Palm Desktop2.5(MacPac2.5)日本語化キット(ver.3)について



日本語化キットver.3の変更点(99.12.31)
・Conduitのパッチを変更。ホットシンック時にデータの日本語が変換されない問題の解決のために、暫定的に見口さんの「MacPac2日本語キットR6b2」によるパッチファイルに対し、さらにパッチを当てる方式を採用させていただきました。
・一部日本語の変更、ヘルプを除く、全アラートの日本語化
・この「お読みください」にいくつかの使い方のヒントを記述

日本語化キットver.2の変更点(99.12.28)
・全体として、日本語の完成度を高めた
・Conduitをパスと訳していたのをコンデュイットに変更(やっとconduitの意味が分かった)
・アピアランス(Decor)の表示変更〔文字を読みやすくした)
・ホットシンクで日本語が文字化ける現象の回避のためにコンデュイットを変更
(多分、この日本語化キットだけで、日本語表示、日本語でのホットシンクが可能になるはず)


Palm Desktop2.5日本語化キットに含まれるもの
Palm Desktop2.5はMaPacの一部ですが、他にも多くのファイルが含まれるため、これらのファイルも合わせて日本語化してみました。従って、他の日本語化キットと異なり、全部で7つのファイルから構成されています。

Palmェ Desktop2.5-jp patch:Palmェ Desktop2.5英語版のメニュー、ダイアログを日本語表示にします。
HotSyncィ Manager-jp patch:HotSyncィ Managerのダイアログを日本語表示にします。Palmと同期化しない場合は必要ありません。
Conduit Manager-jp patch:Conduit Managerのダイアログを日本語表示にします。Palmと同期化しない場合は必要ありません。
Instant Palm Desktop-jp patch:インスタントメニューの表示を日本語化します。このメニューそのものが不要な方は日本語化する必要はありません。
Palm Desktop Setup-jp patch:起動時に一回だけ表示されるものであえて日本語化する必要はありません。
Palmェ Registration-jp patch:オンライン登録を促す登録ダイアログを日本語化するものです。米国に送る情報の関係上、英語のままの部分が多くあります。敢えて日本語化する必要はありません。
・Conduitsフォルダ内にさらに、
Address Conduit J-jp patch、Datebook Conduit J-jp patch、Memo Conduit J-jp patch、ToDo Conduit J-jp patch、Backup Conduit J-jp patch、Install Conduit J-jp patchの6つのパッチが入っています。それぞれ対応するConduitダイアログの表示並びにPalmとの間で日本語でホットシンクが出来るようなリソースを加えます。Palmと日本語で同期化させたい場合は必要です。Palmェ Desktop2.5を単独で使用する場合は必要ありません。今回は見口さんの「MacPac2日本語キットR6b2」によるConduitパッチファイルを更にパッチで表示を日本語化する方式になっています。
アピアランスフォルダ:英語版ではDecorと呼ばれるファイルで日本語表示を行うものです。
日本の祝日2000-2001:日本の祝休日のファイルで、容易に自作できますがおまけとしてつけました。


日本語化パッチの手順
ちょっと複雑なのでよくお読み下さい

(1)全体的な注意
これ以外の日本語パッチと異なり、MacPacの場合は、
日本語パッチを当てるとオリジナルの英語版は削除されます。従って、英語版も併用したい方、もしくは日本語版で問題が生じたときのために、「Palm」全体の複製を作って別の場所に保管してください。(日英両方のファイルがあると正しく機能しない可能性があるので、今回は英語版は削除する方式にしました。)
今まで、英語版で作成していたデータはそのまま引き継がれますので、心配ありません。

パッチはそれぞれのパッチファイルを起動し、書き換えるファイルを手動で探します。今回はファイル数が多いので、多少面倒ですが、インストーラを使うよりも自由度が高いので、この方式にしました。多少面倒ですがよろしくお願いします。

(2)Palm Desktop2.5を単独で使用しているまたは使用したい場合の日本語化
Palmまず、オリジナルのMacPac2.5を入手してください。インターネットから入手するか、市販のパッケージに含まれるものをお使いください。
これをEasy Installでインストールしてください。
Palm」というフォルダと、システムの機能拡張フォルダに起動フォルダにのエイリアスがインストールされます。
Palm Desktop2.5を単独で使用する場合は、"Instant Palm Desktop"、"Serial Port Monitor"、"HotSyncィ Manager"、"Conduit Manager"、"Conduit"フォルダは不要ですので削除して構いません。
では、日本語化作業を行いましょう。

まず、
Palm Desktop2.5日本語化キットフォルダの中の、Palmェ Desktop2.5-jp patch、Palm Desktop Setup-jp patch、Palmェ Registration-jp patchパッチプログラムでパッチを当てます。
patchと書かれたファイルをダブルクリックするとダイアログが表示されます。そこで指定されたオリジナルのファイルを選択します。「Patch」ボタンを押すと保存先を指定するダイアログがでますので、そのまま(オリジナルと同じフォルダのまま)「保存」ボタンを押すと、自動的にパッチ作業が行われ、-jpがついたファイルに変更されます。

(3)新規に利用したい、Palmとのデータ交換も行いたい場合
Palm/workPad等のPDAとホットシンク〔データ交換)を行う場合、Conduitというデータ変換ソフトを使用しますが、このプログラム中に文字コードをフィルタリングする機能が含まれています。これが欧州語にしか対応していないため、日本語のデータを交換しようとすると文字化けが起きてしまいます。
この問題を解決するために、見口さんにより
「MacPac2日本語キットR6b2」が開発され、氏のホームページ(
http://members.nifty.ne.jp/mig/pilotroom/)から入手することが出来ます。今回はこの一部のファイルを使用させていただきます。
1.まず、MacPac2.5を簡易インストールします。
2.次に、「MacPac2日本語キットR6b2」でオリジナルのMacPac2.5にパッチを当てて下さい。
3.MacPac2.5の中身はJがついたファイルに置き換えられますが、
「Conduit」フォルダ以外の全てのファイルを削除して下さい。機能拡張フォルダにあるInstant Palm Desktop Jも削除して下さい。
4.再度、MacPac2.5を簡易インストールします。
5.
Palmフォルダ内のConduitフォルダを、3で残したConduitフォルダ(中身はJがついたファイル)に置き換えます。
6.この状態で、この「Palm Desktop2.5日本語化キット」のパッチファイルを順番に(順番はどうでもよいが)起動し、パッチを当てていきます。
Conduitファイルも含め全部で12回作業を繰り返して下さい。
7.この中で、Instant Palm Desktopは機能拡張ファイルのため使用中ではパッチを当てることが出来ません。この場合は、まず機能拡張マネージャでInstant Palm Desktopをオフにし、再起動します。今度は「機能拡張(不使用)」フォルダに入っているInstant Palm Desktopを選択してパッチを当てます。それからもう一度、機能拡張マネージャで今後は新たに出来たInstant Palm Desktop-jpをオンにして再起動してください。

(4)既に「MacPac2日本語キットR6b2」でパッチを当てたPalm Desktop2.5を使用している場合
1.現在使用中の"Users"フォルダ、初期設定ファイル"Palm Desktop Info"、および現在のデータがPalmフォルダ以外にある場合はそのファイルを別の場所にバックアップしておきます。
2.(3)の手順のうち、4以下を行って下さい。

(5)アピアランスフォルダ
この日本語化キットを使用する場合、表示の見栄えを変える「Decor」フォルダは使えなくなります。それは「アピアランス」に置き換えられますので、
必ず「アピアランス」フォルダを「Palm」フォルダ内の第1階層に移動してください。(「Decor」フォルダは残したままでも捨てても構いません)。

(6)「日本の祝日2000-2001」ファイルの追加
これはおまけですが、これを使うと、2000年と2001年の日本の祝休日がイベントバーとして一括登録できます。やり方は下に書いていますが、
「日本の祝日2000-2001」ファイルはどこに置いておいても構いません。1回限りしか使いません。
「Palm」フォルダ内の第1階層に置いておけばよいでしょう。
「Holidays」というフォルダは日本語システムでは使えませんので、使わないようにしてください。


一層の日本語化と、より便利な使い方
●PDAとの日本語データ交換について
残念ながら、私はPalmを使っていないので確認することができません。ユーザーの報告では、上記の(3)(4)のやり方でうまくいっているようです。
申し訳ないのですが、ホットシンクによるデータの損傷については、責任を負いかねますので、事故リスクで試されるようお願いします。

●アピアランスの変更
英語版ではDecorと呼ばれる機能ですが、MacOSの機能にあわせてアピアランスという名前にしました。
「アピアランス」フォルダをPalmの第1階層に入れている場合、このファイルが使用できます。
標準の"シンプルグレー"だけは年月日が文字化けします。このアピアランスを使いたい場合、編集メニュー「環境設定...」の「一般」で「日付形式」で「短い」を選択するか、Font Patchin`等で更にパッチを当てることで解消します。

●祝休日の読み込み
おまけの
「日本の祝日2000-2001」ファイルを使うと、2000年と2001年の日本の祝休日データをイベントとして読み込むことが出来ます。
「ファイル」メニューの「読み込み...」でを選択し、ダイアログでこの「日本の祝日2000-2001」ファイルを指定します。
次に、フィールド指定のダイアログで「フィールド」で「スケジュール」、
「レコード区切り」で「タブ&リターン」を選択して読み込みを開始すると、自動的にスケジュールの各日に祝日のイベントバーが設定されます。
この書類の年の数字を書き換えれば同様に、2002年以降のデータを作ることが出来ます。
●読み込みファイルの作成
家族の誕生日棟のデータも同様にこのファイルを書き換えれば出来ますが、次の方法でも作ることが出来ます。
イベントバーのデータは次の順で構成されています。
「表示するイベント名」→「開始日」→「終了日」→「開始時刻」→「終了時刻」→→→「カテゴリー」↓
→の部分はタブキー、↓はリターンキーです
実際には開始時刻と終了時刻は必要ないので、終了日とカテゴリーの間はタブを3回押すことになります。カテゴリーの後は必ずリターンキーで改行します。これをワープロやテキストエディターで作成し保存します。
カテゴリーを指定すると、色を自動的につけることが出来ます。

●カテゴリーの設定
タスクバーや予定を色分けすることが出来ますが、この名称はデフォールトでは英語名になっています。これはカテゴリーのポップアップメニューの「カテゴリーの編集」で自分の必要なものに置き換えてください。Private→個人、Business→会社、Holiday→休日と言った具合です。
全部で15のカテゴリーしか分類できないことに注意してください。どこかの個所で作成したカテゴリーは全ての面で有効になります。

●環境設定について
・一般→日付形式:「長い」にすると日間スケジュールで曜日まで表示されますが、「短い」では「99.12.28」形式にだけになります。
・住所録:
「自動大文字化」が初期値でチェックされていますが、必ずオフにしてください。オンのままでは、住所録に日本語を記入すると一部が文字化けになります。
・住所録→電話番号:のポップアップメニューの「ミ」は解消されません。
・スケジュール:「予定欄で時刻を合わせる」をチェックしておくと、時刻の間隔が短くなり見やすくなります。
・フォント:ここで設定できるのは一覧表だけで、スケジュール欄の予定や、やることの文字の大きさを変えることは出来ません。

●住所録の表示を日本形式にする
Palm Desktopはコンデュイットを含め、住所の形式も多数の国に対応しているのですが、残念ながら日本の形式には全く対応していません。住所録の名前はファーストネーム、ラストネームの形式ですし、住所も日本とは逆の欧米形式になっています。この日本語版では、入力画面まで日本方式にすることはできませんでしたが、住所録の表示を日本形式にできることを見つけましたのでしょう解します。
「環境設定」の「住所録」ダイアログに「国際住所形式」という欄があります。オリジナルでは欧米の国名だけがメニューにありますので、「加える」で「日本」を加えます(他の国は削除しても構いません)。
ここで、住所の形式を指定するわけですが、指定ダイアログに並んだメニューから次のように指定してください。
第1行:Zip
第2行:Country、State、Street1
第3行:Stree2
住所録の入力画面は英語のままですが、まず名前のところは
First nameに日本語をフルネーム(日本太郎)で入れましょう。Nickname欄に「ふりがな」を入れておくとソートなどで役に立ちます(但し、
現在の日本語版では日本語順のソートが出来ないので、ソートを目的とする場合は、「Nihon Tarou」のようにローマ字で記入したほうがよいでしょう)。それ以外は空欄のままで構いません。
次に、住所ですが、これも日本形式と順序は逆になっていますが、
Zip欄に郵便番号(102-0046)
Stree1欄にフルの住所(たとえば東京都千代田区一番町5-13)
Street2欄にマンション名やビル名を記入します。住所録カードで住所が長くなっても自動改行されないので、長いものは2行に分けたほうがよいのです。
City欄に市区、State欄に都道府県名を入れる方法もありますが、入力が面倒になるだけなので、Stree欄にまとめて記入して構いません。(目的によっては細かく記入したほうがよい場合もあります)
こうすると、住所録カードには
   日本太郎
   102-0046
   東京都千代田区一番町5-13
   番町マンション36号
というように表示されます。これは、住所録一覧表でも同様です。

●スケジュールをプリントアウトして使う
本来Palm DesktopはPalm等のPDA端末と連動させることを目的としたもので、その日の予定表はPalmで持ち歩けばよいのですが、私のようなPalmが買えない貧乏人でも印刷機能をうまく使えばエセPDAとして使うことが出来ます。
「印刷」メニューは住所録、やること、メモ、スケジュールを印刷できます。ここでは、その日のスケジュールをシステム手帳のバイブルサイズに印刷する方法を説明します。
印刷メニューで開かれたダイアログから「スケジュール」を選択します。更に、月間スケジュール、週間スケジュール、日間スケジュールが選択できますが、ここでは「日間スケジュール」を選びます。右のプレビュー欄に印刷イメージが表示されるので、すぐに確認することが出来るのは便利です。
次に、用紙を選択しましょう。レイアウトのメニューから「システム手帳について」を選択し、「その他」と「3.75x6.75(バイブルサイズ)」を選択します。
次に「レイアウト編集...」を選択し、編集画面にします。ここで印刷対象は全部、サイズ:3.75x6.75(Sr.Pocket Portrait)、向き:縦長、出力:片面、穴:6、付加印刷:切り取り線を印刷、フォント:Osaka、サイズ:7に設定します。
この画面の「用紙設定...」ボタンを押すとプリンタの用紙設定画面になります。プリンタがバイブルサイズの用紙の印刷をサポートしている場合は、バイブルサイズの用紙をカスタム設定します。そうでない場合はA4縦長の用紙を設定します。
「保存」ボタンを押せば準備は完了で、後は指定日が印刷されます。A4用紙の場合は、自分でカットしたり穴を開ける必要がありますが、そのままメモ用紙として持ち歩くだけでも使えます。


Palm Desktop2.5で現在分かっている問題点
●スケジュール画面や印刷設定で「指定日へ移動」が機能しない
スケジュール画面で、メニュー又はボタンで「指定日へ移動」を選択し、カレンダーから今日以外の日を選ぶと「その日付は理解できない」というメッセージがでることがあります。またスケジュールの印刷画面のカレンダーも変更が出来なくなります。
これは日本語化による問題ではなく、日本語OSとこのアプリケーションの不一致によるものです。
コントロールパネル「日付&時刻」で「短い日付の設定」で「年を4桁にする」を選択すると発生します。ですからここは「2桁」のままにしておけば問題は発生しません。

●「日本の祝休日」を読み込むと全て今日のイベントになってしまう
これも上記と同じで、コントロールパネル「日付&時刻」で年表示を4桁にしている場合に起きる不具合です。
日本語MacOSでは年月日の書式は「xxxx年xx月xx日」でなければなりません。Palm Desktop2.5に標準で入っているHolidaysのデータは「December 24, 1999」のような米国書式になっているため認識できず、同様に全て今日のイベントに読み込まれてしまいます。
ですから
、オリジナルのHolidaysデータは使わないようにしてください。

●インスタントメニュー(instant Desktop Menu)が更新されない
私は特にこの機能は必要とも感じないのですが、お使いのユーザーでたまに内容が更新されないことがあります。このときは、システムフォルダ→初期設定フォルダ内の「 Info」という初期設定ファイルを捨ててPalm Desktopを再起動すれば更新されます。

●プリンタやモデムが使えなくなる
Palm Desktop2.5を標準インストールした状態では、HotoSyncとSerial Port Managerがオンになっており、これがポートをふさいでしまうことが原因です。
メニューからホットシンク設定を選択し、「ホットシンクコントロール」でホットシンクをオフにします。また、オプション設定で「起動時にホットシンクソフトをオンにする」がチェックされているのを外してください。



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1999.12.17(ver.1)/12.28 (ver.2)/2000.1.3(ver.3)
ハリー小野
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(C)1999 -2000 Harry Ono