日本語パッチの再配布について

1998年10月6日



幸いにMac Clinicの日本語パッチはMacユーザーの方々から好評をいただいております。
せっかく作ったものですし、なるべく多くのユーザーに使っていただきたいのですが、いくつかの理由からNifty-SereveやInfo-Macへの登録を見合わせています。
現在は、一部の雑誌には掲載を許可している他は、Mac関連のサイトからリンクを貼っていただく程度にとどめさせていただいています。

なぜ、もっと広く配付をしないのか、疑問をもたれる方もいらっしゃると思いますが、あるユーザーとの交信で、私の考えを述べていますので、それを転載します。

ハリー小野様
いつも、こちらの日本語化パッチには大変お世話になっています。唐突ですが、題記の件についてお問い合わせします。
私は、大手パソコン通信であるNIFTY-ServeのMacintosh Beginner's Forum等でよく発言やコメントをしているのですが、その際、よくFreePPPやGraphicConverterについての質問が多数寄せられます。それは多くは英語版であることが障害になっているケースが多々見受けられます。こういった方々は多くがインターネットへ接続する手段を持っていません。よって、Mac Clinicの日本語化パッチの恩恵を得ることもなかなか難しい状況にあります。 そこで、こちらのパッチをNIFTY-Serveのライブラリに登録する予定はありませんでしょうか?シェアウェア作者との絡みから、もしも公的な場所への再配布が難しいのら、希望者に対して個人的にメールなどで再配布してもよろしいものでしょうか?(藍采和)

藍采和殿
メール有り難うございました。
私も一番良いのは日本語化されたプログラムそのものの配付、2番目はNiftyなりInfo-Macなりもっと大きなアーカイブでの配付が望ましいと考えているのですが、以下の理由から、自分のホームページでの配付にとどめています。
1)大半のものは作者の了解または黙認してもらっていますが、一部には了解がとれていないものがあります。最近は日本語版の製品版が出ているものがあり日本語パッチを歓迎しない作者もいます。シェアウェア作者の中には金儲けに必死で、自分の作品がより多く使われることに喜びを感じない人もいるようです。シェアウェアの登録増加に協力していると思っているのですが、そう理解してもらえないのは残念です。
2)不完全な日本語化であること。
元々はあくまでも自分が使うために日本語化したものを、皆さんにも使ってもらおうと配付しているものです。自分の為であれば、ヘルプやめったにでないアラート、登録画面の日本語は面度なので省略します。しかし、色々な方が使うことを考えると、ほぼ完全に日本語化する必要があります。これは時間的にも大変です。プログラムの関係上、どうしても日本語化できない部分が残るものもあります。また、文字化け対策としてFont Patchin'を使わなければいけないものがあるのも、半端な製品になってしまいます。Reae Meやマニュアルも日本語化していません。私は、商売でやっているわけではないので、ここまでやる気はありませんが、一方であまり中途半端なものを広く世間に配付することの後ろめたさも感じています(世の中には随分いい加減なシェアウェアも多いですが)。
3)日本語化のミスやバグがあること
私が作成している日本語パッチの多くは、ユーザーの要望によるもので、私自身は使っていないものが大半です。機能を確かめずに機械的に翻訳しますので、中には訳語が適当でないものや、不要に日本語化したことで動作が変わってしまうものもあります。ほとんどテストはせず、その後のユーザーの指摘により何回か修正を行います。そのためにも、Niftyのような不特定多数のユーザーが訪れるところよりは、Mac Clinicのようにユーザーが限定されてい方が、私としては安心できます。
4)スピードを重視
シェアウェアはアップデートが多く、パッチというプログラムの性格上、オリジナルがアップデートしたらパッチもアップデートしないかぎり意味がなくなります。そのため、正確さよりもスピード重視でやっていますが、とても他のサイトの更新まで手がまわらなくなります。
5)日本語パッチはあくまでもMac Clinicの活動の一部
Mac ClinicはユーザーがもっとMacを使いこなし、楽しいMacライフが送れるように支援をする目的で運営しています。質問にもありますが、英語で書かれているばかりに便利なプログラムを使わなかったり、使い方を間違えているためにトラブルに巻き込まれたり、ということに対応するために日本語パッチを作成しています。ユーザーの方に全体の活動を理解していただく意味も込めて、あくまでもMac Clinicの「薬」として日本語パッチを配付しているのです。

ということで、申し訳ないですが、ここしばらくは他のサイトでの配付は行わないつもりです。インターネットの場合はリンクを貼っていただけばアクセスできると思いますので、それでよろしくお願いします。
ハリー小野


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