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shizen-10
 
安曇野・秋 (鉛筆画・F10号)

遠くにアルプスの山並みを望むのどかな田園風景が広がる安曇野。このスケッチを行った場所は、池田町立美術館の前庭である。池田町立美術館は「あずみ野池田クラフトパーク」の一画に在る。そこに辿り着くと、その景観に魅せられた来館者の多くは美術館を背に座り込み、塑像と化して動けなくなる。この美術館は安曇野をこよなく愛した人たちの心が、池田町と奇しき縁を結んで設立された。山下大五郎(1908〜90)は地元の相道寺焼窯元に知己を得て逗留し、画帳片手に“空気の生きている”早朝に出掛け、館の真正面に望む有明山を描いて幾多の秀作を生み出した。画面から風が、空気が感じられる独特の画風で、足繁く通った池田町に根を下ろして、人々に親しまれている。このスケッチは有明山を昔から親しまれてきた絵のアングルで眺め表現したものである。