整形外科

Macのハードウェアのアップデート(RAMの増設、HDの増設など)に関する悩みについて診断します。

最終更新 1999年10月23日


診断項目一覧


Title: Performaでもユーザーがメモリやハードディスクを増設できますか

[症状]
Performa5430を購入して以来、買ったままの状態で使用してきましたが、さすがに最近では、ハードディスクも一杯になり、またOSのアップデートもしたいので、メモリの増設もしたいと考えています。しかし、Performaのような一体型のMacの場合、私のようなあまりパソコンの知識のないユーザーでも、自分でメモリの増設や内蔵ハードディスクの交換ができるのでしょうか?

[診断]
Performaの場合、もともとのコンセプトが家電を目指していましたので、拡張性については最小限にとどめられています。しかし、個々のコンポーネントは取り外しが可能ですから、メモリの増設やハードディスクの交換は可能です。
Performaの場合は、デスクトップ型やタワー型のMacに比べると、ケースの分解が大変なように感じられますが、実は、Performaのロジックボードは引き出し式になっていて、後方から引き出せば、簡単に内部にアクセスすることができます。この方法については、Performaのマニュアルに図解されていますので参照して下さい。機械は全くだめ、テレビとビデオデッキの接続もできない、そのためケーブルの接続の必要がない一体型のPerformaを買ったというユーザーならば、メモリの増設や内蔵ハードディスクの交換はショップに依頼したほうがよいでしょう。始めはパソコンなんて、触るのも恐ろしかったが、使っているうちに何となく分かってきたというユーザーは、ハードのアップグレードに挑戦してみましょう。自分でメモリやハードディスクを購入し、自分で装着してみる、この過程で、メモリ、ハードディスクへの知識が深まりますし、自分でMac本体をいじると、ハードに関してすごく自信がつきます。
雑誌などでも定期的にハードのアップグレードに関する特集を組みますので、それらの写真をみればある程度は、経験がなくてもできるはずです。ハードディスクの場合は、内蔵ハードディスクの交換ではなく、外付けハードディスクを購入しても構いません。これを起動ディスクに設定すれば、内蔵ハードディスクを交換したのと同じ効果が得られます。



Title: PowerBookを分解するための特殊工具はどこで入手できますか

[症状]
PowerBook180cを使用していますが内蔵ハードディスクを交換したいと思い中を空けましたが、6角のねじがあります。この工具はどこで手に入りますか?

[診断]
もともと一般の人が簡単に分解できないように、6角星形の特殊な頭のねじを採用しているのです。携帯電話とか、ゲーム機なども同じ目的で特殊なねじを使っています。Macの場合は、MacintoshPlusも特殊ねじでした。
これを回すには、トルクスレンチが必要です。トルクス(Torx)というのは商標です。サイズが色々ありますがT8とT10を用意すればよいでしょう。
以前は特殊工具を扱う店やMac専用店でしか入手できなかったのですが、最近は大手のホームセンターやDIY店でも見かけるようになりました。

Macを分解するためのツール
デスクトップマシンの場合、機種によっては全く道具を必要としないものもあるが、通常はプラスドライバーが一本あれば足りてしまう。
PowerBookの場合は、非常に分解するところが多くなるのでいくつかの道具が必要だ。まず、PowerBook2400以外では、トルクスドライバーが必要になる。さらにプラスとマイナスの精密ドライバーセットが欲しい。
ネジ以外に隙間をこじ開けたり、部品を動かすのに使う。ネジが小さいので、ピンセットと、ネジを入れる仕切トレイを用意しておくと後の組み立てが楽になる。
通常は使わないが、回路をいじる場合は、ニッパや電子用半田ゴテが必要になる。


メモリ増設

Title: Mac初心者でも、自分でメモリを増設しても大丈夫でしょうか。

[症状]
Performa6210(漢字Talk7.5.1/RAM16MB)のユーザーですが、メモリの価格も下がっていますし、メモリの増設を考えています。しかし私は、Mac初心者ですので、メモリの増設をユーザが独自に行っていいものかどうか不安です。Macの場合は静電気に弱いだの、ユーザー自身が増設した際には保証が効かないなど色々と警告されるので何となく怖いのです。さらに、メモリ速度が80nsと60nsと異なるSIMMを併用しても支障が生じないかどうか教えてください。

[診断]
結論から言いますと、基本的な注意さえ守れば、メモリそのものの増設や交換は難しくはありません。但し、PowerBookや一部のデスクトップ機(PowerMac8500等)は筐体を開けたり、メモリスロットへのアクセスが難しく、特殊工具を必要とする場合もありますので、初心者では難しいかもしれません。
メモリの増設交換ではある種のリスクを伴うことは事実です。ICは静電気に弱く、簡単に断線してしまいます。RAMの増設交換では、静電気を発生させないように、また直接金属部分に触れないように注意する必要があります。RAMがだめになるだけならばいいのですが、最悪の場合はロジックボードをだめにする場合もあります。専門業者は、腕に静電気を逃がすケーブルを付けたり、ゴム靴をはく、カーペットの上では作業をしないなど、最新の注意をはらいます。一般のユーザーは静電気が起きやすい環境など分かるわけもありませんので、あまり脅されると手が出せなくなってしまうのですが、ある程度は覚悟を決めてやるしかありません。ただ、注意しすぎて困ることはありません。
ユーザーがメモリの増設や交換を行った場合、Appleの保証を受けられなくなる可能性はあります。しかしそれは、メモリの増設や交換が原因で発生した不具合に対してで、Appleは全ての責任を逃れられるわけではありません。もちろん、メモリの増設や交換により、マシン全体に損傷を与えた場合は、それはユーザーの責任です。いずれにしても、1年経てばメーカーの保証は切れてしまいますから、その理由で、自らハードをいじることをためらうことはないでしょう。
複数のRAMをさす場合のメモリの速度に関しては、速度が異なるものを挿しても問題はありません。メモリへのアクセス速度は、ロジックボードのバスの速度で決まりますので、その速度より速いものであればよいわけです。
Performa6210の場合は80nsですので、60nsのRAMを挿しても80nsで動くだけです。しかし、一般的には、RAMは同じメーカー、同じサイズのものを2枚挿すほうが安定していると言われています。


Title: DIMMの装着はSIMMの装着よりも難しいですか?

[症状]
以前Quadra650のSIMMの増設を自分でやったので、PowerMac7500でも簡単だと思ったのですが、DIMMの取付けはスロットへの挿し込みがきつくて、どうしても挿し込めません。DIMMの取り付けには何か何か特別な道具がいるのでしょうか?

[診断]
SIMMはピンが片側だけですが、DIMMは両側にありますので、その分だけスロットとの接触面が多く、どうしても、抜き挿しには力がいることになります。
初めての場合は、どれくらいの力を入れたらいいか分からないものです。恐ろしくて、中途半端に挿した状態にすると、接点が加熱して発火する恐れもあります。従って、しっかり、両サイドの爪が完全に引っ掛かるまで深く挿し込む必要があります。
この力を確認するには、既に挿入されているDIMMを一つ抜いてみましょう。挿すよりも抜く方が力は少なくて済みますので、硬さの感じがつかめるはずです。そして、もう一度入れ直せば、だいたい要領がつかめます。しかし、抜くのも結構大変ですから、あくまでも勇気をもって、慎重に作業をしてください。



Title: どうすれば自分のマシンの増設メモリの情報を入手できますか

[症状]
PowerMac4400ユーザーなんですけれど、メモリのことがよく分かりません。「このコンピュータについて」を見ると、自分のマシンには36MBのメモリが装着されていることは分かるのですが、一体、自分のマシンにはいくつのメモリスロットがあって、最大搭載可能なメモリはいくつなのか、どういう種類のメモリを購入すればいいのか、どういう組み合わせが可能なのかなどが全く分かりません。これから、増設しようと考えているのですが、どうすれば、この辺の情報を入手できるのか、教えて下さい。

[診断]
このような情報は、それぞれのマシンのマニュアルに記載されています。また、雑誌の新製品レビューやメモリ特集でも掲載されることがあります。しかし、必ずしも、全ての情報が得られるわけではありません。私も、MacClinicではこのような質問が多いものですから、始めの頃は、自分で色々調べてデータベースを作成していました。しかし、急速にマシンの種類が増えてくると対応できなくて、本当に困っていました。
そんなとき、見つけたのが「GURU」(http://www.newerram.com/New_Folder/guru.html)でした。これは当初は、個人でMacのメモリをデータベースにまとめたもので、現在ではメモリモジュールやCPUカードメーカとして有名な、NewerTechnology社が保有し、無料で配付しているものです。
「GURU」(グル)とは、GuidetoRAMUpgradeの略で、当初はRAMのアップグレードの情報が中心でしたが、最近の版ではVRAMや2次キャッシュ、CPUアップグレードの為の情報、それに一般的なハードウェア情報が加わり、私のような活動にとっては無くてはならないものになっています。
メモリの項目では、搭載可能なメモリとメモリスロット数、その組み合わせ、メモリの仕様が全て分かるようになっています。



Title: Mac用の72pinSIMMといったら、この世に一種類しかないのですか?

[症状]
ColorClassicIIのメモリを増設したいのですが、Mac用の72ピンSIMMでいいのでしょうか?Mac用の72ピンSIMMといったら、この世に一種類しか存在しないのでしょうか?

[診断]
メモリには沢山の種類がありますが、SIMMの場合は種類は限られます。
SIMMとはSingleIn‐lineMemoryModule(片面直線配置メモリモジュール)の略で、30ピンのものと72ピンのものがあります。30ピンSIMMは初期のMac(LCIIまで)に使用されたもので、その後は長らく72ピンのSIMMが初期のPower‐Mac(6100等)まで使われてきました。
ColorClassicIIの場合も72ピンのSIMMです。
メモリにはパリティチェックの有無という機能が含まれています。Macの場合はパリティチェックなしのものを、DOS/V機の場合はパリティチェック付きを装着するように設計されています。どちらも見かけは同じで、装着は可能ですが、普通はMacにはノンパリティと表示してあるものを購入して下さい。
後は、速度とサイズですが、速度は60ns、70nsのものが売られています。数字が小さいほど高速の意味ですが、規定上は80ns以下であれば、どちらでもかまいません。
サイズは、SIMMのボードに装着されているRAMの容量の合計です。現在市販されているSIMMのサイズは、4MB、8MB、16MB、32MBです。これは、メモリ(RAM)の集積度がまだ低く、かつメモリが非常に効果であった時代の名残です。
ColorClassicIIの場合、このいずれか1枚をSIMMソケットに装着できます。
その後、メモリモジュールについては、96年頃以降のMacには168ピンのDIMM(DualIn‐lineMemoryModule=両面直線配置メモリモジュール)という一枚のボードの両面にRAMを装着したメモリが採用されるようになりました。これは限られたメモリスロットで、なるべく沢山のメモリを搭載できるようにする工夫で、現在では1モジュールで最大256MBのサイズが可能になっています。DIMMは近年の技術革新を受け、さまざまな種類があり、より機種に依存した選択が必要になっています。


Title: 交換したRAMを活かす方法はありませんか

[症状]
私のPerforma5220(漢字Talk7.5.1)はRAMのスロットが2つで、現在は16MBのSIMMが2枚装着されています。32MBのSIMMを2枚購入して最大の64MBにしようと考えているのですが、そうなると、現在の2枚は捨てるしかないのでしょうか。どうすれば今あるRAMを生かすことができるでしょうか。

[診断]
メモリや内蔵ハードディスクを交換したとき、誰もが悩む問題ですね。特に古い時代を知っているユーザーにとっては、1MB数万円という記憶がありますから、16MBのSIMMを捨ててしまうなんて恐ろしいことはできません。しかし、実際には再利用のチャンスは限られています。16MBですから使い道も限られてしまいます。73ピンのSIMMが挿せる古いMacで8MBしかメモリを積んでいないものがあれば、この16MBのSIMMも第2のご奉公ができるでしょう。古いMacを使っているユーザーは沢山いますので、Niftyの掲示板などで売りに出せば売れる可能性はあります。
以前、DIMMが初めて出たころ、2枚のSIMMを合体させてDIMMを作るというアダプタが売られたことがありました。これを使えば、16MBのSIMM2枚で32MBのDIMM1枚になり、32MBならば、まだ利用価値はありますので、DIMM搭載の中古Macでも購入したときには、役に立つかもしれません。
後は、非常用のRAMとして保存しておきましょう。メモリで何らかの障害があったとき、すぐに交換できれば、仕事が中断されずに済みます。



Title: PowerMac8100にEDOメモリは使えますか

[症状]
現在、PowerMac8100/80を使用していますが、手元にDOS/V用のEDO‐RAMがあまっていたのでこのMacに取り付けようかと思いますが利用できますでしょうか。

[診断]
SIMMやDIMMで使われているDRAMには、FastPage(ファーストページ)型と呼ばれるものと、EDO(ExtendedDataOut=拡張データ読み出し)型があります。EDO型はFastPage型の改良型で、読み書きのタイミングを調整することでより高速のアクセスを達成していると言われていますが、実際には、体感できるほどの速度差はないようです。EDOが出現したころは、価格も若干高めだったのですが、最近のDOS/V機は全てEDO型を採用しているため、現在はこちらのほうが価格が安くなっています。Macでも使えるものならば使いたいというのは当然の成り行きでしょう。
しかし、残念ながら、全てのMacでEDOメモリが使えるわけではありません。それは、多くのMacのメモリコントローラがEDOのタイミングを使えるようになっていないからです。発売されたMacのうち、EDOタイプが標準搭採用されたのはPowerMac4400のみで、それ以外の機種では、一般にはEDOの搭載は推奨されていません。
EDOが使用できるとされている機種は、PowerMac5400、5500、7300、7500、7600、8500、8600、9500、9600、及び。Performa6400です。但し、EDOによるスピード改善の「効果はなし」といわれています。
一方、絶対にEDOが使用できないモデルとしては、第一世代ののPowerMac(6100、7100、8100)と7200がアナウンスされており、最悪の場合は、ロジックボードを破損する危険があるそうです。これに当てはまる、8100での装着は諦めるしかありません。



Title: 古いMacのメモリを増設したい

[症状]
LC630のユーザーです。メモリは8MBで、買った当初は別に不自由なかったのですが、最近のソフトは必要なメモリが大きく、新しいゲームを買ってもメモリ不足で動かないものもあります。メモリは増設できると聞きましたが、どの程度に増やしたらいいのですか。またどうやって増やすのですか。

[診断]
最近では、新しいMacを買うときはメモリを増設するのが当たり前になっていますが、数年前まではメモリは非常に効果だったため、必要最小限の標準メモリのまま購入し、そのままずっと使い続けていらっしゃるユーザーが結構多いですね。
メモリが高価だった時代には、プログラマもなるべくメモリを使わない設計をする努力をしていました。しかし、メモリの価格が低下するにつれ、さらに、ユーザーがアプリケーションの見栄えとかに価値を置くようになったため、メモリをふんだんに使うタイプのプログラムが非常に増えてしまいました。そして最近では、十分なメモリがなければ起動することすらできないゲームも出ています。以前であれば、メモリが少ないマシンでも、解像度を落とすなり、スピードを犠牲にすれば、とにかく楽しめる工夫がされていたものですが。
さて、質問の件ですが、LC630を主にどのような目的で使用するかで、必要なメモリ量は変わってくるのですが、いずれにせよ、今から増設するのであれば、最大容量まで拡大することをお勧めします。とにかく現在は、メモリの価格が安く、それで得られる恩恵に比べると余りあるものがあります。メモリは多いほど、システムも安定し、アプリケーションの速度も速くなります。
メモリの増設は、メモリスロットに挿してあるSIMMを交換することで間単に行うことができます。
32MBの72ピンSIMMを購入しましょう。これを現在メモリスロットに挿してある4MBのSIMMと交換します。これで、基盤にハンダ付けされている4MBのRAMと合わせて、最大容量の36MBになります。
LC630のケースの開け方、SIMMを挿入する上での注意については、マニュアルや雑誌の特集記事を参考にして下さい。自分でやる場合は、失敗した場合のリスクを負う覚悟が必要です。LC630の作業は簡単なものですが、不安ならばパソコンショップに依頼したほうが得策でしょう。
LC630のケースの開け方、SIMMを挿入する上での注意については、マニュアルや雑誌の特集記事を参考にして下さい。自分でやる場合は、失敗した場合のリスクを負う覚悟が必要です。
LC630の作業は簡単なものですが、不安ならばパソコンショップに依頼したほうが得策でしょう。

メモリ交換・増設の注意
1.SIMM/DIMMの金属部分を素手で触らない。保存は銀紙に包む。
2.静電気を起こさないように気をつける
・乾燥状態はよくない。冬は暖房を切る。加湿器を置いた部屋にする。
・毛や化繊のセーターは着ない。木綿の作業着が一番。
・毛や化繊のカーペットの上で作業しない。スリッパかゴム靴、革靴をはく。
3.ケースを開けたら、メモリスロットをよく観察する
4.抜くときは、サイドに爪があるのでそれを外す
5.購入してから長く空いていたスロットはごみが付着していたり、錆びている可能性があるので、息を吹きかけるか、軽くお湯を付けたガーゼで拭く。
6.挿入するときはSIMMに方向があるので注意する。上端を垂直に押し込む。
7.機種によっては、2本組で挿すもの、そのスロットが指定されているので、事前に十分にマニュアルを読んでおくこと。



Title: メモリインターリーブはどういう効果がありますか?また、60nsと70nsの速度差は?

[症状]
PowerMac7100/80AVでメモリー増設を考えています。マニュアルによると、インターリーブを効かせるには、同サイズのSIMMを2枚挿す必要があると書いてあるのですが、インターリーブとはどういう効果があるのでしょうか。また、60nsと70nsではどの程度、体感速度に差があるのでしょうか。

[診断]
コンピュータの処理速度を速めるには、CPUの速度を速めるだけではなく、メモリへのアクセス速度を速めることが効果があります。メモリそのものの物理的な速度を速くする方法としては、いわゆるRAMの速度や、EDO、SRAMの採用などがあります。しかし、以前はメモリそのものが非常に高価であったため、メモリへのアクセスの方法を工夫して、遅いRAMを使っていても、高速化する方法が考案されました。それが、インターリーブと呼ばれる方式です。
インターリーブは正式にはインターリーブド・メモリ(Inter‐leavedMemory)のことです。インターリーブとは聞きなれない英語ですが、辞書には「本に白紙などを綴じ込む」と書いてあります。大型コンピュータの場合は、複数のメモリを同時に使いますが、Macの場合には、2つのメモリを使います。インターリーブの仕組みは次のようなものです。
CPUはメモリを使う場合、まず、メモリに番地(アドレス)を割り当てます。例えば、2つのスロットに32MBのSIMMを2枚挿した場合、インターリーブがない状態では、0番から3200万番までのアドレスが連続して割り当てられます。一方、インターリーブが使用される状態では、奇数番は第一のSIMMへ、偶数番は第二のSIMMへ割り当てられます。こうすると、CPUから1サイクルでアクセスできるデータ量が増えます。通常プログラムは、連続した番地に格納されますから、インターリーブが働いている状態では、理論的には、2倍の速度でアクセスできることになります。しかし、現実には、インターリーブによる効果は10〜30%といわれています。
Macの場合、インターリーブメモリはQuadraのごく一部の機種で実験的に採用されました。その後、いくつかのPower‐Macでも採用されました。PowerMac6100、7100、8100の場合は、初めて64ビット幅のメモリ管理が採用されたのですが、当時はSIMMしかなかったため、インターリーブの有無にかかわらず、どうしても2枚のSIMMを一組で装着しなければなりません。
その他のPowerMac、例えばPowerMac8500などでは必ずしも2枚一組で増設する必要はありません。増設単位は1枚づつでもよいのですが、2枚一組で増設すればインターリーブ効果の恩恵を受けることができます。
この場合は、バンクAとバンクBの同じ番号のスロットに、同じサイズのSIMM/DIMMを2枚挿入します。
また、メモリ速度の、60nsは70nsとの違いの件ですが、これはいろいろな実験でも、この差は体感できないという結果が出ています。もちろん、非常に長時間、RAMにアクセスするような処理の場合は、その差が現れると思いますが。



Title: 自分でメモリを増設したらシステムが起動しません

[症状]
Performa588ユーザーです。オリジナルのメモリは8MBで、4MBがオンボード、4MBのSIMMがスロットについていました。もう一つ空きスロットがあり、ここに32MBのSIMMを通販で購入し、自分で装着しました。しかし、起動したり、起動しなかったりの状態になりました。増設したSIMMを外すと起動できました。購入したSIMM自体が不良品なのでしょうか、それとも、装着場所を間違えているのでしょうか?

[診断]
Performa588のメモリの増設単位は1本ですから、空いたスロットに32MBを入れたことは間違いではありません。
考えられるのは、SIMM自体の不良か、SIMMスロットの接触の問題でしょう。前の症例でも説明しましたが、SIMMについているRAMは大手メーカーが生産しており、出荷時の不良率はほぼゼロと考えてもいいはずです。しかし、SIMMはそのRAMを小さなボード状に装着したもので、必ずしも大手メーカーが生産しているわけではありません。SIMMにもブランドがあり、グリーンハウスやメルコといった一流品から、ノーブランドまであります。SIMMの不良率は意外と高いものです。多くは、RAMのハンダ付けの不良やピン部の不良です。ブランド品とノーブランド品の違いは製品検査の厳しさの差で、ブランド品はそれだけ価格が高くなりますが、信頼性が高いのです。通販で売られている格安のメモリの場合、ノーブランド品が多いのです。通販やノーブランド品が必ずしも悪いわけではありません。あくまでも確率の問題で、不良品に当たる確率が高くなるということです。
いつの場合も、価格が安いことは魅力ですが、メモリに関しては、確実性を求めるならば、多少高くてもブランド品を購入するか、お店の保証がついているもの(ノーブランド品でも5年保証というものもあります)を購入するほうが得策です。メモリが不良の場合、それだけで、マシン全体が損傷を被ることはありませんので、交換してもらえることを確認しておくべきです。
第二の原因である接触不良ですが、今回のケースのように、購入してから時間が経っている場合、空きスロットの接点にほこりがついているか、腐食していることが多いのです。ほこりは息を吹きかけるなり、ぬれたガーゼで拭けばとれます。錆びている場合は、SIMMを何回か抜き差しすると、腐食部分がとれます(今回のケースでは、この錆が原因であることが判明しました)。

iMacやPowerMacG3のSDRAMについて
RAMはデータを書き込んでは消し、書き込んでは消しといった作業を繰り返します。DRAM(動的RAM)の場合は、電気的にデータのある場所を覚え続ける必要があるため、どうしても時間がかかります。SRAM(静的RAM)は、データのある場所を記録する特別な回路を設けることでアクセス速度を高めています。しかし、SRAMは非常にコストが高いため、DRAMのままで速度を速める工夫が、iMacやG3で採用されているSDRAM(SRAMとよく似ているので注意!)です。SDRAMはSyn‐chronousDRAM(同期化DRAM)の略で、メモリのバスが一定周期の周波数に同期して動くように工夫されています。この結果、従来のDRAMの速度が60〜80nsであるのに対し、SDRAMは8〜10nsと非常に高速になっています。SDRAMはDOS/V機で先に採用され、青白G3ではPC/100というDOS/V標準規格を採用していますが、必ずしも、DOS/V用のものがそのまま使用できる訳ではありません。細部でマシンとの整合性が重要になるため、購入の際は、新型G3対応と明記したSDRAMを選択するほうが賢明です。



Title: 320MBに増設したはずのメモリが、96MBしか認識されません

[症状]
PowerMac8500/120+G3/266カード(MacOS8.1)にメモリ増設しました。8つのスロットの内6つを使い、32MBのDIMMを2枚と64MBのDIMMを4枚装着しました。全部で320MBになるはずですが、「このコンピュータについて」を見ると、96MBとしか表示されません。
もう1台、PowerMac8500/120(オリジナルCPUのまま)があって、こちらにも16MB2枚と32MB2枚の計96MBのメモリを挿してみたのですが、やはり81MBしか認識されていません。

[診断]
装着したメモリの総数よりも、「このコンピュータについて」の表示が小さい場合、まず、考えなければならないのは、そのコンピュータの最大RAM容量です。最大RAM容量が64MBのマシンに、128MBのRAMを装着しても64MBしか認識しません。
これはマシン毎で、扱えるメモリのアドレスが限定されているからです※。
この観点で、今回のケースを見てみると、PowerMac8500/120の最大RAM容量は1024MBですから、これは問題ないことになります。
次に、メモリスロットの使い方ですが、PowerMac8500/120の場合は、AとBバンクに同サイズのDIMMを挿すとインターリーブ効果が得られることになっており、今回のケースでもきちんとペアで装着しています。インターリーブ効果を期待しないのであれば、1本づつでも装着は可能ですから、装着配置でメモリが認識されなかったということは考えられません。
となると、後は、前回の症例と同じく、DIMMそのものの不良か、DIMMスロットでの接触不良を疑わざるをえません。
今回のケースでは2台とも一部のDIMMだけが認識されていることが分かります。1台目は32MBと64MBの2枚、2台目は16MB1枚と32MB2枚のようです。全てのDIMM、全てのスロットに問題があるのではなく、一部のDIMMもしくは一部のスロットは正常です。一部でも正常なものがある場合は、原因を簡単に見つけることができます。
まず、DIMM全部に番号をつけます。次に、A1スロットにDIMM1を挿して起動してみます。起動できるならばA1スロットは正常、DIMM1も正常。他のDIMMも確認します。多分、ここで全部のDIMMは正常なはずですので、どれか一つのDIMMを使ってA2〜B4までのスロットをテストします。これで、問題のスロットが発見できるはずです。
結果は、DIMMの挿入不良によるものでした。DIMMの症例でも取り扱いましたが、DIMMの挿入は堅いのでどうしても浅くなってしまっていたようでした。



2次キャッシュ

Title: 2次キャシュメモリは付ける価値はありますか

[症状]
PowerMac7100/80AV(RAM32MB)ですが、2次キャシュを増設すればMac‐intoshの何の性能がアップするのですか。また、2次キュシュは個人で取付けできるのでしょうか

[診断]
コンピューターは作業をするとき、プログラムや情報をRAMに蓄え、CPUとの間でやりとりをします。ところが通常のメモリはDRAMといって速度が遅いため、プログラムやデータのやり取りが多い処理では処理速度が遅くなってしまいます。そのため、CPUには1次キャッシュという小さな(32KB程度の)メモリが組み込まれており、非常によく使う命令等をここに蓄える仕組みとなっています。
2次キャッシュはCPUの外にあって、これと同じ役割を持つものです。SRAMという非常に高速のRAMで、ここに同様によく使う情報を蓄えます。
特にPowerMacでは効果があります。POWERPCで68Kのプログラム動かすにはエミュレーションモードでの処理すが、2キャッシュがある場合は、2次キャッシュがエミュレーションの処理を行うため、高速処理ができるようになります。
SRAMはDRAMに比べると非常に高価ですので、普通は256K程度にしますが、これでも十分な効果があります。専用のスロットがありますので、個人でも買ってきて簡単に取付けることができます。

G3のバックサイドキャッシュについて
2次キャッシュはPowerPC601(PowerMacに搭載されているCPU)以降のCPUで採用されたものです。
PowerPC750(通称G3)で採用されたバックサイドキャッシュは機能的には従来の2次キャッシュに置き替わるものです。従来の2次キャッシュの場合、CPUからのアクセスの方法はDRAMへのアクセスと全く同じでした。物理的に高速な分、メモリアクセスの高速化を実現していました。これに対して、バックサイドキャッシュの場合は、専用のルート(バスという)が設けられ、RAMへのアクセスとは全く独立して、2次キャッシュへのアクセスが可能になりました。さらに、G3MacではRAMにもSRAMを使用しているため、従来のPowerPCに比べると、システムの速度が数倍に高速になっているのです。
G3のバックサイドキャッシュは物理的には高速型のSRAMで、プロセッサーモジュール(CPUカードとも言う)上に直接固定されています。0〜1MBのサイズがありますが、ユーザーが後で増設することはできません。



Title: どうすれば2次キャッシュの存在を確認できますか?

[症状]
PowerMac6100/60(漢字Talk7.5.5)ですが、購入時には2次キャッシュが無かったため、256KBのSRAMを購入し自分で取付けました。ところが、本当に二次キャッシュとして働いているのか確かめるすべがありません。なにか方法はないでしょうか?

[診断]
MacOS8.5を使っている場合は、「システム・プロフィール」の「システム特性」のページの「メモリ概要」の項目の一つとしてL2キャッシュ容量がひょうじされます.
それ以前のOSには2次キャッシュの表示機能がありませんので、シェアウェアの「TattleTech」を使いましょう。「Tat‐tleTech」は、Macのハードや、インストールされているシステムの情報を調べるためのユーティリティで、他にもいろいろな情報を知ることができますので、是非とも常備しておくとよいでしょう。この中のCPUを選択するとL2Cacheのサイズ等が表示されます。
また、製品ソフトでは「TechToolPro」を使えば、2次キャッシュの存在を確認するだけでなく、その性能をテストすることもできます。これも、Macのハード、システムを管理するソフトとしては非常に役に立つものです。
TattleTech2.5.8のダウンロード


VRAM/ビデオカード

Title: VRAMを増設しましたが認識しません

[症状]
最近中古のMacLCIII(RAM20MB/漢字Talk7)を入手しました。同時にやはり中古の16MBのSIMMと256KBのVRAMを購入し増設しました。SIMMの方は認識したのですが、VRAMの方は認識しません。VRAMはSIMMのように自動的に認識しないものですか?使用しているディスプレーはナナオの20インチマルチスキャンで、スイッチで16インチモードにして使っています。

[診断]
LCIIIのVRAMは512KB分が基盤にハンダ付けされており、更に空きVRAMスロットに256KBのVRAMSIMMを装着することが可能です。ですから、今回の増設は間違っていません。メインメモリーの容量は、「このコンピュータについて...」で確認することができますが、VRAMのサイズを直接確認できるツールはありません。
VRAMを増設すると、コントロールパネル「モニタ」(または「モニタ&サウンド」)で、スクリーンサイズや表示色の選択項目が増加します。これにより、VRAM増設の効果が確認できます。
LCIIIの場合は、256KBのVRAMの追加では13インチで32000色にはなりますが、16インチ以上では256色のままです。これ以上はビデオカードが必要になります。



Title: Centris650のVRAMの増設方法について教えてください

[症状]
うちのマシンはCentris650なのですが、CD‐ROMがついていないためVRAMが512Kしか入っていません。そこで増設を考えています。広告ではVRAMの容量が3種類くらいありますが、最大で1M入るCentrisではどう組み合わせればいいのでしょうか。VRAMスロットは2つあり、やはり256KのVRAMを2枚さした方がいいのか、それとも512KのVRAMを一枚さした方がいのでしょうか。あとVRAM自体の選びかたや、その取り付けかたにポイントがあるようならばお願いします。

[診断]
モニタでどれだけの情報を表示できるかの能力をスクリーンサイズと呼びます。横x縦のビット数で表示します。モニタの解像度は72dpiに固定されていますから、大きなモニタほどビット数が大きくなります。また、それぞれのビットが表示できる色数をビット深度と呼びます。一般には色数でよいでしょう。スクリーンサイズと色数を掛け合わせたものが、そのモニタの情報量になります。モニタで表示されるデータは、VRAMというモニタ専用のメモリ(DRAM)に蓄えられます。VRAMとはVideoRAMの略です。
ですから、。スクリーンサイズと色数は、VRAMの容量で決まってしまいます。
最近のモニタは一体型PerformaやiMacの内蔵モニタも含めて、マルチスキャンという形式になっています。これは解像度を自由に変更できるものです。しかし、一般には、スクリーンサイズを大きくする(またはスクリーンサイズモードを大きくする)と、表示できる色数は少なくなります。従って、スクリーンサイズとともに色数も増やすためには、VRAMの容量を増やさなければなりません。
一般のMacはVRAMは専用のスロットにSIMMの形で差し込まれており、増設をすることが可能なのですが、一部のMacではメインメモリの一部を使っているものがあり、この場合は増設はできません。Centris650の場合、512KB分のVRAMが基盤に直付けされており、2つのVRAMスロットは空いたままになっています。512KBの次は、1MBなのですが、当時はVRAMSIMMは256KBが最大だったこともあり、2枚をセットにして増設するようになっています。
1MB以上に増設しても、1MBまでしか認識されませんから、それ以上のスクリーンサイズや色数が必要なときには、次の項で述べるビデオカードを装着する必要があります。
VRAMは中身からいうと通常のDRAMと同じなのですが、SIMMの形状が異なります。速度は80ns以上のものが必要ですが、現在はどのショップで売られているものでもこの条件を見たしていますから、Mac用の256KBのVRAMといって購入すれば、大きな問題はないでしょしょう。
取り付け方は、通常のメモリと全く同じですから、静電気対策等、メモリ増設の項を参考にして下さい。



Title: モニタ一体型のPerformaのモニタでフルカラーを表示できますか?

[症状]
Performa5220なんですが、このモニタは表示できるカラーが最大32、000色です。グラフィックをやりたいのでフルカラーを表示したいのですが、VRAMの増設は可能ですか?

[診断]
Performa5220にはVRAMがありません。これは、コストを下げるためだろうと思うのですが、メインメモリ(DRAM)の1MB分だけをビデオ用に使っています。
いくらメインメモリを増やしても、ビデオ分を増やすことはできない設計になっています。
この場合、15インチモードモード(640x480)で32000色、17インチモード(800x600)では256色表示になります。
VRAMがない機種や、VRAMの増設の上限がある機種でスクリーンサイズや色数を増加させたい場合は、別にビデオ出力カードを装着すればよいのです。
Performa5220の場合は、インターウェア社から出ているGrandVimage17DU(標準価格¥68,000)というビデオカードが装着できます。これで、内蔵モニタであっても、17インチモードでフルカラー(1680万色)が表示できます。これはLCPDSスロットに挿す形式のものですが、現在では残念ながら、生産中止になっています。店頭在庫品をさがすしかありません。古い機種(特に拡張スロットがPCI以前のもの)は、拡張カード類の入手が時間が経つに連れて難しくなってきていますので、アップグレードしてもしばらく使いたい場合は、早めに手当てをしたほうがよいでしょう。しかし、ビデオカードはかなり高価なものですし、32000色とフルカーラーの実用上の差はほとんどありませんから、グラフィックを職業としていないかぎりは、あえてビデオカードを購入する必要はないのではないかと思います。むしろ、同じ予算で内蔵ハードディスクの高速化を図ったり、メモリを一杯にまで増設するほうが、グラフィック作業を効率良くやるうえで、メリットが大きいと思います。




Title: 内蔵ハードディスクを大容量のものに交換したい

[症状]
LC630(漢字Talk7.5.1)を使用していますが内蔵HD(540MB)が一杯になってしまい、できれば2GB以上のものに交換したいと思っています。E‐IDE規格のものは市販されているのでしょうか。交換は自分でやりますので注意点もお願いします。

[診断]
E‐IDEはExtendedIDEの略で、IDEの規格を拡張し容量や転送速度を増加させたものです。ただのIDEとE‐IDEは互換性がありますから、E‐IDEのドライブを使うことができます。
数年前までは、Macの内蔵ハードディスクといえばSCSIと決まっていて、MacショップでIDEドライブを見かけることは少なかったのですが、最近ではいろいろな種類が入手できるようになりました。IDE(ATA)内蔵ドライブはDOS/V機で採用されているため、DSO/Vショップでは非常に多くの、安くて大容量のIDEドライブを見つけることができます。基本的にはMac用とDOS/V用の区別はないのですが、マシンの相性があり、DOS/VショップではMacでの搭載を保証していません。だいたいは大丈夫なのですが、心配ならば、Macを扱っているショップで動作が確認されたものを選んだほうがよいでしょう。IDEドアライブは近年、大容量化と低コスト化が進んでおり、4〜8MBくらいのものが中心になっています。余り大きなものは、消費電流がオーバーする場合がありますので、ショップで確認したほうがよいでしょう。漢字Talk7.5.1に付属している「ドライブ設定」ではApple非純正のドライブのフォーマットはできませんので(漢字Talk7.5.3以降のOSに添付されているバージョン1.2以降の「ドライブ設定」ではサードパーティ製のIDEドライブのフォーマットができます。)、専用のフォーマットソフトを合わせて購入する必要があります。「B'sCrew」「HardDiskToolKit」「Drive7」等がよいでしょう。一応、IDEに対応していることを確認して下さい。ドライブの交換はLC630の場合は簡単です。ドライバが1本あれば十分です。交換の方法を文字だけで説明するのは、難しいのですが、ケースを開ける、ドライブ部分の爪を外す、ドライブを引き出す、というイメージで分かるでしょうか。電源コネクタとIDEコネクタの接続にだけ注意して下さい。



Title: Performaに接続できる外付けハードディスクの種類は?

[症状]
Performa5420(MacOS8.1)の、内蔵ハードディスクが一杯になりましたので、バックアップのことも考えて、外付けハードディスクの購入を考えています。内蔵ハードディスクの仕様がIDE仕様となっているので、IDE仕様の外付けハードディスクを探したのですが見つかりません。SCSI仕様のものでも接続できるのでしょうか。また、市販の外付けハードディスクは全て、FastSC‐SI(SCSI‐2)と書いてあるのですが、これで構わないのでしょうか?

[診断]
ハードディスクへのデータの転送方式としてはSCSI方式とIDE方式があります。それぞれの規格が制定された当初は、SCSIは高速だが高価、IDE(ATAと呼んでもよい)は低速だが低価格というイメージがありました。
AppleはSCSIの推進者という意識もあり、内蔵用のデータバスとしてはSCSIを標準として採用してきました。一方、IDEはIBMが考案し、DOS/V機の内蔵用データバスとして採用されてきました。IDEの方が、構造的に低コストであるため、Perfor‐maシリーズではIDEの内蔵ハードディスクが採用されました。
その後、DOS/V機の急速な拡大に伴い、IDE仕様の内蔵ハードディスクは低コスト化が更に進み、同時に高速化も進んだため、iMacや新型PowerMacG3ではUltraATA(IDEの高速規格)仕様の内蔵ハードディスクが標準で採用されるに至っています。
しかし、IDEは2つまでの機器しか接続できないことと、ケーブルの長さに制約があり、あくまでも内部データバスにしか使えません。そのため、Performaでも外部接続用にはちゃんとSCSIポートが用意されています。ですから、外付けハードディスクは全てSCSI仕様(最近のUSB仕様やFireWire仕様は別として)となっています。これはDOS/V機でも同じです。ショップではMacintosh用とDOS/V機用と分けて売っていますが、ハードディスクの本体は同じものです。SCSIケーブルとフォーマットソフトが異なるだけです。
現在売られているSCSIドライブは、SCSI‐2かSCSI‐3仕様のものです。Performaのみならず、全てのMacの外部SCSIポートはSCSI‐1仕様です。これは5MB/秒のデータ転送速度を持つもので、SCSI‐2(FastSCSI)は10MB/秒、SCSIー3(UltraSCSI)は20MB/秒と高速になります。これらは基本的な仕組みやコネクタの形状はSCSI‐1と同じですから、そのままMacに接続することができます。しかし、速度は5MB/秒までしか得られません。



Title: 他の純正内蔵ハードディスクを2台目の内蔵ドライブとして増設できますか

[症状]
私のマシンはPowerMac8500/132です。友人がPowerMac8100/80AVの内蔵ハードディスクの交換を行ったので、その不要になったドライブを譲り受けました。私のMacには純正の内蔵ハードディスクが入っていますが、更に純正のハードディスクを、増設用のベイに装着することは可能でしょうか。SCSIアドレス、ターミネーターの設定方法等が判らないので教えてください。

[診断]
純正の内蔵ハードディスクと、サードパーティ製の内蔵ハードディスクには若干の違いがあります。
サードパーティ製の内蔵ハードディスクは、SCSIID番号の変更ができるようにディップスイッチまたはジャンパ線が取り付けられています。また、ターミネータのオンオフができるようにもなっているのが普通です。それに対し、純正の内蔵ハードディスクの場合は、少しでもコストを下げるため、設定が全て回路上で固定されています。ID番号は0番、ターミネータはオンになっています。これは、ユーザーが外部からは変更することはできません。今回のケースでは、このまま増設を行うと、どちらのドライブもID番号は0となり、SCSIIDのコンフリクトが発生し、Macが起動しなくなります。残念ですが、このアイデアは使えません。




Title: 外づけハードディスクのベアドライブを内蔵したが、認識されない

[症状]
LC475のユーザーですが、今回4GBの外付けハードディスクを購入しました。
いちいち外付けハードディスクのスイッチを入れるのも面倒なので、これを内蔵のハードディスクと交換することはできませんか。
自分でやってみたのですが、フォーマットソフトを起動してもSCSI0番に何も接続されていないと出てしまいます。SCSI番号はジャンパーで0番に設定しましたが、内蔵でもターミネータが必要なのでしょうか?

[診断]
まず、外付けハードディスクのまま、面倒なく使う方法があります。「相談所」の症例にもありますが、Pow‐erKeyProなどのADB連動電源タップを使えば、いちいち外付けハードディスクのスイッチのオンオフをしなくても、本体の電源のオンオフだけで外付けハードディスクから起動できます。
LC475の場合、内蔵ハードディスクはSCSI仕様でしたから、外付けのSCSIドライブと交換することは可能です。しかし、現在ついている純正の内蔵ドライブは、SCSIID番号が0番に固定されていて変更できませんので、外部ハードディスクとしては使えません。結局、捨ててしまうことになります。
これでもよいのであれば、外付けハードディスクドライブのケースを外し、中のベアドライブを取り出します。そして、ID番号を0番に設定。ここまでは、ちゃんとやっているようですね。
問題は、ターミネータです。
SCSIのルールでは、SCSIルートの開始端部と終末端部の両方にターミネータが必要です。
ベアドライブにした場合、外付けSCSI機器で使用しているターミネータは使えませんので、次のいずれかの方法で、ターミネータを設定して下さい。
・ジャンパーピンを短絡させる。
・機種によっては、ターミネータチップというのを差す場所がある。
・別売のフラットケーブル用のアクティブターミネータを使う(2000円程度)。



Title: PowerMacG3(青白)の内蔵ハードディスクにIDEドライブを増設できませんか

[症状]
PowerMacG3(青白)350/DVDを購入しました。DOS/V用のIDE(ATA)ドライブがあるので、これを増設したいのですができますか?場所としてはあるのですが、IDEのケーブルが短くて、2つのドライブが接続できないのですが、方法はありませんか?

[診断]
PowerMacG3(青白)の標準内蔵ハードディスクのインターフェースはIDE(ATA)です。IDEは一つのインターフェースでマスターとスレーブの2つのドライブが接続できるように設計されています。事実、G3(青白)のIDEケーブルをみると、スレーブ用の分岐があります。
ところが、Appleは公式には、IDEドライブの増設を認めていません。SCSIカードをPCIスロットに装着し、SCSIドライブを装着することを勧めています。外部SCSI機器のために、SCSIカードを購入する積もりのユーザーは、増設ドライブもSCSIとするほうがよいでしょう。
しかし、IDEドライブの方が安くて大容量のものが入手できますから、1台はこれを装着しない手はありません。簡単にIDE(ATA)ドライブが装着できるのです。IDEドライブはDOS/V用のものでも「ドライブ設定」でフォーマットできますので、だいたいどんなものでも装着できます。不安な場合は、一応Macでの装着が確認されているものを購入するとよいでしょう。
底部の真ん中の、空きベイに装着しますが、現在のケーブルでは分岐が短すぎて、ドライブを横に並べては、接続できません。
長めの2ドライブ用IDEケーブルが入手できれば、これを購入してもいいのですが、もっと簡単な方法としては、現在装着されているIDEケーブルを逆向きに使う方法があります(kawasa‐ki@odnさんのアイデア)。IDEケーブルを基盤、純正ドライブの両方から抜き、はんたい向きに付け直します。こうすると、分岐ケーブルが長くなり増設ドライブへ装着できるようになります。
いつもこれができるとは限らないのですが、G3(青白)の場合はうまい具合に逆転が可能です。




Title: 古いモデルでは大容量内蔵ハードディスクへの交換はできないって本当ですか?

[症状]
LC475で内蔵ハードディスクの交換を考えています。これはSCSIタイプでいいのですよね。それで、ショップに探しに行ったのですが、最近ショップで売られているのは2MB以上のものしかありません。ところが、ある販売店で次のようなことを言われました。本当でしょうか。
・LC475は電源が弱いため、あまり大きな容量のハードディスクは付けられない。
・LC475は1Gを越える容量は対応しない。

[診断]
まず、このような古いモデルの場合、詳細の仕様を調べるのが難しいのですが、内蔵ハードディスクがSCSIかIDEかは、「ドライブ設定」(もしくは「AppleHDSCSetup」)で確認することができます。LC475の場合はSCSIドライブですね。
次に、電源の問題ですが、これは重要な問題です。
タワー型のMacように拡張性が高いマシンの場合は、あらかじめ強化された電源がついています。しかし、Performaのように拡張性が低くコストを抑えたマシンの場合や、旧型のマシンの場合は、拡張性は高くてもその当時の増設機器のことしか考えていませんでしたので、必ずしも電源は十分でない場合があります。
純正ドライブはマスターで設定されていますので、増設ドライブのジャンパーピン設定をマスターにして下さい。
Mac本体の電源は、CPUやメインボードの電力を供給しているだけでなく、内蔵している全ての機器の電力を供給しています。従って、内部にメモリ、カード、内部ドライブ等を増設する場合は、それらを動かすのに余裕の電力があるかかを、事前に確認する必要があるわけです。
今回のケースでは、LC475ですが、マニュアルによると電源部の出力は約28Wです。ちなみにかつてのハイエンド機だったPowerMac9500は225Wですから、やはりかなり小さいことが分かります。
しかし、実際にハードディスクでどれだけの余裕電力があるかを調べることは難しいので、あくまでも現在装着されている内蔵ドライブとの比較で判断します。
Apple純正のドライブの場合、例えばQuantumの350MBドライブを例に取りますと、3.6Wです。これに対し、購入を検討しているドライブの消費電流を調べます。お店で仕様書を見せてもらうか、ドライブメーカーのホームページでも調べることができます。定格電流と最大電流があれば、定格の方を見ます。W数が書いていなければ、VとAを掛け合わせたものがW数になります。
例えばIBMのドライブの場合、2.1GBでも4.3GBでも消費電流は同じで12V/220mA=2.64Wで、純正の350MBドライブよりも消費電流は小さくなっています。この値は、メーカーやドライブの品番によってかなりの幅があります。そして、最近の傾向としては、消費電流は小さくする設計がなされ、記憶容量と消費電流は必ずしも反比例しないということです。
但し、ハードディスクは起動時に消費電流が多くなりますので、少し余裕を見て下さい。
ということで、電源の問題に関しては、LC475でも問題はなく、最新のドライブであれば6GBくらいでも大丈夫だと思います。あとは価格との兼ね合いで決めて下さい。
最後に、「LC475では1GB以上は使えない」という件については、これはLC475の標準システムが漢字Talk7.1の場合で、漢字Talk7.5以降にアップデートしていれば問題ありません。

memo
Macではタワー型でIDEのハードディスクが採用されたのはG3(青白)が初めてですが、スペースの都合さえつけば、他のIDEドライブ内蔵のMacでももう一台のIDEドライブの内蔵が可能です。





Title: 「増設した」内蔵ハードディスクが認識されません

[症状]
PowerMac8600/200(MacOS7.5.5)ですが、4.5GBのSCSIベアドライブ(Atlas製)を購入し、増設ベイに第2内蔵ハードディスクとして設置しました。しかし、起動してもそのハードディスクがデスクトップに出てきません。SCSIDeviceProでスキャンすると、「接続はされているが起動してません」とコメントがでます。フォーマッタはDrive7です。ドライブメーカーからは起動ディスクとして使用するならば「"SpinDelay"はオフにして下さい」と言われたので、オフにしています。

[診断]
これは第2ハードディスクの"SpinDelay"の設定に問題があるようですね。
サードパーティ製のハードディスクドライブをには、ジャンパピンの設定があります。一番需要なのはSCSIIDの設定ですが、"SpinDelay"とか"AutoStartDelay"という設定もあります(名称はドライブメーカーによって異なります)。
これは、Macの電源を入れてから、すぐにハードディスクの回転を始めるか、それとも少し遅れて回転を始めさせるかを設定するものです。
内蔵ハードディスクが一台の場合は、遅らせる必要はありませんので、ディレイはオフにします。市販のベアドライブは基本的には、交換を主目的に考えられていますので、初期設定ではディレイがオフになっているのが普通です。
しかし、内蔵ハードディスクを増設する場合、第2ハードディスクはディレイをオンにしておかなければなりません。
ディレイをオフにしておくと、第1ハードディスクと第2ハードディスクは同時に起動しますが、ID番号が若い第1ハードディスク(ID=0)のみがマウントされます。ディレイをオンにしておくと、先ず第1ハードディスクがマウントされた後で、第2ハードディスクの電源が入りますので、完全に別のSCSI機器として認識されるわけです。
ドライブによっては、ディレイ時間はID番号の倍数で設定されるようになっているものもあります。この場合は、ID=1であれば6秒、ID=6であれば36秒という具合になり、ディレイのオンオフにかかわらず、ディレイ起動が行われるので、問題が発生しません。
今回のケースでは、ドライブの"SpinDelay"スイッチをオンにすることで、マウントできるようになりましたが、ドライバによって設定のやり方が異なりますので、いずれにしても、増設ドライブの場合は、ディレイ設定が需要になることを覚えておいて下さい。



内蔵CD‐ROMドライブ

Title: Quadra840AVのCD‐ROMプレーヤーをトレイ式に交換したいのですが可能でしょうか

[症状]
Quadra840を使っています。このCD‐ROMはキャビティ式といって一枚づつキャビティというケースにいれる必要があります。最近のようにCD‐ROMを頻繁に使うようになると煩わしくてたまりません。最近では当たり前のトレイ式に交換したいのですが、可能でしょうか。

[診断]
内蔵用のトレイ式のCDーROMドライブとトレイ式CD‐ROM用フロントベゼルを購入すれば可能です。
内蔵用のCDーROMドライブとしてはApple純正の24倍速のものがあります(35,000円程度)。ベゼルもApple純正のものがあります(2000円程度)。お店で注文できます。
接続自体は全く問題なく、古い部品をはずして、新しい部品を同じように取りつけるだけです。



CPUのアップグレード

Title: CPUアップグレードのPowerMac7500でMacOS8が立ち上がりません

[症状]
PowerMac7500(RAM176MB/HD1GB)で漢字Talk7.5.5からOS8にアップデート。インストールは正常に完了。しかし、再起動すると、機能拡張を読み込んだ後に「システムエラーが起きました。不当命令です。シフトキーを押して再起動してください」のエラーメッセージがでて、立ち上げることができません。機能拡張を読み込まずに立ち上げても同じところで止まります。ということは機能拡張の問題ではないようです。しかし、MacOS8のCD‐ROMから起動すると立ち上がります。

[診断]
患者のPowerMac7500のハードを調べたところ、CPUがインターウエアーのブースター604/150に換えられていることが分かりました。オリジナルのPowerPC601/100に戻してシステムを再インストールすると見事立ち上がりました。インストーラーはCPUの種類を判断して、必要なファイルをインストールしていますので、それが誤判断したのでしょう。
この患者の場合は、その後CPUを再びブースター604/150に換えてみまると、今度は正常に動きましたので、MacOS8自体は、CPUを変更した機種でも動くことになります。これは、G3カードでも同様です。つまり、CPUのアップグレードが原因でインストーラーが動かない場合は、一旦オリジナルのCPUに戻し、インストールを行った後、再びCPUアップグレードを行えばよいことになります。ですから、CPUのアップグレードを行う場合は、必要なときにはオリジナルに戻せるように、外した部品を保存しておかなければなりません。但し、Apple社は、CPUアップグレードの場合の、システムの正常な作動を保証していません。ほとんどのケースでは、問題なくシステムアップデートは可能ですが、アップグレードカードによっては、正常に働かない場合もあることを承知しておいて下さい。



Title: 古いPowerMacをアップグレードしたいのでアドバイスを下さい

[症状]
第一世代のPowerMac,6100/60(MacOS8.1)をまだ愛用しており、日常は、年賀状の作成、電子メール、ホームページ検索に使用しています。そのため、特に処理速度の不自由は感じているわけではありませんが、いろいろな雑誌を読むと時代遅れの感が否めませんので、遅まきながらハード全体のアップグレードを考えています。メモリの増設(現在は24MB)、内蔵ハードディスクの大容量化(現在は750MB)、それとCPUのG3へのアップグレードを考えていますが、これだけやるのならば、新しいMac(iMacなど)を買う方が安くつくのかなとも考えています。アドバイスをお願いします。

[診断]
オールドMacでも、68Kですと、MacOS8.5以降には対応していないとか、アプリケーションソフトで対応していないものがあるとか、実用上使う範囲が少しづつ限定されてきていますので、どうしても、思い切ったアップグレードが必要になってきています。しかし、マシンが古い程、アップグレードの費用もかかりますので、現在であれば、iMacなり新型G3を購入するほうが結局は安くなります。
一方、PowerPC系のオールドMacの場合は、実用上はそのまま使い続けても、それほど不自由があるわけではありません。
現在のパソコンの進化は、一つには処理の高速化ですが、これに関しては、あくまでもユーザーがパソコンを何に使うかにかかっています。Photoshopなどを使い画像処理を仕事をしている場合とか、大学の研究室で構造解析計算を行っている場合は、1秒でも処理が速いことは時間価値を生みます。また、3Dのゲームをやるのがパソコンを使う目的であれば、CPUの処理速度や3Dのグラフィックの表示速度は速いほど楽しみが大きくなります。
一方で、パソコンはワープロやインターネットを使う程度というのであれば、60MHzと300MHzの実質的な差はありません。
雑誌の記事に躍らされて、やたらと速度を求めるのも余り意味がないことです。
私は、古いマシンのアップグレードの順序としては、まず、メモリ(RAM)の増加を、次に内蔵ハードディスクの拡大、そして最後にCPUのアップグレードを勧めています。
RAMの増強は単に、複数のアプリケーションを快適に動かせるというだけでなく、アプリケーションの処理速度が速くなります。さらに、システムの安定度が増す効果があります。
次に、ハードディスクの大容量化は、沢山のファイルを気兼ねなく保存できるだけでなく、ファイルアクセスの高速化を図り、また余裕がある分だけハードディスクのメンテナンスが楽になります。
RAMの増加と、ハードディスクの大容量化は、CPUのアップグレード以上に、実用的な作業速度を速めます。
それに比べると、CPUのアップグレードはコストがかかるわりには、実感できるメリットが小さいとも言えます。しかし、処理時間がかかる作業をする場合には、やはり価値があります。
私は、表面上のスペックだけのために、アップグレードをすることには否定的なのですが、Macの場合、自分が使ってきたマシンに愛着を持っているユーザーは多いと思います。ところが、古いモデルの場合は、どうしても、時代に取り残されたようなみじめさを感じてしまうことがあります。古いマシンをそのまま活かし、中身だけを最新の性能にできる。そうしたマジックを実現してくれるのが、G3カードです。実用的なメリットは別にしても、G3カードによるアップグレードはきっとユーザーに満足感を与えるでしょう。コスト的にも、iMacを購入するよりは安くて済みますし、周辺機器もそのまま使えるメリットもあります。



Title: LC630でFPUを使うためにFPU付きの68040にアップグレードすることは可能でしょうか

[症状]
自宅で使用しているLC630は、CPUが68LC040ですが、これにはFPUがついていません。しかし、最近、FPUがなければ動かないプログラムを使う必要が生じました。CPUをFPU付きの68040にアップグレードすることは可能でしょうか?

[診断]
FPUはFloatingPointUnitの略で、日本語に訳すと「浮動小数点ユニット」ということになります。もともと、コンピュータは0と1だけで計算しますから、整数の計算しかできません。小数点の計算は、整数で計算したものを結果として小数点をつけて見せるという方法をとっています。従って、小数点が多く含まれる計算は整数だけの計算に比べ時間がかかります。それを、カバーするものとして、開発されたのがFPUとよばれる演算チップで、ここで小数点の計算だけを専門に行うことで、全体の処理速度を高速化しています。CPUの補助を行うプロセッサの意味で、コプロセッサ(コプロ)と呼ばれることもあります。
FPUがどこにあるかについては、CPUによって異なります。MacPlusやSEのような68000マシンではFPUそのものがなく、増設することもできません。MacIIのような68020、68030マシンではFPUは独立したチップが基盤にハンダ付けされているか、後でソケットに増設することが可能でした。
68040搭載の68KMacとPowerPC搭載マシンでは、FPUはCPUの内部に埋め込まれ、全て標準となっています。
さて、LC630等の68LC040マシンでは、FPUはついておらず、ソケットもありません。この場合は、FPU付きのCPU、つまり68040を購入し、68LC040と交換するしかありません。現在では、入手が難しいかもしれませんが、秋葉原等のパーツショップを探してみて下さい。
CPUの交換は、ピンを折ると大変ですので、専用のツール(PGAextracor)を使うことをお勧めします。
抜くに当たってはできれば専用ツール作業が終わったら、念のため、ロジックボード上のリセットスイッチを一度押して下さい。作業に自信がない場合はショップに依頼したほうがよいでしょう。
68040CPUが入手できない場合、また、とりあえずFPUが必要なソフトを使いたい場合は、ソフト的にFPU機能をエミュレートする「SoftwareFPU」というアプリケーションを使う手もあります。最新版ならば68LC040にも対応しています。



Title: 68KのMacでは使えないソフトがあるのですが、何か安価な解決方法はありませんか

[症状]
自宅でインターネット用として中古のLC575を購入しました。しかし、インターネットでゲームや動画を見ようとすると、その多くがShockwave対応で、しかも、Shockwaveは68KのCPUには対応してないことが分かり大ショックでした。PowerPCへアップグレードすればよいことも知りましたが、何分にもお金がなくて、中古のLC575を購入した経緯があり(本当は、iMacでも買いたかった)、何とか安価な解決法はないでしょうか?

[診断]
インターネットでリアルタイムのムービーやサウンドを再生するには、ソフトだけでは限界があり、高速処理ができる強力なCPUが必要になってきています。初期の、ShockwaveやRealPlayerには68K用もありましたが、ある頃からPowerPC(POWERPC)専用になってしまいました。
さらに、市販のスタンドアロンのゲームでも、最近はG3でなければ楽しめないものの出てきて、本当に古いマックを持っているユーザーは悔しいですね。
対策としては、
(1)PowerPC搭載の中古または新品Macを購入する
(2)PowerPC搭載のCPUカードを購入する
(3)動画やサウンドはあきらめる
のいずれかになります。
初心者ユーザーに対しては、中古Macはお勧めしません。必要なサポートが受けられず、周辺機器などの対応も時間が経つほど難しくなるからです。CPUカードは一つの解決策ですが、残念ながら最近では68Kマック用のPOWERPCカードの入手は極めて困難になっています。コストも決して安くなく、結果としては、iMacを買うほうが安く済みます。経済的な理由が優先するのであれば、この際、Shockwaveは諦めるしかありません。
しかし、Shockwaveが表示できないからといってインターネットの価値がなくなるわけでもありません。68Kのマシンでも、情報をとるという機能では全く問題ないはずです。
Macの場合は、古いマシンでも長く使えるメリットがありますが、どうしてもある部分については諦め、使用範囲を限定するしかないと思います。