アーク溶接等の業務に係わる特別教育
ホームセンター等でアーク溶接機を低価格で販売していますし、アーク溶接を個人的に趣味の工作
に使用するには免許は不要のようです。
しかし身近にアーク溶接の手ほどきをしてくれる人がいないのとアーク溶接機等の設備がないため、
【アーク溶接等の業務に係わる特別教育】を受講してきました。
【アーク溶接等の業務に係わる特別教育】とは何でしょう?
労働安全衛生法
第59条     事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、労働省令で定めるところにより、
その従事する業務に関する安全または衛生のための教育
を行なわなければならない。
A前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
B事業者は、
危険または有害な業務
で、労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、労働省令で
定めるところにより、当該業務に関する
安全または衛生のための特別の教育
を行わなければならない。
労働安全衛生規則
第36条     法第59条第3項の
労働省令で定める危険または有害な業務
は、次のとおりとする。
1〜2 (省略)
3     
アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等(以下「アーク溶接等」という。)の業務
4〜33 (省略)
以上のようにアーク溶接機による作業は労働省も危険で有害であると認定しているのですから、個人の趣味で使用するとしても
【アーク溶接等の業務に係わる特別教育】を受講したほうがよいと思われます。
初日、二日目は学科講習で、カリキュラムはほぼ以下の表の通りでした。
カリキュラム
科目
範囲
時間
アーク溶接等に関
する知識
アーク溶接等の基礎理論 電気に関する基礎知識
1時間
アーク溶接装置に
関する基礎知識
直流アーク溶接機 交流アーク溶接機 交流アーク用自動電撃防止装置
溶接棒等および溶接棒等のホルダー配線
3時間
アーク溶接等の作
業に関する知識
作業前の点検整備 溶接、溶断等の方法 溶接部の点検
作業後の処置 災害防止
6時間
関係法令
法令及び安衛則中の関係条項
1時間
使用したテキストは 【アーク溶接等作業の安全、中央労働災害防止協会、ISBN4-8059-0680-4】でした。
二日目の最期に学科試験がありましたが、○×式五〇問で内容は非常に簡単です。
【例】 電圧の単位はアンペア、電流の単位はボルトである。
三日目、四日目は実際にアーク溶接機を使用して鉄板を溶接しました。これがなかなか難物で、
まずアークを発生させるまでが大変で、アークが発生せず鉄板と溶接棒がくっついてしまい、 はずれなくなった。
保護面(目のところだけがガラスになった鉄仮面のようなお面)を被っていると濃い色のついたガラス越しのため、
まったく溶接棒の位置が確認できない。そこで保護面を顔から外して位置を確認しているとアークが発生して目がくらんだ。
上で述べた様に実習は悪戦苦闘の連続でしたが最終日まで出席し、修了書をいただきました。
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