mc_title2Mac Clinic Tips:
デジカメ・ファイル超整理法
Macにおける効率的なファイル管理と出力法

改訂1:2001年10月5日(Renamer 0.2.1Jに合わせて3.4-3.5を全面書き換え)
初稿:2001年10月4日
目次:

0.はじめに
1.デジカメのファイル構造
2.デジカメ・ファイルのMacへの取り込み
3.効率的なファイル整理法
4.ビューアによる不要画像の整理
5.大量のデータの効率的な保存方法
6.インデックス印刷の作成
7.HTMLカタログの作成



0.はじめに

デジカメの良いところは、撮影枚数を気にせず、何枚でも撮影できることだ。結果として、アナログカメラの数倍の写真を撮影することになる。メディアが一杯になるので、どんどんパソコンにダウンロードしなければいけないが、そのままにしておおくと、後の整理が大変だ。
また、最近のデジカメは静止画以外にも連写や動画の機能がついているが、静止画としてうまく整理しておかないと、撮りっぱなしになってしまう。

それから、最近は複数のデジカメを持ち歩いたり、ファイルの交換も簡単なので、人からファイルをもらうこともあるだろう。それを自分のファイルに混ぜて、撮影日時で整理したいというようなニーズも出てくるだろう。
読者からも次のような質問がよく寄せられる。。

●複数のカメラで同時期に撮影したファイルをとめて管理したい
●同じカメラでも複数のメディアを使用した場合、ファイル名が同じになることがあるので、同対処するか。
●連写画像をどう処理するか。
●動画を静止画にして同じファイルとして整理したい
●一つのイベントごとにまとめたファイル名で管理したい
●ファイルの作成日を写真の撮影日時にしたい
●カメラの日付設定をミスった。ファイルの撮影日時を補正したい。
●レタッチするとファイルの修正日が変わってしなう。ファイルの作成日と修正日を同じにしたい
●カメラ内で写真を操作するとその日時が撮影日時になってしまう。どうすればオリジナルの日付が残せるか。

残念ながら、Windowsと比べるとMac用のデジカメファイルの整理ソフトはあまり多くない。今回は、私の経験をベースに、できる限り簡単に入手できるソフトを使って、Macで出来る効率的なデジカメ。ファイルの整理法を紹介したい。


1.デジカメのファイル構造

DCF規格
デジカメのファイル名は業界(日本電子工業振興会)で決められたDCF規格(Design rule for camera file system)に基づいて決められており、外国メーカーのデジカメも含め全てのデジカメがこのルールに従っていると考えてよい。

・まずメディアに「DCIM」というフォルダが作られる(正式な概念ではディレクトリ)。
・その下に「3桁の数字」+「5桁の英字」のフォルダ(DCFディレクトリ)が作られる。複数のフォルダが許可されるが、先頭の3桁の数字は重複しないこと。例えば私が使っているSANYOのデジカメの場合は、「100SANDS」,「200SANDS」というように1000枚毎にフォルダが作成される。
>
・このフォルダ内にに画像ファイルが置かれる。
・画像ファイル名は「4文字の大文字の英数字」+「4文字の数字」+「拡張子」(普通は.JPG)であること。オリンパス PICO0001.JPG、キャノン img_0001.JPG、フジの場合 DSCF0001.jpg、サンヨー SANY0001.JPG などでオリンパスの場合は数字が5桁あるように見えるがこれはPICO+数字、サンヨーの場合はSANYO+3桁の数字に見えるが実はSANY+4桁の数字である。
・同じメディアの中では、0001から自動的に連番が付けられる。4桁であるため、全部で9999枚までの番号に関してはユニークになる。
・ある画像をカメラ上で、もしくはパソコンに接続した状態で消去しても、その番号が再び使用されることはない。
・画像の削除では番号は消えないが、そのメディアを初期化した場合は、ディレクトリが消去されるので、再び0001からナンバリングされる。
・ファイルの作成日に関する規定はない。DOSなりMacOSなりのファイルシステムに従う。一般的にデジカメのメディアはDOS形式でフォーマットされているため、ファイル方式はDOSになる。ファイルの作成日はブランクのままで、ファイル修正日はそのファイルが書き込まれた日時、つまり撮影の日時が記録される。


<SANYOデジカメのファイル構造の例>


SX560の場合、静止画(SANDS)、連写画(SEQT)、動画(VCLP)、ボイスレコーダ機能(SUND)があるため、それぞれが別フォルダでDCIMフォルダ内に配置される。

MISCやSYSTEMフォルダはデジカメでは使用されない。
ファイル名はDCF規格に沿って付けられていることが分かる。
ファイルの作成日をみると皆「1979年12月1日」になっているが、これはカメラ側でファイルを作成していないため、OS側のデフォルト値になるらしい。フォルダの修正日の「2001年9月10日」はこのメディアを初期化した日時になっており、ファイルの連番はリセットされる。ファイルの修正日が実際の撮影日である。


全てのデジカメデータはこのルールに従っているため、複数のデジカメを使っている場合でも、統一したファイル管理ができる。


EXIF規格
もう一つ、現在のデジカメにはEXIFという規格が使われている。DCFがファイル名などのルールを定めたものに対し、EXIFはファイル形式のルールだ。デジカメはデジタルファイルであるから画像ファイルに同時に文字情報を埋め込むことが出来る。埋め込む撮影データのルールを決めたのがこのEXIFだ。これは日本写真工業会が提唱したものだが、現在では世界中のデジカメで採用されている。
EXIFデータには、撮影日時、シャッター速度、絞り、カメラメーカー名などの情報が含まれる。厳密な意味での撮影日時はこのEXIFに書き込まれたデータである。ファイルの修正日はメディアにファイルの書込みが終了した日時であり、厳密には本当の撮影日時よりも遅い。しかし秒単位では現れない遅れなので、ファイル修正日=撮影日時と考えても構わない。

EXIFはJPEGファイルのバリエーションとして規定されたため、データが書き込まれる画像ファイル形式はJPEGに限られている。高級デジカメで選択できるTIFFやRAW形式のデータは保存されない。

このEXIF情報はEXIF(JPEG)対応の画像ビューアで見ることが出来る。

<Graphic ConverterのEXIF情報表示ウィンドウ>


但し、画像ソフトでファイル形式を変換して保存するとEXIFデータは消去され2度と回復できなくなる。
また、JPEG形式であっても、EXIFに対応していない画像ソフトでは、レタッチ後、JPEGで保存してもEXIFデータは消えてしまうので注意が必要だ。
 EXIF対応ソフト:Graphic Converter
 EXIF非対応ソフト:Photoshop、Photoshop LE、Photo Deluxe、Color It
後で述べるように、原画ファイルはファイル名の編集以外は行わずに保存する習慣を付けたほうがよい。

ファイルに関するまとめ
ここで重要なことは、
・カメラメーカーが異なる場合は、ファイルは違う名称となる。
・カメラメーカーが同じ場合は、同じファイル名が発生する。
・同じメーカーでも静止画、連写、動画では異なるファイル名が付けられる。
・静止画、連写ともJPEGモードに設定している場合は、Exifデータが含まれ、撮影日時がファイル内に記録される。TIFFやRAWで記録した場合はExifデータは含まれない。また動画はQuickTimeムービー形式であり、Exifデータは含まれない。
・MacOS,Windowsのファイルシステムには「ファイル作成日」と「ファイル修正日」の属性があるが、デジカメ画像ファイルは「ファイル修正日」だけが記録される。


2.デジカメファイルのMacへの取り込み

どのような方法でも良いのですが、ファイルをダウンロードする場合は、次の注意が必要です。
・キャプチャソフトを使わないといけない場合は、必ず「コピー」を選択しましょう。
・できる限り、キャプチャソフトは使わずに、ダイレクトにコピーをする。USBストレージ対応の機種でなくても、メディアリーダーやPCカードを使用すればダイレクトにファイルをコピーすることが出来る。
・コピーするときは必ず「新規フォルダ」を作成し、既存のデジカメファイルのフォルダにはコピーしない(同じ名前のファイルが存在し、上書きされる危険性があるため)
・メディアから画像を消去する前に、全部の画像がきちんとパソコンにコピーされていることを再確認する。
・Graphicconverterなどの画像ブラウザで中身をチェックする。
・この段階(未整理でも)で、出来れば外付けHDやMOにバックアップを取っておくことを強く奨める。

3.効率的なファイル整理法

ダウンロードした原画ファイルは、プリントアウトしたり、レタッチソフトで補正を行う前に、そのまま保管しよう。最終的にはアルバムにしたり、プリントアウトするものは限定されるだろうが、原画は貴重なデータであるので、失敗しているしていないにかかわらず全てを保存する習慣を付けたほうがよい。

写真ファイル管理の基本は撮影日時データをいかにうまく活用するかである。MacのFinderで管理を行う場合、次が実現されていると非常に好ましい。
●ファイルのウィンドウリストで撮影日時が分かる
●ファイル名でソートしたときに撮影日時順に並ぶ

この二つを実現する方法を説明しよう。

3.1 メディア単位でフォルダを作成する
例えば、長い出張で4枚のスマートメディアを使用したとしよう。それぞれに100枚ずつの写真を撮った場合、その中のファイル名は同じものが4つ出来る。これを一つのフォルダに入れると上書きされてしまう。
従ってまず4つのフォルダを作成し、「出張1」...「出張4」とつける。ここにそれぞれのスマートメディアの中身をコピーする。スマートメディアの使用順とフォルダ番号があっている必要はない。
この状態にしておいて以下の作業を行う。

3.2ファイル作成日の変更
Macのファイルには作成日と修正日の二つの属性がある。
このうち、作成日はそのファイルが一番最初に作成されたときで、修正を行うたびに修正日が修正される。デジカメのファイルは撮影日時で管理するのが一番よい。
デジカメファイルをダウンロードしたときは、修正日が撮影日時になっているため、修正日で管理をすればいいように見えるが、修正日はフォトレタッチを行うと変更されてしまう。
だから、ファイルをいじっても変更されるのことないファイル作成日で管理するのが効率的なのだが、先にも述べたように、デジカメファイルでは作成日は記録されない。
一方、JPEGで保存されたデジカメファイルにはEXIFデータが埋め込まれておりここには撮影日時画記録されている。このEXIFデータも変更されることがないので、これで管理してもよいのだが、残念ながらMacのファインダではEXIFデータを直接読んだり、それでファイルをソートすることは出来ない。
そこで、このEXIF撮影日データを読み出して、ファイルの作成日を変更するしかない。

現在この用途に使えるのは「OneTouch」ここからダウンロード)というフリーウェアだけだ。非常にシンプルなソフトだが、デジカメのファイル管理にはなくてはならないものになるだろう。

使い方は簡単で、上記のように「ファイル作成日」「ファイル修正日」ともチェックをしておく。普通は撮影直後の修正日は撮影日時と同一なので、チェックはいれなくてもよいが、入れておいたほうが安全。Exifヘッダの最終更新日はヘッダが二つある場合の対応らしいが、普通は必要ない。
このダイアログの上に、フォルダをドロップすると自動的にファイル名の修正作業を行う。
この作業は回復が出来ないので、まだ使い方になれないうちは、サンプルの画像ファイルを作り、何度かトライアルを行ったほうがよいだろう。
<OneTouch作業ダイアログ>
右は「OneTouch」でファイル作成日と修正日をEXIF撮影日時に書き換えた結果である。レタッチをしてもファイル作成日は書き換えられないので、今後は、ファイル作成日を衝(基本)にすることでデジカメファイルの管理が効率的に行えるようになる。



3.3 Exif撮影日時の補正が必要なときは
Exifの撮影日時はデジカメの時計機能に頼っている。従って、その設定が狂っていれば当然Exif情報も狂う。
設定データ保存のための内蔵電池を持つ機種の場合はよいが、ほとんどの機種は通常使うバッテリの電源をデータ保存に使っている。電池交換など短時間では記憶が消えないようになっているが、30分以上交換電池を入れないでいると全ての設定デーが消去されてしまう。これを知らないまま次の撮影を行うと、撮影日付が狂ってしまう。
海外旅行など場合は、時差の補正を忘れることは良くある失敗だ。
この補正を行うには、専用のソフトが必要である。

残念ながらフリーウェアやシェアウェアでは見つけることが出来ず、「デジカメde同時プリント」などの市販ソフトを使わざるを得ない。
<「デジカメde同時プリント4」のExifデータ時差補正設定>


3.4 撮影順で連番を付けファイル名を変更する
これで全ての写真ファイルのExif日付とファイル作成日、修正日が同じになった。
同じフォルダの中に、異なるデジカメで撮影したファイルがある場合や、連写で撮影したファイルがある場合は、ファイル名称でソートしたものと、ファイル作成日のソートが異なる。
ファイル作成日(=撮影日時)で全ての管理を行うには、ファイル名もファイル作成日(=撮影日時)順にソートできるようにしなければならない。

ファイル名を変更するソフトは沢山あるが、デジカメファイルの整理という点で、また非常に扱いがシンプルという点で、私は、「Renamer0.2.1J」ここからまたは見つからない場合はここからダウンロード)というフリーウェアをお勧めしたい。
ファイル名変更とナンバリングに特化した単機能のソフトだが、作業も目的がはっきりしている場合は、このようなシンプルなソフトの方が使いやすい。最新版の0.2.1Jではデジカメファイルの扱いに焦点を絞り、私の望む作業が全て出来るようにた。

まず、「出張1」...「出張4」それぞれのフォルダごとに「連番付きのファイル名」に変更する。

<「Renamer」初期設定ダイアログ>

Renamer0.2.1Jではオプション設定で連番を付ける方法を選択できる。ここでは必ず「ファイル作成日」を選択する。


<「Renamer」作業ダイアログ>

第一ボタンでは「テキスト」を選択、詳細設定で「01/10米国1_」などテーマ名を付ける。
第2のボタンは設定せず。
第3ボタンでは「番号」を選択、ナンバリングの開始番号と桁数を指定する。通常は1から開始し3桁にしておくとよい。
第4のボタンでは拡張子を付けよう。Macの場合は拡張子は必要ではないが、Windowsユーザーに配付したり、ネットで公開することを考えると付けておいたほうがよい。「拡張子」を選択するだけでよい。



この設定を行ってから、「出張1」フォルダをドロップする。すると、全部のファイル名が書き換えられる。

次に4つのフォルダのファイルを一つのフォルダに入れ、同じ作業を行う。この場合も、ファイル作成日で連番を付けることが重要だ。 これで、オリジナルは異なるファイル名であったものが、全て撮影順の統一されたファイル名に書き換えられたことになる。

一つのイベントをまとめて連番で管理する以外に、サブテーマ別に管理することも出来る。出張の例でいうと、「会議」「展示会」「工場見学」「休日」などのサブフォルダに分け、それぞれの中でファイル名と連番を付ければよい。「01/10米国出張_会議_001.jpg」「01/10米国出張_工場_034.jpg」と言った具合だ。

Renamer0.2.1Jは自由度が高いので、いろいろ各人で工夫すればいろいろな分類に使える。ともかく、基本は「撮影日時順」=ファイル作成日順で管理をおこなうということだ。

右は「Renamer」でファイル名を変更した後のファインダだ。ファイル名はこのように直感的なほうが分かりやすい。ここではファイル名でソートしているが作成日順になっていることが分かる。ファイル作成日は撮影日時であるので、このリストを見ただけで日付管理もできる。

EXIFデータ読み込み機能がない画像ビューアでインデックス印刷を行う場合でも、ファイル作成日を印刷すればこれが撮影日時になる。

4.ビューアによる不要画像の整理

デジカメは失敗を気にすることなく撮影できるメリットがあるが、実際に撮影してみると失敗も多い。
オリジナルの原画はなるべく手を付けないで保存したほうが良いが、完全なピンボケや全く映っていないものは削除しても構わないだろう。
また、縦向きに撮影したものは回転しておいたほうがよい。
また、配付用にインデックスプリントを行う場合は、ある程度の選択が必要になる。
この作業を行うには画像ビューア(画像ブラウザーともいう)を使用する。

画像ビューアには多くのフリーウェア、シェアウェア、市販ソフトがある。
●Graphic Converter(シェアウェア):もともとは画像ファイル形式の変換ソフトだが、どんどん多機能化。デジカメ画像の処理に必要な機能がほとんどそろっている。ビューアは動画や連写も扱える。
●iView Multimedia:単機能ビューア、動画も扱える。
●Photonick(シェアウェア):ビューア
●PixleCat(シェアウェア):フォトアルバム作成
●ExifViewer LE(フリーウェア):デジタルフォト印刷注文のためのソフトだがビューアとしても使える。
●デジカメde同時プリント(市販):プリント出力のためのビューア

ファイル名の変更のようなFinder作業は単機能ソフトの方が使いやすいが、画像を処理する場合は、ある程度一つのソフトで済ませたほうが楽だ。
その意味で、私は「Graphic Converter」(オリジナルはここからダウンロード、日本語化キットはここから)の「画像ブラウザー」機能を使っている。


<Graphic Converter 画像ブラウザーの表示例>


表示サイズやソート順は左下のツールバーで自由に変更できる。また、環境設定の「ブラウザ」でもより細かな表示設定が出来る。
この画面を見ながら不要と思われる画像をゴミ箱にドラッグ&ドロップで捨てることが出来る。
縦向きの画像は回転させる必要があるが、GCの場合は、標準の表示画面にして回転メニューを選ぶ。但し、このときはファイルの修正日が書き換えられてしまうので、注意が必要だ。先に作成日を撮影日時に変更している場合は、今後は作成日でソートしたほうがよい。

また、この画像ビューアでファイルを開くと、ファイルのアイコンは自動的に画像アイコンに変更される。Finderレベルでファイルの内容が確認できるので便利だ。この機能をオフにしたい場合は、環境設定画面の「保存/一般」で「カスタムアイコンを作る」をオンにすればよい。


5.大量のデータの効率的な保存方法

デジカメのファイルは容量が大きいために大容量のストレージが必要になる。
ホームページでしか使わない目的であれば、画像サイズは小さくても構わないので、サイズや圧縮率を変更して小さなファイルにして保存するという手もあるが、旅行の写真などは将来どう使うか分からないので、なるべくオリジナルのサイズのままなにも手を加えない状態で保存しておこう。
ハードディスクではすぐに一杯になってしまうので、外部メディアということになる。
考えられるのは、MO,CD-R、DVD-Rだろう。

CD-R/CD-RW
現在は640MBのものが一枚CD-Rで80円程度、CD-RWでも160円ほどで買え、保存コストとしては非常に安い。
最近のパソコンはFDドライブはなくてもCDドライブは付いているので、CD-ROMにしておけばどのパソコンでも使うことが出来る。配付用には最適だ。
DOS/V機でも読めるにように、保存フォーマットはISOフォーマットを選択しよう。
PhotoーCDとする方法もあるが、JPEG画像は無料の画像ビューアやインターネットブラウザーで見ることが出来るので、あえてPhotoーCDにする必要はない。普通のファイルとしておけば、ユーザーは自由に加工が出来るメリットもある。

但し、CD-R/CD-RWは長期保存性の点では問題がある。メディアの品質にもよるが、現在メディアメーカーが保証している(法的に保証しているのではなく、そういうつもりで作っているくらいの意味)耐用期間は10年だ。つまり、10年経てば、CD-Rの情報は見れなくなる可能性があるということだ。写真ならば100年プリントのように100年持つし、ネガも変色はするが100年くらいはもつ。しかし、デジタルデータの場合は、メデイアが壊れたらファイルそのものが失われるので、その損失は大きい。
今後、CD-Rの耐用年数も長くはなるだろうが、印刷された写真のような保存性がないことだけは認識しておいたほうがよい。

MO
耐用年数やデータ保存の信頼性という点で、現在最も安心できるのはMOだろう。MOはその名の通り、HDのような磁気記録方式と、CD-Rのような光学式記録方式の2つを採用しているため、両者の欠点を補っている。MOの保存耐用年数は正式な数字ではないが、30年くらいではないだろうか。(本当にパソコンもCDも技術的にはまだ20年に満たない技術で実績がないのだ)。
640MBのメディアで600〜900円とCD-Rに比べるとかなり高いが、36枚撮りフィルム一本の値段と思うとそれほどでもない。それでいて、一枚に36枚撮りフィルムに換算すれば30〜50本分の写真が保存できるのだから、本当は非常に安い。

ということで、私は、デジカメの原画の保存には、MOを、出張などでまとまった写真を撮影した場合は、CD-R1枚にまとめて関係者に配付するという方式をとっている。


6.インデックス印刷の作成

MOにしろ、CD-Rにしろ、大量の画像がどこにあるのかを後で探すのは大変だ。画像ビューアで見ることも出来るが、他の人に見てもらうには適さない。
そのためには、インデックスを印刷しておくのがよい。インデックスとはアナログ写真のネガフィルムのベタ焼きに当たるものだ。
ファイル名や撮影日時などの情報も印刷できるので、必要なファイルを探すのが大変楽になる。
あまり小さくない画像ならば、十分にフォトアルバムとしても使えるので、このまま他人に見せたり、その中から必要なものだけを拡大プリントすればよい。

最も手っ取り早い方法として、「Graphic Converter」のカタログ印刷機能を使う。
フォルダを作成し、ファイルメニューの「カタログ印刷」を選択する。
プリンタの設定画面で、一ページに印刷する画像の枚数を指定する。通常は縦横の枚数を指定するのが良いだろう。A4縦向き用紙では横に4枚、縦に6枚に指定するとちょうと35mmフィルムのベタ焼きの印象になる。このサイズでも十分に配付アルバムとしても使える。
ファイル名、日付(ファイル作成日=補正された撮影日時)も印刷する。更に、ヘッダでフォルダ名を印刷すれば、後で、必要な画像ファイルを探すのが容易になる。

<Graphic Converter」のカタログ印刷画面>


「デジカメde同時プリント」などの市販ソフトを使用してもよい。
レイアウトに関しては、Graphic Converterの方が自由度が高いが、配付等も考えてより印刷品質の高いインデックス出力をしたい場合は、一括自動修正機能のついている市販ソフトを使うしかない。特にインデックスの場合は、一つ一つの画像が小さいので、自動修正した(主に全体のコントラスト、明度を上げ、更にシャープネスを強くする)画像の方が見栄えがよい。

<「デジカメde同時プリント」のインデックス印刷画面>


縦の枚数は指定できないなど、Graphic Converterに比べると自由度は低い。
また、全て同じサイズで印刷されるため、画像を縦長に回転した場合は横長に扁平される欠陥がある。


いずれの場合も、大量の画像を一度にインデックス印刷しようとすると非常に時間がかかる。PCやプリンタの能力にもよるが、2,3枚ずつ処理したほうがストレスがなくなる。

私の場合、デジカメで写真を撮るのは、芸術写真が目的ではなく、記録が目的なので、枚数が多いということはそれだけ情報量が多いということを意味する。アナログ写真では点であった情報が、デジカメでは線の情報になるのだ。例えば旅行の記録の場合、アナログ写真では枚数が限られるためスポット情報になるが、デジカメはビデオのコマ落としのように撮れるので、全体に流れができる。インデックス印刷をするとその流れのままに印刷されるので、今までのアナログ写真のアルバムとは違った情報が得られるのだ。
かといって、大きなサイズでアルバムを作成するのは印刷コストがかかるので、私は主に35mmサイズで印刷をしている。用紙もスーパーファイン用紙を使い、印刷されたものは100円ショップで購入したクリアフォルダに入れファイルしている。とても奇麗に見える。
アルバムとしても十分に使える。
もちろん、同時にファイル名を印刷しているので、MOに保存した原画ファイルの索引(インデックス)としても使える。
もう少し、カラー印刷のコストが安くなり、また印刷速度が速くなれば、もっといろいろな活用が考えられるだろうが、貧乏で時間もないとなると、この程度までやれば十分だろうとも考えている。

<インデックス印刷で作成したアルバム>



7.HTMLカタログの作成

フォトアルバムを外部に公開したい場合があるだろう。CD-RにISOフォーマットで焼いておけばWindowsユーザーでも画像を見ることが出来る。
しかし、全てのユーザーが画像ビューアを持っているわけではない。しかし、NetscapeやInternet Explorerを持っていないパソコンユーザーはいないので、これをビューアとして使えるようにするのがスマートな解法だ。サムネール画像をもったインデックスのページ(HTMLカタログとも言う)を作成しておけば、大量の画像の検索が容易になる。
これならば、プラットフォームを限らず世界中の人が見ることが出来る。
もちろん、インターネットサーバーでこれを公開すれば、インターネット上で画像を見ることも可能だ。

HTML書き出しの機能を持った画像ビューアは沢山あるが、ここではGraphi c ConverterのHTMLカタログ作成機能を使おう。

まず、新しいフォルダを作成し、保存した画像ファイルからいくつかを選びコピーする。
ファイル名については、インターネット上ではUNIXのルールに従い、英数文字のみ、「/」や「.」「*」のような記号は含めない。必ず拡張子をつけなければならない。また、日本語も認められない。このルールにしたがっていない場合は、先の「Renamer」などを使い、名称変更を行う。

Graphic Converterの場合、HTML書類、サムネール画像(インデックス用の小さな画像)、オリジナルの画像の3つが作成される。まずそれらを保存するためのフォルダを用意しよう。ここでは「HTMLフォルダ」という名前にしてある。

Graphic Converterのファイルメニューから「まとめて変換」を選ぶ。

左側で対象となる画像が入ったフォルダを選択し開く。全部のファイルを選択状態にし(コマンド+A)、右の欄は保存先となる「HTMLフォルダ」を選んでおく。
中央のボタンから「HTMLカタログ」を押すと、オプション設定画面が現れる。

「一般」ではインデックスホームページで表示する画像のサイズと数を指定する。
サムネールのサイズは100X75が一般的だが、好みにより大きくしても小さくしても構わない。但し比率は100:75にすること。
サムネールの表示枚数も好みで良いが、横は多すぎるとスクロールが必要になるので、7枚程度が適当だと考える。縦の枚数についてはスクロールをすれば何枚でも構わないのだが、あまり多すぎるとホームページの表示に時間がかかるので、10枚以内としたほうがよいだろう。
これを超える数の場合は、自動的にインデックスページが追加される。

「ファイル」ではインデックスページの名称を指定する。これは後でも変更できる。
ファイル形式は「HTML」を選択。クリエータは自分が普段使用しているテキストエディタを選択しておくと後の編集が容易になる。

「HTML基礎」ではサムネール画像とオリジナル画像のフォルダ名を指定するが、デフォールトのままでよいだろう。タイトルの所には、インデックスページの頭に表示する題名を入れる。

これらの設定を完了したら、「OK」ボタンを押す。
かなり時間がかかるが、サムネール画像が作成され、オリジナルファイルがコピーされる。

HTMLフォルダはこのように作成される。この場合は、画像枚数が多かったためにインデックスページが2枚になっている。「thumbnail」フォルダにはサムネール画像ファイルが、にはオリジナルサイズの画像ファイルが保存されている。
本当のオリジナルの画像には手が加えられない。
インターネットで公開する場合は、photoalbum.htmlへのリンクを張る必要があるが、CD-R等で配付する場合は、このフォルダごと焼き、単にphotoalbum.htmlをダブルクリックしてもらえばよい。



<Netscapeでのインデックスページ表示例>


サムネール画像をクリックするとオリジナルサイズの画像が表示される。しばしばこの画像は大きすぎてスクロールしなければ見れない。その場合は、「original」フォルダの画像を全て適当なサイズにリサイズしたほうがよいだろう。
画像数が多い場合は、複数のサムネールページが作成され、ページめくりのリンクも自動的に作成されている。



このテキストの全体ならびに一部を他のホームページへの転載、雑誌等への転載することを禁じます。

リンクは「MacClinic」のトップページへ張る場合は自由ですが、このページに直接リンクする場合は、事前に許可を得て下さい。

(C)2001 ハリー小野(Harry Ono)
harryono@mac.com
All right reserved