12月31日(土)

2001年最後の日記。
家の仕事で手一杯で古本屋にはいけず、本も読めず。駅のBOOK OFFの文庫・新書100円券を使い損ねたのが心残りだわい。
でも本は届いた。今年最後の購入本。(代金振込みは来年だけど)
仮面の男 ボアロ&ナルスジャック 創元推理文庫
スターログ4冊。ひとつが2冊セットだったため、1冊はダブり。でもこれで完集である。多分。すでにバックナンバーは腐海の底深くへ沈んでしまっているため、どうにも確かめようがないのだが。まあそう思い込んでいたほうが健康には宜しい。よし、次はファンゴリア収集だ。(1冊しか持っていないんだけど) それよりEQをちゃんと完集したほうがいいという話もあるが、それは棚上げにしておく。(新しいのが10冊くらい欠けているんだ)
ああ、そういえば今年はkashibaさんに恐ろしいSFアドベンチャーの増刊号を教えてもらっちゃったからな。ありゃ無いよ。タイトルも忘れちゃったけど、椎名誠が表紙の中綴じのアドベンチャー雑誌。SFとは何の関係もございません。これがある限り完集にはならん。でも考えてみたらパレットだかなんだかも、何号出たのか知らんが、SFアドベンチャー増刊らしいので、永久に完集はないということだ。わっはっは。

で年末と言うことで、今年120冊の読了本のベスト10を下記に書いておきましょう。詳しい感想は過去の日記に書いてありますので、省略。順番付けもしません。「ミステリオペラ」を落としてしまったため、今年出た新刊は1冊も無く、新刊書店で買えるのは半分くらいというのが自分らしいや。やっぱりこうして見るとジャンルはバラバラのようでいて幻想小説系にかたよっている気がする。ミステリもあるけどSFが無かったな。

2001読了本ベスト10

無明長夜 吉田知子 新潮社
傑作幻想短編集。多くの人に読まれて欲しい。入手は比較的困難。文庫版と作品異同あり

大誘拐 天藤真 角川文庫
今更あげるのも気が引けるくらいの著名作。ザッツ・エンターテイメント。

隆慶一郎全集1 講談社
これまた評価の定まった作品。本書は「吉原御免状」と「かくれ里苦界行」を収録。

ヨーロッパの何処かで ミッシェル・デル・カスティリョ 人文書院
比較的知られていない戦争文学の傑作。生田耕作最初期の訳書。入手は非常に困難。ただし近年別訳あり。

運転士 藤原智美 講談社
幻想的な純文学。芥川賞受賞。かなり面白い。

三人関係 多和田葉子 講談社
併録の「かかとを失くして」がインパクトありすぎ。著者の第一作品集。入手は運次第。

落ちる 多岐川恭 徳間文庫
創元推理文庫からも再刊された傑作推理短編集。

百年の孤独 ガルシア・マルケス 新潮社
幻想文学の傑作。われわれにとっての幻想が、作品内では幻想ではないところが凄い。

南半球奇想曲 中野美代子 響文社
愉快な作品。日本文芸社の作品集でも読めます。

雪女郎 皆川博子 読売新聞社
時代短編集。饒舌さを殺し、研ぎ澄ました文体で完結に語った物語世界の凄さ。

番外 

本棚探偵の冒険 喜国雅彦 双葉社
小説外ということで1冊。楽しい本でした。

以上、ご覧いただいている皆様、本年もありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
なお単なる目標もしくは希望的観測ではありますが、来年はさらに本を買う量を減らして読む本を増やしたいと考えております。

冊数はぴったりで終わんなかったね。

(今日買った本:5冊 今月買った本:203冊 今年買った本:3038冊)

12月30日(金)

片付け。またもやダンボール箱6つを実家へ運搬。でもまだ許してはくれないんだ。
ひさしく開けていなかった本棚の奥から意外なものが出てきたりする。
「吸われざる唇」が出てきた。「共犯者は一度会えばいい」はやはりダブっていた。「花の旅、夜の旅」の元版が出てきた。ああ表紙は金子國義だったんだ、とか見ていると時間がどんどんたっていく。「猫は知っていた」の元版も出てきたが、重版だから何の価値もない。誰かもらってくれないものか。多岐川恭は本は買っていないのに出てきたため、M13になりました。ちなみに題名をあげると
氷柱・ある脅迫 河出ペーパーバックス版 おとなしい妻 新潮社 指先の女 桃源社 絶壁 毎日新聞社 無頼の十字路 桃源社 売り出す 東京文藝社 殺意の海 文華小説選集 非常階段 桃源社 詐謀の城砦 文華出版社 牝の感触 桃源社 女たちの夜 桃源社 しくじった償い 桃源社 罠を抜ける 光風社 です。まだポピュラーブックスが半分近く占めている。文華出版社、東京文藝社がきつそうだな。絶壁もきついな。まあ来年の課題だ。来年もミステリで引き続き集めたいのは多岐川恭、樹下太郎、小泉喜美子、藤原審爾、新章文子。藤木靖子の東都ももう1冊欲しい。結城昌治、西東登、藤原正太はぼちぼち。

しかし今日実家へ言って思ったのは、早く整理しないと手遅れになりそうだと言うこと。このままじゃどこに何があるのか全くわからなくなるし、奥にある本なんか取れない。もう今の状態じゃサンリオSF文庫も桐山襲も龍胆寺雄もSF宝石も取れない。書庫の奥にたどり着けないのだ。

持っていったついでにちょっとだけ古本屋に寄る。
dオグの第二惑星 ベーテル・レンジェル 早川書房 この期におよんでダブり買いするか?
隠された栄光 アントニイ・プライス 早川書房
黒の女王との戦い 北村想 あかね書房
リメイク コニイ・ウィルス 早川文庫SF 
模造人格 北川歩実 幻冬舎文庫 元版買っていないことを祈る。
ベルゼブブ 田中啓文 トクマノベルス
暗黒童話 乙一 集英社
ホワイトライト ルディ・ラッカー 早川文庫SF

さて新年早々何を読もうか検討中。幻想小説、ミステリー、いろいろ考えたが、今のところSF特集にするつもり。

ポオの「ウィリアム・ウィルソン」を読んだだけ。「ザ・スクープ」は来年読了かも。>月うさぎさん日記の件は了解しました。面白いかどうかはご自分で判断してください。ちなみに合作なのでセイヤーズはちょっとだよ。

明日も本の運搬しなくちゃいけないかなあ。とりあえずポオ全集1の年内読了はあきらめ。また数年間読みかけ扱いだった中国古典文学大系の1巻も中途で断念。(ここ1年で進んだのは数ページだけど) 1巻からなんて読もうとしないでもうちょっと読みやすい巻を選ぼうと思う。一生かかっても60巻全部は読めそうもないし。

冬休みで帰省されている方も多く、見に行くサイトの更新が少なく残念。自分は帰省はないので年中無休で日記は更新するつもりです。明日は年間ベスト10なるものを書いてみようかな。

(今日買った本:8冊 今月買った本:198冊 今年買った本:3033冊)

12月29日(土)
神奈川県古書会館展に行く。
でも買うものがなく買ったのは下記のみ。
夜ごとのサーカス アンジェラ・カーター 国書刊行会 買い逃し。これも昔サンリオSF文庫の近刊にのっていたはずだ。
ファシストたちの雪(上下) 井上光晴 集英社 持っているとばかり思っていたのだが。でもいずれ作品集を買いたい。

仕方が無いので?BOOK OFF
死者の靴 H・C・ベントリー 創元推理文庫
夢みるピーターの七つの冒険 イアン・マキューアン 中央公論新社 なんとマキューアンのジュブナイル。
彼方より 篠田真由美 講談社 未文庫化。
ターミナル・ゲーム コール・ペリマン 早川書房 3冊1000円の冊数合わせ。
連想トンネル 式貴士 CBSソニー 文庫は確実に持っているのだが。
人獣怪婚 七北数人編 ちくま文庫 あと3巻買わなきゃ。どうも収録作品のほぼ全部読めるアンソロジーと言うのは新刊では買いにくい。
パッチワーク・ガール ラリー・ニーブン 創元推理文庫 持っているかもしれない。
栄光の道 R・A・ハインライン 早川文庫SF 持っていない気がする。
先天性極楽伝 阿佐田哲也 講談社ノベルス
小説作法 スティーブン・キング アーティストハウス
空飛ぶ木 ラフィク・シャミ 西村書店 西村書店のシャミの本で1冊持っていなかったのはこれだと思うのだが。
霊感ゲーム パトリック・レドモンド 早川書房 別のBOOK OFFの3冊1000円の冊数合わせ。

「恐怖のヒッチハイカー」は読み終わりました。感想は明日にでも書こうと思いますが、今年最後にこれでは後味が悪いなあ。やはり冬休みはMRジェイムズと前川道介先生の怪奇小説の翻訳で終始しようか。といいつつ、「ザ・スクープ」にようやく手を出した私でした。

(今日買った本:15冊 今月買った本:190冊 今年買った本:3025冊)

12月28日(金)
残すところあと3日。今年は結局伊勢丹へは行かないで終わりです。まあ目録こなかったし。
たまっていた目録を見ると結構抽選締め切りを過ぎている。欲しい本もあったが、まあいいや。
明日は神奈川県の古書会館へ行くつもり。

届いた本
パリ殺人事件 加納一朗 トクマノベルス

今年最後になるかもしれない本は「恐怖のヒッチハイカー」を選択。今のところ考えていた以上に面白くありません。とほほ。ポオ全集は今年中に読み終わるのは困難な状態。

昔、火星のあった場所 北野勇作 新潮社
世の中には数学の好きな人がいる。3度の飯より数学が好きという人だ。著者はきっと物理が大好きなのだろう。略歴を見ると専攻が「応用物理」だ。流体力学とかやっちゃうのだろうか。波の動きを数式にあてはめるという恐ろしい学問だ。で、本書は量子力学だ。
第4回日本ファンタジーノベルス大賞優秀賞受賞作。故意にノスタルジックな表紙絵と、帯の「青春の甘やかな感情に満ちた美しい作品、と評された、おかしくて切ないSFファンタジー」という惹句はとても本書を通読して書いたとは思えない。どう読んでもファンタジーではないハードSFである。確かに外皮はタヌキが出たり、火星の街にうどん屋があったり、夕焼けの風景がやたりに強調されたりと、それなりの衣裳をまとっていることは確かなのだが、一皮向けば、というかストーリーそのものは(おそらくは)量子力学を文章にして表したハードSFそのものである。(と言っていいんじゃなかろうかと思う。なにせ量子力学が良くわかっちゃいないからさ) 
ストーリーは要約が難しい。主人公のぼくは会社員。その会社は、別の競争会社と火星の覇権を争っている。そのために火星は現在おかしなことになっている。昔、ある物理学者の開発した「門」をくぐって火星に行こうとした両社が同時にそれを使用したために、火星が不安定な存在となってしまっているのだ。ぼくは会社の命を受け、火星の極冠を溶かそうとするプロジェクトを邪魔している鬼を退治しに行くことになった。その事件の後、タヌキ化している可能性があると見られた僕は会社をクビになる。なおタヌキとは、自己発展型の有機生命体?であり、ぼくはタヌキの始めた会社に就職する。そんな中、商店街の地中に現れた巨大なプラットホーム。一体それは何なのか。
何が書いているのかさっぱりわからなくなってきたので、この辺でやめよう。とにかく謎が解決されないまま提示され、最後にかろうじて手がかりが提出されるため、なんとなくわかったような気になって終わるといった感じだ。(本当はわかっていないんだろうが) そういう意味では解決編のついていないミステリーといえないことも無い。
歯ごたえのある骨太なSFを望む向きにはお勧め。ファンタジーを望む向きには勧めない。
このシリーズたいてい別刷りで選考の対談が付されているのだが、古本で買ったためかついていなかった。選考委員がどのように評したか、興味があるな。現在は徳間デュアル文庫で再刊されている。

なんとなく思いつきでリンク集を整理訂正。成田さん、おーかわさん、大熊さんのところを追加。問題があったり、気に染まない表現があればおっしゃってくださいませ。

(今日買った本:1冊 今月買った本:175冊 今年買った本:3010冊)

12月27日(木)

届いた本。
奥様お耳をどうぞ 水谷準 あまとりあ 副題が「金髪うわき草紙」ですか。うむむ。

本屋にて雑誌購入。
SFマガジン ほとんど月刊の雑誌とは思えない値段の2300円にはしびれるぜ。ミステリマガジンは特大号をあまりやらないが、SFマガジンは年に1,2回びっくりするような号が出る。しかも1500円くらいの中間的設定は無く、たいてい2000円以上だ。
ミステリマガジン ミステリマガジンは普通の値段。やれやれ。

皆川博子の3巻が出ていたが、手元不如意だったため、また今度にする。それにしても「朱鱗の家」と「海の十字架」で単行本未収録短編を挟むというのは日下さんらしいひねった編集だ。同じ日下さんの扶桑社文庫もあったが、こちらは元版を持っていたりするので、申し訳ないけれども、もうひとつ食指が動かない。

「昔、火星のあった場所」 読了。

さて児童書でも読んでごまかすとするか。

(今日買った本:3冊 今月買った本:174冊 今年買った本:3009冊)

12月26日(水)
飲み会のためネタなし。暇なし。書くことなし。
年賀状を書かなければならんな。


(今日買った本:0冊 今月買った本:171冊 今年買った本:3006冊)

12月25日(火)
連休だってのに読書がまったく進まなかったが、今日も今日とてテレビを見ていて本は読めず。まあ脅迫的に本を読まなきゃいけないことはないんだけどね。読みたくなきゃ読まなきゃいいんだもの。
それでもBOOK OFFへは寄っておく。もう大台を越えちゃったから、どうでもいいや。

NAGA 妹尾ゆふ子 ハルキ文庫
太陽の王と月の妖獣(上下) V・マッキンタイア 早川文庫SF
d長人鬼 高橋克彦 ハルキホラー文庫 もっていないのは「鬼」の方でした・・・
みだら英泉 皆川博子 新潮社

いい加減、書くことがなくなってしまった。
あと6日で2001年も終わりです。
今さらになって「ファンゴリア」を集めたいなと思う今日この頃。

(今日買った本:5冊 今月買った本:171冊 今年買った本:3006冊)

12月24日(月)
世間はクリスマスイブ。日頃の罪滅ぼしのため、愛妻とバレエ(くるみ割り人形)を見たり、クリスマスプレゼントを交換をし、食事(いちおフレンチ)をしたりして過ごす。

買った新本。
is 86号 ポーラ文化研究所 うーむ。久しく買っていなかったら86号になっていた。最後に買ったのは81号だと思うのでバックナンバーを取り寄せなきゃ。本当は銀座の近藤書店に期待していたのだが、姿を消していた。銀座の出版社の雑誌を銀座の店が置かなくてどうすんの?それにしてもまだ買っていない5号の特集はわかんないけど、今号の特集は「デフレ気分、インフレ気分」。isも変わったものである。まあ実際は執筆陣が鹿島茂、高山宏、井波律子、長山靖生とあいかわらずで、字面から想像する内容じゃないんだけどね。ところでisの0号を探しているんだよねえ。
中国科学幻想文学館(上下) 武田雅哉 林久之 大修館書店 武田雅哉の本も大方買ってはいるが、読めてないんだ。
クロニカ 粕谷知世 新潮社 帯につられて衝動買い。ファンタジーノベルス大賞を新刊で買うのは始めてかも。帯には「G・マルケスをしのぐスケール感」とある。うーむ、大きく出たな新潮社。自分のところから本を出しているからといって、そっちの世界の住民でもあるノーベル賞作家と比較なんかしていいのか?新潮社。まあお手並み拝見というところかな?(意地悪だね)

「ノヴァーリス全集」の現物を見たいと思ったのだが八重洲ブックセンターにも見当たらず。なんてこったい。「狂えるオルランド」なんかは置いてあるのにね。これも買わなきゃ。買わなきゃいけない本がいっぱいだあ。(読めるかどうかは別問題ね)

というわけで無事に3000冊を超えましたとさ。

(今日買った本:4冊 今月買った本:166冊 今年買った本:3001冊)

12月23日(日)
一日片付け。ダンボール6函を実家へ運搬。すこし人間の部屋らしくなってきた。けどまだ許してくれない。
普段ならどこもセール中のBOOK OFFへ寄りたいところだが我慢。少し人間らしくなってきた。けどまだ許してくれない。

届いた古本。
怒りの道 井口泰子 春陽堂書店 ミステリはあと「詐欺の花」「影の殺人者」だろうか。近作の2冊はミステリなんか?

届いた新本。
踊る狸御殿 朝松健 東京創元社 ネットサイン会なるものに応募。なんと為書きまで書いてくれているぢゃないか。朝松さんの署名本ははじめてだし嬉しいなあ。思えばミスコンに参加したときに好きな作家として書いたのが朝松健さんだったような。「私闘学園」が読みたいのだが、1巻がどこにいったかわからず読み始められない。うーみゅ。で、応募したときは朝松さんだけだと思っていたのだが、表紙挿絵を書いている高橋葉介氏の署名とイラストまで付いていたのは嬉しいボーナス。思えば(そればっかだが)この人は昔実家の近所(となり駅)に住んでいたのだった。ソノラマの「高橋葉介の奇妙な世界」は愛読したものだ。「仮面紳士」くらいから読まなくなっちゃったけど。とにかく応募して良かった。朝松さんの本も早く読まなきゃ。既読本もちょっと読み返したかったりするし。

実家へどこどこ本を運んだはいいが、詰め込むだけ詰め込んでいるのでまったく整理が出来ておらず、もうどこに何の本があるのかは全く分からない状態である。昔買った本ほどどこにあるのかはわかる。で、かさばらないように「呪われた町」「蜂工場」「恐怖のヒッチハイカー」とか文庫だけちょっぴり持ってくる。キングなんか何年ぶりだろう。ちなみに「呪われた町」(上)は文庫化されてすぐ新刊のときに買ったので、書店カバー付きで18年間暖めていたものだ。今の高校三年生が生まれた時分に買った本か。ちなみにキングはアンソロジー収録の「霧」と「ファイアースターター」以外は「キャリー」とバックマン名義の4冊しか読んでいないのである。さらに実に恥ずかしい話だがマキャモンとストラウブは1冊も読んでない。これでホラーが好きといえるのかというと返す言葉も無いのだが、読んでいないものは仕方が無かろう。まあそれだけこれからの楽しみが多いと開き直っておこうか。

読んだ本から捨てたいが、読む本が少ないのでままならない。フクさんくらい読めれば捨て甲斐もあるんだろうけどね。
そんなこんなで今日は「アッシャー家の崩壊」を再読したのみ。

(今日買った本:2冊 今月買った本:162冊 今年買った本:2997冊)

12月22日(土)
届いた本。前に書いたネット書店。西東登、橘外男、フィアリングは負けでした。西東登が負けるとは思わなかったなあ。まあいいけど。
歌姫物語 平井程一 森書房 呈じゃなくて程。古書店のレシートが挟まっていたけれど、こんな値段で神保町にも転がっているんですなあ。とりあえず嬉しい1冊であります。
肉の復活 戸川昌子 平安書店 小説は集めているのだけどまだまだ先は長い。文庫も全部買っていないしね。これも版元からして苦労しそうだったが、運良くゲット。なかなか嬉しい。
贋作展覧会 トーマ・ナルスジャック ポケミス
火刑 南部樹未子 三一書房 これは推理小説じゃないのか?帯は樹下太郎のせめてものお礼にさしあげますね。>石井さん

なんだか気分が落ち込み気味でぶらぶら外出して遊ぶ。(別に古書店にいったわけではございません。)
おかげで読書はまったく進みませんでした。

もう今年もおしまいですなあ。

(今日買った本:4冊 今月買った本:160冊 今年買った本:2995冊)

12月21日(金)
喜国さんと森さんの出版記念忘年会。
喜国さんと森さんから署名をいただく。
あとはクイズ大会?で景品をいただく。いただいたのは「本棚探偵の冒険」月報初校版。この本を最初に買ったときは月報欠だったが、今度は月報ダブりである。わらしべ長者のようだ。ただし初校版なので一部間違いありなので厳密にはダブりじゃないんだ。2冊月報を挟むと、函からの出具合が丁度良い。歓談などして終了。
お渡しする本を持っていったのに、譲っていただいた本を受け取ったのでかえって帰りは増えたように見えるのは気のせい?
以下譲っていただいた本&代理購入していただいた本
黒い死 A・ギルバート ポケミス 訳者署名入り
葬られた男 M・デイヴィス ポケミス
血の匂い 多岐川恭 桃源社 お譲りいただいた黒白さんによれば幻想的な作品があるということで、楽しみ。ありがとうございます。M14。
よるべなき男の仕事・殺し 藤原審爾 双葉社
偽書作家列伝 種村季弘 学研M文庫 署名 元版を持っているけれど、署名つきだし。多少の改稿はあるようだし。積読だし。
影が歩く 加納一朗 6年の学習付録 こっちはSF
悪夢の追跡 加納一朗 6年の学習付録 こっちはミステリ
失われた虹とバラと ネイビル・シュート 講談社ウィークエンドブックス 嬉しい1冊。
日本列島七曲り 筒井康隆 徳間書店 全集未収録作品があることで有名な本。文庫では省かれている。
真夜中の狩人 藤原審爾 実業之日本社 ありがとうございました。ありがとうございました。新宿警察12冊目。あと「新宿心中」と「真夜中の狩人」(双葉社版)かな?「新宿その暗黒の恋」は角川文庫の元版だったよね。
二度死ぬ 樹下太郎 平和新書 ありがとうございます。ありがとうございます。これは苦労するだろうなあと思っていたので、本当に嬉しいです。ミステリは残すは「休暇の死」でM1になりました。全部で考えると多分M15になります。

二次会ではカラオケボックスで歓談。歌はなかったが人数が多いこともあって、にぎやかでした。

「昔、火星のあった場所」を読むことにしましたが、読書はやはりできない一日でした。

(今日買った本:11冊 今月買った本:156冊 今年買った本:2991冊)

12月20日(木)
明日は忘年会である。忘年会ではあるのだが、本を持っていかねばならないんだ。さてさてどこにあるかなあ。人にお渡しする本が8冊。通行手形の本が2冊。お借りしていた本が1冊。計11冊。重そうである。

成田さんのところで「十三角関係」の再版で「帰去来殺人事件」が省かれているのを知り、本屋に見に行く。全巻初版帯つき?と思った店では2巻だけ「今月の新刊」が抜けた後帯がついた再版でした。テキストは手持ちの出版芸術社版で読めるんだろうが、なんとも気分が悪い。他は全部初版なので、回収交換された公算が強いと思う。これじゃ新刊書店では手にはいる望はかなり薄いので、古書店で気にかけておかなくちゃなんないや。ちぇっ。やっぱり新刊も見たら買いなんだね、と実感。でも買いきれないんだよな。山風はまだ3冊しか買っていないもの。

新化 石黒達昌 ベネッセ
」と「カミラ蜂との七十三日」を収録。どちらも同じといえば同じ趣向で、架空の生物を論文の形式で扱ったフィクション。(ご丁寧に横書きである) 「新化」は絶滅したハネネズミとその係累と思われるエンジェルマウスが登場。一方の「カミラ蜂」は珍種の蜂が会社員につきまとって離れないという現象が発生し、それを解明しようとする調査行動を扱っている。
いずれも参考文献を挙げたり、複数の人物の証言を引用させたりして、変なリアリティを持たせるのに成功している。つまりは架空の生物を設定するという空想をもとに、完全にリアリズムそれもルポや論文の形式で小説を書いているわけで、自分はこれをブンガクという感覚で扱うのは少々抵抗がないこともない。これが架空の生物でなければその瞬間に普通の学術論文になってしまいそうだからだ。実験小説ではあるだろうし、遺伝子理論を元にした進化への考察等、内容的にはかなり面白いものではあるので、S派(古いね)の人にはお勧めだ。
なお、本書は、他の短編集と再編集されてハルキ文庫に収録されている。
ちなみにネットの感想などを見ていると、「鼻行類」(積読ね)との血縁を指摘する声が多いようだ。これはさもありあん、という感じ。

(今日買った本:0冊 今月買った本:145冊 今年買った本:2980冊)

12月19日(水)
ちょっとだけ「新化」を読み進みました。薄っぺらい本だし明日には読みおわるつもりです。

今日届いた本
三匹の野良犬 河野典生 芸文社 多分これで本になったものとしては、改稿前の元版とかは別にしてテキスト的には全部揃ったと思う。良く話わからないけれど、きっとそうだ。そういうことにしておこう。今回は最後の1冊ということもあり、大分奮発してしまいました。きっと相場の1.5倍から2倍くらいじゃないかと思う。でも2001年のうちに一個つきものがとれたから良いことにしよう。本当はあと小泉喜美子が揃うと、ああよかったと新年を迎えられるんだろうけどね。まあいいや。

石井さんに薦められたので、近いうちに南部樹未子を読もうと決心。単純である。まあ気にはなっていたんだけどね。

川口さんの鋭いチェックを受けて、購入冊数修正。いいじゃん。どうせ3000冊超えるんだから。

シンデレラの夜と昼 図子慧 集英社コバルト文庫
著者の作品は、なんとなく勘で気にいりそうだったのでぽつりぽつりと思いついては買っていた。最近になって完集しようと思っているのだが、コバルト文庫が比較的無くて、まだ3冊未入手のまま。「狼なんかこわくない」「王子様は孤独」「月曜日は、女神にララバイ」を探しております。
で、実際には読んだのは「地下世界のダンディ」(上下)だけなのだが、これは真っ当なSFでなかなか面白い作品であった。まあ日本SF作家クラブの会員だからね。
今回手にとったのは著者の本としては初めてのもの。挿絵も表紙も全て本人が手がけている。ストーリーは主人公のヒカルが、謎の人物からある男と同棲したら100万円を渡すと言われるところから始まる。ヒカルはあることから親に仕送りを止められ学費を滞納していたのだ。親への意地もあり、ヒカルはやけくそでその申し出に同意した。その男は加賀忍と言い、プレイボーイと噂されていた。行きがかり上、変なことにまきこまれたヒカルだが、忍にひかれるものを感じ、そのマンションに押しかける。謎の人物の目的は何か?忍はどんな男なのか?ヒカルの運命は?
ってな感じで、最初に謎が提出され、それを仕舞いの方で(ジュニア小説にしてはちょっと暗い)謎解きをするという構成からすれば、ミステリーといえないことも無い。まあいずれにせよ、筆力が抜群で面白く読める。終盤の構成もサスペンスを盛り上げて飽きさせない。まあ基本はラブストーリーで、編集部要請なのかはどうかはともかく、ラストはちと甘いのは仕方ないか。最後にこれは抜群に巧いと思ったのは、感情表現。主人公ヒカルの哀しさ等を表現するところは、ストレートにその感情を描かず、情景やその行動で間接的に表現しているのだが、こちらにひしひしとその思いが伝わってくるようなところがあった。ちなみに本人のイラストはまあ普通だろう。
2冊目を読んでもやはり肌に合いそうである。勘は正しかったと思うので、これからも他の作品を引き続き読んでいこうと思う。万人には薦めませんが、ジュニア小説を読むのに抵抗が無い人には読んでも宜しいのぢゃないでしょうか。

(今日買った本:1冊 今月買った本:145冊 今年買った本:2980冊)

12月18日(火)

これから本を・・読めないので、風呂入って寝ますです。

というわけで、本は買ってませんよ。うさぎさん。あと21冊で微妙なところですけど。ただしあと6冊は増えることが既に決定してます。
でも読んでもいないけどさ。

ちなみに結局石黒達昌の「新化」にしました。短くて読み終わったらいけないと「昔、火星のあった場所」も持ち歩いているのだが、絶対読み終わらないっちゅーの。重いだけやん。


(今日買った本:0冊 今月買った本:144冊 今年買った本:2979冊)

12月17日(月)

「シンデレラの夜と昼」 図子慧 コバルト文庫 読了
目標の年間120冊を達成すべく、ジュニア文庫なぞ手にして数字あわせに走っております。いよいよのときは児童書だあ。
(でもこの本はわりあいおもしろかったけどね)

今日買った雑誌
ジャーロ これも買うだけでめっきり開かなくなってしまった。今号は関西方面の古書店案内らしい。前号は関東だったのに、こっちも開いてないや。関心がないんだね、古本屋に。(本当か?)

同じ本屋ではじめて新刊の恩田陸を発見。メフィストは買っていないから買う価値はあるけど、本読んだほうがいいよね。井上夢人は「ダレカガナカニイル」は読んでいるので(でも岡嶋二人は読んでないんだけどな)これは胸を張って買えるが、EQ+ジャーロ連載とは、雑誌を持っているだけに新刊で買うのはちょっと怯む(だからと言って雑誌を読むわけでもないが)。あとまだ店頭では見てませんが扶桑社のミステリー秘宝館も出ているようですね。ちょっと意外な取り合わせでしたが。
ふと思うと半村良もずいぶん読んでません。ご多分に漏れず、最初の著作から読み始めていたので、嘘部シリーズの途中で止まっているようです。面白かったという印象は別にしてストーリーを全部忘れているので読み返したい気持ちにかられたりするが、そんなん忘れるたびに読み返していたら無限ループになっちゃうよん。でも「産霊山秘録」と「石の血脈」だけはやっぱり読み返したいな。あと「妖星伝」も1しか読んでいないんだけど、読まなきゃね。1を読んだの高校生の頃だからもう20年近く前だからな。こいつはさすがに覚えているわけが無い。

明日は更新が無いかもしれません。読了も無いことでしょう。したがって感想は後ろへひっぱるひっぱる。

次は北野勇作にしようか石黒達昌にしようか悩み中。

(今日買った本:1冊 今月買った本:144冊 今年買った本:2979冊)

12月16日(日)
実家へ本を運搬。ダンボール4箱持っていったのにあんまり減っていない。でもたぬき専用の獣道が小熊くらいなら通れそうな獣道になってきた。でもこんなではまだまだ許してはもらえません。実家は実家でつめこんだはいいが、ついに無差別に詰め込み始めたので、奥に何があるかはわからないし、もう奥の本は探せない状態。もっとちゃんと整理したいよ。時間が欲しい。いらない本も処分したい。

本棚探偵の冒険 喜国雅彦 双葉社
ぬるま湯のような本でした。居心地が良く、楽しく、そしてスカッとします。まさに至福のひと時。で、まとまった感想は書きにくいのですが、やはり感じるのは喜国さんはクリエーターなんだな、ということ。この本の造りのこだわりしかり、エッセイでの函の制作しかり、豆本制作しかり。そして自分の趣味のエリアを完全に決めていらっしゃるところがまた格好良い。自分のように無闇矢鱈とふろしきを広げるだけでは、格好悪くて仕方が無いもの。
喜国さんへの私信ですが、木々高太郎訳の「シャーロックホームズの冒険」をいらいないので差し上げたいのですが、もらっていただけませんか?でも昭和37年刊行なので古くないです。多分カバーか函が欠けています。同じシリーズで乱歩訳の「紅はこべ」が出てますので、装丁お分かりになりますか?もらっていただけるようであれば、21日に持っていきます。(昔、黒白さんのところでこの本のことを書いたら、興味をお持ちだったようなので)

でそんなこんなでBOOK OFFによっちゃうんだよなあ。
導かれて、旅 横尾忠則 日本交通公社
パリ五段活用 鹿島茂 中央公論社
上と外(全6) 恩田陸 幻冬舎文庫 あとは「ドミノ」と今出ているらしい新刊かな?とりあえず1冊くらいは読まなきゃと思って持ってきていた「六馬目の小夜子」元版がどこにいったかわかんないんだよなあ。

yahooオークションで欲しい本があったので、かなり高かったがお金で解決。もう1点欲しいのがあったが、こちらは油断していたら負けてしまった。残念。

(今日買った本:8冊 今月買った本:143冊 今年買った本:2978冊)

12月15日(土)

古本屋はちょっと覗いたものの、本は買わず。

ぼっけえ、きょうてえ 岩井志麻子 角川書店
ストーリーを書こうと思ったら本が片付けていたら、どこにいったかわかんなくなっちゃった。記憶だけで感想を書くのはつらいのお。で、仕方ないからkashibaさんの感想を見ながら書きます。
ぼっけえ、きょうてえ 岡山弁が特徴的な怪異譚。女郎の寝物語という形式もぴったりで、夢幻の境地へ読むものを誘う。荒俣宏も選評で書いているが、自分も好みとしては最後のおまけは無しで、現実か幻かあいまいなままにしておいたほうが余韻が出たんじゃないかとは思う。とは言え、完成度が高い短編怪談。
密告函 コレラが蔓延する村で、隠れる患者を見つけ出すために考え出された密告函。その調査をするのが主人公の役人だ。しかしそこには謎の女の名前がいつも書かれている。これは夢幻的な雰囲気を漂わせながらも、超自然には強く流れずに、人間の怖さをも書いた作品。またこれはある意味、岡山の村が主人公で、非常に印象深い。
あまぞわい これは漁村が舞台で、「あまぞわい」と呼ばれる海中の岩にまつわる怪異譚。さらに幻想的な作品となり、また恐怖感も増している。本書の中では一番怖い。
依って件のごとし くだんがテーマの怪奇小説。怪異と現実の溶け込ませ方が絶妙。そして最後に来て明かされる残酷な現実。怪異だけに終わらない、本書中の傑作。

ホラーという語感は本書には似合わない。怪奇小説、もしくは怪談というべきであろう。いずれも明治期の岡山を舞台にしており、しかもそれがリアリティたっぷりに描かれている。また怖さ、哀しさ、幻想性、いずれをとっても一級品だ。登場人物も非常に良く書けているように思う。素晴らしい作品集でした。怖い女が書けるのは、やっぱり女の人なんですかねえ。

夜の8時に更新されるという予告のネット古書店に速攻で注文をいれたが、惨敗。かろうじて4冊確保。嬉しい本もあったのでまあ良かった。

(今日買った本:0冊 今月買った本:135冊 今年買った本:2970冊)

12月14日(金)

「ぼっけえ、きょうてえ」読了。

今日買った古本
完訳三国志(全8) 岩波文庫
変身 篠田節子 角川書店
捕食者の貌 トム・サヴェージ ハヤカワミステリ文庫
dホームズ最後の対決 リー・ホール 講談社文庫 SFなんだよね。
捕物時代小説選集3 春陽文庫
空中鬼 高橋克彦 祥伝社文庫
日曜日には鼠を殺せ 山田正紀 同
Vヴィレッジの殺人 柴田よしき 同
ふるえて眠れ 結城信孝編 ハルキホラー文庫
日本おとぎ話 中見利男 同
くくり姫 佐々木禎子 同
名探偵はここにいる 角川スニーカー文庫
椰子・椰子 川上弘美 新潮文庫 元版持っているんだけど、ちょっとだけ増補されている。
クローン人間 田中文雄 廣済堂文庫 大幅加筆訂正ときては、買いたくなっちゃう。
キリンヤガ マイク・レズニック 早川SF文庫
猫魔岳伝奇 早乙女貢 旺文社文庫
鵺姫真話 岩本隆雄 ソノラマ文庫
スター・ハンドラー(上) 草上仁 ソノラマ文庫
シャドウ・ファイル/覗く ケイ・フーパー ハヤマワ文庫NV
裏六甲異人館の惨劇 梶龍雄 講談社ノベルス いまだ1冊も読んでおらず。

届いた本
奇形の鏡 山村正夫 青樹社
女房を殺す法 藤村正太 立風書房
緑一色は殺しのサイン 藤村正太 立風書房 16冊目。あと3冊になっちゃいました。
汚れた七人 リチャード・スターク 角川文庫 昔持っていたが読まずに処分しちゃった。昔の購入金額の10倍以上で購入。カジノ島も同じだけど、これはまだ買い直してない。

さっそく「本棚探偵の冒険」を読もうと思います。

これじゃ3000冊は超えちゃいそうです。

(今日買った本:31冊 今月買った本:135冊 今年買った本:2970冊)

12月13日(木)

届いている本。
謎の野獣事件 西東登 こだまブックス 12冊目。なんだかあと7冊になっちゃいました。動物推理シリーズっちゅーのもまぬけだね。
なぞの惑星メタルーナ 加納一朗 くもん出版 教育的SFらしいけど・・。
もうちょっと届いているけど、また今度。

今日買った古本
沈黙 古川日出男 幻冬舎 「13」もまだ積読なんですけど。

「本棚探偵の冒険」の月報が届いたという連絡をもらったので、取りに行ったついでに買い物。

今日買った新本
「探偵クラブ」傑作選 光文社文庫 付録雑誌で1冊とはすごい。

今日買った雑誌
メフィスト 一時期何冊か買って、しかも何冊かは読んでいたというのは、今考えると恐ろしいことである。で、大体本になっちゃうのが見えたのでやめっちゃったんだ。小説、それも連載、連作主体でコラムも他の雑誌に比べると少ないし。で、今回買ったのは諸星大二郎の小説がのっていたから。小説を書くだなんて知らなかった。他にも作品あるのかな?あるなら纏めて本にしてほしいな。
本の雑誌 とりあえずkashibaさんの記事を読む。さしずめHP未収録エッセイである。そういえば北原さんの連載は本にならないのだろうか。ちょっと1冊には少ない気がするので、少し書き下ろしでも加えて出してくれないかな。

月報は、片面カラーとは豪華。でもこれでやっと遅ればせながら完本となりましたので、週末に読もうと思います。

「ぼっけえ、きょうてえ」は表題作のみ読了。通勤電車と喫茶店で読むのは、環境としてひたれないので、この手の小説には良くないかもしれません。

四・三光年の地上で 中川裕朗 河出書房新社
副題が幻想小説集。なんとも臆面もない。巻末の初出を見ると「海燕」や「文藝」などの文学雑誌に発表されたものが多い。執筆時期は古くは1976年から1983年までにわたっている。本書の発行は1985年。他に「ホームズは女だった」とか「キャンパス殺人事件」とかの著書があるが、そちらは持ってもいませんが、もし入手できたら読んでみたいとは思っています。それではまずは各作品のコメントを書いておこう。
四・三光年の地上で 4編からなる連作だが、各作品間の関連性は無い。
乗客 客を迎えに行く男。電車は一向に到着しない。時間はどんどん過ぎ去っていく。
懐胎 妻が妊娠した。妻は産着と称して編物をしている。それは人間のものではない奇妙な形をしていた。
証明 卒業単位を獲得しているのに、それは自分の成績ではない、本当は落第しているはずだといってねじ込んでくる学生。
異郷 男の周りはおかしかった。全てが偽者だった。以上4篇は日常の違和感やずれを拡大して見せた短編。ちょっと安部公房風である。
幕間 現実と思っていた生活が実は劇として演じられていたものだった。しかしおれには何もかもが見覚えが無い。「異郷」もそうだが、周りに対して疑念を抱くという妄想を書いていて、ディックの短編や、藤子F不二雄の「どことなくなんとなく」なんて作品を彷彿とさせる。
昨日の都の恋人たち これはバラード風の砂に埋もれた世界の男女の話。SFと言ってもいいだろう。
わが町 これは筒井康隆の「乗り越し駅の刑罰」を思い出す、不条理な小説。
母性 父親ほどの年齢の男から「あなたは私の母親だ」と告げられる娘の話。怪奇小説というか綺想小説というか。怪作。
構造 これは眉村卓の「通り過ぎた男」と同じような舞台だ。上へも下へ果てしなく続く階段世界。いつから登っているのか、何のために登っているのかもはっきりわからない。平凡な寓意を解釈することもできるが、著者はまさかそんな平凡なことは考えて書いていないだろう。
偽キリスト伝 イエス・キリストの真実の姿。この本の中ではやや思索的な作品。光瀬龍が書きそうだ。「消えた神の顔」ってこんなだっけ?
遠い野の声 3編からなる連作。本書では割合土俗的な背景を扱っていて、一番古い作品ではあるが、本書中では一番面白かった。
木の櫂、皮張りの舟 馬から見たひとつの家族。その家族はやがて悲惨な運命に見舞われていく。あえて言うなら魔術的リアリズムの作品。
迷い家 森の中に佇む黒い門の家。そこは不思議な家であった。探しても行き着けないが、探さないと行き着く。そんな家だ。あらためてたどり着いて中に入ってみるとそこは奇妙な家であった。幽霊屋敷小説の変奏ともいえる作品。
白い服の兵士 全滅しそうになった戦線から逃れてたどり着いたのは、不思議な自然の要塞だった。そこには「守備隊」と称する男たちがおり、最初は友軍かと思ったが、どうもおかしい。戦争幻想小説。

以上書いてきたように、中のいくつかは(著者が意識しているかどうかは不明だが)他の作品のモティーフを使ったり、他の作家の作風を彷彿とさせる作品が半数以上を占めていたりと、オリジナリティは少なくとも自分にはあまり感じられなかったが、全く同じというわけではないので、こういう作品が好きな人は(自分もそうである)変奏曲として面白い作品集である。しかしオリジナリティを重視する向きにはエピゴーネンと感じられて辛い評価をされるかもしれない。いずれにせよ、何故この本だけこんな小説集なのか、他には無いのか、なんだか著者の姿勢がちょっと分かりにくい作品集ではある。あまりオリジナリティにこだわらない方、幻想小説が好きな人にはお勧めしておきます。

(今日買った本:6冊 今月買った本:104冊 今年買った本:2939冊)

12月12日(水)

今日買った古本。
d怪奇・伝奇時代小説選集6,7 志村有弘編 春陽文庫 何も持っている巻を買わなくても。調べたら1、3,6,7しか持っていないことになっている。あれえ、もうちょっと買った気がするんだけど。捕物時代小説は2,4だけ。こっちはそんなものかもしれん。
満州探偵 大連の柩 トクマノベルス 題材に惹かれてぽつぽつ買っているんだけど。おーかわさんが読んでたな。
法隆寺の殺人 篠田秀幸 ハルキノベルス 別に買わなくても良かったかなあ。
戦中派天才老人・山田風太郎 関川夏央 ちくま文庫
d女たちの遠い夏 カズオ・イシグロ ちくま文庫 なんとなく読みたくなったのだが、持っていやがんの。でもどこにあるかわかんないからいいや。(ってこれもわかんなくなっちゃうかもしれない)
折口信夫坐談 戸板康二 中公文庫 なんとなく。川口さん、これ探してたけど買ったの?
破滅の使徒 モンテルオーニ 扶桑社ミステリー
自選ショート・ミステリー2 講談社文庫 なんと草川隆が収録されている。
もう一度住みたい 新津きよみ ハルキホラー文庫
この島でいちばん高いところ 近藤史恵 祥伝社文庫
さわらないで 新津きよみ 祥伝社文庫 この400円文庫って薄っぺらいところがとても心を惹かれる。だってすぐ読み終わりそうじゃん。
dバロック協奏曲 カルペンティエール サンリオ文庫 既読。で、この本には思い出があって、昔人に貸したら返ってこなくて、古書価で買い直したんだ。あと「大地への下降」もそうだし、SFマガジン創刊号も返ってこなかった。他にも返ってこなかった本はあるけれども、この3つが実に痛かった。(買戻しが高かったからな) SFマガジンなんて返ってこなかったのが一番状態が良かったんだぞ。人に借りた本はちゃんと返しましょうね。

「四・三光年の地上で」はあとちょっとなので読み終わっちゃいたいと思います。

次に読もうとおもっているのは「ぼっけえ、きょうてえ」。新刊で買ったのに埋もれていたんだ。

ぽろぽろ本が届いています。3000冊がやばいなあ。
今日も注文いれちゃった。

そういや目録に「怪奇小説 十萬年前」 ロニー・エーネ 白水社 昭和2 とあるんですが、これって「人類創世」の旧訳なんでしょうか。なんとなくそんな気もするし、違うような気もするし。どなたか教えていただけませんでしょうか。

(今日買った本:13冊 今月買った本:98冊 今年買った本:2933冊)


12月11日(火)

今日買った新刊
インスマス年代記(上下) ステーヴァン・ジョーンズ編 学研M文庫 冒頭にラブクラフトの「インスマスの影」を置いて、他の作家たちのインスマステーマの短編を集めたもの。マイケル・マーシャル・スミス、B・スティブルフォード等のSF作家や、ブライアン・ラムレイ、ラムジー・キャンベル等のホラー作家など多彩な顔ぶれ。誰かが書いていたのだが、ラブクラフトの作品は「どこか遠い町へ行ったら異形のものがいて怖いなあ」という話が多い。インスマスもその例に漏れないまさにその通りの作品だったりするのだが、他の作家がどのように料理しているかがみもの。

どうも最近、新刊、古本を問わず一日1冊何か買わずにはいられないような感じ。これで7日間連続の買い物。

太陽の下、三死体 ジャック・サドゥール 長島良三訳 新潮文庫
「今宵、私は見知らぬ男を殺そうとしている。」という冒頭の一文から始まるフランス推理小説大賞受賞作。また国際ミステリ大会の読者賞も受賞しているとのこと。なおフランス版EQMMの編集長を勤めたというこの人の著書としては「現代SFの歴史」という大著があり、これは数多くのSF小説の筋がばっちり最後まで書いてあって、読後に「あれどんな話だったっけ?」という忘れっぽいSF読者にはかなり助かる本ではある。で、自分はもっぱらそっちの著者として覚えていたのだが、これはその著者の処女ミステリらしい。基本的には倒叙推理の形式をとっていて謎解きは無いのだが、5日間に起きた3つの殺人を3章に分け、緊密感を持続させることに成功している。そして舞台は南仏の避暑地カシス、主人公は美人警視ミュリエル。恋に悩みながらも五里霧中の事件を追いかけるという、誠に通俗的な展開ながらも、エピローグでは鮮やかなツイストを見せる。(直前の暗示で推測はつくはつくのだが) キャラクターは魅力的。特に殺され役や端役でしかない男性陣に比較すると、女性陣はきわめて魅力的で、ことに主人公のミュリエルよりも、重要な役目を果たす、3人の殺された男たちの共通の愛人であったソランジュは特に格好良い。
こちらが考えるフランスミステリーのイメージぴったりの作品で、ちょっとぬるいが、多くの人が楽しめることであろうこと請け合い。お勧め。

読書は中川裕朗の「四・三光年の地上で」を読みます。

(今日買った本:2冊 今月買った本:85冊 今年買った本:2920冊)

12月10日(月)

今日買った古本
夏の滴 桐生祐狩 角川書店
鼓動を盗む女 藤田宜永 集英社文庫 ホラー小説集。
侵略者の平和(全3) 林譲治 ハルキ文庫
dユーモアミステリ傑作選 風見潤編 講談社文庫 状態いまいちだけど、誰かいる?
将門の秘密 藤枝ちえ 光文社文庫 解説は鮎川哲也。これだけでも買う人いるんだろうな。解説によれば著者はかつて岩谷書店の短編コンテストで入選して活字になったことがあるらしい。

うーん。寝ちまったぜ。「太陽の下」は半分超。今日中には読み終わりたいと思います。

欠けていた月報に関して本屋から電話があり、やはり欠けていたので出版社から本屋へ送るとの事。欠けていたのがわかるのか?それとも見込みなのかなあ。本当に欠けていたのだとしたら、買った本がそれだったのは引きが強すぎ。でも帯に書いてあったり、掲示板の購入記事に月報と書いていなかったら気づかないところだった。危ない危ない。

伊勢丹の初日は仕事が入ったのでいけないことが判明。京王はいつからだっけ。目録が実家に来てたけど見てないや。伊勢丹は目録がこないなあ。でもお金ないし。

(今日買った本:7冊 今月買った本:83冊 今年買った本:2918冊)

12月9日(日)
実家へ本の運搬。ちっとも本が減っていないなあ。

今日買った本。
ネルヴァル全集1 筑摩書房 残り1冊。

今日買った古本
ハリー・ポッターと秘密の部屋 J・K・ローリング 静山社 家人用。あまりに綺麗だったので買う。
殺人探求 P・カー 新潮文庫 近未来を舞台にしたSFミステリ。
殺人摩天楼 P・カー 新潮文庫 こっちはホラー。釣巻礼公みたいなハイテクホラーって感じかな?
ドリトル先生の英国 南條竹則 文春新書
セロ弾きのゴーシュ アニメージュ文庫 昔好きだったアニメだったので、なんとなく。
ウルトラQD 小学館文庫
絵が殺した 黒川博行 徳間文庫 ほら、やっぱり買っちゃった。これからたくさん買っちゃうんだろうか。
誘惑者 高橋たか子 講談社 泉鏡花賞受賞作。文庫で既読だが、再読したいと思っていたのと初版元帯だったので、つい買ってしまう。まあ100円だからね。(置き場所ないっつーの)

そんなこんなで出かけたり、「時宗」の最終回を見ていたりしていたら、一日が終わっちゃいました。読書は進みませんなあ。
それにしても「時宗」に筒井康隆が出ていたとは気づかなかった。どうりで見たことある顔だと思っていたんだ。そういえば筒井康隆ももう10年以上読んでいないようだ。「虚構船団」まではほとんどの作品は読んでいるのだが、その後全集で読み直そうと思っているので、止まっているんだ。1作をあげろといわれれば、前にも書いたけど「母子像」だな。それ以外にも面白い短編がそれこそ山のようにあった。長編は迷うけど、七瀬シリーズかな?うん、また読みたくなってきちゃったなあ。

実家からはいろいろ読みたい本とか、意外な本が発掘されたのだが、もって来ては元のもくあみなので、「ぼっけえ、きょうてえ」とかSFシリーズのブッツァーティとかだけにとどめる。

掲示板で金光さんに「ノヴァーリス全集」出ていること教えられたので、こっちは注文しなきゃ。コリンズ選集も追いついていないんだよね。切れる前に買わなきゃいかんのお。

毎年恒例でこのミスとか出ているけれど、(少なくとも新刊では)買ったこと無いし、各作品ごとの感想には興味があるものの、年間ベストには全く興味が無い。ベストに選ばれたといってもそれを読もうとするモチベーションも無いし。その代わりたとえば風間賢二は何を選んでいるんだろうとか、大森望は何をあげているんだ、という興味はあるし、こんな本があるんだという発見はありそうだ。でも、各人がこれが面白かったというリストには意味があるけれど、その年に出版された本に全て目を通していないのならば、ベスト10の意味がないんじゃなかろうかという気はするけどね。(要はその人が読まなかった本の中に、もし読んでいたらベスト1に選ぶ作品があった可能性を考えると、今選んでいるそれって本当にベスト1なの?ということになるでしょ) まあお祭りなんでしょうね。この辺はいろいろな本の存在を知るだけの参考程度にして、自分の読みたい本を自分で見つけるのが最善。もっとも限られた時間と本の洪水の中で、それをなしうるのはきわめて困難。そんな場合のためにこういう本の意味があるんだろうから、まあ無意味ではないですな。自分は自分のペースで読みたい本を読めますので、仕事じゃなくて本当に良かった。仕事だったら、読みたい本を全然読めないじゃん。(まあ最近は読みたい本のありかがわからないという現象は発生してますが)

(今日買った本:9冊 今月買った本:76冊 今年買った本:2911冊)

12月8日(土)
昨日書いた「本棚探偵の冒険」のことで著者の喜国さんにご心配をおかけしてしまいました。ごめんなさい。

ポオ全集を少し読み進む。ようやく2/3くらい。平行して読もうと思っているのは「太陽の下、三死体」。フランスミステリ。何故いきなりこんな本をと言っても、単に目についたからですが。

今日買った古本。
ボレロ 吉田音 筑摩書房
鬼のすべて 鯨統一郎 文藝春秋
舞踏会へ向かう三人の農夫 リチャード・パワーズ みすず書房 当初ベネッセの海外文学シリーズで出版される予定だったそうである。
孔雀のプライド ヴィクトリア・ホルト 文芸社 知らなかったなあ。同じ出版社からもう1冊翻訳が出ているらしい。
斃れる命 林巧 角川書店 「怪」連載。
首の信長 小林恭二 集英社 それにしても気になるのは「カブキの日」を買っているかどうかである。
御伽草子 水木しげる監修 PHP文庫 前の2冊も買わなきゃね。
深淵を歩くもの 小中千昭 デュアル文庫

留学生は吸血鬼 新津きよみ ケイブンシャコスモティーンズ

著者の本を読むのは始めてである。著書としては初期の部類に入るであろう。ストーリーはタイトルそのままという感じで、まあ予想がつくものだ。要は10代の女の子向け恋愛小説にホラーの味付けをしてみましたという感じ。深みも説得力も特に無く、つっこみどころもままあるが、まあ目くじらをたてても仕方が無い。本来の本書の使命はまあ果たしていると思うので、読みたい人はどうぞ、といった感じ。

3000冊以下という線はぜひ死守したいなあ。
いらないどうでもいい本を処分しようと思うのだが、どこから手をつけていいのかわからない。実家ももう置くところがなーい。

(今日買った本:8冊 今月買った本:67冊 今年買った本:2902冊)

12月7日(金)
読んだ本が少しヘビーだったので、軽い本ということで「留学生は吸血鬼」新津きよみ 読了。

今日買った古本。
ドーヴァー2,6,7 ジョイス・ポーター ポケミス 2はダブりでした。これで手持ちは1,2,6,7,8 のようです。
美濃牛 殊能将之 講談社ノベルス
エーゲ海に捧ぐ(シナリオ版) 池田満寿雄 角川文庫
おかたずけ天女 犬丸りん 角川文庫 なんとなく。
猫の手 ロジャー・スカーレット 新樹社 エラリー・クイーンのライヴァルたちを買うのは初めてでした。
わたしたちが孤児だったころ カズオ・イシグロ 早川書房 体裁は探偵小説の形をとっています。
木曜組曲 恩田陸 徳間書店 あとは「上と下」と「ドミノ」か。新潮文庫で「六番目の小夜子」が出た頃から買っているが、新刊で買ったことがないのでした。しかも読んだことも(雑誌掲載分とかは別にして)無いのでした。ちゃんちゃん。
夜陰譚 菅浩江 光文社 この人も「ゆらぎの森のシエラ」しか読んだことが無いのでした。
未来からきたカメときょうりゅう 藤本たか子 岩崎書店 第11回SF童話大賞受賞作品。

今日買った本
本棚探偵の冒険 喜国雅彦 双葉社 家に帰ってみると、なんと月報が無い!。確認しなかった自分も悪いが、大大大大ショックである。現在本屋に問い合わせ中。出版社が休みなので、回答は月曜日になるとのこと。

やっと見つけて新刊で購入したのに月報欠でブルーな週末になってしまいましたとさ。

(今日買った本:12冊 今月買った本:59冊 今年買った本:2894冊)

12月6日(木)
届いた本。
マリファナ 藤原審爾 双葉社 あと「真夜中の狩人」(双葉社)と「新宿心中」(実業之日本社)かなあ。
轍の下 西東登 講談社 この2冊はきっとフクさんの指紋つきじゃないかと思うのだが、違う?
魚が死を誘う 西東登 産報ノベルス なんだか凄い勢いで西東登が集まってきているの。あと8冊。でも「蟻の木の下で」と「クロコダイルの涙」も買っていないんだ。なんか縁が無いんだよなあ。前者は何回もスルーしているけど、後者は一回も見たことないんだ。
氷のスフィンクス下 ジュール・ヴェルヌ パシフィカ テキスト的には集英社文庫で読めるからいいのだが、この「空と海の大ロマン」は集めていたので。ちょっと高かったけど、これにて完集でござい。つきものがまた一つ無くなった。河野典生(「三匹の野良犬」)と小泉喜美子(「殺さずにはいられない」)のつきものはまだしばらく落ちそうもないなあ。
肉麻図譜 中野美代子 新刊購入。署名本。興味がある人は以下へGO。
http://www.tssplaza.co.jp/~visual/k/2001/03-rouma/rouma-Set1.html
知らない間に武田雅哉氏の本も出ていたようだ。

今日買った雑誌
SFJapan No3 手塚治虫スペシャル 大判に一時的に変わった。作家が手塚治虫の作品をカバー小説と称して、アザーストーリーを書くという試みはなかなか面白い。これまたまとめられて薄い単行本で出るんかいな。でも出ないと一生著者の単行本には収録されそうも無いね。
ユリイカ 山田風太郎特集 単行本未収録作品も入ってる。バックナンバーを見て、結構買おうと思って買っていないものがあるなあと実感。でも買ったかどうか判然としないものもあるんだよなあ。トーベ・ヤンソンは品切れになっているやん。

幻視者たち 巌谷國士 河出書房新社
副題が宇宙論的考察。著者の第一評論集である。原稿をまとめてから本になるまで、出版社が移っているので書かれた時期とは若干のずれがある。内容的にはシャルル・フーリエの思想を骨格にして、ニュートンからフロラ・トリスタン、エリファス・レヴィまでを題材として扱っている。また著者らしくシュルレアリズム、ことにアンドレ・ブルトンも折に触れ出てくる。個々の思想を、それぞれへの影響を考察しつつ年代的につなげていこうという試みで、少し難しいけれども面白い。「高等魔術の教理と祭儀」「魔術の歴史」「四運動の理論」「ナジャ」、いずれも未読であるが、読まなきゃいけないなあという気に改めてなったのでした。なお造本は野中ユリ装丁で、美しいものである。今の時代、こういった堅牢な造りの本が少ないのは残念。

(今日買った本:7冊 今月買った本:47冊 今年買った本:2882冊)

12月5日(水)
帰ってきてグーグー寝てしまったので、読書進みませんでした。メールのご返事滞ってます。ごめんなさい。

今日買った古本。
リーインカーネーション 宝生茜 中公Cノベルス なんてことは無い赤羽健美の別名です。
十四歳、ルシフェル 中島望 講談社ノベルス
雨月荘殺人事件 和久俊三 中央公論社 でかいし500円なので迷ったが、元版である意味があるので購入。袋とじも開封されていたので前の持ち主もちゃんと読んだのでしょう。
今日の買い物は例によってBOOK OFFなのだけど、以下はびっくりたまげた。
怪奇幻想の文学T 新人物往来社 函入り後版。
幻想の肖像 澁澤龍彦 大和書房
魔女グレートリ M・マイドルフ/P・クリッチ 牧神社
ヴァテック W・ベッグフォード 牧神社
黒魔術の手帳 澁澤龍彦 桃源社
この5冊が1冊100円!いいのか?本当に。特に「ヴァテック」は国書版で既読だが、矢野眼源一訳は持っていなくて、買いたいと思っていたので嬉しい。澁澤もしゃれた造本で嬉しいし、全集ではほとんど省かれているはずの図版も美しい。怪奇幻想の文学も手持ちはカバー装の新装版なので本当は揃えたいところだが、それでも嬉しい。珍しい本ではないけれども、今までのBOOK OFFの買い物では多分一番美味しい買い物でした。でも処分したのは買った本人じゃないんだろうな。こういう本買う人がBOOK OFFに処分するとは思えない。Cランクだったから買値ゼロだぞ、多分。勿体無いことをするなあ。でももっと他に無いかなあ。

雪女郎 皆川博子 読売新聞社
帯には時代小説集とあったので、そうかと思って手にとったのだが、確かに1編を除いて時代小説なのだが、同時に端正な幻想小説集でもあった。
雪女郎 雪女郎の子供と少年時代にいじめられた男。今は家を飛び出し旅奉公をしていた。そんな冬のある日、山では早い雪が降ってきた。最近井上雅彦のアンソロジーにも採用されたようだが、雪女をテーマにした短編。短い中に妖艶な雪女の姿を捕らえた好編。
少年外道 雲助の俺は籠に乗せた若い男が、待ち伏せして別の男を刺し殺すのに遭遇した。若い男はやがてつかまるが、俺は気になってしかたがない。厳密には幻想小説ではないが、若い男に憑かれる男の姿は印象深くい。ある意味耽美とは言えそうである。
吉様いのち 川に流された人形を拾った女。それは許されない恋を秘めた想いが込められたものであった。そしてその女が演じている芝居で起きたのは・・。人形怪談。人間の情念が深い影を落とす。
闇衣 父親を「いくじ」と呼ばれる化け物に殺された少年。彼はある事件に遭遇し夜中の花見現場に迷い込んだ。そこで会ったのは不思議な一団であった。これも幻想小説。
十五歳の掟 十五歳まで一緒に育てられた少年は、島流しになった。親の罪を一族のものとして受け入れなければならなかったからだ。厳しい暮らしを経て、少年は家に戻ってきた。これは主人公の少女の複雑な思いを印象深く、残酷に描いている。
夏の飾り 唯一の現代小説。夜中に映画のセットを見回る主人公。やがて、男は思い出の中に沈潜していく。夢幻的な小説。
感想を書くのを引き伸ばした割にうまく感想を書けず、素晴らしさがちっとも伝わらないのは内心忸怩たるものがあるが、とにかくだまされたと思って読んでもらいたい。どれも読み応えがあり、深い印象を残すものばかりの傑作短編集である。やはり皆川博子は読まれなければならない。今度は長編の時代小説でも読んでみようか。

(今日買った本:8冊 今月買った本:40冊 今年買った本:2875冊)

12月4日(火)
さっき帰ってきました。今日も酔っ払いです。ということで何も書くことはありませんです。
読書も当然ながら進んでおりません。
さて明日は仕事が立て込んでおりますが、どうなることでしょうか。

そういえば今日も今日とて本は届いております。昨日Bの目録も来ましたが、あいかわらず店頭で売れた本ものってます。とりあえず、既に残っていなさそうな本を顔つなぎで出そうかと思う今日この頃。

読んでいただいている方がどの程度いらっしゃるかわかりませんが、内容の無い更新ですんません。
それではおやすみなさい。

明日こそ「雪女郎」の感想くらい書こうと思ってます。一応今の時点では。

(今日買った本:0冊 今月買った本:32冊 今年買った本:2867冊)

12月3日(月)
「幻視者」は難しいので、なかなか読み進めません。酔っ払っているし、明日も飲み会なので読了できるか不明。

「雪女郎」の感想を書く元気もないので、届いた本のことでも書いてお茶を濁すことにしましょう。

幻の獣事件 西東登 こだまブックス 9冊目。残り10冊。1冊しか読んでないのにそれでいいのか?
新宿真夜中ソング 藤原審爾 桃園書房 新宿警察10冊目。1冊も読んでいないのにこれでいいのか?大体藤原審爾自体1冊しか読んでいないし。でもそれがすごく面白かったからな。
牝の芳香 多岐川恭 桃源社 テキスト的にはM15。手に入るのはポピュラーブックスばっかり。東京文藝社とか文華出版社はきついね。

老教授ひとり旅 ハンス・ファラダ 白水社 この間「あべこべの日」をダブらせたので勢いで。これは何でしょうか?大衆小説?
ベティー ジョルジュ・シムノン 読売新聞社 
椿説泰西浪漫派文学談義 増補新刻 由良君美 青土社 これは嬉しい。100ページ増補された新版。これで由良君美の本は、著作全部ではないけれども欲しいものは全て入手できたことになる。長い道のりであった。10年以上かかったことになるかな。
ところで新版の後書きで帯には平井呈一の推薦文を、元版の書評からもらったとありますが、何と書いてあったのでしょうか?>金光さん

ああ、明日こそ何も書くことがなさそうだ。

(今日買った本:6冊 今月買った本:32冊 今年買った本:2867冊)

12月2日(日)
「雪女郎」は無事読み終わったのだけど、次に手を出したのが巌谷國士の「幻視者」なので時間がかかりそうです。
(最近読みやすい小説しか読んでなかったのでね)
でもカバンに入らないから、平行して何か読むかもしれん。やっぱり新津きよみの「留学生は吸血鬼」にしようかな?

部屋を片付けようと手をつけたはいいが、どうにもならない。実家に持っていく本を少しまとめて力尽きる。全然減った気がしません。仕方が無いのでいらない本をBOOK OFFに捨てに行こうと15冊ほどセレクトする。古い本はくず本ばっかりだったので普通の古書店に持っていったが買ってもらえず。新しめの本はBOOK OFFに持っていくが、10冊で210円。半分は読了本で元をとっているし、まあそんなもんだろ。で、3冊は買ってもらえず、処分を頼む。うーむ、試しにレモン文庫の森奈津子を持っていってみたのだが、引き取ってもらえないとは、BOOK OFFで見かけないはずだ。森奈津子だけ持って帰る。で、返す刀で本を買うんだから本が減らずに本が増えた。

d四.三光年の地上で 中川裕朗 河出書房新社 あまりにも長い間売れ残っていたので。(何の理由にもなっておらん)
ダルタニアン物語(1〜10) A・デュマ 講談社文庫 状態はあまりよくないが、なまじ10冊売っていたので買ってしまったじゃないか。読もうにも最終巻の11巻が無い。それに白背以外じゃおさまりが悪いので買いにくいし。まあ気長に探しましょうかね。(ちゃんと読むつもりだよ)
あしたのジョーばらあど 正木亜都 サンケイノベルス
乱歩がえらんだベスト・ホラー 森英俊&野村宏平編 ちくま文庫 買おう買おうと思っていたのだけど。
ぼっぺん先生の動物図鑑 舟崎克彦 筑摩書房 ぼっぺん先生も何を持っているのかわからなくなってきた。
d夢のはじまり 森内俊雄 福武文庫 というわけで葉山さんに押し付けることにする。

あまりの本の多さにおなかがいっぱいを通り過ぎていたくなったので少なくとも今年はあんまり本をたくさん買うのはやめようと思います。
とにかく置く場所を確保しなくてはお話になりません。もっと処分しなくちゃなあ。

(今日買った本:15冊 今月買った本:26冊 今年買った本:2861冊)

12月1日(土)
所用で都内へ。

買った古本。
続巷説百物語 京極夏彦 角川書店
今夜も月は血の色 風間一輝 幻冬舎 全著作解説というおまけが嬉しい。当然著作リストつき。
オクトバー・ライト ジョン・ガードナー 集英社 早川文庫FTからも翻訳が出ている現代アメリカ作家。これは前衛小説かなんかだろうか。

渋谷のブック1stへ寄る。
買おうと思っていた幻想文学の最新号と皆川博子の新刊以外にも欲しい本が一杯。月が分かれたことだし、カードで買っちゃえ。(いいのか?それで)
遠野物語周辺 水野葉舟 横山茂雄編 国書刊行会 きっと川口さんは読むだろう、もう一つの遠野物語という趣の怪談集。
皆川博子作品精華 幻妖 東雅夫編 白夜書房 単行本未収録3編と書き下ろし以外は読めるが、やはりこれは買いたい。東雅夫さんの熱のこもった解説つき。
幻想文学62号 本来の目的。そういえば角川書店の「怪」もここしばらく買っていないのはまずいなあ。
小松左京マガジン3号
小松左京マガジン4号 この辺ははっきり言って都内の大型書店でないと出ていることすら忘れる。
忍法創世記 山田風太郎 出版芸術社 初めて現物を見ました。田舎には無いんだよ。
貸本小説 末永昭二 アスペクト 初めて現物を見ました。田舎には無いんだよ。お若いと聞いていたけど、僕より1学年先輩だった。
床に舞う渦 バーナード・ケイプス 鳥影社 切れたら苦労しそうな二十世紀初頭の怪奇作家の短編集。

「雪女郎」はもうすぐ読み終わりますが、絵本の感想でも書いておきましょう。

トマニ式の生き方 クリスチーネ・ネストリンガー 星新一訳 CBSソニー出版
オーストリアの詩人・作家。ヘルメ・ハイネという人が絵を書いている。ちなみに児童書にはあまり明るくないのだが、調べるとネストリンガーという人はこの本の後にはかなり翻訳が出ているようである。で、本書であるが、読んだきっかけは星新一が翻訳しているからという1点に尽きる。絵本のあらすじを紹介することにはあまり意味が無いと思うので省略するが、まあ何と言うか「本当の人間の生き方は何か」というメインテーマをファンタジーの手法で描いたものとでも言えるだろうか。そういう意味では児童書というよりは、大人の絵本である。
ヘルメ・ハイネという人の絵はかなり魅力的。あっさりとした筆致で多分水彩だと思うが、文章との相乗効果で夢幻的な味わいを深めている。別に翻訳が星新一であるということにはかかわり無く、眺めて楽しい素敵な絵本と言えるだろう。

なんとなく気分で背景の色等を変えてみました。

(今日買った本:11冊 今月買った本:11冊 今年買った本:2846冊)