試合の背景並びにTV放映データなどを記録した、管理人によるコラムです。
922 2009年初試合
全日所属選手として初めて迎える正月シリーズは通算4回目。試合前にはお揃いの黒のジャージに身を包んでの所属全選手によるサインボール投げに参加しました。
2009年の初試合は、第80代王者組(佐々木健介&中嶋勝彦組)の返上以来空位となっていたアジアタッグ王座の復活トーナメント。YASSHI選手と組んで先々代の王者だったドッティは、デビュー2ヵ月の驚異の新人・浜選手とのコンビで出陣。試合は浜選手の教育マッチの様相となり、ベルトを目指す闘いのムードは希薄。全日本の看板タッグベルトである世界タッグとの差別化のため、基本的にヘビーとジュニアのコンビでのエントリーとなり、浜選手とドッティのタッグは参加8チームの中でも屈指の即席感。ドッティ自身としてはすでに獲得経験のあるベルトということもあり、特別なテーマは見つけられないようでした。なお、2日間にわたって行われたトーナメントはGURENTAIの鈴木みのる&NOSAWA論外組が優勝。第81代王座に就いています。
※『全日本プロレススペシャル 2009新春シャイニングシリーズ開幕戦1.2後楽園ホール(生中継)』(GAORA)'09.01.02放映
【「第81代アジアタッグ王座決定トーナメント」全試合結果】
※試合はすべて時間無制限1本勝負。あらゆる引き分けはそのまま再試合を行い勝者組を決定。
トーナメント1回戦(1・2後楽園)
○渕正信&西村修組 vs 太陽ケア&MAZADA組●
渕(11分11秒 首固め)MAZADA
○鈴木みのる&NOSAWA論外組 vs ヘイト&"brother"YASSHI組●
鈴木(10分18秒 反則)YASSHI ※ヘイトのレフェリーへの消火器噴射により
○小島聡&KAI組 vs 諏訪魔&土方隆司組●
小島(17分10秒 ラリアット→体固め)土方
○武藤敬司&カズ・ハヤシ組 vs 近藤修司&浜亮太組●
武藤(16分52秒 シャイニング・ウィザード→体固め)浜
トーナメント準決勝(1・3後楽園)
○渕正信&西村修組 vs 小島聡&KAI組●
渕(17分40秒 首固め)KAI
○鈴木みのる&NOSAWA論外組 vs 武藤敬司&カズ・ハヤシ組●
NOSAWA(17分54秒 超高校級横回転エビ固め)ハヤシ
トーナメント決勝(1・3後楽園)
○鈴木みのる&NOSAWA論外組 vs 渕正信&西村修組●
鈴木(17分46秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め)渕
923・924 新春恒例Jrヘビー級バトルロイヤルでYASSHI選手が長期欠場を宣言
トーナメント1回戦敗退組を中心とした8人タッグに出場するも、他の選手と土方選手のリズムが合わずに敗戦。VDMから名指しで罵倒された土方選手は、バックステージでもパートナーと和解せず、不穏な動きを見せています。
恒例のJrヘビー級バトルロイヤルは初めてメインでの開催。ドッティはカズ選手と呼吸を合わせ、KAI&大和のF4コンビに狙いを絞るものの、同時にエビ固めに丸め込まれて返り討ちに遭い、早々に退場しています。
優勝は、2006年の初出場以来、2年振り3回目の勝ち残りという驚異的な勝率を叩き出したYASSHI選手。しかしマイクを握ったYASSHI選手は次期2月シリーズをもって、マット界からしばらく離脱することを発表。「次の後楽園(2月6日)で近藤修司とのシングルマッチを組め」と、昔の盟友との最後になるかもしれない一騎打ちを要求しています。
【賞金50万円争奪Jrヘビー級バトルロイヤル(11選手参加)結果】
●退場順と決まり手
NOSAWA論外(片エビ固め)渕正信 ※MAZADA、TAKEMURA、菊タロー、KAI、大和ヒロシ、近藤修司、カズ・ハヤシもプレス
"brother"YASSHI(近藤のラリアット誤爆→体固め)土方隆司 ※NOSAWA論外、MAZADA、TAKEMURA、大和ヒロシもプレス
KAI(回転エビ固め)近藤修司 ※カズ・ハヤシと同時カウント
大和ヒロシ(回転エビ固め)カズ・ハヤシ ※近藤修司と同時カウント
KAI(オーバーザトップロープ)MAZADA ※エプロンに踏みとどまったMAZADAへ、TAKEMURAの誤爆を誘い叩き落とす
大和ヒロシ(セントーン→体固め)TAKEMURA ※KAI、菊タローもプレス
KAI(体固め)NOSAWA論外 ※大和ヒロシ、菊タロー、"brother"YASSHIとの4者同時低空ドロップキックから
菊タロー(シャイニング・ウィザード→体固め)大和ヒロシ ※KAIもプレス
"brother"YASSHI(スクールボーイ)KAI
"brother"YASSHI(9分38秒 エビ固め)菊タロー ※菊タローがボンバー斉藤レフェリーにスモールパッケージホールドを誤爆→"brother"YASSHIが斉藤レフェリーごとひっくり返し、和田京平サブレフェリーがカウント3
《優勝》"brother"YASSHI
※優勝賞金50万円を獲得
※『バトステ・NEARライブ!全日本プロレス「2009新春シャイニングシリーズ」1・3後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.01.03放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「2009新春シャイニングシリーズ」1・3後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.01.21放映
928
※『ALL JAPAN B-Banquet #211』(GAORA)'09.02.07放映
※『全日本プロレスマザー』(千葉テレビ)'09.03.27放映
929・930
【トン さかなっつハイ!争奪バトルロイヤル(18選手参加)結果】
●退場順
1.真田聖也 2.TARU 3.ヘイト 4.土方隆司 5.武藤敬司 6&7.渕正信&西村修 8.近藤修司 9.征矢学 10.男盛 11.大和ヒロシ 12.KAI 13.諏訪魔 14.浜亮太 15.荒谷望誉 16.小島聡
カズ・ハヤシ(10分40秒 首固め)菊タロー
《優勝》カズ・ハヤシ
※『ALL JAPAN B-Banquet #214』(GAORA)'09.03.14放映
番外 池上本門寺で豆まき
日本マット界の創始者・力道山の眠る墓があり、昭和52年にジャンボ鶴田選手がお墓参りを兼ねて節分会に参加したことが縁となり、毎年の「節分追儺式(ついなしき)」に多くのプロレスラーが参列する池上本門寺。全日本からは武藤敬司社長とともにドッティが初参加し、NOAHの小橋建太、新日本の棚橋弘至、佐々木健介、鈴木みのる、高山善廣選手らの各団体トップレスラーや輪島大士氏、みのもんた氏らと並んで、裃姿で豆まきを行いました。
なお、豆まきに同席した世界Jr王者の丸藤正道選手が「2月6日カズ・ハヤシ選手相手に防衛成功したら以後全日本選手の挑戦は受けず他団体に門戸開放する」と宣言したことを聞きつけたドッティは、丸藤選手や久々に対面した中嶋勝彦選手の前で「だったら俺は健介オフィスに1日だけ入団してベルトに挑戦してやる」という珍プラン「空白の1日作戦」を披露していました(『東京スポーツ』2月4日発売号掲載)。
931 YASSHI選手と最後の一騎打ち / 「チーム・ディストラクション」世界タッグ挑戦表明で始動
1月3日後楽園でのJrヘビー級バトルロイヤルでのYASSHI選手の要望が受け入れられ、「"brother"YASSHI東京ファイナルマッチ」として近ブラ最後の一騎打ちがマッチメーク。休憩前の試合ながら、和田京平チーフレフェリーが試合を裁きました。なお、ElDoradoで実現した唯一の一騎打ち(2007年8月9日後楽園。「score2007」740参照)では「南京"Fuck'n"レスリング部」の辻本恭史選手としての出場のため、近ブラとしては実は最初で最後の一騎打ちでした。
全日本マットでは初となる、自作のラップを歌いながらの入場(「ファン感謝デー」で試合せずにラッパーとして歌を披露した経験はあり)でサービスしたYASSHI選手に、観客も4年間全日本マットで闘い抜いた"愛すべきヒール"に大コールを送るなど、惜別感いっぱい。そんな中、ドッティはいつも通りにことさら感情を出さずに闘い、1月19日発売号の『東京スポーツ』で予告した通りの渾身の首折り弾連発でYASSHI選手を「介錯」しましたが、通常の片エビ固めではなく、きっちりと覆い被さっての体固めでカウント3。闘龍門時代から続いた長年の盟友とのシングルマッチを味わいました。
また、ドッティはこの日、諏訪魔選手とのコンビ「チーム・ディストラクション」で世界タッグ王座挑戦をブチ上げ、太陽ケア選手とともに保持する鈴木みのる選手の試合後にリング上で宣戦布告。そこへ、ゾディアック&ジョー・ドーリングの「ブードゥータワーズ」に挑戦させたいVDMの総帥TARU選手が横槍を入れ、次期シリーズ「HOLD OUT TOUR 2009」開幕戦3・1後楽園大会で両チームによる挑戦者決定戦が行われることとなりました。
ユニット名の「チーム・ディストラクション」は、『東京スポーツ』1月16日発売号で諏訪魔選手が「近藤とのタッグチーム名を付けた」と発表したもの。諏訪魔選手のデビュー以来のイメージである「破壊」をキーワードに、全日本内部の秩序打破はもとより、団体の壁をも砕いて広くマット界で活躍したいという意思を込めた命名のようです。あくまで2人のチーム名のようですが、「GURENTAI」「F4」「VooDoo Murders」など確立したユニットが存在する全日本マットで、今後チーム・ディストラクションが賛同者を得て軍団に発展する可能性もあります。
なお、この日はメインでは初開催となる世界Jr戦が行われ、全日本ジュニア最後の砦カズ・ハヤシ選手が大熱戦の末、丸藤選手からベルト奪還に成功。また、新日本を1月いっぱいで退団した稔選手が突如現れ、衝撃のVDM入りを果たすなど、ジュニア戦線が一気に活性化しています。
※『ALL JAPAN B-Banquet #215』(GAORA)'09.03.28放映
※『全日本プロレスマザー』(千葉テレビ)'09.04.14放映
935 「"brother"YASSHIファイナルマッチ」
YASSHI選手の長期休業前の最後の試合は、地元・京都大会でのメインイベント。パートナーはTARU選手、相手には諏訪魔選手&ドッティと、YASSHI選手に縁のある選手が名を連ねました。この日ばかりは現在のポジションを取っ払い敵味方も関係なく、攻める選手とコーナーに控える選手がYASSHI選手に檄を飛ばし続けながらYASSHI選手と最後のひとときを味わうという展開に。YASSHI選手はほとんど出ずっぱりで、彼の真骨頂である「受けの美学」を貫き、「ブラザー!」と叫びながら放ったドッティの首折り弾で「"brother"YASSHIファイナルマッチ」を全うしました。
ドッティは2・6後楽園での一騎打ちも含め、「いつも通りに試合するだけ」と、YASSHI選手に対する感情を見せまいと頑張っていましたが、カウント3後もしばらくは覆い被さった体勢のまま。その後の握手、抱擁でさすがに感極まった表情に。2001年2月にメキシコで初めて出逢い、2002年3月のイタリアン・コネクション結成以降、日本でのキャリアのほとんどをともに行動した盟友中の盟友にしばしの別れを告げました。
試合後、「ここの社長と一騎打ちがしたかった」とのYASSHI選手のあいさつに、コスチューム姿で現れた武藤選手が急遽シングルマッチを要求するボーナストラックが実現するサプライズも。引退とは明言していないことから10カウントゴングは鳴らされず、「辻本石材店の次男」はファンの大歓声の中、新たな人生に向けて歩み始めました。
ヒールでありながら憎めないキャラクターで多くのファンに愛されるという稀有なポジションを築き、闘龍門出身者の中でも群を抜く存在感を発揮したYASSHI選手。"修業"を終えた暁には、再びその勇姿を見せてくれることを願ってやみません。
※『バトルステーション 全日本プロレス「2009エキサイトシリーズ」2・15京都KBSホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.02.22放映
936 「チーム・ディストラクション」世界タッグ挑戦決定
ゾディアック&ジョー・ドーリングの「ブードゥータワーズ」との世界タッグ次期挑戦者組争奪マッチ。VDM総出でのセコンド介入をかいくぐった「チーム・ディストラクション」が、怒濤の畳み掛けで挑戦権を獲得。2週間後の両国でのタイトルマッチに駒を進めました。
試合後のバックステージで記者の質疑に応じたドッティは「俺がやられる。諏訪魔が攻める。ウチはこのパターン」とディストラクションの勝利の方程式を披露し、王者組との闘いもこの戦法を貫くことを明言。Jrの名コンビだった「近ブラ」におけるYASSHI選手の役回りを任じることでチーム力を上げ、世界タッグ戴冠、そしてその先にある他団体出陣を睨んでいるようです。
なお、そのディストラクションに対し、王者の鈴木みのる選手はこの日、自身が保持するもうひとつのベルト・アジアタッグ王座を防衛後のコメントで「諏訪魔と近藤のベルトに対する思いが、俺にもファンにも届いていない」とこきおろし、早くも心理戦がスタートしていました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #226』(GAORA)'09.07.27放映
939 世界タッグ前哨戦で諏訪魔選手が鈴木選手からピンフォール
世界タッグ王者太陽ケア選手がタイトル戦の両国しか参戦しないこのシリーズで、GURENTAIのもう1つの王者コンビ(アジアタッグ)・鈴木&NOSAWA組と対戦したディストラクション。タイトル戦に向け、GURENTAIが得意とする「ブラインドタッチ」(自軍コーナー近くにパートナーがロープワークで飛んできた際に背中をタッチしてピンチを回避する高等戦術)を完封。鈴木選手に攻撃を集中して、諏訪魔選手がピンフォール勝ちを挙げています。
その後、GURENTAIとディストラクションの闘いは両国まで続き、3月10日気仙沼大会で征矢選手とタッグを組んだ諏訪魔選手が鈴木選手のスリーパーホールドにわずか30秒でレフェリーストップ負け。両国前最後の1戦となった3月11日八戸大会では試合後に太陽ケア選手が突然現れ、ディストラクションと乱闘を展開と、タイトルマッチに向けた因縁がこの上なく高まりました。
※『バトルステーション 全日本プロレス「HOLD OUT TOUR 2009」3・8館林市民体育館』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.03.13放映
942 世界タッグ王座獲得失敗
チーム・ディストラクションのタイトル初挑戦となった一戦でしたが、諏訪魔選手の鈴木みのる選手に対する意識が強すぎ、ドッティのピンチにもカットそっちのけで鈴木選手に向かっていくなどで、ドッティがローンバトルを強いられる苦しい展開。前哨戦では成功していた「ブラインドタッチ封じ」も、ケア&みのるの正コンビ相手には通用せず、ディストラクションはいいところなく完敗。「俺が受けまくって諏訪魔が決める」の役割分担はともかく、チームプレイの基本戦略の練り直しを迫られました。
※『SKY Perfec TV! LIVE SPECIAL 全日本プロレス「3.14 プロレスLOVE in 両国 Vol.7」』(Ch.162)'09.03.14放映
※『全日本プロレスマザー』(千葉テレビ)'09.06.16放映
※『全日本プロレススペシャル「3.14プロレスLOVE in 両国 Vol.7」』(GAORA)'09.08.05放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「プロレスLOVE in 両国 Vol.7」2009.3.14両国国技館』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.08.22放映
943 稔選手と全日マット初対戦
春の祭典チャンピオン・カーニバルが開幕し、2009年は2ブロック各6選手による総当たりリーグ戦ということで、予選の5大会すべての会場で6試合のシングル戦が行われることに。このためその他の試合は1つしか組まれず、すべて「近藤&若手2名 vs VDMジャパン軍」との6人タッグに。実にシリーズ6戦中5戦で同じ相手と対戦という珍しいカードになりました。
この日のドッティは、全日本マットでは初対決となった稔選手(2006年10月8日新日本・WRESTLELANDで「田中」選手として対戦経験あり〜score2006・633参照)にロックオン。稔選手もドッティを挑発し、両者のライバル関係が正式にスタート。稔選手は後のインタビューでドッティについて「(参戦当初に発言した)"全日本マットで闘いたい5選手"のうちの1人」だったことを明かしています。
また、メンバーがJrの選手中心ということで、次期シリーズ「ジュニア・タッグリーグ戦」の前哨戦の様相に。エントリーが決まっているKAI&大和組は、対戦相手の稔&歳三組にはもちろんのこと、ハヤシ選手とのコンビで出場するドッティに対してもライバル心ありあり。試合中は無難に連係もこなしたものの、試合に敗れた大和選手を気遣うドッティをKAI選手が引き離し、宣戦布告。早くも心理戦がスタートしています。
※『全日本プロレススペシャル 2009チャンピオン・カーニバル開幕戦4.5後楽園ホール』(GAORA)'09.04.06放映
944
※『ALL JAPAN B-Banquet #217』(GAORA)'09.04.27放映(ダイジェスト)
945
※『ALL JAPAN B-Banquet #219』(GAORA)'09.05.04放映(ダイジェスト)
946
※『ALL JAPAN B-Banquet #221』(GAORA)'09.06.01放映(ダイジェスト)
947
※『ALL JAPAN B-Banquet #222』(GAORA)'09.06.15放映(ダイジェスト)
948 JCBホール初出場
2008年3月に開場した東京ドームシティ内のJCBホールで全日本プロレスが初興行。イベント興行としては2008年12月23日に「BAPE STA!!」で開催するもドッティは不参加だったため、同所での初試合となりました。JCBホールは後楽園ホールより収容人員が多く、不況の中でビッグマッチ会場に苦慮する各団体の利用が見込まれていましたが、コンサート使用を基本とした作りのため、イスが固定式であること(場外乱闘がかなり制限される)や歓声が吸収されてしまう構造などプロレスに不向きな点が多く、プロレス会場の新聖地とはなりえないようです。
※『全日本プロレススペシャル 2009チャンピオン・カーニバル優勝決定戦4.12JCBホール(生中継)』(GAORA)'09.04.12放映
949 2009ジュニア・タッグリーグ戦開幕 「TEAM 246」黒星発進
3.14両国大会で稔選手の挑戦を退けた世界Jr王者カズ・ハヤシ選手のもとにJr戦士が集結(ドッティは直後の世界タッグ挑戦のため姿を見せず)する中、ジュニア・タッグリーグ戦の初代(2006年)優勝チームのNOSAWA論外選手が開催を提唱し、実現に至った今年のリーグ戦。試合後のインタビューでパートナーについて言及したハヤシ選手は「プロレス観が同じ選手を自分から指名する」と語り、のちに指名されたのはドッティ。現在の全日ジュニアのフォーマットを作った2人が組むことで「全日ジュニアの進化形を作る。付いて来られない選手は置いていく」(ハヤシ選手)と、リーグ戦の星取りうんぬんよりも大局的な視点からエントリーしたことを感じさせました。とは言え、新旧世界Jr王者コンビとして大本命コンビであることに変わりなく、どちらを狙っても容易に1本が取れない、半ば反則と言えるチーム編成。参加する他のメンバーがこの2人とどうやって対峙するのかが、リーグ戦の焦点のひとつとなりました。
なお、このコンビが開幕直前の4月15日に記者会見を行い、「TEAM 246」というユニット名を付けたことを発表。2人の仲を取り持ったのはドッティと「チーム・ディストラクション」を組んでいる諏訪魔選手で、名付け親であるばかりか揃いのTシャツまで用意する周到さ。当初はリーグ戦用の即席コンビと見られていましたが、「カズさんと組むということは他団体も意識するということ。ノアや新日本など、このコンビで(業界全体の)ジュニアを面白くしていきたい」(ドッティ)と、リーグ戦のみならずその後もタッグチームとして活動することを示唆しました。ちなみに「246(にーよんろく)」とは国道246号線のことで、東京では青山から三軒茶屋(会見が行われた三宿もこの近く)などの世田谷を貫く主要道路。終点は静岡県沼津市であることから、東京出身のハヤシ選手と静岡出身のドッティにふさわしく(『東京スポーツ』2009年4月16日発売号)、ともに246号線に親しみを持っていることから「246から世界に向けて発信していく」(「スポーツナビ」2009年4月15日の記事より)ためのネーミングであるそうです。
そんな「TEAM 246」の初戦の相手は初代優勝チームの東京愚連隊。プロレス頭コンビのTEAM 246は「2段式ドロップキック」(ドッティが腹へのドロップキックで相手の動きを止め、ハヤシ選手がすぐさま追い打ちを放ち、相手を吹っ飛ばす)や「ドッティのバックフリップ&ハヤシ選手のカッターの合体技」などのオリジナル連係を早くも披露しましたが、コンビネーションはやはり東京愚連隊が一枚上。MAZADA選手がドッティに正田デストロイを炸裂させて動きを止める間に、NOSAWA選手がハヤシ選手に"サムライGYM"看板で殴打。そこからMAZADA選手の正田落としでピンフォールを奪取。246は大事な初戦を落としてしまいました。
「Growin' Up 2009 ジュニア・タッグリーグ戦」公式戦・カズ・ハヤシ&近藤修司組:1戦0勝0分(得点0)
950 大ベテラン組相手にタイムアップドロー
まさかの黒星スタートとなった「TEAM 246」の第2戦の相手は大ベテランの渕&サムライ組。246は「正面からのソバット&後頭部ラリアットのサンドイッチ攻撃」などの合体技を繰り出しましたが、優勝への野望のない(ように見える)ベテランコンビの術中にはまり、フルタイムドロー。確実な加点を計算していたであろうチーム相手に得点1止まり。試合後にドッティは「負ける気はしないが勝てる気もしなかった。ベテランチームに引き分け狙われたらそうそう勝てない」と脱帽。246は2戦消化して勝ちなしと、早くも崖っぷちに追い込まれました。
「Growin' Up 2009 ジュニア・タッグリーグ戦」公式戦・カズ・ハヤシ&近藤修司組:2戦0勝1分(得点1)
953 TNAカナダ軍相手に危険な合体技「デンジャー246」初公開
2戦を終わって1敗1分けと大誤算のチーム246。立て直しを図るべく、19日群馬大会の帰路に「Mr.デンジャー」(デスマッチファイター・松永光弘選手経営のステーキハウス)でミーティングを行い、"超デンジャラス技"を開発。ハヤシ選手がリバース垂直ブレーンバスターを仕掛け、投げ切りかけたところで相手の腰をキャッチしたドッティのツームストーンパイルドライバーと合体させるもので、2人がかりで相手の脳天をマットに打ち付けるという技で、お店の名前とその危険度にちなみ「デンジャー246」と命名。この技でリーグ戦3戦目にしてようやく白星を手にして、流れを引き寄せています。
「Growin' Up 2009 ジュニア・タッグリーグ戦」公式戦・カズ・ハヤシ&近藤修司組:3戦1勝1分(得点3)
955 F4相手に貫禄の2勝目
全日の若手代表のF4コンビから貫禄の勝利。試合後には、1年前の逆上陸当初の勢いが影を潜めつつあるKAI&大和組に対して「いちばん頑張らなきゃいけないチーム」と苦言を呈しています。
TEAM 246はこれで得点5。全チームが最終日29日の後楽園での公式戦を残す中、東京愚連隊、VDMと並んでトップに立ち、優勝戦進出が狙えるポジションをキープできました。
「Growin' Up 2009 ジュニア・タッグリーグ戦」公式戦・カズ・ハヤシ&近藤修司組:4戦2勝1分(得点5)
956・957 大本命TEAM 246、優勝を逃す
全チーム残り1試合で迎えた最終戦。最初に組まれた公式戦で、勝てば望みがつながる得点4のKAI&大和組が敗れて脱落。続く試合で東京愚連隊が渕組に足を掬われ得点は5のまま。公式戦最終試合として行われた得点5同士のVDMとTEAM 246はそれぞれ、勝てば文句なし、敗れれば東京愚連隊との優勝戦進出決定戦に回るという構図で行われました。
試合はVDMの総帥TARU選手やヘイト選手がセコンドに付き、試合に介入して稔組をアシスト。ドッティは徹底的に左ヒザを狙われ、ハヤシ選手は歳三選手の凶器攻撃で流血に見舞われる苦しい展開に。必殺のデンジャー246に持ち込めぬままタイムアップとなり、両チーム得点1を上乗せ。この結果、同一カードによる優勝戦という意外な組み合わせとなりました。
2試合を挟んでの優勝戦は、手負いの246の不利な状況は変わらず。デンジャー246で勝機をつかみかけましたが、決めた相手は試合権利のない稔選手。ハヤシ選手をつけ狙う歳三選手が、世界Jr王座をNOAH・丸藤選手に渡して以来迷走を続け、VDMでマスクマンに再変身した意地を見せ、現王者ハヤシ選手からカウント3を奪取。当時と立場こそ違えど、この2人での決着は昨年の決勝戦とまったく同じ結果で幕を閉じました。
この日の両チームの闘いは2試合で48分45秒に及んだわけですが、VDMは「公式戦が時間切れ引き分けなら両チームでの優勝戦」となる点に目を付け、最初からフルタイムを前提として2人にダメージを与えることに専心し、優勝戦を有利に持っていった印象。一方のTEAM 246は大本命を持って任じていたことから全チームからの勝利を狙っていた節があり、だからこそ最終戦直前のスポーツナビインタビュー取材では「優勝戦で(公式戦で不覚を取った)東京愚連隊とやりたい」と語っており、そのためにもこの日の公式戦でVDMに土を付けることにこだわり、結果的にVDMのペースに引きずり込まれていったとの見方もできます。ともあれ、TEAM 246は準優勝止まり。ハヤシ選手は昨年に続いて、ドッティは第1回に続いてと、ともに2回目の準優勝となってしまいました。
「Growin' Up 2009 ジュニア・タッグリーグ戦」公式戦・カズ・ハヤシ&近藤修司組:5戦2勝2分(得点6=同率1位)
※『バトステNEAR LIVE! 全日本プロレス「Growin' Up 2009」4・29後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.04.29放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「Growin' Up 2009」4・29後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.05.13放映
【「Growin' Up 2009 ジュニア・タッグリーグ戦」全試合結果】
※リーグ戦はすべて30分1本勝負。上位2チームが優勝決定戦を行う。
勝ち=2点、引き分け=1点、負け&両者リングアウト=0点。
参加チームと勝ち点
カズ・ハヤシ & 近藤修司(勝ち点6=同率1位)
KAI & 大和ヒロシ(勝ち点4)
渕正信 & エル・サムライ(勝ち点5)
NOSAWA論外 & MAZADA(勝ち点5)
稔 & 歳三(勝ち点6=同率1位)
ピーティー・ウイリアムス & フィル・アトラス(勝ち点4)
4・17石巻
○稔組(2) vs ウイリアムス組(0)●
稔(14分18秒 FIRE BALLスプラッシュ→片エビ固め)アトラス
○NOSAWA組(2) vs ハヤシ組(0)●
MAZADA(12分1秒 正田落とし→片エビ固め)ハヤシ
4・18北上
△ハヤシ組(1) vs 渕組(1)△
(時間切れ引き分け)
4・19藤岡
○ウイリアムス組(2) vs NOSAWA組(2)●
ウイリアムス(13分38秒 カナディアン・デストロイヤー→片エビ固め)MAZADA
○KAI組(2) vs 稔組(2)●
大和(20分0秒 ダルマ式原爆固め)歳三
4・22志摩
○渕組(3) vs ウイリアムス組(2)●
サムライ(9分25秒 サムライクラッチ)アトラス
4・24高松
○KAI組(4) vs 渕組(3)●
KAI(13分1秒 首固め)渕
○ハヤシ組(3) vs ウイリアムス組(2)●
ハヤシ(14分24秒 デンジャー246→片エビ固め)アトラス
4・25福山
○稔組(4) vs 渕組(3)●
稔(13分48秒 HEATクラッチ)サムライ
○NOSAWA組(4) vs KAI組(4)●
NOSAWA(14分52秒 超高校級横回転エビ固め)大和
4・26岡山
△NOSAWA組(5) vs 稔組(5)△
(時間切れ引き分け)
○ハヤシ組(5) vs KAI組(4)●
近藤(13分35秒 デンジャー246→片エビ固め)KAI
4・29後楽園
○ウイリアムス組(4) vs KAI組(4)●
ウイリアムス(8分52秒 カナディアンデストロイヤー→片エビ固め)大和
○渕組(5) vs NOSAWA組(5)●
渕(6分22秒 首固め)NOSAWA
△ハヤシ組(6) vs 稔組(6)△
(時間切れ引き分け)
4・29後楽園
優勝決定戦(時間無制限1本勝負)
稔組(リーグ戦同率1位) vs ハヤシ組(リーグ戦同率1位)●
歳三(18分45秒 スーパーフィッシャーマンバスター→体固め)ハヤシ
番外 体型激似のマスクマン「爆露マン」新宿に出現
コメディアンの「はなわ」がプロデュースするアイドルユニット「中野腐女子シスターズ」から飛び出した「腐男塾」(グループメンバーが男装した別ユニット)と全日本プロレスがコラボレートして、プロレスと歌を融合した新しいイベントを開催。全日本のスポンサーである、あすなろ舎Presentsとして行われました。メインでは腐男塾の「青明寺浦正」(プロレスにも精通するアイドルの浦えりかさん)がプロレスに初挑戦。「爆露マン」は、中野腐女子シスターズが登場するアニメーションのキャラクターで、彼女の挑戦をサポートするためリアル化して登場したもので、得意技は「爆(バック)ドロップ」という触れ込み。試合では口まで止まっていないオーバーマスクのようなマスクに、武藤ベアーのタンクトップ、カラフルなトランクスにニーパッドと、何ともチープでアバウトないでたちで、チョークスラムやランサルセ(?)を披露していました。
958 稔選手にフォール負けを喫す
チャンピオン・カーニバルからジュニアタッグリーグ戦と、因縁が続く稔選手とまたしても対戦。闘いを重ねることで相手の技に対し進化した動きを見せるようになるも、腕関節技と丸め込みを融合した「HEATクラッチ」にピンフォール負け。試合後のコメントで「あのタイプは正直、苦手」と、思わぬ完敗にいつになく弱気になっています。
※『バトステNEAR LIVE! 全日本プロレス「RISE UP TOUR 2009」5・17後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.05.17放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「RISE UP TOUR 2009」5・17後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.06.10放映
966
※『ALL JAPAN B-Banquet #224』(GAORA)'09.07.06放映(ダイジェスト)
968 「チーム・ディストラクション」と「TEAM 246」が合体
語呂合わせから毎年6月10日に行われる特別興行・武藤祭。今回は素顔に加えてグレートムタ、黒師無双という別人格、さらには全試合終了後に社長としてファンと名刺交換を行うという1日4変化が企画され、コスチュームチェンジのために主役でありながらメインの座を譲らざるを得ず、"「麻布武藤」デート権争奪マッチ"がこの日の最終試合として行われました。
入場客が勝利と予想する選手に投票し、勝利選手による抽選でファン1名が武藤社長がプロデュースする和食店で勝利選手とともに食事が出来るという仕組みで、初めて行われた昨年のファン感謝デーでは「F4」の3選手が3WAYマッチで激突。それに続く第2弾ということで、F4に対抗する全日正規軍内のユニットであるディストラクション+246による両軍で争われることになりました。
勝利チームではなく勝利選手ただひとりが権利を得られる設定を活かし、全日本では珍しいノータッチルールを採用。このルールを使って前面に出すぎた小島選手を狙ってディストラクションと246が、それぞれのオリジナル合体・連係技を集中させましたが、ファンサービスへのモチベーションの差が出たのか、F4の逆襲に合ってドッティがフォール負け。見事に権利を得て女性客を引き当てた小島選手は、チームメンバーとそれぞれの投票者1名ずつの自腹招待を発表し、KAI選手と大和選手がそれぞれ男性客を引き当てるというオチが付きました。
なお、ディストラクション+246の3名は2日後の6月12日に焼肉店「武藤道場」で初めてのサイン会を開催。今後「チーム246ディストラクション」として発展する可能性も出て来ました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #228』(GAORA)'09.08.10放映
969 稔選手にまたもフォール負け
天敵・稔選手との対戦でついに3連敗。全日参戦当初、対戦したい5選手のうちの1人にドッティを指名していた稔選手はバックステージで「もっと歯応えのある食い物かと思っていたけど」とバッサリ。なお、この日、次期シリーズでの「ジュニアヘビー級リーグ戦」開催が発表され、2人はともにエントリー。シングル戦での雪辱の機会が巡って来ました。
※『バトステNEAR LIVE! 全日本プロレス「CROSSOVER '09」6・21後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.06.21放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「CROSSOVER '09」6・21後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.07.08放映
976
※『ALL JAPAN B-Banquet #230』(GAORA)'09.08.24放映
977 Jrリーグ開幕戦で稔選手と初の一騎打ち、全日マットで4回目のシングルメイン出場
2009年のジュニアヘビー級リーグ戦で天敵・稔選手と同じブロックとなり、開幕戦で激突。「風車式パイルドライバー(直立した相手の背後から抱え上げ半回転させて放つ)」の初披露などリーグ戦対策の片鱗を窺わせるも、ラリアットの利き腕でない左腕に集中攻撃する稔選手の作戦にペースを狂わされ、タッグ戦3連敗に続きシングルでも撃沈。4戦しかないリーグ戦の黒星スタートで、早くも崖っぷちに立たされました。
なお、これでドッティは2006年9月17日の小島戦、2007年6月24日Jrヘビー級リーグ開幕戦での中嶋戦、2008年12月14日ファン感謝デーでの諏訪魔戦に続いて全日本プロレスで4回目のシングルメイン出場(いずれも後楽園ホール)となっています。
また、この日の第1試合で荒谷望誉選手が引退。ドッティも他の所属選手に混じり、リング下から引退試合を見守り、笑顔で胴上げ、記念撮影に参加。荒谷選手の第二の人生の門出を祝いました。
「2009 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」Bブロック・近藤修司:1戦0勝(勝ち点0)
※『バトステNEAR LIVE! 全日本プロレス「2009 SUMMER ACTION SERIES」7・26後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.07.26放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「2009 SUMMER ACTION SERIES」7・26後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.08.25放映
980 Jrリーグ初白星
初戦を落としてすでに後のない中で行われた第2戦。初戦のウイリアムス戦がうれしい国内シングル初勝利となり勢いを増す大和選手相手に、キャリアの差を活かし安定した闘いを進めて勝ち点2を獲得しています。
「2009 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」Bブロック・近藤修司:2戦1勝(勝ち点2)
982 Jrリーグ2勝目
春のJrタッグリーグに続き、シングルリーグにも連続参戦を果たしたピーティー・ウイリアムス選手とシングル初対決。元祖カナディアン・デストロイヤーを武器にNWA-TNAのXディビジョンで活躍した選手でしたが、大和選手に勝ち星を献上するなど、今大会はやや精彩を欠いており、ドッティは冷静な闘いで勝ち点を上乗せしました。
「2009 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」Bブロック・近藤修司:3戦2勝(勝ち点4)
983 JrリーグBブロック2位通過
Bブロックは稔選手が4戦全勝で1位通過を果たし、残る1枠はドッティ以外の3選手が勝ち点2。MAZADA選手以外は前日に全日程終了しており、勝ち点4のドッティは負けても同率2位決定戦となる有利な状況でしたが、白星で単独2位を確保。稔選手へのリベンジの夢をつなぐ、決勝トーナメント進出を決めました。
「2009 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」Bブロック・近藤修司:4戦3勝(勝ち点6)〜全日程終了〜
984・985 Jrリーグ初優勝でハヤシ選手とベルトを賭けた246対決へ
Aブロックは歳三選手が勝敗度外視でリーグ戦をかき回した結果、大混戦に陥り、その余波をもろにくらった世界Jr王者ハヤシ選手は予選を勝ち上がれず。その現王者相手に直接対決で勝ったKAI選手が堂々の1位通過で、Bブロック2位のドッティとの対戦に。昨年のリーグ戦開幕戦以来となった顔合わせで、KAI選手は丸め込みの連発で活路を見いだそうとしましたが、すべて見切ったドッティがキャリアの差を見せつけて完封。優勝戦に駒を進めました。
一方、B1位vsA2位の闘いから勝ち上がったのは、Aブロック2位のスペル・クレイジー選手。メキシコ出身ながら、アメリカECWやWWEで活躍したキャリアを持ち、日本でもZERO-ONEなどに来日した経験がありますが、全日本マットには今回が初来日。ルチャドールにしてはパワーも備えており、その点でもドッティとの初対決が注目されました。
メインに組まれた試合ながら、この日の2試合目であることと、直前のセミのタッグマッチ(武藤&諏訪魔組vs鈴木&高山組)が30分フルタイムだったことで観客の集中力が続かないと判断したドッティは短期決戦を選択。クレイジー選手の場外でのムーンサルトプレス(南側2階入り口から繰り出す破天荒なもの)やモスカエスパニョーラ(丸藤正道選手の不知火・改と同型)を受け切ってから一気に反撃に出て、ゲレーロ・スペシャル(雪崩式リバースブレーンバスター)から首折り弾2発でカウント3。全日本マットで参加したリーグ戦のすべてを通じて初優勝となり、大会をスポンサードしたスタミナグループ「餃子の王将」から100万円分の食事券が贈呈されました。
珍しくマイクを握ったドッティは「そろそろベルト巻いてもいいだろ」と、ハヤシ選手を呼び込んで世界Jr挑戦をアピール。リーグ戦開幕時に「決勝はチーム246対決で」と語っていた世界Jr王者も異論はなく、久々の一騎打ちが決定。のちに8・30両国大会での開催が決定し、8月10日に記者会見。両国大会で世界Jr王者にJrリーグ戦優勝者が挑むという、3年前の同所での対決が、攻守を入れ替えての再現となりましたが、ドッティは「3年前のことは忘れてほしい」「まったく違った闘いをする」と明言。ハヤシ選手ともども、全日Jrを支える者同士、個人闘争の枠を超えて、試合そのもののクオリティを重要視する姿勢を見せていました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #233』(GAORA)'09.09.14放映
【〜餃子の王将presents〜「2009 ジュニア・ヘビー級リーグ戦」全試合結果】
※リーグ戦はすべてPWFルールによる30分1本勝負。各ブロック1位・2位4選手による準決勝、優勝決定戦(時間無制限1本勝負)を行う。
勝ち=2点、引き分け=1点、負け&両者リングアウト=0点。
リーグ戦各ブロック結果
《Aブロック》 カズ・ハヤシ(勝ち点3)、KAI(同6=1位)、NOSAWA論外(同2)、歳三(同0)、スペル・クレイジー(同5=2位)
7・26後楽園 クレイジー(8分37秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め)NOSAWA
KAI(12分2秒 KAIクラッチ〈オクラホマロール〉→エビ固め)ハヤシ
7・28釜石 クレイジー(11分31秒 反則)歳三 ※レフェリー暴行&凶器使用のため
7・30新発田 NOSAWA(12分23秒 超高校級横回転エビ固め)KAI
8・1蓮田 KAI(10分30秒 反則)歳三 ※レフェリー暴行のため
ハヤシ(24分47秒 十字固め)NOSAWA
8・2郡山 ハヤシ(時間切れ引き分け)クレイジー
8・4小矢部 NOSAWA(両者反則)歳三 ※両者レフェリー暴行のため
8・5魚津 KAI(11分11秒 KAIクラッチ)クレイジー
ハヤシ(12分29秒 両者リングアウト)歳三
《Bブロック》 近藤修司(勝ち点6=2位)、大和ヒロシ(同2)、MAZADA(同2)、稔(同8=1位)、ピーティー・ウイリアムス(同2)
7・26後楽園 ウイリアムス(6分55秒 カナディアンデストロイヤー→片エビ固め)MAZADA
稔(19分10秒 FIRE BALL スプラッシュ→片エビ固め)近藤
7・28釜石 MAZADA(11分55秒 正田落とし→体固め)大和
7・30新発田 大和(11分11秒 クロスアーム式原爆固め)ウイリアムス
稔(10分26秒 腕ひしぎ逆十字固め)MAZADA
8・1蓮田 近藤(9分6秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)大和
8・2郡山 稔(11分15秒 HEATクラッチ)ウイリアムス
8・4小矢部 稔(11分27秒 顔面蹴り→片エビ固め)大和
近藤(11分21秒 キングコング・ラリアット→体固め)ウイリアムス
8・5魚津 近藤(8分58秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)MAZADA
8・7後楽園
優勝決定トーナメント1回戦(時間無制限1本勝負)
クレイジー(Aブロック2位)(8分21秒 横回転エビ固め)稔(Bブロック1位)
近藤(Bブロック2位)(9分8秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)KAI(Aブロック1位)
優勝決定戦(時間無制限1本勝負)
近藤(Bブロック2位)(13分42秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め)クレイジー(Aブロック2位)
986 渕選手とタッグを結成
西村選手が昨年に続きプロデュースを手がけたイベント興行に初参戦。めったに絡むことのない渕選手がタッグパートナーとなる珍しいカードとなりました。
987 ハヤシ選手と前哨戦
8月7日に2009ジュニアヘビー級リーグ戦で優勝を飾ってシリーズが終了してから、次期シリーズ開幕までわずか9日。翌8日に千葉いすみ町でイベント興行、10日はスカパー本社で両国大会の記者会見、13日にスカパー本社のカスタマーセンターを表敬訪問してPPVをアピール、14日に「S-ARENA」に諏訪魔選手とのディストラクションでゲスト出演と、休みのないままシリーズに突入。主に北海道を回りつつ、最終戦に8・30両国大会を待つハードな日程が組まれました。開幕戦のこの日は、ハヤシ選手とのタッグ対決。シリーズ中の対戦があまり組まれていないことから、両者は積極的に絡むことで、久々に逆コーナーに立つ相手の技量を再確認していました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #234』(GAORA)'09.09.21放映
990
※『バトルステーション 全日本プロレス「SUMMER IMPACT 2009」8・22札幌テイセンホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.08.29放映
994 全日Jr頂上決戦も王座奪回はならず
2006年夏の同所での1戦、そして08年11月と今年2月のそれぞれのvs丸藤正道戦におけるクオリティの高さから、観客の期待度がとてつもなく高まる中で行われた全日本Jrの頂上決戦。この大会は武藤敬司社長のデビュー25周年記念と銘打たれており、メインで「武藤&船木誠勝 vs 蝶野正洋&鈴木みのる」、セミの三冠戦「高山善廣 vs 諏訪魔」、第6試合のNOAHとの交流戦(小島聡率いるF4と小橋建太組戦)など、注目のカードをズラリと並べた勝負興行に。そんな中、世界Jr戦が組まれたのは休憩前。両国での世界Jr戦は結果的に大会ベストバウトになることが多く、観客のヴォルテージが上がりすぎて直後の試合に影響を与えるケースがままあることから、この試合順に落ち着いたものと推測されます。
試合は、3年前の次元を超えた高度すぎる切り返し合戦となり、団体側の配慮を裏切らない盛り上がりに。ドッティは「トペ・コンヒーロで飛んできたハヤシ選手の体をキャッチしてそのまま放り投げて鉄柵へ首を打ち据える」「雪崩式リバースココナッツクラッシュ」「ファイナルカットを回避してのザ★オリジナル」「ドラゴンスープレックスを堪えてターンバックルへのKUBINAGEに」「雪崩式パワープラントから体を入れ替えての雪崩式パワーボム」などを。ハヤシ選手は「雪崩式フランケンシュタイナーをキャッチしたドッティの雪崩式パワーボムへの切り返しをさらに雪崩式DDTに切り返し」「雪崩式リバースカーフブラウディング」「カナディアンパイルドライバーをカナディアンデストロイヤーで切り返し」「キングコングラリアットをアサイDDTムーブで交わしてのファイナルカット」などを。手の内を知り尽くした相手の想像を超えた技を連発する壮絶な削り合いの中、お互いが隠し持った「奥の手」が明暗を分けることに。ドッティは3年前のムーンサルトプレス(リングに背を向けた体勢でコーナー最上段から270度バック転)を超えるものとして、難易度の高いシューティングスタープレス(リングに向き合った体勢でコーナー最上段からバック転)を初披露。ジュニアの中でも比較的軽量な選手が得意とする技ですが、100kg超のドッティが繰り出す意外性は、観客はもちろんハヤシ選手にもおそらく想定外だったはずで、成功すれば勝敗の帰趨も決まったのですが、回転がやや足りずに浅い当たりに。一方のハヤシ選手が「とっさに出した」と振り返ったのは、スワンダイブ式の飛びつきウラカンラナ。こちらも回転がやや浅かったものの、丸め込みには逆に幸いして、30分の熱戦に終止符を打ちました。ドッティにとっては闘龍門時代にここぞの場面で泣かされてきたいちばんの苦手技を久々に味わうこととなりました。
ドッティは負けた時の常としてダメージを堪えながら静かに引き揚げようとしましたが、王者の勝ち名乗りもそこそこに、ハヤシ選手がわざわざリングを下りてドッティを呼び止めて抱擁。「3年前を超える」として自分たちの試合のハードルをとことん上げてプレッシャーを感じる中での闘い、そして一歩間違えると生命の危険すらあるコーナー最上段からの雪崩式の攻防を高度なレベルでやり遂げたことを、お互いにねぎらっていたのかもしれません。
※『SKY Perfec TV! LIVE SPECIAL 全日本プロレス「8.30 プロレスLOVE in 両国 Vol.8」』(Ch.162)'09.08.30放映
※『全日本プロレススペシャル「8.30プロレスLOVE in 両国 Vol.8」』(GAORA)'09.10.12放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「プロレスLOVE in 両国 Vol.8」2009.8.30両国国技館』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.11.21放映
※『全日本プロレスマザー』(千葉テレビ)'10.01.26放映
※DVD『全日本プロレスコンプリートファイル2009 2nd STAGE(特典映像)』(ポニーキャニオン)'10.03.15発売
995 「グレート・ムタ」と初対戦
アメリカTNAでペイントレスラーとして活躍中の「KIYOSHI」こと雷陣明選手が1日限りの凱旋帰国を果たし、「グレート・ムタ」と親子タッグを結成。ドッティにとっては伝説のレスラーとの初対戦となりました。
試合は「KIYOSHI」が昨年の同時期同所での壮行試合での一騎打ちで病院送りの憂き目に遭わされた同期・諏訪魔選手を大流血に追い込み、孤立したドッティにダブルの毒霧攻撃を浴びせてムーンサルトプレスでカウント3。因縁の相手に間接的なお返しをして、再びアメリカに戻っていきました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #236』(GAORA)'09.10.19放映
1000 高山善廣選手と初シングル & 通算1000試合出場
3日後の9月26日に小島聡選手を挑戦者に迎えて防衛戦を行う高山選手の前哨戦として、同じラリアッターということでドッティが相手に選ばれたと思われる試合。身長体重ともにスーパーヘビー級である高山選手相手にどこまで食い下がれるかが注目されましたが、序盤こそ徹底的に攻め込まれたものの、ザ★オリジナルをかろうじて決め、身長差からほぼ不可能なパワーボムもエビ固め(=パワーボム完成形)の状態から持ち上げて落とすことでやってのけ、これまた届かないと思われたラリアットも膝へのドロップキックで片膝を付かせることで叩き込み、「帝王」の余裕をぐらつかせることに成功。フィニッシュに必殺のエベレストジャーマンを繰り出させるほどの善戦ぶりを見せました。
なお、この試合をもって通算1000試合出場を達成。この数字は当HPの集計によるもので、オフィシャルなものではありません。が、複数団体の所属歴がありかつフリーの時代も経ていることからトータルな数字を管理している組織は存在せず、当人自身はおよそ記録にこだわる性格の持ち主ではないため、当HPの記録がおそらく唯一の集計と思われます。デビューから8年半での到達が早いのか遅いのかわかりませんが、当HPのスタート時、scoreの通算試合数欄を3桁で始めたように、4桁に届く日が来ようとはまったく想像がつきませんでした。
※『バトステNEAR LIVE! 全日本プロレス「FLASHING TOUR 2009」9・23後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.09.23放映
※『バトルステーション 全日本プロレス「FLASHING TOUR 2009」9・23後楽園ホール(2時間版)』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.10.21放映
1001
※『ALL JAPAN B-Banquet #237』(GAORA)'09.10.27放映
※『全日本プロレスマザースペシャル』(テレビ神奈川)'09.11.08放映
※『全日本プロレスマザー』(千葉テレビ)'10.03.30放映
1002 下田美馬選手と番外バトル
前シリーズ終了翌々日の9月28日から10月3日まで5泊6日で台湾興行(11月20・21日)のプロモーションツアーに参加。休む間もなく、毎年恒例となったイベント興行「秋祭」(2005〜07年は「夏祭」として施行)に参戦。通常興行との違いは、駐車場や倉庫などの広大なスペース内に屋台が多数出店することと、女子プロレスが必ず1試合組まれること。今年はNEO女子プロレスの提供試合(井上京子&下田美馬 vs 田村欣子&タニー・マウス)が行われましたが、現在はウルティモ・ドラゴン闘龍門校長のつてでメキシコマットでも活動する下田美馬選手が、KAI&大和両選手とメキシコ遠征時に親交のあった縁でF4のセコンドに着くことに。そのシチュエーションに黙っていなかったのがドッティで、チョロチョロするなとばかりに蹴散らしたのですが、その後のロープワークでリング下から足を掬われる逆襲に受け、ラリアットを叩き込もうとリングに上げると、股間を蹴られ返り討ちに遭う始末。下田選手は勢いに乗って武藤選手への連続攻撃にも参加するも、武藤選手が誤爆を誘ってシャイニング弾で勝利。通常興行ではあり得ない女子プロレスというスパイスを活かし、お祭り興行のメインにふさわしい闘いを展開しました。
1003 長州力選手と初タッグを結成
クラシカルなプロレスを追求する西村選手に、弟子的存在だった征矢選手が反旗を翻し、彼の理想とするファイトスタイルの長州選手への弟子入りを志願。自身の天敵のもとに走った征矢選手に対し、西村選手は征矢選手のパートナーだった真田選手を引き入れて無我のプロレスを伝授すると宣言し、いわゆる"ラリアットプロレス"を巡るイデオロギー闘争の構図が全日本マットに勃発。一方ドッティはこの流れとはまったく関係のないポジションにあるものの、たまたまマッチメイク上で絡むことになり、ラリアットの使い手であることから長州組に編入。新日本マットに上がったVDM時代に幾度か対戦した同選手と初タッグ結成となりました。とは言え、成り行きでタッグを組んだだけなので連係も特になく、試合が終了すると、とっとと退場。知名度抜群のレジェンドとのタッグも、その先に繋がるものは何もありませんでした。
※『ALL JAPAN B-Banquet #239』(GAORA)'09.11.09放映
1007 FUJITA選手?
NOSAWA論外選手が急性咽頭蓋炎で欠場となり、復帰までの間、東京愚連隊の客分であるFUJITA選手がGURENTAIの助っ人として参戦。正体はZERO1の藤田ミノル選手で、ドッティにとってはdragondoor2005年9月9日後楽園ホールでの初対決以来4年振りの対戦。なお、このツアーにはもちろん稔選手も参戦しているため、マット界で知られる3人のMINORUが同じ興行に顔を揃える現象が数大会続きました。
1009・1010 和術慧舟會とコラボレート興行
長崎県を本拠地とする総合格闘技団体・和術慧舟會(わじゅつけいしゅうかい)。代表者の西良典氏と武藤社長が東北柔道専門学校時代の先輩後輩の間柄なことから、2日間にわたってコラボレート興行を展開。両日とも第1〜第3試合が和術慧舟會提供試合となり、この2日間はVDMとGURENTAIの選手は参戦していません。ちなみに和術慧舟會を経てプロレスラーになる選手も多く、新日本プロレスの中邑真輔選手やミラノコレクションA.T.選手、村上和成選手らを輩出しています。
1013
※『バトルステーション 全日本プロレス「ANNIVERSARY TOUR 2009」10・24博多スターレーン』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.10.28放映
1014
※『ALL JAPAN B-Banquet #242』(GAORA)'09.12.07放映
1015 台湾遠征で再び「模範試合」
昨年に続き、全日本プロレスは2回目の台湾興行を開催。現地人気歌手とのコラボだった昨年から、プロレスの試合のみで、しかも2日連続といきなりハードルが高くなりましたが、両日とも上々の動員で興行は成功。全日本が掲げるアジアツアーの開催に一歩前進しました。
大会前日の19日は、すでに設営を終えた会場で現地記者を招いての会見を行い、デモンストレーションとしてエキシビションマッチを披露。ドッティは昨年の先乗りプロモーション遠征時に続き、今回も「模範試合」(現地での表現)を闘いました。なお、今回の先乗りプロモーション遠征での模範試合のカードは「カズ・ハヤシ vs KAI」でした。
※『全日本プロレススペシャル「2009 プロレスLOVE in Taiwan」2009.11.20&21台北・国立台湾大学総合体育館』(GAORA)'09.12.12放映(ダイジェスト)
1016 台湾カップは1回戦敗退
大会初日の目玉は、グレートムタ選手の参戦と、8選手参加の「台湾カップ」トーナメント。ここにエントリーしたドッティは西村選手との対戦となりましたが、苦手な押さえ込みにあっさりと敗退しています。
【台湾カップトーナメント(8選手参加)】※すべて時間無制限1本勝負
1回戦
諏訪魔(10分36秒 アンクルホールド)浜亮太
征矢学(9分35秒 ラリアット→片エビ固め)真田聖也
河野真幸(7分23秒 羽折り腕固め)太陽ケア
西村修(6分16秒 逆さ押さえ込み)近藤修司
準決勝
諏訪魔(12分54秒 ラストライド→体固め)征矢
西村(2分34秒 逆さ押さえ込み)河野
決勝
諏訪魔(24分23秒 ラストライド→体固め)西村
※諏訪魔選手が優勝
※『全日本プロレススペシャル「2009 プロレスLOVE in Taiwan」2009.11.20&21台北・国立台湾大学総合体育館』(GAORA)'09.12.12放映
1017 台湾遠征最終日は大団円
2日目の目玉は、海外で初開催される世界最強タッグ決定リーグ戦で、8チームによる熱戦がこの日に開幕。今年も出番のなかったドッティは、ハヤシ選手とのチーム246で出陣。オープニングマッチでVDMジュニア勢と当たり、勝利を収めたものの、引き揚げる花道でVDMに襲われてKO。VDMはこの日のメイン(最強タッグ公式戦「武藤&船木 vs TARU&ドーリング」戦)でも軍団を挙げて大暴れしていましたが、チーム246が乱入してVDMのセコンドを蹴散らし、武藤組の勝利に貢献。第1試合での溜飲を下げるとともに、2日にわたる興行の大団円を演出しました。
※『全日本プロレススペシャル「2009 プロレスLOVE in Taiwan」2009.11.20&21台北・国立台湾大学総合体育館』(GAORA)'09.12.12放映
1018 全日ジュニア世代闘争スタートか
前シリーズ最終戦でヘイト選手の挑戦を退け、世界Jr王座を防衛したハヤシ選手は「(次からの防衛相手は)世界に目を向ける」と発言し、セコンドについていたドッティも同意。そこへ全日ジュニアの次世代を担うKAI&大和選手が反発。そのような背景から組まれたカードでしたが、大和選手が現役チャンプから金星をゲット。若手が気勢を上げています。
※『バトルステーション 全日本プロレス「2009 世界最強タッグ決定リーグ戦」11・23後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.11.25放映
1022・1023 珍しいダブルヘッダー
流行中の新型インフルエンザに罹患する選手が現れ、真田選手がついに欠場第1号に。このため、当日予定されていた公式戦「西村&真田 vs 諏訪魔&河野」戦が中止となりました。この事態に、チームディストラクションの盟友である諏訪魔選手は、第1試合出場のドッティに、真田選手の穴埋めでカードに入るよう要求。欠場選手の代役によるダブルヘッダーという、非常に珍しいケースとなりました。
なお、その後もインフルエンザは猛威を振るい、のちにドーリング、小島、KAIと合計4選手のリタイヤに及び、リーグ戦は最終的に3チームが棄権、脱落する前代未聞の大会となってしまいました。
1024 チーム246ディストラクション対決
チームディストラクションの盟友・諏訪魔選手に、チーム246としてタッグ対決。また、Jrのチームながらリーグ戦参戦が一部では期待されていたチーム246がリーグ戦参加チームと闘うことでも注目された一戦。敗れはしましたが、息のあったコンビネーションを披露して、コンビを組み始めたばかりの全日ヘビー級新世代コンビに迫りました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #243』(GAORA)'09.12.14放映
1025 曙選手に圧殺
当初は第1試合でNOSAWA論外選手とのシングル対決が組まれていたドッティでしたが、新型インフル騒動の余波でカードが変更。このシリーズ後に2009プロレス大賞最優秀タッグ賞を受賞するアジアタッグ王者コンビ「SMOP」と対戦し、元横綱に圧殺されました。
※『バトルステーション 全日本プロレス「2009 世界最強タッグ決定リーグ戦」12・1後楽園ホール』(FIGHTING TV SAMURAI)'09.12.08放映
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※『ALL JAPAN B-Banquet #245』(GAORA)'10.01.04放映
1030 年内最終戦は婚活3WAY
昨年のファン感謝デー(諏訪魔選手とのメインでのシングル)とは一転して、今年は本当にファン感らしい、和田京平レフェリーがマスターを務める六本木のバー「hitomi」でのファンとのデート権を賭けた「婚活3WAY」に出陣。全日本きっての大物独身選手である渕選手、西村選手に比べ、独身であることをネタにもウリにもしていないドッティの参戦は「員数合わせ」的な側面もありましたが、通常あまり行われることのない「ゆるい」カードを、ベテランに混じって楽しんでいたようでした。
なお、12月28日のファンイベント「東京湾クルーズ」を残すものの、2009年の試合はこれで仕事納め。2009年は109試合に出場(うち、1日2試合出場が5回あり、のべ103大会+1プロモーション参戦)。2008年10月に正式入団したドッティにとって2009年は所属選手として初の1年となりましたが、団体主催の全104興行にフル出場(激似の選手が出場した『腐ァイティングライブ 2009 勝つんだ!』もカウントした場合)。また、他団体参戦がまったくない1年もデビュー以来初めてのケースとなりました。
※『ALL JAPAN B-Banquet #248』(GAORA)'10.01.25放映