前日は上柚野の延命寺でコースを外れたので、今回はここからスタートです。
延命寺は1417年に開かれた寺で、芝川町指定文化財の阿弥陀三尊の軸などがあります。
柚野は、水が豊富に流れる里です。
その水は、東海自然歩道に沿った土井の川(三区用水)を流れます。
用水に沿って南下すると正法寺の前を通り、柚野大明神に至ります。
正法寺は1277年に日進上人により開山されたといわれています。ツツジとサツキの裏庭が美しいことで有名です。
柚野大明神は神前に土俵が設けられた立派なお宮です。
この柚野大明神からまっすぐ芝川にむかうと、芝川の急流が数万年の歳月をかけて創造した奇岩の連なり、甌穴があります。
芝川を渡るとすぐに西山本門寺に至ります。
西山本門寺は富士五山の一つに数えられる名刹で、1343年に日代が開山したと伝えられています。
国指定重要文化財の紺紙金泥法華経(こんしきんでいほけきょう)、常子内親王筆紙墨法華経、日蓮筆法華證明鈔、日興上人執筆日蓮聖人御遷化記録をはじめ、多くの重要な文化財を所有しています。
寺の規模としても堂々たるもので、下馬札のある黒門から桜並木を経てうっそうたる杉並木が続きその中を135段の雄大な石段が大きな本堂へ続いています。
また、境内には織田信長の首が埋められていると伝えられる、信長の首塚もあります。
まさに、今回のコースのハイライトといえるでしょう。
黒門を出ると芝川沿いに南下します。
途中、堤という集落に登り、また芝川の中心地を目の前にして楠金という集落へ向けて曲がります。
楠金の集落には長遠寺というお寺があります。
身延線沿いに降りてきたら、線路に沿って瀬戸島へ。
ルートは芝川駅の手前で曲がり富士川の中州の島、瀬戸島へ続きます。
線路に沿って芝川を渡るとそこは芝川駅です。
今回は約13km5時間の道のりです。
4月とは言え、昨夜はなかなか冷えました。
しかし、フライシートの効果か、テントの中は暖かく、ぐっすり眠ることが出来ました。
目覚ましで起きたのは4時半、シュラフを出たのは5時でした。
暖かい紅茶と昨日酒屋で仕入れたパインの缶詰で朝食を済ませ、テントを畳んで6時には出発しました。
今日も絶好の天気です。取り敢えず、昨日ルートを外れた地点の延命寺まで戻り、お日様をいっぱいに浴びながら今日の行程の出発です。
用水路に沿った道は、せせらぎの音が心地よいだけでなく、富士山がクッキリと望めて、歩いていても楽しくなってきます。
あっという間に、柚野大明神に到着。
ここの公衆トイレで朝のお勤めを果たします。
この、柚野大明神は神前に土俵が作られ、小さいながらもしっかりとした御宮様でした。
休憩の後、隣の柚野小学校で水補給をさせてもらい、再び出発です。
田んぼに沿った道をのんびりと歩きます。
お日様がさんさんと照りつけ、気温は低いながらもポカポカと暖かい!
振返れば、富士山が雄大にそびえています。
こんな日に縁側にいようものなら、"春の富士
ひねもすのたり
のたりかな”
と替え歌を詠んでしまいそうです。
牛舎に近づいてきました。
かわいい番犬がこちらに向かって吠えてきます。
ここで分かれ道。地図を広げて道を確認して左折します。
そして一気に芝川に向かって下り道に入ります。
ここまで来ると芝川は水量を増して立派な流れになっています。
芝川を渡ると、右手にお店らしき建物が見えてきます。
丁度店を開いたようなので休憩をかねて立ち寄ってみます。
ここは近郊の農作物の直売所。
しかし、まだ8:30と朝早いため入荷はほとんどされていません。
店のおじさんも、まだまだだと言います。
しかし、折角ですから柚野の柚味噌を購入。
そして店のおじさんや出荷に来た農家のおじさんと話します。
店のおじさんは、昔役場に勤めていて、そのころにバイパスルートが出来たとのこと。
店の前に座って朝日をいっぱいに浴びながら、そんな話を伺ったのでした。
9:00前には再び出発して、西山本門時を目指します。
曲がり角の畑で農作業中のおばさんに道をうかがい、本門寺を目指します。
大きな社屋の前に来て、この辺りだとキョロキョロ。
たまたま道に出てきたおじさんにうかがうと、家の前の小さな道から本門寺に入るとのこと。
本門寺へは横から入ることになります。
その道の途中に満開の桜の木が。
桜の花びらを踏みしめて本門寺の本堂の前に立ちました。
浄水の所にリュックをおろし、まずはお参り。
そのまま、本門寺の謂れを書いた掲示を見て、脇にある立派な石段をあがってみます。
この先は墓地になっていたので、引き返してきました。
今度は、本堂をはさんで石段の反対側にある信長の首塚へ行ってみます。
宝物殿の前でおばさんが掃除をしていました。
年に一度の宝物殿の御開帳が来週に迫っているため掃除をしているとか。
信長の首塚は宝物殿の前、鐘楼の横にある大柊でした。
信長の首をここまで持ってきて埋めたとか。このほかに、この周りには大銀杏が2本と大木ばかり。
寺の歴史を感じます。
30分ばかり見て回り、先に進もうと浄水の前でリュックに手を描けると、お坊様らしき人が出てきました。
この方が寺の謂れについて少し話をしてくださいました。
寺の門前にある下馬札は、どんなに偉い方でもこの寺の門前で馬を下りなければならないということで、神社のお伊勢様とお寺のここにしかないとのお話。
お堂は、客殿だといいます。
昔は武田から徳川まで名だたる名将が何度でもお参りに来たとか。
頼めば本堂の中を見せてくれるかもしれないとのことなので、駄目モトで頼んでみることにしました。
「但し御布施を包んでな」との一言をのこしてこの方は去っていきました。果たしてお坊様だったのか?
住職様が住んでいるという家の呼び鈴を何度か鳴らし、出てきた住職様に本堂の中を見せて頂きたいとお話をしてみます。
しかし、観光が目的の場合は見せることは出来ないとのこと。ちょっと不機嫌そうでした。
まあ、仕方ない。本堂をもう一度見上げて、石段を下ります。
とにかくこの石段、幅がとても広くて、苔むしていて、とても年輪を感じます。
下りきると、門までは桜並木が続いています。
桜の花びらが散る中を門間で歩いていき、西山本門寺を出ました。
本門寺の横にはB&G海洋センターがあります。
その向かいには野球場があります。
その隣を芝川が流れています。
野球場では少年野球の真っ最中。時間に余裕があるので堤から降りてスタンドに腰を下ろししばらく野球を眺めていました。
今日は野球日和、そしてトレッキング日和です。
長い休憩の後、堤を下流へ向かいます。
この芝川の左岸の堤がルートになっているのです。
しかし、堤は途中でなくなり、仕方ないので川原に降りてルートを探ります。
しかし、どうも思うようなルートが取れないので、仕方なく石伝いに対岸に渡り、右岸の車道を歩くことにしました。
畑仕事をしている人に道をうかがい芝川沿いの道を一旦離れて、堤の集落へ上がります。
そしてまた南へ。
真っ直ぐ進むと芝富小、芝川中へ出ました。
芝川中の前で地図を広げてルートを確認。
どうやら曲がり角を少し過ぎてしまったようなので、少し戻って長遠寺と書いてある標識に従い右折します。
ここから楠金という集落へ向かって直進していたのですが、道は細くなり何やら不安になってきました。
奥まった所にある畑で仕事をしていた御夫婦に道をうかがい、ルートを少し外れてしまったことを確認。
麦畑を見下ろしながら戻ります。
天満宮の前で曲がり、茶畑を見ながら長遠寺の前を通り、楠金へ出ました。
ここから下り道に入り、身延線に出てきます。
線路脇を歩いて富士川と瀬戸島が見える所に至り、ここで今日の行程はおしまいです。
ルーとは瀬戸島へ行くのですが、僕は直進して芝川駅へ。
11:00に芝川駅に到着。
列車が来るまで時間が合ったので、駅前の商店でビールと昼飯を買い込み駅の待合室で居合わせたおじさん達と談笑しながらお昼を取りました。
さて、ルートですが、上柚野から下柚野へは、土井の川(三区用水)に沿った道を歩きます。
すると、柚野大明神に出てきます。ここにはトイレがあります。
柚野大明神からは柚野小学校を回り込み柚野中学の前を通る道を歩きます。
小学校の前が交差点になっていますが、ここは小学校の敷地に沿うように歩いてください。
また、芝川町からいただいたパンフレットには柚野大明神に裏手から土井の川に沿った遊歩道がつけられているようにかいてありますので、もしかしたらこちらがルートになっているのかもしれません。
さて、柚野中学の前の道を真っ直ぐ行くと、右手に牛舎が現れます。
道に面した牛舎ですのですぐ分かると思います。
この牛舎の前に交差点がありますので、ここは左折します。
ここを道なりに進むと、曲がりくねった下り坂になり、やがて芝川を渡ります。
芝川を渡った右手に直売所があります。この直売所にはトイレもあります。特にベンチがあるわけでもありませんが、荷物を置いて休憩するポイントといえるでしょう。
直売所から見える所にT字路があり、ここは右折して南へ進みます。
道なりに進むと東へカーブして四つ角に出ます。ここをまた右折します。
この四つ角は特に目印はないのですが、最初の四つ角を右折と思っていれば良いでしょう。
さて、本門寺へ入る路地ですが、右手に「日建メディカル」という会社の建物が見えてきたら立ち止まってください。
建物より手前に左へ入る路地があります。
一見私道のように見えますが、ここを入っていくと本門寺に至ります。
本門寺の山門をくぐると右手に芝川が流れています。
教えて頂いたルートはこの芝川を渡らずに手前の川堤の上を歩いていくことになっているのですが、文中にもある通り道がなくなってしまいます。
そこで、芝川を渡って右岸の舗装路を歩くか、山門を出たら左折し最初の四つ角を右折するか、どちらかを選択すれば良いと思います。
この辺りは今後はっきりとしたルートが示されることになるでしょう。
芝川の右岸を進んだ場合は、道が芝川から少し離れた地点で右に折れる道が出てきます。
細くて急な登り坂ですが、ここを登ると堤の集落に出ます。
道なりに進むと円恵寺という寺の前を通って、元の道に合流します。
山門を左折した場合は、道なりに進むと芝川を渡るでしょうから、渡ったらすぐに右折して堤の集落の方面に進むようにしてください。
さて、道なりに進むとやがて芝富小学校が現れます。
この前に長遠寺の標識が出てますので、この標識に従って右折して登り坂に入ってください。
さらに、坂を登りきると小さな天満宮が現れますので、ここの前のY字路を右手へ入っていってください。
真っ直ぐ進むと長遠寺の入り口を通り、橋を越えて楠金の集落に入ります。
楠金の集落では車道が交差している四つ角で左折します。
すると身延線が現れます。
後は線路に沿って進めば、瀬戸島、更には芝川駅が現れます。
芝川駅の周辺の宿泊施設としては、瀬戸島を越えて富士川を渡りきった所にみどりや旅館(0544-65-0203)があります。