IPv6アドレスについてのメモ
RFC 1884の改訂のRFC 2373の改訂のRFC 3513の改訂
アドレスの種類
アドレスの種類は以下の3つです。
- ユニキャスト(Unicast)
- エニーキャスト(Anycast)
- マルチキャスト(Multicast)
アドレスのテキスト表現
- x:x:x:x:x:x:x:x形式
1〜4桁の16進数値を:で区切って8個並べた形式(例、2001:db8:0:0:0:800:200c:417a)
- 圧縮形式
16進数値で0が複数連なる場合、省略表現として::が使われる(例、2001:db8::800:200c:417a)
アドレスプレフィックスのテキスト表現
IPアドレスのテキスト表現にスラッシュ('/')とプレフィックス長をつなげた形式(例、2001:db8::/64)
アドレス種別
アドレス種別 |
上位ビット |
IPv6アドレスのテキスト表現 |
未指定 |
すべて0 |
::/128
|
ループバック |
上位127ビットが0で最後が1 |
::1/128
|
マルチキャスト |
上位8ビットが1 |
FF00::/8
|
リンクローカル・ユニキャスト |
上位7ビットが1で上位8~10ビット目が010 |
FE80::/10
|
グローバル・ユニキャスト |
上記以外のすべて |
ー |
マルチキャストアドレス
このRFCでは枠組みとして以下のビットアサインが決まっています。これだけではあいまいなので、他のRFCによって細部規定されたものを実際には使用します。
1111 1111 |
フラグ(4bit) |
スコープ(4bit) |
グループID(112bit) |
フラグ4bitの構成は、0 R P T です。 RはRFC3956, PはRFC3306で規定、T=0はIANAによって永続割当されるアドレス、T=1は一時割当アドレスを表します。
スコープ4bit(16進数値で0〜F)は、1,2,4,8、E が規定されており、1:インタフェースローカル、2:リンクローカル、4:管理ローカル、5:サイトローカル、8:組織ローカル、E:グローバル
を表します。
リンクローカル・ユニキャストアドレス
ルータを越えない単一リンク上の範囲で使用するユニキャストアドレスです。主な目的は、アドレスを自動で構成する際の情報送受、ルーターがない場合のアドレスに使用することです。
1111 1110 10 |
0(54bit) |
インタフェースID(64bit) |
RFC 3849 文書化のために予約されるIPv6アドレスプレフィックス |
RFCや本、文書などにおいてIPv6アドレスの例を示すときに、実アドレスとかぶり問題を起こすことのないように次のプレフィクスが用意されます。
2001:DB8::/32
RFC 2462 IPv6ステートレスアドレス自動構成 |
ルータからのプレフィックス情報(RA)と自身のMACアドレスからIPv6アドレスを自動生成する手順を定義しています。
RFC 3041 IPv6ステートレスアドレス自動構成のプライバシー拡張 |
RFC 2462で定めた手順で自動構成したIPv6アドレスは、そのノードのMACアドレスが容易に特定できる番号となっています。不特定多数の通信を行うインターネットでは、MACアドレスから匿名性が失われる等の危険があります。そこで、MACアドレスからではなく乱数によるアドレス生成を行う手順を追加します。
IPv6をインターネットのグローバルアドレスとは別に使用する場合に、IPv4のときのプライベートアドレスのように使用できるアドレスです。
[ローカルな環境でIPv6を使用する」ページ
RFC 3306 ユニキャストプレフィクスに基づくIPv6マルチキャストアドレス |
注)リンクローカル・マルチキャストアドレスについては、本RFCを置き換える新しいRFC 4489が定義されました。
1111 1111 |
0011 |
スコープ(4bit) |
0000 0000 |
プレフィクス長(8bit) |
プレフィクス(64bit) |
グループID(32bit) |
スコープの定義は、RFC2373の2.7節で定義される値です。
プレフィクス長は、後続のプレフィクス(ユニキャスト・プレフィクス)のサイズを示します。
例) RFC3306より
グローバルなユニキャストプレフィクス 3FFE:FFFF:1::/48 に基づくマルチキャストのプレフィクスは、
FF3x:0030:3FFE:FFFF:0001::/96 になるでしょう (xには
RFC 4489 リンク内IPv6マルチキャストアドレスの生成方法 |
RFC 3306の方法ではマルチキャストアドレスを生成するときにプレフィクスが必要です。プレフィクス割当サーバのないリンクローカル環境において、プレフィクス情報なしにマルチキャストアドレスを生成するための方法を定義しています。
1111 1111 |
0011 |
スコープ(4bit) |
0000 0000 |
プレフィクス長(8bit) |
インタフェースID(64bit) |
グループID(32bit) |
スコープは2以下でなくてはならない
インタフェースIDは、リンクローカル・ユニキャストアドレス生成時に決定されるもの。
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