買書日記(3月)   掲示板 

3月31日(木)

最終日だからあたりまえのように飲み会。今年はちょっと激しい。
開封本。

ミラベルの数の書 ジェイムズ・メリル 書肆山田 とても読めそうも無い難しそうな詩。前作「イーフレイムの書」もあるけど、これも読む自信なし。

(今日買った本:1冊 今月買った本:114冊 今年買った本:389冊)

3月30日(水)

飲み会。

刑事コロンボのDVDBOXを買ったのだけどもうどこも売り切れみたいですね。他にもいくつか予約とか購入したものとかあってDVD買いすぎ。したがって本は買えない状態。

(今日買った本:0冊 今月買った本:113冊 今年買った本:388冊)

3月29日(火)

近所の本屋が改装されていたので行ってみる。ディスプレイの関係で広く見えるが、実際の面積がかわったかどうか不明。倉庫を売り場に組み入れた気もする。どんくさい本屋だったけど、ずいぶん小奇麗になったな。

神狩り 山田正紀 早川文庫JA
20年ちょっとぶりの再読。やはり完全には覚えていなかった。特にラストが記憶と違っていた。昔読んだときは「この先」を描いていなかったことが不満だったのだが、今読むと「その先」を描かなかったことが妥当な選択であることを強く感じる。SF作家としては書きたい気持ちもあったのかもしれないが、それを故意に抑えた(と思える)のはクレバーな選択であるといえよう。これを20歳ちょっとの駆け出しの作家が書いていたと思うと驚きを禁じえない佳作。主に「神狩り2」を読むためもあった再読だが、はてさて続編?はどうなっていることやら。
昔読んだときは「弥勒戦争」の方が面白かった(その先を描いているように思ったのだ)ので、そちらも再読しようと思う。


(今日買った本:0冊 今月買った本:113冊 今年買った本:388冊)

3月28日(月)

飲み会。期末は何かと飲む機会が多いが、今年は組織変更が大きく、自分も変わるため飲み会の連続である。

星の運命(上)(下) ミカエル・ロスナー 扶桑社ミステリー
ローカス賞の候補にもなっているようなので、SF系統の作品かと思いきや、歴史ロマンスの趣が強い。まあ里中満智子の表紙からしてもそんな感じなのだが。異世界の生物が出てこないことも無いのだが、添え物程度で物語の中に必然的・有機的に関係してくるわけでもない。多くの登場人物が実在の人物なので、この時代を知っている人はもっと楽しめるのかもしれないが、あいにく自分はあまり知らなかったので、そういう楽しみ方はできなかった。悪い作品とは思わないが、趣味ではなかったということだ。


(今日買った本:0冊 今月買った本:113冊 今年買った本:388冊)

3月27日(日)

新刊購入。今月はこれでおしまい。
SFマガジン 5月号 短編はニール・ゲイマンが嬉しいね。といっても読まないと思うが。溢れかえる雑誌を読むのは永遠の課題だ。
ミステリマガジン5月号 ミステリマガジンってほとんどの場合読むのって書評くらいなんだよね。書き下ろしで岡野薫子の短編が載っている。児童文学作家だったと思うのだが珍しい。
反対進化 エドモンド・ハミルトン 創元SF文庫 初訳が3編。
影のオンブリア パトリシア・A・マキリップ 早川文庫FT 傑作といわれている<イルスの竪琴>もぴんとこなかったんだよね。
冷たい肌 アルベール・サンチェス・ピニョル 中央公論社 解説でラブクラフトなんて言葉が出てくると買っちゃうよね。
燐めく闇 井上雅彦 光文社 凝った造本で嬉しいが定価が高い。
さよならの空 朱川湊人 角川書店
骨肉 明野照葉 中央公論新社 あいかわらず新刊購入を続ける。短編しか読んだことないけど。
ロシアン・ルーレット 山田正紀 集英社 「すばる」連載。
とっても不幸な幸運 畠中恵 双葉社 「小説推理」連載。

ミュシャ展に行く。死ぬほど混んでいる。やはり日本人好みだからかなとは思うけど、それにしても混みすぎ。展覧会自体はちょっと珍しい作品もあって満足。また10年後くらいにやるかな?
ミュシャ展図録購入。

そういえば18日には「デュシャン展」に行っていたのに書くのを忘れていた。図録も買わなかったからな。

(今日買った本:11冊 今月買った本:113冊 今年買った本:388冊)

3月26日(土)

届いている本を開封。
お母さんの恋人 伊井直行 講談社
甲賀の子天狗 宮崎敦 朝日ソノラマ 箱欠
ジョン・ブラウンの死体 E・C・R・ロラック 国書刊行会
トレント乗り出す E・C・ベントリー 国書刊行会
海外ミステリー作家事典 森英俊 光文社文庫
フランス文学夜話 窪田般彌 青土社
トラウマ ダリオ・アルジェント ABC出版
静岡の民話 武田静澄・吉田知子 角川書店 日本の伝説の30巻。吉田知子が書いているので欲しかったのだ。

(今日買った本:8冊 今月買った本:102冊 今年買った本:377冊)

3月25日(金)

1週間行っていなかったので本屋に行きたかったが、そうもいかずまた飲み会。

ねらわれた街 あさのあつこ 講談社青い鳥文庫
現在も続いているテレパシー少女「蘭」事件ノートの1作目。惹句ではSFミステリーとあるが、イメージとしては「SFジュブナイル」という表現がぴったりの懐かしい味わい。キャラクターも造形が良く、特に興奮すると大阪弁になる美少女の翠が秀逸。テーマは少し重いけれども、それも欠点ではない。大人向けの小説の基準で考えれば瑕疵をあげることはできるが、それは必ずしも子供向けの作品には当てはめることはできないし、してはいけないことだ。読者はあくまでも子供たちなのである。そういう意味で子供は楽しめると思うし(今までシリーズが続いていることが何よりの証拠だろう)、大人が読んでも気軽に楽しめるところはさすがだと思う

(今日買った本:0冊 今月買った本:94冊 今年買った本:369冊)

3月24日(木)

異動の季節でもあり期末でもありなので毎日のように飲み会である。
論創社はまた3冊でましたね。つらいなあ。

(今日買った本:0冊 今月買った本:94冊 今年買った本:369冊)

3月23日(水)

カズオ・イシグロの新作はSFのようである。早川書房が翻訳出してくれないものか。

雷電本紀 飯島和一 河出文庫
伝説の相撲取り、雷電をキーにして江戸のある時代を切り取った力作。当初考えていたような雷電中心に伝記的なストーリーになるのかと思ったが、必ずしもそうではないところが面白い。もっとも考えてみれば、武士等は文字として(本当かどうかは別として)ある程度の資料はあるのだろうが、一般民衆の歴史など、周辺の資料から想像するしかないわけで、そこは逆に言うと作者の腕の見せ所にもなるわけだ。そういう意味で著者の当時生きていたであろう人々へのまなざしは暖かく、江戸時代に生きていたであろう人々を活写する腕は確かなものだ。じっくりと読むに足る傑作。なお雷電が書き残した日記は現在も復刻刊行されているようだ。少し興味あり。


(今日買った本:0冊 今月買った本:94冊 今年買った本:369冊)

3月21日(月)〜3月22日(火)

去年の3月から1年ぶりの有給休暇をとって温泉旅行。理由は家人の誕生日である。行ったのは去年の5月末に訪れた伊豆の伊古奈という宿。今回はちょっと奮発して小さな露天がついている部屋だったので、なかなか快適。でも庭にある大きい露天には行きそびれてしまった。

帰る途中にリサイクル系の古本屋があったのでちょっと寄って見たが特に買う本はなし。

さと私 葉月幹人 新風舎
高原映理氏の別名義作品と知り、探していたもの。詩と言うより散文に近い。想像していた作品とはずいぶんと異なり、砂糖菓子のように甘い作品だ。女性には喜ばれるでありましょう。おじさんにはちょっと甘すぎるかもしれない。もっとも表面的にしか読んでいないので、もしかすると深い意味がこめられた作品なのかもしれませんが。高原氏の怪奇小説短編が薄い短編集1冊作れるくらいにたまっているような気がしますが、どこかで出してくれないものでしょうか。


(今日買った本:0冊 今月買った本:94冊 今年買った本:369冊)

3月20日(日)

ブースターケーブルを買ってきてバッテリーの上がってしまった二号車のエンジンをかけたりしていたら一日が終わってしまった。
読書は進んでおりません。

(今日買った本:0冊 今月買った本:94冊 今年買った本:369冊)

3月19日(土)

お墓参りのついでにブックオフ。
だぶりとか元版持っているとかいろいろだけど読むこと優先で拾っておく。
亡霊たちのフォークロア 石飛卓美 ジョイノベルス
ダブルダウン勘繰郎 西尾維新 講談社ノベルス
贋作遊戯 赤城毅 カッパノベルス
センチュリオン急襲作戦 陰山琢磨 ソノラマ文庫
淫獣の妖宴 P・J・ファーマー 光文社文庫
狂信者の黙示録(上)(下) ダグ・リチャードスン 創元推理文庫
氷の下の暗い顔 小松左京 角川文庫
アリア系銀河鉄道 柄刀一 光文社文庫
虹色の遷光 伏見健二 ハルキ文庫
ロボット 矢野徹 角川文庫
刑事 結城昌治 集英社文庫
蟻の革命 ベルナール・ウェルベル 角川文庫
怖い話と短い話 結城昌治 中公文庫
明日の明日の夢の果て 小松左京 角川文庫
ゴルディアスの結び目 小松左京 徳間文庫
わが愛の税務署 筒井康隆 徳間文庫

墓参りの時に多数の放射状の雲が夕日方向一点に向かって空一面に分散していたのでこれは地震雲じゃなかろうかとすごく気になった。そうしたら20日に九州で地震発生の報。関東と九州じゃ離れすぎているので無関係だと思いますが、30分くらいの間、奇妙な雰囲気が続いていたことは印象に残っています。(ちなみに雲は放射状から段々薄れていって次第にうろこ状に変化した。神奈川県は自衛隊や米軍機が空を飛ぶので飛行機雲は珍しくないのだが、あんなに規則的に一方向に向かって何本も放射状に雲ができるとは思えない) 墓参りで空を見なければ多分気がつかなかったのだけどね。

(今日買った本:17冊 今月買った本:94冊 今年買った本:369冊)

3月18日(金)

購入本、新刊。
ジャーロ 
ウルフタワーの掟 タニス・リー 産業編集センター
ライズ星の継ぎ人たち タニス・リー 産業編集センター
目にはみえない何か パトリシア・ハイスミス 河出書房新社
神狩り2 山田正紀 徳間書店
満月の人獣交渉史 三島浩司 徳間書店
終末の海 片理誠 徳間書店

(今日買った本:7冊 今月買った本:77冊 今年買った本:352冊)

3月17日(木)

4月から東京に勤務地が変わることになりました。ちょっとブルーかも。

ALL YOU NEED IS KILL 桜坂洋 集英社スーパーダッシュ文庫

神林長平の推薦文が帯についたSF。細かいところでは説明不足のためか?と思うところもあるけれど、出されたレーベルからすると非常に真っ当なSFでかえって戸惑うくらいだ。これがハヤカワ文庫で出されたとしても全く違和感はない仕上がり。ストーリーは基本的に単位時間の繰り返し現象に遭遇した少年兵を描いたミリタリーSFの趣だが、ほろ苦いラブストーリーも含んでおり(時間テーマには不可欠な要素かな?)、
秀逸。ライトノベルの読者以外のSF読者でも十分に楽しめると思う。

(今日買った本:0冊 今月買った本:70冊 今年買った本:345冊)

3月16日(水)

読み終わった桜坂洋の本が面白かったので他の本を買おうかと本屋に行くとあまりのアニメ絵表紙にひいてしまい結局買わずじまい。

届いている本。
うさと私 葉月幹人 新風舎 
救いの死 ミルワード・ケネディ 国書刊行会

(今日買った本:2冊 今月買った本:70冊 今年買った本:345冊)

3月15日(火)

買い物は1冊のみ。

物いう小箱 森銑三 講談社文藝文庫 「月夜車」(復刊)も「物いふ小箱」(筑摩書房)も持っているのだが(未読だけどな)増補されているようなので、購入して損はなさそう。

(今日買った本:1冊 今月買った本:68冊 今年買った本:343冊)

3月14日(月)

いつも不思議に思うのですが、朝パチンコ屋に行列を作っている人はパチンコを生業としているのでしょうか。

無名恐怖 ラムジー・キャンベル ブックスプラス
映画公開にあわせて突然翻訳されたホラー長編。基本ねたは最後までいまひとつ正体がはっきりしないカルト集団で、スーパーナチュラルな要素は低めに抑えられている。あまりストーリー的に効果があるとは思えないプロローグとか、全体構成的には少し難はあるけれど、トータルで見れば今読んでも古びていない面白いホラー長編と言えると思う。描写もとても視覚的であり映画化には適しているだろう。第一自分的には訳されただけでも喜ぶのが筋でしょうしね。最後はあれれアメリカ的に終わるのかなと思ったけれど、結局イギリス作家らしい幕の引き方でこれは良し。

(今日買った本:0冊 今月買った本:67冊 今年買った本:342冊)

3月13日(日)

くすのきに行く。ちょっと買いすぎた。読むために選んだ本もあるのでダブりもたくさんあるし。
神の子はみな踊る 田中啓文 集英社スパーファンタジー文庫
神の子は来たりて歌う 田中啓文 集英社スーパーファンタジー文庫 1,2,6,7
私が殺した少女 原ォ ハヤカワ文庫
天使たちの探偵 原ォ ハヤカワ文庫
ゴードンスミスの日本怪談集 荒俣宏編訳 角川書店
半村良短編集
戸川昌子短編集 この2冊は個人が雑誌の短編を切り抜いて1冊にまとめたもの。
喪中につき 結城昌治 角川書店
東北怪談の旅 山田野理夫 自由国民社
消滅の光輪(全3) 眉村卓 ハヤカワ文庫
使者 森内俊雄 角川文庫
翔ぶ影 森内俊雄 角川文庫
レモン月夜の宇宙船 野田昌宏 ハヤカワ文庫
机上の遭遇 小松左京 集英社文庫
穿 結城昌治 カッパノベルス
運河のある町 森万紀子 講談社
錬金術師の魔砲(上)(下) J・グレゴリイ・キイズ ハヤカワ文庫
見えない壁 光瀬龍 立風書房

(今日買った本:21冊 今月買った本:67冊 今年買った本:342冊)

3月12日(土)

高級日本酒をたくさん飲む。

puhipuhiさんから。
ビブリオテカ・プヒプヒ2『迷路』(モーリス・サンド)
ビブリオテカ・プヒプヒ3『伯林白昼夢』(フリードリヒ・フレクサ)

遥かなり幻の星 豊田有恒 角川文庫
宇宙塵に連載された著者の事実上の処女長編である。著者の作品を読むのは10年ぶりくらいかもしれないと思うほどひさしぶりだ。著者といえば邪馬台国やヤマトタケルを描いた作品が真っ先に思い浮かび、次に初期の歴史改変物が思い浮かぶ。本作は処女長編らしい小さいアイディアをぎゅうぎゅうに詰め込んで描いた連作形式に近い長編。とにかく読んでいて著者の熱気がいまでも伝わってくるような作品で、非常に好感が持てる。洗練されてるとはいいがたいごつごつとした文体なので決して読みやすいとはいえない
し、著者の作品にはもっと優れた作品がいくつもあると思うが、この熱気は埋もれさすにはちょっと惜しい。

(今日買った本:2冊 今月買った本:46冊 今年買った本:321冊)

3月11日(金)

新刊書店。10%オフにつき少し多めに購入。
ルーム 新津きよみ 角川ホラー文庫
新・本格推理05 二階堂黎人編 光文社文庫
蚊取湖殺人事件 泡坂妻夫 光文社文庫
闇夜に怪を語れば 東雅夫編 角川ホラー文庫
ブラッドタイド メルヴィン・バージェス 創元推理文庫
剣鬼喇嘛仏 山田風太郎 ちくま文庫
死小説 福澤徹三 幻冬舎
フライアーズ・パードン館の謎 フィリップ・マクドナルド 原書房
夜夢 柴田よしき 祥伝社
嫌な女を語る素敵な言葉 岩井志麻子 祥伝社

(今日買った本:10冊 今月買った本:44冊 今年買った本:319冊)

3月10日(木)

飲み会。

時空の旅 赤木かん子編 ポプラ社
まず収録作を書いておこう。午後の恐竜(星新一)、スピードのでる薬(H・G・ウェルズ)、大英博物館の盗賊(アーサー・C・クラーク)、時計のない村(小川未明)、血(フレドリック・ブラウン)、金星樹(佐藤史生)、トインビー・コンベクター(レイ・ブラッドベリ) の7編。ウェルズとクラーク(時間と空間の冒険から)はジュブナイル訳。最近では子供向けのこの手のアンソロジーをめっきり見なくなっていたので新鮮だし、嬉しい。コミックが入ることに異論もあるだろうけれど、今の子供たちには多分違和感はないだろう。ぜひ売れて欲しいものだ。
個々の作品については細かくここでは書かないが、読んだ作品も内容を忘れていたので純粋に楽しめたことを書いておこう。一応集中ベストは小川未明かな。本作を入れたところが編者の腕の見せ所ということもあるしね。なおコミックを読まないので佐藤史生は初読だが、予想外に面白かった。もっとも絵柄はやはり合わないけれども。


(今日買った本:0冊 今月買った本:34冊 今年買った本:309冊)

3月9日(水)

赤坂で中華食べて帰る。

センセイの鞄 川上弘美 平凡社
谷崎潤一郎賞受賞作品。著者の作品ははじめて読むが、微妙な距離感と空気を持った作品であった。読みやすく登場人物の造形もよろしい。枯れた恋愛小説としてなかなか心に沁みる作品だ。大声で称揚するようなタイプの作品ではないと思うが、そっと鞄の中にしまっておきたくなるような作品。生意気なようだが著者の作家としての実力を感じた
。大人読者には静に勧めたい。

(今日買った本:0冊 今月買った本:34冊 今年買った本:309冊)

3月8日(火)

私の優しくない先輩 日日日 碧天舎
鳴り物入り?でデビューした著者のデビュー作。(新風舎の文庫も同時期に刊行されたのでどっちが早いかは微妙だが) 店頭で見かけたときは既に二刷りであった。本作は文庫とは異なり、出版社の恋愛小説コンテストのラブストーリー大賞を受賞したもの。読んでいて似たものを感じたのは乙一だが、それよりは話のつくりが素直な感じがする。女子高校生の一人称も存外よく書けていて違和感はない。枚数的にも長すぎず、必要にして十分なものだ。展開は伏線もひいてありみえみえだけれど、それでも感動は誘われる。青田買いとライトノベルに耐性のある人には、お勧め。


本を購入。
比類なきジーブス P・G・ウドハウス 国書刊行会
砂漠の王国とクローンの少年 ナンシー・ファーマー DHC
蠱猫 化野燐 講談社ノベルス
トリポッド3 ジョン・ウィンダム ハヤカワ文庫
ゴースト館の謎 あさのあつこ 講談社青い鳥文庫

(今日買った本:5冊 今月買った本:34冊 今年買った本:309冊)

3月7日(月)

実際には全く実行していないのだが、再読も含め日本のSFを読みたい気分である。水見稜の「マインド・イーター」あたりが特に読み返したい。amazonとか見ると実家にあるのがわかっていても安いと注文したくなってしまう。
「私の優しくない先輩」は結構面白かったな。

獣たちの夜 押井守 富士見書房
吸血鬼テーマの小説。時代設定が1969年ごろの学生運動華やかなりしころで、帯によれば作者自身が主人公の高校生活動家に投影されているという。確かに押井守は1951年生まれのようだから、1969年といえば18歳になる計算である。このような作品背景を持っているので、紹介にあるような『ゴシックSFアクション』という要素は極めて低く、主人公の懊悩や日常を描くところにページ数の多くを費やしている。だから口絵にもなった重要人物である日本刀を持った少女も極めて淡白に描かれ、背景の一つにしか過ぎないような趣だ。このようにエンターテイメントとしてのバランスは欠けているといわざるを得ないのだが、著者のファンにはこれはこれで面白いのかもしれない。私自身としては、吸血鬼についての起源や成り立ちを語る終盤のところはSF的な発送で面白いし、ラストの突拍子も無い種明かしも良しとしますので、それなりに楽しんだといえましょう。アクションを期待するには不向き。著者のファン向け。

(今日買った本:0冊 今月買った本:29冊 今年買った本:304冊)

3月6日(日)

細々とでも届いた本を書いていきましょう。
いすとりえっと 河野多恵子 角川書店
山彦の家 ポウイス 筑摩書房 手持ちがカバ欠だったのでだぶり買い。
出かけたついでに何件かリサイクル系の古本屋を覗いたけれども特に買いたい本はなし。1件はつぶれてたし。最近とみに買いたい本が無いのだけど、どうしたことかな。別に楠田匡介とか鷲尾三郎の貸本を探しているわけでもなく、リサイクル系の本屋で見つかりそうな本で探している本も結構あるんですけどね。とみなが喜和とか田中啓文とか山田正紀とか。田中光二も無かったなあ。
これは新刊購入。
関西赤貧古本道 山本善行 新潮選書 結構前に出た新書だけどぱらぱら見て読みたくなったので買い。もう1冊「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」が紹介で面白そうだったので店頭でぱらぱら見たが、内容を見ると会計の本だったので、ちょっとぼくの期待からはずれていて見送り。

閘門の足跡 ロナルド・A・ノックス 新樹社
新樹社の本を読むのも初めてなら、ノックスの本を読むのも初めてである。テムズ川を舞台にした失踪劇。失踪は殺人か。保険屋探偵の推理が光る。
舞台は限定されているのだが、ミステリーとしての筋道はかなり錯綜している。描写も細かくイメージしづらいところもなくはない。でも多分、本格読みの人はこれを丹念に読み込んで最後にカタルシスを味わうのでしょう。それは私のような門外漢にも想像がつきます。それを証拠に解説の真田氏などは一部の欠点まで指摘していて、とても人間業とは思えません。ただストーリーとしてあまり動きがあるわけではないので、本格を読み得ない人には豚に真珠のような作品なのかもしれないとは思いました。ちなみに私は豚なので真珠だ真珠だと言い聞かせながら読みましたとさ。イギリスの川の風景はそれだけで雰囲気が良いものだし、決して読みにくくもないのですが、本格推理の苦手なぼくにはちょっとわかりにい本ではありました。


(今日買った本:3冊 今月買った本:29冊 今年買った本:304冊)

3月5日(土)

銀鯨作戦 PARTT PARTU田中新造 ダイヤモンド社
黄金の幻影都市@〜C タッド・ウィリアムズ ハヤカワ文庫SF
遥かなり幻の星 豊田有恒 角川文庫
狐と踊れ 神林長平 ハヤカワ文庫JA
敵は海賊・猫たちの饗宴 神林長平 ハヤカワ文庫JA
敵は海賊・海賊たちの憂鬱 神林長平 ハヤカワ文庫JA
敵は海賊・不敵な休暇 神林長平 ハヤカワ文庫JA
敵は海賊・海賊課の一日 神林長平 ハヤカワ文庫JA
ねらわれた街 あさのあつこ 講談社青い鳥文庫
闇からのささやき あさのあつこ 講談社青い鳥文庫
私の中に何かがいる あさのあつこ 講談社青い鳥文庫
時を超えるSOS あさのあつこ 講談社青い鳥文庫
髑髏は知っていた あさのあつこ 講談社青い鳥文庫
人面瘡は笑う あさのあつこ 講談社青い鳥文庫

あさのあつこは少なくとも半分は買っているはずだが面倒なので。神林長平は思いつき。敵は海賊が1冊足らないけど、再読もかねて。全部は読んでいないし、どうせ本は実家の腐海の底だし。豊田有恒も多分実家にあると思われる。これでこのままどこにいったかわからなくなったら最悪。
これも届け物。即開封。
ハードライフ フラン・オブライエン 国書刊行会 これはお待ちかね。記憶では文学の冒険の結構初期のころから刊行予定になっていたはずだ。オブライエンとしては邦訳されていなかった唯一の長編。ただし解説を読むとアイリッシュで書かれた別名義の長編があるらしい。うーむ。

(今日買った本:19冊 今月買った本:26冊 今年買った本:301冊)

3月4日(金)

こんな時期に雪が降るとはねえ。

yahooで落札した本が1冊届きました。開封していない本が山のようにある中で、これはすぐに開封。

世界の恐怖怪談 荒俣宏他 学研ユアコース 昔からすごく欲しかったもの。怪奇小説をダイジェストして編集した子供向けアンソロジー。元ねたは短編ばかりだが、大体イラスト入りで4ページ前後という豪腕ぶり。選ばれた作品は読んでいるのかもしれないが、覚えていない作品も多少含まれていて新鮮。次の次くらいに読もうかと思います。いやあ嬉しいな。

ちくま文庫の新刊予定では「明治探偵冒険小説」の内容が気になるのと(いずれにしても買いますけど)、驚いたのが「妖精の女王」全4巻で文庫で出ること。後者は分厚い単行本が実家にあるはずだが、スペンサーが文庫化とはあいかわらずなんでもありのちくま文庫だ。

(今日買った本:1冊 今月買った本:7冊 今年買った本:275冊)

3月3日(木)

買いものをしました。なんとなく買わなくても良かったかなあというものもありますけれど。
夢見るミノタウロス スティーブン・シェリル 角川書店
星の運命(上)(下) ミケル・ロスナー 扶桑社ミステリー 里中満智子表紙のロマンス小説にしか見えない。
死を招く料理店 ベルンハルト・ヤウマン 扶桑社ミステリー グラウザー賞受賞。
ラブクラフト全集7 創元推理文庫
銀河おさわがせドギー ロバート・アスプリン&ピーター・J・ヘック ハヤカワ文庫SF

(今日買った本:6冊 今月買った本:6冊 今年買った本:274冊)

3月2日(水)

忙しいというほどではないのだけれど、なんだかばたばたしておるな。

名探偵チビー 雨あがり美術館の謎 新庄節美 講談社
ジュビナイルミステリー。煽り文句としては「衆人環視の中、密室で消えた名画の謎!」といったところでしょうか。ちゃんと律儀に本格ミステリーの文法を守った小説で、その手の話が好きな人には面白いと思われます。ぼくには普通でした。トリックはチビーの前に解くことはできませんでしたけど、解明されてみればとてもわかりやすく、小学生にも十分理解できるものと思われます。本書は青い鳥文庫で再刊されましたが、残りが再刊されないのは、出してみたら意外に売れなかったということなのでしょうか。ちょっと残念ですね。


(今日買った本:0冊 今月買った本:0冊 今年買った本:268冊)

3月1日(火)

この前給料日かと思ったら、2月が終わってしまいました。いや早いこと。

春らしい背景にしてみました。内容的には別に明るい話題があるわけぢゃないんですが。
ヤフオクで昔から欲しかった本と、あるところで見て欲しいなと思っていた本を落札しました。前者はそれなりのお値段になっちまいましたが。後者は手に入るとは夢にも思っていませんでした。届いたら(開封したら)報告しましょ。

今期も転勤にはならずセーフ。引越しするかと思うとぞっとします。

東さんのブログを見てレオ・ペルッツの訳書が「第三の魔弾」以外にあるのを知ってびっくり。早速注文しました。幻想文学大系でまだ買っていないのは「第三の魔弾」だけだというのは秘密ですけど。(いつでも買えるからといいわけしておきます)

ロシア幻想小説の読み方 草野慶子 NHK出版
プーシキン「青銅の騎士」、ザミャーチン「われら」、ブルガーコフ「悪魔とマルガリータ」、ナールビコワ「ざわめきのささやき」の4編を取り上げて論じたラジオ講座のテキスト。簡単に言えばプーシキンは人工都市としてのペテルブルグとの関係を、ザミャーチンは風刺としての小説を、ブルガーコフは聖書との二重構造を、ナールビコワは文体の巧緻さを軸にして論じている。ナールビコワは知らなかったので持っていないが、他は全部持っているのにかかわらず未読という「幻想文学」を標榜しているサイトの管理人としてはお寒い限りですが、面白く読めましたし、読んでみようという気にもなりました。論じているところはやさしく書いているので基本的には十分理解できるものですが、多少わかりにくい(というか明快さに欠ける)部分もありました。でもこれは私が文学評論が苦手なせいで著者の責任ではないと思われます。ナールビコワは先日読んだ「虫の生活」と同じ叢書のようですので、買ってみようかと思います。文体に凝った作品は苦手なんで、理解できるかどうかは怪しいですけれども。

(今日買った本:0冊 今月買った本:0冊 今年買った本:268冊)