東海自然歩道について

東海自然歩道とは、東京都の数少ない自然に恵まれた行楽地である明治の森高尾国定公園から これも大阪府の数少ない緑豊かな行楽地である明治の森箕面国定公園まで続く山道を主体とした歩道です。
環境庁自然保護局(旧厚生省国立公園部かもしれない)の主導で、各地の自然公園を連絡する歩道として昭和49年9月に完成しました。
関東と関西の両大都市圏を起点としたこの歩道は、日本の大動脈である東海道と平行するように続いています。 途中、コースが別れるところもあり、これを加えると総延長1697.2Km(静岡県発行ガイドブックより)にも及ぶ長い道のりです。 「自然歩道」の名が示すとおり、基本的にはゆったりのんびりと歩ける道が多いのですが、途中には 丹沢などの険しい山道もあり、歩き続けるにはしっかりとした装備が必要でしょう。
しかし、歩いているとわかるのですが、東海自然歩道の一部だけを「東海自然歩道である」という意識の ないままにハイキングコースとして利用している方は大勢いらっしゃるようで、日帰りで景色の良いとこ ろだけを軽装で楽しそうに歩いておられる方と出会うことがしばしばあります。わたくしは、たまたま 東海自然歩道の踏破という一つの目的を持って歩いているのですが、手軽なハイキングコースとして 東海自然歩道と親しむのもいいなぁと思っています。
もしも、私のように踏破をしようと考えていらっしゃる方は、キャンプの道具をはじめ夏山登山くらいの 装備が必要になると思います。しかし、なにもそれほど気負って考える必要はありません。私もそうですが 登山の経験がほとんどなくても足腰さえシャキッとしていれば十分歩き続けることが出来ると思います (今のところは歩き続けています)。
東海自然歩道の魅力は都会の喧騒を離れ、澄んだ空気を吸い込み小鳥のさえずりを耳にしながら、緑豊かな 山道をのんびりと歩く所にあると思います。又、歩き続けているうちに季節が変わり、日本の四季を肌で 感じることができます。途中には名所旧跡や景勝地などもあり、観光も楽しめますし、温泉に浸る喜びを 得ることも出来ます。行き交う方々との交流も大きな魅力の一つです。

東海自然歩道全行程

東海自然歩道全般に関する情報は「笠置町ホームページ」において提供されています。
全国の自然歩道に関する情報は「みんなで歩こう自然の道」において提供されています。

思い立ち

もともと私は山男ではありません。幼い頃より海の近くで育ち、泳ぎ、潜り、釣りをして、 長じてからはサーフィン・ボードセーリング・スキューバダイビングをやってきた生っ粋の海の男です。 しかし、だからこそ山に対する憧れというのも持っていました。
海も山も人を引き付けて放さない魅力があるといいます。 私は、海の魅力については少々知っているつもりですが、山の魅力については家の裏山の登山経験くらいしかないので全くわかりません。 それで、山の魅力を語る私の友人に「山に連れていってくれ」とことある毎に話してきたのです。
なかなか機会に恵まれず、初めて登山をしたのはほんのつい最近(平成7年)のことです。初登山は甲斐駒ヶ岳(東駒)を 黒戸尾根から攻めるというものでした。これがなかなかきつかった。7合目で幕営をして2日かけて登頂したのですが、 幕営の際「登山とはこんなにきついものなのか」という話を連れてきてくれた友人や近くの山小屋にとまっていた人たちにしたところ 黒戸尾根は日本の登山道の中で最もきついものの一つだということでした。初心者でこの尾根を登ってくるのはたいしたもんだと いわれました。
どうやら私は足腰だけは人並み以上にしっかりしているらしいということを改めて認識しました。それから、リュックをしょって歩いて いくという事に興味が出てきました。しかし、なにぶん初心者なだけに単独登山というのはとても不安です。
そんな折りに書店でふと見かけたのが、東海自然歩道ウォークガイド(日本万歩クラブ編・発行、学習研究社発売¥1500)という本です。 ホホウ、こんなものがあるのかと早速立ち読みしてみると気軽に歩いて行ける自然にあふれた道らしいということがわかりました。 しかも、大阪まで踏破すれば達成感も得られるでしょう。東海道を排気ガスにまみれながら歩くのはいやですが、自然歩道なら 気持ち良く歩けそうな気がしました。早速この本を購入し、踏破計画を練りはじめたわけです。
こんな訳ですからキャンプの道具も満足に持っていない、独りで長いことを歩くのも初めてという状態で私の東海自然歩道は始まったのです。
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