6月30日(土)
午後から仕事。
黒白さんと遊ぶ約束だったのだが、終わりがずれこんで少々遅刻。
メンバーは石井さん、彩古さん、無謀松さん、川口さん、黒白さん。
本の話に花が咲く。最近忙しいのと、いやなこともあったので、良いリフレッシュにはなりました。
川口さんから
長い長い眠り 結城昌治 中公文庫
第三の男 グリーン ハヤカワ文庫
彩古さんから
蛇性の淫 栗田信 文芸評論社
悪の紋章 橋本忍 朝日新聞社
を譲っていただく。

話した内容は多岐にわたっているため省略。
明日も朝から仕事だというのに川口家に押しかける。前回も感心したが、またまた本の多さに脱帽。
7月に続く。

(今日買った本4冊 今月買った本:142冊 今年買った本:1385冊)

6月29日(金)
上期の締めでうちあげをまわりでやっているところで一人で仕事をしていて、回りが閑散としてきて仕事を少し家に持ち帰ることにしてやめようと思ったら、えらい人たちにつかまって飲まされる。
すっかりよっぱらって家路に着いたため、読書もできず。
でも昨日の時点でメモリーゲームは読了したので、小川洋子を読もうと持ち出した。すかすかでページ数も少ないため読み終わるかと思いきや、読み始めると必ず睡魔に襲われてしまう不思議な本である。

一応届いている本のみ報告。
慾と慾と慾 南條範夫 青樹社
兵隊・青春・女(無作法随筆シリーズ) 多岐川恭 スリラーコント含む、だそうである。

(今日買った本2冊 今月買った本:138冊 今年買った本:1381冊)

6月28日(木)
今日は比較的早くあがれたと思ったら、そこは志木であった。7時に終わっても、家に着くのは九時前だっつーの。

それでも気分良くBOOK OFFへ。
俺たちに明日はない デビッド・ニューマン 二見書房 なんとなく
ネクロポリス 土居良一 講談社 SFといえばSFなんだよね。
白の家族 栗田教行 角川書店 前に本屋に注文したら品切れって言われて、探すかあと思っていた本。意外にあっさりと見つかった。天童荒太の本名での出版。でも調べると他にカドカワノベルス、角川文庫(これは林海象の映画のノベライズ?)があるようで、そっちもやっぱり探すんだろうな。この本のことは前に無謀松さんや葉山さんに教えてもらったように思うし、孤独の歌声の解説でも読んだ気がする。そういえばこの天童荒太の本は小説は持っているんだけど、文庫の孤独の歌声以外は全部新刊で買っていることに気が付いた。でも1冊も読んでもいないことにも気が付いているんだ。本当は孤独の歌声を読もうと思っているんだが、本がどっかにいっちゃって無いんだ。BOOK OFFへ行けばいくらでも100円で買えるのだが、いくらなんでも持っている本が見つからないから買うなんてやりたくないし。話によると幻冬舎から文庫が遠からず出るらしいが、きっと大幅改稿されると思うので、これはこれで持っていて損はなかろう。
嫁洗い池 芦原すなお 文藝春秋 この間創元から出た作品の続編にあたるミステリ
絶海の訪問者 C・ウィリアムズ 扶桑社ミステリー お約束。人が誉めると買いたくなるんだよね。あと創元か。

白い家族が嬉しかったかな。合計500円の買い物としては充実しておりました。
おかげでSFマガジン、ミステリマガジンは買い忘れちゃった。

昨日、R書林の目録ですごくすごくすごく欲しい本が出ていたので注文をいれる。入手できないかなあ。手に入らないと思っていた本だから。(本当は売っている店を知っているのだが、そこは高くて買えないのである)補修があるらしいけど、そんなことはどうでもよろしい。読めりゃいいんだ。読めりゃ。欲しいなあ。読みたいなあ。

そんなこんなで「メモリーゲーム」もすこしで読み終わりそう。むちゃくちゃ時間かかっとるやん。

(今日買った本5冊 今月買った本:136冊 今年買った本:1379冊)

6月27日(水)
ということで、今日も飲み会である。
ネタのために温存しておいた、先々週届いた本を書いておこう。出版社調べるのが面倒なので省略ね。だって酔っぱらってるんだもの。
処刑が行われている 三枝和子
鼠どもへの訴状 佐江衆一 文庫持っていたはずなんだけどなあ。
赤坂禁猟区 戸川昌子
目玉の散歩 村田喜代子
真夜中の自転車 村田喜代子
金木犀の薫る街 南部樹未子
聖供 吉田知子 あれ?持っている気がするな。
挟み撃ち 後藤明生 函欠
八月の修羅 三枝和子
翔ぶ影 森内俊雄 この後BOOK OFFで100円で発見した。買わなかったけど。
犬の幸福 吉田知子

SFマガジンとミステリマガジン買わなくっちゃ。京極夏彦の新刊SFも気になっているんだけど、どうせすぐには読まん気がするしなあ。
ああ、眠いぜ。風呂入ってねます。

久々にR書林から目録が。

あとネットで買った本届いたけど、またネタ用に温存。

読書はさすがに全然進みません。

(今日買った本11冊 今月買った本:131冊 今年買った本:1374冊)

6月26日(火)
飲み会で遅いし、昨日がんばって感想文書いたので、今日はご勘弁くださいモード突入。
おやすみなさ〜い。

(今日買った本0冊 今月買った本:120冊 今年買った本:1363冊)

6月25日(月)
今日は給料日なので、滞納していた自動車税等払い込む。むーお金がなくなったなあ。
早めにあがったので駅の普段は閉店に間に合わない本屋に寄る。
ハアト星の花 寺村輝夫 盛光社 創作S・Fどうわ 「ぼくの王さま」シリーズで著名な作者でしかも全集まで出ているから、この本自体はどうということもないんだろうが、裏見返しの広告に続刊の石森章太郎「あしたのあさは星の上」、筒井康隆・馬場のぼる「かいぶつばんざい」がのっていたので面白かったので買う。まあ、のっていなくても買ったろうけど。前者は知らないけど、後者は「かいじゅうごみい」として刊行されているものだ。
シメール 服部まゆみ 角川書店 とっても気になって集めている著者の本。といっても読んだことないんだけどさ。とにかく創元の切り裂きジャックをなくなる前に早く買わなくては。

金環食の影飾り 赤江瀑 角川書店
 
長編第二作。主人公の暁子は姉の書いた台本「大内御所花闇菱」の初日に行く。その台本は自殺した姉、姚子の遺品の中から発見したものだ。暁子はどうしても姉が書いたものとは思えない。そんな気持ちで劇場に入ると、姉と同じ着物を着た女を見て、姉を幻視するが、その時その女が正体不明の男に刺された。暁子は警察で事情徴収を受けつつも、死んだ姉を狙って起こった犯罪に思えて仕方が無い。台本の正体をつきとめたい、という内心の衝動ににつき動かされるように、暁子は姉の死んだ京都へ飛んだ。姉は5年前に自分の恋人とともに旅立つという置手紙とともに京都に出奔したのだった。5年間姉はどのように暮らし、何を考えて生きてきたのか。そしてなぜ死を選ぶこととなったのか。いつしか暁子は姚子を追ううち、姚子と同じ道をたどり始めるのであった。
集中で重要な役目を果たす歌舞伎の台本「大内御所花闇菱」の世界と、現実の暁子の世界が交互に進んでいく。その間を貫くのは「闇日輪」という笛の音である。最後、二つの世界のなぞが解かれ、交互にくるくると入れ替わっていた世界が一体となる時、円環は閉じられ世界は闇につつまれる。
巻末には本編には出てこない「大内御所花闇菱」の場面が台本拾遺として付されている。読んだ当初は、台本の完成度とは別の次元で、物語が終結を見た後では、どうにも蛇足にも似た感じを抱いたのであるが、幻想文学の記事を見て、謎が少し解けた気がした。それは、この「大内御所花闇菱」が、明治百年記念演劇脚本募集で本名で応募し、最終選考に残った「大内殿闇路」が元になっていると知ったからだ。2作の違いや関連は、幻想文学57号赤江瀑特集の戸隠珠子氏の評論を参照していただくとして、とにかく著者はこの「大内闇小路」を世に問いたかったのではないかと思われた。それは小説家として生業をたてる決心の契機にもなったとのことであるし、思い入れも強かろう。とにかく「大内闇小路」が無ければ、存在なかった作品でもあろうし(もしかすると「大内闇小路」がなければ、赤江瀑氏という小説家もこの世に存在しなかったかもしれないのだ。それほどの重みを持っている)、自らの思いを素直にぶつけたような作品であるとも言えよう。
ま、それはともかく、構成としてはやや台本に重きがありすぎるきらいはあるものの、もっとふくらませればふくらませそうな登場人物を配しながら、贅肉を刈り込んだようなスリムな構成で緊張感のあふれる好編であった。幻想的な場面は皆無といっても良いのだが、どうしてこんなに赤江瀑の作品にひかれるのだろうか。

(今日買った本2冊 今月買った本:120冊 今年買った本:1363冊)

6月24日(日)
なんということもなく一日がすぎて行く。最近の土日は本当に早い。こうやって一生のうちの何千分の一だか何万分の一だか知らないが時間がすぎていくのだななどとしみじみ思ったりするのは変かな?身体を休めるわけでもなく、読書に集中するわけでもない。部屋の片づけやら家事やら手をつけていると瞬く間に辺りが暗くなってくるって感じ。
というわけで、読了はなし。メモリーゲームを1/3ほど読み進んだだけである。本当は数ヶ月前からポー全集を読もうと思って手元においてあるのだが、最初の3,4編を読んだきり放ったまま。実際は3/4は既読であるのでもう少し早く読めてもいいのに。

赤江瀑の感想を書こうと思ったが、頭が痛くて書く気がしないので、明日にでも書きましょう。

近所のBOOK OFFを覗いて珍しく半額本を購入。
スーパートイズ ブライアン・オールディス 竹書房 著者の作品が翻訳されるのは何年ぶりだろう。なかなか評判はよさそうだ。
病の世紀 牧野修 徳間書店 買ってなくて出ていたことすら忘れてました。買わなきゃあいけません。著者の作品は昔から買っているのだが、読んだのはゲームブックのノベライズ1冊のみという外道である。あっ筒井康隆のアンソロジーに収録された昔のペンネームの短編は読んでいるな。奇想天外のは読んでないや。読もうと思えばいつでも読めるんだけど。だったら読めばいいのにね。

故あってある本を早めに読まなきゃいけなくなりました。できれば来月中に。そういえば課題図書のグリーン読んでいないや。一応次は山靴の音を読もうと思ってます。ところでこれは月うさぎさんが読みそうな気がするので、ご迷惑でなければまわしますけど、どうでしょうか?月うさぎさん。

明日は給料日だあ。やれやれ。
(今日買った本2冊 今月買った本:118冊 今年買った本:1361冊)

6月23日(土)
というわけで、抽選が外れたので古書展に行くのは取りやめ、当初の予定であった車をとりに行く。ついでに新しいスカイラインを見るが、なかなかいい車そうだけど、スカイラインという名前にやはり抵抗がある。今のR32GTRを売ってまで買うという気にはまだなれないというのが、正直なところ。

で、車が直ったものの夜に予定があるので、一軒だけ久々のBOOK OFFへ行ってみる。
鳥少年 皆川博子 徳間書店
大聖堂の悪霊 チャールズ・パリサー 早川書房
夜に追われて 結城昌治 文藝春秋 短編集
死者の微笑 尾崎諒馬 角川書店
完璧な病室 小川洋子 福武書店
エンジェルファン フランチェスカリアブロック 東京創元社 ヴィーツィバット4 1,2くらいは持っていたような。
イリヤ・カバコフの芸術 沼野充義 五柳書院
煙か土が食い物 舞城王太郎 講談社ノベルス
毛皮コートの死体 梶龍雄 中公文庫
最低の犯罪 レジナルドヒル 光文社文庫 この短編集のシリーズはあと何買えばいいのだ?
殺意は砂糖の右側に 柄刀一 ノンノベルス
レイミ 戸梶圭太 ノンノベルス ホラー。最近この人も気になっています。
火蛾 古泉迦十 講談社ノベルス あの川口さんが気に入ったというのだから、買わずにはいられないと思っていたら、見つけちゃった。
猫派犬派殺人事件 本岡類 双葉ノベルス 文庫になっているの?
予告された殺人の記録 高原伸安 講談社ノベルス
ヴァルハラ城の悪魔 宇神幸男 講談社ノベルス 神宿る手がまだ見つかりません。
トラブル・ハニムーン 海渡英祐 双葉ノベルス 文庫になっているの?

夜も用事があったので、何もできず。

金光さんより城昌幸の雑誌掲載作品他貴重なコピーを山ほどいただいてしまいました。
本当にありがとうございます。早速読ませていただきます。

(今日買った本17冊 今月買った本:116冊 今年買った本:1359冊)

6月22日(金)
会社の帰りに駅のBOOK OFFへ寄ってみる。久々な気がする。一週間ぶりくらい?(久々じゃないって)で、100円ばっか買う。
魔女がいっぱい ダール 評論社 ダールだから面白いだろう。
金色のライオン 香山彬子 講談社 初版ではないが、初刊の単行本。函つき。
闇のカーニバル 中園英助 時事通信社 副題スパイミステリへの招待。とはいっても夢野久作に関してとかミステリ関係のエッセイを集めたもののようだ。表紙は渡辺啓介の鴉が描かれている。得した気分。
魔女様御優待乗車賃無料 世界のライト・ヴァース3 書肆山田 独逸編 ようは詩のアンソロジーだね。
太陽の半分と月の全部と 同4 地中海諸国編 ランドルフィなんかものっている
なげきぶし風の墓碑銘 同2 仏蘭西編 英吉利編がないのがなんとも惜しいなあ。
もうひとりの私 北川歩美 集英社 SFミステリを書いている人で何冊か持っているけど、積読だなあ。
d内死 シルヴァーバーグ サンリオSF文庫
空を飛ぶパラソル 夢野久作 角川文庫 なんとなく
黄金遁走曲 久生十蘭 教養文庫 教養文庫の十蘭は持っていないんだよね。三一の全集とコレクシオン・ジュラネスクに入っていないものが含まれているのかしらん。
土曜を逃げろ C・ウィリアムズ 文春文庫 お約束で。なんで買ったか一目瞭然。
新編山靴の音 芳野満彦 中公文庫 先日読んだ新田次郎「栄光の岸壁」のモデルとなった登山家のエッセイ集。新田次郎の小説中でもタイトルを変えて触れられている。何かの縁かと思い購入。記憶が薄れないうちに早速読んでみることにしましょう。

香山彬子が一番嬉しいかな。いずれにせよ薄いぼくはまずまず満足したのでした。

読書はなんとなく角川文庫の「メモリーゲーム」という良く知らない本を読んでます。いまのところまだ良くわかりません。

あの橋詰さんがHPを開設したとのことで、覗きに行く。今のところ日記中心でコンテンツはちょっとイメージと違うけど、処分本コーナーがあり、またまたお約束で大量にお願いしてしまう。SFは持っているものが多いので遠慮したけど、ミステリはなかなか嬉しい本がたくさんありました。思えば橋詰さんからは昨年はじめにも大量の本を購入させていただいたのでした。その後ミスコンの交換本コーナーで同じ班になったのも不思議な縁です。
HPのほうはというと、意外や本の話題はあまりなく、芸能TVネタが多いのが意外な感じがします。夏来健次さんとの共同経営なんでしょうか。ミステリはぼく(それでもいい本はすで売り切れがちょこちょこありました)が例によってたくさん買ってしまいましたが、まだSF系とかいい本が残ってますので、お時間がある方は覗いてみてはいかがでしょうか。
http://www.cwo.zaq.ne.jp/moon/

ちなみに今土曜日の午前中にこれを書いているんですが、西部3点南部3点全て抽選にはずれてしまいましたので、急遽行くのをやめました。
これから修理なった車を取りに行きたいと思います。9万円か〜。

(今日買った本12冊 今月買った本:99冊 今年買った本:1342冊)

6月21日(木)
「金環食の髪飾り」読了。感想は明日にでも。さて次は何を読もうかなあ。戸川昌子にしようかしらん。

昨日の夜中に五反田、西部に注文を入れる。多分全部当たんないだろう。いいけど。

本屋にて雑誌を2冊購入。
ジャーロ 光文社 せめてジャーロくらい出たら読もうと思いつつ。もう4冊。2冊目がどっかいっちゃったんだよなあ。実家だと思うんだけど。
伝奇M 学研 こっちはムー別冊で伝奇小説大賞の入選作を中心に編集したもの。はっきりいって残念な編集。というのも、半分を占めるいろいろな伝奇小説の紹介はともかく、入選作二編ともが、200枚一挙掲載といっておきながら、どちらも途中で終わっていて、続きは加筆訂正の上単行本で出版しますとある。伝奇小説だよ。途中まで読んでやめちゃえるようならいいけど、おもしろかったら欲求不満が出るだけだと思う。それも次号掲載ではなく、単行本で出版じゃ普通は単行本を買ったほうがいいと思うんじゃないかなあ。まあ、これを読んで買おうと思う人もいるだろうし、プロモーションの形態としては正攻法ともいえるのかもしれないけど。それにこれで読んじゃった人は単行本買わないだろうから売上にも影響はしてしまうかな。でも1500円もする雑誌で両方ともそれじゃちょっとなあ。ちなみにこの2編以外に小説の掲載はありません。短編の1本でものっていればまだいいのに。まあ特集の作品紹介(ブックガイド)はぱらっとしか見てないけど、盛りだくさんではありそうだし、まあ東雅夫さんの監修であるから買ったような感じかな。

最近文句が多いかな?

(今日買った本2冊 今月買った本:87冊 今年買った本:1330冊)

6月20日(水)
「影の獄にて」は昨夜のうちに読み終わりました。今は何年かぶりで赤江瀑(金環食の髪飾り)を読んでます。

とりあえず、ネットで注文した本など書いておきましょう。
此処すぎて 森内俊雄 文藝春秋
第五の季節 吉田知子 読売新聞社
蒼き裸女の群れ 戸川昌子 徳間書店
蒼い蛇(正)(続) 戸川昌子 徳間書店 続がカバ欠だったけど、読みたくてかっちゃいました。
太陽の生贄 戸川昌子 双葉社 前に古書展で1500円で見つけて、迷って後で見たら売れていてちょっと後悔していた本。

本当はもう1軒から届いているのだけど、また今度、ネタの無い時にでも。

影の獄にて ロレンス・ヴァン・デル・ポスト 思索社
3部から構成されている。第一部が「影さす牢格子」第二部が「種子と蒔く者」第三部が「剣と人形」となっていてクリスマス3部作と題されている。これは数年ぶりでクリスマスに主人公とあったロレンスと思い出を語り合うことから来たもので、第一部以外はさほどの意味は無い。
影さす牢格子 「戦場のメリークリスマス」原作。映画は見ていないのでその影響は今回の読書には皆無。ロレンスとハラ軍曹との思い出が中心で、捕虜収容所の話で日本軍の所業が語られる。戦後ロレンスはハラの裁判の中で、捕虜生活中クリスマスに減刑されたことをあげ、、戦争犯罪に対する異議を申し立てる。発表後賛否両論が渦巻いたというが、さもありなん。戦争というものはその行為そのものが悪であり、その中にあって行動せざるを得ない人間個人の罪を問うのは間違っているのではないか、それを裁くことは報復にしかならず、結局は被告と同じレベルになってしまうのではないか、といった内容を思索的に描く。また太平洋戦争の中での日本人の意識構造に対しても思索を広げていく。以上はかなり皮相的な読み方ではあるが、哲学的な内容なので基本的には読者がそれぞれ読んでいろいろ考えるしかない。なおラストは美しく印象的である。
種子と蒔く者 セリエという戦友の思い出が語られる。前半はセリエの手記で、内容は美男に生まれ皆に愛されたセリエと、醜い弟とのセリエの心の中の葛藤を描いている。セリエは戦争に向かい、自分を見つめなおし、弟と和解する。この手記の最後も感動的なものだ。さらにセリエの捕虜後の行動が後半になっており、こちらは収容所において他の捕虜たちを助けるために捨て身の行動を行い、そのことによって悲劇的な最後を迎えるまでを描いている。後半の最後もまたさらに感動的なものである。
剣と人形 ロレンスと敵がせまる町のホテルで偶然であった女性との交情を描いたもの。3編の中ではロマンス色が強い。しかしながらロマンスに終わることは無く、男性とはなにか、女性とは何か、ということを思索的に訴えかけてくる小説だ。なおタイトルの剣(戦い)は男性の本質、人形(子供)は女性の本質ということで象徴的に表現しているもの。

考えながら書いたものなので、とりとめのないものになってしまったが、感動的かつ思弁的な傑作であることは確かであると思う。決して読みやすい小説ではないが、美しい情景描写と繊細かつ細心な心理描写とあいまって読むもの感動させずには置かない小説であった。

翻訳は由良君美と富山太佳夫という豪華コンビ。晦渋な部分も少なくないので、悪くすると優れた翻訳でなければ読み通すことが難しいかもしれない。その点読みやすくて安心できる。

映画はどんななんだろう。ちょっと気になってきました。

(今日買った本6冊 今月買った本:85冊 今年買った本:1328冊)

6月19日(火)
「影の獄にて」は残り第三部の少し。これから風呂入って読もうと思います。読み終わるかしらん。

オメガシティの冒険 豊田有恒 岩崎書店
主人公の少年の家に蔵があり、そこに長年おかれている長持ちをどかすと地下室があった。少年は友達とそこに入り、壁を押すと、そこには1000年後の世界が開けていたという話。そこからはお決まりの未来世界とストーリー展開がまっている。
小学生には面白いかもしれないが、大人が読んでもあんまりおもしろくない。子供が読んで面白いというのがジュブナイルの目的だから大人が読んでつまらなくっても責められるところは全く無い。とはいえ、ひねくれものの私としてはジュブナイルを超えようとするテーマや展開を期待してしまいます。もっともジュブナイルといっても幼年向けのものから、小学校高学年、中学生向けくらいまで多岐に及んでいるので、同じものさしではかるのは不公平かもしれないけど。ロボットカミイも光車よ、まわれもジュブナイルとして同じ土俵ではさすがに評価できないものね。
というわけで子供ではないから、子供が読んで面白いかどうかはわからないけれども、とりあえず大人は読まなくてOK。

頭が痛いので、やることやったらさっさと寝ようと思います。

新しいスカイラインが出たけれども、3年1月でフルモデルチェンジ。30年代のスカイラインスポーツを別格とすれば最も短命なモデルだな。
(今日買った本0冊 今月買った本:79冊 今年買った本:1322冊)

6月18日(月)
「影の獄にて」は第二部1/3まで読了。

怖い本@ 平山夢明 ハルキ文庫
読み始めて巻末を見ると、「超こわい話」他の著者執筆分を再編集したものとのこと。うーん。そういう本はあまり好きじゃない。読むかどうかはべつにして、元の本で読むべきだった。
で、感想ですが思ったより面白かった。怪談実話は和洋ともに歴史が古く、昔から本も死ぬほど出てる。昨今でもあいかわらずやたらに本が出ていて、さすがにあれだけ出ていると似たり寄ったりの話になりそうなものだが、普段はあんまりこの手の本は読まないので怪談ショートショートとして面白かった。
中には昔友人に聞いた話とかものっていて、ほとんどフォークロアの世界だ。本書にはそういった口伝で伝えられるような松谷みよ子のいう現代民話風のものから、耳袋等でもおなじみの都市伝説風のものまでさまざまである。もちろん口伝えの形式をとっていて、創作の書き方はしていないけれど、その分ものによっては恐怖感が増すしかけになっている。集中コンビニの怪談は怖かった。コンビニ、携帯電話、コンピューター、現代の都市伝説にふさわしい舞台であり、アイテムであろう。

毎日平日は会社に一日の6割以上いることになる。その中で日記のネタを探すのは大変。というかいつも買った本と感想でごまかしているけれど、書くことが無いときはこまったものです。ここまで続けちゃうとやめるのもなあ、とも思うし。確実に時間を何十分かとられるのは事実なので、迷うところ。でもやめるときには一日でスぱっと消え去るのがかっこいいかな?

「ミステリオペラ」を読んで以来、新しい本を読もうかなという気分が上昇中。そうすっと古い本は読まないってことじゃないか。そうすると古本は買わないってことじゃないか?でもそれができないところが精神的に弱いんだよねえ。

昨日買った「聖女の島」はダブりでした。誰かいりませんかねえ。

あ〜あ、休みとりたいなあ。

(今日買った本0冊 今月買った本:79冊 今年買った本:1322冊)

6月17日(日)
実家からすごすごと家へ帰る。家人と自由が丘で待ち合わせてランチを食べることにしたので、ついでに新規開店でビルになった文生堂へ行ってみる。あいかわらず高いのお。でも欲しいものがあるなあ。三省堂のフーリック4冊2万円なんてあるぞ。他にもセットもので欲しいものがちらほら。買えないな。何も買わずにすごすごと店を出る。
ランチはフランス料理で並んだけど、うまかった。

家の駅についてから3冊100円のBOOK OFFへ。懲りないなあ。

ドミノ・ターゲット アダム・ケネディ 早川書房
蕨野行 村田喜代子 文藝春秋
ぶらり江戸学 杉浦日向子 マドラ出版
モスラ対ゴジラ 講談社X文庫
夕立太平記 宮本昌孝 講談社文庫
闇に浮かぶ顔(上)(下) R・ゴダード 文春文庫
東京南町奉行 山田風太郎 大陸文庫
d聖女の島 皆川博子 講談社文庫
法月綸太郎の冒険 法月綸太郎 講談社ノベルス
彼は残業だったので 松尾詩郎 カッパノベルス
本州縦断殺人旅行 山村正夫 フタバノベルス

今月はちょっと買いすぎだなあ。

帰ってからは家事をしなければいけなかったので本は読めず。
目録の注文出さなきゃ。

(今日買った本12冊 今月買った本:79冊 今年買った本:1322冊)

6月16日(土)
午前中届け物があったが、また今度。

午後から車で実家へ向かったんだが、事件。
途中、バッテリーの警告橙がついたと思ったらみるみるうちに電圧計が下がっていく。
こりゃあ、いかん。ディーラーに直行だと思ったら、渋滞に巻き込まれ、8Vくらいまで下がった時点でプラグに点火されなくなったらしく、回転が急降下し、路肩へ寄せようしたのが間に合わず、エンジンストール。渋滞の2車線の内側だったので、ニュートラルにして降りて路肩まで押していく。ああ、なんで国道のど真ん中で車をおさなきゃならんねん。一人だったので、運転席からハンドルをもちながら、押す。のろのろとしか動かないので、見かねたトラックの運ちゃんが一緒に押してくれた。親切な人だ。
仕方なくまあ近くといえば近くのディーラーに電話して、助けを求める。バッテリーを交換して積載車にのせ、ディーラーへ向かった。
予想通りオルターネーターがいかれていたようだ。1回修理暦はあるのだが、こんなに急にだめになるとは思わなかったなあ。災難だあ。
貴重な経験をしたが、夜中とか、渋滞じゃない国道や高速のど真ん中だったりしたらと思うと、ぞっとするので、まあ運が良かったとも言えるかもしれない。
というわけで、夜遅くなってから実家へ行き、そのまま泊まる。で、性懲りも無く実家の車でBOOK OFFへ行くところが我ながら筋金入りというかなんというか。

フォークロア 第一号 特集春来る鬼 本阿弥書店 こんな雑誌見たことないな。
あくび猫 南條竹則 文藝春秋 買おうと思っていたら見つけてしまった。
超少年 長野まゆみ 河出書房新社 著作が多くてこまるなあ。
夜よおれを叫びと逆毛で充す青春の夜よ 清水邦夫 講談社 なんとなく。
10億人の餓死 相澤惣治 実業之日本社 ゲテSFだね。
砦 モーリー・ハンター 評論社 古代ケルトが舞台のファンタジーらしい。
日本のこわい話 永田義直編著 金園社 
スパンキー クリストファー・ファウラー 創元推理文庫
わたしが死刑執行人 草野唯雄 徳間文庫 怪奇小説集。

美神の黄昏 宇神幸男 講談社文庫 結局文庫で妥協するが、1巻がみつからないんだよなあ。
怪奇・夢の城ホテル 川辺敦 ハヤカワ文庫JA 気になっていた本。
オクトパスキラー8号 霞流一 アスペクトノベルス 解説が日下さんでした。
ぼくらのロボット物語 眉村卓 岩崎書店 このシリーズがぞろぞろあったが、この2冊だけ買う。南山宏もあったが、持っているのでパス。
オメガシティの冒険 豊田有恒 岩崎書店 
鍋の中 村田喜代子 文藝春秋 芥川賞受賞作。初版だったのでつい。
影の怯え 喜多哲正 文藝春秋 純文学のようであるが、署名本だったので、つい。
聖土 黒岩研 光文社 買おうと思ってたんだ。
水のゆくえ 宇神幸男 角川書店 恋愛小説??
メビウスレター 北森鴻 講談社 文庫化されたばっかりなのね。
カウントプラン 黒川博行 文藝春秋 これも文庫化されたばっかり。
血の12幻想 津原泰水監修 エニックス 前の2冊は新刊で買っていたのだけど。これは買っていませんでした。

という訳で車が入院してしまったので、不便この上ない。

実家では読みかけの「影の獄にて」を持ってこなかったのでしかたなく、今日買った豊田有恒の「オメガシティのぼうけん」を読んだ。

(今日買った本21冊 今月買った本:67冊 今年買った本:1310冊)

6月15日(金)
飲み会。
12時に帰って、そのまま近所のBOOK OFFへ。ビデオ屋と一緒だから1時まで開いているんだ。
3冊100円をいいことに、何もないのだが、それでも買う。
冒険!恋の楽園島 浅香晶 ハヤカワ文庫Hi
ブラックライト(上)(下) S・ハンター 扶桑社ミステリー
d明治青春幻想譜 横田順彌 ソノラマノベルス 1000円くらいで買ったんだけどなあ。
究極の鉄道殺人事件 辻真先 フタバノベルス
緑青屋敷の惨劇 辻真先 ソノラマノベルス
ナイフが町に降ってくる 西澤保彦 ノンノベルス 持っているかもしれん。
新・幻想探偵社 清水義範 ソノラマノベルス さてさて本格的に収集しようと思ってはいるんだが。
念力密室! 西澤保彦 講談社ノベルス メフィストでこの短編読んだけど、まんがみたいだったっけ。

「影の獄にて」全然読めません。

職場が変わることになりました。東京から横浜へ左遷です。

(今日買った本9冊 今月買った本:46冊 今年買った本:1289冊)

6月14日(木)
「怖い本@」読了。

栄光の岸壁(上下) 新田次郎 新潮文庫
芳野満彦氏という登山家をモデルにしているという小説。どの程度事実を元にしているかはわからない。
物語は主人公の竹井岳彦の生まれから山にひかれて山に生き始め、結果的に友人を失い、自らも両足の足首から先半分を凍傷で失ってしまう第一部。死ぬようなリハビリを行って再び山に登るようになったものの、年齢を重ねるとともに次第に行きがかり上、山から距離をおくことになってしまい、社会人としての人生を歩みはじめる姿を描く第二部。水戸の運動用具店に婿入りし毛利恭子と結婚するまでが第三部。そしてヨーロッパのアイガー北壁、マッターホルン北壁へ挑んでいく第四部に分かれている。昔読んだ「八甲田山死の彷徨」などは緊密な、それこそ読んでいるうちにのどが渇いてくるような密度の高い小説であったが、こっちは悠々とした文体の娯楽小説になっている。それでも岸壁を登る部分の描写は緊密度が高く、さすがに他者の追随を許さないものだ。逆にたとえば第三部でのロマンスとかは、ストーカーまがいの女が出てきたり、主人公が妻になる恭子へのプロポーズに汲々としたりする部分がもどかしかったりして、かなり落差の激しいものになっている。やはり作者は八甲田山のように焦点を絞った山岳小説を書くつもりはなく、山男の生き様を書きたかったからであろう。そういった目で見ると第三部の恋愛小説めいた部分も、恋愛そのものというよりは主人公の朴訥な姿を際立たせるためのパートであることがわかる。なお小説の中で一人だけいやなやつが出てくる。こいつは主人公の本の印税を騙し取ったり、つきまとって利用しようとしたりするのだ。こんなやつは最初のほうでぶんなぐって終わりのような気もするけれども、結局主人公は最後までなんとなくつきあってしまい、何回も何回もだまされつづける。これも主人公の性格描写の肉付けの役目なのだろうが、個人的にはこれはうるさかった。というかこいつが出てくると、腹立たしく、底抜けにお人よしの主人公がもどかしいのである。まあ、これも著者の術中にはまっているということか。
傑作というには少々冗長な部分があることは否めないが、楽しめる小説であることは間違いない。たまにはこういう小説もいいものだ。

目録がぽろぽろ届いているけれど、見ている時間がないなあ。チャンスを逃している気もする。

読み始めたのは「影の獄にて」。第一部のみ読了。うーん。深い、深い、深すぎる。

下記を本屋にて購入。
海野十三集 ちくま文庫

(今日買った本1冊 今月買った本:37冊 今年買った本:1280冊)

6月13日(水)
掲示板で難題をいただいたけど、いろいろ調べても全然わからない。児童書なのかな?そうだとするとかなり困難かもしれない。三木節子という人に「パンの木」という創作童話集があるようだけど、カトリック系の作家さんらしいので、怪奇幻想とはイメージがちょっとかけはなれているので、どうも違う気がする。怪奇幻想系だとアーサー・マッケンに「パンの大神」という中篇があるけれど、タイトルも違うし、収録されているのは「怪奇小説傑作集」だものな。25年前から30年前というと昭和46年から昭和51年くらいということで、文庫の出版社はちょっと限られる。
どなたかご存知の方はいないでしょうかね。母のため、とかいわれるとできるだけ調べてあげたいとは思うのだけれど。

感想はまた明日にくりこし。

樹下太郎37冊一括10万円か。「初夏の雪」と「プロムナードタイム」はとってもほしい。全部持っていなければ1冊3000円パーくらいだけど、半分弱は持っているので、1冊あたり5000円パーちかくになってしまう。LOTO6でもあたらない限り買えないね。
(今日買った本0冊 今月買った本:36冊 今年買った本:1279冊)

6月12日(火)
「栄光の岸壁(下)」読了。
「影の獄にて」を読もうかと思いきや「怖い本@」平山夢明で一拍おいておく。
次はヴァンデルポストを読むことにしましょ。グリーンは月末になったらね。今度は納期守りまーす。

感想を書きたいところだが、明日早いので明日以降にしたいと思います。
うさぎさんのところにも書いておかなきゃね。

最近古書店に行かないと思ったらネットでちょこちょこ(といっても2箇所だけど)注文をいれている。といっても値段は100円均一じゃないから冊数は限られているけれども。
グリーン全集はどうしようかな?でも全集買う金銭的な余裕はないんだよね。某所で7巻まで各2500円で稲垣足穂全集を並べているところを発見してひかれてます。やっぱ買うならまずこっちだな。給料出たら買っちゃおうかな。それまで売れないといいな。おまけに裏の棚には新版の山川方夫全集が。旧版を恥ずかしい買い方で結構お金がかかってしまっているから買いにくい。でもそれなりに安かったらほしいよなあ。やっぱり。

という欲しい本ネタでお茶をにごしておきましょう。B生堂から目録が。先着順であるだけでなく、店に出して売っちゃってる場合が多いから、手ごろな本はまず無いといっていい目録である。まあいろいろな意味で面白いけどね。そういえばお店変わったんだよね。行ってないんだけど。

明日こそ9時前に帰りたいな。

(今日買った本0冊 今月買った本:36冊 今年買った本:1279冊)

6月11日(月)
アポ途中に5分間だけ寄り道。
前から何もない本屋だったが、やはり何もない。なんとなく下記を買う。
蜘蛛と蝿 クロフツ 多分ダブりだと思う。
d幻想の未来 筒井康隆 角川文庫 重版ではないが、白背の異装版だったので物珍しさで買ってしまう。へえ、こんな表紙があったんだ。
星への旅 吉村昭 新潮文庫 調べたらまだ現役なのね。
妖戯者 菊村到 中公文庫 あまり買っていない著者の本だが、これは面白そうだったので。
チャップリンを撃て 日下圭介 講談社ノベルス 以下同文。

栄光の岸壁(上)は昨夜のうちに読了。朝から下巻に突入。快調快調。でも思っていたのとなんか違うなあ、これ。

ミステリオペラ 山田正紀 早川書房
厚くて重い単行本で他を圧倒するが、内容的にも他を圧倒する力作であった。内容は重層的に組み立てられ、虚実入り乱れたメタミステリ的な構成をとっているので、あらすじを紹介するのは、少なくとも自分には困難である。物語の芯は本書の副題ともなっている「宿命城殺人事件」という架空の探偵小説であり、それをめぐって展開される日中戦争時の満州と、そこで登場する一人の人物が書いたと目される手記を読む主婦のいる現代とが交錯する物語である。その二つの時代をよりあわせる糸となるのは検閲図書館と呼ばれる探偵役の黙忌一郎。このメタ小説的な構成は私の記憶が確かならば著者は「幻象機械(幻想の明治)」でも使っていた気がするが、違ったろうか。ミステリー的には最後にきちんと解決はつけているが、著者の意図はミステリーを書くということもさることながら、やはりあの時代を書きたかったのではなかったろうか。そしてあの時代を書くことによって、さらには現代のひずみが照射されるような重層的な物語が書きたかったのではなかったろうか。そしてミステリとしてはもちろん幻想小説ともメタ小説とも読めるようなこれも重層的な作品を書きたかったのではなかったろうか。
ラストシーンは作者の、登場人物たちに「お疲れ様」と言いたいような気持ちが現れていて、山田正紀らしい終わらせ方だと思う。ここ20年あまりの著者の作品は数編しか読んでいないのでわからないが、山田正紀はやはり山田正紀であった。
今年の日本ミステリのベスト1に選ばれてもおかしくない力作であり、大作。決して読みやすい作品とはいえないが、物語を愛する人には読まれるべき作品であろうと考える。傑作。

なお松本さんによれば、ある方の感想ではこの作品は過去の著者のミステリの集大成的な意味合いがあると紹介されていた由。上記のように自分は最近の山田ミステリを全然読んでいないので、その辺はわかりませんでした。それはこれから遡って楽しみたいと思います。

なんかよくわからない感想であるが、これでよしとしておこう。でもこの本を再読するのは勇気がいるよな。

(今日買った本5冊 今月買った本:36冊 今年買った本:1279冊)

6月10日(日)
半日かけてPCメンテナンス作業。
今のPCは合計12GBなんだけど、プライマリが2GBでアプリケーションを実行するのに空きがなくて難儀していた。そこで、プライマリを10GBの方に変更。FATをNTFSに変えると同時に本当はパーティションそのものを変えたかったのだけど、うまくいかず断念。したがってCがおまけでDがプライマリというちょっと変な感じになってしまった。とりあえず、メール、TA,IEが終了。こうしてHPの更新もできた。あとは他のデヴァイス関係をやらなきゃならんのだが。そういえば2000にしてからスピーカーから音が出ないんだよ。ドライバーの設定がうまくいっていないのかもしれないけど、ちゃんと動作しているように表示されるし。どうしたらよいかわからん。
まあいいけど。

Jさんから買い物。
樹の中の声 多岐川恭 東都書房 ジュブナイルかと思っていたら、あとがきを読むと少女向けジュニア小説らしい。他にもジュブナイルを何篇か書いているとあるけれど、本になってるんかね。
歪んだ太陽 山村正夫 光風社 文庫になっているんでしょうか。見たことのないタイトルなので上とついでに購入。

「栄光の岸壁」は上巻があと少し。快調だな。

サッカーは世界一のチームに対してよくがんばったけどね。負けちゃったから。

(今日買った本2冊 今月買った本:31冊 今年買った本:1274冊)

6月9日(土)
久々の完全オフ日。
ゆっくりしようかと思ったが、少しだけ古本屋数件へ。
官能の宴 実相寺昭雄 徳間書店 エロチカルノベルスだって。
シーラカンスの海 井原まなみ 早川書房
梯の立つ都市 冥府と永遠の花 日野啓三 集英社 うーむ、ショック。出てたの全然知らなかったよ。あとがきを見て、ガンの手術を行って後、執筆を続けているのは知っていたが、今年はじめにクモ膜下出血で倒れたとのこと。満身創痍だが、まだ連作を書きついでいるという。鬼気迫るものがあるな。
三人関係 多和田葉子 講談社 最近気になって集めようかと考えている作家。
ベラム館の亡霊 アンドリュー・クラヴァン 角川文庫
d危機のペルシダー バローズ 早川文庫SF あらら。持っていたのか。
人狼城の恐怖 第二部 第三部 第四部 講談社ノベルス
未明の家 篠田真由美 講談社ノベルス
リボルバー 佐藤正午 集英社文庫
薬指の標本 小川洋子 新潮社
仁木兄弟の事件簿1 仁木悦子 出版芸術社 巻末の掌編ねらい。
死せる銀河 畑山博 毎日新聞社
射G英雄伝3 金庸 徳間書店 どうやら1巻は持っているようです。
密やかな結晶 小川洋子 講談社文庫
禁断の恐怖 青春best文庫  エロティックホラーアンソロジーだそうだが、持っている気がするんですけど。
龍秘御天歌 村田喜代子 文藝春秋 あまりにも純文学っぽいな。
覇王激闘 東郷隆 KOEI
さめない紅茶 小川洋子 福武書店 小川洋子ばっかり買ってもなあ。
時の扉をあけて ピート・ハウトマン 創元SF文庫
永遠なる天空の調べ キム・スタンリー・ロビンソン 同
海魔の深遠 デイヴィッド・メイス 同
蜘蛛たちの夜 加納一朗 徳間文庫
背筋が冷たくなる話 谷甲州 集英社文庫

川口さんの掲示板を見る限りでは「弁護側の証人」は致命的な誤読はしていないようだ。思うに、感想のときにも書いたけれど、「時の過ぎ行くままに」にやはり読者側の思い込みを逆手にとって錯覚させるような短編があったので、(短編の方はかなり特殊な思い込みだけれど)衝撃が薄れてしまったものと思われる。

(今日買った本25冊 今月買った本:29冊 今年買った本:1272冊)

6月8日(金)
アポの途中で5分ほど古書店に寄る。
日本SF論争史  巽孝之編  勁草書房 難しいかな?
行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙 マーヴィン・ピーク 国書刊行会 ようやく購入。

「栄光の岸壁」読書中。時間が限られているため、上巻の途中であるが、うーん、読みやすいなあ。すらすら読めるやん。
あ、松本さんからお借りした「恐竜一億年」も読まなきゃいけないや。

ミステリオペラの感想どうしようかな。あらすじもちょっと書けないしなあ。
(今日買った本2冊 今月買った本:4冊 今年買った本:1247冊)

6月7日(木)
ミステリオペラをついに読了。一昨日の目標は達成したぜ。やれやれ。でも感想なんか書けないよ。
軽いものをと思ったけど、すっかりたまってしまった課題本も片付けなくちゃいけないから、とりあえず「栄光の岸壁」を読もうと思います。
で、その後は「影の獄にて」とグリーンも読まなきゃ。6月が終わっちまいそうだな。
古本屋にも行きたいのだけど、ここのところ、BOOK OFFが開いている時間には会社を出れません。
コルソの目録も来ていたけど、買うものはなさそうだな。会社もとてもじゃないけど、休める状況ではないし。欲求不満。睡眠不足。
7月以降、職場が変わりそうなので、そっちもばたばたしそうだな。まあ家からは近くなるのだけどね。東京からは離れちゃう。

市川さんではないが、「ダルえもん」に日記書くのを肩代わりしてもらいもんだ。疲れたよ。ほんとに。
以上、ぼやき日記でした。

(今日買った本0冊 今月買った本:2冊 今年買った本:1245冊)

6月6日(水)

感想だけ。
真夜中の檻 平井呈一 創元推理文庫
「真夜中の檻」「エイプリル・フール」他、怪奇小説の解説を中心に修正したもの。小説は「真夜中の檻」の単行本で読んでいるし、立風書房のアンソロジーでも読んでいるから、それぞれ3回目と2回目。エッセイも1編を除いて持っているし、昔は買った本の解説とかはぱらぱら読んでいたから、結構再読もある。
小説は「真夜中の檻」は旧家に所蔵された古文書を調査にきた青年が、その家の未亡人に誘惑されるという官能小説では全然なく、古風な妖怪小説である。やや肩に力がはいっている感がないではないけれど、力のこもった作品で、自らの好みを全面的に押し出した小説であると言えそうだ。どちらかというと純文学作家が書きそうな(解説の東さんは鏡花風とも言っている)純日本風の作品で、文章も良いし、万人にお勧めできるとは思えないが、好きな人は本当に好きになりそうだ。自分は大好きである。(でなきゃ3回も読まないよ)
「エイプリルフール」は海外の怪奇小説の風味を持ったドッペルゲンガー小説。前者に比べると筆致も軽やかだ。登場人物もいきいきしていて飽きさせない。この2作品しか小説を書いていないのは返す返すも残念である。発表舞台があればもっと書いていたのだろうか。
エッセイは訳書の解説がメインで、同じような記述の重複も散見されるが、怪奇小説への好みが強く感じられる好ましいエッセイが多い。特にマッケンに対してはなみなみならぬ思い入れを感じる。これらを読むと怪奇小説を読みたくなるが、自分ももったいなからとっておくなどということはせずに、これからどんどん読んでいこうという思いにかられる。

(今日買った本0冊 今月買った本:2冊 今年買った本:1245冊)


6月5日(火)
ああ、時間がない。

黒いトランク 鮎川哲也 角川文庫
物語は死体のつまったトランクが今は無い潮留の貨車倉庫に届いたことから始まる。捜査が行き詰まる中、個人的な事情から鬼貫警部の捜査が開始される。時刻表が挿入されたところといい、アリバイくずしがひとつの骨格になっているところといい、私個人の本格推理小説のイメージにぴったりだ。地道な捜査からひとつひとつの謎が解明されていくところ、そして鬼貫の同級生が多くからんでいて、友人通しのぶつかりあいがあるところ、鬼貫警部の過去の恋のエピソードが出てくるところなど、楽しむべきところは多い。やはり傑作ということなのであろうか。ただ自分も面白くなかったとは決して言うつもりは無いが、何故か今ひとつ心から楽しんだとは言いがたかったことを告白しておこう。結局自分は本格推理読みではないということなのだろうか、やっぱり。時刻表なんかさらっと飛ばしちゃったからなあ。ミステリ読みかそうでないかのリトマス試験紙になるのかもしれない。

目標はあと二日でミステリオペラを読了すること。もう持ち歩きたくないよ。あんなにでかくて重い本。

(今日買った本0冊 今月買った本:2冊 今年買った本:1245冊)

6月4日(月)
ミステリオペラはやっと2/3を越えて面白くなってきました。(遅い!)

弁護側の証人 小泉喜美子 集英社文庫
傑作の呼び声高い、著者の処女長編にしてデビュー作(だったっけ)。
解説によるとプロットトリックというそうな。というような事情なのであらすじを書くのが困難。トリックそのものは忘れようがないだろうから、再読する場合は著者の書き込みの細部を読みながら楽しむということになるんだろうか。思い出してみると遺作の短編集にある意味同じようなプロットトリック?を使った短編があったっけ。佳作なんだろうと理性では思うけど、読後感は何故か今ひとつ。ミステリ読みではないせいかな?

先月の課題図書である新田次郎の「栄光の岸壁」(上下)を購入。新刊だぜ、新刊。
同じ本屋で単行本コーナーを見ると、小林泰三やら小林恭二やら牧野修他の連作ホラーとか面白そうな本がいっぱい出ているじゃないか。小林泰三の本なんか結構出ると新刊で買ってきているんだけど、いまだに全て積読である。いまある本を読んでから買いましょうか。(いつやねん) 創元推理は文庫になってしまった。いろいろ事情はあるのだろうが、なんかさえないな。でも買わなきゃね。欠号が結構あるので買わなきゃいけないんだけど、何号を持っていないのかさっぱりわからない。わかれば版元に注文してもいいのだけど、新刊でダブらせたくは無いし。最初の4冊くらいは確実に持っているはずだけど、在庫が切れたら困るので悩ましいなあ。

(今日買った本2冊 今月買った本:2冊 今年買った本:1245冊)

6月3日(日)
出張より無事に帰国。
今回の出張では読んだ本は3冊。
弁護側の証人 小泉喜美子 集英社文庫
黒いトランク 鮎川哲也 角川文庫
真夜中の檻 平井呈一 創元推理文庫
感想はまた後で。ミステリオペラの読書を再開せねばならぬ。
ニューヨークで1時間自由時間があったのでぶらぶら歩くついでにたまたま観光ガイドに広告が載っていたBOOK OFFでも見ようかと思ったが、場所がいまいちわからず行けず。広告によるとやっぱり1ドルコーナーとかある見たい。まあそれはともかく新刊本屋すらのぞくことができずに残念ではあった。まあ英語は読めないのでいういんだけどね。
ちなみにニューヨークは言ってみれば歌舞伎町のようなところであまり落ち着かず、もう一度行きたいと言う街ではありませんでした。それに対してカナダはオタワしか行かなかったけど、イギリスチックな田舎町でという感じのなかなか良い街でこちらは今度はプライベートで行きたいと思うのでありました。

帰ってきたらkashibaさんが復活していた。いずれにせよマイペースで続けていっていただきたいものです。大量更新された日記を拝見して城昌幸のちくま文庫の感想を読み、あまりお気に召さなかったようで、ちょっと残念でであると感じるとともに、人によって感想は十人十色だなと思う。私などはあの文庫のベースになっている「みすてりい」は本当に大好きな作品集だからだ。まあ逆に今回の出張で読んだミステリ2冊は傑作の呼び声高い作品であるが、自分にはあまり強い感激はなかったので、やはり好みの方向性が違うんだな。いずれにせよ城昌幸は、近いうちに読もうと思っている。単行本未収録作品もあるし。
(今日買った本0冊 今月買った本:0冊 今年買った本:1243冊)

6月1日(金)〜6月2日(土)
海外出張のためお休み。