ここでは城昌幸の持っている本を紹介します。
戦前戦後すぐの作品集等は高くて手の出ないことが多いです。
どこかの出版社が掌編ミステリー全集を出版してくれないものか。

左:日本探偵小説全集19 牧逸馬集城昌幸集 改造社刊 函欠 画像は中扉

中:都会の怪異 文海堂書店刊 函欠再版状態悪

右:夢と秘密 日正書房

収録作一覧
日本探偵小説全集19 牧逸馬集城昌幸集 改造社刊 昭和5年2月3日初版
その暴風雨、怪奇の創造、都会の神秘、神ぞ知食す、夜の街、切札、殺人淫楽、ヂャマイカ氏の実験、シャンプオオル氏事件の顛末
秘密を売られる人々、妄想の囚虜、鑑定料、宝石、月光、晶杯、七夜譚、東方見聞、薄暮 
牧逸馬 省略
都会の怪異 文海堂書店刊 昭和10年10月3日初版(収蔵は昭和15年2月20日再版)
死人の手紙、模型、復活の霊液、老衰、吸血鬼、当世巷談、罪せられざる罪、人花、恋の眼、死人にくちなし、燭涙、光彩ある絶望
都会の怪異、悪運、宝石匣、殺人淫楽、五月闇、不思議、ヂャマイカ氏の実験
夢と秘密 日正書房刊 昭和22年2月25日初版
宝物、面白い話、最後の夢、七人目の異邦人、東方見聞、その二人、鑑定料、宝石、月光、神ぞ知食す、夜の街、晶杯
秘密を売られる人々、七夜譚

左:怪奇製造人 岩谷書店刊 奥付切れ状態悪

中:日本探偵小説全集 短編集 城昌幸 小酒井不木 春陽堂 函欠 画像中扉

右:金紅樹の秘密 講談社

収録作一覧
怪奇製造人 岩谷書店刊 昭和
その暴風雨、怪奇製造人、都会の神秘、神ぞ知食す、夜の街、妄想の囚虜、宝石、月光、晶杯、
シャンプオオル氏事件の顛末
死人の手紙、模型、老衰、吸血鬼、当世巷談、罪せられざる罪、恋の眼、燭涙、復活の霊液、人花、光彩ある絶望 、都会の怪異
五月闇、不思議、ヂャマイカ氏の実験
日本探偵小説全集 短編集 城昌幸 小酒井不木 春陽堂 昭和29年5月30日初版
猟銃、その夜、怪談京土産、スタイリスト、幻想唐艸 第一 劫 第二 荒野、第三 思い出、その家、ある恋文、まぼろし
ハムレット、絶壁、良心、影の路、道化役、花結び、ラビリンス、宿命、憂愁の人、もう一つの裏、秘密島、スフィンクスの女
艶隠者
小酒井不木は省略
金紅樹の秘密 講談社 昭和30年12月25日初版
金紅中樹の秘密(長編)

左:死者の殺人 桃源社刊

中:みすてりい 桃源社刊

右:のすたるじあ 牧神社刊

収録作一覧
死者の殺人 桃源社刊 昭和35年1月25日初版
死者の殺人(長編)
みすてりい 桃源社刊 昭和38年12月20日初版
艶隠者、その夜、ママゴト、古い長持、根の無い話、波の音、猟銃、その家、道化役、スタイリスト、幻想唐艸、絶壁、花結び、猟奇商人
白い糸杉、殺人淫楽、その暴風雨、怪奇製造人、都会の神秘、夜の街、死人の手紙、模型、老衰、人花、不思議、ヂャマイカ氏の実験
不可知論、中有の世界、跋(江戸川乱歩)、あとがき
のすたるじあ 牧神社刊 昭和51年9月30日初版 
解説(星新一)、大いなる者の戯れ、ユラリュム、ラビリンス、まぼろし、A Fable、光彩ある絶望、燭涙、エルドラドオ、美しい復讐
復活の霊液、斬るということ、蒸発、哀れ、郷愁

左:随筆えぴきゅりあん 牧神社刊

中:怪奇の創造 実業の日本社刊

右:死人に口なし
随筆えぴきゅりあん 牧神社刊 昭和51年11月30日初版
随筆のため内容省略
怪奇の創造 星新一編 実業の日本社刊 昭和57年4月28日初版 
ビリンス、古い長持、夜の街、怪奇の創造、ママゴト、光彩ある絶壁、模型、道化役、沼の精、他の一人、不思議、その暴風雨
斬るということ、鑑定料、スタイリスト、荒野、シャンプオオル氏事件の顛末、蒸発、根のない話、波の音、絶壁、恋の眼、燭涙、宿命
脱走人にからまる話、薄暮、書狂、あなたはだれなの、まぼろし、ヂャマイカ氏の実験、影、復活の霊液、解説(星新一)
死人に口なし 春陽文庫刊 1995年11月10日初版(ただし元版は昭和11年11月刊)
前説(山前譲) 死人に口なし、燭涙、復活の霊液、人花、もう一つの裏路、三行広告、大いなる者の戯れ、間接殺人、操仕立因果仇討
想像、見知らぬ人、二人の写真、その暴風雨、怪奇の創造、都会の神秘、神ぞ知食す、夜の街、切札、殺人淫楽、ジャマイカ氏の実験
シャンプオール氏事件の顛末、秘密を売られる人々、七夜譚、東方見聞、薄暮、妄想の囚虜、鑑定料、宝石、月光、晶杯 講説(山前譲)

下記は番外編で詩人の城左門としての著作です。


左:夜のガスパァル ルイス・ベルトラン 城左門訳 昭和23年11月20日初版発行

右:城左門全詩集 牧神社 昭和51年2月15日初版発行 700部限定
   なお本書には散文詩もいくつか含まれており、そこには短編集に収録されてもいいような
   ものも含まれている。

なおページトップの城左門の署名はこの本の扉による。

国書刊行会版怪奇製造人の解説にもあるが、著者は探偵小説や時代小説はあくまでも生活の糧を得るための手段に過ぎないと
思っていたふしがある。その想像の拠る所が亡くなる直前に出版された全詩集に付された、別刷解説に収められた自傳にある。
ここには探偵小説、時代小説にかかわる記載が一切ないのである。それこそ自分の生涯にそんなこと等一切なかったかのように。
自傳の最後の記述をここに引用する。(文中雑誌とは無論、東邦芸術や奢霸都を指す)

「以上、詩的經歴を述べ來つて私かに思ふ。我が生涯は、雜誌、詩集の刊行歳次を示す以外、記す可き何らの傳なきを。
内面の葛籐、相剋を陳ずるは他事也。傳するに足る波瀾の一の有る無く、顧望すれば淡々、又坦々、寧ろ傳するものなきを
喜ぶべき歟。妻あり子なし、安住して酒を愛す。」