私のホームページ制作(2)

Mac Clinicホームページのデザイン


基本デザインの考え方
[はじめに]
最近の深夜の混雑度はすさまじい。なかなかダイアルアップできないだけでなく、データの転送に時間がかかりちょっとしたホームページを開くのにもひどく時間がかかる。これはISDNにしたからといって解決できる問題ではないだろう。

最近のホームページには凝ったものが多い。しかしその多くは単にグラフィックに凝ったものである。全面がグラフィックで構成されているページは見栄えはよいが、夜間などはロードに時間がかかり、いらいらする。最近はキャッシュがついたので元のページ戻るとき同じ時間がかからなくてよくはなったが、重たいページは自然と敬遠してしまう。現在の日本の事情を考えるともっと軽いページにすべきだ。

メニューもたくさん用意されている様に見えるがほとんどが「準備中」だったりする。何箇月に一度も更新されないホームページもある。資料として価値のあるものであれば更新がなくてもよいが、取りあえず開いてみました的なものが余りにも多い。ページ構成だけは凝っていて、何枚もページをめくらなければ目的のところにはいけず、結局はらっきょうの皮のように中には何もなかったというものも結構ある。

インターネットを自己表現の場として使うのも結構だが、®知らせにつられて「私の尻見せます」式のホームページを見せられて時間とられるのはたまらない。個人だけでなく企業のホームページにも自己満足か自己中心的なものが多い。ホームページは自分をアピールするためではなく、自分の持っている情報や知識を活かして人の役に立てるためのものだと思う。

[ホームページデザインの基本的考え方]
という訳で、私のホームページ「マック診療室」を設計するに当たっては以下のようなことを方針として考えた。

・自己満足的なものではなく、相手に貢献できる内容であること。
・情報の更新がやりやすいファイル構造にすること。
・双方向のコミュニケーションが図れるようにすること。
・グラフィックは最小限にとどめ、ロードの時間を短くすること。
・ホームページとしての美しさを持たせること。
・情報としてはテキストが主体になるが、テキストも多くなるとロードに時間がかかるため項目別に細分化すること。
・欲しい情報に早く辿り着けるような工夫をすること。
・テキストにはWWWの利点を活かし、写真、図絵で分かりやすくすること。
・いろいろなブラウザーの使用を考えること。(Netscape2.0を前提としない。)
・画面は最小が13インチを想定すること。
・表示はとりあえずは日本語のみとする。

[Mac Clinicのファイル構成]
初めはNetscape1.1用に設計していたが、Netscape2.0が出てきてそのフレーム形式がこのような閲覧を中心とするホームページにはぴったりだと感じたため、フレームの形式を取り入れた。
フレーム形式の場合トップの画面、通常「xx_home.html」とか「index.html」と名付けられるファイルでフレームの形式のみを指定し、各ウィンドーに表示される情報はそれぞれファイルを別に作る。
Netscape1.1でフレーム形式のホームページを見ると何も表示されない。従って、「このページを見るためにはNetscape2.0を®使いください。」というメッセージだけをいれることが最低限必要になる。
日本ではブラウザーとしてはNetscape以外のものも結構使われている。Netscape自体もまだ大半は1.1だろう。2.0はオンラインでダウンロードできるが夜間なんか3、4時間もかかり諦めている人も多いだろう。ということで、Netscape1.1でも見れるようにする必要があった。
フレーム用とノンフレーム用の2つの画面を作らないといけないのは結構面倒臭い。
基本的にはまずフレーム形式の方を作り、ノンフレーム形式のHTMLにペーストすることで作業を単純化することにした。HTMLがプログラミング言語であれば、一つのファイルを修正すれば関連するファイルも自動的に変更するようプログラムできるが、HTMLだけではそうはいかない。
「マック診療室」はいくつかの部屋に分かれているが、これを全て独立したファイルとすることで、フレーム形式でもノンフレーム形式でも共通のファイルが使えるようにした。

ファイルは
・mac_clinic_home.html:フレーム指示とノンフレームのメニューを表示する。
・「ウィンドーフォルダー」:フレームのウィンドーの表示ファイルを入れる。
・「専門科フォルダー」:ここにはメニューで選択されるそれぞれのテキストファイルを格納する。フレーム、ノンフレーム共通で使える。
・「GIFフォルダー」:タイトルイメージやボタンイメージ等GIFファイルを格納する。
・「インタネットフォルダー」:ここは項目毎にファイルを細分化し、
な®かつフレーム形式としたため、「マック診療室」と同じファイル構成を採用した。


Mac Clinicの作成履歴
上記のような方針はあったが、初めから緻密なデザインとファイル構成を企画し、後は内容の編集を行ったわけではない。私の作成スタイルはともかく一ベージを作ってみてブラウザーでの見栄えと操作感をみて、修正をしていくというものである。
初めはノンフレームで作成した。今回のホームページの場合は、情報の提供が主体なので、情報を細かくページにわけてそれへのリンクをうまくすることを実験した。初めは、診療項目を「神経外科」だの「®鼻咽喉科」だの細かく分けてみたが、ユーザー側から見たらあまり細分化し過ぎると使いづらいこと、制作側から言うとファイルのメンテナンスが大変になることが分かったので、絞りこんだ。
グラフィックはタイトルだけをともかく作り、中味はほとんどなかったが取りあえずたち上げた。数人の友人にだけ開設を知らせ、他のマシンでも正常に見れることを確かめた。全体のコンセプト及びデザインに関してはよい評価をもらった。

それから本格的に内容を充実させることをやった。内容は、私自身会社などで同僚から聞かれた質問や、私自身の経験に基づくものを書き出していった。それをFile Makerに入れ、あとでも別な形で使うことを考えた。しかしこのやり方は、後になってみると非常に手間がかかるだけだったので、現在は直接ファイルに書き込む形を取っている。

内容が増えてくると、どうも今一つ検索性がよくない。この頃になると、フレームで作られたホームページが見られるようになり、この機能を使うことで操作性をよくすることを考えた。
フレームのデザインはいくつかの試作を行った。最大5つのフレームに分けたものも作ってみたが、小さなモニターの場合、見にくくなるのでやめた。上半分に質問を、下半分に回答が来るようなデザインも考えたが、これもファイルのメンテナンスが大変になるためやめた。せっかくフレームを採用したのだから、バックグラウンドの色もいろいろと凝ってみたかったが、やはりシンプルが一番と、病院らいし清潔な白に統一した。メニューの部分だけは、ちょっとアクセントを持たせるために色を付けた。
フレームの場合、ノンフレームへの対応が必要になるが、私のホームページの場合は日々のメンテナンスが必要であり、二つのファイルを常に更新するのは大変なので、ノンフレームの画面はメニューだけとし、内容に関してはフレームと共通のファイルが使える用に変更した。
オフラインで見た場合と、オンラインで見た場合は、見え方に違いが生じる場合があるので(少なくとも表示速度はかなり違う)、常にアップロードしてはオンラインでの見栄えをチックした。

大体のデザインが決まった段階で、NTTの新着情報へ登録した。これで本当に人目にさらされることになったわけだが、そういう目で見るといろいろと改善を感じ、フレームのサイズやタイトルのデザイン、メニューの配置なども少しづつ変更を加えていった。
フレームを採用することで、一つのファイルからわざわざホームページに戻らずに、メニューに移れるようになった。メニューウィンドーはメニューの数を増やしてもデザインが変わらず、全ての情報はメインウィンドーに表示させる方式にした。

少しづつ診療依頼が来るようになると、やはりインターネット関連の質問が多く、そのページだけ情報が増えるので、独立させ、項目を更に細分化して検索がしやすいようにした。


作成と更新手順
・HTMLの作成はSimple TextまたはNisus Writerにタグも含めて直接打ち込んでいった。私の場合、あまり計画的に作らないので、先にテキストだけを作っておいて、後でHTML変換ソフトを使ってHTMLに変換するという手順はほとんど取らない。基本的に全てのタグは頭に入っているので、HTML形式のまま打ち込んでいったほうが速いのである。
ただし、いつものことながらタグのつけ忘れはどうしてもあるし、思った通りに表示される保証はないので、とりあえず一ページのHTMLを書き込んだらNetscapeで確認をする。そして修正が必要ならば、同時に立ち上がっているHTMLを修正する。

・WWWサーバへのアップロードとアップデートはFTPを使って行う。FTPソフトであるFetchはとても使い勝手がよい。オフラインでファイルを修正し、Fetchでファイルの入れ替えを行うのが一般的だが、時にはオンラインのままファイルを修正し、アップロード(put)し、Netscapeで確認をし、また必要に応じて修正して再びアップロードすることもある。Fetchではサーバー内でフォルダーの入れ替えを行ったりは出来ないが、名称変更、削除、フォルダー単位でのget、putが出来るので、ほとんど自分のサーバーをコントロールしているような気分になる。
・テキストファイルの日々の更新はやはり結構面倒である。ある程度強い使命感と忍耐力がなければ続かないと痛感している。
(96.2.29)