘龍門出身者として初めてのベストバウト獲得であるとともに、メジャー団体でデビューしていない選手の同賞受賞も初で、いろいろな意味で風穴をあけることに。
この日のドッティは、前日に最強タッグ決勝の広島で長いロードを終え、ようやく帰宅したばかり。朗報を受けてすぐに全日本事務所に赴いて受賞記者会見を行い、「いちばん欲しい賞だったので光栄です」とコメントしています。なお、MVP、ベストバウト、最優秀タッグの主要3部門すべてに全日本の選手が絡んでおり、「全日本躍進」を印象づけたこの年のプロレス大賞となりました。
第35回東京スポーツ新聞社制定「2008年度プロレス大賞」(選手名敬称略)
・最優秀選手賞 :武藤敬司(全日本)
・年間最高試合賞:全日本11.3両国国技館大会 世界ジュニアヘビー級選手権試合 〈王者〉丸藤正道(NOAH) vs 〈挑戦者〉近藤修司(全日本)
・最優秀タッグ賞:太陽ケア(全日本)&鈴木みのる(パンクラスMISSION)組
・殊勲賞 :佐々木健介(健介オフィス)
・敢闘賞 :田中将斗(ZERO1-MAX)
・技能賞 :鷹木信悟(DRAGON GATE)
・新人賞 :澤田敦士(小川道場)
・功労賞 :故グレート草津さん
表彰式は12月17日、赤坂プリンスホテルにて行われました。
920 2008全日本最終試合で諏訪魔選手と初の一騎打ち
最強タッグを終えた全日本は、「ファン感謝デー」が年内最後の興行。そのメイン即ち年内最終試合として、諏訪魔vs近藤戦がラインナップ。カード自体は最強タッグの閉幕を待たずに発表されていましたが、最強タッグは準優勝に終わり、スワコンの来年以降の結束に向け、闘うことで確かめ合う格好となりました。
戦前から「前三冠王者にどこまで通用するのか、試金石となる」と語っていたドッティは、ザ★オリジナルやKUBINAGE、ランサルセ、カナディアン・パイルドライバー、雪崩式ココナッツクラッシュなど、日頃とまったく変わらない「ジュニアらしからぬパワフルファイト」をそのままぶつける実験を敢行。しかし、技が決まりこそすれ、120kgの諏訪魔選手に繰り出すのは通常より消耗が激しく、諏訪魔選手の「ヘビー級のパワフルファイト」の前に力尽きてしまいました。
なお、ドッティは昨年暮れのファン感謝デーもメインのタッグマッチに出場しており、2年連続の全日本年内最終試合への出場となっています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #210』(GAORA)'09.01.31放映
921 カスイチで仕事納め
2008年2月まで月1回開催されたイベント興行「新宿カス野郎プロレス・カスイチ」が水道橋に舞台を移し、スペシャルイベントとして行われました。メインでは、この大会でレギュラーを務めるTARU選手と旧悪冠一色メンバーが二手に分かれ、それぞれ助っ人を招いての6人タッグ戦で激突。菅原選手が参戦するZERO1ラインから呼び込んだ田中将斗選手はカスイチ初参戦で、ドッティにとっては初対決。100kgを割る体格ながら、ビルドアップされた肉体でヘビー級として活躍する田中選手を格好の相手と見込んだのか、隙あらばと突っかかっていくシーンが多く、因縁が生まれた模様。それぞれの所属団体間の交流がないため今後対戦する機会に恵まれるかどうかまったくわかりませんが、シングル対戦が望まれる初顔合わせとなりました。
試合後、ElDoradoの活動停止が決まったことを受け、大鷲選手とドッティが藤永代表をリングに呼び寄せて、マイク。ドッティは「今だから話せますが、全日入団の後押しをしてくれたのは藤永さん。彼がいなかったら今の自分はなかった」と、ElDoradoを退団してまで実現にこぎつけた世界Jr王座挑戦が年間ベストバウトをもたらしたことへの感謝を伝え、ElDoradoに惜別。今後ElDoradoメンバーは一部はソウルコネクションにマネージメントを委託して活動し、一部は完全フリーとしてソウルコネクションのルート以外での活動を行うこととなりました。
なお、この日の全対戦カードは以下の通りです。
(1)1/30 〈UWAトリオ王座決定トーナメント1回戦〉MEN'Sテイオー & 男色ディーノ & 佐藤悠己 vs ベアー福田 & 豪 & スパーク青木
(2)1/30 〈UWAトリオ王座決定トーナメント1回戦〉フランチェスコ・トーゴー & PIZAみちのく & アントーニオ本多 vs NOSAWA論外 & MAZADA & TAKEMURA
(3)1/30 〈3WAYタッグマッチ〉嵐 & 長井満也 vs ポイズン澤田JULIE & MIKAMI vs ツトム・オースギ & ヘラクレス千賀
(4)1/30 〈スペシャルシングルマッチ〉ランジェリー武藤 vs ザ・グレート・サスケ
(5)1/30 〈スペシャルタッグマッチ〉鈴木みのる & 高山善廣 vs バラモンシュウ & バラモンケイ
(6)1/10 〈特別試合〉"brother"YASSHI vs ウルティモ・ドラゴン(セコンド:SUWA)
(7)1/無 〈UWAトリオ王座決定トーナメント決勝戦〉フランチェスコ・トーゴー & PIZAみちのく & アントーニオ本多 vs MEN'Sテイオー & 男色ディーノ & 佐藤悠己
(8)1/60 〈カスイチスペシャルタッグマッチ〉大鷲透 & 近藤修司 & 関本大介 vs TARU & 菅原拓也 & 田中将斗
レフェリーは姉崎吾郎・ニード手島の両名、リングアナウンサーは田中秀和氏でした。
ドッティはこの試合で2008年の仕事納め。2008年は全日本が87興行(全107興行中)+台湾でのプロモーションで1試合、ElDorado22興行、大日本&ElDorado合同が3興行、カスイチ3興行、大鷲プロレスに参戦。他団体は新日本系が2興行(本体、PREMIUM)、大日本(プロレス大感謝祭)1興行に参戦しました。