11月30日(金)
寝ちまったので読書が進まず。

今日買った古本
どうして僕はこんなところに ブルース・チャトウィン 角川書店
殺人倶楽部 森村誠一 ハルキホラー文庫
少女残酷物語 山口椿 ハルキホラー文庫
朱 森真沙子 ハルキホラー文庫
緋のコネクション 松村善雄 廣済堂文庫
天使の屍 貫井徳郎 角川文庫
夏合宿 瀬川ことび 角川ホラー文庫
棲家 明野照葉 ハルキホラー文庫
フランティック 鎌田敏夫 角川ホラー文庫
明治かげろう傳 山田風太郎 旺文社文庫
dあじゃ@109 吉村達也 ハルキホラー文庫

届いている本
洋上都市 ジュール・ヴェルヌ パシフィカ
ハテラス船長の冒険上 ジュール・ヴェルヌ パシフィカ
気球に乗って五週間 ジュ−ル・ベルヌ パシフィカ いずれもちょっと高いのだが、探求本なので。あと1冊。
妖法記 辻真先 JICC出版局
暗いクラブで会おう 小泉喜美子 新書館 再刊本も含め、未入手はいよいよ「殺さずにはいられない」だけになった。

本の感想
南半球綺想曲 中野美代子 響文社
さても現れ出でたるは、鼻黒あたまのタヌ子嬢、狐あたまのコン吉の、洋行帰りの二人のカップル。そんな彼らが飛び込んだ、北海道を舞台とし、奇想天外天衣無縫問答無用の大冒険。対する悪党コアラ団、ライバルとして金剛石団。舞台は北海小樽から、札幌円山公園へ、やがてはひしめく大群衆、雪祭りへとなだれ込む。そこへ深いかかわりを、もつのが南半球豪州の、あら珍しやコアラ君、これに対して登場は、上野の森から消えうせた、蘭蘭・康康2匹のパンダ。これらひと癖ふた癖の悪党・カップル・珍獣が、ダイヤをめぐって大騒ぎ。ちくりちくりと風刺をきかせ、行き着く先はさていずこ?

本書発行は1986年であるが、書かれたのは1974年。雑誌掲載のまま埋もれていたのを編集者が単行本化したもの。テキスト的にはこの後に日本文芸社で、著者の小説が集成された際に「ゼノンの時計」にも収録されている。ただしこの14年前の単行本は現役入手可能であるが、日本文芸社の本はのきなみ絶版の憂き目にあっている。
さて著者は北海道大学元教授の中国文学者で、本としては西遊記の研究や岩波文庫の西遊記の翻訳(途中から)を始めとして、主に中国にかかわる多くの著書を著しているが、こちらは諧謔味と風刺味に横溢した、楽しい小説に仕上がっていて、かつは久生十蘭の「ノンシャラン道中記」と「黄金遁走曲」のオマージュにもなっているらしい。らしいと書いたのはまだどっちも未読だからである。我ながら情けない。
それはともかくとして、楽しい話を読みたい向きにはお勧め。なお響文社版は装丁も著者が手がけており、瀟洒かつゆっりした字組みで、内容にふさわしい。この作品は(「ゼノンの時計」のような函入り豪華本もあれはあれでいいのだが)やはり軽快に読みたい。著者後書きつき。

もう12月だねえ。

(今日買った本:16冊 今月買った本:415冊 今年買った本:2835冊)

11月29日(木)
今日買った雑誌
小説推理 東雅夫さんの幻想怪奇特集(割かれた頁がほんのちょぴっとなのが悲しいが)に敬意を表して。
今日買った古本
オルリー空港22時30分 ポール・ベルナ 学研 フランスの推理小説的ジュブナイル
弁護側の証人 小泉喜美子 ポケット文春 読み返すことは無いと思うが、もっておきたい版。裏表紙の写真が若い。(あたりまえだ)
中国幻想ものがたり 井波律子 大修館書店 最近この本と同じシリーズで中国科学小説の本を武田雅哉氏が共著で出されたらしい。著者の井波氏は中国幻想文学系では、自分の中で中野美代子氏、澤田瑞穂氏、武田雅哉氏の次くらいに位置している。次は西村康彦氏かな?

その中野美代子「南半球奇想曲」響文社 読了。こいつぁは面白ぇや。感想は明日。
続いて皆川博子の「雪女郎」を読み始める。

また本がどこどこ届いた。うーむ。

(今日買った本:3冊 今月買った本:399冊 今年買った本:2819冊)

11月28日(水)
本屋には行かなかったんで書くことが無いのである。僕は本の感想と日記が一緒だからまだいいけど、フクさんとか日記と感想が別だとやっぱり毎日書くのは大変。(本を毎日買えば良いのか?)

ウィルスメールがはやっているが、うちにはまだ1通しかきておりません。会社での経験からプレビューにはしていなかったのだけど、前回は会社関係がほとんどだけだったのが、今回は個人の方に感染しているようだ。(うちにきたのは本屋さんからのウィルスメール)
自分のPCは感染していないと思うが、万が一自分からそのようなメールが届いた方はぜひとも教えてください。

地の果ての燈台 ジュール・ヴェルヌ 角川文庫
角川文庫でしか読めない作品はこの他に「少年船長の冒険」があるけれども、そっちは比較的新しい本なので、リサイクル系の古書店に転がっていることもあるが、こっちはやや古いので(昭和47年)少なくとも自分はほとんど見かけません。ちなみにこれはよしだまさしさんからお譲りいただいたものです。貴重な本をありがとうございました。
南米南端のエルゴール島へ建てられた新しい燈台。これは南米の危険区域を行く船を導くためのものだ。そこの燈台守を任されたバスケス。彼は仲間2人と共に、3ヶ月間燈台の燈を絶やさないようにしなければならない。しかし通報艦が去った数日後に現れたのは、エルゴール島に潜む悪党たちが略奪した難破船だった。何も知らずに出ていった仲間二人は無惨にも悪党に惨殺され、バスケスはやむなく島の中へ身を潜める。悪党たちは難破による傷みを修理した後、海賊として大西洋に出て行くつもりらしい。バスケスは何とか悪党に復讐し、海原に逃亡してしまうのを防ぎたい考えていた。幸い食糧は悪党たちが洞窟へ隠していた食べ物を発見し、飢餓の危険はなくなったが、相手は大勢。一人では殺されに行くようなものだ。このまま指をくわえて見ているしかないのか?
離島の燈台というのが、なんとも地味でスケールが小さいけれども、ヴェルヌらしく破綻無くまとまった冒険小説にはなっている。ま、ご都合主義的な展開はご愛嬌としても、100年以上前のエンターテイメント作品としては、という但し書き付きになるが、まずまず楽しめるとは言えよう。ちなみに燈台の燈は電気ぢゃ無くランプです。後ろに鏡(レンズ?)を立て光を収束することによって、10マイル先まで光が到達するそうです。なんかのどかな感じがしてしまうのは気のせいでしょうか。
今まで読んだヴェルヌは5,6冊だと思うが、一番面白かったのは「悪魔の発明」だろうか。「オクス博士の幻想」だろうか。やっぱり個人的な嗜好としてはより空想的な作品のほうが良い。「月世界旅行」なんか笑っちゃうんだけどね。ポーの「ハンス・プファウルの無類の冒険」のほうが発想というか、空想小説の捉え方的には遥かに近代的だよ。とにかくまだまだヴェルヌも読むべき作品はたくさんあるからな。
まあ本当を言うと時代は少しずれるがヴェルヌよりもウェルズの方がずっと好きなのだ。ウェルズは全てとは言わないが、かなりの作品(特に短編)は今読んでも新鮮な面白さがあるから。ヴェルヌはどうしても時代のフィルターを通して見ないと面白がれない部分が事実として存在すると思う。「カルオパチアの城」は面白そうだね。

(今日買った本:12冊 今月買った本:396冊 今年買った本:2816冊)

11月27日(火)
やや体調が戻ってくる。早く寝ればいいんだけど、こんな時間なり。
「地の果ての燈台」 読了。

今日買った古本。
「2001年宇宙の旅」講義 巽孝之 平凡社新書
虚ろな穴 キャシー・コージャ ハヤカワ文庫NV 新刊で買ったような気がするので持っている可能性が大。でも丁度その頃買った本の記録をつけていない時期だったのでわからんのだ。
地を継ぐ者 B・スティブルフォード ハヤカワ文庫SF 絶対買っていない。スティブルフォードといえば、「タルタロスの世界」なのである。でも3巻を読んでいないまま、もう7,8年も経ったろうか。面白かったので、1巻から纏めて読んだほうがいいな。続編刊行予定になっているけど、出るんかね。

届いた本。
これがミステリガイドだ! 野崎六助 創元ライブラリ いただきものです。ありがとうございました。
別冊シャレードをまとめて購入。本当はずっと前に買うつもりだったのだけど、持ち前のずぼらから月日がたってしまい、買おうと思っていたものが何点か(天城一2とか)品切れになっちゃった。まあいいや。購入したのは基本的に特集作家の創作が掲載されているもの。
別冊シャレード山沢晴雄2
別冊シャレード山沢晴雄3 ちょっと自分には難しそうなんですけど。
別冊シャレード山沢晴雄4
別冊シャレード天城一3
別冊シャレード城京平
別冊シャレード光原百合
別冊シャレード津島誠司
別冊シャレード村瀬継弥

隣り合わせの灰と青春 ベニー松山 集英社スーパーファンタジー文庫
ゲームのノベライズである。この手の小説はそれこそ世の中にいやになるぐらいごろごろしている。マーケットとして成り立っているということはそれだけ読者層があるということなのだが、自分的にはいまいち懐疑的。ただ結構中井紀夫とか高井信とか好きなSF作家等もわりと書いていて気にはなるのは事実である。前に1冊だけ牧野修の「ビヨンド・ザ・ビヨンド」を読んだが、これはRPGの戦闘シーンを意識的に排除した、裏技的な作品でわりと面白かった。で、本書であるが、ネットを見ていると、結構根強いファンがいるらしい著者なので、興味を持って読んでみた。
ゲームは知らないので、どの程度関連があるのかはわからない。後書きによるとほとんどはオリジナルだそうだが、受ける感触はいわゆるこちらが考えるところのRPGと一緒。ストーリーは単純で、主人公が脇役とパーティーを組んで、地下迷宮の悪の総元締めを倒しに行くというもので、まあ実際には結末をひねってあったり、工夫は見られるのだけどさほど感心するものでもない。しかし、それでも結構楽しめたのは事実で、戦闘シーン等も、ゲームノベライズのはしりの作品らしくゲームの戦闘シーンをそのまま活字にしたようなところもあるのだが、うまく書かれており、ゲームを実際に行ったかのような読後感がある。ただしこれは小説の満足感とは違うんじゃないかと思ってしまうのは事実で、この手の小説は通常のファンタジーや、SFとは別のゲーム小説という全然別のジャンルであり、そのものさしで評価しなければならないだろう。そういう意味では楽しめる本であり、RPGが好きな人には満足できるではないかと思う。好きな作家の作品はたとえゲームのノベライズであっても読みたいという気持ちはあるのだが、評価しにくいね。

また本が届いちゃったんだよなあ。

(今日買った本:12冊 今月買った本:396冊 今年買った本:2816冊)

11月26日(月)
体調いまいち。さっさと帰って寝る。目が覚めたのでごそごそ起きだして日記だけ更新。
したがって購入も読了もなし。
届いていた本。
夜の警邏自動車 リーダーズダイジェスト カバ欠とはやられました。
欠伸する悪魔 大下宇陀児

読書はJ・ヴェルヌの「地の果ての燈台」を読み始めましたが、全く進まず。

三月生まれ 伊井直行 講談社
主人公は3兄弟。その兄弟が住む田舎の町へ、父親の友人であったという家族が引っ越して来る。その家の家族構成も3人。子供たちは父親からその家の子供たちと友達になるようにと命令される。釈然としながらも友達付き合いを始めようとする3人。
都会(異世界)から主人公たちの日常の中に放り込まれた転校生(異物)を描いているという点ではSFである。ということは全然無く、3人の子供たちのそれぞれの視点から(ただしその上から見下ろす神の視点としての作者はいる)、その世界を描いた小説。その日常はみずみずしく描かれており、読後感は心地よい。著者の本を読むのは2冊目であるが、このようないってみればフツーの小説というのは少し意外であった。過去に読んだ作品(「さして重要でない一日」)からすると、もう少し実験的というか幻想的というか、そういう作品を予想していたのだが。
まあだからといって作品の出来が悪いというわけではなく、本書も心地よい読後感で、読んで損はない作品だ。

(今日買った本:2冊 今月買った本:384冊 今年買った本:2804冊)

11月25日(日)
隣り合わせの灰と青春 ベニー松山 集英社スーパーファンタジー文庫 読了。

駅のドトールで読書して、出掛けに何も無いだろうと思いつつ隣のブックオフへ顔を出してみる。安物買い。合計で700円だもの。
江戸の紅葵 野村胡堂 桃源社 時代劇買ってどうしようというんでしょうか。でも伝奇小説かもしれないし。
アニマル・ファクトリー エドワード・バンカー ソニーマガジンズ 解説の茶木氏が誉める誉める。
エサウ フィリップ・カー 徳間書店 持っている可能性も無いではないのだが。
岡山女 岩井志麻子 角川書店 買おう買おうと思いつつ、結局100円で見つけてしまった。
地球の危機 J・ヴェルヌ 偕成社 ヴェルヌ名作全集4 原題は「上下をあべこべに」?何それ。本書発行時点(1968年)では初訳らしい。何やら得した気分。
謎の空中戦艦 J・ヴェルヌ 偕成社 ヴェルヌ名作全集5 「世界の征服者」らしい。こっちは文庫でも読めるな。巻末にはラインナップが出ているが、「黄金の流星」「青い怪光線」「ひみつの科学都市」あたりが何だかわからん。石原博士の本で調べてみよっと。なんと「黒いダイヤ」もこのラインナップに入っているぞ。ふうん。こういう本がブックオフにあるというのも捨てたもんじゃない。
ふしぎなマチルダばあや C・ブランド 学研ファンシーロマン 矢川澄子訳のファンタジーであれば、ブランドでなくても買いである。まあ何にせよ、欲しい本だったので嬉しいや。この程度で幸せになれるのだからおめでたい。それにしても矢川澄子がイギリスの本を訳すのは珍しい。ドイツ文学なのにね。まあドイツ語ができれば英語もできるのかな?
古い児童書があったので、「水曜日のクルト」とか「コーンウォールの聖杯」とかJ・クリストファーのSF3部作とか転がってないかと目を皿のようにして探したけれども、そうは問屋が卸さなかったみたい。(あたりまえか)

本の感想はこれを。
ルヴェル傑作集 モーリス・ルヴェル 創土社
本書は前に黒白さんからお借りした「夜鳥」を始めとしたルヴェルの旧訳を集めたもの。「夜鳥」は田中早苗の単独訳書だが、本書はそれ以外の翻訳も混ざっている。既読分は斜め読み。さすがに2ヶ月前に読んだ本のことは覚えている。どうやらその程度の記憶力はあるらしい。既読分に関しては9月の日記に書いてあります。
ペルゴレーズ街の殺人事件 既読
犬舎 既読
麦畑 既読
老嬢と猫 既読
暗中の接吻 既読
ある精神異常者 既読
碧眼 既読
乞食 既読
深淵の怪 コント風の小品。いやがる妻を田舎の街に誘い出したわけは?
青蝿 既読
幻想 既読
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海 ストライキの時期に船員として雇われた男。やとった男は船上で反乱を起こす手伝いをして欲しいと言う。そのねらいは?
麻酔剤 既読
トランク 女を殺した後にトランクに詰めたはいいが、妨害が入りつづけ、逃げることができない。そして最後には。佳作。
旅客 手にはめた指輪を見て、それは呪いの宝石だという男。果たしてそれは本当のことなのか?小品。
怯者の告白 愛する妻が結核に。医者である夫はその病気の感染に恐れおののく。そして考えたのは。
集金掛かり 既読
小さきもの 既読
生さぬ児 既読
無駄骨 既読
父 既読
蕩児ミロン 既読
自責 既読
フェリシテ 既読
家出 突然出て行った妻を待ちつづける夫。過ぎ去る年月。妻は帰ってくるのか。

都合6編が初読であった。今回も読んで思ったのは、やはり一言で言うと男と女のストーリーを哀感を湛えてウェットに語った作品が多いということ。残酷味はあるものもあるが、基本的には哀感が強い。今読んでも面白く読めるので、やはり増補再刊を期待したいものだ。
ただし今はポーも同時に読んでいるのでつくづく思うのだが、「フランスのポー」というのはあまりに誉めすぎ。ルヴェルの書くものはポーとは比肩しようもない通俗的な作品群である。しかしながらそのペーソスは捨てがたく、ポーの研ぎ澄まされた作品とは異なり、読者に安心感を与え楽しませることになるのであろう。

(今日買った本:7冊 今月買った本:382冊 今年買った本:2802冊)

11月24日(土)
今日買った本
もう20年間くらい毎月買いつづけている雑誌だが、買ってもほとんど開くことがなくなってしまった。
最近では何がのっているのかと久々に開いてみる。(おいおい)
SFマガジン1月号 ヨコジュンの新連載が。北原さんの連載は「落・奈落」をとりあげている。日下さんは田中光ニか。
ミステリマガジン1月号クリスティー特集。何かと思えば「まだあったか!」の未訳の長編戯曲掲載。半年後にはこの戯曲を収録した活字大き目の薄っぺらい単行本が1300円くらいで出版されることでしょう。販売政策上やむを得ない処置だとは思うのだが、どうせ単行本で出る作品のために1800円はちょっと困ったちゃんである。まあ腹立たしいので単行本は100円で見つけない限り買わないからいいのだけどね。

届いている本。
掟なき道 G・グリーン 創土社 国会図書館検索したら出てきたグリーンの旅行記。創土社の翻訳作品は前述の「韓国現代文学選」以外は揃ったと思っていたので、全然知らず驚いた。そいでもって検索したら古書店で売っていたので購入。限定千部の番号付きであった。幻想文学の範疇からは遠く隔たっているけれども、創土社本コレクターなので一応確保。翻訳が深田甫なのが、珍しい。ドイツ文学者なのにね。解説は中田耕治。訳者の友人で創土社に持ち込んだらしい。まあ、これで詩集等以外の本はほぼ集まったと思しいので創土社の頁を作れる。
(いつ作るねん)


「ルヴェル傑作集」創土社版の「夜鳥」未収録分と、「三月生まれ」伊井直行を読了。

死霊の誘拐 篠田秀幸 ハルキホラー文庫
「蝶たちの迷宮」でデビューし、その後角川春樹事務所から分厚いミステリを連発している。これは著者の本としては異常に薄い。自分も著作はデビュー作から概ね買ってあるのだが、読むのは始めてである。
主人公の精神科医久美子の元に加藤という少年がやってきた。自殺未遂のカウンセリングを受けるためだ。そこで久美子は加藤から、ひき逃げの告白を受ける。しかもそれ以後怨霊からのろいを受けて殺されかけているというのだ。久美子はにわかには信じられないが、ひき逃げの事実を警察に告げるかどうか悩む。そんな中、不倫相手に運転してもらってそのマンションから家へ帰る途中、久美子は車で人を轢いてしまうが、それはなんと加藤少年だった。二人はいろいろな状況を考え、死体を久美子の田舎の裏山へ埋めてしまう。不安な毎日を過ごす久美子。ある日、息子の聡が誘拐された。犯人は誰なのか。営利誘拐なのか。息子は無事なのか。久美子の日常に襲い掛かる悪夢のような日々。
いかにもミステリ作家の書きそうなホラー作品で、誘拐とホラーを組み合わせたのは目新しいけれども、ホラーとしてはちょっと中途半端で恐怖感があまり無い。また枚数が足りないせいもあるだろうが、「黒い家」等と比較するとかなり見劣りしてしまうのは否めないところだ。読んでいる間はまあまあ楽しめるので、読んでも損は無いでしょう。
それにしてもネットを検索したが、感想がほとんどアップされていませんでした。ハルキホラー文庫って読まれているんでしょうか。

(今日買った本:3冊 今月買った本:375冊 今年買った本:2795冊)

11月23日(金)
読了本の感想はページ稼ぎのため、後日にまわします。だって本を買ったんだもの。
昨日反省したのにまたちょっと(どころじゃなく)買いすぎ。連休中は各地のBOOK OFFがセールを展開しているみたい。

雨の殺人者 R・チャンドラー 創元推理文庫 何巻を持っているのやら。
生者たちのゲーム P・ハイスミス 扶桑社ミステリー これまた把握できていない。
町でいちばんの美女 C・ブコウスキー 新潮文庫
迷宮遡行 貫井徳郎 新潮文庫
リトル・カントリー(上下) チャールズ・デ・リント 創元推理文庫
ダーティーホワイトボーイズ S・ハンター 扶桑社ミステリー 読まなきゃね。
死の飛行 エド・ゴーマン編 扶桑社ミステリー F・P・ウィルスンやエド・ブライアント(!)が収録。
リスト・オブ・セブン(上下) マーク・フロスト 扶桑社ミステリー
フォックスの死劇 霞流一 角川書店

犯行以後 結城昌治 角川文庫
20世紀SFB 河出文庫 1冊くらい買っていたような気がするのだけど。出てこない。
カリストの脅威 アシモフ 早川文庫SF 初期作品集。
夜汽車はバビロンへ Jハッチングス編 扶桑社ミステリー ブラッドベリ等収録
生まれながらの犠牲者 ヒラリー・ウォー ポケミス
サイト 倉阪鬼一朗 徳間書店
夜啼きの森 岩井志麻子 角川書店
見知らぬ自分 結城昌治 毎日新聞社 中公文庫が見つからないので。

ローワンと魔法の地図 エミリー・ロッダ あすなろ書房
犯罪者たちの夜 結城昌治 青樹社 角川文庫より後に(それもさほど間隔をあけずに)で出ているのだが、
聖夜は黒いドレス 新庄節美 講談社 スカーレット・パラソルという2冊のシリーズ。一応揃いです。
dざぶとん太郎空を行く!  かんべむさし ペップ出版 この辺なら引き取り手もいるかと買っておく。
人魚の血 井上雅彦編 カッパノベルス
飛ぶ男、墜ちる女 白峰良介 講談社ノベルス
栄光の星のもとに R・A・ハインライン 創元推理文庫 ダブルスターって「太陽系帝国の危機」の新訳?
光のロボット B・ベイリー 創元推理文庫
ヴァンパイア特捜隊 樋口明雄 富士見ファンタジア文庫
蘭月闇の契り 図子慧 角川ホラー文庫
ハートオンファイアー 樋口明雄 富士見ファンタジア文庫 ちょっと集め気味。
dあべこべの日 H・ファラダ 早川文庫FT なんとなく
三人色若衆 横溝正史 春陽文庫
おもいでエマノン 梶尾 デュアル文庫 追加分の短編の掲載誌は持っているものの、やはり本で欲しいからな。
イミューン 青木和 デュアル文庫
コールドゲヘナB 三雲岳斗 電撃文庫
時の扉をあけて ピート・ハウトマン 創元推理文庫
ロボットの魂 B・ベイリー 創元推理文庫
スモールGの夜 P・ハイスミス 扶桑社ミステリー
短編集 木々高太郎他 双葉文庫
怪物晩餐会 井上雅彦 角川ホラー文庫
煌めきの殺意 問題小説傑作選ミステリー編 徳間文庫
男たちのララバイ ハードノベル編 徳間文庫 河野典生の単行本未収録作品が入っています。
秘神黙示ネクロノームA 朝松健 電撃文庫
西の魔女が死んだ 梨木香歩 新潮文庫 最初の版で持っていたが、追加短編を欲しいがために古本で探していました。

あんただけ死なない 森奈津子 ハルキホラー文庫
R−O Amour 柴田よしき 祥伝社
リプリー P・ハイスミス 河出文庫
孤独なる静寂 メリッサ・スコット 創元推理文庫
トットのピクチャーブック 黒柳徹子 新潮文庫 武井武雄のイラストが満載された美しい本である。
顔 栗本薫 ハルキホラー文庫
蔵の中 小池真理子 祥伝社
dアラマタ図像館 4 庭園 荒俣宏 小学館文庫 間違い。残り5,6だっちゅーの。
ロボットの夜 井上雅彦編 光文社文庫
深夜の市長 海野十三 講談社大衆文学館 持っているの確認しなくちゃね。
QED 六歌仙の暗号 高田崇史 講談社ノベルス
タナトス・シンドローム(下) ウォーカー・パーシー 角川書店 上巻を探さなきゃいけません。
麗しのサブリナ サミュエル・テイラー 新書館 まあ、なんとなく。
三人のゴーストハンター 我孫子武丸・田中啓文・牧野修 集英社
菊帝悲歌 塚本邦雄 集英社
化粧坂 森真沙子 角川書店
信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス 宇月原晴明 新潮社 あと持っていないのは「仮想の騎士」かな?
妖精の系譜 井村君江 新書館
妖精とその仲間たち 井村君江 河出書房新社
愛別外猫雑記 笙野頼子 河出書房新社
三月生まれ 伊井直行 講談社

結局本は全然読めない一日でした。給料日あとだってのにお金使いすぎ。

(今日買った本:65冊 今月買った本:372冊 今年買った本:2792冊)

11月22日(木)
会議中に石井さんから電話が入る。探求書を見つけていただきました。ありがとうございました。ありがとうございました。
今日は新東京古本市だそうな。そういえば案内のはがきが来ていたっけ。すっかり忘れていたわい。

夜になって仕事上でちょっとブルーな出来事。まあ気にしてもしかたがない。

家に帰り、家人の不在をいいことにちょっと出かけてくる。といっても行くのはいつものところなり。
今日買った古本。
ミミズクとオリーブ 芦原すなお 創元推理文庫
永遠なる天空の調 K・S・ロビンスン 創元推理文庫
渋谷アンダーグラウンド 島村匠 ハルキホラー文庫 明野照葉と共に注目している作家。といっても読んでいるわけじゃあない。(普通は読んでから注目するんだろうが)
金の鍵 マクドナルド 岩波少年文庫
d惑星から来た少年 ライトソン あかね書房 えー、ネット購入した(まだ日記に書いていないのに)本がだぶってしまいました。
星遊記(上) 川又千秋 エニックスノベルス
陰陽寮(5) 富樫倫太郎 トクマノベルス 1冊ダブっただけで5冊そろいました。良かった良かった。
さして重要でない一日 伊井直行 講談社 再読したいというだけで買うのは不本意だが。大体他の著作は読んでいないのにね。
d振り向いた女 源氏鶏太 講談社 著者最後の怪談集。布教用。(って誰に布教するねん)
ワイルドマシン 川又千秋 早川書房 文庫で持っている気もしているが、まあいいや。
呪われた翼 横田順彌編 草土文化社 昨日山田正紀のジュブナイルと書いたが、そいうえばこの本にのっていたなあと思い出したところ、丁度転がっていたので買う。多分現役。購入しているはずなのだが、記録が無い。あれえ?
異形家の食卓 田中啓文 集英社
イリワッカー(上下) ピーター・ケアリー 白水社 「あたらしいイギリスの小説」シリーズでこれだけ買っていなかった。
終わりなき平和 J・ホールドマン 創元推理文庫
冬の教室 大塚英志 デュアル文庫
俳優 井上雅彦編 廣済堂文庫 既に何を持っているかわかんない。最初の7,8冊は新刊で追いかけていたのにねえ。
妖魔をよぶ街(上下) テリー・ブルックス ハヤカワ文庫FT
不可解な事件 倉阪鬼一朗 幻冬舎文庫
見えない蜘蛛の巣 C・アームストロング 小学館文庫
レキオス 池永永一 文藝春秋
奥鬼怒密室村の惨劇 梶龍雄 講談社ノベルス
殺人者の健康法 アメリー・ノートン 文藝春秋 この前スルーしてあとで欲しくなった本。
新耳袋第六夜 メディアファクトリー
KANA リアルブラッド 爲我井徹 角川春樹事務所
透明な一日 北川歩実 角川書店
dオカメインコに雨坊主 芦原すなお 文藝春秋 うわっち。ダブって買っちゃったよ。
溶ける薔薇 皆川博子 青谷舎 やっと見つけました。これでしか読めない短編が1つ入っているんでさ。買おうと思って注文したら出版社がつぶれていたという困った本でした。それにしても味気ない装丁だねえ。
アラマタ図像館3 海底 荒俣宏 小学館文庫 残り5.6のようだ。我ながらちょっと眉唾だけど。
憑融 青木和 デュアル文庫
昭和水滸伝(上) 藤原審爾 角川文庫 上巻だけ買っていなかった。でも読もうとしても中、下がどこにあるのかわかりません。

届いている本
惑星から来た少年 ライトソン あかね書房 
星雲から来た少年 
朝鮮現代文学選1,2 創土社 幻想的な短編が入っていそうな雰囲気が無いため、読まない可能性が濃いけれども、創土社の翻訳単行本なので買っておく。創土社コレクターだからね。
黒いダイヤモンド J・ヴェルヌ 集英社 未文庫化というか他では読めない作品。
まだまだ届いている本はあるんだ。ひどいね。

「死霊の誘拐」 篠田秀幸 読了。

百年の孤独 ガルシア・マルケス 新潮社
何から書けばいいのだろうか。本来であれば「傑作!全ての読書人必読!」と書いて終わりにしたいところだけれども、著名なもう30年近く版を重ねていて新訳も最近出た名作とあっては、それもなかなかできにくい。大体著者はノーベル文学賞ももらっているのだ。多くの人が読んでいるだろう。何をいまさらという少々恥ずかしい気持ちもある。でも気を取り直してとにかく感想めいた駄文でも書いてみよう。
あらすじを書くのは、あまり意味が無い。未読の人のために外枠だけを説明すると、南米のマコンドという架空の街と、その街の創始者であるブエンディア家の歴史を描いた年代記とも言うべき物語。それは歴史小説でもあり、幻想小説でもあり、風刺小説でもあり、純文学でもある。そして特徴的なのは昔からいわれている、魔術的リアリズム。今までおそらく10冊弱のラテンアメリカの小説を読んでいるが、そこでは今ひとつぴんとこなかったことが実感として感じられた。実際に評論家がそのことをさしてそういっているのかはわからないけれど、自分では非日常的なこと(超自然的なこと)と日常的なことが違和感無く溶け合い、一つの世界を作り上げていることだと解釈した。この小説の中でもUFO(らしきもの)は出るは、宇宙人(らしきもの)は出るは、空飛ぶじゅうたんは出るは、超能力者は出るは、幽霊は出るはで、その超自然的な要素は枚挙に暇が無い。しかしその一方ではアメリカの植民地主義に飲み込まれそうになったり、内戦が猛威を振るったり、現実的な時の歩みも確実に描かれている。要は、それらの要素が全て同一平面状に描かれることによって、読むものに全く荒唐無稽と思わせないところが驚異なのである。そういえば先日読んだ「ペドロ・パラモ」でも街には死者があたりまえのように徘徊しているという設定だったが、これも一つの舞台として小説の中で有機的に働いていた。
物語の中で個人的に特に印象に残ったのは、始祖であるホセ・アルカディオ・ブエンディアが大往生を遂げるところと、白痴の美少女の小町娘レメディアオスがシーツに乗って昇天するところ。特に前者は簡潔な短い描写ながらも今まで読んだ小説の場面でも最も美しいと言えるものであり、しばし呆然としてしまった。
とにかく著者の想像力には舌を巻くばかりであり、物語を読んでいるという充実感と喜びがこみ上げてくる。今年読んだ本というよりは、自分の人生の中で読んだ本(そんなに多くは無いが)の中でもベストといえるような本であった。僕は今までこの小説を未読であったことを悔やむ。しかし機会があって今回この本を読んだことは無上の喜びであった。
著者の本を読むのはおそらく3冊目だが、あらためて再読しようという気になった。それに他のラテンアメリカの小説も読まねばなるまい。在庫はたくさんあるしね。

今月はちょっと本を買いすぎ。自重しなくては。

(今日買った本:37冊 今月買った本:307冊 今年買った本:2727冊)

11月21日(水)
「百年の孤独」読了。感想は後日に書きます。

近所の古書店。
ものおき小屋の恐竜 豊田有恒 ペップ出版 1歩前進。21世紀ライブラリーの1冊。手持ちは多分3冊目か4冊目。あと欲しいのは森下一仁、横田順彌。ヨコジョンは特に欲しいなあ。光瀬龍が微妙だが、多分持っているはずだ。続刊予定には山田正紀もあがっているが、未刊。山田正紀のジュブナイルも読んでみたかったな。
地獄の観光船 小林信彦 集英社 文庫になってたっけか?なっていれば持っているような気もする。わかんないや。
工学部・水柿助教授の日常 森博嗣 幻冬舎 「すべてがFになる」があんまり面白くなかったので、これはどうでしょうか。
ハートに火をつけて!だれが消す 鈴木いづみ 三一書房 プレミア価格だが、欲しかった本なので満足。
ゴスペル(上下) ウィルトン・バーンハート ベネッセ 一応エンターテイメントらしい。分厚い上下巻が200円だったので、つい買ってしまう。要はバーゲン好きなおばちゃんと同じ心理なような気がしてきた。まあ百科事典や辞書が100円でも買わないけどね。
事件は場所を選ばない 海渡英祐 光風社ノベルス
スキャンダル殺人事件 大谷羊太郎 桃園書房 なんとなく。裏の広告に「新宿真夜中ソング」とか載っているし。見つからないかなあ。
ウィンブルドン ラッセル・ブラッドン 新潮社 前に無謀松さんにミステリだよ、と教えてもらいました。
戦国幻野 皆川博子 講談社文庫 著者あとがきも再録されているし、文庫の方がかさばらなくて良い。

届いている本を少し。
妄想のエキス 長山靖生 洋泉社 なんとなく調べたら持っていないのに絶版で、なんとなく検索したら見つけたので買ってしまった。
言葉の国のアリス 矢川澄子 現代思潮社 著者の主な本で持っていないのがこれでした。新装版もあるけれど、これは函入りの元版。テキスト的には「矢川澄子作品集成」で読めるのだけどね。でもさすがに童話の翻訳や絵本まではフォローしきれません。

読書はちょっと軽めの本を続けようかと思い、篠田秀幸「死霊の誘拐」を選択。ハルキホラー文庫を読むのも、著者の本を読むのも初めて。

あるアンケートのkashibaさんの答えで一日の読書時間1〜2時間とあった。うーむ。それで一日1冊読めてしまうとは、僕の3倍くらいの読書速度と思われる。ということは僕は一日3〜6時間費やさないと真似はできないわけか。それは寝る時間がないなあ。フクさんもよしださんも読むの速いんだろうな。自分はやっぱりどっかに音読癖が残っているのだろう。しないように気をつけているのだけどね。川口さんもうさぎさんも早いのだろうなあ。というか大体それが普通で、俺が遅いのか。でも速読術はやらないよ。空しいから。努力。努力。

(今日買った本:12冊 今月買った本:270冊 今年買った本:2690冊)

11月20日(火)
本当は別のところへ行きたかったのだが、少し遅めだったので駅のBOOK OFFにだけ寄る。
文庫・新書全部100円券を使用。川口さんの期待に応えておきました。
グリーン・マイル(1〜6) S・キング 新潮文庫
石光真清の手記(全4) 石光真清 中公文庫 大熊さん推薦の本。見かけたので買って見る。表紙がテレビドラマなのでちょっと情けない。
銀河帝国の弘法も筆の誤り 田中啓文 早川文庫JA
崩れる 貫井徳郎 集英社文庫
家康入神伝 橋本純 ハルキホラー文庫
わが師はサタン 天藤真 創元推理文庫 ごめんなさい。テキストが全部持っていたもので。
赤きマント 物集高音 講談社ノベルス
短編集 永瀬三吾他 双葉文庫
自選ショートミステリー1 講談社文庫
夜を喰らう トニーノ・ベナキスタ ハヤカワミステリ文庫
犬婿入り 多和田葉子 講談社文庫 単行本の初版が見つからないので文庫で購入。
人魚とビスケット J・M・スコット 創元推理文庫 大ロマン全集持っているもので。
d夢のはじまり 森内俊雄 福武文庫 既刊単行本から集めた幻想小説集。布教用で確信犯的だぶり。欲しい人は言ってください。
タイタス・クロウの事件簿 ブライアン・ラムレイ 創元推理文庫
斜光 泡坂妻夫 扶桑社文庫 テキストを持っていたもので、ごめんなさい。
1974ジョーカー デイヴィッド・ピース ハヤカワミステリ文庫
遥かなる地平@ 早川文庫SF
匣庭の偶殺魔 北乃坂柾雪 角川スニーカー文庫
氷菓 米澤穂信 角川スニーカー文庫
マーベリー嬢失踪事件 R・ロゴウ 扶桑社ミステリー ドジスン(ルイス・キャロル)が探偵役のミステリー。
肌絵師 島村匠 学研M文庫
魔障 朝松健 ハルキホラー文庫
死霊の誘拐 篠田秀幸 ハルキホラー文庫

買った本を並べるだけの手抜き日記ですんません。

また本が届く。届いた本はまた明日でも。「百年の孤独」はもうすぐ終わりです。
今日家人が帰ってきますので、また買い物は縮小します。(もう置くところも全然無いのだけど)

(今日買った本:31冊 今月買った本:258冊 今年買った本:2678冊)

11月19日(月)

飲みに行ってしまったので、書くことなし。
届いている本。(の一部)
新宿警察 あたしにも殺させて 藤原審爾 双葉社
強制結婚 戸川昌子 徳間書店
死の四暗刻 藤原正太 立風書房

新宿警察は9冊目。あとまだ5冊は確実にあるな。
藤村正太はいつのまにやら14冊目。読まんうちにあと5冊になちゃいました。
戸川昌子も嬉しい1冊。まだまだ先は長いですが。

集める前に読まなきゃいけないんですがね。もちろん。


(今日買った本:3冊 今月買った本:227冊 今年買った本:2647冊)

11月18日(日)
やってしまいました。家人が4日間の旅行へ行くのをいいことに久々に車を駆って古書店周り。
といってもリサイクル系だから買い逃したもの等を買うだけであるが、量がやはり多くなってしまう。最後は疲れて気持ちが悪くなりました。

ということで、今日買った古本です。
あざみ野駅前のブックオフ。
仮面舞踏会 キット・ウィリアムズ 角川書店 前から欲しかった絵本。
おとうふ百ちょう あぶらげ百まい 三田村信行 あかね書房 なんてことはなさそうな童話です。
耽美傑作短編集T 刺青 結城信孝編 三天書房 そういや出ていたなって感じ。でも怪談編があるからこっちは注文してでも買わなくちゃ。
龍の黙示録 篠田真由美 ノンノベルス
鬼の探偵小説 田中啓文 講談社ノベルス 新刊で買おうと思っていたのだが。
呪禁官 牧野修 ノンノベルス 新刊で買おうと思っていたのだが。
紫骸城事件 上遠野浩平 講談社ノベルス
殺人交差点 フレッド・ノサック 創元推理文庫
鬼を斬る 藤木凛 祥伝社文庫
dふたたびの加奈子 新津きよみ ハルキホラー文庫 やっちまいました。
記憶 西谷史 角川ホラー文庫 ホラー文庫は何を持っているかわからないので怖いです。記憶が頼りだけど、全く当てになりません。
ブックオフ梶ヶ谷店
眠れぬ夜の悪魔 青柳友子 光文社文庫 ダブりじゃないかとどきどきしました。
真夜中への鍵 D・R・クーンツ 創元推理文庫 
dあなたの待つ場所 井森軍也 角川ホラー文庫 またやっちまいましたぁ。だから記憶は当てにならないといったのに。
レッド・マーズ下 キム・スタンリー・ロビンスン 創元推理文庫
帝都物語 藤原カムイ 角川書店 マンガなのでカウントにはいれません。
恋する男たち 朝日新聞社 
塔 末弘喜久 集英社 すばる文学賞受賞作だそうです。
かめくん 北野勇作 徳間デュアル文庫 
夏の鬼 その他の鬼 早見裕司 エニックスノベルス わあ古本で買っちゃいました。ごめんなさい。
ブックスいとう中野島
d僕はここにいる 飯田雪子 講談社X文庫 散々悩んだ末に2冊のうち1冊を選んだらダブり。持っていないほうをスルーしちゃった。もっていないのは2,4,6だ。こんなに覚えやすいのに間違えるなんて最悪。数字も覚えられないみたい。
スパイ・その苦い歳月 藤原審爾 角川文庫
我輩はカモである D・E・ウェストレイク ミステリアスプレス文庫
棺のない死体 クレイトン・ロースン 創元推理文庫
新訂クトゥルー神話事典 東雅夫編 学研M文庫 前版ももちろん持っているよん。
隣り合わせの灰と青春 ベニー松山 集英社ファンタジー文庫 なんだか気になっていた。ウィザードリーアンソロジーも欲しいぞ。
墜ちる人形 ヒルダ・ローレンス 小学館文庫
風変わりな夜 結城昌治 中公文庫 持っていない角川をスルーしてしまった。だって何が無いかわからないんだもん。
ヴェネチアで消えた男 P・ハイスミス 扶桑社ミステリー これまた何を持っていないか全然把握できていないハイスミス。
THINK 吉田音 筑摩書房 クラフトエディング商會の本を買うのは初めてだなあ。
殺るときは殺る ヤーコプ・アルユーニ パロル舎 ドイツのハードボイルドだそうです。
何故か石井さん夫婦に遭遇。古書展以外で知り合いに会うのは珍しい。ご夫婦で仲が宜しいようで。それにしても石井さんは手持ちの本を1000冊(マンガ)処分したそうである。うーん。俺にもその思い切りが欲しい。でも読まないうちに処分するのは気が引けるんだよな。
向かいの古本屋。
りかさん 梨木香歩 偕成社 原生林の本は無いねえ。注文しようかな。
ブックスいとう・・何店か忘れた。
ついてくる 京都十三夜物語 吉村達也 アミューズブックス アートディレクションが凝っているので本屋で見かけたときにちょっと欲しいなと思ったのだが、他に買うものが無く思わず買ってしまう。定価自体が2800円もするんだもの。でもこのままの文庫化は無理。
憑流 明野照葉 文藝春秋 1作目もそうだったようだが、これもホラー。本当?
ここで他の店へ行こうとしたら道ががらっと変わっていて間違える。仕方が無いのでそのままブックスいとう野猿街道店?へ。
夕日と拳銃 壇一雄 蒼洋社 河出文庫から2分冊で出ていて、近所に片方だけあるため躊躇っていた。
ミイラ獲りのバラード 光瀬龍 徳間書店 持っているかもしれん。
d妖笛 皆川博子 読売新聞社 がちょーん。大失敗。100円より高くてダブルと哀しい。
遠い約束 光原百合 創元推理文庫
紫の砂漠 松村栄子 ハルキ文庫
大江山幻鬼行 加門七海 祥伝社文庫
少年たちの密室 古処誠二 講談社ノベルス
卑弥呼の末裔 八尋不二 旺文社文庫 伝奇推理
人丸調伏令 完全版(上下) 加門七海 ソノラマノベルス
レッドマーズ上 キム・スタンリー・ロビンスン 創元推理文庫
過ぎる十七の春 小野不由美 講談社X文庫ホワイトハート
暗い落日 結城昌治 講談社文庫 改訂新版
公園には誰もいない 結城昌治 講談社文庫 改訂新版
騙し絵の檻 ジル・マゴーン 創元推理文庫
あじゃ@109 吉村達也 ハルキホラー文庫
生存者、一名 歌野晶午 祥伝社文庫
ブックオフ何店だかわからない。
黒い九月の手 南條範夫 角川文庫
よるべなき男の仕事・殺し 藤原審爾 角川文庫
悪党たちのジャムセッション D・E・ウェストレイク 角川文庫
新耳袋 第五夜 メディアファクトリー
時間外への招待状 亀和田武 光風社出版 確実に持っているのだが、この版で持っているのか不明。
トロッコ かんべむさし 出版芸術社
迷い子たちの鬼ごっこ 伊達一行 阿部出版
生誕 松村栄子 朝日新聞社
ギャングスタードライブ 戸梶圭太 幻冬舎
ブックオフうーん星が丘店かな?
ゆきどまり 祥伝社 出ているのを知らなかったホラーアンソロジー
O 柴田よしき 祥伝社文庫
ステーシー 大槻ケンジ 角川ホラー文庫
恐怖のカタチ 大原まり子 ソノラマ文庫 単行本では確実に買っているのだが、こっちはわからなかった。kashibaさんのレビューを見て増補されているのを知ったからには、不確実ながらも押さえておく。
変身譚 辻井喬 ハルキ文庫 「けもの道は暗い」を増補したものらしい。だったら買わなきゃ。
冥王と獣のダンス 上遠野浩平 電撃文庫
ブキーポップイ・ミッシング 上遠野浩平 電撃文庫 買ったのは1,2,3、7,10である。メモっておこう。
恐怖のKA・TA・CHI 藤川圭介・小沢章友編 双葉文庫 買わなきゃと思っていたもの。
ブックオフの新しくできた店。これはひどいな、何も無い。
怪 京極夏彦 角川書店
最後は近所のブックオフ
フリッカー式 佐藤友哉 講談社ノベルス
けものの眠り 菊村到 新潮社 昭和34年初版の函つき推理小説がブックオフに100円であったら、買わずにはいれないでしょう。たとえそれが菊村到であっても。もしかしたら飛鳥高とか楠田匡介とか鷲尾三郎が100円で並ばっていたのかしらん。(無い無い)

残念ながら通りがかりには「悪党バーカー/逃亡の顔」はありませんでした。

こんな一日でしたので、読書はできませんでした。それではおやすみなさい。なんだか空しい一日だったなあ。
朝、葉山さんと大熊さんに3冊づつ本を送ったので、6冊減りましたが、焼け石に水なり。


(今日買った本:70冊 今月買った本:224冊 今年買った本:2644冊)

11月17日(土)
「百年の孤独」は200ページを超え、2/3を過ぎたところです。
なんとなく息抜きで変な本を読んでみる。

亜殺人史の助手日記 手塚信也 新風舎
高校生が書いた推理小説で60ページそこそこの作品。その中で4つの殺人(うち3つは密室殺人)が起きる。で、高校生が書いた自費出版作品にとやかく言うのも大人気ないが、シノプシスを読まされているようで味気なかった。内容を詰め込みすぎで、登場人物は記号。トリックもおよそ説得力がない(というか理解しずらい)。残念ながら若書き以前の小説で、特に読む必要性は僕には感じられませんでした。まあ2,30分で読めちゃうから、話の種にはいいかもしれませんがね。以上です。

今日買った本
M・R・ジェイムズ怪談全集2 M・R・ジェイムズ 創元推理文庫 嬉しい怪談集。単行本未収録の作品が増補されていて、これは買い。

買った冊数の間違いを川口さんから受けてしまった。良く見てるなあ。本には全然気づいていないというのに。
昨日は無意味にだらだらと文章を書いたが、今日は短めの日記ね。

届いた本もあるけれども、これはまた後日。

(今日買った本:1冊 今月買った本:154冊 今年買った本:2574冊)

11月16日(金)
けえかほうこく
「百年の孤独」は全体の4割を超える。ここで今まで読んだ小説の中でも5本の指にはいるのじゃないかという美しいシーンに遭遇。感動。
まあ他の4本は何だ?と聞かれても困るのであるが、1つは確実に赤江瀑の「カツオノエボシ獄」の海中から海面を見上げたシーンである。このシーンほど「青」が美しく描かれた小説を僕は知らない。
それにしても、なんか「百年の孤独」読書日記のようではある。
で、ついでに告白しておくと「アルジャーノン」を僕は読んでいない。「まごころを君に」も遠い昔にテレビで放映された際に(12チャンネルで昼間にやった記憶がある)録画したきりだ。時期を逸してしまったというか何と言うか。ストーリーは聞くとも無しに耳には入るものなので、大体の想像はつけているのだが、実際は読んでいないのでどんな感想を抱くことやら。でも氷室が歌にするとは思わなかったね。

今日買った雑誌
本の雑誌 よしださんの日記を見るまでここのHPが触れられているとは思いませんでした。恥ずかしいのに変わりは無いが、名前が無かったのでちょっとほっとする。よしださんの原稿も拝読。この記事をきっかけに富田常雄を集める人が出てくるかしら。

今日買った新刊
国枝史郎ベストセレクション 東雅夫編 学研M文庫 まずは「レモンの花の咲く丘へ」が収録されていることで国枝史郎に興味のある人はびっくりたまげるだろう。国枝史郎伝奇全集の補巻3くらいで収録されるのならまだわかるが、いきなり文庫に入るとは。東雅夫さんの面目躍如で、「八ヶ嶽の魔神」が入るのは営業政策上当然の処置だが、明治時代に私家版で出たきりの戯曲集を無理やり?入れたのは本当に力技である。私見であるが、出版社といい、文庫とは思えない価格(1300円!)といい、内容といい、20年後には血風本入りはまず間違いないと思われる。伝奇小説に興味の無い向きには必要の無い本であるが、一度切れたら(少なくとも「レモン」の方は)二度と復刊されるとは思えないので、伝奇小説に少しでも興味のある方は今のうちの購入をお勧めする。
なお続巻には「岡本綺堂」「夢野久作」「村山塊多」「伊佐名鬼一郎全作品」(!)が予告されている。日下さんの企画といい恐ろしい時代である。岡本はもしかするとボーナストラックが少し期待できるけど、夢野は難しいだろうなあ。村山が単独で文庫になるのも普通なら考えられないことであるが(大体本業は画家だったんだから)、これも全集未収録作品が「ユリイカ」とかにも掲載されていた記憶があるので、ボーナスに期待。最後の伊佐名鬼一郎に関しては「ホラーウェイブ」に復刻されていたことくらいしか知らないが、リストの中でも一際、異彩を放つ。大体この人著作集なんてあったのか?なお本書と同時刊行で「インスマウス」テーマのアンソロジーが上下巻で刊行されていた。こっちも買わなきゃ。
というわけで購入した文庫1冊でこれだけ書けば十分でしょう。

今日買った古本
帰ってこない女 M・R・ラインハート 小学館文庫 あとH・ローレンスとアームストロング(蜘蛛の巣の方)は買わなければいけません。
d月の輪船 長野まゆみ 作品社 あ〜あ、持ってたよ。
亜殺人史の助手日記 手塚信也 新風舎 嗚呼、こんな本買っちまった。
コンピュータの身代金 L・シャボノー 日経新聞社 この人は他にHSFSから「この地球のどこにも」、イフノベルスから「エンブリヨ」という2冊のSFが翻訳されているので、気になっていた本であった。SFっぽいけど、完全に時代遅れのような気もする。
雨晴れて月は朦朧の夜 夢枕獏 角川ホラー文庫
透明女 戸川昌子 徳間文庫 表紙に見覚えがなかったのだが・・。光文社NVで持っていたみたい。どうりで。
神の系譜U 真なる豹 西風隆介 徳間ノベルス
竜宮の乙姫の元結いの切りはずし 薄井ゆうじ 講談社文庫 文庫書下ろしで買い逃していたもの。
dロカノンの世界 A・K・ル・グイン サンリオSF文庫 古書的価値は無いに等しい。でもサンリオは好きなのでつい買ってしまった。

届いていた本
永遠の一駅手前 沼野充義 作品社 ロシア文学評論集。幻想文学に造詣が深い著者で幻想文学に関するものは同時に刊行された「夢に見られて」にまとめられている。そっちはもちろん持っているのだが、こっちは幻想文学以外なので買っていませんでした。でも一応買っておきたいと思ったので購入。
二つの顔の女 源氏鶏太 桃源社 はっきりいって1000円も出したくなかったのだが、HP用に購入。テキストは他の2冊の怪談集をあわせただけのお手軽編集。
乱れた関係 多岐川恭 桃源社 自分的にはM16になりました。

(今日買った本:14冊 今月買った本:153冊 今年買った本:2573冊)

11月15日(木)
「百年の孤独」はやっと100ページ超。遅々として進まないが、自分なりにはいいペースで読んでいるような気分になる。というか、その読み方にふさわしい面白い小説で物語を読んでいるという心地よさがある。感想を書けるのは多分来週末くらいじゃないでしょうか。それまで本を買って日記をつながなければならない。(なんてことを考えてしまうからいけないんだよな)
ちなみにうさぎさんが系図をスキャナーで読んでくれたので、これは便利というか読みやすくなりそう。旧版で読む人もこの系図はあったほうが3倍くらい読みやすいに違いない。ようは年代記なのでね。

結婚記念日なので家人と自由が丘で待ち合わせてフランス料理を食べる。場所はいつも行くところで、高いがおいしいのはあいかわらず。家族サービスで真っ当な人間らしいところもあるところを見せているわけではないぞ。

でも自由が丘なのだ。やはりBには寄ってしまう。もうすぐ目録も出るようだが、あまり買うものなし。
白鳥座61番星 瀬川昌男 小峰書店 店主さんは瀬川昌男を知らなかったそうである。SFは弱いね。でもこれは新しい(1985年)本だからまあ妥当な値付けでしょう。小峰書店は探求本の「ギャルファイターの冒険」を出しているところだ。kashibaさんが羨ましいな。まだ見たことが無いんだ。ペップ出版も手持ちは堀晃、かんべむさしくらいでヨコジュンとかは多分持っていないと思う。ジュブナイルは難しい。でも堀晃のジュブナイルなんかはあんまり知られていないんだろうね。読んでないけどさ。あとは100円。
第三の犬 パトリシア・モイーズ ポケミス 調べてみると全然持っていませんでした。これでまだ5冊目くらい。
神南署安積班 今野敏 ケイブンシャノベルス 最近ご無沙汰の今野敏も改めて集めようかと考え中。初期の4,5冊しか読んでいないと思うが、どれも面白いからね。
飛車角歩殺人事件 本岡類 講談社ノベルス もっと後年の面白そうな作品を読みゃあいいのに、どうも昔からの最初の作品から読もうとする癖が抜けない。そんなことじゃどの作家も代表作読む前にこっちが死んじゃうよ。これは処女出版でこの間読んだ「女流棋士殺人事件」も前に当たる。

よしださんの日記でなんでも「本の雑誌」で目黒さんがこのHPに触れられているということを知り、大ショック。まだ未見だけど「日本一古本を買う男」という表現がなされているらしい。こちらはネットワークの片隅で細々と買った本と読んだ本を日記と称して更新していただけなんだけどなあ。それに僕よりも本を買っている人はきっと日本に43人くらいはいるはずだ。なんにしても恥ずかしくていたたまれない。kashibaさんとかフクさんに近いくらい本を読んで感想をアップしていたら、こんなに目立たなかったに違いない。というかもしそれで目立っても本をたくさん読んで紹介されるのは誇らしいからいいけれどたくさん買っているというだけで紹介されるのはやっぱり恥ずかしいよ。でもきっと本をまた買っちゃうんだろうな。

(今日買った本:4冊 今月買った本:139冊 今年買った本:2559冊)

11月14日(水)

今日買った新刊。
「新趣味」傑作選 ミステリー文学館編 光文社文庫 心を入れ替えて新刊で買いました。時間がたつと間違ってダブって古本で買っちゃうし。

宮部みゆきのファンタジーが出ていたなあ。家人に買わせなきゃ。国枝史郎は見当たらず。伝奇全集に入っていないのがあると買わなきゃいけなくなっちゃうんだよな。MRジェイムズの2巻も出ていたので明日にでも買おうかな。

最近衝動的にネット書店に注文してしまうことが多い。買いそびれている本も多くなってきた。まだ買い始めていない三島由紀夫全集はもちろんだが、最後のほうは単行本未収録が多くて、全部買うのか悩ましい稲垣足穂全集とか、アラビアンナイトメアまでしか買っていない文学の冒険とか、最後の数巻を買っていない書物の王国とか。探偵小説全集も1期をそろいで買った後は、全く買っていないし。ミステリーの本箱も買わなきゃいけないなあ。国書からは高山宏が出るけど、最新の1,2冊はまだ買っていない。種村季弘も最新刊とネオラビリントスを1冊買いそびれている。新刊も欲しい本がいっぱいあるし、お金がいくらあっても足りないなあ。読んでいる時間はもっと無い。
扶桑社の皆川博子、泡坂妻夫、香山滋も収録された小説は全部持っているだけに申し訳ないけれども悩ましい。山田風太郎はもう何を持っているのかわからないので(多分ほとんど読めるのだろうが)あまり考えずに買える(まだ4冊買っていないけれど)。それより黒白さんの「溶ける薔薇」は羨ましいなあ。ほかで読めない短編が一つはいっているんだよ。

「百年の孤独」はまだまだ読了まで時間がかかりそうです。でも面白いです。しばらく感想が書けないとなると日記には何を書けばいいのか。本を買えばいいのか?(違うと思う)

(今日買った本:1冊 今月買った本:135冊 今年買った本:2555冊)

11月13日(火)
昨日の日付で本の感想でも書いておこう。

微かなる弔鐘 高城高 光文社
素人なのでよくわからないが、日本ハードボイルドの嚆矢とされている人らしい。これはその著者の初期の作品を集めた唯一の短編集。(といっても他には長編が1冊あるきりだが) ちゃんとした評論は謎宮会で戸田さんが書いているので、興味がある人はこんな駄文ではなくそちらを参照してください。
賭ける 珍しやフェンシングをモティーフにした短編。学生の男女の心のせめぎ合いとそれによって引き起こされる事件を描く。メロドラマチックな感じも無くは無い。それにしても学生時代にフェンシングでもやっていたのか?普段目にしないフェンシング用語が良くわからない。
淋しい草原に 釧路で姿をくらました友人を追ってきた男の話。地元で勢力を持つ組とのトラブルがあったのか。釧路の淋しい風景が浮かぶ短編。場末の感じが良く出ている。
ラ・クカラチャ ラ・クカラチャの歌を歌う外国人を恋人にする女。女の働くバーのバーテンが火事で焼け死ぬ。恋人はバーテンのことを何か知っているらしい。主人公の女の淋しい姿が印象的な短編。
黒いエース 一応推理小説的な結構を持った短編。伏線とかはよくわからないが、本格推理を書こうとしたのだろうか。てっきり野球ネタかと思ってしまったが、エースはトランプでした。
暗い海深い霧 これまた釧路が舞台。スパイとして国後島へ侵入し、つかまってシベリアへ送られた男が帰ってきた。内地へ残した内縁の妻を捜していたのだ。しかしその女の行方は杳として知れない。戦後の空気を色濃く匂わせ、複数の男と女の思いをからませた短編。
微かなる弔鐘 これは新聞記者の主人公を探偵役として、突堤の崖下で遺体で発見された女を殺した犯人を追う。「黒いエース」と並んで犯人探しの推理小説になっている。これまた最後は戦後の様相を色濃く繁栄した苦い終わり方をしている。本書の中では一番長く、結末の苦さは印象に残る。
どれもハードボイルドという感じはあまり受けず、かなりウェットな肌合いのサスペンス小説という感じ。今読むと風俗はかなり古いが、それなりに時代を反映しているところなどは却って良さを感じる。ただ印象としてはかなり地味で万人受けするようなタイプには思えず、今読んでもかなり楽しめるとは思うのだが、埋もれてしまいそうな感じはぬぐえない。個人的にはかなり面白く読んだので、他の短編も読みたいとは思った。しかしながら短編は他には雑誌(一部はアンソロジーでも読めるが)でしか読めない。あと長編の「墓標なき墓場」を読んでしまったら、もうこの人の読む本はないのだ。ずいぶん前に筆を折られているが、事情はわからないものの、もっと書き続けていただきたかったものである。短編をもっと集めてどこかで復刊してもらえないものか。でも売れないかなぁ。売れないだろうなぁ。
機会があればお読みになることをお勧めします。

届いている本もあるのだが、ネタが無いときのためにとっておかなきゃ。

(今日買った本:0冊 今月買った本:134冊 今年買った本:2554冊)

11月12日(月)

久々に少し大きめの本屋へ行って買い物。

独逸怪奇小説集成 前川道介訳 国書刊行会 手持ちのテキストで読めないのは4編だけだが、造本といい素晴らしい本。この値段は高くない。
ミステリ美術館 森英俊編著 国書刊行会 美しい本である。原書を集めることはしないし、海外ミステリは素人で、装丁で買うこともあまり無いのだが、見ているのは楽しいものだ。
銀の仮面 ウォルポール 国書刊行会 倉阪さんの翻訳。ミステリーの本棚は買わなきゃいけませんねえ。倉阪さんの近著もまだ結構買っていないものがあるな。買わなきゃ。読まなきゃ。
懐かしい未来 長山靖生編 中央公論新社 南沢十七も入っているのか。長山さんの本も大体持っているのだけど、読んでいないや。と、調べたら持ていない本が既に絶版であることがわかったので、ネットで検索し注文してしまいました。

支払いは何も考えずにカードで済ませる。だって4冊で1万3000円もするんだもの。そのころにはボーナスも出てるし。(それでいいのか?)

読書は「微かなる弔鐘」読了。
「百年の孤独」を読み始めましたが、結構時間がかかりそうな予感。

明日は飲み会なので日記の更新はないかもしれません。きっと読書も進まないでしょう。

(今日買った本:4冊 今月買った本:134冊 今年買った本:2554冊)


11月11日(日)

本屋へは行かず。夕方から喫茶店で読書。もう少しで「微かなる弔鐘」を読み終わります。
でもおかげでポオ全集は全く読めず。

本の感想
ドクター・アダー K・W・ジーター 早川文庫SF
舞台は未来のL.A。そこではドクター・アダーと呼ばれる医師が住人たちのカリスマ的な指示を得て腕を振るっていた。しかしそれは人間の潜在意識を探り、肉体改変を行うものであった。またそこでは同時にモックスというオレンジ郡に住む人物が起こした教団MF族が勢力を伸ばしていた。そこへ養鶏場で働いていた青年リミットが現れる。リミットの目的は父親のレスター・ギャスの開発した伝説の殺人兵器をアダーに売りつけることだった。それはモックスの陰謀であり勢力の均衡が破れたL.Aは戦場となる。リミットは下水道奥深くの地下世界へ逃れるが・・。
1972年に書かれ、数々の出版社に断られたあげく1984年(オーウェルのあの作品の年だ)にようやく出版されたいわく付き作品。出版された年には序文を書いているP・K・ディックは既に他界している。筋書きを書くのが難しいほど猥雑で、それこそ著者の頭の中の妄想を一挙にぶちまけたような作品だ。解説によると作品中の世界は現実のLAと密着しているらしく、作者は全世界がどうなっているかは関心が無く、L.Aとオレンジ郡のみに関心があると言わんばかりのローカルSFであるが、それは気にならない。最初の50ページほどは作品世界になじむのが難しいが、それ以降は割合とすいすいと読める。カタルシスは無いが、背景が飲み込めればストーリーの骨格はわかりやすいので、猥雑な異様な世界にのめりこみたい向きにはぴったりだろう。うー、なんか感想になってませんね。

届いた本。
放浪児(1〜5) 幻想文学出版局 南條竹則編集の同人誌。ミドルトンの「幽霊船」の翻訳を中心に詩の翻訳や創作を掲載。幻想文学は2号から読んでますが、はっきり言ってこんな同人誌全然知りませんでした。谷弘兒表紙の瀟洒な作りですばらしい同人誌です。西部古書展の注文品で土曜日に会場に電話したときははずれと言われがっかりしたのですが、何故か今週末になって家に届きました。事情はわかりませんが、大変嬉しいです。あまりに嬉しいのでこんどコンテンツを作ろうと思います。血風です。金光さんごめんね。うちに来ちゃった。
バルビエコレクションU ビリチスの歌 リブロポート 鹿島茂編の復刻絵本。
安楽椅子探偵傑作選 講談社文庫
メグレの退職旅行 シムノン 角川文庫
メグレ夫人の恋人 シムノン 角川文庫
別世界シン少年隊 宮崎惇 ソノラマ文庫
列車消失事件 秋田書店
ハニーよ銃をとれ G・G・フィックリング ポケミス
ハニーと連続殺人 同
血とハニー 同

とうわけで皆川博子といい放浪児といい嬉しい週末になりました。

(今日買った本:14冊 今月買った本:130冊 今年買った本:2550冊)



11月10日(土)
「ドクター・アダー」読了。感想はあと。
高城高の「微かなる弔鐘」を読もうと思います。

買い物特集。
嫁の実家へ。BOOK OFF3件。時間がかかって顰蹙を買う。

惑星Oの冒険 モーリス・ジー 岩波書店 手持ちが函欠だったので。
時計を忘れて森へ行こう 光原百合 東京創元社
朱模様 皆川博子 朝日新聞社 持っているとばかり思っていたらもっていなかったようなので。
完全無欠の名探偵 西澤保彦 講談社ノベルス
私の中に何かがいる あさのあつこ 講談社青い鳥文庫
悪意のきれっぱし 生島治郎 ケイブンシャ文庫 著者が奇妙な味の書き手というのはあまり知られていないのかな?これは持っている可能性がかなり高いけど。
こわがらないで・・ 朝松健 ハルキ文庫 コスもティーンズからSFA掲載の短編増補。
迷宮世界 福島正実 フォア文庫 うーん。岩崎書店版を持っているようだ。

ワールド・ミステリーツアー13 12ワールド編 同朋舎 あとイギリス、アジア、アメリカ、と最終巻?アメリカは買った気もするけど。
大人にしてあげなかった小さなお話 岸田今日子 大和書房 再録ばかりなのでテキスト的には全部持っているのかもしれないけど。
コラムの冒険 小林信彦 新潮社
SFバカ本 人類復活編 メディアファクトリー
股旅新八景 長谷川伸 講談社大衆文学館 100円だったからね。何を持っているのやらさっぱりわからん。
聖夜幻想 高橋克彦 幻冬舎 オリジナル。
冬に来た依頼人 五條瑛 祥伝社文庫
妖術記 河野多恵子 角川ホラー文庫 10年以上前に単行本で既読だが、処分しているかもしれないので買っておく。他に「不意の声」という幻想的な作品もある。(積読)
夜聖の少年 浅暮三文 デュアル文庫
ウィッチライト メラニー・テム・&ナンシー・ホールダー 創元推理文庫
d魔女が笑う夜 カーター・ディクスン ハヤカワミステリ文庫 新装版があったので買っておく。(なんで?)
爆風カーニバル 樋口明雄 富士見ファンタジア文庫 3冊も出ていたのか。
迷信 R・L・スタイン ソニーマガジンズ 友成純一訳。ぜひ100円で見つけたかったのでラッキー。意外に翻訳されている著者である。

dKI..DO.U 杉本蓮 デュアル文庫
dいつでもこの世は大霊界 森奈津子 レモン文庫
お嬢様帝国 森奈津子 レモン文庫
お嬢様とお呼び! 森奈津子 レモン文庫
dお嬢様帝国 森奈津子 レモン文庫 家に帰るまで2冊あるの気づきませんでした。とほほ。
帰ってきたお嬢様 森奈津子 レモン文庫
お嬢様軽井沢の戦い 森奈津子 レモン文庫
お嬢様ボロもうけ 森奈津子 レモン文庫
ddウェンズ氏の切り札 S・A・ステーマン 教養文庫 ミステリボックスも何を持っているかチェックしなきゃ。とほほ。
戦国少年隊・本能寺 夏文彦 ソノラマ文庫 1,4,5が無いみたい。でも買わなくても良かったかも。
フーコーの振り子(上下) ウンベルト・エーコ 文藝春秋 単行本で読みたかった。
イギリスに伝わる怖い話 高橋宜勝 大和書房 フーリック「中国の手長ザル」の共訳者。
闘神伝説(全4) 今野敏 KKベストセラーズ 結構好きだった今野敏。
風よ。龍に届いているか ペニー松山 宝島社
奥秩父狐火殺人事件 梶龍雄 講談社ノベルス
金沢逢魔殺人事件 梶龍雄 講談社ノベルス
d殺意は砂糖の右側に 柄刀一 ノンノベル ああ、買っていたのか。
黄色い雨 草薙渉 読売新聞社
夢の記憶 津島佑子 文藝春秋
最後に私的血風でございます。10年前の本なんかそのうち見つかるだろうと思いきや、これが全然なかった。葉山さんとお話したときにも無いといわれ、うーん、これはまずいと思っておりました。いやあ良かった良かった。葉山さんお貸ししますよん。
顔師連太郎と五つの謎 皆川博子 中央公論社
いやあ、久々に買っちゃったなあ。でもダブりが多いなあ。森奈津子のダブりは引き取り手が無くて困るな。

届いた本もありますが、長くなったのでまた明日ということで。届いた本も、私的には血風でした。はずれといわれたのになあ。なんでだろ。

(今日買った本:46冊 今月買った本:116冊 今年買った本:2536冊)

11月9日(金)
今日買った古本
二日めの夕方では何も無いと思ったが、一応有隣堂に顔を出す。だって地元だもの。300円のポケミスだけ何冊か買っておく。でも早めに帰ってしまったため、月曜日は早くいかなきゃ。
dドーヴァー1 J・ポーター ポケミス 失敗。1と8は持っているようです。
ひそむ罠 ボアロ&ナルスジャック ポケミス
すりかわった女 ボアロ&ナルスジャック ポケミス
アンクルから来た女 エイプリルダンサー@ マイクル・アヴァロン ポケミス
殺しは時間をかけて ユベール・モンティエ ポケミス 
d完全犯罪売ります ユベール・モンティエ ポケミス がーん。ショック。
d殺人は競売で カーター・ブラウン ポケミス ブラウンは何を持っているやら全然わかりません。これも失敗。
ある殺人の肖像 ジュリアン・シモンズ ポケミス
dここにも不幸なものがいる エドガー・ラストガーデン ポケミス
下宿人 ベロック・ローンズ ポケミス
4割のダブりか。かんべんしてもらいたいなあ。自分が悪いんだが。そのわりに持っていると思ってスルーした「穴」を持っていないとは。とほほのほ。ちょっと今月本を買いすぎ。もういい加減ダブり本処分しなくちゃいけません。どうしたものやら。

今日買った新刊
ゲーム・プレーヤー イアン・M・バンクス 角川文庫 バンクスのスペースオペラ?どんなんだ?出てたの知らなかったわい。邦訳4冊持っているけどまだ読んでいないのだけどね。せめて蜂工場くらいは読まなきゃと思っているのだけど。
他にも欲しい文庫等あったが、新刊は一日1冊にしたいので、我慢。

郵便受けに不在通知。頼んだ覚えの無い本屋さんの名前が。届いていない本は確かにあるが、これは何だろう。何を忘れているんだ。

「ドクター・アダー」は300ページ超。もう少し。でも週末は決まりでポオ全集を読まなければいけないのだが。「百年の孤独」も読まなきゃね。でもこっちは今月中だからな。

(今日買った本:11冊 今月買った本:70冊 今年買った本:2490冊)

11月8日(木)

「ドクターアダー」は200ページを超えましたが、明日には読み終えたいぞ。

AIBOは4代目。人型になれば、昨日感想を書いたエレクトロンの悪夢に追いつくのですがね。

今日買った古本
ラスト・イニング 吉田直樹 新潮社 おーかわさんお勧め著者の処女出版。4冊しか著書がないので、あと確保していないのは最新刊のみになりました。これも古本で買おうかなんと思ってしまうのが、性というか何と言うか。著者の方や出版社の方には我慢のならないけち野郎なんだろうな。ところでおーかわさんは探している著書あるのかな?
濁った激流にかかる橋 伊井直行 「三月生まれ」を持っていないんだよな。多分。読んだのは例によって1冊(「さして重要でない一日」)だけどさ。
ダックスフントのワープ 藤原伊織 集英社 いやな予感がしたのだが、文庫化済。しかも増補されてる。すでにしていらない本になってしまった。増補されているのなら文庫を買って読んだ方がいいもの。まあ装丁のダックスフントのイラストが可愛いからいいか。
ルー・ガルー 京極夏彦 徳間書店 一時期新刊で買っていたこともあるのだけど、やっぱり買わなくなっちゃいました。だって読まないうちに古本屋で見つけるんだもの。この人の本も読んだのは「姑獲鳥の夏」のみ。出版は7年も前になるんだね。

やっぱり有隣堂には行けず。明日の夕方に再挑戦しようと思う。はてさてどうなることやら。

それにしても最近買った本と読んだ本以外書くことがないんですけど。そういえばネットで源氏鶏太のポピュラーブックス怪談集1冊を確保。テキスト的には他の本の再編集なので不要だが、書影用と純粋なコレクションということで。(にしてはちょっと高めだが)

あるメールをいただいたのですが、考え中。

(今日買った本:4冊 今月買った本:59冊 今年買った本:2479冊)

11月7日(水)

冬用のスーツがクリーニング中で着れません。最近の寒さが身にしみる今日この頃。

yahooで欲しかった新章文子が負けてしまって残念無念。昨日までは入札無くどうかなと思っていたのだが、最後のほうで入れた方がいて、もうちょっと張り込みたかったが、帰りが遅くなって惨敗。仕方が無い。次のチャンスを待ちましょう。
それにしてもお一方、出品がすごいかたがいて、蘭郁二郎やら大阪圭吉ら戦時中ごろの探偵小説を中心に珍しそうな本がぞろぞろ。値段は絶対的には高いけど、(相場的には形成されるほど本が市場にでるのかわからないが)まあ妥当なのでしょう。もしくは少し安いのかもしれない。個人的には那珂良二がほしいなあ。買えないけど。

エレクトロンの悪夢 釣巻礼公 角川エンターテイメント
1500円もする新書変形版。二段組500ページの堂々たる分量である。とはいえ分量の割には読みやすい。
総合電気メーカー、コスモソニックで自立制御型ロボットの開発に携わっていた主人公の花村は、会社の方針に疑問を抱き、退職する。ベンチャー企業を起こして軌道に乗り始めた矢先、世間では自殺者が急増していた。その自殺した人間は皆「ウェヌス・・」という言葉を口にする。花村はその謎を知っていると思われる女性を車で引いてしまった。その女性優里は言語と歩行に障害を来たす。行きがかり上その事件を調べ始めた花村は「ウェヌス」がコスモソニックの関連会社と関係があるらしいことをつかんだが、真実はなかなかつかめない。そんな中、優里に責任を感じていた花村は、コスモソニック時代にペットロボット試作を実際に行った町工場の工場長や、コスモソニックに勤める友人市田とともに、自立制御型の車椅子ロボット、更に進んだ介護目的の人型ロボットを試作し、優里に贈る。優里はロボットたちを受け入れるが、優里の住む別荘では徐々に異変が起き始める。これも「ウェヌス」が関係しているのか。
ネットを検索してもあまり他の人の感想が出てこず、あまり読まれていないのかなと思ったが、風間賢二氏がなかなか好意的な評をかかれているのが目に付いた。著者の作品を読むのは初めてなのだが、ミステリーを数作書いた後、ホラーを数作書いている。前半はロボット技術の(多分)最先端技術を多く盛り込みながら、企業小説的な展開。町工場の親父が妙に格好良い。この辺は著者は以前沖電気に勤められていたということなので、リアリティがあるのは当然かもしれない。全体でみれば現在の技術およびやや延長したテクノロジーを基盤としたサスペンス小説という感じだ。見返しにはSFホラーとあるが、SFにしては飛躍が少なすぎ、ホラーとしては怖くない。(というかこれをホラーといったら、世の中のサスペンス小説はみんなホラーになってしまう。)
技術用語に抵抗感のある人には読みにくいかもしれないので、万人に薦められるかというと難しいところだが読み安いのでもしかすると平気かもしれない。逆にメーカーに勤める人は多分前半も面白く読めるのじゃないだろうか。自分はそうなので企業小説的な側面も結構面白かった。そして終盤の100ページちょっとは良く出来たサスペンス小説で、台風の中のスペクタクルが楽しめる。いろいろな小説の要素をごった煮にしたブロックバスター作品。長いので前半興味をもてないとつらいかもしれないけど、最後に殺人事件を含む事件の謎解きを行うというミステリー風味の味付けもあって、最後まできちんと読ませてくれるので興味ある人には一読をお勧めします。正直まったく期待していなかったので良いほうに裏切られました。他の作品も読んでみたいと思います。

読書はK・W・ジーターの「ドクター・アダー」を選択。出版年から言えば、こんな新しいSF長編を読むのは始めてかしれない。

今日買った新刊
妖異金瓶梅 山田風太郎 扶桑社文庫 原型短編がボーナストラック。「銭鬼」収録本は持っているが、これがあったので買い安かった。

明日は横浜有隣堂の古書展なのだが仕事の都合でいけません。会社から一番近い古書展なのになあ。夕方もいけるか不明。ちぇっ。

(今日買った本:1冊 今月買った本:55冊 今年買った本:2475冊)

11月6日(火)
急に冷え込んで参りましたが、エレクトロンの悪夢 読了。感想は明日にでも。

今日買った新刊。
岡田鯱彦名作選 河出文庫

ある古書店さんがあって、相場の1/2〜2/3くらいの値付けだったので何冊か買わせていただいたのだが、ここにきて値段が急上昇。何があったのかわからないけれど、今度はこちらの考える相場の3倍〜5倍くらいになってしまった。購入したときに、古書店さんというよりは個人の方の蔵書処分らしく、やりとりにも本に対する愛着を感じて好感を持っていたのだが・・。「夜獣」や「仮面と衣裳」が約10000円というのはあまりにも高いんじゃないかと思う。まあ実際には誰が何を幾らで処分しようが、どこのお店が幾らで商品を出そうが、それを出す側の考えがあり、他人がとやかく言う問題ではないし、逆にいえば買うか買わないかの選択権は客であるこちらにあるので、関係ないといえば関係ないのだ。だから自分は高くても出す側に対しては直接文句は言わないし(高いという感想は言うけれど)、その値段でも欲しければ高くてもこちらの判断で買っている。
ただあまりにも相場とかけ離れた今回の値付けは、期待していただけにちょっと残念な気持ちが強いのでした。で、ここに出ていた樹下太郎の未所持サラリーマン小説3000円也は売れちゃったみたい。残念だけど、値段を見て躊躇してしまいました。でも買う人いるんですね。

次に何を読むか迷い中。ちょっと読書が遅れ気味。

(今日買った本:1冊 今月買った本:54冊 今年買った本:2474冊)

11月5日(月)
あいにくの雨で本屋も寄らず。かさを持っていなかったので濡れちまったわい。
雨のときは本屋に行くのには向かないからね。

ばたばたしていて本も読めず。これからがんばって釣巻礼公は読み終えてしまいたいけど、まだ200ページ以上あるからな。

yahooの買う方に最近積極的に参戦しているのだが、連戦連敗。みんなお金に糸目をつけないというか、かないません。
欲しい本はちょこちょこ出るんですけどね。今も珍しそうな岡田鯱彦とか出てるけど、まだ3000円台だけど、最後にはぐっとあがって5桁とかになっちゃうんじゃなかろうか。こういうのに出している人はダブって持っているのかしら。それとも単純に蔵書処分なのかな?
自分も会社がつぶれても、数ヶ月くらいは蔵書処分で生きていけるかもしれないけど、たいしたものは無いのでそれ以上は無理だな。やっぱり働きゃなきゃあいけません。

明日は本屋で河出の岡田鯱彦を買わなきゃな。

もうちょっと読む本をSFにシフトしたいと思う今日この頃です。

(今日買った本:0冊 今月買った本:53冊 今年買った本:2473冊)

11月4日(日)

本を1ページたりとも読めない一日でした。
それでも実家へ行くついでにBOOK OFF他に寄る私。いったいどういう頭の構造しているやら。
1軒目。
SFバカ本 黄金スパム編 メディアファクトリー 実は文庫版は何を買っていないのか全然把握してません。読んでない証拠ですな。
一瞬の光の中で ロバート・ゴダード 扶桑社 こういうハードカバーが100円だとつい買ってしまいます。貧乏性の証拠ですな。
殺人者は道化師 梶龍雄 廣済堂ブルーブック
深大寺殺人事件 西東登 廣済堂ブルーブック
杉山茂丸傳 野田美鴻 島津書房 散々迷ったが、内容と1500円の値付けに購入を決める。しかしこういう本を買ってBOOK OFFに売る人ってのはどういう人なんだろう。
2軒目。
輪廻 明野照葉 文藝春秋 恐怖小説?
禍記 田中啓文 徳間書店
東京のオカヤマ人 岩井志麻子 講談社 出ているのもしらなかったんですけど。
孕む 久美沙織 イースト・プレス 
記憶 小林泰三 祥伝社文庫
3件目
暗い淵 青柳友子 光風社出版
花櫓 皆川博子 毎日新聞社
原発不発弾 藤村正太 カッパノベルス あんまり面白そうじゃないんですけど。
X雨 沙藤一樹 角川ホラー文庫
dコンスタンチノープル 橘外男 中公文庫
連続殺人枯木灘 梶龍雄 徳間文庫
最後はブックスいとう
コールドゲヘナA 三雲岳斗 電撃文庫
ブギーポップリターンズVSターミネーターpart1,2 上遠野浩平 電撃文庫
けだもの J・スキップ&C・スペクター 文春文庫
トランプ台上の首 横溝正史 角川ホラー文庫
ひげのある男たち 結城昌治 講談社文庫 徳間文庫を持っているようでした。失敗。
囁く血 グレアム・マスタートン他 祥伝社文庫
鏡面のクー 竹本健治 ハルキ文庫 この人で読んでいるのは「匣の中の失楽」「囲碁」「トランプ」の3冊だったと思います。
なつこ、孤島に囚われ 西澤保彦 祥伝社文庫
うしろのしょうめんだあれ 鎌田敏夫 ハルキホラー文庫
ふたたびの加奈子 新津きよみ ハルキホラー文庫
d白昼の密漁 戸川昌子 講談社文庫 持っているみたいです。失敗です。
月あかりの闇 J・D・カー 原書房
神宿る手 宇神幸男 講談社 鮎川推薦帯付きの初版が100円だったのでつい買ってしまいました。
新世界 5th 長野まゆみ 河出書房新社 「少年アリス」が肌に合わなかったので止めようとと思いつつ。
地球という名の方舟 鈴木輝一郎 カドカワノベルス
紅い蛾は死の予告 梶龍雄 中公Cノベルス

昔ほどではないにしてもたくさん本を買ってしまいました。
休みの日は持ち歩けない全集本の予定なので、明日はまた釣巻礼公に戻ろうと思います。

あと実家から新刊で出たときに買った「バトルロワイヤル」や課題図書の「百年の孤独」を持ってきました。家を出る時本を少し持って出たんですが、行きよりも確実に本が増えたようです。悪循環です。

(今日買った本:33冊 今月買った本:53冊 今年買った本:2473冊)

11月3日(土)
昨日書いた注文品2点ははずれたので、西部は行かず。雨も降っているし、家の仕事以外は喫茶店で読書して過ごす。
釣巻は置いておいてポオ全集の1巻を早く読み終わろうと手にとるが、まだ3分の1もいきゃしません。再度だけれどやはりすごい作家ですな。天才です。

というわけで、買った本は0。読み終えた本も0。
(ネットで注文とかはしているけど)

明日は実家へ行かなければいけませんので、読書はあまりできないかも。

(今日買った本:0冊 今月買った本:20冊 今年買った本:2440冊)

11月2日(金)
明日は久々に西部に行こうか迷い中。久しぶりに注文も出したし。
注文は2点で1点はともかく、1点は「放浪記」南條竹則編集 5冊揃い 幻想文学出版局 とある。一体これはなんでしょうって感じだ。全然聞いたことが無い。南條さんが出した同人誌?でも発行は幻想文学出版局だ。当時の広告にはのっていた覚えは無いが、もしかすると同人誌コーナーに掲載されていたのかもしれない。

今日買った新刊
薫大将と匂の宮 岡田鯱彦 扶桑社文庫 奇しくも河出文庫とほぼ同時期に出ることになったのだが、河出文庫は見当たらず。

今日買った古本
緋の楔 吉田直樹 祥伝社 おーかわさんお勧め著者本。最初の「ラスト・イニング」って無いねえ。
d美少年の死 戸板康二 広論社 なんか戸板づいてます。

今日までに届いていた古本
推理教室 趣味の世界1 中島河太郎他 日本放送出版協会編
英米の推理作家たち 鈴木幸夫 評論社
d銀と青銅の差 樹下太郎 光風社 がーん、元版は持っていないと思ったのに。
死ぬときは独り 生島治郎 ポケット文春 署名本。

今日読んでいる本
エレクトロンの悪夢 釣巻礼公 角川エンターテイメント 
新書2段組500ページなのでまだ半分もいってません。

第三の銃弾 カーター・ディクスン ハヤカワミステリ文庫 
密室で元判事が殺された。丁度居合わせた刑事が踏み込むと殺された元判事のそばには、判事が現役時代に刑罰を与えた青年が驚いた顔をして銃を持って立っていた。しかし青年の撃った銃弾ははずれ、壁にめり込んでいる。銃声は二回聞こえたが、青年の銃からは1発しか発射されていない。調べると部屋の中の花瓶の中に別の銃があり、それも一発発射されていたが、すぐに飛び込んだ刑事は部屋の中には誰もいないことがわかった。花瓶の中の銃を撃ったのは青年なのか。だとしたら何故そんな手の込んだことをしたのか。やがて元判事の体内から摘出されたのは・・・・。マーキス大佐は不可能犯罪に挑む。
カーの作品を読むのは「火刑法廷」に続いて2冊目。不可能犯罪の謎の提出はさすがという感じで第三の銃弾が現れるところはわくわくする。が、やはり自分が本格読みでは無いせいか、最後の謎解きは「ふうん」という感じで特に感動はしなかった。多分好きな人は膝を叩いて面白がるところなのだろうとは思うのだが、楽しめない自分が少し悲しい。本格推理好きの人には多分面白いのだろうと想像できる作品。ネットを見ても好評だしね。全然関係ないのだが、解説の註で黄色が目立つのを説明するのにブックオフの看板を引き合いに出しているのが森さんらしくて面白い。

自分が本格推理が苦手なのは、自分で推理をしようとしない受動的な読書のスタイルに問題があるというのはわかっているのだが、それに加えて、物語的に本格推理が収束する構造をもっているせいもあるように思う。仮に小説のストーリーをグラフに表し、横軸にストーリーの流れ、縦軸に物語の広がりをとった場合、本格推理はまず最初に謎をばーんと出し盛り上がったところを、手がかりやら伏線やらを交え探偵が推理していくことによって、パズルの一片一片をはめていくように最終的に解決で収束するという右肩下がりの構造をもっていることが多いように思う。それに対して自分が好みとするSFとか伝奇、怪奇小説は、最初に物語の取っ掛かりが示され、徐々に盛り上がっていくという、どちらかといえば右肩上がりの性格を持っているように思う。当然SFや怪奇小説でも最後はストンと落ちることもあるのだが、そこまでは上昇傾向にあることが多い。ということは本格推理は好みとは全く傾向を反対にしているということで、苦手なのも頷ける。まあきわめて皮相的かつ乱暴な考えで反論も多々あるでしょうが、個人的な感想として読み終えてそんなことを感じてしまった。ストーリーの展開を楽しむタイプなんだよねぇ。
念のために言っておきますが、本格推理を貶めたり、否定しているわけでは全くありません。楽しみ方がわからないというどちらかというと可愛そうな読者の独り言と思ってください。

(今日買った本:7冊 今月買った本:20冊 今年買った本:2440冊)

11月1日(木)

なんだか2001年ももうすぐ終わりだすな。月日のたつのは早いもので。

などといいながらも本は届くのである。
ブラック・マウンテン レックス・スタウト しゅえっと 大きな声ではいえないが、EQでネロウルフ(タイトル忘れた)は読んでいて正直好きになれないでいる。でもあとで欲しくなっても買えないから買っておくのである。買おうと思ってそのままになっていたので、残っていて良かった。それにしても好きな作家を翻訳して出版されるとは、熱情に頭が下がりますです。古典怪奇小説の翻訳とかしていただけないかしらん。

などといいながらもBOOK OFFには寄るのである。
赤い霧 結城昌治 中央公論社 ゆるく収集モード。かさばるのがいやだが、文庫は2分冊だから面倒なので買っておく。まだまだたくさん買っていない本があるし、古書価も高くないから気楽で良いや。
MAZE 恩田陸 双葉社 もっていないのは「木曜組曲」「上と外」「ドミノ」らしい。
d目黒の狂女 戸板康二 講談社
d心理サスペンス ワニブックス 翻訳怪奇小説集。良い本だからつい見つけると買っちゃうな。手持ちより状態が良さそうだしね。
アラマタ図像館2 解剖 荒俣宏 小学館文庫 どうやら持っていないのは3,5,6らしい。本当か?
「探偵春秋」傑作選 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 あああ、古本で買っちゃった。申し訳ないことです。
d「探偵文藝」傑作選 同 買っていないと思ったんだけどなあ。
dひとりぼっちの宇宙戦争 森下一仁 スーパークエスト文庫 持っていないと思ったんだけどなあ。
野望円舞曲 田中芳樹+荻野目悠樹 徳間デュアル文庫
マリオネット症候群 乾くるみ 徳間デュアル文庫
d恐怖の館 加納一朗 豆たぬきの本 好アンソロジー。(といっても読んでないんだけどね)
dザ・ショック 森真沙子 豆たぬきの本 怪談集。版を重ねている割にあんまり見かけない。
半分はダブりかあ。気をひきしめなくては。

「第三の銃弾」は読了。感想は明日にでも。

河出の20世紀SFを1冊も買っていないことになっているなあ。1冊新刊で買った気がするんだけど。新刊でダブるのはいやだなあ。

(今日買った本:13冊 今月買った本:13冊 今年買った本:2433冊)