人間は、幸福の否定に基づくさまざまな “異常” 行動を、日常的に起こしています。そして、その中で、頻繁にあるいは時おり、さまざまな抵抗や反応を示します。そうした抵抗や反応には、一般的によく知られているものと、体験者以外にはほとんど知らないものとがあります。俗にいう “青木まりこ現象” は、明らかに後者でした。それが、最近、雑誌などで話題になったことから、全国に散在していた体験者が次々と名乗りを上げ、それほど珍しくない現象として認められるようになったわけです。このように、全国に、あるいは世界中に散在するデータを集計するには、インターネットは大変有効です。このコーナーでも、体験者がまばらにしかいない変わった現象を紹介し、そうした体験が珍しいものではないことを明らかにすることにしています。
誰にでもある現象や体験者が多い現象で、一般にもよく知られているのは、たとえば次のようなものです。
● 難しい本を読むと眠くなること
● より難しい課題にとり組むと、それまでできなかった課題が簡単にできてしまうこと
● 同じ勉強でも、自室の机の上では難しいのに、同じ自宅でも食卓なら、あるいは喫茶店などではできやすいこと
● 作業としては簡単なはずなのに、礼状などがなかなか書けないこと
● 自分の部屋や自分の家の片づけは難しいのに、他の部屋や他人の家の片づけは簡単にできること
● 締め切り直前になるまではなかなか手がつけられないのに、前日になると一挙に集中して迅速にできること
● 子どもはかわいくないが、孫は眼の中に入れても痛くないこと
● 幸福に関係する記憶が一瞬のうちに消えるという現象
● 母親や自分のつれあいや子どもの顔が思い出せないという現象
● 勉強であれ睡眠であれ、それにふさわしい環境や状況では難しく、じゃまが入った時のほうが簡単になるという現象
● 時間がある時に、自発的に、自分が本当にしたいことをするのが、このうえなく難しいという現象