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高尾山薬王院 奥の院 (鉛筆画・F6号)

第2回目の個展で家内の音楽での友人から拙画「御岳渓谷 玉堂美術館」をご購入して戴き、その上高尾山薬王院奥の院の絵を描いてほしいとのご依頼を受けた。そのご友人の父上が昨年(2012年)の秋に96歳で他界され、ご存命中の時には毎週この奥の院に足を運ばれていたそうである。
その思い出に一周忌に仏間に奥の院の絵を供えたいとの事であった。私にとり光栄にも大変な大役を仰せつかったことであるが、ここで怯むことなくお引き受けすることが良いと考えた。その後早急に家内と共に新緑間近の高尾山を訪れ取材を行うことにした。
緑豊かな高尾山は丁度桜のシーズンでもありとても美しかった。高尾山は近年、東京から近くて手軽に山歩きを楽しめ自然に触れられる処として人気が高まっているが、信仰の山としても多くの人を惹き付けているということが今回の取材により認識を新たにすることが出来た。 木々の緑は奥の院の外装の朱の色に映えて生き生きと希望に溢れ春の日差しの中にあり印象的であった。絵の構 図を考えながら高尾山薬王院の最も奥にあり、富士山も眺められる頂上に通じる所に佇む「夢見る奥の院」ができますことを願いながら7月の新盆に間に合わすことが出来た。 ご友人からは今は亡き父上の供養になればと云って戴き安堵した次第である。