10月31日(水)
予想通り「第三の銃弾」はまだ読み終わらず。

女流棋士殺人事件 本岡類 講談社ノベルス
美人棋士森島真理子が町田の公園で殺された。通り魔の犯行か、顔見知りの犯行か。手には詰め将棋の紙があった。これはダイイングメッセージなのか。兄弟子の神永栄介は将棋記者の高見とともに仇を取るべく、捜査を開始する。そして彼女が顧問として属する竜王倶楽部のパトロンである男も殺される。この男を殺した凶器は同じ物が使われていた。これは何らかの関係があるに違いない。そこで姿を見かけられた森島の父親が容疑者として拘引される。
ホームズ役とワトスン役がいて、最後は容疑者を集めて解決を見るという古典的な構成をとっている。キャラクターの造形は新しさはないが、悪くも無い。ただし容疑者は2人しかおらず、そのうち一人はずっと容疑をかけられるので、意外な犯人にしようと思ったら消去法でもう一人しかないので、あまりサプライズはない。なおある血液型が物語りの中で重要な要素になるのだが、これは知らない知識であった。まあ無理に読む必要もなかろう。

届いている本があるのだけど、これは来月回しね。
読書は今月は前半に比べ、後半が不調だったな。

(今日買った本:0冊 今月買った本:183冊 今年買った本:2420冊)

10月30日(火)
時間が無いので買い物リストのみ。

近所のBOOKOFFの単行本3冊1000円券が今月一杯なので使っておこうといってみたが、買うものが何もない。仕方ないので下記を買う。
花腐し 松浦寿輝 講談社
マッターホルンの殺人 グリン・カー 新樹社
水野先生と三百年密室 村瀬継弥 立風書房
あと100円コーナーで。
甦る亡霊 フリッツ・中西 祥伝社 (多分)本名での署名入り。

カーター・ディクスンはまだ読み終わりません。

今日は飲み会なので日記の更新は無いかもしれません。

(今日買った本:4冊 今月買った本:183冊 今年買った本:2420冊)

10月29日(月)

皆川博子作品精華 迷宮 ミステリー編 白泉社 例によって昔から買ってはいるものの、実は数冊しか読んでいなかったりするのだが、これは買わずにはいられない。全3巻の1。解説の千街さんの言うカルト的な人気を誇るという意味では(耽美的な傾向があるのも含めて)赤江瀑に近いものを感じるが、あちらにくらべれば遥かにメジャーだろうな。皆川博子→赤江瀑→塚本邦雄なんていう線も思い浮かんだりするけど。

女流棋士殺人事件 読了。

で、本の感想を。
落ちる 多岐川恭 徳間文庫
表題策で直木賞を受賞した、傑作短編集の誉れ高い本書であるが、期待に違わずすばらしい作品集であった。
落ちる 神経の弱い男に訪れた平和。それは美貌の妻をもらってからであった。しかしその平和も長くは続かない。妻の古くからの知り合いで自分の神経衰弱を見てもらった医師に付き纏われていたのだ。ねらいは何か。妻はこの男と不貞を働いていたのか。正直最後はちょっと出来すぎの感はなくもないが、鮮やかな逆転劇が巧い短編。
 隣の家で人が殺されているのを偶然窓から目撃してしまう主人公は病弱な少女。殺されたのはそれまで何故か家に押しかけてきていた男の内縁の妻であった。男のねらいは何か。窓を見たときに感じた違和感は何だったのか。この作品のトリックも本当に可能かな?と思わせるものがあるのだけれど、あまり気にはならない好編。読後感はなんとなく仁木悦子の短編と似たものを感じるのは主人公の造形のせいか。
ヒーローの死 アパートの一室で男が射殺された。殺された男は昔から神童と言われ、今も政治的な活動を行っていた。日記では同じ政治結社の男が自分を狙っていたという。しかし殺された部屋には凶器が無く、犯人は杳として知れない。自分の苦手とする機械的なトリックでちょっといやなのだが、それも気にならないくらい哀しい読後感の短編。表題は巧いがあまりにも皮肉。
ある脅迫 出世から見放されたさえない銀行員が夜勤で当直を勤めていたときに現れた銀行強盗。しかしその男は最後でその銀行の次長と打ち明け、銀行強盗は狂言であったことがわかった。しかしあくる日その時の行動を、当の次長から不注意であると批難され、男は逆転に出る。クライムノベルという趣で面白い。
笑う男 業務上の収賄で金儲けをした主人公の男は、その金をもって退職し、金貸しを始める。男は口封じを兼ねてその収賄の事実を知っていると思われた女を愛人として囲う。数年後、収賄を行っていたときの上司が別の事件でつかまったのを知った男は、発覚を恐れるあまりその愛人を殺してしまう。これもクライムノベルという感じで、男の心理状態が克明に描かれ読むものをあきさせない。
私は死んでいる 何故か同居の甥夫婦に自室に閉じ込められた主人公の老人。現れた甥の妻から、財産を老人からすべて奪うための計略で、いずれ死ぬことになると聞かされる。老人は計略を練るが、なかなか巧くいかない。しかし最後の最後にチャンスが訪れる。子供がいい味を出している。推理小説の多くは殺人を扱い、図らずも殺伐とした雰囲気が出てしまうように思うが、本編は実に痛快な幕切れの短編。
かわいい女 悪女もの。ある男が自殺をした。妻は愛くるしい美人であった。しかし自殺した男の友人は、友の死に疑問を抱く。そもそもその妻の女を、男に紹介したのは自分であったのだ。友人はその妻の女と対決する。最後はなかなか皮肉な幕切れ。

実に43年も前の作品集なのであるが、今読んでも新鮮な作品群であり、そのみずみずしさには恐れいる。自分は機械的なトリックが苦手で、そのような趣向が凝らされた作品は不得意とするものであるが、本作品群はまず登場人物が生き生きと書かれ、飽きさせることが無い。やはり名作といわれる作品は(全部ではないにしても)年月を経てもその輝きは失われないものだと感じる。本作品集はいつまでも読みつがれてしかるべきものであろうし、また生き残ってもいくであろう。創元推理文庫から増補され再刊されたのは喜ぶべきことである。
現代も多くのミステリー作品が書かれたいるのだが、今から43年後に、同じようにその時代の読者に新鮮な驚きを与えてくれる作品が、さてどれだけ含まれているのだろうか?

明日は課題図書のカーを読みます。

毎日というわけでもないのに、本を読んで感想を日記に書くのははっきり言ってしんどいです。こんなこと毎日やっているkashibaさんやフクさんは超人だと思う。

(今日買った本:1冊 今月買った本:179冊 今年買った本:2416冊)

10月28日(日)
自由が丘にケーキを買いに行くついでに寄り道。
バロックの箱 澁澤龍彦文学館2 筑摩書房 いつのまにやら絶版になってしもうた。買い逃し4冊のうちの3冊。
ダンディの箱 同6 最初は新刊で買っていたのにね。
迷宮の箱 同10 この巻だけ月報が欠けていて残念。あとは3巻の「脱線の箱」だ。
氷柱 多岐川恭 講談社文庫 署名本で高かったが、ミステリー収集への足がかりとして記念に買っておく。
殺人者にダイヤルを 梶龍雄 徳間文庫
d修羅の匂い 結城昌治 文春文庫 ぎょえ、もっていやがった。
冷戦交換ゲーム ロス・トーマス ポケミス
日曜日ラビは家にいた ハリイ・ケメルマン ポケミス
白夜の弔鐘 李家豊 トクマノベルス 既読本だが、元版なので買う。
サンタクロースの反乱 ピエール・ヴェリー 晶文社 持っているかもしれんが。
清水義範本人の愛好本 講談社

新刊書店で
SFマガジン12月号
ミステリマガジン12月号

「落ちる」読了。感想は明日でも。

とりあえず本岡類「女流棋士殺人事件」を読み始める。

(今日買った本:13冊 今月買った本:178冊 今年買った本:2415冊)

10月27日(土)
ソフトボール大会で久しぶりに身体を動かした。
帰りにBOOKOFFを2軒だけ冷やかす。ダブっている可能性があっても近いうちに読もうと思う本はかまわず買ってしまう。いかんなあ。
エレクトロンの悪夢 釣巻礼公 カドカワエンターテイメント
d?タンジェント グレッグ・ベア 早川文庫SF ダブリ?
大東亜科學綺譚 荒俣宏 ちくま文庫 単行本はかなりの確率で持っている。
崩れる 貫井徳郎 集英社文庫
d?ドクター・アダー K・W・ジーター 早川文庫SF
一休暗夜行 朝松健 光文社文庫
d?鬼 綱淵謙錠 中公文庫
d神変白雲城 角田喜久雄 中公文庫
とっぴトッピング 横田順彌 アルゴ文庫 たぶんダブりだと思う
ポール・ペニフェザーの冒険 イブリン・ウォー 福武文庫
青衣童子 森真沙子 ハルキホラー文庫
山口将吉郎名画集 講談社 
カルの謎 ソ・イヨン 角川書店
疾風ドライバー 高斎正 実業之日本社
タルガ・フローリオが復活する時 高斎正 読売新聞社
嗅覚異常 北川歩実 祥伝社文庫
火の鎖 赤松光夫 徳間文庫 ちょっと探していたので嬉しいです。3作のミステリのうち「衝突現場」というのは単行本だけみたい。
d九百人のお祖母さん R・A・ラファティ 早川文庫SF 
d?エーゲ海の殺人 石川喬司 旺文社文庫
d?プラスティックのしゃれこうべ 草上仁 早川文庫JA 何を持っていないやらわかりません。
チョコレートゲーム 岡嶋二人 講談社文庫
dクレージー・ユーモア 福島正実編 講談社文庫
氷結宇宙船 強奪! 斎藤英一朗 角川文庫
d?やけっぱち大作戦 ジョー・クリフォード・ファウスト 早川文庫SF
d老いたる霊長類の星への賛歌 J・ティプトリーJr サンリオ文庫

寝不足と身体の疲れで読書はできず、沈没。

(今日買った本:25冊 今月買った本:165冊 今年買った本:2402冊)

10月26日(金)
引き続いて「落ちる」読書中。
今午前2時半ですが、明日(というか今日)の5時過ぎに起きてソフトボール大会です。こんなことしていていいんでしょうか。
あいかわらず大体睡眠時間は3時間から4時間という日々が続いています。
たまに発作的に6,7時間寝ることもあるのですが。そのうち死んじゃいそうだなあ。

BOOKOFF 2軒行く。
ひとつぶの砂で砂漠を語れ 司城志朗 TBSブリタニカ
皮膚の下の頭蓋骨 P・D・ジェイムズ ポケミス
dイブの時代 多岐川恭 早川文庫JA
もののけづくし 別役実 早川文庫
女王陛下は御満悦 藤原審爾 徳間文庫
東京開化えれきのからくり 草上仁 早川文庫JA
QE2を盗め ヴィクター・カニング 早川文庫NV
スロー・バード ニコラ・グリフィス 早川文庫SF
ヴァート ジェフ・ヌーン 早川文庫SF
SFバカ本 宇宙チャーハン編 メディアファクトリー
メイド・イン・ジャパン 黒田晶 河出書房新社
どんどん橋、落ちた 綾辻行人 講談社
沖縄海賊 笹沢佐保 徳間文庫 著作リストつきなのをmasamiさんのHPで知って探してました。
神蝕地帯 朝松健 ハルキ文庫
イグジステンス クリストファー・プリースト 竹書房文庫
草軽電鉄殺人事件 梶龍雄 廣済堂文庫
淡雪の木曽路殺人行 梶龍雄 廣済堂文庫

これだけ買って1700円。古本は安いなあ。

というわけで今日は買い物リストで勘弁してください。

(今日買った本17冊 今月買った本:140冊 今年買った本:2377冊)

10月25日(木)
「落ちる」はゆっくりじっくり読んでますのでまだ半分弱。噂に違わず面白いねえ。

届き物。
金光さんより
後方見聞録 加藤郁乎 学研M文庫 署名本。正直こんなところからこんな本がという感じ。元版は持っていないと思うし、増補されているからお得。加藤さんの本が文庫になるのははじめてかな?ぱらぱらと見たけど、これは面白そうである。実作には「えくとぷらずま」で触れたものの歯が立たず、手も無く退散するしかなかったが、これは回想記なので読めそうだ。高柳重信の章もあるし。でも句集は現代詩人文庫版を持っているけど、自分には読むのはちょっとつらいかなあ。ということで金光さん、どうもありがとうございます。でも保存用は買わないよ。
yahooで。
肉体の短剣 R・S・プラザー ポケミス
ハードボイルドミステリーマガジン 1963年9,10,11月号
移動途中のBOOK OFFで。
ニューヨークの世紀末 巽孝之 筑摩書房
残酷な青春 女子高校生殺人事件 若山三郎 秋元文庫
死のクロスワードパズル J・D・マクドナルド サンケイ文庫
浅間山麓殺人推理 梶龍雄 徳間文庫
箱根山 獅子文六 講談社大衆文学館

久しぶりで仕事で上京したので閉店間際の赤坂の本屋へ。
とむらい機関車 大阪圭吉 創元推理文庫 国書の本はでかくて思いから、軽便でしかも増補されていてお買い得。
銀座幽霊 大阪圭吉 創元推理文庫 でも読んだことあるのは「幽霊妻」だけ。
それにしてもこの2冊を買ったのが100年後の古本屋だったとしたら血風かもしれないね。
M・R・ジェイムズ怪談全集1 M・R・ジェイムズ 創元推理文庫 この期に及んでM・R・ジェイムズの怪談集が出るとは思いも寄らないことである。しかも創土社の再刊ではなく訳者の紀田先生の新訳で単行本未収録も加えられる。これは買わなきゃいけません。ぼくは昔創土社の全集を12000円で買っていると思うが、全然かまいません。新訳で増補されていたら別の本だもの。でも怪談集だから「五つの壺」は収録されないのだろうね。これは今でも早川文庫FTで読めるのかな?それに旧版の「MRジェイムズ傑作集」は絶版で欠番になるのだろうか。何にせよ目出度いことではある。で、ランズデイルの「ドライブ・イン」とストラウブの「シャドウ・ランド」は?まだ?
幻想文学61 こんなに刊行されてから時間がたって買うのははじめて。だってみなとみらいの本屋には売っていないんだもの。いい加減bk1に注文しようかと思っちまったぜ。

残業で帰ってきたら日本シリーズはとっくに終わってました。なんかあっけなかったなあ。一応パリーグファンとしては近鉄を応援していたのだけど。ヤクルトの中継陣に完全に押さえ込まれた感じ。予想以上に投手陣が良かった。ああ、野球シーズンもおしまいか。

(今日買った本14冊 今月買った本:123冊 今年買った本:2360冊)

10月24日(水)
読了本の感想から。
ペドロ・パラモ ファン・ルルフォ 岩波文庫
メキシコの作家。長編である本書と短編集である「燃える平原」(水声社)しか遺していないにもかかわらず多大なる影響を残したといわれる。本書であるが、ストーリーはあってないようなものであり、簡単に紹介するとこんな感じだ。
主人公のファン・プレシアドが死んだ母親の言葉で、コマラという町に父親のペドロ・パラモを探しに行く。そのコマラは廃墟と化しており、そこでは町の住人であったと思しい幽鬼が徘徊し、ファンは幽鬼たちから父親やその息子、町の住人たちの話を聞く。
全体はこのストーリーを時間軸から切り離して断片化したものを、ばらして再編集したものになっている。とはいえウィリアムズ・バローズほどはカットアップしていないので、全体像はつかみやすい。徘徊する幽鬼たちは突然消えたりはするものの、基本的に生きている人間とは全く区別がつかず、主人公の現実世界に何の違和感も無く共存しており、現実と幻想の区別は全く無いといって良い状態だ。しかもファンは途中で死んでしまい、墓の中でなおも幽鬼たちとの会話を続けていく。
時間、幻想世界それぞれを細切れにしてごった煮にして再構成したかのごとき実験的な作品。さほど読みにくくはない。エンターテイメントとはいえないと思うので、実験的な小説が好きな人はどうぞといった感じかな。
岩波文庫というと伝統的な古典作品しかないようなイメージがあるのかもしれないが、ラテンアメリカの作家でもフェンテスやコルタサルも入っていて結構見逃せない。古典作品でも幻想的な作品は昔から伝統的に刊行されているし、ブルトンとか実験的なところも入れていたりする。これで日本の現代作家も入ってくれば、なお良いと思うのだけど。大江健三郎だけでなく、清水義範やかんべむさし、笙野頼子、板東真砂子といったところも刊行されているのに入れる器がないんだよね。

読書は傑作短編集と世評の高い多岐川恭「落ちる」を読もうと思います。著作を集めると公言し、推理小説の著作を60冊以上も持っているのに、なんと読むのは2冊目です。我ながらあきれたもんだが、本当なんだから仕方が無い。

帰りの乗換駅が町田だったので、ちょっと寄り道。
なんだか知らないうちに高原書店はどこいっちゃったんだ?
殺意という名の家畜 河野典生 宝石社 まああとがきついているし。300円だし。宝石社だし。河野典生のファンだし。
女はベッドで推理する 梶龍雄 サンケイノベルス まあ梶龍雄だし。200円だし。読んだこと無いし。あれ?
マジャールの女 山田智彦 新潮社 山田智彦だし。署名本だったし。100円だし。もういいって。
水の中の八月 石井總互 ソニーマガジンス
エリ・エリ 平谷美樹 角川春樹事務所
d?時空いちびり百景 かんべむさし・堀晃 毎日新聞社 100%に限りなく近くダブりであるが、まあ家で探すより早いから読もうかと。
欺かれた男 ロス・トーマス 早川書房
ジャンプ 佐藤正午 光文社
1.9uの孤独 伊達一行 学藝書林 世紀末幻想と帯びにあるし、幻想的な著作があるから一応。
百物語の百怪 東雅夫 同朋舎 尊敬する東さんの本を古本屋で買うのは遺憾であるが、初めて現物見たのがBOOK OFFでは誘惑に勝てませんでした。同朋舎の怪奇シリーズは買わなきゃいけないんだよね。日本は買ってないし、ミステリー13はやはり何冊か欠けている。
dウォーチーフ バローズ 創元推理文庫 文庫で欲しいのが無かったんで。それにしても何故に拳銃マーク?
ツインズ 吉田直樹 新潮社 おーかわさんがお気に入りのようなので試しに1冊。
荷物はちょっと重かったです。

続いて届き物。
火の玉イモジューヌ エクスブライヤ ポケミス
殺人者はいない 多岐川恭 桃源社 ちょっと高めだけど、上限を上げているので。ゾッキ流れみたい。M17。

(今日買った本14冊 今月買った本:109冊 今年買った本:2346冊)

10月23日(火)
「ペドロ・パラモ」読了。感想は明日。

書いていない感想。
シスター君とブラザー嬢 宮本幹也 桃源社
著者の本を読むの初めて。他の著作は持っていないし、読むことになるかわからない。「妖術師ここに溶ける」なんて題名が惹かれるから読んでみたい気はするけれど、まず機会はないでしょうね。
他の著作がどのようなものが多いのかは不勉強にして知らないけれど、本書は女の心と男の身体をもったトンコと男の心と女の身体を持った一美がお互いに惹かれ、紆余曲折の後に、お互い本来の性を取り戻しつつ結ばれるというストーリー。エロティックコメディともいえようか。
表現や言葉の端々が古臭くて可笑しいのはさておくとしても、読みやすくて楽しい作品ではある。意外と今でもYAでありそうなネタと展開で、現代風にアレンジしてドラマ化してもそれなりに受けるんじゃないかと思われる。じゃーっと読んで忘れちまうのが本書のような娯楽読物の楽しみ方だと思うので、感想はこのへんで。面白いことは面白いので機会があれば読んでもかまわないと思いますが、無理して読むほどのことはないでしょう。

買った本
山田風太郎 文藝別冊 河出書房新社 書誌や単行本未収録の作品を含むお徳用。種村季弘のインタビューあり。山風の作品もたくさんたくさん持ってますが、なんだかんだ言って短編をアンソロジーとかで読んだ以外は、覚えている限りでは忍法帖1冊しか(何故か再読したけど)読んでいないということをここで告白しておきましょう。まあ楽しみは後で取っておくほうなのでね。いいのですが。あ、「悪霊の群」は読んでるか。

(今日買った本1冊 今月買った本:95冊 今年買った本:2332冊)

10月22日(月)
今日は予定通り飲みに行ったので書くことはございません。
本の感想を書く元気もありませんので、これまで。

読んでいるのは久しぶりにラテンアメリカ文学でもと、ファン・ルルフォの「ペドロ・パラモ」を読むことにしました。
ちなみに今までに読んだラテアメの本は覚えている限りで列挙すると、集英社のラテンアメリカ文学全集のボルヘスの巻とアストリアスの巻、ブロディーの報告書、悪い時、エレンディラ、リタヘイワースの背信といったところでしょうか。いかにも少ないですな。本当はコルサタルあたりを読むのが順当でしょうが。まあそのうち読もうと思います。ラテアメの本は昔から買い集めているので結構在庫があるのですよ。

ではこれまで。

(今日買った本0冊 今月買った本:94冊 今年買った本:2331冊)

10月21日(日)
シスター君とブラザー嬢 宮本幹也 読了。
感想は後日。結構読んだ本をGoogleとかで検索して他の人の感想とか見たりするのが好きなんだけど、ボウリングは感想はなかったものの、さすがに文章や古書店の目録は引っかかってきた。しかしながらこの本に関してはひっかかったのは買ったときの自分の日記だけ。なんだか寂しい気分。

とどいていた本。
有馬頼義推理小説全集1 東邦出版社
買い物は、まず家人につきあって行った自由が丘のBで、
好色な窓 多岐川恭 講談社
好都合な死体 多岐川恭 東京文藝社
どちらもかなり前から売れ残っていた本。理由は高いからだろう。しかしながらyahooでポピュラーブックスを2000円出しても落とせないという現実を目の前にすると買っちゃおうかという気分にならざるを得ない。まあ目をつぶってえいやで買うしかないな。こうなると。M18。
有馬頼義推理小説全集5 東邦出版社 上の1巻と合わせてあと4巻で揃い。函つきの3巻もあったが、なんで函つきの版のほうが安いんだ?後版だからか?全部で5000円以内でそろえば良しとしよう。勢いで集め始めたけど、読めるかな。誰も読んでいる人聞いたこと無い。
逆回りの世界 ディック HSFS 新井苑子の表紙だったんだね。
途中で食事のための降りた駅の古本屋。
悪魔の島 ディナー・S・ケイロス 新世界社 ラテンアメリカの作品のシリーズ。
魔の山野の夜 ディナー・S・ケイロス 新世界社 見たら買おうと思っているのだが最近はあまり見ないね。まだ多分3,4冊しか持てないや。

源氏鶏太のコンテンツに関してあの葉山氏から反応をいただいて嬉しい。

それにしても今日の日本シリーズは見ごたえがあったね。昔好きだったヤクルトを応援したい気持ちもあるが、基本的にはパ・リーグファンなので近鉄にも肩入れしたい複雑な気分。五十嵐の球は無茶苦茶速いが、早いだけではやっぱり打たれる。西武の森も早いけど打たれちゃうからな。ピッチングはコンビネーションなんだろうね。さて大リーグの方はどうなるでしょうか。

本当は月うさぎさんから神津恭介の質問メールをいただいたので、次に読むのは高木作品と思わないでもないのだが、はっきりって本はほとんど実家ですぐには読むことができません。で、やっぱ読むのは「ハスキル人」だろうな。(おい!)
全然読んでいないもので変な答えばかりでごめんなさい。今度何か読みます。きっと。(私信)

明日は飲み会なので日記の更新はしないかもしれません。買い物も読了本もないことでしょう。
読むのは軽いものにしようかな。

(今日買った本7冊 今月買った本:94冊 今年買った本:2331冊)

10月20日(土)
読んだ本の感想をば。
ボウリング殺人事件 山村正夫 サンケイノベルス
城南ボウリングに強盗が押し入った。マネージャーの庄司は丁度その時、ボーリング場を抜けだして愛人のプロボーラー市ノ瀬路子とホテルで会っていた。ボーリン場への電話で異常を察知した庄司はボーリング場へ戻るが、そこで強盗に襲われる。ガードマンたちの通報で警察が呼ばれるが、犯人たちは逃げ出し、2000万円が奪われた上、ボーリング場へいた三谷が殺された。強盗殺人事件として捜査を始める警察は内部の手引きがあったと考え、軽症の庄司に疑いの目を向ける。自分への疑いを晴らすため、独自の調査を開始する庄司だが、やっとつきとめた犯人の一人を追ったボーリング場で、その男が殺される処に居合わせてしまう。警察は庄司を逮捕する。そしてそうこうしているうちに第二の殺人が・・・。
著者の作品は「陰画のアルバム」(徳間文庫)(傑作!)に代表される「新雨月物語」等の怪奇系作品は読んでいて、かなり好きだったりするのだが、推理小説作品を読むのは始めてである。本書はサンケイノベルスに書き下ろされた長編で、推理作家協会賞候補作らしい。
当時全盛であったボーリングを舞台に選んでいるて、基本的には強盗犯人の側も描いた倒叙推理の形式をとっている。殺人に関してはトリックはないこともないのだが、それが実際に実行できるかというと、舞台を考えたら疑問。最後のひねりはかなり意外であるが、微妙な表現ではあるものの、地の文との食い違いがあるように思われる。それにミステリーとしてその終わり方では収まりが悪いような気もするし。
特に傑作という感じは無いが、文章はとても読みやすく登場人物も書き分けられ、結末も意外なので、良しとしましょう。なお本書は角川文庫から「球形の殺意」のタイトルで再刊されている。

駅のBOOK OFFへ寄る。
女流棋士殺人事件 本岡類 講談社ノベルス 
少女が消えた小道 ジェイン・アダムス ポケミス
dそして謎解きへ 小説推理傑作選 双葉社 持っている気がしたんだよな。

某所の寿司屋へ家人と行った帰り道でそこの古本屋。おばあちゃんがやっている古い店だが、本の数が少なく何もめぼしいものはなかった。
裂けた旅路 加納一朗 トクマノベルス 先週スルーして後悔していた加納の作品をGET。

ようやく、コンテンツ「源氏鶏太怪談の部屋」オープン。まだ出てこなくて完成版ではないのだが、コンテンツの更新は本当に久しぶりだ。思ったより手間がかかり疲れてしまった。構成も変えたので、他のページとあわないものになってしまったが、地の色が黒というのは落ち着く。開設当時基調黒にしたかったのだが、kashibaさんのところが黒だったのでなんとなく変えてみたのだ。でも感じは黒のほうが断然良いので、今後の更新で徐々に変えていくかもしれない。

(今日買った本4冊 今月買った本:87冊 今年買った本:2324冊)

10月19日(金)
夏休み前からだからおよそ1ヶ月ぶりくらいで近所のBOOK OFFを訪問。
昼の少年と夜の少女 G・マクドナルド 太平出版社 童話全集も何冊か持っているはずだが。
かげの国 G・マクドナルド 太平出版社
ヘルシンキ事件 マウリ・サリオラ TBSブリタニカ 北欧ミステリシーズなんてはじめて見たなあ。それにしても地味な装丁だ。
静かな教授 多岐川恭 徳間文庫 持っていると思ってスルーし続け、持っていないとわかったとたん急に見なくなってしまっていたのでした。本当は創元を買えばいいのでしょうけど。これでM20かな?
別の店。何も買わないのもなんだし下記だけ買う。3冊100円。
積木の壁 海渡英祐 ジョイノベルス
出囃子が死を招く 海渡英祐 光文社文庫
犯罪展覧会 カッパノベルス

今月はあまり買っていないようでも結局100冊はいっちゃいそうだ。

ボウリング殺人事件 読了。感想はまた明日にでも。

川口さんの掲示板で甲賀三郎全集の復刻版が出るのを知ったが、56,000円とのことで、欲しいけど冬のボーナスで買うしかないかな。今の値段で考えれば全集が1冊あたり5,600円といういのは決して高い値段ではない。でもこれって全部の作品が網羅されているわけじゃ全然ないんですよね。きっと。そういや甲賀三郎も短編しか読んだこと無いな。

(今日買った本7冊 今月買った本:83冊 今年買った本:2320冊)

10月18日(木)
書き忘れた買い物。ちょっと失敗。
見えない鎖 南條範夫 青樹社
小酒井不木・甲賀三郎集 河出書房
島の娘 黒岩涙香 光文社

飲み会やらなんやらで帰りは午前1時。結局本も読めずに一日が終わってしまった。あ〜あ。

気が向いて調べると手持ちの西東登は8冊で2冊ダブり。藤村正太は12冊で、版違いのダブりが1冊。持っていないようで買っているところがあきれる。でもどちらも人に譲っていただいたものがわりあい多いみたい。せっかく譲っていただいたのだから、読まなきゃいけないんですけどね。そういうのが多いのが悩みの種です。西東登は集英社文庫に縁が無いのがちょっと不思議だな。西東登はおーかわさんから教えてもらったので大体全部わかったけど、藤村正太は一体三冊著作があるのでしょうね。黒白さんが藤村正太の部屋の開設を計画中とのことで楽しみであります。さっぱり「孤独なアスファルト」からかな?とはいってもどこにあるのかがわからないのが致命的。

(今日買った本3冊 今月買った本:76冊 今年買った本:2313冊)

10月17日(水)
yahooで買った本。例によって知っている方からの落札。
赤毛の男の妻 ビル・S・バリンジャー クライムクラブ
暗殺計画 マイケル・ブライアン クライムクラブ 
我が家の本棚(正確には床に積まれるだけの状態であるが)にクライムクラブが収まるのは始めてである。ネットを始める前にはOUT OF 眼中だったシリーズだ。何でこんなことになっちゃったんだろう。それを言えば今の家に積んである本の半分以上、多分7割以上は同類項であろう。古書価の高いクライムクラブを揃えようなんて大それたことは考えちゃいないけれど、何冊か持っているだけでも嬉しいものだ。

今日買った新刊 (月うさぎさん風に)
バンパイア・ジャンクション S・P・ソムトウ 創元推理文庫
今日買った雑誌
おっとしまった。雑誌は買っていないなぁ。

それにしてもよしださん、血と薔薇を350円で買うかなあ。恐ろしいことです。

散々迷った末、読書は山村正夫の「ボーリング殺人事件」にする。だって階段を上がっていくといつも背表紙が目に付いていたんだもの。やたらに読みやすいけど、それでも読み終わりませんでした。
明日は飲み会だと思うので、果たして読み終われるのでしょうか。


(今日買った本3冊 今月買った本:73冊 今年買った本:2310冊)

10月16日(火)
「街と村」読了。ということで感想を。

街と村 伊藤整 第一書房
昭和14年に刊行された著者の連作中篇で「幽鬼の街」「幽鬼の村」からなる。昔読んでみたくて全集の端本など探して買ってあったのだが、何てことは無いその後(といっても8年も前だが)講談社文藝文庫から出版されてたのね。興味がある人はこちらを買ってください。(自分も解説だけ読みたいな) なお読んだのは初刊本で作者の序文つき。この年度だと検閲が入っているのかもしれない。
幽鬼の街 あらすじは書きにくい。当時の小樽を舞台にして作者の分身である主人公が街を彷徨し、自分を断罪する数多の男女の幽鬼に襲われるというもの。私小説の衣を纏っていないこともないのだが、とにかく妄想的ともいえる描写の連続で驚かされる。表現はかなりグロテスクなところもあるし、手法としてはおそらく実験的と言えるだろう。作中には芥川龍之介(本文中は塵川辰之介)や小林多喜二(本文中は大林瀧次)も登場する。目線が語り手と同化するような私小説的な肌触りで、手法としての幻想というより(変な言い方だが)著者は本当に幻想を見ているのではないかという気分にさせられる。
なお余談であるが本作を取り上げてるHPがあったのでそちらを見ると(この方は作中の主人公の彷徨に合わせて本文と場面場面の現在の小樽を紹介している)本書で主人公の鵜藤が彷徨する小樽は、当時の小樽の街に忠実に沿っているらしく、本には地図も付され主人公と共に小樽の「幽鬼の街」をめぐることができたということだが、挟み込みという可能性はあるものの初刊本の本書には綴じこまれてはいないし、上記の二人もHP内の本文引用で本名になっていたから、こちらは戦後の版での話かもしれない。
幽鬼の村 前出の作品と対をなし、こちらは著者の故郷が舞台になっている。物語は主人公が十数年ぶりに故郷に帰り着くところから始まり、今度は現実の村人たちから過去の所業を持ち出され、盗人と疑われ村を追われる。そしてそこから物語は夢幻的な色彩を帯び、山に逃げ込んだ主人公は山を彷徨するうちに鼠が財宝を洗っているのを発見してそれを盗んだり、財宝を運んでいるうちにお地蔵さんの罰を受けたりと主人公の周りは民話的な世界に一変する。そして財宝を失って絶望し倒れていた自分を救ってくれた女性に寺に連れて行かれ、和尚の地獄の講釈を受けるうちに行き倒れ、身体が動かせないままに生きたまま火葬された上、地獄に落ちてしまうのだった。
これも自分を断罪する他人と自らの魂の彷徨を描き、心理を深く堀り下げたような小説だ。文学的な価値はわからないのでそれは専門家の人に任せるとして、私小説風幻想小説として一読の価値がある作品集であるのは確かである。今の時代伊藤整なんか読む人は少ないのかもしれないが、著者の幻視者としての資質が伺える異色作品として幻想小説や怪奇小説の好きな人にもお勧めできる。

買った本。
超恋愛 大原まり子 光文社文庫 衝動買い。高校生のときに「機械神アスラ」出版記念サイン会に紀伊国屋新宿店に行ったのはもう20年近く前かぁ。(遠い眼)

買った本と読んだ本以外のことを書くことができない無芸な人間ですいません。
うーむ、芸が欲しいなあ。本をたくさん買うのが芸じゃ寂しいぜ。

(今日買った本1冊 今月買った本:70冊 今年買った本:2307冊)

10月15日(月)
ストックが尽きてしまったので本の感想が書けません。

伊藤整は決して読みにくいという感じではないがあまり進まず、第一部を読み終わろうかという程度。

買った本は
海音寺潮五郎短編総集(四) 講談社文庫 中国古典に取材した幻想的な短編が入っているということなので。
反在師の指輪 川又千秋 デュアル文庫 書き加えられた10数ページで定価を出す気がしませんでした。単行本ははるか昔に読んでいるはずだが、綺麗さっぱり忘れてますな。

黒白さんのように古いミステリ文庫がずらっと並んでいればいいのだが、最近BOOK OFFではあまり良い拾い物がありません。最近ではmasamiさんの「ミステリの書庫」を読み直して笹沢佐保が妙に読みたくなったり。

(今日買った本2冊 今月買った本:69冊 今年買った本:2306冊)

10月14日(日)
ネットで購入した本。
山と水 黒岩涙香 明文館書店 涙香は10冊前後持っているが、自慢じゃないけど1冊も読んだことない。読んだの「無惨」くらいだな。読む勢いが出ないんだよねぇ。
フレッチャ集 博文館
近代劇全集25 愛蘭編 松村みね子訳 第一書房 ダンセイニ、シング、イェイツ収録。
秋風秘抄 城左門 湯川弘文堂 詩集です。全詩集に入っているんでしょうが、城昌幸に関しては元版がやはり欲しいです。
オトコ独身 樹下太郎 グリーンアロー出版社 ちょっと高めですが。これでM16です。でも読んだのは2冊です。


PEGANA LOST Vol7 西方猫耳教会 
詩人であり、戯曲家であり、小説家であり、軍人でアイルランドの貴族だったダンセイニ卿に関しての研究誌。今までに自分が読んだのは「ダンセイニ戯曲全集」(警醒社書店)「ペガーナの神々」(ハヤカワ文庫版)「魔法使いの弟子」(ハヤカワ文庫)くらい。他にも翻訳は多く、戦前からかなりの数が翻訳されている。いずれも神秘的なものであり、個人的な好みとしては創作神話より戯曲である。
「バブルクンドの神々」を主催する未谷氏を中心として編集された同人誌。資料、翻訳も充実し読み応えがある。特に資料は労作で、ダンセイニに興味のある人は無論だが、ファンタジー、幻想文学を愛好する方は持っていて決して損は無い。
以下に目次をあげる。
創作神話(時と神々/神々の戯れ/神々の微睡み)
初期短編(キュビジ嬢と空想の竜)
戦争小説集(デルスウッドの祈り/ピカルディを歩いて/歩哨兵ディック・チェイザーにその夜何が起きたか/敵襲に備えて/偉大なる旅人/故郷を想って/砲弾/英国とフランドルの春/春と皇帝/二つの歌/戦争の罪/戦争の起源と原因/蜃気楼/最後の海賊/アイルランドの記憶/野蛮なる者/皇帝の慈悲/最後の光景)
短編(現代の肖像)
研究(ダインセイニ原作の時代劇映画「俺は用心棒」)
旅行記(ダンセイニ城紀行)
エッセイ(サイムについての断章)
資料(ダンセイニ邦訳目録)

翻訳では今まであまり目にすることの無い戦争小説集18編が目玉のように思う。今まで翻訳された作品は多くは幻想的な作品で、このような題材のものは読んだことが無かったのでまずは目新しく、そして意外であった。18編の中には幻想的なものもいくつも含まれるが、基本的には戦争(WWT)を題材にしたスケッチ風のものが中心になっている。しかしそういったスケッチ風の中にも情景描写等で神秘的なものを感じさせるものが多く、天性の幻視家であったことを偲ばせる。創作神話はケルト神話等からの影響がその程度あるのか浅学な自分にはわからないが、オリジナルな神話の創造/再構成は、以後の作家たちにもあまり同傾向の作品は無い気がする。本音を言えばあまり得意な作品群ではないのだが、良さは十分に感じているつもりだ。「現代の肖像」という短編は「パンチ」に埋もれていた無署名のかなり晩年の作品で小品であるが、「第三の警官」に連なる自転車小説であった。研究も今までダンセイニ原作(翻案)の時代劇映画あるなんて全然知らなかったことなので興味深い。(その映画の音楽が伊福部昭というのも妙に嬉しかったりする) いずれにせよ今後の続刊が楽しみな同人誌が増えました。
まだ残部はあると思うので、興味のある方は今のうちの購入をお勧めします。
バブルクンドの神々 http://village.infoweb.or.jp/~pegana/

読書は伊藤整の「街と村」のはずだが、ばたばたしてほとんど読めず。

(今日買った本5冊 今月買った本:67冊 今年買った本:2304冊)

10月13日(土)
いわいさんにお誘いいただいてのイベント参加。川越散策。
複数店舗での購入。
海の壁・兜町殺人事件 船山馨 河出ペーパーバックス
消えた乳房 戸川幸夫 角川小説新書
揺れる女 戸川昌子 講談社ロマンブックス
d飢渇の果 南條範夫 ポピュラーブックス 持っているとは思わず。
幻狼殺人事件 梶龍雄 トクマノベルス
レベッカ デュ・モーリア 三笠書房 函だけ欲しくてBOOK OFFで買う。手持ちのデュ・モーリア選集でこの巻だけ函欠だったため。
死の命題 門前典之 新風舎
真名仮名の記 森内俊雄 講談社
ホステス殺人事件 西東登 青樹社 カバ欠
花と風とギャンブルと 藤原審爾 日本文華社 アクション小説とありますが、カバ欠。
闇からの招待 山田智彦 集英社 探求書だがカバ欠。
乾いた季節 三好徹 河出ペーパーバックス
愛の終わり 山田智彦 冬樹社
たびたびの旅 真鍋博 文藝春秋 署名入りだったから。
殺人名画 西東登 青樹社
影の接点 加納一朗 青樹社 カバ(函?)欠。改題でもされて文庫化されているのかな?他にスルーした加納一朗のノベルスを持っていないことを帰って調べたらわかりました。残念。ちなみにこの本昭和39年刊なのだが、巻末の広告を見ると北村鱒夫、楠田匡介、鷲尾三郎とかがごろごろしてます。タイムマシンがあればいいのにね。加納一朗も「冷えた気流」ってのっているんだけど、これなあに?
ついでに加納一朗で持っている本とか調べたのだが、昭和52年以降では新書では「北アルプス白の死線」「 帝都誘拐団」「開化殺人帖」「白夜の狙撃者」「血の色の冬」「 パリ殺人事件」「裂けた旅路」あたりが持っていないようです。文庫だと「あまい死のにおい」が縁が無い。スルーしたことがあるのも含まれているけれど、難易度としてはさほどではなさそうかな?とりあえず文華新書と秋元文庫が一番なさそうだ。

ご一緒した発起人いわいさん、小林文庫オーナー、川口さん、無謀松さんと飲み食い歓談でいつものペース。ぬるくて楽しい時間ではありました。また誘ってくださいね。

「PEGANA LOST」読ませていただきました。感想は明日書きます。次は伊藤整を読もうと思います。

(今日買った本16冊 今月買った本:62冊 今年買った本:2299冊)

10月12日(金)
本屋で購入。
第三の銃弾[完全版] カー ハヤカワミステリ文庫

yahooで落札した本
微かなる弔鐘 高城高 光文社 欲しかった短編集。2冊しか著書が無いので完集ね。

お聖どん・アドベンチャー 田辺聖子 集英社文庫
著者の唯一のSF連作小説。自分は昔、筒井康隆の「みだれ撃ち涜書ノート」で知った口で、昔からのSFファンには有名なのだろう。大阪弁の小説で、登場人物は一部を除いて全て作家が実名で主人公はわたしこと田辺聖子、筒井康隆、小松左京。読んでいて最初は違和感があったが、読み進むにつれ慣れてきたのか、最後には登場人物としてしっくりしてきた。キャラクターがはっきりしているからだろう。以下登場作家と各編の紹介を簡単に。なお舞台設定は近未来の日本で、独裁政治に席巻され言論,出版の自由等が全て剥奪され、食糧等も配給になってしまった時代。娯楽は無く、小説は一部の役人が政府のシナリオに従って書く味気無い作品ばかり。作家たちは小説を書くことを許されず、仕事を求めていた。
デブデブ牧場 主人公の3人の登場編で、食糧危機の時代に乗って商売をしようと始めた鯨牧場の話。周りの新興鯨牧場のならずものと戦う。シェーンのパロディ。まだ趣向に慣れていないせいか、ちょっとぎこちない感じもある。
うしろ指 浪花町商店街・観光宇宙船の乗組員として就職した3人。月への観光旅行船に乗り込む。月は観光地化し、どこぞの日本の商店街と化していた。そしてそこでは月うさぎ組が勢力を振るい、月を金儲けの道具として活用しようとしていた。佐藤愛子が月うさぎ組に対抗する佐藤組の女親分として登場。観光地化する地域とそこを食い物にしようとする権力を風刺しているが、観光宇宙船で騒ぐ乗客たちの遠慮会釈ない描写は筒井康隆にも共通する毒があって面白い。
あひるのあんたはん 金儲けを企んで新興いんちき宗教を始めた3人。それはあひる教として全国に広がりコミューンまで形成するようになる。最後膨れ上がったコミューンを待っていたものは?宗教に対する刺が利いていてとても面白い。藤本義一、五木寛之登場。
夢の素 イーデス・ハンソンの家に食えない作家が集まって「ハンソン派出夫(婦)会」を作っていた。そこでのどたばたを書いている。作家総登場で、主人公3人のほかイーデス・ハンソン、五木寛之、野坂昭如、藤本義一、戸川昌子、川上宗薫、佐野洋、井上ひさし等。ほかにコロンボがゲスト出演。
円盤芸者 芸者となって身を立てようと思った女流作家たち。そこへ円盤が現れる。客として宇宙人たちの宴席に呼ばれた女流作家たちは。
一番SFチックな作品であるが、円盤を自衛隊のヘリコプターと思い、宇宙人だとは露ほども思わない女たちが可笑しい。登場人物は3人の他イーデス・ハンソン、戸川昌子、佐藤愛子、桐島洋子、森茉莉、城夏子等。
古墳屋 とある村の泊めてもらった家で、そこの爺さんに綺麗な縄文式土器、弥生式土器を見せてもらう。その辺でごろごろとれるという。しかも邪馬台国の金印や銅鏡まで出てくる始末。すわ、と騒ぎ出す三人。タイムマシンまで飛び出してどたばたが始まる。
古墳捏造が騒がれている今、とってもタイムリーであるといえよう。後半のタイムマシンでのどたばたがこれまた筒井康隆風で面白い。眉村卓、松本清張らが登場。
人体接着剤 役所にまぎれこんだ3人は、偶然から人体接着剤を発明してしまった。これは人間だけに有効で一度ついたらハナレ薬を使用しないと絶対に離す事ができないという恐ろしいものだ。政府の権力争い等もまきこんで日本全国一大事の大騒ぎ。これもどたばたで楽しい。
女の内閣 クーデターにより女の内閣が誕生し、女は社会に進出。男は家庭に入るようになる。女性至上主義を唱える評論家と、ひょんなことから男性復興主義の尖兵役となった小松左京があい争うようになる。これも風刺色が強く面白い作品。

内容的にはSFというよりはほら話という感じで、最初はちょっとぎこちない感じだったが、次第に面白くなり風刺の効いた愉快な好編となっている。古手の人はみなさんお読みかと思いますが、未読の人手最近面白い本が無いとお嘆きの諸兄諸姉にはお勧めの短編集。気楽に読めるが風刺も利いてる。著者で他にも何か面白い作品が無いか、興味が出ました。

明日はイベント参加であります。

(今日買った本2冊 今月買った本:46冊 今年買った本:2283冊)

10月11日(木)
通りがかりのBOOK OFFに寄ってみる。(まあ正確には寄ったんじゃなくて近くに言ったからわざわざ出向いたのだけど)
とりあえず何も無いのでこの辺だけ買っておく。
いつか、王子さまが・・ 末吉暁子 講談社青い鳥文庫 
バージンラブ 北宋社 一時期ぼろぼろ出ていた北宋社のアンソロジーだが、これは買っていなかった。だって恋愛小説のアンソロジーみたいなのだもの。で、今回なんで買ったかというと中に寄稿している斎藤一郎さんという方の献呈署名があったから。だって100円なんだもん。
狐と宇宙人 小松左京 徳間書店 戯曲集。
午後四時の男 アメリー・ノートン 文藝春秋 帯に鹿島茂の推薦があったからな。前作の「殺人者の健康法」も100円で見たときに買って置けばよかったなあ、と思う今日この頃いかがお過ごしでしょうか。

新刊書店で
創元推理21 バックナンバーで持っていない号が多分7,8冊あるのだが、何を持っていないのかわからないという始末ではどうしようもない。

さて今日も感想文を書きましょう。

かくれんぼ・白い母 ソログープ 岩波文庫
掲示板にソログープさんの書き込みをいただき、HP開設に刺激され読んでみた。今まで読んだのは「小説幻妖」に復刻された「毒の園」くらいだったので、著書としては初めて。(といっても100ページ少しの薄い本だけれど) ちなみにこれは復刊されたときに新刊書店で買っていて1985年の重版だから、16年前のビンテージもの。高一君と同い年かい。なんだか哀しくなるぞ。神保町の岩波ブックセンターの包装紙つき。ちななみに新刊書店でブックカバーをつけてもらうと、何の本か一目ではわからなくなるので不便なんだよね。本をたくさん買う人はつけてもらわないのだろうか。
どれも淡く短く、あらすじをくどくど書くような作品ではないので手短に。
かくれんぼ レレチカは明るくかわいらしい子供で、かくれんぼが好きだった。冷たい夫から逃れるため、母親のセラフィマ・アレクサンドロヴナも一緒になってかくれんぼで遊んでいた。しかし年寄りの料理番があまりかくれんぼが好きだと、本当に(この世から)隠れてしまうという恐ろしい言葉を聞き、不安になった。アレクサンドロヴナはそれ以来かくれんぼが恐ろしい。そして・・・
母親と子供の愛情のふれあいを描いた小品。母親の思いが心を打つ。
白い母 サクサウロフは孤独だった。以前愛していた恋人に先立たれそれ以来独身で通してきたのだ。恋人は白い服の似合う美しい女性だった。ある日サクサウロフは町で一人の少年を見かける。その少年はどこか死んだ恋人を思わせるものだった。
過去へのこだわりと、新しい世界への旅立ちを描く。
光と影 ふとしたきっかけで手に入れた本に書かれていた影絵に取り付かれた少年の話。少年は勉強の合間に、母親に隠れて影絵をやっていたが、次第に影の魅力に囚われていく。一方母親も息子の影絵への執着に不安を感じるが、自分も試しに影絵をおこなっているうち、影に取り付かれていることに気づく。
北村薫の「謎のギャラリー」に収録されているようなので読んだ人も多かろう。狂気とまではいかないが、影という考えようによっては神秘的なものにとりつかれる少年の姿を克明に描いているので、まあ幻想的な作品といえないことも無い。
子羊 父親が子羊を殺すところを見ていて、面白がって真似しようとする幼い娘二人。姉は台所から包丁を持ち出した。子羊は妹の役だ。
とても短い作品であるが、とてつもなく恐ろしい。

題名から想像されるような穏やかな明るい作品を予想すると見事に裏切られる、ペシミズムにあふれた作品群。はっきり言って暗い。また主人公がどの登場人物も魅力的な少年や少女であるのも特徴的だ。また幼い子供が何かの運命に翻弄されるというモティーフはどの作品でも共通している。勝手にもう少し幻想的な作品群を予想していたのだが、どうもそうではないらしい。他の作品もこんなトーンなんだろうか。どうもうまく感想が書けないな。

田辺聖子 読了。金光さんらの作った「PEGANA LOST」を読ませていただくことにしました。

(今日買った本5冊 今月買った本:44冊 今年買った本:2281冊)

10月10日(水)
ネット古書店からの購入本をまとめて。
帽子屋の幻影 シムノン ハヤカワポケットブックシムノン選集
情獄 大下宇陀児 平凡社
人生だなあ 樹下太郎 春陽文庫
ジャンケン娘 中野実 春陽文庫
密の味 戸川昌子 東京文藝社
歪んだ夜 加納一郎 光風社

加納一郎が特にうれしいな。

予告どおり感想文。
ゴッケル物語 クレメンス・ブレンターノ 月刊ペン社妖精文庫
ドイツロマン派の作品。シュトルムの「薔薇と鴉」を併録。
ゴッケル物語 ゴッケルは妻のヒンケルと娘ガッケライアと共に城を追われ、父祖伝来の城に向かっていた。しかし城は荒れ果て廃墟となり、住むところといったら鶏小屋しかない始末。しかしゴッケルは気を取り直して唯一の家来(といっても人語を解する鶏だけどね)のアレクトリオ・ガリーナと共にそこに居を定める。ゴッケルはガリーナの生む卵を孵して鶏を増やすことによって暮らしていこうと思い立つ。ある日迷子になった鼠の王女を助けたゴッケルはその鼠に恩返しを約束されたりする日々を送りながら卵の孵る日を楽しみにしていたが、しかし計画は思い通りに行かず、せっかくガリーナの産んだ30個の卵が孵ったその日、たまたまゴッケルが出かけ怠け心の出たヒンケルが見張り役のアレクトリオに袋をかぶせていたすきに、ガッケライアの隠していた猫に全て親子ともども食べられてしまう。帰ってきたゴッケルは恐れる親子の、アレクトリオが全てやったという嘘を信じて、アレクトリオを裁こうとする。絶望したアレクトリオはゴッケルに首を打ち落とされるが、その首からはソロモンの指輪が転がり出た。その願い事をかなえるという指輪をめぐって、それをつけねらう三人の男たちとの争奪戦が始まる。
古城、ソロモンの指輪、人語を解する動物たちと、道具立てが揃っていていかにもロマン派のメルヘンという感じがする。そこで「うえっ」と思ってしまう人はこの作品は読めないだろう。そもそも現代人にとってはリアリティのない御伽噺だからだ。しかしちょっと考えると、この作品が書かれた1838年はまだ近代化の波がくるかこないかというところで、まだ帝政の国もあったから城も実際に使われていたし、田舎の森の奥には打ち捨てられた古城などもあったのではないだろうか。魔法はもう信じられてはいなかったかもしれないけれど、そのあわいの中間的な時代ではそういったいわば中世的な世界にさほど違和感がなかったのかもしれない。そういう風に考えると当時は今読むほど浮世離れしてはいなかったかも知れず、物語を読んだ人の受ける印象も違ったかもしれない。というどうでもいいような感想を覚えましたが、純粋な物語としてはいろいろな物語の要素をつめこんでいるわりにはすっきりまとまっており、説教臭さもほとんど無く、このようなメルヘンが好きな人には楽しめるものにはなっていると思う。解説に初刊本のイラストが数点掲載されているが、実物を見てみたいなあ。矢川澄子さんの訳はとても読みやすい。
薔薇と鴉 人間は薔薇の園の薔薇の乙女を見つけると不死になる。実際に年をとらない両親にそのことを聞いた少年は、長じてから賢者の石を探すようになる。修業先を出て実際に探求の旅に出る際、男に緑のめがねをかけた鴉をたくされる。薔薇の乙女に出会いそうになる青年を鴉はことあるごとに邪魔をする。
上の説明を読んでもどんな話やらピンとこないと思いますが、読み終わった自分にもピンときてません。神秘的で象徴性が強いため、隠秘学等を物語的に解釈したものではないかという気がする。薔薇、鴉、賢者の石、いずれも象徴的でなんだか意味がありそうである。とはいえこちらにそっち方面のバックボーンがないため、読み物的には書かれたものそのままを受け取らざるを得ず、そういう意味ではあまり面白いとは思えなかった。作者は発表時「かんがえさせられるおはなし」という副題を与えていたらしい。たしかに考えちゃうよ。

挿絵は建石修司ですばらしいがもう少しはっきりした印刷であればもっと良かったのに。画面が暗いだけに、ちょっとぼけて見えてしまっているのが残念。

ソログープは読み終わったので「お聖どんアドベンチャー」田辺聖子を読んでます。

(今日買った本6冊 今月買った本:39冊 今年買った本:2276冊)

10月9日(火)
予告どおりに感想を。
ちびくろさんぼ ヘレン・バナーマン 岩波書店
説明の必要も無い児童書。さんぼが虎に襲われる一部と、猿に弟をさらわれる2部からなっている。現在は絶版で入手は難しいしあっても古書価が高い場合が多い。なんであんなにあった本が消えてしまったのかはわからない。読むのは30年ぶり近いのではないか。
詳しいあらすじは書いてもしかたがないので省略。まずは本としての魅力であるが、やはり挿絵に負うところが大きいと思う。絵はフランク・ドビアスとありますがものを知らない自分にはどういう人かわかりませんが、原色の色彩感と省略の効いたイラストは子供は無論だと思うが、大人の読者も魅了せずにはおかない。特に虎が秀逸で怖さ、躍動感が非常に良く伝わってくる。色彩もグラデーションとか面倒なことは使わず原色で真っ向勝負していて、その鮮やかさは眼に焼きつく。他にもたくさんの出版社から出ているにもかかわらず、ちびくろさんぼといえば岩波書店版であるという感じがするのは、イラストによるところが大きいだろう。(実際に古書店さんに聞いたところでは探されているのは岩波書店版だけらしい) では次にストーリーであるが、子供の主人公にすることで親近感を持たせ、虎や猿といったような動物園でももっともポピュラーな動物たちを登場させることによってストーリーを盛り立てる。またキャラクターは虎は怖く猿はずるがしこいというステロタイプながらもとてもわかりやすいものだ。そして子供にとって(自分がそうだったし)魅力なのはホットケーキという食べ物とそれを食べるという描写だと思う。虎が樹の周りを回っているうちにバターになってしまい、そのバターでホットケーキを作った上、さんぼが169枚も食べたしまったというくだりは子供ながらに読むたびにホットケーキが食べたくなったものだ。(ような気がする)で、ここまでが純粋な本に対しての感想。非常にわかりやすく楽しいストーリーであると言えよう。
しかし、である。自分は本書が絶版になった経緯については詳しくは知らない。だが何も知らない前提知識を全くもたない子供に対してこの本を与えることによる影響については、差別を助長するというようなことがもしかするとあるかもしれないことは否定できない。つまり日本という基本的にはほとんどが同じ民族から構成されている国において、黒人の知り合いなど普通はできるはずもなく、この本を母親等に聞かせられることによって、黒人とはこの本に描かれているような、ジャングルで動物と一緒に暮らし、ホットケーキを169枚も食べてしまうような人間であるというような刷り込みがなされることが絶対に無いとはいいきれないと思うからだ。大人は良い。この本は大人が見ると絵本としてとても魅力的だと思うからだ。しかし子供に対してはどうなのか。これはそういう可能性があると考えられたのならば排除されるのも仕方がないのではないかと思う。少なくとも子供向けの本としてはだ。最近では昔の小説等の作品で差別用語とみなされるような表現があったとしても、巻末の断り書きですませている場合が多く見受けられる。これは作品本来の価値を認めた上で、そのような表現があったとしても、それが本来は正しくあるべき姿ではないという判断のできる大人に対してのメッセージなのだ。子供に対してはそのような断りは不可能だし、絵本のようにプリミティブな形式では覆うべくも無い。
こればかりは難しい問題だし、結論は出ないだろう。そもそも古書店で本書を購入しているのだから説得力が無いし、異論や文句のある方もたくさんいるだろうと思いますが、これが自分の今の感想です。自分自身大いなるノスタルジアを感じているのは事実ではあるものの、感情的な面は別にしてできるだけ冷静に見たい。やはり子供の頃読んだという大人のノスタルジアだけで復刊を望むようなことはすべきではないのではないか、というのが結論だ。
そもそもこの本でなければならない理由なんてどこにも無いのだから。
ちなみにこれはインドの話なので黒人ではないのですね。本当は。


とりあえず「白い母・かくれんぼ」を読んでおります。もうすぐ読み終わるので次は何にしようかな?

BOOK OFFに行きましたが、特に何もありませんでした。
変化 ゴーティエ 教養文庫 持っているかもしれない。
ポルノ殺人事件 黒木曜之助 桃園書房 この人も昭和40年代は青樹社とか桃園書房の新書版なんていう、集めようとしたら地獄のような本が揃ってますなあ。集める人がいなくて良かったね。ぼくも決して集めているわけではありません。
性感の神秘 高橋鐵 河出文庫 河出文庫の高橋鐵が100円なら買いだよな。
d日本無術神妙記 中里介山 河出文庫 100円だったので思わず買っちゃいました。

ネット購入した本が何冊が届いてますが、それはまたバランスを考えて後日に回しましょ。今月もあんまり本を買わないと思うし。

(今日買った本4冊 今月買った本:33冊 今年買った本:2270冊)

10月8日(月)
昼から家人と喫茶店のはしごで読書など。
「ゴッケル物語」読了。他にたまには児童文学と詩集等と思い、「ちびくろさんぼ」と「カランドリエ」を読了。
やあちょっといんちきくさいけど読了が3冊たまったので3日間は楽できるぞい。
本当は久々にポウ全集の続きを読もうかと思ったが、これから読みましょうね。でも「模倣犯」以上に持ち運びはできないので持ち運び用は別のを考えなくちゃな。

カランドリエ ロベール・ド・モンテスキュー 森開社 限定380部うち185番
19世紀末から20世紀初頭に活躍したデカダン詩人。ユイスマンス「さかしま」の主人公デ・ゼッサント伯爵のモデル。マラルメを始めとして多くの文化人と交流があった。本書は1903年のカレンダーの役目を併せ持つ詩集で,各月に合わせて各ページその月の暦と、12編の詩が附されている。また各ページは緑または赤で印刷され、蝙蝠のイラストが描かれており、表紙は二色刷り。なお本自体は原本を模して改装した瀟洒な小冊子無綴本である。なお訳者の白鳥友彦氏の「世紀末プレシューの宴と詩」と題された解説小冊子つき。
詩持体は象徴主義の影が濃く、空と湖、星と花を対比させるような描写と、色彩鮮やかな表現で短詩ながらも美しい味わい深い作品集になっているように思う。
なーんて詩の感想なんて書いたこと無いから、どんな風に書いたらいいやら全然わかんないや。それにしても翻訳の詩は難しいのだろう。小説も難しいのは言うまでもないのだが、言葉が少なく、韻を踏んだり表現を工夫をすることが多い詩は、異国の言語に移すのはそれこそ至難の業だ。

本屋にも寄ったが、今日は懐が寂しくて何も買わず。

しかし純文学、フランスの詩集、童話、ドイツロマン派と続くであろう日記を振り返ると、本当にミステリサイトか?と思っちゃうな。めちゃくちゃだもん。ごめんね。(あなたまの末席に加えていただいているのでそんな勘違いをしてしまうのだけどちょっと違うよね、でも本当は幻想文学主体だったのだけれども) でもこれからも読む本のジャンルを絞るつもりはありません。いずれにせよ自然体で本は選択していくつもりであるし、もしこんなつまんない日記でも読んでいただけた人がいて、今まで関心の無かった本や著者に興味を持っていただけたらそれに勝る喜びはないからね。そういえばまだ書いたことが無いが、画集の感想なんてどう書いたらいいのかな?評論とかも澁澤種村だけじゃなくて高山宏なんかも読まなきゃと思って控えているんだけど。でも自分の知識と頭では書けないだろうなあ感想文なんて。まあいいや。自然体。自然体。

というわけで明日は「ちびくろさんぼ」、明後日は「ゴッケル物語」の感想を書きます。ああ気が楽だ。

(今日買った本0冊 今月買った本:29冊 今年買った本:2266冊)

10月7日(日)
ちょっと家の仕事をしたのと食べた以外は一日ほとんど寝てましたので、何も書くことがありませんです。
そういうときはどうすればいいか。本を買えばいいのであるが、出かけていないのであいにく買った本もない。
ということで本の感想などでお茶を濁しておくことにしよう。

三人関係 多和田葉子 講談社
「三人関係」と群像新人文学賞受賞作の「かかとを失くして」の2中篇を収録。最近興味を持って集めている作家だが読むのは始めてである。読まないうちに集めるのもどうかと思いますが、これが私のスタイルなので仕方ありません。閑話休題。
かかとを失くして 物語は主人公(女性、以下私)が書類結婚をして異国の街に(ヨーロッパ風)訪れるところから始まる。私はその相手を訪ねていくが、カーテンの陰からこちらを伺っている気配はするものの結局最初は家に入れない。街を放浪して夕方帰ってくると、家の鍵が空いていたので入ってみるが、夫になるべき男の姿は見えない。空いている部屋に入ってみると、部屋は住めるようにしつらえられていた。しかたなく主人公はその部屋で寝ることにし、夫となるべき男の夢を見て起きてみると、そばには紅茶と札が1枚置いてある。私は不思議に思い台所に行ってみると、そこには朝食を食べた後がある。しかしやはり男の姿は見えない。仕方が無く私は街を知るために街の学校を尋ね、入学することにする。そこでは風呂の入り方やら、買い物のしかたやらを習い、家から往復する日が始まる。私は毎晩夢を見て、朝起きると必ず紅茶と札(毎日一枚ずつ増えていく)が置いてあり、足音等は聞こえるが男は姿をあらわさない。そしてついに夢でお告げを受けた私は銃前屋を尋ね、男の潜んでいる部屋のドアを壊して入ることにした。そしてそこで見たものは・・・。(絶句)
こりゃあすごいぞぉ。上の拙い紹介ではちょっとわかりにくいのだが、基本的に作者のフィルターを通して世界を構築しているので、のっけから空気が変なのである。それが進むにつれ歪み、変容して異様さが増していく。しかしながらそこは著者にしかわからない一定の論理がありそうで、不思議な居心地だ。そして一体著者は何を書きたかったんだろうなどという推測を全て吹き飛ばしてしまう衝撃のラスト。そう来たかぁ。絶対普通じゃないぞ。まっとうな小説読みの人であれば本を投げつけるか、あきれ果てるに違いない。まあ、わたしゃ笑い転げましたがね。だって笑うしかないんだもの。この群像新人文学賞の審査員(いったい誰がやっていたのやら)の感想をぜひぜひ聞いてみたい。絶版で読みにくいのが残念であるが、機会があれば読んでいただいて絶句して欲しい。作者の頭を割って見てみたい怪作。
三人関係 主人公(女性、以下私)はOLで、アルバイトに来た綾子からファンである作家山野秋奈とその夫で画家の山野稜一郎の話を聞く。綾子は高校時代、教師をしていた稜一郎の授業を受けていたという。私は綾子から二人との関わり合いの話を聞くが、綾子の断片的な話を聞きながら勝手に細部を補足しながらストーリーをくみ上げていく。それは綾子と稜一郎、秋奈の三人が繰り広げる三人関係であった。綾子は三角関係ではない三人関係を望んでいたのだ。繰り返し繰り返し綾子の話を聞く私。くみ上げられていくもうひとつの現実世界。私は綾子から断片的な話を聞くことから次第に離れられなくなっていく。
発表時期から見て受賞第一作のようだが、こちらは前作にくらべてかなり普通。といっても世界の異様さは健在で、主人公が勤めるのはガラスが組み合わさったオフィスで主人公は始終ガラスに顔をぶつけているし、歩いている他のOLはそのガラスの世界の重なりの中で透き通っているのだ。主人公の妄想の中でつむぎだすストーリーは、作者のつむぎだすこの小説の中にさらにひとつの小説を入れ子構造として作り出していく。作者の眼がつむぎだしたのがこの小説であるなら、主人公の眼がつむぎだしたのが綾子が作り上げる三人関係であるのだ。受賞作があまりに変だったため、自粛したのか編集部の教育的指導が入ったのかはわからないがだいぶ抑えられている感じがする。これは異様さは確かに感じるが常識の範囲内に収まるので、この本を読む場合少々かったるいもののこちらから読むほうが良いかもしれない。

著者はハンブルブ大学修士卒で現在もハンブルグ在住。本作より前からドイツ語で作品を発表して既に「ハンブルク市文学奨励賞」を受賞していた。その後も日本語とドイツ語で両方で作品を(最初に書くのがどっちの言語か、違う作品もあるのかどうか等詳細は不明)それぞれの国で発表しており1996年にはシャミッソー文学賞なるものを受賞しているらしい。シャミッソーということならやはりドイツでも幻想的な作品に授けられるのだろうか。なおドイツ語、日本語の著作の紹介がある公式ページを発見。でもドイツ語じゃ読めないよー。
http://www.tawada.de/ 多和田葉子公式HPらしい。
書き忘れたが、この著作の後に「犬婿入り」で芥川賞を受賞している。

多和田葉子は石堂藍さんがたしか買っていたような記憶があるが、いきなり自分的注目作家になりました。集めていて良かった。最近買った本ばかりなので本もすぐ出てくるでしょう。

読書は課題図書の「ゴッケル物語」です。

(今日買った本0冊 今月買った本:29冊 今年買った本:2266冊)

10月6日(土)
午前中は神奈川古書会館展を覗いてみる。久々の古書展だ。近いのにやぱり遅刻。
現代ソヴェト文学18人集(全4巻) 新潮社 カヴェーリン等も含まれるアンソロジー。前から買おうかとは思う本であったが、手ごろな値段だったので買っておく。幻想的な作品等はごく一部であろうが、とりあえず読める状態にはしておく。
街と村 伊藤整 第一書房 多分カバか函欠のちょっとぼろい本。これは伊藤整の残した唯一の幻想作品集。幽鬼の街、幽鬼の村の二部から構成されている。テキスト的には全集の端本か何かで持っていた気もするが、元版らしいので買っておく。著者の序文もあるし。
歌舞伎キャラクター事典 荒俣宏 新書館
虚空の遺産 ハミルトン HSFS
門外不出オトナのいたずら 小早川博 青春出版社 石川さんもらっていただけませんかねえ。書誌が載っているからお持ちなのかな?
国外退去命令 中園英助 平和新書
牝猫 結城昌治 平和新書 平和新書が2冊あってとなりがちょっと空いていたけど、「二度死ぬ」があったんじゃあ・・・。
dちびくろさんぼ 岩波書店 手持ちはひどいおんぼろで積んだとこから崩れた拍子にばらばらに壊れてしまったので、買いなおし。落書きがかなりあるけど、それ以外の状態はかなり良好で、値段も500円と比較的安い。本当はこの本はノスタルジアだけで買ってはいけない本であるとは思うのですが、ノスタルジアがあるのはある世代から前の世代であれば否定できない事実ではありましょう。
わんだぁらんど安曇野 別役実 桐原書店 観光案内と創作を組み合わせた本で、見たことがなかった物。あまりにも観光案内風だったので、300円でも買おうかどうしようか迷ってましたが、署名が入っていましたので買うことにしました。別役実はかなり持っているのですが、(三一も含め8,9割は持っている気がします) あまり読んでいなかったりします。まあいつものことですが。そういえば戯曲集は1冊読んでぴんとこなかったなあ。これも読まなきゃいけませんねえ。

昼から実家へ本を取りに行き、帰ってからフクさんのオフ会へ。
概ね存じ上げているメンバーでしたが、あいかわらず楽しい飲み会でした。葉山さんと吉田知子やら幻想純文学系の話が合う。千街さんというのも傾向が同じなんだなあと驚く。吉田知子なんか読むの葉山さんと大熊さんくらいしか知らないからな。もっと注目を浴びても良いとは思うのだけど、いかんせんこちらに紹介にたるだけの読書量にかけているので、どなたかがどこかでもっともっと紹介をしていただきたいものだと思った。今思いつくところでは、佐江衆一、森内俊雄、日野啓三、吉田知子、多和田葉子、小川洋子、津島佑子、三枝和子、高橋たか子、村田喜和子(今書いていて気づいたが女性は全部子がつくやん)あたりは全部ではないけれども、一部にはミステリーやSFの読者が読んでも面白いと思う作品があると思います。視点を広く持つといろいろな発見がありますからね。

飲み会ではとりあえず、6冊本が減らせました。が、6冊譲っていただいてしまったのでプラスマイナスゼロ。
よしださんから
マチルダ ポール・ギャリコ 早川書房 文庫化されているけれども単行本で欲しかった本でした。
引越し魔 ジョエル・リーバー 角川文庫 前から何度かスルーしていて気になっていた本。と思ったら表紙が違うなあ。桜井一ではなかったように思うのだけど。違う本と勘違いしていたかなあ。
地の果ての燈台 ヴェルヌ 角川文庫 同じ角川から出ている「少年船長の冒険」など問題にならない本当のヴェルヌの効き目です。現物を見るのは2度目です。こんな貴重な本を譲っていただいてありがたいやら、申し訳ないやら。これは嬉しい!
kashibaさんから
マンハント創刊号 久保書店 大胆にもこんな本をいただいてしまいました。ヒッチコックマガジンと合わせて集めたいものの、なかなかままなりませんが、いつかは挑戦したい今日この頃。
首つり判事 ブルース・ハミルトン ポケミス
ミスター・パーシー レイモンド・ヒッチコック ハヤカワノベルス これまた嬉しい一冊。kashibaさんの書評を拝見するまで存在すらしらなかった奇想小説である。ハヤカワノベルスは奥が深い。そもそも自分のハヤカワノベルスの知識は石原博士のSF書籍総目録によるところが大きいのだけど、そこに載っていない本は現物であたるしかないわけで、ハヤカワノベルスは刊行点数が多く全貌もわからないので、たまたま縁があったり、誰かが紹介していればわかるのだけど、そうでなければとてもつらいものがある。昔のは内容紹介が見返しにあったりするわけでもないしね。本当に欲しいところはハヤカワノベルスに関する限りは概ね集め終わったかな?とは言えないところがね、どうも。
それぞれ譲っていただく。本当に貴重な本をありがとうございました。いつか必ず読ませていただきますので。

そういえば実家からあり場所がわかっていた岩波のソログープを持ってきたので、近いうちに読もうと思います。

(今日買った本18冊(いただき本含む) 今月買った本:29冊 今年買った本:2266冊)

10月5日(金)
帰りが早かったので普段行かない古書店へ。
一八八八切り裂きジャック 服部まゆみ 東京創元社 集めている服部まゆみの本。買うだけじゃ仕方が無いのでそろそろ読みましょう。
消えた玩具屋 エドマンド・クリスピン ポケミス 文庫も持っていないので目出度い。
だれも猫には気づかない アン・マキャフリー 東京創元社 考えてみたらこの人の本はまともに読んだことないな、多分。

100円の本ならまあいいやと買っちゃえるのだが、半額だとダブりが怖くて買えない本がある。今回もあったが、1冊は調べてみて持っているのがわかり安心。もう1冊はわからない。持っている気もするのだけどなあ。

本の感想でも書こう。

五百万ドルの迷宮 ロス・トーマス ハヤカワミステリアスプレス文庫
一部で人気のあるロス・トーマスの初体験。集めるばかりじゃ能が無いので読んでみる。
退職させられたテロリズムの専門家ストーリングズのもとに仕事の依頼が来る。戦時中に一緒に戦い、現在はフィリピンの人民軍のリーダーとして知られているエスピリトに500万ドルを渡し、香港へ亡命させろというのだ。手数料は50万ドル。ストーリングズは仕事を引き受け、ひそかに500万ドルの全てを手中にしようと画策する。ここで舞台はマルコス政権崩壊後のフィリピンへ移り、甥から聞いたサポートメンバーの中国人ウー、デュラント、アザガイそして、もともとの依頼主に雇われていた元シークレットサービスの美女ジョージア・ブルーを加え、500万ドルを奪取する作戦が開始される。
ほぼ500ページに迫るボリュームでフィリピンを舞台に、各メンバーの活躍を描いているのだが、うーん、難しい。キャラクターは生きているし、(なんだかルパン三世を思い出してしまった)多分面白いのだろうという予感はするのだが、もうひとつ伝わってこない。わかりにくいのは、500万ドルの奪取の計画を建て、それが各人の思惑の中で狂いながら状況が動いていくのだが、最初の計画が明確に読者に説明されないままなので、いったい最初がどのような計画で、それがどのように変わっていったのかが伝わらないところだ。読み手の問題といわれてしまえばそれまでのところなのだが、キャラクターの良さがわかるだけに、残念というか歯がゆい。解説は原ォで、著者がかなり好きなようだ。読み手を選ぶのかもしれないが(俺が理解できていないだけなのか?)、読み手によっては傑作なのだろうと想像ができる作品。もうちょっと読んでみないとわかんないや。

(今日買った本8冊 今月買った本:11冊 今年買った本:2248冊)


10月4日(木)

五百万ドルの迷宮 読了。感想は後日にしましょう。読みかけの多和田葉子をまた読みます。

通販で買った。
新進作家集 大衆文学全集35 平凡社 なかなか良いアンソロジーです。1500円でしたが、内容からすれば決して高くない。

なんと11日ぶりの古書店である。
血の雨 コラゲッサン・ボイル 東京創元社 昔須藤晃の訳した角川の単行本読んだけどピンとこなくて処分した。これはどうかな?
雪の中の信子 富島健夫 徳間文庫 推理小説はあと何と何だっけ。

BOOK OFF
あべこべ物語 サトー・ハチロー 講談社 なんてことはない松本さんの真似である。何度か見かけてちょっと気にはなっていたのだけど。
d一瞬の敵 ロス・マクドナルド ポケミス うわっちゃしまった。
クランシー・ロス無頼控 リチャード・デミング ポケミス 山下諭一訳かあと思って買いました。
光る指先 E・S・ガードナー ポケミス
バクダットの秘密 クリスティー ポケミス 
なんでいきなりポケミスのクリスティーを買ったかというと昭和31年10月31日発行の初版だから。BOOK OFFでも昭和31年の本を売っているんです。定価180円だから、半額なのに100円コーナー。なんか研磨されているのも可笑しい。

ということで久々に買い物リスト(といってもたいした事は無いが)を書いたなあ。

セネガル戦をテレビでやってる。ヤクルトはまだ優勝できない。

(今日買った本8冊 今月買った本:11冊 今年買った本:2248冊)

10月3日(水)

最近yahooの入札に復帰。落札本。
階段 ヴィクター・カニング 立風書房

五百万ドルの迷宮は、今日中に読み終わる予定。早稲田はいけなくてちょっと残念だけど、勤務地が横浜になったので東京の古書展に会社帰りに寄ってみるという技がつかえなくなってしまっては、行く回数が減らざるを得ない。

ヤクルトはなかなか優勝できませんねえ。あんだけ派手に長島勇退ショーをやった巨人とプレイオフになって巨人が優勝したら笑っちゃうね。

本屋に行ったら黒岩研の新刊が出てた。結構執筆ペースが速くなってきましたね。でも読んでいる人の噂をあまり聞かないのですが、どうなのでしょうか。ちょっと最近ミステリーの読書が続いているので、SF、ホラー関係を読みたくなってきたな。

(今日買った本1冊 今月買った本:3冊 今年買った本:2240冊)

10月2日(火)
今日は会社のボーリング大会だったが、1ゲーム目はともかく、2ゲーム目で史上最悪のスコア。後輩の女の子にも負けてショックビッグ。久しぶりだったけど、なんだかなあ。

なんだかここのところ本屋に行く気と目録見る気が失せてます。ちょっと中休みって気分かな。

この前家人にこのHPを友達に見つけられて恥をかいたと言われた。そんなに恥ずかしいかな。

(今日買った本2冊 今月買った本:2冊 今年買った本:2240冊)

10月1日(月)
今日は早稲田の初日であるが、夏休み明けでは休むわけにもまいらぬ。というわけで今年はお休み。行かないのは10年ぶり以上かもしれぬ。かかさずに参加してきたのだけど。結構拾い物があるのだよね。

会社帰りに本屋により下記のみ買う。
ミステリマガジン11月号 突然ふとった2500円の増大号。
SFマガジン11月号

明日は飲み会なので日記の更新はないかもしれません。
ロス・トーマス読了したかったなあ。なんでこんなに読むのが遅いんでしょ。
ポウ全集読了計画も全然進んでないや。て言うか、半年くらい読んでないかも。全集本はさすがに持ち歩けませんからねえ。「ゴッケル物語」も読まなきゃいけないし。

ヤクルトは今日は優勝お預け。西武は東尾勇退。東尾は好きなピッチャーで昔23勝で最多勝とったときなど、「中三日で投げればおれは絶対完投で勝つ」と豪語していた。スピードもそんなになかったが、スライダーと内角をえぐる攻めのピッチングで勝ちをかせいでいた。今はなかなか見かけないタイプのピッチャーだった。そういえば当時は山田久志、鈴木啓二、村田兆二と、パリーグには200勝を超える大投手が一杯いた。(超えれば大投手というわけではないけれど)
北別府以来200勝超える投手って出てないんじゃないの?斎藤雅樹が惜しかったね。巨人でなければもう少しできたかもしれないけど。巨人の選手は他の球団で活路を見出すことをしないからね。しかし今は大リーグも投手は分業制になっちゃったからな。なかなか勝ち星を一人でかせぐというわけにはいかないんだよね。時代の流れといえばそれまでだけど、ちょっと寂しいな。

なんか内容が無いなあ。

さしたる用もなかりせばこれにてごめん。

(今日買った本2冊 今月買った本:2冊 今年買った本:2240冊)