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EndNote日本語版活用講座(18)
How to use EndNote Japanese Edition

初稿:2002年2月28日

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引用付きのHTML原稿を作成する方法




せっかく書いた論文はなるべく多くの人に読んでもらいたい。アーカイブに投稿する方法もあるが、個人や学内のサーバーで公開してもよい。

ウェッブ上であってもあくまでも論文であるから、引用はきちんとしなければならない。
せっかく、ホームページ形式とするのであればURLのある文献に対してはリンクが貼れるようにしたい。

残念ながら、EndNote5にはHTML形式で出力する機能はない。
ただ単にHTMLファイルにも引用がつけられると言うレベルだ。
既に作られているHTMLファイル(原稿の開始に<html>というタグがある原稿)を他の原稿と同じようにスキャン、フォーマットすると、引用と文献目録が作成されるが、フォントの指定等がHTMLのタグで書かれるというだけだ。文中引用の番号は上付き文字となるので、自動的に <sup>3)</sup> というタグが付けられる。
但し、フォントスを認識してフォントスタイルタグを付けるため、日本語の文献はすべて文字化けして変換される
リンクは付けられないし、日本語は使えないし、それほど便利な機能ではない。

最近のワープロには皆かなり強力なHTML出力機能が付いたワープロもしくはホームページ作成ソフトを使って引用付き論文のHTML化の手順を説明する。

引用付き論文のHTMLの条件とは次のようなものだ。
・文中引用は番号とする
・文中引用の番号と文末の文献目録をハイパーリンクさせる
・文献目録は著者、タイトル、掲載メディア、巻・号(版)、年、ページとする(これは各人の希望で変更できる)
・文献にURLがある場合は、タイトルとURLをリンクさせる


HTML形式のファイルを作成する方法は、PageMillなどの専用ソフトを使う、WordなどのワープロのHTML出力機能を使う、手入力で作成するの3つの方法がある。
図表まで含んだホームページを作成する場合は、専門のソフトを使う方が効率がよく、フォントなどの体裁を整えたい場合はワープロを使うのがよい。
ここでは、私がホームページを作っている方法で説明する。
NisusWriterを使い、タグを手入力で行うものだ。

スタイルの定義

まず、この条件に合わせてEndNote5の出力スタイルを作成する。
新規スタイルの作成法の詳細については、「スタイルの作成」の章を参照していただきたい。
ここでは私が作成したスタイルファイル「HTML Style(Nisus)」を使う。









1)原稿を用意する。ワープロを使い引用を付ける。(暫定引用ファイルA)
2)「HTML Style」でフォーマットする。通常のフォーマットと同時にリンク用のタグが生成される。(フォーマット済みファイルB)
3)NisusWriterで開く。
開いてみると、引用の部分には、
<a href=#文献番号>[文献番号]<a/>
文献目録のおのおの先頭には、
<a name=文献番号></a>
URLデータがある場合はタイトルに、
<a href="文献のURL">タイトル</a>
のタグが付けられていることが分かる。

但し、マルチ引用(一箇所に2件以上の引用を置く)の部分はEndNote5の引用フォーマットのルールで個々の引用にがつかない。
<a href=#1>[1], <a href=#2>[2], <a href=#3>[3]<a/>
のようにフォーマットされてしまうので注意が必要だ。
</a>を下記のように手入力する必要がある。
<a href=#1>[1]<a/>, <a href=#2>[2]<a/>, <a href=#3>[3]<a/>
マルチ引用は一般には少ないので、実用上の問題は少ないだろうが、注意してほしい。

NisusWriterにもHTML書き出し機能はあるが、他のワープロと同様に「<」「>」を自動的に「&lt:」「&gt;」に置き換えてしまう。
ワープロの置換機能でこれらをもとの「<」「>」に戻すことでもよいのだが、HTML書き出し機能にはくせがあり、必ずしも自分の思い通りの書式になるわけではない。
従って、私は通常は、NisusWriterには強力検索機能を使ってタグを付加する方法をとっている。
マクロ機能を使うと作業は自動化できる。
ここでは簡単に改行コードを検出して
に書き換え、全体に<html></html>を付け加えればHTMLファイルが完成する。


実際に作成されたホームページの例。青字はリンクになっている。


4)必要に応じて、フォントのサイズや色づけなどを行えばよい。



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