買書日記(11月)   掲示板 

11月27日(日)

買い物。
ミステリマガジン1月号 ホームズ特集。樋口明雄の短編が面白そうだ。ホームズとは関係ないけど。
SFマガジン1月号 ブラッドベリ特集。ミステリマガジンと並んで懐古趣味かと思うが、ブラッドベリは新刊と再刊が続いたから時流に乗ったというところか。マイクル・G・コニイの短編が渋い。本号にはオールタイム・ベスト・SFが発表されているが、ざっと見るとある程度古い作品ばかりが目立つのは、投票者の年齢その他、いろいろな要素はあるだろうが、結局SFは進歩していないのではないだろうかというような複雑な気分にもなる。
つきのふね 森絵都 角川文庫
ヒロシ 北沢志貴 新風舎文庫 
スキャナー・ダークリー フィリップ・K・ディック 早川文庫SF 3回目の邦訳。浅倉久志氏の新訳は嬉しいけど、未訳の長編も出して欲しいものだ。
<鬼子>たちの肖像 武田雅哉 中公新書 出ているのに気づかなかった武田氏の新刊。
螺鈿の小箱 篠田真由美 東京創元社 出版社にサイン本申し込んでいたのをすっかり忘れていて、こんな高い本を2冊も買うことになってしまった。ショック。
ブーの国 明川哲也 文藝春秋
そんなに読んでどうするの? 豊崎由美 アスペクト
バスジャック 三崎亜記 集英社 迷って結局買ってしまった。短編集。
痛いひと 明野照葉 光文社
ロックンロール七部作 古川日出男 集英社
マヂック・オペラ 山田正紀 早川書房

鏡の森 タニス・リー 産業情報センター
一言で言えば白雪姫をモティーフにした長編ファンタジーだろう。昔からファンタジーは苦手だったのだが、残念ながらこれを読んでもその思いは変わらなかった。読んでいて全く興味が持てないのである。これは読み手側の問題だから、別にこの本が悪いわけではないが、なぜ面白く思わないのだろうか。

クラウド・コレクター クラフト・エヴィング商會 筑摩書房
被写体となるオブジェとその写真を創作の一部として成立させた著者の一連の本の一つ。ストーリーは架空旅行記であるが、それ自体はさほど面白いものでもない。ただし、写真とやはり著者本人たちが手がけている本の造本とともに味わうと独特の風味があるのは確かだ。

月の扉 石持浅海 カッパノベルス
刊行当時話題になった本。結構は密室殺人もある本格ミステリであるが、ストーリーそれ自体ハイジャックをモティーフにしたサスペンス溢れるものであり、一気に読ませる。ラストの話のたたみ方は好み。

青い触手の神 田中啓文 集英社スーパーダッシュ文庫
著者最初期のジュブナイルファンタジー。ハイファンタジーは苦手な自分にもこの本は結構楽しめた。1作目が見つからなかったため2作目をいきなり読んでしまったが、それでも不便は感じず。本書自体完結していないのだが、続編は書かれていないのがちょっと残念ではある。独特の暗い雰囲気があり、楽しめたのだが、おそらく書かれることはないであろう。

筆箱の中の暗闇 那須正幹 偕成社
ショートショート集といっても良い短い作品を集めたジュブナイル短編集。これは存外楽しめた。ずっこけ3人組みで知られる著者だが、このような作品集があることに素直に驚いた。総てが傑作というわけにはいかないが、中には子供が読んでも理解できないのではないかというような作品もあり、それらは大人が読んで優れていると思わせるものだ。あまり知られていない本なのかもしれないので、あえて一読をお勧めしておく。

11月23日(水)

近所のブックオフで買い物。久しぶりのような気がする。
地上から消えた動物 シルヴァーバーグ ハヤカワ文庫NF この前の自然史博物館の印象があったから。
天女の密室 荒巻義雄 実業之日本社 もしかしたら読んでいるかも。実はひらいたらきれいな500円札が挟まっていたのである。高校時代に500円玉が出た記憶があるから、もう20年以上は見ていないかも。もうかったというより懐かしい。
マイナスゼロ 広瀬正 集英社文庫 既読だが読みたくなった。多分順番に読んで3冊までしか読んでいないはずだ。一生のうちにはちゃんと6冊読まなきゃね。実は全集版が欲しかったりするのだが、今は昔に比べると比較的高い値段がついているようだ。集英社文庫もずいぶん長い間版を切らさなかったはずだから流通量自体は多いのだろうけど。


11月20日(日)

そういえば昨日やっと「TAKEN」を観終わったのだった。スピルバーグのプロデュースでエイリアンものというと「未知との遭遇」が思い浮かぶが、これもその世界にやや近い。ただしこっちはアメリカのテレビシリーズらしく家族をテーマに3世代(とちょっと)にわたる物語をアメリカの歴史を織り交ぜながら語って見せた大作だった。正直言って、この手のアダプションものはうんざりだったりするのだが、まあそれなりには楽しめた。特撮もなかなかがんばっている。DVDを買うほどではないと思うが、機会があれば観てもいいのではないかと思う。

先週以来の本屋で新刊購入。またもやいろいろな本が出ていて結構な出費。どう考えても買いすぎだろう。
鬼の末裔 三橋一夫 出版芸術社 単行本・文庫未収録2編に貴重なエッセイも収録。森さんの解説もついている。かつて日本幻想作家名鑑にも紹介されていた「魔の淵」が読みたいなあ。値段が高くてもいいので小説全集とか出ないかな。(絶対出そうもないけど)
SFJapan 神獣聖戦の新作にして完結編の前編が掲載。多分過去の作品とあわせて刊行されるんじゃないかな。大橋さんのルポもある。今気がついたが、これ雑誌じゃないみたい。奥付に第一刷とあるし、雑誌の登録もない。そうかあ雑誌じゃないのかあ。関係ないけど。
左手の記憶 新津きよみ 出版芸術社 ふしぎ文学館のラインナップとしては現役バリバリの作家さんなので比較的珍しいかも。(ないわけじゃないが) ところで早見さんが褒めている「誘われてアクトレス」をずっと探しているんですがぜんぜんないですな。
ハードブレイクレストラン 松尾由美 光文社 これは小説宝石に掲載された短編集。
霊感淑女 高橋三千綱 集英社文庫 これは知らなかった本。ホラー文庫で再刊されていた「霊能者」はずいぶん昔に読んだけど結構面白かった記憶がある。これもスーパーナチュラル系の小説のようだが他にもあるのだろうか。あるなら読みたいのだが、ざっと調べた限りではなさそうだ。
凍りのくじら 辻村深月 講談社ノベルス 松本へ行ってしまった安田ママさんが褒めていたので衝動買い。もっともちょっと気になっていた作家ではある。松本は長野オリンピックの仕事で2週間ほど滞在したことがあります。これからさらに寒くなりますがお身体大切に。
九杯目には早すぎる 蒼井上鷹 フタバノベルス 短編好きなので思わず買ってしまった。
明治大正翻訳ワンダーランド 鴻巣友季子 新潮新書
千里眼事件 長山靖生 平凡社新書 千里眼といえば福来博士や御船千鶴子を思い浮かべるが、これはどちらかというとそれが社会に与えた影響について書いているようだ。
螺旋宮 安東能明 徳間書店 サスペンス・ホラーという微妙な表現だが、過去スーパーナチュラル系の作品も書いているため油断できない。
狐弟子 森福都 実業之日本社 新刊が出れば買っているし、全著作を持っているはずだがいまだに読んだ事がございません。
吾輩はシャーロック・ホームズである 柳広司 小学館 最近読んだ「新世界」が面白かった。
未来学園 都筑道夫 本の雑誌社 早いもので残り1冊となってしまった。
金春屋ゴメス 西條奈加 新潮社 ファンタジーノベル大賞受賞作。
向日葵の咲かない夏 道尾秀介 新潮社 ホラーサスペンス大賞で特別賞を取った著者の第二作。ホラー系の作品で当然そっちも買っているが残念ながら未読である。行方不明なので(正確には探す気にならない)、下手するとこっちを先に読みそうだ。


11月19日(土)

故あって群馬県へ。
群馬県立自然史博物館へ。当初の目的は「荒俣宏の驚異宝物館」だったのだが、内容的にはそれらしくまとめましたという感じで、正直期待したほどではなかった。
ところが常設展へ行ってびっくり仰天。アメリカから持ってきたでかい恐竜の化石とかティラノサウルスの等身大動く模型とか、やたらと濃いしお金もかかっている。油断していたら大きな獲物にひっかかったって感じだ。帰って調べると館長の長谷川善和氏は恐竜関係の著作が多く、国立科学博物館主任研究官だったらしい。群馬県の政治的なというか、設立時の集客の狙いがわかったような気がした。ただし内容の良さに比べるとあまりにも交通が不便なのがもったいないという印象。それにしても、地方の(失礼!)博物館も捨てたものではないですねぇ。

古本屋では数冊購入。タイトルはここに書くほどのものではございません。(というか間違ってダブり本を買ってしまって悔しいのだ)



11月13日(日)

購入本一式。
チューイングボーン 大山尚利 角川ホラー文庫 日本ホラー小説大賞長編賞。しかしあいかわらず偶数回にしか大賞が出ないね。ここまで来ると偶然と言い切れるのか。
瞽女の啼く家 岩井志麻子 集英社 最近のレナ伊小説だかなんだかわからない小説は「私小説」を読んでげんなりしたのだが、これは原点回帰のような怪奇小説のようだ。
夜魔 甲田学 メディアワークス 電撃文庫出身の著者の怪奇小説集。あとがきに岡本綺堂があげられているのが嬉しい。
ストリンガーの沈黙 林譲治 早川書房 いまだに読んだ事が無いのだがJコレクションなので期待しよう。
なつかしく謎めいて アーシュラ・K・ル=グウィン 河出書房新社 モダンクラシックのシリーズで出たのはちょっと意外。
太陽レンズの彼方へ チャールズ・シェフィールド 創元SF文庫 著作リストつき。結構訳されているのに気がつくが、読んだことはないなあ。
四月天才 小泉吉宏 文春文庫 これは単行本で買おうと考えていたところ文庫化されてラッキーだった。ショートショート集。
ペン先の殺意 光文社文庫 迷ったが単行本未収録という倉橋由美子の短編があるので買った。倉橋由美子全集とか出たら買うのに。
ミステリー映画を観よう 山口雅也 光文社文庫 ジャーロとミステリーズ!連載のマニア向けエッセイを中心とした本。カラーがある割りに定価が安いのが嬉しい。
本格ミステリ・アンソロジー 法月倫太郎編 角川文庫 中西智明の短編を再録。スラデックとかボルヘスが入っている。ちなみにボルヘスの短編は先日読んだ「ABC」殺人事件の編者短編にも引用されていた。好きなんだね。
ハイブリッド ロバート・J・ソウヤー ハヤカワ文庫SF 三部作完結だが、前の2冊がどこにあるのか。この人も11冊も訳されている割に読んだ事が無い。まあおいらの場合は読んだ事が無いのが当たり前なのだが。
復讐への航路 エリザベス・ムーン ハヤカワ文庫SF 実は数日前に1作目を読もうとしたのだが厚さにおそれをなして別の本を選んでしまったのだった。
ブラッド・プライス タニア・ハフ ハヤカワ文庫FT 基本的にFTは買わないのだがこれは吸血鬼ものなので購入してしまった。厳密に言うとロマンス小説とかライトノベルとか守備範囲の小説はあるのだが手を出しているときりが無いからな。
悪女パズル パトリック・クェンティン 扶桑社ミステリー 「俳優パズル」とか「女郎グモ」とか入手困難な作品も復刊すればいいのに。定価は妙に高い。
ミステリ百科事典 間羊太郎 文春文庫 突然出たような印象の増補復刊。今回増補された「妖怪学入門」は好みからすれば本編よりも楽しみかも。式貴士も復刊すればいいのにね。出版芸術社のアンソロジーだけでは少々淋しい。
始末屋ジャック幽霊屋敷の秘密(上)(下) F・ポール・ウィルスン 扶桑社ミステリー 遠い昔に「城塞」を読んで面白く、その後もひたすら買い続けているわりには読んでいないのが忸怩たるところ。とりあえず買い支え。
死への霊薬 喜安幸夫 徳間文庫 1作目も買ったのだがあまりとりあげられている気配が無い時代怪異譚短編集。東雅夫さん好みだと思うのだが。
余は如何にして服部ヒロシとなりしか あせごのまん 角川ホラー文庫 日本ホラー小説大賞短編賞
ゲスト 保科昌彦 角川ホラー文庫 
イギリス恐怖小説傑作選 南條竹則編訳 ちくま文庫 出るだけで嬉しい古典怪奇小説傑作集。基本的に改訳と再録メインだが、アンソロジーで読むとまた格別でしょう。第一「幻想文学」や「すばる」を持っている人がどれだけいるかわからないのだから、大きな価値があるといえるでしょう。ブラックウッドに関してはぽつぽつと言わず、どかっと訳して欲しいなあと思う今日この頃。全集出して欲しいくらいだ。


11月12日(土)

ああ、一週間が早い。本の感想はたまってしまったのでカンタンに一言だけ。ちなみに先週日曜以降の購入本はありません。ネット買いは別ですけど。

小森課長の優雅な日々 室積光 双葉社
雑誌連載時のタイトルは「シリアル・パパ」とのこと。話の内容は本書のタイトルと元のそれとでおおむね想像がつく、藤子不二男Aが書きそうなブラックな長編。「都立水商」と「どすこい警備保障」はユーモアにふった作品だったようだが、これはそういう意味でのユーモアは無い。そういう作品を求める人には不満かも知れないが、単体で見れば面白いと思う。

TANK 黒岩研 角川書店
近未来のアフガニスタン。空輸されてきた新型戦車を駆る任務を与えられた自衛隊員4名の運命は。
今まで読んだことはないものの、もともと和製クーンツとしてデビュー以来、ホラー系統の長編作品中心のため総て本的には追いかけてきたが、はじめて読んだのはホラーではなく、帯によればミリタリーアクション。書き下ろしだと思うが、キャラクターの書き分け、プロット、物語としてもたたみ方、いずれも瑕疵の無いきれいな仕上がりとなっている。新型戦車も魅力的で、この手の作品が好きな人には楽しいひと時になろう。

「ABC」殺人事件 講談社文庫
有栖川有栖、恩田陸、加納朋子、貫井徳郎、法月倫太郎の5人がクリスティーの「ABC殺人事件」もモティーフにして短編を寄せたアンソロジー。5人ともそれぞれ自分の特色を出しているけれど、一番忠実に意図を守っているのは有栖川有栖。法月倫太郎と並んで推理のための推理を小説として書き上げた短編である。貫井徳郎は社会性が強く、加納朋子は日常の謎に近い優しいミステリー。恩田陸は一番本の意図から外れているように思うが、語り口は一番魅力的だ。

本が崩れる 草森紳一 文春新書
積み上げた本が崩れて風呂に閉じ込められたことを基点にしてつれずれなることを書き綴った随筆。3部に分かれていて、二部は野球、三部は喫煙とおいらにゃぴったりだわい。著者の博覧強記なところも伺われて面白い。

クロス・ゲーム 中野順一 文藝春秋
サントリーミステリー大賞をとった作家の第二作。前作は超能力を持った人物が裏世界の話に出てくるという変な組み合わせだったが、今回もヤミ金とゲーマーのVR世界が交錯するという普通ではあまり考え付かない構成。もともとばらばらのストーリーがだんだん合わさっていくところがどうなるのか気になりページを捲らせる。動機はそうとうぶっ飛んでいるが、最近のなんでもありの世間なのでこんあこともあるかもしれない。思っていたより面白かった。次の作品を読むかは微妙。

タニス・リーの「鏡の森」を読んでいるけれど、ぜんぜん面白くない。ただしこれは作品の出来云々より読み手側の資質の問題が大きいと思われる。ファンタジーは苦手なのだ。


11月6日(日)

珍しく古本屋で本を買う。
アプルビイズ・エンド マイケル・イネス 論創社
藪に棲む悪魔 マシュー・ヘッド 論創社
ロスト・ガール 岡本賢一 角川文庫
アース・リバース 三雲岳斗 角川文庫
吹け、南の風 秋山完 ソノラマ文庫

ところで小川一水の「こちら郵政省特配課」2冊が新書で合本して出るようで嬉しい。どっちももっていなかったから。あと「アマリアロード・ストーリー」を持っていないんだよね。まあ、買ってもどうせ読めないんだけどさ。

順列都市 グレッグ・イーガン 早川SF文庫
イーガンの作品としては比較的初期になるのかもしれないが、とりあえず自分がイーガンを読むのは短編も含め始めてのことである。
第一印象は一言で言うと難しい。これはどのように表現していいかが難しいのではなく、単純に理解するのが難しいということ。一応理系の人間なのであるが、科学にはめっきり疎いせいもあるのか、ところどころ非常にイメージしずらい作品であった。一生懸命理解しようと後戻りしつつ読んだのだが、ちゃんと理解できている自信がない。特にベースになっている「塵理論」というのが難しい。現実のものに置き換えて理解しようとしたが、最初ハードウェア上で走らせたセル・オートマトンがなぜ最終的にハードウェアと関係なくなるかが最後までわからなかったのは、セル・オートマトンというものを理解していないからだろうか。それでも無理やり読解した限りでは、最初にハードウェア上で走らせた後は宇宙中の原子に影響を与えそれをセル・オートマトン化し、多次元的に関係付けることによって総てのものを生み出し、かつ永遠に維持するということなのかと思ったが、全く違っているかもしれない。
結論として面白かったかどうかであるが、私は面白かったと言い切れるほど理解はできなかったというのが正直なところ。だから褒めも貶しもしない。単純に読もうと思えばディックばりの現実・非現実の曖昧な境界を描いたSF小説と読めなくは無いのだが、それじゃちょっとSF読みとしては悲しいだろ。みんななんでこんな難しい本が全部理解できるのだ?
とはいえ、別に読んだ人全員が理解できなければいけないものではないし、そういうとんがったSFがあっても良い。私自身読んでいて総て理解したわけではなくても、現代のそれもコアの部分に属するSFとして読み応えがあったことは確かである。総てがこれではちょっと敷居が高いように思うが、短編はもうちょっと易しいのだろうか。奇想コレクションの続刊にも予定されていることだし、もっと読んでみよう。

まだ書いていない感想は「小森課長の優雅な日々 室積光 双葉社」「TANK 黒岩研 角川書店」「「ABC」殺人事件 講談社文庫」「本が崩れる 草森紳一 文春新書」です。今週書けるのか?



11月5日(土)

ということで昨日購入した本。

本が崩れる 草森紳一 文春新書 何気に楽しみにしていた本。
ミステリマガジン12月号 ホック&ブルーウン(誰やねん)特集。
SFマガジン12月号 ニュー・スペース・オペラ(って何?)特集。雑誌は老後の楽しみと思っているがそれでいいのだろうかという気がしてきた。
暗号解読 ステル・パヴロー アスペクト 帯にSF冒険小説と書いていなければ買わないだろう、いかがわしく高い本だ。
どんがらがん アブラム・デヴィッドスン 河出書房新社 本当に出るとは思わなかった。次回配本はなにかな?個人的にはヤングを早く出して欲しい気がするけど。
現代SF1500冊 回天編 大森望 太田出版
それゆけジーヴス P・G・ウッドハウス 国書刊行会
天の声・枯草熱 スタニスワフ・レム 国書刊行会 「枯草熱」は既読。「天の声」のサンリオ文庫版の表紙は5本指に入るくらい好きなもの。
弁頭屋 遠藤徹 角川書店 著者はノンフィクションしか読んだことなかったりする。
夜市 恒川光太郎 角川書店 なんていうか著者名をぱっと見たとき30年代の貸本作家かと思ったよ。
宇宙舟歌 R・A・ラファティ 国書刊行会 ふと思うとラファティって読んだことがないかもしれない。

今、読んだいるのは「ABC」殺人事件です。もちろんクリスティではなく講談社文庫の競作集。
順列都市の感想が書けないでいるとどんどん溜まってしまいそうだ。

動坂亭様細々とですが再度やっております。よろしくお願いします。


11月4日(金)

横浜で大量に買い物。実は先週行けなかったので本を購入したこと自体、衝動的にワンクリックを押してしまうネットは別として2週間ぶりと思う。買ったのは明日書くけどほとんどがSFとホラー。2万円を超えてしまったが、まだ買い足りなかったのはわれながらおかしいと思う。ちなみにまだ買っていないのは岩井志麻子、米村圭伍、白水社の翻訳新刊、上遠野浩平の新書、牧野修が帯に推薦文を書いているというだけで欲しくなった西澤保彦、ホラー文庫の新刊3冊、扶桑社文庫のクエンティン、F・ポール・ウィルスン、ハヤカワ文庫のFT1冊とソウヤー、創元のシェフィールド、ハミルトンは2冊買っていない。谷川流の新刊と五代ゆうの新刊も買っておきたい気持ちはある。祥伝社文庫のアンソロジーもあった。あとは新書1冊。全部買ったらこれだけでまた2万円飛ぶぞ。なので、もうちょっと厳選したい。とりあえずウィルスンと早川、創元、白水社くらいでとどめておいたほうが無難か。新書といえば富樫倫太郎の上田秋成を主人公にした長編は買い損ねたな。光文社文庫の推理評論3冊も買っていないが多分全部は持っていないと思われるので買っておいたほうがいいのか。

ところでSFとホラーの場合は何のためらいも無いのだけど、ミステリー、特に翻訳の場合はどうしても躊躇する。何度も書いているがやはり論創社はたまってしまったせいもあるけれどいまいち踏み切れないのだった。イネスだけは帯に怪奇とか書いてあるので買おうと思うのだけど、風々子さんのように「買ってもどうせ読めない」と言い切るほどまだ人間ができていないので、どうしてもひっかかってしまうのはわれながら忸怩たるものがあるな。
日本の作家だと作家単位で追いかけるなり、やめるなりできるのだけど海外ものではほとんど知識がないし、読んでもいないため判断が難しい。でも仮に論創社で古典SFや怪奇小説の叢書でも出た日には月に3冊出ようが、迷い無く購入すると思われるので、やっぱり買うのはやめたほうがいいのかな。なんだか面白さのわからない人間に買われても小説が不幸なんじゃなかろうかとも思ってしまう。

ノンフィクションでは「星の王子さまの眠る海」と、「1859年の潜水艇」が面白そうだと思っているので、買うかも知れぬ。

『空高く マイケル・ギルバート ハヤカワミステリ文庫』
例によって著者の本ははじめて読みました。なんとなく本格推理のイメージがあったのですが、解説を読む限りではがちがちの本格というわけでもないようです。本書でも、死体やら舞台やらが本格推理では推理の基点になるのが普通だと思うのですが、いきなり爆弾で何もかも吹き飛ばされるという荒業で、こちらの先入観ともども吹き飛ばしてくれました。伏線はあいかわらず良くわからないのですが、それがわからなくとも、見やすい訳文と牧歌的とも言えそうな全体の雰囲気のため、わりあいと楽しく読み終わることができました。