ここでは推理小説の書影を紹介します。
といっても百戦練磨の先達がいらっしゃいますし、
それ程紹介するような本も所蔵していないため
他の方が取り上げないようなものをピックアップしていくように心がけます。

宝石推理小説傑作選(全3巻) いんなとりっぷ社 昭和49年6月15日発行 限定888部
編集委員 鮎川哲也 大内茂男 城昌幸 高木彬光 中島河太郎 星新一 山村正夫 横溝正史
内張りのある長方形の木の箱に平べったく3冊横にならべて収まっています。外箱は箱だけでも重いし、装丁は表紙以外金きらきんで、正直あまり品がありません。
収録作品は後日アップしますが、評論あり、座談会ありで多彩です。(宝石を揃えている人は不要ですが)
また宝石全号の表紙写真、目録付で、第一巻のみ横溝正史の署名入り。
異装版があるようで、そちらはたまに見ます。これは縦に普通に並べているようですが外箱はどんなものか
よくわかりません。装丁もシックになっているようです。異装版の出版された経緯もよくわかりません。
ただし、購入する場合はもともとセットで27000円と高価なため、あまり安くは売っていないかもしれません。


ぼくのヨーロッパ飛びある記 副題 忍法・山田風太郎さんと二人三脚で
高木彬光 日本文華社 昭和41年4月30日発行(所蔵は同年5月10日の6刷)
たった20日で6刷とは売れたんだねぇ。でも読みやすくて寝っ転がって読むにはいいかも。
「悪霊の群れ」のコンビだしね。書いたのは高木彬光単独だけど。
幻想文学どころか推理小説でも無い。でも面白いので機会があれば。



幻想マーマレード 小泉喜美子 太陽企画出版 昭和56年5月25日発行

「血の季節」という大傑作怪奇幻想ミステリーをあげたいところですが、それでは意外性がないため、あまり知られていないと思われるものとして、少し新しいですが本書をあげておきます。
本書は副題が奇妙な味の12の短編とあり、「奇想天外」その他に発表されたSFや、幻想味の濃い短編を集めたものです。
意外な顔がここにあります。巻末には光瀬龍との対談付。



そうかも知れない、あるいは 渡辺啓介詩集 桔梗屋 1976年5月10日発行

渡辺啓介氏の詩集である。この本に関する情報はあまりありません。
函があったのかもしれないけど所蔵のものはついていません。
でもちゃんと鴉の挿画はあります。 
推理作家らしい詩もあれば、そうでないものもあります。



恐怖博物誌 日影丈吉 東都書房 昭和36年6月15日発行日影丈吉は大好きなのですが、昔の本は高いし、人気があるしでなかなか手に入れることができません。
したがって牧神社の作品集くらいまでは大体あるのですが、それ以前の作品となると、「現代忍者考」と「善の決算」(函欠)くらい。一番好きなのはやはり幻想的な短編だけど、やはり好きな作家はいろいろ読んでみたいのが人情です。
どこかで全集でも出してくれないかしら。
今も悔やまれるのは4、5年前に「殺人者、国会に行く」を見つけて後で買おうと思ったら売りきれていたこと。定価の半額だったのに。ちなみに日影氏が亡くなられた後、実家の近く(相模原)の老舗の古書店に日影氏の手持ち分の自著(文庫中心)が複数並べられたことがありました。店主に聞いたらお宅で買ったとの事でした。町田にお宅があったので、その店とはお付き合いがあったようです。色紙もありましたが、それは売り物ではないと言われました。

 アンドロギュヌスの裔 渡辺温 薔薇十字社 1970年9月1日発行
かなり高価で取引されている本書ですが、某書店で5000円で入手できたのはラッキーでした。
さすがに帯はないけれど、本自体は美本なので何の文句もありません。その時は偶然仕入れがあったらしく
種村季弘の「ザッヘルマゾッホの世界」や函欠で持っていた創土社の本などを同時に購入することが出来、
ほくほくで家路をたどったのでした。でも最近あまりそんな出会いはありませんね。

午前零時の幻夢 笹沢左保 カイガイ出版 昭和52年10月10日発行

作者の怪奇ミステリー集。文庫化されているかどうかは不明.です。
ちなみにカイガイ出版は全貌はよくわからいのですが、所蔵品では草野唯雄「蠢く触手」、山村正夫編「ミステリー入門」全5巻があり、調べた限りでは他に高斎正「愛車のキー」、西東登「咬ませ犬」、佐藤有文「骨なし村」(これは探求書)、山村正夫「断頭台」、福本和也「悪夢の操縦室」とかが出版されているようです。
未読ですが「骨なし村」は唐沢氏がトンデモ本の逆襲で紹介しているようですね。