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shizen-09
 
秋の寸又峡 (鉛筆画・F10号)

寸又峡は大井川の上流部にあたり、支流の寸又川沿いにある日本有数の景勝地で、「21世紀に残したい自然100選」に選ばれ南アルプスの南の玄関口としても親しまれている。寸又川を間近にする湯の郷は緑濃い山々に囲まれ、まるで桃源郷のような美しさに包まれる。スケッチに描いた全長90m、高さ8mのスリリングな夢の吊橋が有名である。この南アルプス一帯は中央構造線と地塊構造線と呼ばれる日本の地質構造を二分する大きな断層に囲まれ、長い間に激しい褶曲や隆起を繰り返しながら出来た光岳や千頭山などの険しい2000m級の山々が連なる。一方、寸又川の浸食や風化によって深く切り立ったV字形の峡谷と蛇行する川とが調和した雄大な景観をつくる。この辺りは標高が500〜2500mと差が大きく森林は垂直分布を見ることができる程である。本州で唯一、人が全く手を付けることの出来ない特別の地域に指定され、国によって大切に保護されている。