怪奇小説の書影のコーナーです
ここでは叢書に含まれない本に関して紹介します。

真夜中の檻 中菱一夫 浪速書房 昭和35年12月20日発行
序が江戸川乱歩で跋が中島河太郎。
平井呈一がペンネームで発表した怪奇小説集。
収録は「真夜中の檻」と「エイプリル・フール」でどちらも立風書房のアンソロジーで読むことができる。
どちらも作者の名に恥じない傑作である。
唯一惜しまれるのは、この後、作者が創作の筆をとらなかったことである。




魔女の誕生 幻想冒険譚 都筑道夫編 新人物往来社 昭和45年9月1日発行
ヒロイックファンタジーのアンソロジー。
昭和44年から49年ごろにかけて同社や立風書房では前述の怪奇幻想の文学をはじめ、
「異端の文学」全ニ巻、「恐怖への招待」「新青年傑作選」全5巻、「異形の白昼」、「12のアップルパイ」
「奇妙な味の小説」「暗黒のメルヘン」、「変身のロマン」、「現代怪奇小説集」全3巻等の
今も語り継がれる幻想文学系の名アンソロジーを矢継ぎ早に刊行しました。
本書は中でも見かける機会が比較的少ないと思われる1冊です。

収録作品
英雄の誕生(都筑道夫)、魔女の誕生(ロバート・E・ハワード)、沈める島(フリッツ・ライバー)、ウェレランの剣(ロード・ダンセイニ)
不死鳥の彼方(ヘンリー・カットナー)、ヘルズガルド城(C・L・ムーア)、著者紹介・解題(佐藤正明

慄然の書 ウィアードテールズ傑作集 渡部桜訳 荒俣宏解説 継書房 昭和50年9月25日発行

解説では本邦初のウィアードテールズ傑作選とあり、タネ本はクリスティン・キャンベル・トムスンがイギリスで刊行した同誌の年間傑作選のうち、最初期の二巻と三巻だということです。
古書店の主に目録ではたまに見かけることがあります。
収録作品
後の戦慄(エリ・コルター)、沼の怪(ウィル・スミス)、黒い箱(トンプソン・リッチ)、ラオコーン(バシット・モーガン)
寄生手(アンソニー・M・ラッド)、蝙蝠の鐘楼(オーガスト・ダーレス)、黄色い妖怪(ヴァンダー・ビル)、幻想の薬(A・W・カプファー)
ティ・ミッシェル(W・J・スタンパー)、ローマン荘の怪(フラビア・リチャードソン)、ゴルフ・リンクの恐怖(シーベリ・クイン)
解説(荒俣宏)、恐怖狩りのロマンス(荒俣宏)

ファンタズム ドン・コスカレリー 三谷茉沙夫訳 昭和54年11月30日発行

こんな本載せてどうするのかという気もするが、なんとなくあまり見ない気がするので。
でもこんな本は100円均一にでも転がってるんだろうな。
実は映画は大昔見たのだけれど、全然内容を覚えていない。
翻訳は三谷茉沙夫だし、ノベライズといっても原作者だし、で内容は悪くないと思うのだけど。どうだろう。





恐怖の1ダース 中田耕治編 出帆社 1975年9月30日発行
定評のある中田耕治編の恐怖小説アンソロジー。講談社文庫の黒背で同題の作品集が出ているが、
内容が多少異なるので、全て読むには両方必要.。
収録作品一覧
たすけてえ!(コーネル・ウールリッチ)、謎(ウォルター・デ・ラ・メア)、塔(マーガニータ・ラスキー)、呪われた島(アルジャノン。ブラックウッド)
プア・ガール(エリザベス・テイラー)、ショック療法(ロス・マクドナルド)、オレノ・シュブラックの失踪(ギョーム・アポリネール)
サン・ジェルマン不死伯爵(リリアン・デ・ラ・トーレ)、ハリウッドの恐怖(ロバート・ブロック)、怪物(ジュール・ルナール)
ぺンシル(レイモンド・チャンドラー)、あとがき そして12番目の恐怖・・・・(中田耕治)
文庫版との異同
文庫版で削除
オレノ・シュブラックの失踪(ギョーム・アポリネール)、サン・ジェルマン不死伯爵(リリアン・デ・ラ・トーレ)、怪物(ジュール・ルナール)
ぺンシル(レイモンド・チャンドラー)
文庫版で追加
白い道(E・F・ボズマン)、雪おんな(ラフカディオ・ハーン)、幽霊船の謎(W・H・ホジスン)、探検隊帰る(フィリップ・K・ディック)