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室生寺の五重塔 (鉛筆画・F8号)

室生寺は奈良時代に桓武天皇の病気平癒の祈願がされ、効果があったことから、勅命により作られたお寺である。真言宗で、高野山が女人禁制であったのに対し、女人の入山が許されたことから「女人高野」と呼ばれ、それは室生寺の代名詞ともなっている。室生寺は室生山の山麓から中腹にかけてが境内となっている。寺への唯一の入口である反橋を渡り、女人高野の石碑がある門をくぐる。室生川の曲流に囲まれ、緑深い木立のある丘陵に諸堂は点在する。この典型的な山岳寺院は、石段を上がる毎に次の堂守が現れる。五重塔は金堂、弥勒堂、本堂から更に上に在り、奥の院御影堂へと続いている。五重塔は観光ポスターなどに屡々写真が紹介される朱塗りの塔である。西暦800年頃の建立。木造の塔として法隆寺塔に次いで2番目に古い。高さは16m強、初重 は一辺2.5mの小型の塔で、高さは興福寺五重塔の3分の1程度である。スケッチは階段下から塔を見上げたもので、長い石段と塔のコントラストが面白く思いの外、塔が大きく見えるユニークな光景であった。