9月30日(月)

愚痴りたくもなる生活。ぐちぐち。

終わりのないブルーズ クリストファー・クック ヴィレッジブックス
人を殺すことなんかなんとも思っていないならず者のレイ・ボブとその相棒となったエディ。二人は欲望の趣くまま、気の向くまま、殺人・強盗・レイプとやりたい放題。それを追うのはテキサス・レンジャーのルールだ。しかしエディは途中で拾った自称モデルのデラに惹かれ、二人組みの進む方向はずれ始める。
これがノワールというものなのだろうか?まずはアメリカって、こんな犯罪者が堂々とまかり通るのだろうか?というのが最初の感想。いかにフロンティア精神のたまものである自衛の手段とはいえ、銃の所持が自由にできてしまうという社会はそれだけで小市民の自分としては恐怖感を感じてしまうが、まあそれは余談。骨格がマンハントであり追跡行であるため、物語的には面白くなる要素たっぷりで、600ページ弱の厚い本だが、サスペンスフルに読める。ただし登場人物にはまともな人物が少ないため、感情移入する読み方はつらいかもしれない。それに終盤(以下一部反転、未読の方注意)
追いかけていたテキサスレンジャーが殺されてしまうという展開は、ノワールではいざ知らず、自分的には物語りの定石を思い切りはずしている感じで驚いた。いずれにしてもサスペンスフルな犯罪小説が好きな人にはお勧めではないでしょうか。またウエスタンやブルーズに関する薀蓄もあり、自分はあまりわからなかったけれども、音楽好きはにやりとするところがあるのかもしれない。また何故か鳥や植物の名前が妙に詳しく書いており、これは著者の趣味なのかなんだか不思議である。
我らが奥田さんの訳文は流麗かつ丁寧。訳者後書きでは触れておらず他の方のHPで見たのだが、原書はセリフを表すクォーテーションがないらしく、本書でもセリフは全て地の文に埋め込まれている。この辺も苦労されたのでしょうか?また何か読ませてくださいね。
ところでラストの一文については今度お会いしたときに意味を教えてください。読解できませんでした。


加門七海面白いやん。

そういえば先週車のタイヤを交換したのだが、途中17インチをはいていたことがあった関係上(今はノーマルの16インチに戻している)結果的に長く使うことになってしまったため、今のタイヤはかなり痛んでいた。そのため、交換したとたん車が生き返ったようにタイヤが路面をつかんでくれるので嬉しくなる。やっぱ新しいタイヤはいいねえ。遠出したくなりますわ。

9月も終わりですが、来月は少しは人間らしい生活時間を営むことができるのでしょうか?ちなみに今週末は休みが無い予定です・・。
最後はまたグチでやんの。さて人柄にじみ出てますか〜(^o^)丿

(今日買った本:0冊 今月買った本:132冊 今年買った本:1433冊)

9月29日(日)

できれば毎日更新しようとは思っておりますが、なかなかままならないようです。

dホームズ贋作展覧会下 河出文庫 やはり持っていたか。
ウルトラセブン 武上純希 ソノラマ文庫
パリ・世紀末パノラマ館 鹿島茂 中公文庫 文庫化されていたのね。
田中芳樹読本 早川書房 なんだか田中芳樹の本を読みたくなってきました。
真夜中のミサ ポール・ボウルズ 白水社 限りなくダブリに近いのだが・・。
サイコメトリックキラー 早川書房
薔薇の木の下 小池真理子 徳間書店
時也空地球道行 小松左京 読売新聞社
運命の覇者 角川書店 冲方丁の短篇が収録されているので買ってみました。
インディビジュアルプロジェクション 阿部和重 新潮社
謀略熱河戦線 谷甲州 中公ノベルス
寿司屋さんにいったついでに。
運命 田中芳樹(幸田露伴作) 講談社 世界の冒険文学の収集も佳境に入ってきましたが、あと何を買えばいいのだ?「白い牙」(神宮輝夫)「三銃士」(藤本ひとみ)「奇巌城」(逢坂剛)「パスカビル家の犬」(大沢在昌)の4冊だと思われるのだが。
ピリオド 打海文三 幻冬舎 
クイーンズ海流 佐江衆一 新潮社
ウエンカムイの爪 熊谷達也 集英社 これは文庫になっていたと思いますけど。
群蝶の木 目取真俊 朝日新聞社 幻想的な作風の著者ですね。
届いていた本
幻影都市のトポロジー アラン・ロブ=グリエ 新潮社 目録購入。抽選の壁を越えてゲット。これでロブ=グリエの邦訳単行本は完集のはずである。この本が異様に時間がかかっちゃいました。とは言っても読んだのは「消しゴム」だけなのだが。あれはミステリーといってもいいんじゃないのかな?殺人も起きるしね。

読書は加門七海の「怪談徒然草」を選択。

(今日買った本:17冊 今月買った本:132冊 今年買った本:1433冊)

9月28日(土)

毎日帰りが遅いのに今日はとうとうサービス休出になってしまう。タダ働きだと思うと疲れも倍増しちまうぜ。
ただし朝、会社の行きがけに古書展に寄ってみる。鎌倉の本屋さんがポケミスを大量出品することもあり、鵜の目鷹の目の鬼のような人たちが来ているようなので、自分ははじっこからゆっくり見ていく。買ったのはこんなところだ。ちなみにポケミスはダンボールで買っていった人もいたようで、相当良いものがあった模様。1冊200円だからなあ。レジで知り合いの本屋さんから「完全に出遅れたねぇ」と言われる。実際はさほど出遅れてはいなかったんだけど、棚の前が空かなければ結局手が出せないので最初からあきらめておく。のろまだしさ。

阿部昭18の短篇 福武書店 署名入り。「怪異の正体」なんていう短篇が載っているのだが、きっと普通の短篇なんだろうな。
うちゅうスケート たむらしげる リブロポート
さるとび佐助 山上たつひこ 秋田書店 初期のSFものっているようなので買ってみる。
名探偵紳士録 桜井一 大和書房
推理小説への招待 荒正人・中島河太郎編 
時の塔 レイ・カミングス HSFS
dホックと13人の仲間たち ポケミス
dイモジューヌに不可能なし エクスブラヤ ポケミス
怪盗ニックの事件簿 E・D・ホック ポケミス
神への長い道 小松左京 HSFS
火星で最後の・・・ 豊田有恒 HSFS
SFの夜 福島正実 HSFS
ロマンチスト 福島正実 HSFS
ハニー貸します フィックリング ポケミス
逃亡者 ロジャー・フラー ポケミス
d密室殺人傑作選 サンテッスン編 ポケミス
殺人はバカンスに ボアナル ポケミス
チェイン氏の秘密 クロフツ ポケミス
モルグの女 ラティマー ポケミス
ドアのない家 トマス・スターリング ポケミス
証拠の問題 ブレイク ポケミス
ひそむ罠 ボアナル ポケミス
法廷外裁判 セシル ポケミス
マーニイ グレアム ポケミス
死はいった、おそらく ボアナル ポケミス

くたくたになり帰途につくが途中で買い物。
蚊 電撃文庫
世界の終わり、あるいは始まり 歌野晶午 角川書店
夜と朝のあいだの旅 ラフィク・シャミ 西村書店
建築死材 門前典之 東京創元社
ダーウィンの剃刀 ダン・シモンズ 早川書房

「終わりのないブルーズ」読了。次に何を読もうかと考えるときがやはり一番楽しいですね。

最後に100冊越えちゃったか。

(今日買った本:29冊 今月買った本:115冊 今年買った本:1416冊)

9月27日(金)

買い物。
ユリイカ11月号 ニール・スティーブンスン特集。ただしエッセイはあるが、作品は無い。でもユリイカがSF作家を特集するのは本当に久しぶりの気がする。
地球礁 R・A・ラファティ 河出書房新社 突然こんな本が出ていて驚く。この本が売れて続けて邦訳が出ればいいなあ。
グラン・ヴァカンス 飛浩隆 早川書房 懐かしい名前だ。といっても作品を読んでいるわけではなく、SFマガジンの目次で何度か見たなという程度だけど。順調に刊行されているようで、ペースが乱れつつあるJシリーズ。恩田陸はとんでしまった。早川のパターンとしては、段々間隔があきはじめ、ついに広告も出なくなり自然消滅するということがままあるが、これはちゃんと続刊してほしいものだ。というわけで夢の文学館の最後の「エジプト」(ジョン・クロウリー)はどうしたんだ?シリーズの作品が既にepi文庫に落ちちゃったし。出るとしたら単独の単行本になるかも。
届き物
d英国情報部員 リチャード・ジュサップ 久保書店 何も確認せずに注文したからなあ。
秘密指令 M・E・チェイバー 久保書店
殺人命令 リンゼイ・ハーディー 久保書店
悪魔のサイコロ事件 ナポレオンソロ 久保書店 kashibaさんのところの松本さんの書き込みを見て、すかさず注文。しかし1冊260円とかの本があって、定価のあまりの安さに驚く。またいまだにそのまま在庫をもっている久保書店にも驚く。
青列車は13回停る ボアロ&ナルスジャック ポケミス
日曜日は埋葬しない フレッド・カサック ポケミス

(今日買った本:9冊 今月買った本:86冊 今年買った本:1387冊)

9月26日(木)

覘き小平次 京極夏彦 中央公論社 思えば「嗤う伊衛門」なんて出た瞬間に新刊で買っていたんだけどいまだに積読だぁ。
SFマガジン11月号 SFミステリ特集。千街さんのガイドつき。こちらはちょっと記憶が曖昧だが55冊中9冊。恩田陸のJコレクションはどうなっちゃったの?って感じ。
ミステリマガジン11月号 ディーヴァー特集。絶版と聞いて探してみた「汚れた街のシンデレラ」はすぐ見つけたけど、「死を誘うロケ地」は無いですな。

先週の金曜日以来本の感想。
さようならインディオス 石塚京助 実業之日本社
帯にはでかい文字で「女子大生花子のドキドキ初体験」とあるが、何を訴えたいのかさっぱりわからない惹句である。それはともかく小説新潮新人賞作家の処女長編。主人公の女子大生花子は卒業前の最後の夏休みににアマゾンに住む叔父を訪ねる。友人はのんきな旅行やらで遊び呆けているが、私はアマゾンのジャングルを体験するのだ!ガイドに連れられ、ブラジルきっての医学者である叔父と共にジャングルに足を踏み入れる。しかしそこで叔父が不注意から毒のカエルを踏んでしまう。これは昔からアマゾンの原住民が毒矢に使った毒で、その毒に犯されたものは意識を失い、半月から1月で死んでしまうという強力なものだ。急遽病院に運ばれた叔父はすでに意識が無く、国家をあげての救助活動が始まるが、解毒方法はもちろん毒の成分すらわからない。しかし花子は街のインディオに伝説の呪い師ムラムラならカエルの毒に犯された人間の治療法を知っているという話を聞く。手をこまねいてみていることができない花子は、責任を感じていたガイドと共に再びアマゾンの奥地へと向かう。しかしそこは前の用意されたルートとは違い、危険な部族もいるルートであったのだ。
という感じで話は進む。飄々としたユーモラスな雰囲気が漂い、心地よい。またあっけらかんとした性格の花子をはじめ、登場人物たちも幾分漫画的に配置されていて楽しい。善人ばかりの物語というのもたまにはいいものだ。なお最後のほうではおまけで幻想的な場面も出てくるけれども、基本的にはユーモア冒険小説という趣きである。もっとも本当のアマゾンのジャングルはこんな甘いところでは無いような気もするのではあるが。なお後書きを見ると、実話をもとにしているようで意外であったが、最初の長編はオリジナルでも良かったんじゃないかという気もしないでもない。webを検索しても一つも感想が出てこないのは残念。読まれていなさそうな本だが、悪くない。楽しい冒険小説がお好きな人には読んでもいいのじゃないのでしょうか。


(今日買った本:3冊 今月買った本:77冊 今年買った本:1378冊)

9月25日(水)

さっき帰宅しました。でも今日は移動時間があったので少し本が読めたが、電車に5分以上乗ると睡魔が襲ってくるのは止めることができないよ。本もだんだ佳境で面白くなってきたのに。

バビロン行きの夜行列車 ブラッドベリ 角川書店 持っているかな?
俺たちの疾走 樋口明雄 ソノラマノベルス
武装酒場 樋口明雄 ハルキノベルス そろそろ何か読んで見なきゃねえ。サイレントファイア2,3探してます。

「国内探偵小説ファン度調査」は投票しなかったけれど、数えてみると短編集をどう解釈するかによって数字が変わるものの、大体40冊くらい。しかし城昌幸が桃源社の「みすてりい」ではなくちくま文庫で、逆に水谷準がちくま文庫ではなく岩谷選書になっていたりして作品選択基準が摩訶不思議ですねえ。

(今日買った本:3冊 今月買った本:74冊 今年買った本:1375冊)

9月24日(火)

やはり平日は本を読めない。

届いた本と買い物。
世界の文学49 ホラー傑作選 週間朝日百科
世界の文学48 SFと変流文学 週間朝日百科
名探偵は九回裏に謎を解く 戸松淳矩 ソノラマ文庫
一休虚月行 朝松健 カッパノベルス 新書に出世した一休さん。
家蝿とカナリア ヘレン・マクロイ 創元推理文庫 結局売れたんではなくて配本されていなかったのかな?

アンケートがちょこちょこ出ているみたい。
「翻訳SFファン度調査」は1冊!。サンリオ廃刊以降というしばりなので無理も無い。1980年以前なら結構読んでいるんだけどな。しかし「SF系更新リンク」に入っているのだけど、そんなんで本当にいいのか?
この前のも13冊と言う、きっと「ミステリ系更新されてますリンク」では最低点の管理人だと思うけど、こっちもリンクに入っていて本当にいいのか?「買い物してますリンク」とか、「散財リンク」とかなら、胸を張って入れてもらえると思うんだけどな。

明日もきっと届いた本と、独り言で埋め草になってしまう気がする。

(今日買った本:8冊 今月買った本:71冊 今年買った本:1372冊)

9月23日(月)

読書を再会はしたものの、さほど進まず半分あまり。

そういや少年小説体系の1巻を放り出したままであるが、早く読まなきゃね。黒岩涙香が進まないんだよね。

予期せぬ埋葬 B・J・オリファント 教養文庫 これでM7。ちなみに残りはA・J・オード『隣人殺し』『ポーズする死体』B・J・オリファント『藪のなかの白骨』D・M・ディヴァイン『こわされた少年』ジョン・ハーヴェイ 『カッティング・エッジ』『オフ・マイナー』G・リンスコット『推定殺人』です。
鳥姫伝 バリー・ヒューガード 早川FT文庫 世界幻想文学大賞受賞。
d人形愛 四谷シモン 美術出版社 これは最初の版の初版なので、一応手持ちが改訂新版ならそのまま持っておくことにしよう。しかしブックオフに売っているかね。この本が。
クビキリサイクル 西尾維新 講談社ノベルス なんとなく読んでみたいな、と思っていたので。でも、いつ読めるのだろう。
星体遊戯 吉田良一 新書館 これは良い収穫でした。最初の少女人形写真集ですね。皆川博子さんの単行本の表紙を飾った人形の写真もあるし。とにかく嬉しいことは嬉しいけど、四谷シモンといい、人形ファンが手放したのかな?なんだか勿体無いなあ。ま、これで天野可淡でもあれば完璧なんですがね。
内宇宙への旅 倉阪鬼一郎 徳間デュアル文庫 初のSFかな?とてもストレートなタイトル。巻末参考図書の西東三鬼が倉阪さんらしい。
ラーゼフォン 神林長平 徳間デュアル文庫 一応ノベライゼーションなんだぁ。知らんかった。
呪海 平谷美樹 カッパノベルス ぼくは1冊しか読んでいませんが、期待している若手SF作家さんの長編ホラー。で、デビュー作の「エンデュミオン エンデュミオン」を読んだとき、クライマックスのシーンを読んでこの人はホラーを書けそうだなと思ったのだが、これはホラー。タイトルも良いし、期待。後書きを読むとホラーは結構お好きのようですね。
カッパでは他に朝松健の一休さんがノベルスに出世したが、懐が寂しいのでまた今度。マクロイは地元の2軒の本屋にはありませんでした。売り切れちゃったのかなあ。

買った本でたくさん書いたので、今日はこれでお終い。

(今日買った本:8冊 今月買った本:71冊 今年買った本:1372冊)

9月22日(日)

本日も用事につき1ページも本が読めなかった。
でも出かけたついでには買い物をするのであった。

読了本や当面読まなさそうな本を実家に持っていったが、減らんなあ。獣道健在。
何か持ってこようかと思いみつくろったが、雨降りだし、家がせまくなるだけなのでやめておく。今ある本を片付けるのが先決。

イグニッション ケヴィン・J・アンダースン&ダグ・ビースン 早川書房
2001年のサラリーマン 畑山博 平凡社 旺文社文庫の元版。
牙王城の殺劇 霞流一 富士見ミステリー文庫
ブラザーズ ウィリアム・ゴールドマン 早川NV文庫 実はここしばらく「マラソンマン」を探しているのだが、そんな中で見つける。「マラソンマン」の続編だとぉ。全然しらなかったなぁ。
呪われた街の怖い話 平山夢明 ハルキホラー文庫
ハルビン・カフェ 打海文三 角川書店

感想はまだ書いていないのが1冊あるけれども、ネタなしに備えて温存。
届いている本も少しくあり。

さて読みかけの本を読了しなくては。

(今日買った本:6冊 今月買った本:63冊 今年買った本:1364冊)

9月21日(土)

用事があって外出。久々にたくさん買い物をしてみる。
d先生をとりかえて 三田村信行 フレーベル館 ひゃあ、持っているとは思わなかった。
血 結城信孝編 三天書房 他で読める作品がほとんどなのでちょっと残念。
異端審問 テリー・プラチェット 鳥影社 おお、こんな邦訳が出ていたのか。前にまとめて買ったときからさらに邦訳されていたんだね。
陋巷に在り12 酒見賢一 新潮社 1と12
d内なるネコ バローズ 河出書房新社 やはり持っていたか・・。
d87分署グラフィティ 直井明 六興出版 買った気がしたんだよな。
d斃れぬ命 林巧 角川書店 持っている気がしたんだよね。とほほ。
湾岸リベンジャー 戸梶圭太 祥伝社
あたしの嫌いな私の声 成井豊 主婦の友社
d三人関係 多和田葉子 講談社 某葉山さんに押し付けるつもりである。
廃墟霊の記憶 角川ホラー文庫
アルファベット荘事件 北山猛邦 白泉社My文庫
増補図鑑の博物誌 荒俣宏 集英社文庫 持っている可能性高し。元版も持っているかもしれない。
夜はわが友 E・D・ホック 創元推理文庫
心地よく秘密めいたところ P・S・ビークル 創元推理文庫 そういえば文庫版は持っていない気がしてきました。
妖鳥 山田正紀 幻冬舎ノベルス
東京難民殺人ネットワーク 村上政彦 ハルキノベルス
長靴をはいた犬 山田正紀 講談社ノベルス 本当に持っていないのかなぁ。でも神曲法廷を持っているかどうかがすごく気になっています。
自殺サークル 山下定 エニックスノベルス
奇跡審問官アーサー 柄刀一 講談社ノベルス
猫探偵正太郎の冒険 柴田よしき カッパノベルス
鬼火 横溝正史 出版芸術社
水辺の通り魔 本岡類 角川書店
十三の黒い椅子 倉阪鬼一郎 講談社
dアイス・ベイビー 式貴士 CBSソニー出版 本はちょっと傷んでいるけれど、帯が嬉しい。
赤目四十八瀧心中未遂 車谷長吉 文藝春秋

いやあ、全盛期に比べれば少ないのだけど、それでもひさびさにたくさん買いました。でもダブリが多いなぁ。
本は1ページも読めず。
西武は負けたのに優勝するし。

(今日買った本:26冊 今月買った本:57冊 今年買った本:1358冊)

9月20日(金)

本の感想を。
紅と蒼の恐怖 ノンノベル
書き下ろしホラー小説集。雑誌掲載の小説を集めたものは文庫で何冊かでていたけれど、今度は書き下ろしで新書で登場。各編感想。
「毒殺」柴田よしき 自分が毒殺されているのではないかと恐れる女。ミステリー風で最後は怪奇小説。意外な真相もミステリー作家らしく手馴れた感じで読ませる。
「心の眼鏡」北川歩実 嘘を見抜く機械「サイグラス」。これを昔騙されているばかりの知人に売りつけた男は、その男に機械を使って逆襲される。ややSF的なアイディアを小道具にしたミステリー。これも結末に意外性を用意してまずまず読ませる作品ではあるが、ホラー小説とは言えないと思う。
「UM」黒武洋 転校生のいじめられっ子は転校早々、事件に見舞われる。額に大きな真円のあざができたのだ。それはまるで第三の眼のようである。それをもとにいじめられる彼であるが、周りの状況は徐々に変化し始める。昔から「黒い変身」などで扱われた変身テーマの変形で、人間の差別心等の心の暗い部分を浮き彫りにする。発想的には目新しさは無く堅実なものであるが、子供を登場人物することで生臭さが薄れ、最後の一文も説教臭くなることをまぬがれている。佳作。
「砲丸の人」森青花 生真面目な夫が始めた趣味。それは砲丸の収集であった。コレクションは増え、次第に熱気を帯びてくる。本書では一番楽しめた、というかいままで読んだ短編としても上位にランクしそうなくらい気に入った。最後のカタストロフィは、まんがのようでとても面白い。個人的な希望としては血はみせずにユーモアの方向に振ってほしかったが、それではこの本には入らなくなってしまうので難しいところだ。収集癖のある人はぜひこの短編だけでも読んでみてください。傑作。
「ドキュメント・ロード」牧野修 貧乏AV撮影隊が部隊として選んだのは、街道中の場末の食堂であった。しかしそこで遭遇したのは世にも怪奇な食堂である。どことなくサイケなモンスターもので、旅で訪れる幽霊屋敷ものの現代版という感じか。どうしようもなく不気味なホラーで嬉しくなる。ラブクラフトの直系と言っても良いかもしれない。佳作。
「盧薈」小川勝巳 男は女という生き物が嫌いだった。しかしある日ベランダに現れた少女に心が惹かれるものを感じた。少女は女ではなかった。しかし時間が経つにつれ少女は女になっていった。これはホラーではなくミステリーである。最後もスーパーナチュラルに持っていけそうだったのに、結局著者はミステリー作家であった。
「嗜虐」五十嵐貴久 紹介欄には野心作とあるが、どこが野心作なのか理解できない。著者にもポルノが書けると言うことを言いたかったのか?長々と続くポルノ小説まがいの作品で、たどりついた結末も特にどうということは無く、凡作としか言えない。
「分析不能」倉阪鬼一郎 テレビに出演する人気の美人精神科医が誘拐された。神隠しをテーマに著者らしい飄々としたユーモアが漂わせた怪奇小説。ただそのユーモアと恐怖描写が馴染んでいるかというと、今ひとつかもしれない。
「蝕む影」菊地秀行 藩に期待された若い男が一族を惨殺し出奔した。討手に任命されそれを追う友人。その真相は?本書中唯一の時代小説。かねがね不思議に思うのは、日本の作家は何故ベテランになるとみな時代小説に手を染めるのだろうかということ。読者側も若いうちはあまり読まなくても、年をとるにつれ時代小説に手をつけるようになるような気がする。アメリカ人が西部劇を好きなように結局日本人は時代小説がすきなのだろうね。閑話休題。著者はソノラマでデビューして以来早くから時代小説に手を染めているが、時代小説と言えば伝奇という感じで、この作品も立派な伝奇時代小説となっている。巻末に収録されていることからもわかるように、短い枚数ながらも安定感抜群の貫禄の出来栄えで、さすがである。
 結論としては、中にはホラーか?と思うような作品も散見されるものの総じて楽しめる競作集であった。自分は森青花と黒武洋を読めるだけでも本書の価値があると思う。


今日のおまけ
ddサンダーバード1号  くまかかかか。
草原のマルコ 今のところダブリなし。

かろうじて本屋が開いていたので買い物。デュアル文庫は見当たらない。
スパイダー パトリック・マグラア 早川epi文庫 後書きを読んで「閉鎖病棟」を買っていないことに気づく。こりゃいかん。品切れになる前に早く買わなきゃ。
クトゥルー12 青心社文庫 うーん。11って買っていない気がする。もしかすると10も買っていないかも。読んだのは1だけだけど。

ライオンズ優勝はお預け。

(今日買った本:2冊 今月買った本:31冊 今年買った本:1332冊)

9月19日(木)

びっくりしたことに小林文庫オーナーや桜さんにまでくだらない自分のネタに反応していただきました。申し訳無いやら恥ずかしいやら。

「本格ミステリファン度調査」をやってみました。ぼくは13作品でした。なんだか縁起が悪いじゃんか。(積読はよくわかりません)
ぼくは元来熱心なミステリファンという訳ではないのだが、予想通り少ない。買っている数なら負けないかもしれないけどさ。まあだからと言ってもっと読まなきゃとかいう気概があるわけぢゃないのですけれど。ぼくはマイペースで読みたいと思う本を読んでいくだけなのであります。
それにしてもずいぶん新しい作品が多いですねぇ。なんだか人気投票みたい。

玩具菓子館は本日は休館日です。

感想を書く元気もありません。

あいかわらず本屋にはいけません。何か新刊が出ているのでしょうか?
っと、安田ママさんのところに日影丈吉全集入荷ですか。これは国書刊行会のサイトに直接申し込もうかな。送料かからないみたいだし。

(今日買った本:0冊 今月買った本:29冊 今年買った本:1330冊)

9月18日(水)

昨日に続いて今日も本屋が開いている時間には帰れなかったのでコンビニで買い物。
サンダーバード4号ゲット。おまけでマルコとフィオリーナをゲット。
仕方が無いのでサイト名を「玩具菓子館」に変えようか。

もう少し遅くまで本屋が開いていればいいのだが、さすがに日付が変わってまで本屋に行きたいと思うバカは俺くらいなのだろう。

さようならインディオス 石塚京助 読了。
この本も検索すると、yahooブックスショッピングの品切れと自分のサイトしか出てこない。そういうことはままあるのだけど、人とは感覚が違うのか、世の中には本がたくさんあるということなのか。そんなに古い本じゃないのにね。

年をとったワニの話 レオポルド・ショヴォー 福音館書店
ショヴォー氏とルノー君のお話集全5巻の第一巻。表題作のほかに「ノコギリザメとトンカチザメの話」「メンドリとアヒルの話」「おとなしいカメの話」を収録。このうち「ノコギリザメ」は幼稚園の頃絵本で読んだのを鮮明に覚えている。幼稚園の頃呼んだ話でストーリーまで鮮明に覚えているのはこれと「チビクロサンボ」古田足日の「ロボットカミイ」だけなので、きっと好きだったのだろう。フランスのエスプリの効いた、残酷味とエロティシズム(深読みすればだけど)の香りが漂う童話集。以下簡単な内容紹介。
「ノコギリザメとトンカチザメ」二匹のサメの(トンカチザメは正式にはシュモク(撞木)ザメ)悪漢を描いたピカレスクロマン。名うての悪漢の二匹は持って生まれた武器を使って遊び半分で生き物を殺すわ、船と見ると船底に穴をあけ人間を溺死させるわで悪事のし放題。さて悪漢を追うのは真っ二つにされて殺された子どもの仇を撃とうと世界をまたに駆けて二匹を追う、母親鯨だ。
「メンドリとアヒルの話」メンドリとアヒルの放浪譚。飼い主の籠から抜け出した二羽は、生き残りをかけさまよう。釣り人に釣られたり、ネズミに目玉をくりぬかれたりもう大変。そうこうしているうちにメンドリは生んだ卵が孵って、一夜明ければ子沢山。教育熱心なメンドリはアヒルに頼んでわが息子たちを泳げるように鍛えようとするが半分が溺れ死んでしまう。そうなればしかたがない。こんどはこうのとりに頼んでひよこに空を飛ばせようともくろんだ。残りのひよこの命運は?そして二羽の命運は?黒い笑いに満ちたサバイバルアドベンチャー。
「年をとったワニの話」何百年も生きている年寄りワニ。彼はピラミッドが作られた頃から生きている。耄碌してまともなえさが手に入らない彼は、しかたがないのでひ孫をひと呑み。一族郎党から追われた彼は旅へ出た。そこで会ったのは12本の足を持つタコ。彼はタコを愛してしまう。しかし愛のあまり、タコの足がうまそうに見えてきた。そしてワニは「1本ならいいかな?」と食べてしまう。次の日タコは気づかない。次の日も我慢ができずワニは「もう1本ならいいかな?」と・・。しかしそれでもワニはタコを愛していた。タコとワニの命がけの愛を描いたフレンチロマン。
「おとなしいカメの話」昔カメは甲羅がなかった。そしてカメはリスを愛していた。何故カメはリスを愛し、家庭(甲羅)を持つにいたったかを描く、愛欲ドラマ。
とまあ、ちょっと脚色してますが大体こんな話です。子どもが読んでも面白いと思いますが、大人が読んでもやっぱり面白いです。フランス人はひねくれてますねえ。こういう童話をたくさん読んで育ったら子どももひねくれちゃうかもしれない。
なお本書は著者のショヴォー氏が息子のルノー君にお話をするという形式をとっており息子は実在の人物なのですが、この童話集が出版されるはるか前の第一次世界大戦中に、医者であった著者は戦時中の他に医者のいない状況で虫垂炎の息子を手術し、死なせてしまっているそうです。このような童話集の影にはそんな悲しい出来事があるのですね。
国書刊行会から一部が復刊されただけで長らく絶版でしたが、今年になって創刊された福音館文庫から復刊が始まっていますので、興味をもたれた方はどうぞ。


ああ、疲れた。

読書は奥田さんが翻訳された「終りのないブルーズ」を選択。はじまったばかりだけど、1ページ19行で約600ページ。読みでがあるなあ。


(今日買った本:0冊 今月買った本:29冊 今年買った本:1330冊)

9月17日(火)

昨日は買わなかったサンダーバードだが、今日買ってペネロープ号をゲット。4勝2敗。ジェットモグラとサンダーバード4号はやっぱり欲しいな。
さらにお菓子メーカーの術中にはまり、世界名作劇場を見つけたので買ってみる。ザリガニ釣りのラスカルをゲット。
泥沼にはまってきたような気がしております。

カエルの死 夢枕獏 光風社出版
タイポグラフィックという手法がある。文字が機能として本来持っている意味説明的な文章表現と、文字のグラフィカルな配列での視覚的表現という二重の表現を重ねあわせて、画面を構成するという手法だ。自分がタイポグラフィックに始めて触れたのはベスターの「虎よ!虎よ!」であったと思うが、正直こういう手法があるのかと驚いたのを記憶している。原書がどうなっているのかは知らないが、そのページがかもし出す宇宙の描写にはかなり圧倒されたものだ。
さて本書はタイポグラフィックだけで構成された破格の本である。それも説明的な部分を極力廃し、文字単体のもつ意味やデザイン等も積極的に取り込んだパズル的な要素も含んだ実験的作品群である。収録作16編ほどのうち一部はコバルト文庫で読んでいるが、さすがにこれだけ集まるとなかなか壮観。ほとんどは「奇想天外」「絶体絶命」に発表されたもののようだが、写植屋さんはさだめし地獄であろう。著者は「タイポグラフィクション」という造語でこの作品集を総括しているが、これだけたくさんの作品を集めて出版するのは確かに類例を探すのは難しいのではないかと思われる。こればっかりはあらすじを説明するのは不可能な、文字通り字で書いたマンガなので、機会があったら手にとって見ることをお勧めします。
なお本書中のベストは「ある交配」。ある意味謎解きミステリーです。


読書は石塚京助の「さよならインディオス」を選択。まだ途中だけど、思ったより普通である。

(今日買った本:0冊 今月買った本:29冊 今年買った本:1330冊)

9月16日(月)

「年をとったワニの話」読了。
「紅と蒼の恐怖」読了。感想は数日後に書くと思いますが、森青花がすごく面白かった。収集癖のある人はきっと楽しめるでしょう。

オトコ独身 樹下太郎 グリーンアロー出版社

著者後年のサラリーマン小説。といっても主人公は脱サラならぬ休サラをした中原。ばりばりに働いて出世街道を突き進んでいた彼だが、家庭を顧みない夫に愛想を尽かした妻に絶縁状を叩きつけられ、退職金を手に仕事も何もかもなげだして悠悠自適の生活に入った。先行き不安もあるけれど、そこはオトコ独身でなんとかなるさの心意気、昔見初めた初恋の月下美人をまぶたに浮かべ、雪見町へと移り住む。これが不思議ともてもてで、あれやこれやで楽しい出来事、さてどうなるかオトコ独身。
昨日の矢崎麗夜が女性向願望充足小説だとすれば、こちらは男性向け願望充足小説。古いタイプの小説であることは重々承知の上でもサラリーマンなら快哉を叫ぶんじゃなかろうか。源氏鶏太などもそうなのかもしれないが、思えばこのようなタイプの小説は最近ではとんと見かけない気がするので、かえって新鮮である。もっとも自分が年をとっただけなのかもしれないという可能性は否定できないが、それは考えないことにしよう。何も考えずに読める小説を求める向きにはお勧め。


新・探偵物語 小鷹信光 幻冬舎文庫
獣王伝 夢枕獏 みき書房
エクスタシー アーヴィン・ウォルシュ 青山出版社
最悪のはじまり レモニー・スニケット 草思社
レッド 今野敏 文藝春秋
十八の夏 光原百合 双葉社
幻想建築術 篠田真由美 祥伝社
ジャーロ 



まだ買いたいというか、買い逃している新刊多いんだよね。伊島りすと、竹本健治、多和田葉子。クーンツも出たし、キングも出てる。シモンズも何冊か買っていないし。そんなに買っても読めないんだけどね。

(今日買った本:8冊 今月買った本:29冊 今年買った本:1330冊)

9月15日(日)

今日の買い物。
魔道師の虹(上)(下)
オイディプス症候群 笠井潔 光文社
石の中の蜘蛛 浅暮光文 集英社

「オトコ独身」樹下太郎「カエルの死」夢枕獏 読了。
読んでいるのは「年をとったワニの話」レオポルド・ショヴォー。

素敵な恋をしてみたい 矢崎麗夜 扶桑社

テレビドラマの原案を元にした4編「嘘つきルージュ」「サザン・ウインド」「再会」「アイ・アム・ア・ガール」とオリジナルの2編「時の砂」「48時間の魔法」計6編収録。基本的には女性向の恋愛テーマの願望充足小説であり、それ以上でもそれ以下でもない。著者のファン以外は読む価値はあまり無いと思うのだが、「時の砂」だけは一風変わったホラー小説で異彩をはなっているので、これだけは個人的には気に入った。
まあ恋愛小説集に収録されたホラーに喜ぶのも、違うような気がするけれども。


今日もサンダーバードを買った。
dジェットブルドーザー
まだ出ないのが、サンダーバード4号、ペネロープ号、ジェットモグラ、ヘリジェット。サンダーバード1号はダブってしまった。
5回買って2個ダブリと言うのは確率的にどうなんでしょうね。
パーカーは出たのだけど・・。また明日も買っちゃうんだろうな。まんまとお菓子メーカーの策略にはまっている私です。ところでラムネをつけるのは何か商品登録上の意味があるのでしょうか?往年のライダースナックみたいにヘビーじゃないからいいんですけどね。ライダースナックはそんなに食べられないもの。ところで安田ママさんのところで「世界名作劇場」の存在を知り、ラスカルが欲しくなっているのでした。近所には売っていないので良かったような、悪かったような。

コンビニと言えば、普段見ない本のコーナーを見ると、「TPボン」@Aがあったので、思わず買ってしまう。マンガなので購入冊数には入れませんけどね。藤子不二雄だけには弱いんですわ。他にも復刊ドットコムで出た藤子不二雄Aランドも置いてあった。コンビニあなどりがたし。藤子不二雄Aランドについては購入を迷っている。藤子不二雄Fだったら、迷わず買いなんだけど。

(今日買った本:4冊 今月買った本:21冊 今年買った本:1322冊)

9月14日(土)

旅行後に本屋にもまともに寄れない連日のハードワークが重なってぐったり。寝てすごす。来週もハードワークの予定なのでおとなしく過ごすことにする。でも夜になってから起きだして本屋へ。

秘神界 現代編 朝松健監修 創元推理文庫 2冊で1600ページの巨大アンソロジー。その厚さに圧倒される。
秘神界 歴史編 朝松健監修 創元推理文庫 紀田順一郎のクトゥルー譚収録。
キネマキネマ 井上雅彦監修 光文社文庫
小説ウルトラマン 金城哲夫 ちくま文庫 ウルトラシリーズフリークとしてはとても嬉しい本。内田百闖W成(全12)と尾崎翠集成(全2)が出るらしい。「リトルドリット」も復刊。この前全集版を買ったのでちょっと残念だが、4冊買うと5000円なのでまあいいか。
超短編アンソロジー 本間佑編 ちくま文庫

厚いアンソロジーが多いのだけど、文庫5冊で5000円を越えてしまうのは複雑な気分ではある。

最近MORIWAKIさんの日記を見ているが、ミステリー中心かと思いきや、ブルトンや荒俣宏の名前も出てきて少し意外。もっとも普通はミステリーばかりに関心があるわけじゃないのは当然なんだけど。

(今日買った本:5冊 今月買った本:17冊 今年買った本:1318冊)

9月13日(金)

さすがに日付が変わってまでの仕事はつらい。
本の感想を書きます。

田紳有楽/空気頭 藤枝静男 講談社文藝文庫
異能の私小説作家の代表作2編を収録。前者を最初に知ったのはもう20年も前になろうか。筒井康隆の「みだれ撃ち涜書ノート」であった。ひどく面白そうですぐに文庫を買った。それ以来埋もれさせていたものだ。これはその後、文藝文庫から復刊された版にあたる。
空気頭 構成が入れ子構造になっており、最初のどう読んでも私小説のところから、突然ですます調の部分に入る。そこもある意味私小説的なのであるが、かなりデフォルメされた『私』であり、比類の無い糞尿譚にもなっている。『私』と『もうひとりの私』が描かれる異色の実験的私小説。
田紳有楽 登場人物は語り手の私と、庭になげこまれた茶碗たち。抹茶茶碗は地下や川を通って日本全国を新幹線並に移動するかと思えば丹波焼き茶碗はUFOのように空を飛ぶ。またグイ呑みは金魚と交わって子どもを作ってしまう。私は磯碌億山という古物商であるが、実は五十六億七千万年後の復活を前に世間の様子を見に来た弥勒菩薩だったりする。このような登場人物たちが笛や太鼓で祝祭を繰り広げる。著者晩年の飄々としたユーモア漂う異色作で、いってみればほら話といった風情であろう。
私小説と言うと著者が「空気頭」の冒頭で著者が書いているように「自分の考えや生活を一分一厘もゆがめることなく写し取る」というものであるという理解であった。したがって身辺雑記や随筆との区別はどこにあるのだろうか、という意識が強くフィクション(小説)であるという必然性はどこにあるのかという思いもあった。しかし本書に含まれる作品は「空気頭」は私小説の限界を超えようとする実験的な精神が感じられ、「田紳有楽」は私小説と言う枠組みをはるかに超えている。(というか私小説では全然無いといったほうが正解である)
白樺派や私小説というと拒否したくなる人や、変な小説が好きな人には強くお勧めする所以である。


(今日買った本:0冊 今月買った本:12冊 今年買った本:1313冊)

9月12日(木)

「素敵な恋をしてみたい」矢崎麗夜 読了。
続いて樹下太郎の「オトコ独身」を読むことにする。

葉山さん「赤いカラス」ありがとうございます。これで石塚京助揃いました。

フクさんの書かれている「ミステリ系読書サイト平均的運営者像」には6つあてはまるようです。
もっとも自分ではミステリ系とは思っておりませんが。

ネタが無いので他人のふんどしで相撲をとってばかりですが、平均的ネットの古本者像でも書いてみますか。
ただし今ちょっと思いついただけなので何の根拠もありません。

  (1)古本屋を回るのは10〜15回/月程度(ようは2、3日に1回のペース)
  (2)月に読む本の8割は古本
  (3)新刊で刊行される定価の高い本は「あとで古本で探そうかな?」と考えがち。
  (4)毎日チェックするネット古本屋がある。
  (5)人の家や古本屋に行くと本棚に並ぶ本を見て感想を言う。(あー帯があるー、とかこれ異装版じゃん、とか)
  (6)家族より仕事より古本市の初日に並ぶほうが大事。
  (7)オフ会に参加すると古本の交換から入る
  (8)MYSCONに参加して古本オークションで本を買ったことがある
  (9)本の購入は古本中心ではあるが、新刊書店も時々利用している
  (10)新刊で買う際に、古本屋で売っていなさそうなものを優先することがある。

これぢゃあきっと全然平均的な項目じゃないでしょうね。
あと考えたのは「月に3桁本を買ってしまう」とか「家に獣道がある」とか「どうしても読みたい本がある時は、自分の本の在りかがわからないので、持っている本であってもつい古本屋で買ってしまう」とか考えたのですが、これは異常値ですかな。

ところでぽかぽかさんのところで『現在では、このうち『怪盗レトン』と『ペテン師まかり通る』は容易に読めますね。』とありますが
容易に読めるのでしょうか?

(今日買った本:0冊 今月買った本:12冊 今年買った本:1313冊)

9月11日(水)

久々に読んだ海外SFの感想を書きたいと思います。でもこの本、南国のバーに置き去りにしたので、ストーリーや登場人物を振り返ることができません。ですので、印象批評に終始したいと思います。

ニューロマンサー ウィリアム・ギブスン 早川文庫SF
サイバーパンクの嚆矢となった著名な作品。自分は恥ずかしいから大きな声ではいえないのだけど、読むのは初めて。ストーリーは割合単純なのだけど、そこにガジェットがこれでもかというくらいあふれているので、頭の悪い自分にはとても読みずらく感じました。
結構、この作品を格好いいと評する人も多いように思うけど、その感覚は分かります。ファッショナブルなんですね。今では、ゲーム等の影響からか、サイバースペースと言う概念は珍しくもないものですが、この作品発表当時はSFにおける新しい舞台として注目されたのでしょう。
またさきほど書いたように、古い伝統的なスタイルを捨て、ガジェットをちりばめてファッショナブルに決めると言う小説スタイルも、手法として新しかったのかもしれません。スタイルも舞台も追随者が輩出し、一つのムーブメントとなったのは分かるように思います。
という当り障りのない感想を書いてみましたが、正直読むのがきつかったです。でも作品の持つエネルギーは感じましたので、いつか読み返してみたいと思わせる作品ではありました。

(今日買った本:0冊 今月買った本:12冊 今年買った本:1313冊)

9月10日(火)

買い物。
闇に刻まれた言葉 ジャック・オコネル ヴィレッジブックス
伝染病 アガタ・クリストフ 早川書房
DROPS ヤン・デ・ファンガー パロル舎
南国に日は落ちて マヌエル・プイグ 集英社

フクさん、お元気でしょうか?
かわらず日記を見ていていただいて恐縮でございます。

スリル 片瀬二郎 エニックスノベルス
それは「スリル」と呼ばれる都市伝説とも言うべき数年に一度行われると言う殺人ゲームである。参加者は最後に一人だけ生き残り、多額の報奨金を受け取ることになる。今回も5人の参加者が集まった。板東は雑誌編集者であるが、無能編集長へあてた納涼企画の怪談特集のため、このゲームに参加をすることにした。当然殺人ゲームなどという与太話は信じてはいない。しかしそれは恐ろしい殺人ゲームの始まりであった。
ENIXエンターテインメントホラー大賞作品。はっきりいって「スリル」というゲームのワンアイディアで勝負した作品で、単純な分筆力が要求されると思われるが、これがデビュー作の著者は充分期待に応えている。ただしサスペンスを重視しているためか、著者の関心は「スリル」というゲームそのものには無く、それが引き起こす状況を執拗に描いており、最終的な謎解きを含むミステリーチックな展開を期待する向きには少々はぐらかされた感じがするかもしれない。もちろんホラーであるから謎解きは必要条件では無いが、読了後冷静になると多少不自然なところも感じられるので、(もし背景的な部分も考察として存在していたのであれば)多少ともその正体を仄めかしてくれたらもっと余韻が残ったかもしれない。読み始める当初、一人が生き残ると言う殺人ゲーム、作品の厚さ等から「バトルロワイヤル」を連想したのだが、読んでみれば全く別のベクトルの作品であり、結論としてはちょっと厚いけれどもエンターテイメントとしては良く出来ていると思うので、気軽に楽しみたい向きにはまずまずお勧め。


「空気頭/田紳有楽」藤枝静男 読了。

(今日買った本:4冊 今月買った本:12冊 今年買った本:1313冊

9月9日(月)

そうそう、思い出しましたが1日に本を買っていたのでした。
左ききの名画 ロジャー・オームウッド 教養文庫 M8。気軽に集められる叢書は楽しいなあ。
密室レシピ 角川スニーカー文庫
ゼウス 大石英司 ノンノベル ちょっと探していたのですが、意外と見ませんでした。
赤ちゃんを探せ 青井夏海 東京創元社
神さまが降りてくる夏 飛火野耀 メディアワークス
たぶんdニューロマンサー ギブスン 早川文庫SF
d俺たちには今日がある ケンリック 角川文庫 気になって調べたところ「殺人はリビエラで」以外にも「リリアンと悪党ども」「マイ・フェア・レディーズ」「暗くなるまで待て」「上海サプライズ」「ネオン・タフ」を持っていない可能性が出てきましたので、これからぼちぼち探そうと思います。最初の2冊なんて昔持っていたのは確かなので、処分していなければ実家にある可能性はあるのですけど。「リビエラ」は以前スルーしてしまったのが効いてます。見かけなくなっちゃいました。

このうちニューロマンサーは読了したのでホテルのバーに置いてきました。今回も身のほど知らずにたくさん本を持っていったのですが(観光ではないので予定ではたくさん読めると思ったんだよ)、結局読了は2冊と言う体たらく。寝てばっかりいましたとさ。

今日は初日からヘビーな一日でしたが、久々に閉店間際の近所の新刊書店へ。
紅と蒼の恐怖 ノンノベル 書き下ろしホラーアンソロジーだそうです。

読了の感想は後回しということで。

さて、今日は趣向を変えておまけを。
茗荷丸さんのところのアンケートに答えようと思いつつ締め切りがすぎてしまったようなので、適当に自分で突っ込みをいれながら便乗してここで回答してみましょう。(ごめんね。茗荷丸さん)

【アンケート回答】
Q1:【新刊書店・古書店に行く日】の方が、行かない日より多い

そういう意味では買う日のほうが多いかもしれない。(調べるのも面倒なので確認はしませんが)
買うものが無い日は戸惑ってしまいます。

 Q2:【あとがきや解説】がある本は、まずそこから読む
   (この【あとがきや解説】には、ネタバレはないものとします)

そういう意味では買った本を開かないことが多いです。(特に古本)
えー、昔はあとがきや解説を先に読んでましたけれど、最近では読んでいる途中でぱらぱら見ることが多いようです。

Q3:【読書記録】をつけている

そういう意味では高校時代から20年以上つけていますが、昔のは一言感想なので内容を思い出す手がかりにはなりません。
(ただし最近では自分のサイトにアップしている長目の感想を見ても思い出せないことがありますけど)

Q4:【蔵書目録】を作っている

そういう意味では自分のサイトが開設以来の蔵書目録になっています。買って帰ってからHPビルダーで検索してダブリかどうかをチェックします。(それじゃ遅いんだけど)

Q5:『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』『匣の中の失楽』のいわゆる【四大ミステリ】を、3冊以上読んでいる

そういう意味では「匣」だけ読んでますね。理由は処女作だから。中井英夫は作品集の後の巻に入っているから読んでいません。

Q6:ハヤカワ・ポケット・ミステリ(通称【ポケミス】)を20冊以上所持している

そういう意味では100冊は越えていると思いますが全数は把握できません。きっと200冊〜300冊程度かな?ちなみにSFシリーズは150冊くらいかな?

Q7:新刊書店・古書店でくれる【ブックカバー】を使用する

そういう意味では買ったときについているものは使用します。でも平積みにすると何の本だかさっぱりわからないんだよね。

Q8:リサイクル系古書店で良く使われている【値札シール】を購入後剥がす

そういう意味では昔は律儀にはがしていた時代もありました。今はもう不可能です。文房具屋で売っている値札はがしが便利。

Q9:昨年(2001)一年間に【読んだ本の合計】は、120冊を越えている

そういう意味では120冊ぴったり。今年はペースは良いです。

Q10:現在【積読にしている本】の数は、2ケタ以内である

そういう意味では5桁はかたい。2本はいっていないと思うけど・・。当然一生かかっても読みきれないことはいうまでもありません。

Q11:一軒の新刊書店で一度に10冊以上本を買ったことがある

そういう意味ではあると思うとしか言いようがありませんね。新刊書店に車では行きませんので手で持って帰れない量はほとんど買いません。もっとも八重洲ブックセンターとかで送りにしたことはありますが。

Q12:一軒の古書店で一度に15冊以上本を買ったことがある

え?それって普通じゃないの?一番多かったのはわかりませんが大ロマン全集揃が65冊だから多いかも。

Q13:新刊書店で一冊1万円以上する本を買ったことがある

そういう意味では全集本好きなのでそれなりにあります。最近では高い本はネット書店で買うことが多いです。重いし。
一番高かったのは何だろう、1冊で言うと法政大学出版局のユートピア小説アンソロジーでしょうか?普通は個人では買わないだろう本です。

Q14:古書店・オークション等で、一冊2万円以上する古本を買ったことがある

そういう意味では渋沢龍彦訳のフィニーの画集が一番高いかもしれない。次は富ノ澤燐太郎集かな?

Q15:新刊書店で、買うのがキツいのはどちら?(成年コミック、少女マンガ)

そういう意味では買うときには何も考えていませんので特にきついと言うことは無いですが、あえて言えば少女マンガ。

さて、この回答で私は真っ当な市井の小市民と言えるのでしょうか?

今度はちゃんと納期を守ってアンケートに答えますね。>茗荷丸さん

(今日買った本:8冊 今月買った本:8冊 今年買った本:1309冊)

9月2日(月)〜9月8日(日)

南の島へ旅行中でした。特にコメントはしませんが、リフレッシュできました。
旅行中に読んだ本は
スリル 片瀬二郎 エニックス
ニューロマンサー ギブスン
でした。

今読んでいるのは藤枝静男の「空気頭/田紳有楽」です。



(今日買った本:0冊 今月買った本:0冊 今年買った本:1301冊)

9月1日(日)

先月読んだ本の感想を書いておきましょう。

杖術師夢幻帳 昆飛雄 富士見ファンタジア文庫
第八回ファンタジア長編小説大賞準入選作品。夢想流杖術の開祖、夢想権之助を主人公に宮本武蔵やその他実在の人物を配して、鹿島神社を舞台にした忍者たちとの抗争を描いた物語。忍者の描き方は山田忍法帖を踏襲。最後のカタストロフィーではじめて大掛かりな伝奇的な要素をあらわにするが、そこまではファンタジー的な要素は意外に少ない。この点は富士見ファンタジア文庫に似つかわしくないと言えば言えるのであるが、基本的には小説としてかなり面白く、言葉の選び方でいかにもヤングアダルトという雑なところはあるものの、かなりの力作であることは確かであり、ぼくは買いたい。風呂敷を広げた後のたたみ方も、こじんまりとして無難では在るもののうまく収めている。時代小説として読むには余りにも思考が現代人であるとかいう点はあるけれども、もとよりこれはファンタジーであるから、それは問題なかろう。
それよりも本作が絶版であり、その後も著者の本が出ていないようなのが残念である。


ここでお知らせ。
明日から9月8日ごろまで事情により更新をお休みします。
またのお越しをお待ちしております。

(今日買った本:0冊 今月買った本:0冊 今年買った本:1301冊)