前の絵を見る 前へ   鉛筆画[V]−建築 の一覧に戻る ホーム   次の絵を見る 次へ
 
中尊寺金色堂 (鉛筆画・F6号)

バスツアーで陸中海岸に行った帰路、陸羽街道(国道4号)から岩手県平泉町の天台宗の東北大本山中尊寺を訪ねた。中尊寺の入口から表参道を月見坂といい、道の両側には樹齢300〜400年ほどの杉の並木が続き静寂で美しい光景であった。丘陵上の諸堂を見ながら参道を登ると左手に覆堂で保護されている金色堂に出合う。天台元年(1124)の造立で、中尊寺創建当初の唯一の遺構である。その皆金色の阿弥陀堂は四本の巻柱や仏壇、長押しまで白く光る夜光貝の<螺鈿>細工・透かし彫りの金具・漆の蒔絵と、お堂全体があたかも一つの工芸品の感じがする。 覆堂は、貴重な文化財、史跡等を風雨から保護するためで、それらを覆うように建設された簡易な建築物である。又それが文化財的価値を生んだ金色堂のような例もある。 平成12年(2000)には金色堂をはじめとする「平泉の文化遺産」が、「世界遺産暫定リスト」に登載され、早期の正式登録実現が望まれている。