怪奇小説の書影のコーナーです。
日本の怪奇小説をとりあげていきます。

 
  

私は呪われている  橘外男 三笠書房刊 昭和33年7月15日初版

化け猫物の長編。同工の作品に、現在は中央書院の作品集に収録されている「亡霊怪猫屋敷」がある。
とはいえ、やはり個人的には作者の作品では「蒲団」が一番怖いと思う。
怪談ばかりでなくユーモア小説や秘境物等、多彩な作家で今読んでも本当に面白い。
もっと評価されていい作家と思いますが、他の同時期の作家に比べると言及されることが少ないような気もします。



夜窓鬼談 石川鴻斎 東陽堂 挿絵上巻18枚下巻15枚
上巻は明治22年9月8日初版で収蔵は明治26年8月30日の再版
下巻は明治27年7月24日初版
下巻増補時に上巻の再版と合わせて再発されたとの認識でいたが、
発行日が約1年も離れているのはどうしたわけか。
上巻の好評に合わせて下巻発行では時間がなさすぎるし。謎である。
内容は漢文体の怪談集である。左の挿絵は雷神。

2003年12月春風社より、現代語訳が刊行の運びとなりました。挿絵もすべて収録し気軽に楽しめるようになりましたので、興味がある人は購入をお勧めします。



左から
薔薇の天使 世界でいちばん残酷な話 竹内健 イラスト 藤本蒼 1969年12月5日 
薔薇の悪魔 世界でいちばんコワイ話 竹内健 イラスト 宇野亜喜良 1968年12月15日
薔薇の半神 世界でいちばん奇妙な話 竹内健 イラスト 藤本蒼 1969年9月25日
薔薇の埋葬 世界でいちばん孤独な話 竹内健 イラスト 藤本蒼 1970年7月5月15日
すべて新書館の for Ladies シリーズの一冊である。
後に「地球ロマン」や「迷宮」で活躍する竹内健氏の初期作品集。寺山修司の作品を多く出版している新書館から刊行。
上記表中刊行年月日が一番古くない薔薇の天使が一番上にきているのは、これが実質的な一冊目の新装版らしいからである。
推測の理由は@薔薇の天使がシリーズ通し番号が古い。A薔薇の悪魔の巻末に蓮本みゆきイラストで薔薇の天使の既刊案内が出ている。
B所蔵の薔薇の天使のイラストは蓮本みゆきではなく薔薇の半神、薔薇の埋葬と同じ藤本蒼である。
ここから推測されるのは当初一冊の予定だった薔薇の天使を同傾向の作品集を出版するにあたり、イラストを統一するため、
新装版を出したのではないかということである。すると薔薇の悪魔が浮いてしまうが、これも藤本蒼イラストの版があるのかもしれない。
全ては推測に過ぎないし、どうでもいいといえば、どうでもいいようなことだけれど、ついこんなことを考えてしまう。