買書日記(10月)   掲示板 

10月29日(土)

ようやく順列都市を読了。SFを読んだ気がしました。

北斎展を見に行く。
かなり初期のものから大量の作品が展示されている。やはり晩年の肉筆画は素晴らしいの一言。繊細な線と鮮やかな色使い。個人的には花鳥風月が好みである。西洋に影響を与えたのも当然というところか。宗教画から発展していったと思う西洋画にはこのような色彩感覚は無かっただろうし、版画を別にすると輪郭線という技法も西洋画は色の濃淡で輪郭をとるので、やはり浮世絵独特のものだろう。本展覧会に展示される作品の多くが海外の未術館所蔵であることからも伺えるが、明治時代以降西洋に多く作品が流れてしまったのは返す返すも残念である。しかしそれだけ浮世絵が世界にとって衝撃だったことの傍証にもなることだし、このような機会に多くの作品が見られることを素直に喜びたい。

明日はミステリマガジンとSFマガジンを買出しにいかなくては。

『真夜中の手紙 小池壮彦 学研』
ショート怪談とルポをミックスした本。私自身は著者の魅力を既存の実話怪談とは一線を画す、実証的な探求態度と冷静な視線と思っている。本書に関して言えばルポに関してはその視線が貫かれておりあいかわらずの面白さなのだが、一般からの投書等を基にしたという短い実話怪談に関しては、著者の姿がほとんど見えず、聞き書きの実話怪談と変わらないものになってしまっているため、正直言ってあまり面白くない。枚数が少ないせいもあると思うが、全体から言えばちょっと物足りない印象が残った。


10月28日(金)

気になる新刊本。
しっぽでごめんね  白倉由美著 角川書店・11月25日・2,100円  読んだことはないが気になっている作家。
夢のカルテ  高野和明著/阪上仁志著 角川書店・11月30日・1,575円 2冊読んだけどどちらも面白かったし、乱歩賞作家のわりには意外とスーパナチュラルの要素を盛り込むの好きなようなので買い。これもその手の本みたい。
なつかしく謎めいて  アーシュラ・K・ル・グウィン著/谷垣暁美訳 河出書房新社・11月10日・1,680円 SFのような感じだ。
暗礁  黒川博行著 幻冬舎・10月25日・1,955円 ハードボイルドのようだ。この人の本も読まなきゃね。買おうかどうしたものか。
おまかせハウスの人々  菅浩江著 講談社・11月05日・1,680円 SF作品集らしい。嬉しい。
怪盗ルパン カーの復讐  二階堂黎人著 講談社・11月25日・2,100円 これは買わないかも。
EDS緊急推理解決院  新世紀「謎」倶楽部編 光文社・11月18日・1,365円 ジャーロ連載かな。
痛いひと  明野照葉著 光文社・11月18日・1,365円 高野和明もそうだが、この人も新刊買い対象。これは買い。短編集のようだが、初めてではないだろか。
不作法なストラップ  松尾由美著 光文社・11月18日・1,890円 これもジャーロかしら。
左手の記憶  新津きよみ著 出版芸術社・11月中旬・1,575円 ふしぎ文学館なのだろか。
鬼の末裔  三橋一夫著 出版芸術社・11月中旬・2,520円 説明不要。
一週間のしごと  永嶋恵美著 東京創元社・11月下旬・1,890円 買ったことすらないけれど、東京創元社だからなあ。
イノチガケ 安吾探偵控  野崎六助著 東京創元社・11月中旬・1,995円 前作は買ったっけ。
落下する緑 永見緋太郎の事件簿  田中啓文著 東京創元社・11月下旬・1,890円 買いだけどミステリーズ連載ということだからな。
ポイズン(上)  クリス・ウッディング著/渡辺庸子訳 東京創元社・11月下旬・1,995円 これも買っちゃうんだろうな。
SF Japan 2005 WINTER  SF Japan編集部編 徳間書店・11月18日・1,575円 ずいぶん間隔が空いた気がする。
螺旋宮(仮)  安東能明著 徳間書店・11月18日・1,995円 この人もスーパーナチュラル系を書くんだよね。
ブーの国  明川哲也著 文藝春秋・11月下旬・1,680円 これも気になる本。
ブルーノ・シュルツ全小説  ブルーノ・シュルツ著 平凡社・11月10日・1,995円 全集を持っているので買わないけどこれは全集の創作編を再刊したものだろう。ちょっと複雑かも。
紅無威おとめ組 かるわざ小喋  米村圭伍著 幻冬舎・10月25日
凍りのくじら  辻村深月著 講談社・11月07日・1,040円
回想・回転扉の三島由紀夫  堂本正樹著 文藝春秋・11月18日・725円
千里眼事件  長山靖生著 平凡社・11月10日・756円 
勉強してはいけません  横田順彌著/池田八惠子画 講談社・11月15日
13のショック  リチャード・マシスン著/吉田誠一訳 早川書房・11月上旬・2,100円
一角獣・多角獣  シオドア・スタージョン著/小笠原豊樹訳 早川書房・11月上旬・2,100円
黄泉からの旅人  レイ・ブラッドベリ著/日暮雅通訳 藝春秋・11月下旬・2,600円 

イベントやらなんやらあって「順列都市」はまだ下巻の途中。
マリーンズが優勝したりといろいろありました。


10月23日(日)

横浜で本の買出し。なぜ横浜かというとルミネは5%オフになるのである。

玉響荘のユーウツ 福田栄一 トクマノベルス
セリヌンティウスの舟 石持浅海 カッパノベルス 結局買ってしまった。薄いですね。もうちょっと定価が安いといいのに。
I LOVE YOU 祥伝社 書店のPOPに本書に収録された中田永一なる作家が乙一と書いてあったけど本当なのだろうか。そうだとすると読みたい作家が半分を超えるので買ってみた。とりあえず次回に買おうと思って見送ったけど、祥伝社文庫からは山田正紀や浅暮三文氏らが短編を寄せているアンソロジーが出ていた。
虹の獄、桜の獄 竹本健治 河出書房新社 ほとんどがEQ掲載の短編のため迷ったが建石修志画伯の美しい装丁と挿絵では買わねばなるまい。
丑三つ時から夜明けまで 大倉崇裕 光文社 これまた「創元推理」と「ジャーロ」掲載だからな。
ネクロポリス(上)(下) 恩田陸 朝日新聞社 これはデフォルト買い。これまた美しい装丁だ。
妖怪紳士 都筑道夫 本の雑誌社 これもデフォルト買い。「妖怪紳士」に未収録の第二部があるとは思いませんでした。貴重です。
さまよえる天使 柾悟郎 光文社 予想外に刊行された短編集(なのかな?)。
あの日にドライブ 荻原浩 光文社 これは期待大。
魔王 伊坂幸太郎 講談社 これは「エソラ」に一挙掲載された長編だったので正直迷った。面白いことは確かなんだろうけど。
腹話術師 三橋一夫 出版芸術社 これは今年最も嬉しい企画本でした。同じ日下さんの仕事ですが都筑道夫の集成より嬉しいです。何年か前にどこかに『三橋一夫まぼろし部落全集』と『城昌幸掌編小説全集』が出るといいなあ等と勝手なことを書いたことがあったような気がするのだが、前者が本当に出てしまうとは驚きを禁じえない。後者がちくま文庫だけで止まってしまい、「ノスタルジア」増補版が出ていないのは残念。三橋一夫と城昌幸とどっちが売れるかは微妙だけれど、三橋完結の暁にはあらためて城昌幸集成を出してもらえないかしら。「死人に口なし」「美貌術師」「みすてりい」「ノスタルジア」あたりを肝にして拾遺集を増補すれば5冊くらいあれば全部まとまるのかな。でも戦前の作品が多いから埋もれた作品を探すのは難しそうだし、その冊数ではかなり出版が難しそうだけど。

全部でほぼ2万円近い出費。経済的には厳しい。やはり新刊購入基準には見直しが必要だな。多分、今日買ったうちの何冊かは読まないうちに文庫がでるか、絶版になるか一生読まないかだろうと思われる。老後の楽しみなどといっても老後なんかもうすぐ先かもしれないのだよ。老眼で読めないかもしれないし、地震で全てを失うかもしれない。今読めるのもを読まなくては。(といつも思うのだが実際にはなかなか)
国書刊行会のレムとラファティはまだのよう。ウッドハウスは出ていたけど、直接購入の予定。懲りないね。

イーガンの「順列都市」は上巻の2/3ほど。SFを読んでいるという実感がありますね。

DVDは昨日途中で眠くなってやめたTAKENの5話の続きだけ見る。
買い物リストで疲れたので駄文の感想はまた明日以降。(たまるばっかりだ)

そういやモーターショーでGTRのプロトタイプが出ていた。2007年発売らしい。うーむ。いままで買った本がなかったとすれば買えたかもね。


10月22日(土)

『ザ・スカーフ ロバート・ブロック 新樹社』
邦訳が出たばかりのブロックの処女長編。ブロックというと世間的には「サイコ」なのだろうが、私自身は怪奇短編が好きだ。それは別に長編の出来が悪いというわけではなく、単に好みの問題である。ただ、全部を読んだわけはないのだが長編はホラーの要素もあるものの、基本的にはサイコスリラーのようなミステリー小説の体裁をとっているものが多いような気がする。
本書もまさにその系統であり、「サイコ」ほどホラーにふっていないスリラー小説である。殺人を犯しながらのし上がっていく主人公を描く本書はさながら悪漢小説の赴きさえある。確かに少年時代のトラウマ等(当時は革新なのかもしれないが現代では)お決まりの主人公のルーツや、それに伴うスカーフへの執着もあり、サイコスリラーとしても成立しているとは思うのだが、さほど強烈なものではなく、そのあたりは「サイコ」への準備段階という気がする。
したがって今読むとサイコスリラーとしてはおとなしく、それなりに面白く読めるとはいえ、公平に見てことさら翻訳される意味は無いように思える。ただし私も含めてブロックファンには嬉しい貴重な邦訳であるのは間違いない。二度と再刊されるとは思えないので、ファンの人は買っておきましょう。

あと小池壮彦とギルバートの感想を書きます。今はイーガンを読みはじめました。

事情により『猿の軍団』を中断して『TAKEN』を見たが、4話の途中でくじける。10話15時間は長いなあ。面白いけどこの手の話は食傷している。


10月20日(木)

本屋に寄ると欲しい本がたくさん出ていた。 残念ながら三橋一夫はなかったけれど竹本健治、恩田陸、荻原浩、都筑道夫は買わなければならない。大倉崇裕と伊坂幸太郎は手持ちの雑誌で読めそうなので迷う。歌野晶午に関しては、書き下ろしが100ページくらいあるのだが祥伝社の薄い文庫2冊を合本したものなのでこれも迷うところ。
新書版では石持浅海と福田栄一が面白そう。

ネットで見たのは創元からまたラムレイの翻訳が出るらしいこと。すごく嬉しいのだが、反面あいかわらずものすごく売れなさそうな気がして心配にもなる。でもこれに懲りずにどんどん邦訳を出して欲しいものである。

あとは作品社からは予定されている国枝史郎とフーリエ「愛の新世界」だろうか。前者には「先駆者の道」が収録されているし、後者は一部の人には待望の全訳でしょう。澁澤龍彦文学館で巖谷國士氏が抄訳をして以来ですね。

うひゃ、たっくんさんが柄刀一を買われている。私のは書評ではなく駄文です。面白くなかったらごめんなさい。

ギルバートの「空高く」を読んでいますがなかなか進みません。2日連続で飲み会で午前様だからな。


10月16日(日)

なし崩し的に昨日の回転寿司にまた行ってしまった。

若島正さんのHPに新版異色作家短編集の最後3巻のアンソロジーの内容が発表されている。収録される作家もSF作家、ミステリ作家、怪奇小説作家、純文学?と幅が広い。アメリカ編ではロバート・クーヴァー、ベン・ヘクトあたり、イギリス編ではボンフィリオリ、メトカーフ、ハーヴェイ、バージェスあたり、世界編ではジャン・レイ、レイモン・クノー、トンマーゾ・ランドルフィ、カサーレス、キローガ、シンガー、マコーマックあたりが美味しそうかな。特に世界編は英米に偏っていたこの手の作品集としてはありがたい。さすがに知らない作家も何人かいたりするけれど。
ただ、プロの若島氏がどう思われているかわからないけれど、元版当時はともかく今となっては何でもかんでも<異色作家>のくくりに入れるのは個人的にはちょっとしっくりこない。特定のジャンルで認められている、特に日本で知られている作家をその括りに含めるのは抵抗が無くもない。それに30年前とは扱うテーマも境界があいまいになっているというのが事実だと思うし。それこそ『浸透と拡散』というやつ。<奇想小説>なら結構限定してイメージできるけれど、異色作家と言われても、そうじゃないものとの区別が良くわからないのだ。もっともマイナーな作家のどちらかというと実験性が強かったり奇想だったり、怪奇幻想やブラックユーモア系統だったりする小説を括るには商業的に便利な表現なのかもしれないけれど。
まあ好みの作品系統だし楽しめればそれで良いんですけどね。うるさいやね。

『アリア系銀河鉄道 柄刀一 光文社文庫』
不思議の国のアリスにインスパイアされた作品をはじめとしてクイズのような謎解きを小説の肝に据えた作品を集めたもの。『言語と密室のコンポジション』はその中でも最も刺激的で、言った言葉が現実になる世界を舞台にしたもの。言語に淫したような謎解きにはうならされる。二作目以降はだんだん舞台が突飛でも謎解き自体は普通になったてきたなと感じながら読み進め、特に表題作では最後のパラドックスを無視したような甘い結末はSFファンとしてはいただけないと思ったのだが、あとがきを読んで著者の術中にはまっていたのを思い知った。見返したときに浮かび上がる全体を貫く仕掛けは途中から思いついたのかもしれないが、変なミステリー好きには十分勧められるだけの面白さを秘めている作品。いまさらながら著者の作品ははじめて読んだのだが、他の作品も楽しみになった。


10月15日(土)

どうも本の感想で更新が滞ってしまいます。

家の近所にできたぐるめ亭という回転寿司。まだ神奈川に5件展開しているだけのチェーンだが、店内に水槽もあり、活あじを食べたらその場でさばいて寿司にしてくれる。他のネタも良いし、乾いてしまうのを嫌うのか、あまり回転させずに板さんに直接オーダーすることがほとんど。これなら普通のすし屋のカウンターとあまり変わらない。さすがに値段は通常の回転寿司より高いが、125円からあるので安く済まそうと思えばできないこともない。今までの回転寿司の概念からかけ離れた味でした。場所が限定されてしまいますが、回転寿司はどうもという寿司好きの人は、機会があれば一度足を運んでみることをお勧めします。ちなみに寿司は大好きでも回転寿司は行きたがらない家人ですが、ここは築地玉寿司の食べ放題よりおいしいとのことでまた行きたいと言ってました。
http://www.gurume-tei.com/index.php

『ゴーディーサンディー 照下土竜 徳間書店』
第六回日本SF新人賞受賞作。1982年生まれという若いデビューである。押井守の世界に似ているような評言を聞いたように思うが、確かにガジェット満載で世界を構築しておりダウナーな世界観は似ているかもしれない。キャラクターはややひねくってあるが、その分ストーリーは結構ストレートなラブストーリーだったりする。擬態臓器によるテロというのはなかなか秀逸なアイディアだと思うし、ストーリー構成上にも必然性があって完成度が高い。前に読んだ第五回佳作の北國浩二は面白かったもののSFから離れていくんじゃないかという危惧を感じたが、この人は書いていってくれそうな気がする。ややアニメチックなところもあるが、次作に期待が持てる新人のデビュー作である。
なお、本編の前日譚とも言える短編が併録されているが、これもある意味悲恋の物語だったりする。

珍しく古本屋で下記の2冊を買う。
すぐそこの遠い場所 クラフト・エヴィング商會 晶文社
クラウド・コレクター 筑摩書房
どちらもちくま文庫で再刊されたものは新刊で買ったが、写真等かなりの違いがあるようなので元版も購入しておく。

小川一水の「こちら郵政省特配課」と「アマリアロードストーリー」を探しておりますが、無いですね。(ってほとんど古本屋行っていないのですが)
一日ブックオフ回れば見つかりそうなんですけど、どちらも前に見たときに買っておけばよかったな。


10月10日(月) 目の日。

いわいさんのところで知った日経のエンタ!検定をやってみる。結構わからないものが多くてあてずっぽうもあったけど、結果は50点でエンタの凡人。
『ジャンル別にみると、「書籍」が好きですね。「音楽」は平均的に知っています。「映画」「テレビ」「芸能」にはあまり興味がないようです。 』
いやいやその通り。もっとも映画やテレビも特定のジャンルとかは興味や知識は多少あるのですが、世間一般で取りざたされることにはあまり興味ないですからね。特にテレビや芸能には全く興味がありませんし、人の話についていこうとも、ついていきたいとも思いません。ああ、だからオタクなのだろうか。
ちなみに映画8点、テレビ7点、音楽10点、書籍17点、芸能8点でした。スポーツとかはテレビに入っていたようです。でも書籍とかでもベストセラーになったというだけで全く興味の無い分野は良くわかりませんけどね。

『メリーゴーランド 荻原浩 新潮社』
前に読んだ「神様から一言」がサラリーマン小説だとすればこちらは「公務員小説」。自殺者がでるほどヘビーな民間企業の仕事を辞め故郷へ帰り、公務員へ転職した主人公。
そこには民間企業と比較してあまりにも落差のある毎日が待っていた。ギャップの激しさに疑問を持ちながらも、公務員としての毎日に埋没した生活を送ってしまう主人公だが、
第三セクターとして開業以来赤字経営を続けているレジャー施設のリニューアルを推進する対策室に配属され、だんだんやる気が出てくる。しかしそこにもお役所体質とも言うべき厚い壁が立ちはだかっていた。
まずはお役所の描き方が秀逸。こちらが先入観として思っているようなイメージを思う存分増幅させていて、普通のサラリーマンであればふつふつと怒りがこみ上げてくること必定だ。
正直なところ、これが公務員の実態だとすると慄然とせざるを得ないのだが、まさかこれはデフォルメだろう。いや、そう思いたい。そうだと言ってくれ。
キャラクターの書き方も感情移入をしやすく、反乱を起こす主人公をつい応援したくなってくる。終盤に展開される政治に関する風刺もなかなか皮肉が利いていて面白いストーリー的にはラストシーンも含めて読んでいるうちに概ね想像がついてしまうのだが、これはストーリーの意外性で読ませる小説ではないので問題なかろう。
前に読んだ「神様から一言」もそうで、読む人の経験により多少面白さが変わるかもしれないが、少なくとも自分には相当面白かった。ある意味では、現代のサラリーマン小説と言えるかもしれない。
お勧め。


10月9日(日)

一日家にいて本を読んだりDVDを見たり。DVDはチャーリーズエンジェル(TV版)を見ていました。個人的には「600万ドルの男」が好きなんですがDVDは出ていませんね。まあチャーリーズエンジェルもDVD化されているのはファーストシーズンの一部なんですがね。好きな人以外は大事に持って何度も見るようなものではないと思いますが、それなりに楽しめました。

届いた本を1冊紹介しましょう。
タイムましん 川島ゆぞ ユニバース出版 数年前にある方から存在を聞いて探していたものです。刊行は1997年ですからそんなに古いものではないのですが、インターネットで検索しても著者の紹介欄くらいしかひっかかってきません。もしかすると自費出版かもしれません。収録されているのは宇宙塵とかヌルに掲載されたSF短編です。もっとも川島ゆぞと言っても知っている人はあまりいないかもしれませんね。本屋で見ないのでbk1ででも買おうと思っているのですが、去年新風舎から長編SFミステリー?を出されたようです。嬉しい買い物でした。

さすがに西武が勝つことは無いだろうと思ったし、今年の成績ではプレーオフに出るのもおこがましいような気もしていた。いずれにしてもマリーンズのフロントとかファンを見ていると、自然と応援したい気持ちにはなる。ホークスも良いチームだけど、今年はマリーンズを応援しよう。マリーンズは球団、フロントががんばることによってファンとの一体感が強まっている。また、それに選手が加わってきているので、モチベーションがどんどん上がってきていることだろう。このチームは今後もっと強くなっていく可能性があるし、楽しみにも思っている。ライオンズも最近面白みの無いチームになってきているのでクラウンライター以来28年のファン暦を捨てて鞍替えするか?


10月8日(土)

渋谷に出向いてブックファーストで買い物。とりあえず重いのでダールとかミステリーズ!とか買わなかったのになんだかずいぶんな金額になってしまった。

悪魔の口笛 高木彬光 ポプラ文庫 続刊が期待される。もちろん高木や横溝以外も出して欲しいけど、ちょっと無理か。
啓示空間 アレステア・レナルズ ハヤカワ文庫SF 1000ページ以上ある文庫本。なぜ上下巻にしなかったんでしょうか。謎である。
魑魅魍魎列島 東雅夫編 小学館文庫 石上玄一郎なんか入っている。
ブルースカイ 桜庭一樹 ハヤカワ文庫JA この表紙なら大熊さんも買えるかな?
サルバドールの復活(上)(下) ジェレミー・ドロンフィールド 創元推理文庫 「飛蝗の農場」(読んでないけど)の著者
太陽ぎらい 小泉喜美子 出版芸術社 著者は全部持っているのでボーナストラックの無いアンソロジーはきついのだが、迷った末購入。
恐怖の審問 ポール・ギャリコ 新樹社 なぜか文学コーナーに平積み。
ザ・スカーフ ロバート・ブロック 新樹社
ストップ・プレス マイクル・イネス 国書刊行会 あと何冊か買いもらしのあるシリーズだが、これも迷った末購入。論創社のイネスは先週も今週もなし。論創社はとうとう未購入が9冊になってしまった。まとめ買いはきついなあ。

『復讐執行人 大石圭 角川ホラー文庫』
妻子を見知らぬ男から殺された平凡な男が、その犯人に復讐しようとする話である。
ストーリーについてはほぼストレートで意外性の無い展開であり、サイコホラーやホラーを書いてきた著者にしては逆に意外かもしれない。最後の決着のつけ方もノーマルな印象を強めている。視点については、あとがきで今回ははじめて被害者の視点から書いたとしているがそのことによってかえって著者の特徴が薄れてしまい、ストレートなプロットとあいまって平凡な印象を強めてしまっているのではないだろうか。登場人物はまるきり記号のようで、半村良の後だから余計に感じるのかもしれないけれど、ノベライズのような味気なさを感じる。
この人は文藝賞出身で数作買いてからホラー作家に移行したと思っているが、多作のせいか、映画がらみがあるせいか、個人的には残念ながら最近の作に強い魅力を感じることが少ない。実際にはコンスタントに新刊で買っているし、今回読むのは2冊目だけれど、なんとなくそのように感じてしまう。他のホラーの好きな人の評価はどうなのだろうか。

荻原浩読了。


10月7日(金)

早くも2日あきました。9月10月はどうしても飲み会が多くなります。今週は4日間飲んでました。今日だけ休み。肝臓にもチェックが入ってしまったのであまり飲めないはずなのにね。

まだ8時だったので会社の近くの本屋による。買おうと思っていた本は概ねあったのだが、国書のイネスが無かったためとりあえず見送り。買うときはがっつり買いたいのだ。といってもそろそろ海外ミステリについては見送らないと厳しいかなあとも思っている。もともとそれほど得意分野というわけではないし、とても読んでいる時間が無い、というか本を読む時間もあるのだが、読める限界以上に本を買っているから、もっと読みたい本が読めなくなってしまいそうだからだ。ホラーとSFはあまり買わないようにしようとか思わないのだけど。

『獣人伝説 半村良 角川文庫』半村良の本を読んだのはひさしぶり。予想より伝奇としての飛躍度が高く、たっぷりと半村節を楽しめた。私自身は「石の血脈」や「産霊山秘録」ほどではないにしても、総合的に見てエンターテイメントとして良くできた作品だと思った。後年の作品は読んだことがないのだが、本作あたりは油の乗っている時代だから当然かもしれない。
ところで、ふと思ったのだが、第一世代のSF作家が書いたものは、なぜだかそれぞれの独特の雰囲気が読む先からしみこんでくるように感じられますねえ。どこか懐かしいような、安心するような、それでいてちょっと古いような匂い。これは最近の新しめの小説では残念ながら感じられません。なんにしても角川文庫の日本SFで育ったような自分にとっては原点回帰のような安心感があります。

大石圭を読み終わり、荻原浩へ。



10月4日(火)

会社の近くの本屋に寄って見たが、ギャリコもブロックもイネスも売っていない。ダールが出ていたが、これはまとめて買おうかな。
それにしても『血と薔薇』が文庫になるとは世も末、もとい良い時代になったもの。企画が通ったこと自体驚きだが、いままで澁澤の文庫が培ってきた営業成績があったればこそなのだろう。まあ3号(正確には4号)雑誌だからな。たかが知れてるかも。復刻版でも当然のごとく出なかったし、やっぱり4号は幻になっちゃうね。執筆陣が総入れ替えの続刊を認めるかどうかは別として。

半村良の「獣人伝説」を読了。気力があれば明日触れよう。

「さらば宇宙戦艦ヤマト」も「ザンボット3」もたしかに特攻精神ですね。特にヤマトは。どっちも中学生ながら感動したものです。もっとも今考えると、特にヤマトはあざとさを感じます。
ま、それ以上に「さらば〜」を見に行ったときに映画館で財布を落としたのが一番の痛恨の記憶として残っておりますけどね。
ちなみに「さらば〜」はずいぶん見ていませんが、「ザンボット3」はDVDを購入して20年ぶりくらいに見直しました。やっぱり最後の3話は良いですね。作画的には作画監督を置いていなかったせいもあってか全般的に不調で、金田伊功が参加していない回とそれ以外のギャップが激しいのですが。
『ダイターン3』も購入してあるのでそのうち見るつもり。それにしても最初の「ガンダム」はなぜDVDが出ないのでしょうか。以降の続編は見たことがありませんが、この前衛星放送で最初の映画3部作をやっていて懐かしくて見入ってしまいました。出せばそれなりに売れると思うのですがね。富野は「ダンバイン」までしか見ていませんが、その辺まではもう一回みたいな。特に「ザブングル」あたり。


10月3日(月)

いろいろ書こうと思ったのだが、やっぱりもう寝ようと思う。

『空想科学少女リカ 岡崎 弘明 柳田 理科雄  日本文芸社』読了。表紙と挿絵と主人公が女子高校生というところがいかにもオタク向けで、買うのも読むのも少々恥ずかしい。ただほら話と思えばマンガみたいでそれなりに面白いのは岡崎弘明の実力だろう。柳田理科雄が注釈を寄せたりしている話があるが、この小説に限っては正直うるさい。蛇足というべきだろう。あまり売れているとは思えないので、数年後100円で見つけて読めば拾い物ということになるのではなかろうか。まあ、おれは新刊で買ったけどな。


10月2日(日)

最近は新刊で買った本でも袋に入ったまま放り出しておくので新刊でだぶりそうで怖いのである。

『福耳 冨川元文 国書刊行会』を読んでみる。購入したときは知らなかったのだが、宮藤官九郎の主演映画の脚本を書いた著者がそのままノベライズしたもののようだ。映画は見ていないのでどの程度小説として膨らまされているかはわからないけれど、とりあえずジェントルゴーストストーリーとしては及第点。映画原作だからか、わかりやすく誰が読んでもそれなりの読後感が得られるここと思われる。映画も見てみたいがDVDを買うほどではないなあ。

ノベライズといえば、『この胸いっぱいの愛を 梶尾真治 小学館文庫』などというものが出ていたのに気がついて購入。先月刊行されていたようで既に重版がかかっていた。内容的には「クロノスジョウンダーの伝説」に収められた短編を映画化し、それを著者自らがノベライズした書き下ろしのようだ。それにしてもカジシンも「黄泉がえり」以来すっかり売れっ子になってしまった感がある。デビュー以来、SFであるとともにセンチメンタリズムの強いわかりやすい作風だから露出すればそれなりに売れるのは当然といえば当然だ。もっと言えばSF設定の部分が一般の人に違和感無く受け入れる証拠だと思うので、もうちょっと進めてコアなSF小説にも一般読者の手が伸びるようにする方法はないものかね。



10月1日(土)

間が開いてしまい本気でサイトをたたもうと考えていたが、とりあえずちょっと復活してみる。本当は人知れず匿名でブログとか作っても良かったのだがね。読書はけっこうしていたのだが、日記は完全にさぼり。明日以降更新するかどうかは未定。欠番になっている日記も買った本とか書いてあったり無かったりして日記の体をなしていないので、あくのは気持ちが悪いけど、これもおそらくアップしない。形だけあっぷしても仕方ないしね。それに買ったのは新刊ばかりで、古本はアマゾンのマーケットプレイスとかが中心。先月アマゾンの取材本を読んだのだが、物流センターではひっかかった帯とか破損するとどんどん廃棄するらしい。わざとはやらないだろうが、大量の本を早く処理するのだから、それなりに破損は出るだろう。そんなのを読むと新刊をアマゾンに頼むのはためらわれてしまう。

最近では注文も出さなくなったためほとんど目録も届かなくなったのだが、たまたま届いた目録を見ると宇宙塵約100冊で15万っていうのがある。ちょっと迷うが、絶対的に高いからちょっと無理だな。

いきつけの店で友人カップルとさんざん飲み食い。一応チェーンの居酒屋だが、店長兼料理長はクイーンアリスにいたこともある人でメニューは半分以上オリジナル。酒もおいしいのがあって、値段はそれなりになってしまうが、あいかわらずうまいぜ。