プレス集2004年
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2004年版
●「2004プロレスラー写真名鑑号」

主要タイトル歴「UWA世界6人タッグ、英連邦ジュニアヘビー」、抱負「Tの伸びきった鼻をへし折る」、寸評&備考「SUWA、望月との抗争で躍進。イタコネ離脱後はブラザー、大鷲らと大暴れ。ゴリラなみのパワーで一気に闘龍門のトップグループの仲間入り」
(『週刊プロレス』2004.1.7&14号)

●真・あぶない木曜日!

★闘龍門のはぐれ軍団(仮)は、一体いつになったら正式名称を決めるのでしょうか? あれだけ大暴れしているので、カッコいい名前をつけて欲しいのですが…。それとも「はぐれ軍団(仮)」がチーム名なの? いっそのこと新しい名前を週プロで募集したらいかがでしょうか。自分からは怖くて提案できないので、担当の佐久間記者から本人たちに言っておいてください。(読者の投書より)
A 16日におこなわれた代々木大会の試合前に、ドッティにこの質問をぶつけてきました。以下は本人からの回答です。
「はぐれ軍団(仮)なんてお前ら(マスコミ)が勝手につけただけだろうが! ブラザーが言ってるように俺らはリーダーもヘッドも関係ない。元々、軍団を作ろうと思って集まったんじゃなくて、やりたいことをやりたい奴が自然に集まってきただけだからチーム名なんて関係ないんだよ! 週プロで募集? ふざけたこと言ってんなよ(怒)。なんで週プロ見てる奴らに名づけ親になってもらう必要があるんだよ、ボケ!」
試合前でピリピリしていたのでこれ以上は聞けませんでした。ちなみに僕は以前"チームご機嫌ちゃん"という名前を提案したのですが、不機嫌ちゃんになられてしまいました(涙)。(佐久間)
(『週刊プロレス』2004.1.7&14号)

●SUWAインタビュー

----昨年を振り返ってどんな一年でしたか。
(前略)前半は英連邦ジュニアのベルトを持っていて、コンドッティとの抗争だけが印象に残ってますよ。(後略)
(『週刊ゴング』2004.1.28号)

●2004.1.15TNCパヴェリアホール vs 望月成晃&スペル・シーサー組戦(P:大鷲透)/YASSHI選手、C-MAXにリンチさる

●望月成晃&スペル・シーサー組戦

セミではドッティ&大鷲が望月、シーサー組と対戦。大鷲がシーサーをダイビング・ボディープレスで下してみせた(11分4秒)。さらには、試合後にはドッティが「闘龍門、辞めたんじゃねえのか? このクソジジイ!」と望月に暴言。勝手に引退を勧めた
(『週刊プロレス』2004.2.4号)


「クソジジィは、とっとと辞めろ」
ドッティの罵倒にモッチー退散…

「闘龍門をとっとと辞めろ、クソジジー」とドッティはモッチーを激しく罵倒した。/
「自分のやりたいことをやっていく」と言っていたモッチー…
(『週刊ゴング』2004.2.4号)


●YASSHI選手、C-MAXにリンチさる

クレイジー恐怖症

C-MAXの厳しい仕打ちにブラザー降伏。
はぐれ軍団(仮)はどう出る!

暴挙か、それとも天罰か。C-MAXが不快指数ナンバーワン男のブラザーにお仕置き。強烈な恐怖心を植えつけた。
事件はブラザーVSカラオケ2号戦の直後に発生した。反則負けで試合を自ら破壊したブラザーは、マイクを握るや福岡のファンをさっそくチン○ス呼ばわり。そこに敵対するC-MAXが乱入。(中略)
けっきょくモデルガンに弾は込められていなかったものの、今回の一件でC-MAX恐怖症に陥ったブラザーはバックステージでも錯乱状態。「C-MAXとやるのはイヤや!」と大きな顔面をクシャクシャにして泣きわめいた。
この事態を重くみたドッティは「C-MAXは数にモノをいわせている。メンバー増やそうぜ。TORYUMON-Xのヤツらも帰ってくるんだろ」と不気味な発言。急いでなんらかの対策を練るようだ。
しかしながら、ブラザーはもうデカイ面はできないはず。必要以上に多い口数も少しは減るだろう。いままでの悪事のツケがまわってきたのか。はぐれ軍団(仮)、年明け早々に失速か。(かずまさ)
(『週刊プロレス』2004.2.4号)


公開処刑されたブラザーが錯乱状態
「クレイジーとやるのは、もういやだ」

はぐれ軍はメンバー動員を計画
「闘龍門Xの連中も帰ってくるだろう」

試合が終了するや黒の戦闘服に身を包んだC-MAXが疾風の如く現われ、CIMAが「今から公開リンチを見せてやる」と宣告。後ろ手にしたブラザーの頭部にイスを叩きつけた。
屈服しないと電動エアーガンを突きつけ「これは50メートル先まで飛んでいくBB弾やぞ。オマエの口の中に撃ってやる」とCIMAが実行しようとすると「やめてくれ、すいません。もうやりません」とブラザーは恐怖。控室でも「もうアイツらとやるのはイヤだぁ。ウー、ウー」と錯乱状態に陥ってしまった。
これを見たドッティは「クレイジーは数が多いからってよ。俺たちもメンバー増やそうぜ。闘龍門Xたちも帰って来るだろう」とはぐれ軍の増員を計画し始めた。両軍の抗争は思わぬ展開に突入していくことになった。
(『週刊ゴング』2004.2.4号)

●2004.1.31〜パンフレット

はぐれ軍団(仮)の大将として、さらにふてぶてしく、さらに憎々しく闘龍門マットを荒らしまくっているドッティ。12・16代々木大会では大鷲がCIMAを倒し、自らも3WAYタッグ戦を制してこれ以上ない形で一年をまとめた。年明けにはC-MAXが逆襲を開始してきたが、何と5人目のメンバー加入までほのめかしてきた。どうやったら、この男を止めることができるのか? 04年上半期も、はぐれの暴走はノンストップだ!


それぞれの集大成、そしてまた-----
闘龍門JAPAN12月〜1月の闘い模様
03.12.16 代々木
勝ち抜きルールで行われた3WAYタッグは、土井・JUN組が奮闘するもドッティ・ブラザー組が勝利
03.12.27/28 川越
二日目のテーマは「夢の対戦」。といっても、ドッティと大鷲はまともな試合にはならず。結局レフェリーの八木がいじめられるハメに…
04.01.15 福岡
タッグで望月と対戦したドッティは、闘龍門離脱を示唆している望月に引退を迫った。また新たな因縁になるのか?

●2004.1.31後楽園ホール vs 望月成晃&ドラゴン・キッド&新井健一郎組戦(P:大鷲透&"brother"YASSHI)(UWA世界6人タッグ選手権戦)/菅原選手を軍団に勧誘

●望月成晃&ドラゴン・キッド&新井健一郎組戦

その名は悪冠一色(アーガンイーソウ)

蘇る極悪伝説
望月、ふたたびヒール道へ


原点回鬼
「10周年を機にやりたかったこと。それはヒールを極めることだ!」(望月)

悪冠一色はM2Kを越えるか!

プロレスラー・望月成晃の時計は01年12月10日で止まったままになっていた。昨年12・16代々木でM2Kを解散した望月が、公言していたとおり「10周年を機にやりたいこと」を発表。今後の方向性を闘いのなかで明確に示した。
今大会のメインは望月、アラケン、キッド組がはぐれ軍団(仮)に挑戦したUWA世界6人タッグ選手権試合。第1試合まえのMCで、望月はパートナーにアラケン&キッドを指名。ケジメとしてかつての仲間たちと最後のトリオを結成した。
ここでドッティらがリングに登場し、だれも頼んでもないのに「俺らのベルトに挑戦させてやる!」と一方的に宣言。これを神田教頭も認めたため、メインの6人タッグは急きょタイトル戦で争われることになった。
このときのドッティの捨て台詞は「望月をこれで引退させてやる!」というものだった。その言葉を実証するかのように、試合が開始されるやいなやはぐれ軍団は望月に集中砲火。選手権試合であるにもかかわらず、反則負けスレスレの悪事を働きまくった。
これに望月も重たいキック、そして初公開のトップロープ越えトペ・スイシーダなどで対抗。はぐれ軍団を闘龍門マットから一掃するかのようなファイトを繰り広げた。
しかしながら、試合が山場を迎えた15分過ぎに戦況は一変。ドッティが手にしたブルーボックスを望月が強奪。これではぐれ軍団を木っ端微塵に粉砕するのかと思いきや、何を思ったのかいきなりキッドを襲撃。チームメイトに突然牙を剥いたのだ。結論からいえば、これらの出来事は全部が全部、望月が仕組んだ巧妙な罠であった。望月のいう「10周年を機にやりたいこと」。それはヒールとしての生き方、あり方をとことんまで追求することであった。
昨年から、望月ははぐれ軍団と水面下で接触をはかっていたという。12・16代々木でアラケンに敗れたのも、M2Kを解散したのも、この日はぐれ軍団と闘ったのも、すべては新ヒールユニットを創造するための布石。まんまと騙されたアラケンとキッドは、完全にペースを乱されて敗北。試合後のリング上には、薄ら笑いを浮かべる、すっかり人相が変わってしまった望月の姿があった。
(中略)
止まったままの時計の針を強引に動かすかのごとく、ここにきて望月はふたたびヒールの道を歩みはじめた。新軍団の名称は、なぜか中国語で「悪冠一色」(発音はアーガンイーソウ)。はぐれ軍団のパワーにキャリア11年目の望月の頭脳が加わったのだ。今後はオリジナルM2K以上の極悪ぶりを発揮してくることだろう。
「スポ−ツライクな闘龍門は自分が目指すものとギャップを感じる」
これは本誌1月28日号に掲載された望月のインタビュー中の言葉である。闘龍門の闘いがよくも悪くもスポーツライクに陥った理由。そのひとつに、ギスギスした対立概念が失われてしまったことが挙げられる。
かつてのM2KvsC-MAX、M2Kvs正規軍の闘いは、そのどれもが殺気に満ちあふれていた。M2Kの悪行に怒った観客が、望月にビールをぶっかけるという事件も発生した。闘う側も観る側も、だれもが本気で熱くなれる空間がそこには存在した。
新たに立ち上がった悪冠一色を、C-MAX、Do FIXERは潰しにかかるだろう。また、悪冠も闘龍門マットを支配すべく様々な罠を仕掛けてくるはず。新ユニットはリングにいかなる風景を創造するのか。闘龍門の新章が、いまスタートを切った。(かずまさ)

悪冠一色のコメント
望月  弱いフリをするのも疲れたよ。大体なんだよ、俺がベビーフェースやってるときはマスコミもまったく取り上げないで。俺がベビーやってるあいだにだれかヒールをやるかと思ったら、マグナムはイイトコ決めてばっかだし。ミラノもミラノでお笑いレスラーかっての。その点、コイツらは入ってきたときから潰してやろうって目をしてて違ったよ。悪冠一色はワケわからない名前かもしれないけど、最初はDo FIXERもそうだっただろ。この字はだれが書いたかわかるか? ブラザーだよ。習字五段だよ。書いておけよ。菅原はどうした?
ブラザー  まだ迷ってるみたいやな。
望月  まあ、アイツもメキシコ長かったからな。菅原とはべつにもうひとり、誘おうと思ってるヤツがいるけど、いまいうとおもしろくないから、小倉から開幕する九州シリーズで発表するから、お前ら必ずこいよ。
(『週刊プロレス』2004.2.18号)

はぐれ軍団(仮)の猛攻に遭った望月が大苦戦。思い切り顔面を踏みつけられた。しかし、すべてはアラケンとキッドを騙すための作戦だった/
ドッティ&ブラザーの合体技、バビロンが望月にサク裂。ワルいだけではなく、このふたりはタッグチームとしても完成されている/
ドッティ&大鷲がキッドにサンドイッチラリアット。ここからサンドイッチ式の延髄斬りにつないだ。この一連の攻撃は、その名も「龍原砲」という。ふたりが得意としている合体技だ/
ドッティ&ブラザーのビッグヘッド・トレインが望月を突き刺す。あくまで敵対しているかのようにみせかけた/
闘いに復帰したアラケンが怒りの阪神タイガースープレックス。ドッティの後頭部をマットに叩きつけた/
キッドがドッティをウルトラ・ウラカンで丸め込んだ。元M2K組の勝利かと思いきや、はぐれ軍団の高木省吾がレフェリーの足を引っ張ってカウントを阻止。幻の3カウントとなった/
なんと、望月が突然の裏切り。ドッティからブルーボックスを奪うや、つい数秒まえまで共闘していたキッドの脳天を攻撃。望月の「やりたかったこと」とは、鬼のように暴れまわったヒール時代に立ち帰ることだった/
孤軍奮闘となったアラケンにはぐれ軍団が集中砲火。ブラザーのフライング・ビッグヘッド、ドッティのジャックハマー、大鷲のダイビング・ボディープレスを立てつづけに食らい、3カウントを許してしまった/
キッドらを裏切りふたたびヒールの道を走り出した望月。かつてオリジナルM2Kが得意としていた連係攻撃をアラケンに見舞っていった/
まんまとキッド&アラケンを騙した望月はブラザーらと握手。信じられない光景だ/
試合後に望月は軍団名を発表。文字はブラザーが書いたもの。望月いわく「習字五段」らしいが、本当だろうか/
これが新軍団「悪冠一色」のメンバー。望月が人相も急に悪くなったように感じるのは気のせいか
(『週刊プロレス』2004.2.18号)


モッチー、デビュー10周年
「もう1回ヒールを極める!」


ベビーに訣別の一撃

はぐれ軍と握手
悪の枢軸新結成


ナイトメアーに襲われた闘龍門初PPV大会

チーム名は…
悪冠一色(アーガンイーソウ)

はぐれ軍と内通していたモッチー!
連敗、不調、引退騒動は全て偽装工作


史上最大のヒール軍へ勢力拡大
「もうひとり誘うヤツがいる」

昨年12月にM2K解散が決定するや「来年デビュー10周年、自分のやりたいことをやる」と断言したモッチーが闘龍門初PPVの今大会で「正規軍、M2Kと2年間一緒にやってきたオマエらに、やりたいことを見届けてほしい」とキッド、アラケンに6人タッグのパートナーを要請。すぐに快諾を得た。そこに出現したはぐれ軍からは「会社から防衛戦をやれと言われてるからUWAに挑戦させてやる」と言われ、急遽ベルトが賭けられることに。モッチーも「やりたいことは、試合後に発表する」と約束した。
気分が吹っ切れたのか不調続きだったモッチーの試合中の動きは素晴らしく、蹴りの斬れ味も最高にいい。トップロープ越えのダイビング・トペ、巨漢・大鷲をボディスラムで叩きつければ、三角蹴りでドッティとブラザーに。さらにはキッド、アラケンの救出に入るとモッチーへの声援はどんどん高まり、はぐれ軍からのベルト奪取は現実のモノになりつつあった。
危機感募るはぐれ軍はブラザーがキッドにブルー・ボックスを叩きつけ、今度はドッティがボックスを振りかぶると…モッチーが、それを阻止して奪い取った。予想されるのは、そのままドッティの顔面に叩きつけるシーンであったが、モッチーが"パッコーン!"とボックスを叩きつけた相手は…何とキッドであった。
モッチーの判断ミスだったのか!? いや違う。せせら笑うモッチーは手を差し出しドッティ、大鷲、ブラザーと次々に握手を交わしてみせたのだ。
ハハハッ。ファンを見下すようにあざ笑い、大ブーイングがウズ巻くと、モッチーは続いてアラケンを足蹴にした。ドッティのジャックハマー→ブラザーのビッグ・ヘッドバット→大鷲のダイビング・ボディプレスでアラケンは半失神に追い込まれて屈辱の敗北。
大の字のアラケン、キッドを場外に放り、土井をボックスで追い出したモッチーは「この俺がデビュー10周年を機にやりたかったことは、この闘龍門でもう1回、ヒールを極めることだ!」と言い放った。所信表明は、さらに続く。
「アラケン、(M2K解散マッチの)代々木は俺に実力で勝ったと思ってるかもしれないけど、あの試合で俺はワザと負けたんだよ。11月に土井に負けたのもタッグリーグの連敗もそう。俺が考えたM2K解散のシナリオだったんだ。挙句の果てに引退とか言われ、3ヵ月も弱いふりしてるのは疲れたぞ。弱っちいベビーフェイスのオマエらに足引っ張られてUDGにも挑戦できなかった。"肩の荷が降りた"っていうのはオマエら3人のこと。俺は今日から、コイツらとやっていくからよ」
はぐれ軍の司会進行役のブラザーは「モッチーとは俺らがイタコネから分かれる前から裏でつながってたんや」と前置きしつつ「今日のためにチーム名の発表はとっておいた。じゃ発表しようか」と掛け軸をサッと広げた。
そこにあったのは「悪冠一色」という四文字熟語で「中国語でアーガンイーソウと読むんや」とブラザーが説明。モッチーは「仲良しこよしの闘龍門は飽き飽きしてたんだよ。クレイジーだけじゃねえ、イタコネ、Do FIXER、全部かき回してやる。スポーツライクな闘龍門は去年で終わり。俺たち、悪冠一色がオマエらに毎日バッド・エンドを見せてやっからな」と全方向に悪の宣戦布告を発布してみせた。
アラケンが「今日まで信じてきたのに馬鹿にしやがって」と激怒し、キッドは「試合でやり返す」、土井も「やられた分、やり返す」とリベンジを誓ったが、まだまだ遠吠え止まり。
「なかなかの演技だったろ、やっぱ俺らはベビーやっちゃいけねえな。ガマンした2年間、誰かヒールやるのかと思ったら、マグナムはいい人ぶるし、ミラノはただのお笑いレスラーだった。それから菅原に、あともうひとり誘うヤツがいるからよ。まあ九州シリーズ、誰を誘うのか、ちゃんと見に来てくれよ」
モッチーは既にメンバー増員さえ、したたかに計算していたのだ。現在5名の構成員でなる悪冠一色は今後、闘龍門の"悪の枢軸"となっていくことは確実だ。破壊、侵略、略奪…法規無視は当たり前の、ならず者集団が闘龍門の治安悪化を引き起こすのは必至となってきた。
M2Kの完全決着推進(02年)、新M2K結成(03年)と年頭の後楽園大会でサプライズを提供してきたモッチーは今年、ナイトメアーをもたらした。
(『週刊ゴング』2004.2.18号)

はぐれ軍の申し出によって急遽UWAトリオ選手権に。/
ドッティが振りかぶったブルー・ボックスがキッドに。するとモッチーが攻撃を阻止、ボックスを取り上げドッティを返り討ちにすると思いきや…何とキッドに叩きつけてベビーフェイスに訣別。/
敵対関係と見せかけてきたドッティと握手。内通しているはぐれ軍と偽装工作をした。/
ドッティ、ブラザーが各自の持ち技を出してから大鷲がフィニッシュにつなぐ。
(『週刊ゴング』2004.2.18号)


●菅原選手を軍団に勧誘

悪の誘い

悪冠一色の勧誘を拒否したヘンリー

悪冠一色がヘンリーに軍団入りを迫った!? この日、ヘンリーはアンソニーと組んで、CIMA&フジイと対戦。久しぶりの"純血"ロイヤルブラザーズだったが、コンビネーションはおろか誤爆を繰り返し、口論となる場面も見せる。最後もCIMAに勝利を献上してしまった。
試合後、うなだれる2人の前に現れたのが悪冠一色のドッティ&ブラザー。
「お前、まだ森と組んでるのか? ロイヤルブラザーズなんてないようなもんなんだよ。菅原、俺らとやったほうがいいんじゃねえか?」
ドッティがヘンリーに軍団入りを勧誘。さらにアンソニーを捕まえるとヘンリーに攻撃しろと要求した。ファンが固唾を飲んで見守っていたがヘンリーはブラザーにキックを加え、共闘を拒否。誰もが胸をなでおろした瞬間だった。
「オイ、菅原! よーく考えとくんだな!」とドッティ。
ひとまず悪冠一色増殖の危機は免れたものの、望月成晃も加入し、勢いを増す悪の軍団を止めるのは至難の業である。悪冠一色もヘンリー獲得を諦めたわけではなく、今後も予断を許さない状況だ。それにしても、ドッティの言葉に迷いを見せていたヘンリーの表情が気になった。杞憂であってほしいが…。(後略)
(『週刊プロレス』2004.2.18号)

ドッティ&ブラザーがヘンリーに対し、アンソニーへの攻撃を要求。「オイ、菅原。やってまえ。今のうちやぞ。今がチャンスや。こっちに来い! どうすんねや? 答え出せ! やっちまえ!」(ブラザー)/
悪冠一色の誘いを菅原はキックで返答。一時はどうなるか会場もヒヤヒヤものだった
(『週刊プロレス』2004.2.18号)

●2004.2.3小倉北体育館 vs ドラゴン・キッド&新井健一郎&セカンド土井組戦(P:望月成晃&大鷲透)

悪冠一色

乱入、反則…
バッド・エンドの始まりだ。

望月とはぐれ軍の合体に誰もが目を疑った1・31後楽園大会。望月が昨年の暮れに言っていた「デビュー10周年を機にやりたいこと」とはヒールターン…仲良しこよしの闘龍門に対して牙を剥くことだった。望月の加入ではぐれ軍のチーム名も"悪冠一色"と決まり、この日、開幕した『EL MES DE EL AMOR Y LA AMISTAD』大会から軍団として本格的なスタートを切った。
第一試合に組まれたブラザー&高木対横須賀&斉了の一戦。ブラザー達のセコンドには当然のように悪冠一色のメンバーの姿があった。ここで目を引いたのが望月の出で立ち。ドッティ達と同じようなコスチュームに身をまとっていた。望月の一挙手一投足は完全にヒール色に塗り替えられていた。
(中略)
メインのリングで望月は初めて大鷲&ドッティと同じコーナーに立った。相手は後楽園ホール大会で陥れたキッド、アラケン、土井の"新はぐれ軍"の3人だ。アラケンたちは後楽園の借りがあるだけに、先手必勝と望月達の入場を襲う。だが相手は大人数の悪冠一色。まさに多勢に無勢とはこのことだった。
オープニングマッチで反則負け。そしてメインで完勝した悪冠一色。望月曰く「C-MAX、Do FIXER、イタコネ…たいしたことねぇな。今シリーズの九州9連戦は9連勝の9反則負けだ」とのこと。
最後に悪冠一色のスポークスマンのブラザーが「ハッピー・エンドはもう終いや。これからはバッド・エンドの毎日や」と吠えた。闘龍門が悪冠一色に染まろうとしている。
(『週刊ゴング』2004.2.25号)

ドッティは金具剥き出しのコーナーにキッドをフルスウィング。明らかに反則攻撃だ。/
大鷲&ドッティのサンドイッチ延髄が土井にヒット。2本の丸太ん棒が襲い掛かる。/
大鷲&ドッティの後を受けて望月が土井にツイスターを決めて悪冠一色は初陣を飾る。
(『週刊ゴング』2004.2.25号)

●2004.2.22ディファ有明 vs CIMA&SUWA&ドン・フジイ組戦(P:大鷲透&"brother"YASSHI)(UWA世界6人タッグ選手権戦)

まさに悪冠一色!

リングとC-MAXを破壊。アーガンイーソウ、UWA世界6人タッグ王座をワルく防衛

悪冠一色 VS C-MAX、ついに本格開戦!

基本的に、プロレスというジャンルはヒールが動かしていくものなのだろう。ヒールのレスラーがどんな立ち振る舞いをみせるかによって、リング内外の風景は大きく変化する。嫌われ者がいるからこそ、人気者の存在もその輝きを増す。
ここ最近になって、闘龍門マットの状況が急に慌ただしくなってきた。要因は、悪の軍団・悪冠一色(アーガンイーソウ)の誕生。望月、近藤らが所属するこのユニットは、結成されてまもないものの、はやくも闘龍門の中心に居すわっている。(中略)
試合のポイントになったのはC-MAX恐怖症に陥っているブラザーだった。このブラザー、CIMA、SUWAにはかなりビビッているものの、フジイに対してだけは自信満々。相手によって弱くなったり強くなったりするブラザーが試合をかき乱せば、それに大鷲と近藤がパワーで強烈なスパイスを注入していく。(後略)
(『週刊プロレス』2004.3.10号)

リングのトップロープを取り外し、凶器として使用した悪冠一色。4人がかりでフジイを固定するや、そこに望月が最強ハイキック。悪の戦術を駆使し、UWA世界6人タッグ王座をまんまと防衛してみせた/
怪力を利したジャベでSUWAを苦しめた近藤。この日よりドッティ修司から本名にリングネームを戻した
(『週刊プロレス』2004.3.10号)

●2004.2.26神戸チキンジョージ vs CIMA&JUN組戦(P:"brother"YASSHI)/菅原選手を軍団に勧誘

●CIMA&JUN組戦

新たなるステージへ

"C-MAX第5の男"JUN、突然の引退

(前略)ラストファイトとなったこのタッグマッチで、JUNは徹底的に叩きのめされた。これはJUNの出世シリーズとなった昨年秋のタッグリーグ戦でも実現しているカード。
同期の近藤は「ゴミはとっととリングから消えてくれ」と去りゆくJUNを冷たく突き放した。遠慮なく首を攻撃した。T2P時代からぶつかりあってきたライバルのまえで、プロレスラー・JUNは文字通り燃え尽きていった。
「トドメを刺されて、すっきりしました。アイツらはC-MAXが必ずやってくれると信じてます」(後略)
(『週刊プロレス』2004.3.17号)

第1試合まえのMCで引退を発表したJUNは、ラストマッチのパートナーにCIMAを、対戦相手に同期の近藤を希望。このときばかりは近藤もJUNと握手をかわしたが、いざ試合がはじまると、近藤は引退の原因となったJUNの首を攻め立てていった/
攻め込まれながらも、JUNはライバルの近藤に果敢に立ち向かっていった/
最後は近藤のランサルセ、ブラザーのツームストーンを立て続けに食らったJUNが敗北を喫した。試合後の近藤はJUNを踏みつけて「ゴミはこのリングからとっとと消えてくれ」
(『週刊プロレス』2004.3.17号)


次回チキンでのエル・ヌメロでCIMA、近藤が激突

4・15チキンでのエル・ヌメロ公式戦でぶつかる両雄が大激戦。/
頸椎ヘルニアで引退を決めたJUNはパートナーにCIMAを指名。相手に指名したのは同期の近藤。JUNは正々堂々と正面から闘う。
(『週刊ゴング』2004.3.17号)


●菅原選手を軍団に勧誘

近藤は菅原をまたも勧誘。「まだ、こんなのと組んでるのか。なんだったらフィリップ・J・福政と一緒に入って来てもいいぜ」と。
(『週刊ゴング』2004.3.17号)

●「EL NUMERO UNO 闘龍門春の本場所展望大特集」

EL NUMERO UNO特集(1)前年度チャンピオンに聞く
----CIMA選手のAブロックは前年準優勝の堀口選手や、第1回王者の望月選手がいます。
CIMA 間違いなくAブロックが一番荒れるでしょうね。オレの中では望月は過去の選手なんで、どういう行動に出るのかわからないけど怖くはないですね。堀口は去年の大会でブレイクしたから狙ってるでしょうけど、一番マークするのはドッティ(近藤修司)ですね。
----近藤選手ですか。
CIMA 今、一番勢いがありますよね。アイツとは7期離れてるんで、キャリアは4年違うんですよね。でもすでに上に絡んできてるんで。2期〜7期までを抜いて自分は8期生の近藤の方が上だと思ってますから。
(CIMA選手へのインタビュー記事)

EL NUMERO UNO特集(2)悪冠一色の狙い
(前略)悪冠一色の今大会の目的は一つ。優勝賞金を山分けすること。いかに疲れずに楽をして賞金を手にできるか。そのためにはチームワークが欠かせないということだ。
自らがエントリーするAブロックのプランを望月はこう語る。
「近藤がいるし、ポイントは菅原がいること。享ははじめから入れるつもりはなかったけど、菅原は何色にも染まってなくて変えていける選手だから何としてもほしい。エル・ヌメロ期間中に仲間に入れる。6人中3人が味方になったらいくらでも得点操作は可能。オレと近藤の試合が最後に組まれてるから、それまでAブロックは全員同じ得点で並ばせる。そして最後にオレと近藤は京都で何もしないで30分間リング上に居座ってやるから。それでお互い1点をプラスして決勝に行く。もしかしたらAブロックは1点で決勝進出になるかもしれない。まず最初のポイントは菅原を抱きこむこと」
なんともとんでもないプランである。望月は元祖M2K時代に大会をグチャグチャにした過去があるだけに、その言葉がよりリアルに聞こえるが、過去と同じことをするつもりはないという。(中略)
「エル・ヌメロに関しては、個人というよりは悪冠一色のチームの方向性を見せる大会。別に誰が優勝したなんていう個人的な名誉なんて今さらいらない。とにかくウチのチームから優勝者を出して賞金をもらうだけだよ。それで優勝者が次はUDGをいただく」(中略)
チームワークとは無縁のような無法者集団が総力を結集する時、どんなことが起きるのか。エル・ヌメロには第1回、第2回とバッドエンドの歴史があるが、今年も嫌な予感ばかりが漂っている。

EL NUMERO UNO特集(4)選手データ
近藤修司
[過去の大会の通算成績]5戦3勝1敗1分け
[過去3大会の最高位]03年=予選敗退
[寸評]初出場の昨年は開幕から快進撃を見せたが、SUWA、望月との3WAY代表決定戦の末に敗北。今年はゴリラパワーで一気に予選突破も可能だ。

EL NUMERO UNO特集(5)スタッフ優勝予想
安田 瞳(チームご機嫌ちゃん)
[優勝者]近藤修司
[決勝のカード]近藤修司 VS SUWA
[一言]決勝戦に必ず進出すると思われる悪冠一色のメンバーのなかで個人的に絶対外せないのは近藤修司。普段はほかのメンバーのサポート役に徹しているけれど近藤が試合中に見せる仕事師ぶりには感激。毎度ホレボレするのでそろそろ一発ドカンと脚光を浴びてほしい。闘龍門といえば色男集団でもあるけれど1年に一度しかおこなわれない大切な大会のトリはやっぱり男くさい武骨な一戦でしょ。というわけで…つぶらな瞳のテクニシャンに一票。

新井 宏(フリーライター)
[優勝者]近藤修司
[決勝のカード]近藤修司 VS 望月成晃
[一言]エル・ヌメロ・ウノといえば、望月との印象が強い。モッチーのやりたかったことが大ヒールへの原点回帰ならば、それはこのシリーズにも当てはまるはず。よって今年のリーグ戦は悪冠一色の"一色"に塗りつぶされる。ブロックを制するのが望月、YASSHI、大鷲で、ドラゴンスクランブルから進出するのが近藤(もう一人は"?")。決勝ではモッチーがリーグ戦で得点の伸びなかった近藤にわざと勝ちを譲る。バッドエンドふたたび!
(『週刊プロレス』2004.3.17号)

●「闘龍門最強決定リーグ戦 EL NUMERO UNO 2004 マグナムが大予想 優勝はズバリ…!?」

CIMA、望月、近藤の三つ巴
マグナム(初めはイヤイヤ)大予想 Aブロック

Aブロックから決勝トーナメントに勝ち上がるのはCIMAと望月、あるいは望月と近藤かな。3月28日のディファでCIMAと望月はぶつかるけど、言わば頂上対決だよね。もちろん好勝負になると思うけど、そこに悪冠一色がどう絡んでくるかがポイントになる。CIMAがその仕掛けに対してクレイジーを投入した場合、普通の試合では終わらない。2人は熱くなって勝負を度外視した闘いになる恐れがあるからね。両者反則あるいは無効試合になると勝ち点はお互いにゼロ。ここでの星の取りこぼしはCIMAには痛い。このブロックには悪冠一色からもう1人、近藤がエントリーしているでしょ。恐らく望月と近藤は同じ悪冠一色だからお茶を濁した試合になると思う。それで他のメンバーを見るとCIMAを脅かす存在は望月以外だとこの近藤になってくる。対望月、対近藤に躓くようだとCIMAの決勝トーナメント進出は微妙だよね。その他のメンバーだけど、アンソニーとヘンリーは何かキナ臭い関係にあるんだよね。まあ、このリーグ戦でハッキリすればいい。堀口に関しては頑張ってもらいたいけど昨年みたく神が宿るか…今年はそんなに甘くはないでしょう。

(マグナムTOKYO選手が予想するAブロック星取り)
CIMA:得点6(5戦3勝〜望月、近藤戦は両リンで無得点)、望月:得点8(5戦4勝〜CIMA戦のみ両リン)、堀口:得点4(5戦2勝〜森、菅原から勝利)、近藤:得点6(5戦3勝〜CIMA戦は両リン、望月戦は負け)、森:得点2(5戦1勝〜菅原から勝利)、菅原:得点0

ズバリ優勝はUDG王者のSUWA

(前略)A、B、Cそれぞれ決勝トーナメント出場選手を予想したけど、オレの中では優勝選手は決まっている。て、いうかそうなってもらわないと困る。ズバリ優勝はSUWA。オレを欠場に追いやったんだから。個人的にはね。オレが出ないって部分を考えた場合、やっぱりトーナメントは違った顔ぶれになってもらいたいよね。オレの予想は至ってベーシックなものだけど、これはあくまでもオレの予想。オレは思いもよらない結果を期待したいね。


(出場選手紹介)
前人未到の2連覇や  CIMA
「まあ、前人未到の2連覇でしょ。これしかない。それをやり遂げられるのは闘龍門でオレしかいないでしょ。望月が同じブロックにいるけど、オレの中ではヤツは終わった選手…2年前で終わった選手だから。唯一マークするなら近藤修司。あいつのパワーだけ。あとは大鷲やな。夢は最後にSUWAと…UDG王者とトーナメント決勝戦で当たること」

とにかくカネだよカネ  望月成晃
「前のM2Kみたくオレが優勝するとか、そんなことは言わない。第1回大会でオレは優勝しているからね。とにかくカネだよカネ。カネと悪冠一色の誰かが優勝したという結果が残ればそれでいいよ。とにかくAブロック。近藤がいて菅原を抱き込んで、3人いることを最大限に使って、オレと近藤でトーナメントに出場する。トーナメント決勝で当たったら、ジャンケンで勝敗を決めてやる。賞金の5百万円もらって百万円ずつ分けるかな。高木は十万円でいいや。ポイントはオレが優勝しなくてもいいってこと。誰を優勝させるかだ」

今年は荒らしまくる  近藤修司
「今年は荒らしますよ。とにかく勝ち負けに関係なくね。優勝とか決勝トーナメントとかは二の次。とにかく荒らし捲って滅茶苦茶にするだけ」
(『週刊ゴング』2004.3.17号)

●2004.3.6〜「EL NUMERO UNO 2004」パンフレット

実は早い段階から望月と裏で結託、まんまと合体に成功したドッティ、改め近藤(2・22ディファから改名)。これまではパワーとラフばかりが目立つユニットだったが、実は謀略にも長けていることがこれで判明してしまった。となると、リーグ戦の行方も気になるところ。4・15チキンでのCIMA戦がヤマになるのはもちろんだが、望月も同ブロック(対戦は4・24京都)だし、さらにヘンリーの抱き込みも匂わせている。悪冠一色の策略で、Aブロックが大混戦に見舞われるのは間違いない!


波乱は続くよどこまでも!
闘龍門JAPAN1〜2月の闘い模様
04.02.26 チキンジョージ
JUN、涙の引退!
引退試合はJUN本人の希望により、CIMAと組んで同期の近藤、ブラザーのコンビと。悪冠一色は容赦ない攻撃でJUNを攻め、そのあまりの非道ぶりにCIMAが絶叫する場面も。いずれにしろ、もうJUNのファイトは見られない…

●2004.3.4大阪府立体育会館第2競技場 vs アンソニー・W・森&ヘンリー3世菅原組戦(P:"brother"YASSHI)


悪冠一色にヘンリーを勧誘する近藤&ブラザーがアンソニーを羽交い絞め。「オイ、オレらとやりたくなったか。いまがチャンスや!」。しかし、ヘンリーはアンソニーを裏切ることなく、ブラザーに蹴りを入れ、バッキンガム・バックブリーカーからのバッキンガム・ドロップを放ってみせた。試合は、キングコング・ラリアットで近藤がアンソニーをフォール。
(『週刊プロレス』2004.3.24号)


第3試合で誘いを受けていた…

この日も悪冠一色は菅原を勧誘。近藤が「俺らとやる気になったか。いつまでもこんな奴と組んでても、しょうがねーだろ!」とラブコールを送ると、菅原は次に喋り出したブラザーにバッキンガムドロップ!!これにはブラザーも「さすが技がキレる」大絶賛。
(『週刊ゴング』2004.3.24号)

●2004.3.6越谷桂スタジオ vs 堀口元気戦(「EL NUMERO UNO 2004」公式戦Aブロック)

H・A・G・Eは春に光る!

最強決定リーグ戦がことしも開幕。
"エル・ヌメロ男"堀口元気、奇跡の大復活

悪冠一色がエル・ヌメロを悪色に染める

そのとき、神が!

神とは天空から降りてくるものではなく、人の心のなかに存在しているものなのかもしれない。闘龍門の最強決定リーグ戦、エル・ヌメロ・ウノがことしも華々しくスタート。開幕戦で早くも感動の渦を巻き起こしたのは、昨年度のMVP男、堀口元気だった。(中略)
だが、12・16代々木を境にして急に失速。以降、逆さ押さえ込みの効力は急激に弱まり、堀口は連敗街道をひた走るようになる。(中略)
この状況で悪冠一色と全面対決を繰り広げても、おそらく勝ち目はない。イタコネとの合体は果たしたものの、DFじたいは以前の勢いを完全に失ってしまっていた。
今大会でのメインイベント。公式戦で近藤修司と闘った堀口は、まるでいまのDFが置かれているシチュエーションを象徴するかのごとく、いいようにやられまくった。反撃の糸口をなんとか掴んでも、相手は数にモノをいわせる悪冠一色。セコンドが介入し、すぐにペースを強奪してしまう。試合を支配していたのは、パワーと組織力に優る近藤のほうだった。
堀口は明らかに窮地に立たされていた。勝利を確信した近藤は、フィニッシュホールドであるキングコング・ラリアットを放ってきた。そのときだった。
何かに吸いよせられるかのように、堀口は近藤のバックへ。あの4・22代々木を思い起こさせる逆さ押さえ込みで、奇跡的な逆転勝ちをおさめたのだ。(後略)
(『週刊プロレス』2004.3.24号)

近藤が堀口の体を軽々とリフトアップ。このあと、ヒザの上に落として堀口の胃袋を破壊しようとした/
場外に落ちた堀口に悪冠一色がピラニアのように襲いかかる。組織力を駆使して堀口をいたぶった/
いまや使い手の少なくなったベアハッグで堀口の背骨をヘシ折ろうとした近藤。ここで場内には「H・A・G・E」コールが発生。悪冠一色はH・A・G・E音楽隊を蹴散らすも、観客は決してコールをやめなかった/
低空ドロップキックで反撃の糸口を掴んだ堀口であるが、長くはつづかず/
マット界屈指の美しさを誇る堀口のトペコン。場外に勢いよく飛んでいった/
ウラカンを狙った堀口であるが、これは近藤に受け止められてしまった/
レフェリーのブラインドを突いてセコンドが試合に介入。近藤と大鷲が得意の連係技、龍原砲を決めた/
近藤のランサルセがついに爆発。堀口が絶体絶命の大ピンチに陥った/
キングコング・ラリアットを放ってきた近藤のバックに、堀口がスルリと吸いついていった。まったくペースが掴めなかったものの、最後の最後に"神が宿る"逆さ押さえ込みで逆転勝利を奪った/
一方的に攻め込まれながらも一瞬の逆さ押さえ込みで近藤から奇跡的な逆転勝利をおさめた堀口。この男にふたたび神が宿った!「HAGEの季節がやってきたぞ!」/
感動的な勝利を奪った堀口をイタコネ、DFのメンバーが祝福。「この5人のなかから優勝者がでるから」(元気)
(『週刊プロレス』2004.3.24号)


神も魔物も棲みつく闘龍門最強のリング
エル・ヌメロ・ウノ、大波乱の幕開け!


Aブロック
神が宿る電撃の逆さ押さえ込み
堀口に復活の光が差す逆転勝利


神が再び堀口のもとに降臨した。近藤の猛パワーに翻弄された堀口はボロボロになり、敗色は濃厚。その上に大鷲と近藤のサンドイッチ・ラリアット、モッチーのキック、ブラザーの合体首折り…悪冠一色の不当介入まで受けて逆転の道はバッサリ断たれたと思われた。
だがリング上に後光が差す横須賀がブラザーにジャンボの勝ち!すると近藤が、その横須賀にキングコング・ラリアット!!
この僅かな時間の中でミラクルパワーが堀口に生まれてきたのだ。ラリアットを放った直後の近藤の虚を衝いて一気に、あの技…そう、逆さ押さえ込みで奇跡の3カウントを奪ってしまったのだ。(後略)
(『週刊ゴング』2004.3.24号)

近藤、そしてセコンドの大鷲によるサンドイッチ・ラリアット。堀口は救いの神に祈るばかりだ…。/
ボロ雑巾と化した堀口に、近藤は勝利を確信。しかし悪は栄えず。天罰が下ってしまう。/
神が宿った電撃の逆さ押さえ込み!ゴッド・ハズ・カム!!すっかり髪には見放されてしまったが、神こそは堀口のもとに、またもや降臨したのだ。「狙っていくというのはおかしいけど、神様が宿ってからやるのが逆さ押さえ込み。今年の目標は去年果たせなかった優勝あるのみ」と話す。/
この日の勝利は、まさしく神業だった。とうてい並みの人間では成し得ないような…あやかりたい気持ちだ
(『週刊ゴング』2004.3.24号)

●2004.3.7川越ペペホール・アトラス 望月成晃 vs ヘンリー3世菅原戦(「EL NUMERO UNO 2004」公式戦Aブロック)

無色が悪色!?

初出場の菅原、望月に惜敗を喫するも森との分裂は否定

試合前、近藤が「大阪でCIMAを襲ってくれたのはオマエだろ」と語りかけると、菅原はドロップキックを見舞って試合をスタート/
場外でダウンする望月をリング内へ戻す悪冠一色のメンバー。最後も菅原がバッキンガムを仕掛けている際に近藤が足を引っ張って望月の勝利をアシストした/
「3・26横浜の森戦で答えを出せ」という悪冠一色の要求に対して、菅原と森はガッチリ握手。「3月の横浜ではロイヤルブラザーズにしかできない清く正しく熱い試合をします」とアンソニー
(『週刊プロレス』2004.3.31号)


Aブロック
菅原に加入迫る悪冠一色
「3・26森戦に回答出せ!」


モッチーは公式戦で直接対決した菅原に悪冠一色入りを強力に迫った。
「俺が34歳で、オマエとはひと回り以上の14歳も違うのに、こんなに追い込まれたのは初めてだ。オイ、キッチリ加入してくれ!」
菅原のバッキンガムドロップで壊滅的ダメージを負ったモッチーは場外へ逃げる。足腰の立たない状態だったがセコンドに押し上げてもらいリングアウトの危機を脱した。そして再度、菅原がバッキンガムドロップの体勢に入ると…近藤が足をすくい直後にモッチーが丸め込んで九死に一生を得ていた。
「菅原、手を出して悪かったな。モッチーが危なかったからよ、オマエの実力が、よーく分かったよ」と謝罪する近藤は「今日、答えを出さなくてもいいよ。今度の横浜赤レンガ大会(3・26)で、ここにいる森とエル・ヌメロの公式戦で当たるんだろ。その時に答えを出せよ。楽しみにしてるから」
同じロイヤル・ブラザーズの森に訣別を告げ、悪冠一色入りへ明確な回答を出せ、というのが近藤の意味するところ。こうなると森も黙ってはいない。
「ふざけたこと言ってますけど僕はヘンリーを信じてます。ロイヤル・ブラザーズは分裂しません。大丈夫です。だから横浜赤レンガでは僕たちにしか出来ない、清く正しい闘いをしよう」
この言葉を聞いて森と握手を交わした菅原は「初出場のエル・ヌメロで1勝でも多く出来るように頑張ります。今は、そのことしか頭にありません」と悪冠一色入りには"眼中なし"という態度を取っている。(後略)
(『週刊ゴング』2004.3.31号)

近藤は試合の前後にマイクを握り菅原へ向け悪冠一色入りを促した。3・26横浜赤レンガを回答の期限に/
危機的状況にあったモッチーは近藤らの力を借り逆転のピン。公式戦を白星スタート
(『週刊ゴング』2004.3.31号)

●2004.3.13札幌テイセンホール 望月成晃 vs 堀口元気戦(「EL NUMERO UNO 2004」公式戦Aブロック)/菅原選手を軍団に勧誘

●望月成晃 vs 堀口元気戦

HAGE爛漫!

堀口元気、悪冠一色相手に開幕2連勝

「オレが本命だ。あとはCIMAだけ」(堀口)
悪冠一色のセコンドは当たり前のような顔をして乱入。大鷲と近藤に攻められては堀口もきつい/
フィニッシュは近藤戦に続き"神が宿る"逆さ押さえ込み。「神が宿るとき、ボクの目の色は変わるんです」(堀口)
(『週刊プロレス』2004.3.31号)


Aブロック
望月、近藤から2連勝…残すはCIMA
堀口は決勝トーナメントに大きく前進!!


悪冠一色で『エル・ヌメロ・ウノ』優勝を目論む望月。だが開幕戦でメンバーの近藤が堀口にまさかの敗北。星取り勘定に大きな誤算が生じた。それを修復すべく望月は堀口と対戦。共にリーグ戦の成績は1戦1勝の2点。勝者がこの時点でAブロックの単独首位に立つ。
望月のセコンドには悪冠一色のメンバーがズラリ。一方、堀口のセコンドには享と斉了の2人。数の論理で明らかに有利なのは望月。試合はまさにそのものスバリの展開に。レフェリー1人で悪冠一色の試合への介入を取り締まるのは不可能だ。
堀口と望月の闘いのはずなのにリングの中には近藤、大鷲、ブラザー、そして高木の姿まであった。前回の近藤戦と同じく堀口はボロ雑巾状態。勝機などどこにも見当たらない。結果は見えていた。
ところが、この日も神が堀口のもとに降りてきた。堀口は望月のバックに回ると電光石火の逆さ押さえ込み。レフェリーの手がマットを叩く。ワン、ツー、スリー。堀口は近藤に続いて望月も逆さ押さえ込みで突破。
「まぐれでも奇跡でもない。神が完全に復活だ。あの2人からピンフォール取りました。大本命…間違いなしでしょ。でも、まだ2ヵ月ありますからね。とりあえずアンソニーと菅原は楽勝として、残るはCIMAのみ」
開幕戦で近藤を破り、神が復活かと思われた堀口。だが、堀口の中では完全ではなかった。それが望月からの勝利で完全なものになった。北の大地…札幌で神が完全復活した今、堀口に怖いものはない。決勝トーナメント進出が堀口に見えてきた。
(『週刊ゴング』2004.3.31号)

望月、近藤を破りリーグ戦トップに躍り出た堀口。神の宿る堀口を誰も止められない。
(『週刊ゴング』2004.3.31号)


●菅原選手を軍団に勧誘

Cブロック
謎の覆面男がCIMAを再び襲う
この技…正体はやっぱり菅原か?

(前略)実はこの日の第3試合のフロリダ・ブラザーズとロイヤル・ブラザーズの試合でこんなことがあった。近藤とブラザーが姿を見せるといつものように菅原を勧誘。すると菅原はブラザーにバッキンガム・バックブリーカーを放って誘いを断る。
近藤はそんな菅原に対して「明日、ここでCIMAと森のリーグ戦がある。そこでよ菅原、マスクをかぶってCIMAに黒星をやってくれよ」と。そんな事があっただけにメインに現れた謎の覆面男…やはり菅原か!?
(『週刊ゴング』2004.3.31号)


試合後には近藤&ブラザーがまたしてもヘンリーを勧誘。「あした、またマスクを被ってCIMAに黒星をつけてくれよ」(近藤)。しかし、ヘンリーは頑なにこれを拒否。逆にバッキンガムドロップでブラザーをKOした。
(『週刊プロレス』2004.3.31号)

●「D ARENA マット界一刀両断!〜ウルティモ・ドラゴン〜」

闘龍門最強決定リーグ戦を大予想!
本命SUWA、対抗馬は近藤修司だ


たまにはうちの宣伝させていただきま〜す、ってなわけで今回は3月6日、埼玉・桂スタジオで開幕した「EL NUMERO UNO」について大予想しちゃおうかな。(中略)
ところで、まず優勝候補なんだけど、ズバリ!高木省吾ってなわけねーだろ(笑)。これはやっぱりSUWAが一番じゃねえかな。奴は現在UDG王者でもあるし、心技体ともっとも充実してるからな。
それでこいつへの対抗馬なんだけど、まあ、いろいろいる中でオレはあえて近藤修司を推したい。実はね、開幕戦お忍びで観にいったんだけどメインの近藤VS堀口は本当にいい試合だった。エッ勝ったのは堀口じゃねーのかって? みんなわかってねえな。開幕戦で敗れる奴ってのはかならず、その大会の台風の目になる(なぜかは知らね〜よ)んだっていうか何というか、しばらく見ないうちに近藤は素晴らしいレスラーに成長していた。ヒールとは何たるものかを素晴らしい形で表現してたぞ! それとSUWAに負けてしまったけど、ブラザーもいい味出していたぞ。そういうことでこのブラザーがダークホースってところかな。
でもな、この大会、最後に大どんでん返しの敗者復活時間差バトル「ドラゴン・スクランブル」もあるし、まったく予想がつかない。そして約2ヵ月の長丁場だろ、ケガ人も続出するだろうし、まったく展開が読めないってのが正直なところだね。
おっと忘れてた、悪冠一色なんだけど、今回は一体何を仕出かそうというのかな? M2Kのときは両者リングアウトで散々試合をぶち壊したけど、今回は何を企んでるんだろう? こういう連中がいることでシリーズは盛り上がると思う、だけどコンセプトは闘龍門最強を決めるトーナメントなんだ。そのへんのことは忘れないでやってくれよな、モッチ〜!

(挿し絵の文字)
台風の目!? 近藤修司〜〜〜〜ッ!!
(イラスト/コンドル斉藤)
(『週刊ゴング』2004.3.31号)

●2004.3.21清水マリンビル vs アンソニー・W・森戦(「EL NUMERO UNO 2004」公式戦Aブロック)

またもや謎のMAKOTOマスクの男が登場。ヘンリーがマスクを剥いでみれば、なかから出てきたのは高木省吾。とりあえずヘンリーの無罪は証明された/
序盤から飛ばしていった王子。軽快な動きで近藤を翻弄した/
ペースを奪い返した近藤が怪力を武器に王子を攻め立てる/
最後はキングコング・ラリアットで近藤が勝利
(『週刊プロレス』2004.4.7号)


近藤とアンソニーの一戦に謎の覆面男が現れた。この時、アンソニーのセコンドの菅原が覆面を剥ぐと何と中身は高木だった。
(『週刊ゴング』2004.4.7号)

●「2004ゴングプロレスカラー名鑑」

イタコネ離脱後、はぐれ軍のリーダーとして悪の指揮を執る。04年1月、モッチーを総帥に迎え悪冠一色を結成し、さらにボリュームアップ。自身としては03年に抗争を繰り広げたSUWAのUDG王座獲りがターゲットになってくる。闘龍門の先頭グループ入り。
(2004.3.25発売)

●2004.4.15神戸チキンジョージ vs CIMA戦(「EL NUMERO UNO 2004」公式戦Aブロック)

CIMAエクスタシー

近藤修司に快勝
チキンジョージを快感に導く

プロレス団体としての闘龍門が目指しているものは、レスラーとファンが一体になれる幸福感あふれる空間作りである。このCIMAvs近藤修司戦は、結果的にそんな闘龍門の理念を具体化した一戦となった。
1月以降、闘龍門マットでは望月らが結成した悪冠一色が必要以上に幅を利かせるようになった。ハッピーエンドなんかクソ食らえ。闘いを混乱に陥れ、観客に不快感を与えるのが彼らの生き甲斐。今回のリーグ戦も、優勝賞金目当ての参戦。悪冠一色は闘龍門の方向性とは正反対の道を爆走する、じつにやっかいな軍団だ。
一方、望月らから標的にされているC-MAXはこのところ絶不調。3・28有明ではSUWAが右肩を脱臼。4・10四日市では、こんどはTARUが右足の甲を骨折。加えて、ドン・フジイがエル・ヌメロ公式戦で全敗。悪冠一色から闘龍門マットを守らなくてはならない立場であるにもかかわらず、現在は悪霊にでもとりつかれたかのような事態に見舞われつづけている。
そんなシチュエーションが影響してか、ここ最近の闘龍門は爽快指数がやや低下していたように思える。悪冠一色のパワーが強まり、それに比例してC-MAXが本来持つ爆発力に陰りがみえるようになった。悪冠一色が勢力を増すにしたがって、闘龍門は闘龍門らしさをしだいに失っていった。
そして迎えた今大会。よほど自信があったのか、オープニングMCでは近藤が「CIMAを秒殺してやる!」と宣言。たしかに、そう吠えられるだけの勢いを、いまの近藤は有している。
ところが、いざフタを開けてみれば、秒殺されたのは近藤のほうだった。すでに3点を失い絶対に負けられない状況に追い込まれているCIMAが、この一戦では持ち前の勝負強さを発揮。怒ったゴリラのごとく突進してきた近藤をナカユビで沈め、シュバインで劇的な勝利をおさめたのだ。
それは、闘う側の願いと観る側の願いが同時に叶った瞬間であった。勝負が決まったとたん、爆発的な歓声とCIMAコールが場内に充満。これこそが、闘龍門、そしてチキンに集まったファンが望んでいた空気と結末だった。
多くの者が会場に自然発生した爽快なまでの熱狂に酔いしれた。CIMAがもたらした極上のエクスタシー。まさに、闘龍門が目指していた空間がそこには存在した。(藤本)
(『週刊プロレス』2004.5.5号)

近藤のキングコング・ラリアットがはやくも爆発。CIMAの体を激しくマットに叩きつけた/
試合は両陣営のセコンドが入り乱れて荒れ模様に。近藤&大鷲が得意の龍原砲を決めた/
近藤のランサルセがついに爆発。堀口が絶体絶命の大ピンチに陥った/
対悪冠一色になるとラフ殺法を駆使するCIMA。珍しく急所攻撃をみせた/
悪冠一色の近藤をわずか3分強で下したCIMA。その瞬間、チキンジョージが爆発的な快感で包まれた/
勝負に出た近藤は必殺のランサルセへ。しかし、CIMAは突っ込んできた近藤の頭をキャッチして巧みにナカユビへ。近藤を事実上のKOへと追い込んだ/
ナカユビを食らい大の字となった近藤に、CIMAがダメ押しのシュバイン。勝負タイムはわずか195秒。CIMAが劇的な勝利をおさめた/
「お前らが求めてる闘龍門はこれか! 俺が求めたプロレスもこれや! 首の皮一枚つながったぞ。俺の体をみい! バリバリのコンディションや! 前人未到の2連覇を持って帰ってくるからな!」(CIMA)/
「久しぶりの快感や! これが闘龍門や。いまはアイツらに負ける気はせえへん。悪冠一色は数で勝とうと思うな。3人のC-MAX、何があっても白旗は振らん!」(CIMA)
(『週刊プロレス』2004.5.5号)


Aブロック
3分15秒間に凝縮されたCIMAの闘い
前人未到の二連覇に首の皮一枚繋がる!!


なんや この快感は!?

「なんやこの快感は。お前らの求めていた闘龍門はコレか。オレが求めてきたプロレスもコレや。SUWAが欠場した。TARUさんが骨折した。それがどうした」
近藤をシュバインで葬ったCIMAの開口一番がコレだ。ここまでAブロックは菅原のアンソニーに対する裏切りばかりがクローズアップされてきた。個人闘争といわれる『エル・ヌメロ・ウノ』から方向が逸れていたことは否めない。
加えてBブロックではSUWAと斉了がリーグ戦途中でケガのため欠場。リング内は暗い話題ばかり。まさしく悪冠一色が目指すところの"バッド・エンド"の毎日だった。
それを変えたのがこの日の近藤を迎えたCIMAのファイト。そして会場となるチキンジョージに詰め掛けた大勢のファンと言えよう。リーグ戦で勝ち星の伸びないCIMAは崖っ淵に立たされていた。近藤戦を落とすようでは自力で決勝トーナメント進出は絶望的。まして相手が悪冠一色のメンバーである近藤では普通の試合になるはずがない。
両者コーナーに別れると既に臨戦態勢。試合開始のゴングと同時に両者リング中央へ躍り出た。するとCIMAの蹴りがカウンターで近藤にヒット。CIMAは早々とシュバインの体勢に入る。だが、まだ序盤も序盤。近藤は体勢を整えると丸太ん棒の腕でCIMAの首をカッ切った。お互い一発ずつ攻撃をしかけるとその後は両陣営のセコンドがリングイン。
ここでCIMAは試合の状況を冷静に見ていた。近藤が1人になると首に腕を巻き付けてナカユビを炸裂。そして続けざまにシュバインを放つ。近藤はリング上で大の字となりピクリとも動かない。レフェリーが3カウントを数えると場内は大CIMAコールに包まれた。
そしてCIMAの冒頭の言葉に繋がる。
CIMAが言い表した快感という二文字。これはリング上にいるCIMAだけでなく、CIMAに声援を送っていたファン一人一人が感じたはず。リングと客席が一体になった瞬間は久しく闘龍門マットでは見られなかった光景だ。
「今日の客の反応を見たか。これが闘龍門の目指す道や…オレはそれが7年目にしてようやく分かった」
3分15秒に凝縮された闘いでCIMAは闘龍門の目指す道を観客にそして選手たちに知らしめた。前人未到の二連覇にCIMAが首の皮1枚繋げた。
(『週刊ゴング』2004.5.5号)

突っ込んでくる近藤にCIMAのケリがカウンターでヒット。近藤の体は崩れ落ちた。/
体勢を立て直した近藤はお返しのラリアットを放つ。CIMAの体が宙に舞い上がる。/
大鷲はリングインすると近藤とのサンドイッチ・ハイキックでCIMAに襲いかかる。CIMA最大のピンチ。/
CIMAのピンチにフジイ、TARUが続けざまにリングイン。これで流れを変えた。/
ナカユビで首を痛打した近藤に対しCIMAはシュバインでトドメを刺した。完璧な一発だ。/
3カウントを奪うとCIMAは雄叫びを上げた。その瞬間、会場を埋め尽くした観客から"大CIMAコール"が沸き起こった。
(『週刊ゴング』2004.5.5号)


闘龍門 威風堂々 4・15神戸

ファンとの一体感が大きな武器
支持された"B面"のケンカファイト

CIMA vs 近藤は試合前から観客に彼らの感情が伝わって一体感に包まれた/
CIMAが「闘龍門のB面」と称した近藤戦はわずか3分15秒の決着。ところが消化不良どころか観客を大満足させたのはさすが
(『週刊ファイト』2004.4.29号)

●『CIMAのプロレスCRAZY紀行 VOL33』

狙い通りの快勝で場内大爆発 4・15チキン

(前略)いよいよ春の大一番『エル・ヌメロ・ウノ』も佳境に入ってきたわ。ついさっき、チキンジョージ大会が終わったとこやねんけど、久しぶりに選手もお客さんも爆発した大会やったわ!
ワタクシはこの日、悪冠一色の近藤修司と公式リーグ戦にしてシングル初対決やってんけど、最近はクレイジーもケガ人続きと、フジイさんの二日酔いのため、アイツらにいいようにされてきてた。でも、この近藤戦は作戦通りの狙い通り! 新技ナカユビからのシュバインで「キャン!」と言わしたったわ。
1歩間違ったら、「キャン!」と言わされてたかもしれんけど、互いに秒殺狙いやったんで、まァ、彼なんかよりほんの少し頭のいいワタクシの作戦が、バッチリはまった感じやな。
悪冠一色は人数増えてるだけで、一体どうなんや。 去年までの大鷲、近藤、ブラザーの3人に高木少年(ジェットくん)の時のほうが良かったんちゃう?
望月とガッちゃん(菅原拓也)は、悪冠入りがキッカケになってるかも分からんけど。大鷲、近藤はバケの皮がはがれたな。去年までのキミらは強烈やったけど……。(後略)

作戦通りの試合展開で近藤に完勝したCIMA。型にはまったときのCIMAは、闘龍門で1、2を争う実力者といえるかも!?
(『週刊ファイト』2004.4.29号)

●2004.4.25〜「EL NUMERO UNO 2004 FINAL」パンフレット

イケイケのはずの悪冠一色で、なぜか今ひとつ調子に乗り切れていないのが近藤だ。何しろ、いきなり開幕の越谷で堀口にやられてしまったのが痛かった。その後、アンソニー、ヘンリー(菅原)は連続して下したが、一番の勝負所である4・15チキンでのCIMA戦では短時間で沈んでしまった。悪冠による闘龍門完全制圧のためには、近藤の決勝T進出は欠かせないところ。最後の最後で、また爆走へのギアを入れてくるに違いない! 突っ走れ、近藤!


激闘、暗闘スパイラル!!
EL NUMERO UNO、開幕〜中盤戦の闘い模様
A BLOCK
悪冠が3人に! 激動の大乱戦!
3・6越谷。堀口を攻め立てた近藤だったが、"伝家の宝刀"逆さ押さえ込みの前に開幕早々、痛い星を落とした

●2004.4.24京都KBSホール vs 望月成晃戦(「EL NUMERO UNO 2004」公式戦Aブロック)

悪冠一色が奇妙な真っ向勝負

望月が5点、近藤が4点で迎えたこの一戦。試合まえには望月が「勝ちを譲ってくれ」。これに近藤は「俺だって(決勝に)上がりたい。アンタが負けてくれ」。ここに6点で全公式戦を終えた菅原が「両リンやってくれ」と加わったものだから、さあ大変。収拾がつかなくなり、結局ふたりは正々堂々と決着をつけることになった。まさか悪冠一色対決で真っ向勝負が展開されるとは/
この一戦が両者無得点で終われば2位でAブロックを通過できる菅原。試合をなんとか両リンに導こうとした/
結果は望月が奥の手であるウラカンで勝利。CIMAと同点の7点で予選リーグ通過を果たした。望月が予選を突破したのは、なにげに本年度がはじめて
(『週刊プロレス』2004.5.12号)


Aブロック
CIMAは自力で決勝進出の切符を掴む!!
三つ巴の悪冠一色対決を望月が強引に制す


最後の最後までもつれたAブロック。まずは4・23金沢大会。CIMAと堀口の一戦は昨年のトーナメント決勝と同一カード。試合は昨年と同じ、いやそれ以上の白熱した闘いを展開した。すると、それに水を差すかのように悪冠一色の連中が乱入。狙いは両リン。と言うのも同ブロックの望月と近藤は2人してトーナメント進出を狙っていた。そのためには2人に場外心中してもらうしかない。
だがクレイジー、イタコネ、DFのメンバーが1つになってこれを阻止。その結果、前人未到の2連覇を狙うCIMAが神の宿る堀口をシュバインで葬り、自力で決勝トーナメント進出の切符をその手に掴んだ。
さてもう一枚の切符は翌4・24京都大会での望月と近藤の一戦に委ねられた。望月は登場するなり近藤に「コンちゃん、今日は負けてくれ」と白星献上を要求。だが近藤はコレを拒否。するとエプロンに菅原が現われ2人に両リンを促す。と言うのも望月と近藤が両リンになると自分に決勝トーナメントの切符が転がり込んでくるからだ。試合の権利がない菅原は場外から手を出し、いつしか三つ巴の争いとなっていた。近藤と菅原は2人がかりで望月を狙う。だが、望月は2人の同士打ちを誘い試合を制した。これで望月の決勝トーナメント進出が決定。試合後3人は握手を交わしていたが…今後の動向が気になる。
(『週刊ゴング』2004.5.12号)

望月が「勝ちを譲れ」と言うと近藤はコレを拒否。すると菅原が出てきて2人に「両リン」を要求。/
望月は近藤と菅原の同士打ちを誘う。このチャンスに望月は近藤を丸め込んだ。/
望月が近藤から3カウントを奪うと菅原は「しまった」という表情を浮かべていた。
(『週刊ゴング』2004.5.12号)

●2003.4.25名古屋国際会議場イベントホール 「EL NUMERO UNO 2004」敗者復活ドラゴン・スクランブル/決勝トーナメント組み合わせ抽選会/CIMA vs 大鷲透戦の試合後

●「EL NUMERO UNO 2004」敗者復活ドラゴン・スクランブル

近藤修司の独り占めスクランブル

2名通過のはずが…決勝トーナメントのシード権を獲得!

あきらめなければ、やる気さえあれば、誰にでも平等にチャンスを与える。それが闘龍門という団体の特長である。エル・ヌメロ・ウノも、例外ではない。たとえリーグ戦から勝ち上がれなかったとしても敗者復活のチャンスがある。実際、ドラゴン・スクランブルの存在が、過去のエル・ヌメロ・ウノで感動の逆転ドラマを生み出している。
この権利をものにするのは2名。ところが…。
11人参加の時間差バトルで、近藤は最後に入場。時の運も味方にしたようだ。さらに近藤は、フジイとブラザー、アンソニーと菅原などの関係を横目にしながら、最後の3人に残ってみせた。ミラノ&YOSSINO vs 近藤という不利な図式になったが、エプロンでの攻防が勝敗を分けた。2人がかりの攻撃をしのいで放った両腕でのキングコング・ラリアットが爆発。「両選手の場外転落が完全に同時だったため両者失格」とアナウンスされ、近藤の"独り勝ち"が宣告された。もうひとりの枠が、空いてしまった。
近藤は、当然のようにシードを主張した。CIMAから「そんなにオレとやるのがイヤか。オマエは予選リーグで3分で負けとるからな」といわれたものの、これも駆け引きのうち。CIMAは1回戦で大鷲と対戦することになり、近藤が、シード権獲得にまんまと成功した。
今大会終了後、結局近藤は準決勝でCIMAと決勝進出をかけ闘うことになった。前年度覇者のCIMAはどちらにしても避けられない相手なのだろう。4・15チキンの再現か、それとも近藤が敗者復活の大逆転を続けるのか。そこに感動のドラマは待っているのだろうか?(新井)
(『週刊プロレス』2004.5.12号)

2名が勝ち残るドラゴン・スクランブルで、近藤修司が"独占勝利"。2人を場外転落させた/
近藤のラリアット、ミラノのミサイルキックで森と菅原が退場。この3人が残った/
1vs2の図式になると、近藤のパワーが炸裂。ダブルの三角絞めをリフトアップした/
ミラノとYOSSINOをまとめて"処分"した近藤。2人は同体で場外に転落した/
(『週刊プロレス』2004.5.12号)


近藤が1人で敗者復活戦を制す

ミラコレ&YOSSINOは2人がかりで近藤を攻めるが驚異的なパワーで反撃を食らう。最後は近藤がラリアットで2人まとめて葬った。/
各ブロックから敗者復活戦のドラゴン・スクランブルに11名の選手が出場。決勝トーナメントには2選手が選ばれるはずだったがミラコレとYOSSINOが同時に失格になったため今年は近藤1人だけが本戦へ進んだ。
(『週刊ゴング』2004.5.12号)


●決勝トーナメント組み合わせ抽選会

時間差バトル終了後にトーナメント1回戦の抽選会がおこなわれた。CIMAとの対戦を近藤が拒んだ。するとCIMAが、近藤のブ厚い肉体にキックをブチ込んでみせた/
「オレと対戦できるヤツ、どっかにいてへんのか!?」。CIMAが振り向くと、そこには大鷲が…。1回戦での激突が決定した!
(『週刊プロレス』2004.5.12号)


全国各地で繰り広げられてきた闘龍門最強を決める『EL NUMERO UNO』公式リーグ戦は前日の4・24京都大会で終了。ABC各ブロックから決勝トーナメントに出場する選手は以下の通りだ。
AブロックからはCIMAと望月成晃。Bブロックからはドラゴン・キッドと谷嵜なおき。そしてCブロックからは大鷲透と横須賀享。この6選手に今年も例年同様、敗者復活のドラゴン・スクランブルから2選手が加わることになる。
ところが今年のドラゴン・スクランブルから決勝トーナメントに出場するのは近藤ただ1人。と言うのも、近藤のラリアットで最後まで残っていたミラノとYOSSINOは2人同時に場外に転落。この結果、今年の決勝トーナメントは7名で争われることになり、シード枠が設けられることになった。
ドラゴン・スクランブルの後でトーナメントの抽選が行なわれたが、ここでも一波乱。CIMAとの対戦が決まった近藤が「この抽選はインチキ。なんで今闘ったばかりのオレが…」と文句を並べた。
横で聞いていたCIMAは口よりも先に足が飛び出し「この前は3分。今だったら1分じゃ。こんな相手じゃしょうがない。誰か代わりはいないか」と、近藤の代わりを要求。すると対CIMA戦2連勝中の大鷲が名乗り出た。ちなみに近藤は大鷲と入れ替わりシード枠に入る。(後略)

抽選会で近藤がCIMA戦を拒否すると代わりに大鷲が名乗り出た。決勝トーナメントは波瀾のスタート。
(『週刊ゴング』2004.5.12号)


●CIMA vs 大鷲透戦の試合後

(前略)一方、完勝とはいかなかったが、なんとか大鷲を仕留めたCIMAは、近藤が待つ準決勝戦へ進出。前人未到の2連覇にまた一歩近づいた。
すでに4・15チキンで秒殺している近藤の存在は、いまのCIMAの視界には入ってはいない。つぎにCIMAが倒さなければならない相手。それは公式戦では両者KOに終わった望月成晃である。
CIMAが近藤に勝ち、望月がキッドを破れば両者の再戦は最高の舞台といえる決勝戦で実現する。代々木まで待ったなし。CIMAは優勝を決めるとともに、悪冠一色との対立にも決着をつけるか。(藤本)

試合後、近藤がCIMAにランサルセ。代々木の準決勝戦はどうなる!?
(『週刊プロレス』2004.5.12号)


●CIMAがパーフェクト・ドライバーで大鷲を葬ると近藤が突如乱入。あっという間にCIMAの体は宙に舞った。
(『週刊ゴング』2004.5.12号)

●「闘龍門を彩る男たち」

次号予告
次号は近藤修司が登場。必殺のランサルセは学生時代に…乞御期待
(『週刊ゴング』2004.5.5号)


闘龍門を彩る男たち
004
近藤修司

「サラリーマンを3ヵ月で夜逃げ」

ラグビー界ではエリートだった近藤修司。そんなエリートも社会に出て初めて挫折を味わい、3ヵ月でサラリーマンを夜逃げ。いや、ラグビー場を暴れ回っていた近藤にサラリーマンは似合わなかった。そんな近藤の本音を聞け。〈撮影/渡辺憲作・構成/山本浩二〉

■ラグビー□
高校から始めて…自慢じゃないけどラグビー推薦で大学に進学しているんだぜ、オレ様は。所謂、大卒ってやつ。元々はプロレスラーになりたくって始めたんだけど…本当の目的は女の子にもてたくってな。ラグビーってもてるだろ。当時はオレも、そっちの方に興味があったから。
また自慢になるけど、けっこうラグビーじゃ有名な高校だったんだぜ。全国大会にも出場したし。会場はお前らも知っているだろ。花園ラグビー場。まあ、選ばれた者のみが上がれる舞台だな。お前らには一生縁がない場所だけどよ。その流れで大学までいったんだけど…上には上がいたよ。学生ラグビーのメッカといえば秩父宮ラグビー場なんだけど、さすがのオレもここのピッチには一度も立つことができなかった。

■就職□
大学を卒業して一応は就職したんだよ。これでも社会人経験してるんだぜ。だけどサラリーマンの水はオレには合わなかったな。よく、プロレスの合宿所を夜逃げする話を聞くけど、オレの場合はサラリーマンを3ヵ月で夜逃げしちゃったよ。

■某団体□
やっぱりレスラーになりたくってね。会社を辞めてから某団体の試験を受けたんだよ。そしたら受かっちゃって。でも、言葉は悪いけど…スカしちゃったんだよ。もし、某団体に入っていたら今のオレはどうなっていたんだろな。

■闘龍門□
回り道はしたけど、この団体を選んで良かったと思っている。

■壁への挑戦□
ちょっと真面目な話をするから。お前ら黙って聞いてろよ。今までの闘龍門は1期生が全てにおいて中心だった。会場にやってくるファンも1期生の闘いを観に来ている。簡単に言っちゃえば2期生から下は1期生の壁の前で何もできないのが現状。高い壁と言っちゃえばそれまでだけど。オレから言わせればだらしなさ過ぎる。
今、オレの周りには多くの仲間が集まってきている。7期生から下の若いヤツらが。もう2、3、4、5、6…を飛ばしてオレたちが1期生の壁を乗り越えてやる。そんな気持ちをもったヤツらの集まりが今のオレたち…悪冠一色だ。

■望月成晃□
望月は7期生以下じゃないって。お前ら頭が悪いな。望月は外からきた人間だろ。望月も1期生のヤツらには腹を立てていたからな。まあ利害関係が一致したってことだよ。

■軍団員募集□
腹の中じゃ1期生に対して不満をもっているヤツは沢山いるはず。オレたちは門戸開放政策をとているから、入りたいヤツは誰でも歓迎するぜ。

■男の美□
男の美? 下らないことを聞くなよ。オレの場合は見たまんま。こだわりはないよ。強いて言えば、こだわらないことが、こだわりだな。

■ヘアー・スタイル□
一番初めは金髪でパーマ大失敗みたいな。ひどい髪型だったよな。最近、まともになったけどよ。実はまた、パーマをかけるんだよ。うん。今、お前笑わなかった? ふざけんなよ。

思い出の一枚
子供の頃は本気でウルトラマンになれると思っていた。それが今じゃ怪物になっていた。

[こんどう・しゅうじ]S53年1月21日生まれ。173cm、93kg。01年5月18日、メキシコ州トラネパントラ、アレナ・ロペス・マテオスでの小川内潤戦でデビュー。得意技はキングコング・ラリアット。イタコネ離脱後、大鷲とブラザーの3人ではぐれ軍を結成。後に望月を迎え入れ悪冠一色として暴れ回る。
(『週刊ゴング』2004.5.12号)

●2003.4.22国立代々木競技場第2体育館  vs CIMA戦(「EL NUMERO UNO 2004」決勝トーナメント準決勝)

CIMAがCIMAに戻る時
近藤に敗れて前人未到の2連覇ならず…

「今日で戦闘服は終わりや」(CIMA)

前人未到のV2を狙ったCIMAの野望は準決勝で潰えた。
近藤との準決勝は最初から最後まで飛ばしまくりの展開。最後はこの大会のために用意した新兵器ナカユビからトラースキック。一気に仕上げとばかりにシュバインを狙ったが、これをキングコング・ラリアットで迎撃されると、ランサルセから再びキングコング・ラリアットを浴びて無念の3カウントを聞いた。
「負けや負け。完敗や完敗。何か違うよな。原因はわかっとんねん。こいつらや。この戦闘服がいらんのや」
控室に戻ったCIMAはそういうと、シューズやエルボーパッドを無造作に放り投げた。これまで悪冠一色との対戦では戦闘モードとして通常のコスチュームではなく、戦闘服に身を包んで闘ってきた。確かにその姿には迫力は感じたが、ケンカファイトに終始する姿はCIMAであってCIMAではなかった。
エル・ヌメロ・ウノ2連覇を逃したことで、CIMAは本来の姿に戻ることを決断。ある意味でこれからが悪冠一色との本当の闘いの始まりなのかもしれない。(後略)
(『週刊プロレス』2004.5.19号)

試合開始早々、両軍が入り乱れての大乱闘に/
CIMAはフロント・ネックロックからナカユビを狙うが、近藤はパワーでこらえる/
レフェリーのブラインドを突いてチェーンを使った攻撃を仕掛けた近藤。CIMAは一回転して体勢を入れ替えることで脱出に成功/
試合終盤には悪冠一色のメンバーが乱入。これでCIMAは大きなダメージを負ってしまう/
トラースキックからシュバインを狙ったが、これをキングコング・ラリアットで返されたのが痛かった/
最後はランサルセからこの日2発目のキングコング・ラリアットに繋いで近藤が勝利。決勝にコマを進めた/
試合後のCIMAは「この戦闘服がいらんのや」とシューズやエルボーパッドを投げ捨てて怒りを露にした
(『週刊プロレス』2004.5.19号)


キングコング・ラリアットでCIMA粉砕
近藤はリーグ戦の借りを返し決勝戦進出!


公式リーグ戦のリマッチとなったCIMAと近藤の一戦。前回、4・15神戸大会ではCIMAが3分弱で近藤を料理している。近藤にとってあの時の借りを返す絶好の舞台。一方、前人未到の2連覇を目指すCIMAにしたらこんなところで躓いていられない。お互いにコーナーから動かず静かな立ち上がりだったが、セコンドの乱入を合図に試合は激しく動き出した。先手を打ったのはCIMA。近藤を抱え上げるとパーフェクト・ドライバーからシュバインへと繋ぐ。だが前回と同じ轍は踏まぬと近藤はディフェンス。そして流れを呼び込みキングコング・ラリアットでCIMAの夢…前人未到の2連覇を断った。
(『週刊ゴング』2004.5.19号)

CIMAのコメント
負けや。負け負け。あ〜クソ。フジイさんの春は公式戦で終わったけど…前人未到の2連覇。この前は3分で勝った。堀口に勝ってトーナメントに進出した。大鷲にも勝った。それまでは良かった。でも、何かが違う。あのクソゴリラ。俺も、去年よりか力がついたから、あいつに挑戦しようと思ったけれど。無理やな。原因は分かっとるねん。こいつらや。このズボンもいらん。こんなCIMA観たないやろ。この靴とエルボーと戦闘服がいらんね。もう、闘龍門のB面は終わりや。

CIMAはパーフェクト・ドライバーで近藤を畳み掛けるがフォールは奪えず。/
1発目のキングコングでCIMAはフラフラ。そこにトドメの一撃を。/
近藤の地を這うようなキングコング・ラリアットがCIMAに襲いかかる。
(『週刊ゴング』2004.5.19号)


●『CIMAのプロレスCRAZY紀行 VOL34』

心の引っ掛かりが2連覇阻む

近藤のゴリラパワーに力負け

皆さん、相変わらずあんじょうしてますか?
毎度でんな、CIMAです。とうとう今年の『エル・ヌメロ・ウノ』も終了したけど、今年はトホホな結果に終わってもうたわ。
予選リーグで3分で勝った近藤が準決勝の相手やってんけど、力負けした。半端やないとは思ってたけど、近藤はホンマにゴリラみたいなパワーしてるわ。1年前まではイノシシぐらいやったのになァ。
決勝トーナメント1回戦の大鷲との試合までは、かなり順調にいっててんけど、一つだけ心に引っ掛かっていたモヤモヤがあったんですわ。
それが結局、近藤戦での完敗につながってしもたんやろなァ。(後略)

決勝トーナメント準決勝で近藤のゴリラパワーに力負けして2連覇の夢が破れたCIMA。バックステージに戻ると戦闘服を脱ぎ捨てた
(『週刊ファイト』2004.5.13号)


2連覇が期待されたCIMAだが、抗争激化中である悪冠一色の度重なる介入もあり、キングコング・ラリアットの前に無念のフォール負けを喫した。
(『紙のプロレス』2004.74号)

●2003.4.22国立代々木競技場第2体育館  vs ドラゴン・キッド戦(「EL NUMERO UNO 2004」優勝決定戦)

信じてたから----

「こんな体の小さなぼくでもナンバーワンになれます!」
ドラゴン・キッド、奇跡的な初優勝!!


"ゴリラパワー"
近藤修司に気をつけろ!


神の子、いま蘇る!

ドラゴン・キッドは奇跡の産物のようなプロレスラーである。どうしてもプロレス業界に潜入したくてFMWにレフェリーとして入団したのが94年の春。そのちょうど10年後、日本ではデビューすることさえ許されなかった小さな小さな青年は、ついに闘龍門の頂点に立った。
(中略)ことしのエル・ヌメロの決勝戦は、そんなキッドのこれまでの道のりを凝縮したかのような一戦となった。例年以上の混戦ぶりをみせた本年度の春の祭典。最終的に代々木のメインに駒を進めてきたのは、昨年までは優勝争いにかすりもしなかったキッドと近藤修司だった。
マグナムやCIMA、望月成晃といった過去の優勝者たちの姿はそこにはなかった。1年まえにはまったく考えられなかった顔合わせ。キッドVS近藤の決勝カードには、闘龍門というプロレス団体の新陳代謝のよさが奇しくも表現されていた。
「ここまできたら、自分を信じるしかない」
4・25名古屋大会のメイン終了後、横須賀を破って準決勝進出を決めたばかりのキッドは力強くそう語った。夢を諦めない力、自分を信じる心。これこそが、プロレスラーへなる過程を歩んでいたころのキッドのおもな原動力であった。
対戦相手の近藤は、そんなキッドの心身を持ち前のパワーでぶっ壊そうとしていった。近藤は、日本のジュニアではもっとも"怪力"という言葉が似合うレスラー。しかも、力だけではなく動きも抜群にはやい。これからもっともっと評価を上げてくるであろう選手だ。
勢いでは近藤に分があった。悪冠一色を結成してさらに凶暴さに磨きをかけた近藤と、1月に望月に裏切られ捨て猫のような存在と化したキッド。6人もの構成員を抱える悪冠一色に対し、キッドが所属する"名無しの軍団"はわずか3人。人数が少ないゆえに、主流の軍団闘争にも割って入ることができない。かつて"神の子"と呼ばれた男は、闘龍門の底辺でもがき苦しんでいた。
しかしながら、キッドは片腕だけでリフトアップされても、ウルトラ・ウラカンをラリアットで迎撃されても、絶対に優勝を諦めなかった。最後まで、自分を信じて闘った。
その結果が、本当に追い詰められたときにしか放たない神技中の神技、ドラゴン・ラナでの劇的勝利へとつながった。ドラゴン・ラナは、闘龍門の首都圏最大のイベントとなった伝説の02年9・8有明コロシアム大会のメインを締めくくった技。
奇跡の復活劇、といってもいいだろう。このところメイン戦線から遠ざかり、なかなかチャンスを見いだせなかった男は、有明の感動を再現させるとともに、自身を再生させることに成功した。(後略)
(『週刊プロレス』2004.5.19号)

最初にペースを握ったのは近藤のほう。悪冠一色のメンバーが巧みにヘルプ。5人がかりでキッドを踏みつけた/
近藤がキッドの首根っこを掴んで強引に放り投げる。もはや技ではない!/
デジャブで近藤を場外に追いやったキッドが、スワンダイブ式のコルバタを敢行。類いまれなる跳躍力を生かして近藤をホイップした/
チェーンは神田レフェリーに取り上げられてしまった近藤であるが、直後にはセコンドが投げ入れたイスを使ってキッドを絞首刑に/
なんと近藤がキッドを片腕だけでリフトアップ! ゴリラ並の怪力をみせつけ、ファン、そして対戦相手のド肝を抜いた/
カッターを放ってきたキッドを、近藤はリバース。キッドの体をそのまま持ち上げて、マットに叩きつけていった/
旋回式のゴリラクラッチ(リバース・サンダーストーム)でキッドの体をブンブン振り回した近藤。この状態からグラウンドに引きずり込んで、ギブアップを狙った/
ブルドッキング・ヘッドロックではない。近藤がキッドの後方からランサルセを決めたのだ。リバースランサルセともいうべきこの技で、近藤はキッドの体を押しつぶそうとした/
大鷲がリングに乱入。キッドの小さな体を龍原砲でさらに小さく圧縮しようとした/
キッドのウルトラ・ウラカンをカウント2でクリアした近藤。2発目はキングコング・ラリアットで迎撃してみせた/
近藤の怪力に苦しめられながらも、必死になって食らいついていったキッド。クリストで近藤の剛腕を殺しにかかった/
コーナーによじ登った近藤にキッドが雪崩式のカッター。この一発で流れを逆転させた/
優勝を決めた最後の一手は、キッドの神技中の神技であるドラゴン・ラナ。02年9月の有明コロシアム大会を締めくくったこの技で、近藤を破ってみせた/
優勝を決めたキッドにアラケンと土井が駆け寄った。ふたりのうれしそうな笑顔が印象的だった/
キッドが苦手なマイクにトライ。「みなさんのおかげで、優勝することができました。それから、それから…」。言葉に詰まったところで、マグナムのテーマ「TOKYO GO!」が!/
なんと、欠場中のマグナムが突然代々木のリングへ。「お前の優勝記念のためにダンスしにきたんだよ。お前も踊れよ!」/
本年度のエル・ヌメロを制したのは、なんと大穴中の大穴であるドラゴン・キッドだった。奇跡的な初優勝を果たしたキッドを欠場中のマグナムが祝福。ことしの"春の祭典"も感動的なフィナーレで締めくくられた

(予想クイズ当選者)1194号でおこなった予想クイズの当選者は今年もゼロ。したがって特賞の当選者はなし。(中略)なお、一番多かった予想は望月vsSUWA戦で以下、ミラノvs近藤、CIMAvsSUWA、CIMAvs大鷲、望月vs享となっていた。ちなみに優勝者を正解したのも2名だけだった。 (『週刊プロレス』2004.5.19号)


闘龍門最強の称号
キッド初戴冠


こんな体の小さい僕だけど…

近藤の波状攻撃をキッドは耐え抜き
ドラゴン・ラナで闘龍門最強を掴む


闘龍門ナンバー・ワンを決める『EL NUMERO UNO 2004』最終戦。ファイナルに残ったのはドラゴン・キッドと近藤修司。昨年同様、決勝の舞台は国立代々木競技場第2体育館。会場には5千5百人のファンが詰めかけ超満員(主催者発表)を記録。誰もが"最強の称号"を手に入れる瞬間をその目で確かめたかった。
キッド対近藤は、これが2人にとってシングルでは初顔合わせ。スピードのキッドとパワーの近藤というように2人は異なったタイプの選手。それに加えて体のサイズもまったく違う。キャリアで優るも、今の近藤の勢いを考えたらキッドに有利な点は見当たらない。序盤戦はそのものズバリの展開となった。
CIMAと争った準決勝での疲れなどまったくないといった感じの近藤。次から次へとキッドに襲いかかる。昨年の今頃のことを考えると近藤が決勝の舞台にいるのは信じがたい。
だが中盤から後半、そして現在にいたるまでの近藤の闘いぶりを見ていると納得する部分もある。それだけ急成長を遂げたと言えるのだ。望月の加入で悪冠一色の中ではナンバー2的な存在になりがちだが、この日の闘いぶりを見ているとそうとは言っていられない。
試合開始から防戦一方のキッドであるが10分過ぎにようやく反撃を開始。近藤の必殺技であるキングコング・ラリアットを警戒してアームブリーカーを炸裂させると、ここから一気に自分のペースに持ち込む。そして1回戦、準決勝を勝ち上がってきたウルトラ・ウラカン・ラナを満を持して放つ。だが、近藤はカウント2で返した。ならば、もう一発。すると近藤は飛んでくるキッドを下から横殴りのラリアットで迎撃。流れは再び近藤の方へ傾く。
ここで大鷲が近藤の加勢に乱入。合体攻撃からチョークスラムを見舞う。今度は近藤の方が満を持してのキングコング・ラリアットを放った。キッドの体は宙を舞った。万事休すか。誰もがそう思ったがキッドはカウント2でなんとか肩を上げた。場内はキッドに対する声援で包まれていた。そんなファンの後押しを受けてキッドは逆転の一発を放つ。H14年9月8日、有明コロシアム大会でクネスに放って以来、実に2年ぶりとなるドラゴン・ラナだ。
時計の針が21時30分に差し掛かろうとした時、キッドの勝利を告げるゴングが打ち鳴らされた。闘龍門最強の称号はキッドが手にした。試合後、休養宣言をしていたマグナムTOKYOが現われキッドをダンスで祝福。自身の復帰に関しては煙に巻いていたが、キッドの優勝を心から喜んでいた。
「こんな体の小さな僕でもナンバーワンになれます」
最強の称号を手に入れた今、次は最強のベルトUDGを狙う。
(『週刊ゴング』2004.5.19号)

近藤はキッドを軽々と片手でリフトアップ。この光景に観客は唖然…。近藤の猛攻の前にキッドはピンチの連続だった。/
近藤はリバース・ブレーンバスターの要領でキッドを持ち上げると、飛び上がり落差を加えてマットに叩き付けた。/
近藤のゴリラクラッチに捕まりもがき苦しむキッド。セコンドのアラケンは大きな声でキッドに檄を飛ばしていた。/
キッドの背後から近藤はランサルセを放つ。予想外の攻撃にキッドは無防備のままマットに倒された。/
近藤のキングコング・ラリアットでキッドの体は一回転。誰もがこの一発で試合は終わりだと思った。/
ウルトラ・ウラカン・ラナでトーナメントを勝ち上がってきたキッド。近藤にその技を返された今、残された技はコレしかない。2年前の有明大会以来となる、ドラゴン・ラナが決勝のリングで炸裂!!
(『週刊ゴング』2004.5.19号)


『EL NUMERO UNO』初優勝から48時間…
DRAGON KID インタビュー

□優勝決定戦…近藤修司
「CIMA、近藤。どちらが決勝に上がってきても勝つこと…優勝することしか頭になかった。CIMAではなく近藤が決勝に上がってきたことに関しては、昨年1年間の闘いをみていたら納得できる部分もあった。成長度合いでは一番だし。今、望月が加わったことで悪冠の中では二番手みたいな印象があるけど、決勝に残ったことで周りの見方も違ってくるのでは。とは言っても、負ける気はしなかったね。近藤のパワーは凄まじいものはあるけど、ヤツが8期生…自分より下という、取り方によっては奢りになるけど、気持ちの上では余裕が持てた。その点ではCIMAじゃなくて良かったかな。試合でも冷静に相手の攻撃が見られたし。押されながらも自分では落ち着いていた。ランサルセ、ゴリラクラッチ、キングコング・ラリアット…近藤の技を全て受け切りましたからね。ウルトラ・ウラカン・ラナは返されたけど、オレの方にはもう1つ残っていた。最後のドラゴン・ラナがそう」
(『週刊ゴング』2004.5.19号)


『EL NUMERO UNO 2004』ドラゴン・キッド初優勝!!

闘龍門ナンバーワン決定リーグ『EL NUMERO UNO 2004』は、UDG王者のSUWAが試合中に右肩を脱臼して欠場、前年度優勝者CIMAが準決勝で敗退。大荒れとなったリーグ戦を、創始者ウルティモ・ドラゴンから龍のマスクを受け継いだドラゴン・キッドと、闘龍門随一のパワーの持ち主・近藤修司の間で争われることとなった。試合は、キッドが悪冠一色の襲撃に苦戦しつつも、素早い動きで近藤のペースを狂わせて試合をリード。最後はトップロープからのドラゴン・ラナで完璧に丸め込み、悲願の初優勝! マグナムのお祝いダンスのあと、キッドは「こんなに体の小さい僕でも、ナンバーワンになれます!!」と挨拶。"神の子"が長い低迷からついに抜け出した。

いくら軽量のキッドだからといって、片手でリフトアップするとは……。近藤修司のパワーには改めて驚かされる。/
熱戦を制したフィニッシュは、ドラゴン・キッドの「ドラゴン・ラナ」。コーナーから前方一回転し、相手の肩に乗っての超高速ウラカンラナという神技だ。
(『紙のプロレス』2004.74号)

●2004.5.8TNCパヴェリアホール vs ドラゴン・キッド&新井健一郎&セカンド土井組戦(P:望月成晃&菅原拓也)

悪、色褪せる!?

悪冠一色、いきなりの失速。望月、またもキッドにフォール負け

歯車が狂ってしまった、というやつか。最近まで鬼のように暴れ回っていた悪冠一色が、ここにきていきなり失速。勢いを失いかけている。
今大会では、第1試合、そしてメインともに敗北。これまでの悪の快進撃がまるで嘘だったかのような負けっぷりをみせた。
とくにメインでは、近藤のラリアットが望月に誤爆。このポカが響いて、望月はこの日もキッドにフォール負け。代々木につづいて、またもや失態をさらしてしまった。
一方、エル・ヌメロ初優勝を果たし波に乗るキッドは悪冠一色に奪われたままになっているUWA世界6人タッグ王座、そして空位になっているUDG王座の奪取を宣言。試合後にはマイクで力強くアピールしてみせた。(中略)
そんなキッドたちとは反比例するかのように、ドジを踏みまくる悪冠一色。近藤に太い腕をブチ込まれ、挙げ句の果てには3カウントを奪われてしまった望月は、他のメンバーをリングに残したまま独りで退場。やり場のない怒りに肩を奮わせながら引き揚げていった。
悪冠一色は上下関係のない街の不良グループのようなユニット。その自由さが、連係の乱れを呼んでいるのだろうか。まあ、彼らも人の子。たまにはこういうときもあるのだろう。(かずまさ)
(『週刊プロレス』2004.5.26号)

土井は"出番待ち"といった感じのレスラー。100kg近い近藤にドイ555(ドイファイズ)を決めた/
近藤のリバースランサルセが土井に決まった。新たな必殺技となるか/
近藤のキングコング・ラリアットが望月に誤爆。これで一気に流れはキッド組に。エル・ヌメロ以後、悪冠一色の歯車が狂ってしまったのだろうか/
フィニッシュはキッドのウルトラ・ウラカン・ラナ。代々木につづいて、またも望月からフォールを奪ってみせた/
勝った3人は悪冠一色の持つUWA世界6人タッグ王座への挑戦を表明。この一戦は翌日の下関大会で実現している
(『週刊プロレス』2004.5.26号)


名も無き軍団の反撃が今スタートした
望月と近藤の誤爆で気になる悪冠一色


(前略)さて、いよいよメインイベント。ここで1つ気になることが起こった。近藤のラリアットが望月に誤爆するとそこから試合の流れは逆転。キッドのまぐれを証明するといっていた望月が本人から直接フォールを奪われた。試合後、望月は近藤たちを残してさっさと控室に引き揚げていたがノーコメントのためその真意はわからない。(後略)
(『週刊ゴング』2004.5.26号)

近藤は鎖で土井を絞め上げる。その表情は憎たらしく客席からブーイングを浴びる。/
望月が土井を捕まえると近藤に攻撃を指示。だが、近藤のラリアットは望月に誤爆した。/
近藤のラリアットのダメージが残る望月にキッドはウルトラ・ウラカン・ラナを放つ。/
望月は近藤たちを残してさっさと控室に引き揚げた。何やら雲行きが怪しい雰囲気。/
名も無き軍団のキッド、アラケン、土井の3人。憎っくき悪冠にリベンジの時が来た。
(『週刊ゴング』2004.5.26号)

●「ゴング技BOOK 2004」闘龍門JAPAN特集

闘龍門に吹き荒れるキングコング旋風

「お前らコレでご機嫌ちゃんやろ!」

闘龍門JAPANは日本マット界で"オンリー・ワン"を目指す団体だけあって各選手の技にもオリジナルなものが多く、ここでは現在、闘龍門マットでキングコング旋風を巻き起こしている近藤修司にスポットを当て、いくつかの技を紹介しよう。
まずは何故、近藤がキングコングと言われるのか。
身長173cm、体重93kg。数字を見る限り、近藤はプロレスラーの中で特に大きいとは言えない。だが、リング上で暴れ回る姿からは数字以上の迫力が伝わってくる。
本人曰く「全日本プロレスを席巻していたミラクル・パワーズのハンセン&ブロディ…特にインテリジェンス・モンスターと言われたブロディを目指している」とか。
そんな気持ちが近藤のファイト・スタイルに表れ、その荒々しさがブロディを連想させる。そしていつしかキングコングの異名を持つようになり、技にまでキングコングの冠が付けられるようになった。その技とはキングコング・ラリアットだ。
ラリアットと言えば誰もが使うポピュラーな技のひとつ。だが使い方を間違えると、単なるつなぎ技になってしまう。近藤の場合はキングコングと言うだけあって一発に説得力がある。
近藤の右腕から繰り出されるキングコング・ラリアットは低い位置から地を這うように相手の首に巻き付く。その時、腰の捻り…回転運動が加わり、技を食らった方は一瞬、無重力状態となり体が宙を舞う。
近藤は今年のエル・ヌメロ・ウノ決勝トーナメント準決勝でCIMAをこの技で破っており、その破壊力を実証した。
近藤の得意技と言えば、もうひとつランサルセがある。ランサルセとはスペイン語で牛が突進する意味。ここでの牛は闘牛場の牛のことを指す。近藤が相手の脇に腕を差し込むあたりは、牛が2本の角でマタドールを突き上げる様子に似ていて、まさにランサルセだ。
だがこのランサルセは誰もが使える技ではない。この技を使うには瞬発力とスピードの2つが要求される。どちらが欠けても成立しない。近藤は学生時代にこの2つをラグビーによって培ってきた。この技はまさに近藤オリジナルなのだ。
この他にもゴリラ・クラッチ、ホエール・ハントと近藤独自の技は多い。そして、いずれも"キングコング"近藤のポテンシャルを生かした技であり、他の選手が簡単に真似できるものではない。
既存の技ではジャックハマーやジャーマン・スープレックスを使いこなし、ジャックハマーに関しては日本人選手の使い手の中で、そのフォームは本家ゴールドバーグに一番近いと思われる。今後の近藤には第2、第3のキングコング・ムーヴの誕生に期待したい。


これが近藤のキングコング・ラリアット。右腕が地を這うように相手の首をカッ斬る。/
日本人選手の使い手の中で近藤の放つジャックハマーが一番本家に近いフォームだ。/
龍原砲を彷彿させる合体技。大鷲が天龍ならラグビー出身の近藤は原といったところ。/
ブラザーと息の合った合体プレー。タイミングが大事なだけに2人ならではの技だ。/
勢いのあまり相手は半回転し腹部からキャンバスに叩きつけられる近藤のジャーマン。/
ラグビーの経験が生かされているランサルセ。スピードと瞬発力が求められる技だ。/
エル・ヌメロ・ウノの決勝で初めて繰り出した旋回式のゴリラ・クラッチ。強烈。/
キングコング・ラリアットの応用版。右腕一本で相手の足を掬いあげる驚異的な技だ。/
この技の名前はホエール・ハント…鯨の捕獲を意味する。近藤らしい豪快な技。
※この他、この記事が掲載された2ページ内で大鷲、YASSHI、高木、菅原の各選手の技を1つずつ紹介。
(『週刊ゴング』2004.5.26号)

●「マッチョ記者の闘龍門広人苑」

片腕だけで人間を持ち上げる男
近藤修司のゴリラパワーの秘密


近藤修司は、闘龍門が生んだいまどき珍しい怪力タイプのレスラーだ。その体形は昭和の香り漂う豆タンク。手足がやたらと太く、足腰が異様なまでに強い。4・28代々木では、ドラゴン・キッドを片腕だけでリフトアップしてみせ(しかも笑顔で)ファンのド肝を抜いた。
しかしながら、この近藤、噂によればウエートトレーニングの方法については、それほど詳しい知識は持ち合わせていないとか。とある選手は、「練習しているところを目撃したけど、けっこういい加減でしたよ」と証言している。にもかかわらず、あのパワー! 本当に近藤は「いい加減」な練習しかしていないのであろうか。
「あのねえ、俺は大学の体育学部体育学科を卒業してるんだよ。だから、一応は勉強しているはず! まあ、授業の大半は寝てたけど。実際に体はデカくなってるんで、間違ったやり方はやっていないはずだ。効果が出なかったら、やり方をちょこちょこと変えるしね」
パワーの基礎を築いたのは高校、大学と7年間つづけたラグビー時代。当時の近藤は、ハイクリーン(立った状態でバーベルを首の位置まではね上げる運動)を60kgのバーベルで100回連続という、とことんハードな練習で自身を追い込んでいた。
ちなみに、ハイクリーンとは足腰の強化と瞬発力、バネを養う運動。通常は、例えば10回を数セットと、セットを組んでおこなうものである。
それを近藤は連続100回を週に3回。一般人なら死んでしまいそうな、競技選手でもこなすのは難しいであろうメニューで肉体を強化していたのだ。
「いま思うと、ものすごいことやってたよな。全身のバランスがすごく鍛えられたよ。なかなか倒れなかったから」
そんな近藤の主食は肉。朝食はあまり摂らないけれど、昼と夜には肉を食べまくり。BSE騒動なんか関係ねえ! といわんばかりの勢いで動物性タンパク質を摂取している。
「やっぱり、肉だよな。肉がないとメシがすすまないんだよ。実家にいるときもそうだった。肉たっぷりにメシたっぷり。そして、お腹がすいたらプロテイン」
ところが、現在、闘龍門では肉体改造がブーム。夜は炭水化物を摂らない選手も多い。そんな風潮に流されたわけではないが、最近、近藤も夜の炭水化物はなるべく控えるようにしている。
「そんなこと、本当はやりたくないんだけどな。ただ、あまり体重が増えると、こんどは動けなくなっちゃうんだよ。食べたらすぐに100kgいっちゃう。100kgまで、あとたったの500gしかないからな」
常人離れした練習に常人離れした食欲。普通の人にはマネできない方法で、近藤はパワーを身につけていったのだ。
「キッドって70kgくらいだろ。人間だったら軽い。人間は勝手に折れ曲がってヤジロベエみたいになるからな。バランスが取りやすいんだよ。あれが70kgのバーベルだと、バランス崩して持ち上げづらい。ようはバランスなんだよ」
「バランス」といわれても、それでも人間を片腕だけで持ち上げるのは至難の業。ゴリラパワーにモノをいわせ、近藤はこのまま闘龍門マットを食い散らかしてしまうのか。
(『週刊プロレス』2004.5.26号)

●2004.5.9海峡メッセ下関 vs ドラゴン・キッド&新井健一郎&セカンド土井組戦(P:大鷲透&"brother"YASSHI)(UWA世界6人タッグ選手権戦)

ドラゴン・キッド帝国

"名無しの軍団"の大逆襲。悪冠一色からUWA世界6人タッグ王座を奪取!

キッドのエル・ヌメロ優勝に大きな刺激を受けたというアラケン。キックを近藤の顔面にブチ込む/
数にものをいわすのが悪冠一色の戦術。5人がかりでキッドを踏みつけた/
キッドの首根っこを掴んでブン投げていった近藤。これが本当の首投げか/
UWA世界6人タッグ王座を獲得した"名無しの軍団"。土井はこれが初戴冠。3人はいまや勢いの面でも悪冠一色を追い抜いた感がある。「そろそろ名前、つけなきゃ」(キッド)「ドラゴン・キッド帝国でいいんじゃない?」(アラケン)/
近藤&ブラザーの合体技、バビロンが土井に決まった/
試合に介入してきた望月のスーパー・ケンカキックが近藤に誤爆。これが響き、近藤はまたもキッドにフォール負け/
下関を熱狂させた今回の一戦。試合後にはドラゴンマスクを被ったマグナムたちがリングに登場して、ダンスでキッドを祝福。代々木のラストシーンを再現し、感動的なまでのハッピーエンドで大会を締めくくった
(『週刊プロレス』2004.6.2号)


もう名も無き軍団とは言わせない

UWA世界トリオ王座獲得!!その勢いで
目指すは闘龍門にD・キッド帝国樹立!!


ドラゴン・キッドが闘龍門最強の称号を手に入れたことで仲間のアラケン、土井に力を与え、その一方で統率のとれていた悪冠一色の足並みに微妙なズレが…何かが狂い始めている。
この日もオープニングにはキッド、アラケン、土井の3人がリングに登場。そしてキッドの口から下関のファンにエル・ヌメロ・ウノ優勝の報告が行なわれた。すると前日の博多大会同様、悪冠一色の連中が乱入。
近藤とブラザーはキッドに襲いかかる。2人の攻撃になすがままのキッド。そして近藤はキッドのマスクを強引に剥ぎにかかる。リング上にグリーンのマスクが舞った。近藤はマスクマンのキッドにこれ以上ない屈辱を味合わせた。
この日のメインでUWA世界トリオ王座を賭けて争う両チーム。オープニングからすでに選手権は始まっていた。今までのキッド、アラケン、土井の3人だったらこの奇襲攻撃で出鼻を挫かれたかもしれない。
「見ての通り、オレたちは3人しかいない。軍団名もない。でもな、昨日の博多でやっと掴んだチャンスなんだよ」
とアラケンはこの一戦に賭ける意気込みを叫ぶ。その気持ちはキッドと土井も一緒。この悪冠一色の乱入はキッド、アラケン、土井の名も無き軍団の闘志に火をつける形となった。
UWA世界トリオ選手権は挑戦者チームの先制攻撃で幕を開けた。だがすぐに場外戦に誘い込まれ形勢は逆転。10分過ぎまで土井が捕まる展開。勢いは確かにキッド組にあったが、トリオとして機能していたのは王者組の方。そこにセコンドも加わるとあってキッド組は試合の流れを掴めない。
ここで近藤はブルーBOXを投入。キッドにそれで殴り掛かる。このピンチをドロップキックでキッドは回避。だが直ぐに近藤に捕まる。すると望月が走り込んで来た。レフェリーはセコンドに気を取られて見ていない。これが決まれば終わりだ。
だが望月の蹴りは近藤の顔面を捕らえた。前日、博多大会のシーンを思い出される。その時は近藤のラリアットが望月を誤爆。二夜連続の誤爆シーンだった。このチャンスにキッドはウルトラ・ウラカン・ラナを近藤に決める。フィニッシュまで同じであった。カウントが数えられる。ワン・ツー・スリー。
名も無き軍団…キッド、アラケン、土井の3人の腰にはUWA世界トリオ王座のベルトが光り輝く。そして土井にとっては生涯忘れることのできない初戴冠である。リング上では4・28代々木大会の再現とばかりにマグナムが現れ、下関のファンの前で祝福のダンスを披露。まさにハッピーエンドのエンディングを迎えていた。
もうこの3人を名も無き軍団とは言えない。ドラゴン・キッド帝国…今、闘龍門の勢力分布図を塗り替えようとしている。
(『週刊ゴング』2004.6.2号)

今度は望月の一撃が近藤に誤爆!
「ノーコメントだよ。望月の野郎」

タイトルマッチ恒例の記念撮影。挑戦者組の3人は、いつになく表情が険しい。/
ここぞという場面でアラケンの酒しぶき!?が近藤の顔面をモロに捕らえた。/
近藤&ブラザーの合体攻撃が土井を襲う。息の合った2人のなせる技だ。/
近藤のブルーBOX攻撃をキッドはドロップキックで見事に防いでみせた。/
近藤がキッドを捕まえると望月が走り込んできて蹴りを放った。だが蹴りは…。/
キッドは2日続けてウルトラ・ウラカン・ラナで悪冠一色からフォールを奪った。/
試合後、望月と近藤はロープを間に挟んで何やら口論。菅原が2人の間に割って入る。/
UWA世界トリオ王座を獲得したD・キッド、アラケン、土井の3人。いい顔している。
(『週刊ゴング』2004.6.2号)

●2004.5.11神戸チキンジョージ vs ミラノコレクションA.T.&YOSSINO&アンソニー・W・森組戦(P:望月成晃&"brother"YASSHI)

ゴタゴタが続く悪冠一色
リーダーは不要か、必要か

博多大会、下関大会と誤爆がつづいた望月と近藤。チキン大会では、両者の間に微妙な空気が。コーナーではたがいに距離をとっていた。なお、この日もふたりは誤爆。リング外でいいあっているあいだにブラザーがYOSSINOに仕留められた/
近藤の片腕リフトをキーロックに切り返したYOSSINO。最後はソル・ナシエンテでブラザーにギブアップ勝ち/
ジャベを仕掛けようとするミラノと、それをパワーで振りほどこうとする近藤。シングル対決をみてみたい顔合わせだ/
試合後には望月と近藤が口論。「せっかく俺が指示出してるのに、何やってんだよ」(望月)「お前のせいで負けたんじゃねえか」(近藤)「何が悪いって、いま悪冠一色は6人もいるんだぞ。だれかまとめるヤツがいないと、バラバラのままだといつか限界くるぞ」(望月)「そんなもん、いらねえよ。頭がいねえのが悪冠だろ」(近藤)。なお、あいだに入ったブラザーは「昔は3人やったけど、いまは6人や。まとめ役がいるで」と望月の意見に同調。「俺がまとめ役やってやってもいいから。とにかく話し合いだ」(望月)
(『週刊プロレス』2004.6.2号)


まとめ役必要論を説くモッチーの
「俺がリーダーやる」に、近藤は…

二人の関係はギクシャク。タッチワークも悪く、最後は誤爆で試合は完敗となる。/
モッチーは「せっかく指示出したのに何とかしろ。リーダーなら俺がやってもいいよ」と。近藤は「そんなものはいらねえ」
(『週刊ゴング』2004.6.2号)

●2004.5.23ディファ有明 vs ドラゴン・キッド&新井健一郎&セカンド土井&スペル・シーサー組戦(P:望月成晃&高木省吾&菅原拓也)/メイン終了後のU.D.G.選手権挑戦表明

明走と迷走

望月、近藤の不仲で悪冠一色失速。
旧M2Kは絶好調で
UWA連続防衛戦をアピール


チグハグな悪冠一色。近藤が土井にフォール負け

ちょっとしたことがきっかけで、ここまで状況が大きく変わるとは誰が予測できただろうか。
年明けに結成されてから破竹の勢いを誇った悪冠一色が急失速し、望月に裏切られてドン底にいた旧M2K勢が急上昇。両チームの現在の姿はあまりにも対照的だ。
悪冠一色は結成当時から「ヘッドもリーダーもいない」という方針で好き放題暴れてきた。チームがうまく回っている時は、個々の力だけで周りを圧倒できたが、ひとつ歯車が狂いだすと歯止めが効かなくなる。まとめる人間がいないから軌道修正することもできない。それが今の悪冠一色だ。
対する旧M2K勢はドン底をともに味わったことで強固な結束が生まれた。アラケンと土井はキッドのエル・ヌメロ・ウノ優勝を自分のことのように喜び、その勢いを自らの力にも変えている。誰がリーダーというわけではないが、勢いに乗るキッドを中心に歯車がうまく回っている状態だ。
この日の試合は現在の勢いそのままの結果となる。試合序盤こそはセコンドも交えた攻撃で悪冠一色がペースを握るが、最後はチームワークの差がハッキリ。望月の三角蹴りが近藤に誤爆したところで土井がバカタレ・スライディングキック。相手のミスを突いて旧M2K+シーサーが勝利を手にした。
試合後、怒り心頭の近藤は「リーダーをやりたいなら、オマエのリーダーシップを発揮してオレ抜きでUWAのベルトを獲ってみろ」と望月に毒づく。もちろん、望月はその気十分。パートナーにブラザーと菅原を指名してUWA世界6人タッグ王座に挑戦することを表明した。(中略)
リーダー問題で揺れる悪冠一色は方向性が定まらない迷走状態。一方の王者組は連続防衛に向けて前途が明るい"明走"状態。勝負の行方は見えているような気もするが、果たして…。(佐久間)
(『週刊プロレス』2004.6.9号)

試合終盤、望月の三角蹴りが近藤に誤爆。この後、近藤が土井のバカタレ・スライディングキックを浴びて沈んだ/
UWA世界6人タッグ王者の旧M2K勢は快勝で表情も明るい/
悪冠一色は得意のラフで突破口を開かんとしたがどうしても調子が上がらない/
右ページの誤爆から土井がバカタレ・スライディングキックを決めて近藤をピンフォール/
同士討ちによって敗れた悪冠一色は試合後もゴタゴタ。「リーダーをやりたいならオレ抜きでUWAのベルトをオマエのリーダーシップで獲ってみろ」と近藤。これを受けた望月はブラザー、菅原とのトリオで挑戦することを表明。勝ったらリーダーになると宣言してみせた。対する王者組は5・30松江というちょっと地味な会場でのタイトルマッチを決めた
(『週刊プロレス』2004.6.9号)


この日も望月と近藤に誤爆発生!
悪冠リーダー問題はタイトル戦で

悪冠一色を取り仕切るリーダーの存在を必要とする望月。一方、必要としない近藤。いつしか2人の考えは異なりリング上でもチグハグ。そしてこの日も誤爆が発生。/
近藤から「そんなにリーダーになりたきゃ条件を出す。オレ抜きでUWA世界トリオ王座を奪い返せ!!」と言われた望月は「場所はどこでもいい。直ぐに挑戦させろ」と王者チームに迫った。
(『週刊ゴング』2004.6.9号)


●メイン終了後のU.D.G.選手権挑戦表明

試合後、全ユニットがUDG王座獲りに動く!

(前略)試合後(※メインのCIMA vs 大鷲戦)には、そんなCIMAに刺激されたのか、キッドが勢いよくリングに飛び込んできた。CIMAはいきなり登場したキッドに対し、UDG王座を賭けての対戦をアピール。これにエル・ヌメロ準優勝者の近藤が猛反発。直後には望月や堀口も口を挟みだし、事態は大混乱。結局CIMAの提案により、各ユニットの代表者1名が7・4神戸ワールド大会でトーナメントをおこないUDG王座を争うことで落ち着いた。
C-MAXからの代表はCIMA。"名無しの軍団"からはキッド。悪冠一色からは望月と近藤のふたりが名乗りをあげたため、6・5越谷大会で代表者決定戦を闘うことに。(中略)
CIMAの劇的勝利をきっかけに闘龍門の全ユニットが最強の証であるUDG王座に向けて進路を取り出した。UDG戦線は、闘龍門のA面の1曲目にくるべき闘い。7・4神戸ワールド大会まで、あと約1ヵ月。いま、闘龍門が大きく動き出した。(かずまさ)
(『週刊プロレス』2004.6.9号)


そして闘いはアニベルサリオへ

(前略)キッドのお陰で難を逃れたCIMAだが「お前もUDGに名乗りを挙げよったな。よっしゃ、闘龍門最重量の次は最軽量のお前とやるか」と、勝手にUDG王座決定戦を口にした。すると近藤、望月、ミラノ、YOSSINO、そして堀口が次々とリングに現れた。
それぞれ出てくる言葉は「オレにも挑戦する権利がある」と。ならば「闘龍門で一番でかい年間行事って何や。アニベルサリオや。各ユニットから1人ずつ出してトーナメントやって新しいUDGチャンピオンを決めようやないか」とCIMAが提案。
これによってクレイジーからはCIMA、名も無き軍団からはキッド、悪冠一色からは望月と近藤の勝者、イタコネからはミラコレとYOSSINOの勝者が代表となることに決まった。闘龍門で最高の舞台…アニベルサリオで空位となったUDG王者が決まる。

悪冠一色からは反目しあう望月と近藤の勝者がトーナメントへ。
(『週刊ゴング』2004.6.9号)

●2004.5.23〜パンフレット

EL NUMERO UNOでは敗者復活のドラゴン・スクランブルで史上初の一人のみ勝ち抜けを記録し、まんまと決勝トーナメント一回戦はシードに。そのまま決勝まで駆け上がり、パワー殺法でキッドを追い詰めたが惜しくも準優勝という結果に終わった。しかし、近藤の存在感が飛躍的に上がったことも確か。そこに持ち上がったのが、望月との確執。悪冠立ち上げの主役だった近藤は、この問題をどう決着させるのか? 悪冠の動きから、しばらくは目が離せない!

ランサルセ
リングを対角線に駆け抜ける途中で相手にタックルをかまして担ぎ上げ、そのままコーナー付近に叩きつける豪快技。4・28キッド戦では、後ろ向きの相手に対するリバース型も披露した。

ホエールハント
ブレーンバスターの要領で相手を持ち上げ、空中で回転させて体を浴びせながら叩きつける殺人技だ。


白い龍、頂点極め中心に!
闘龍門JAPAN4〜5月の闘い模様
04.04.25 愛知・名古屋国際会議場
大荒れ敗者復活戦! "ラスト4"出揃う!
トーナメントに先駆けて行われた敗者復活戦「ドラゴン・スクランブル」。二人勝ち抜けの予定だったが、近藤がミラノとYOSSINOを同時に放り投げ、史上初の「一人抜け」。トーナメント一回戦もシードとなった

04.04.28 東京・国立代々木競技場第二体育館
キッド感激の初優勝! そしてマグナムとダンス!?
準決勝。昨年の覇者CIMAは連覇に向けて近藤を攻め込んだが、キングコング・ラリアットに沈む。試合後、戦闘服との決別を宣言/
決勝でキッドと対戦した近藤。小兵の相手を軽々とリフトアップ(しかも片手!)するなどパワーで追い込んだが、あと一歩のところで栄冠を逃した

●2004.5.30くにびきメッセ松江 ドラゴン・キッド&新井健一郎&セカンド土井組 vs 望月成晃&"brother"YASSHI&菅原拓也組戦(UWA世界6人タッグ選手権戦)

悪冠一色のあしたはどっちだ!

リーダー問題、解決せず。答えは6・5越谷の望月VS近藤で!!

悪冠一色は上下関係が存在しない街の不良グループのようなユニットである。親分もいなければ、子分もいない。好き勝手に暴れて、好き勝手に闘う。これが、悪冠一色の基本方針である。
ところが、その自由さが、ここにきて障害をもたらすようになった。悪冠一色の前身は大鷲、近藤、ブラザーのはぐれ軍団(仮)。当時のメンバーは、わずか3人であった。
だが、現在ではその倍の6人もの構成員を抱える闘龍門イチの大所帯に成長。人数が増えすぎたあまり、軍団としての統率がはかれなくなってしまったのだ。
各自が各自の判断で動いていたら、いつしか軍団は破裂する。勝手に暴れ回るには、あまりにも人数が多すぎる。意思の疎通もうまくいかないのか、メンバー同士の誤爆も目立つ。自由気ままな悪冠一色にも、そろそろ明確な指示系統が必要となってきた。
そこで、軍団をまとめあげるためにリーダーに立候補したのが10年ものプロキャリアを誇る望月成晃。これは個人の欲望を満たすためのものではなく、あくまでユニット全体のことを思っての行動。だれも名乗りをあげないので仕方ないから俺がやる、が望月の本音であろう。
しかしながら、一方では近藤修司が「悪冠一色にはヘッドもリーダーもいらない」「みんなが好き勝手に暴れてこそ悪冠一色」と発言。望月とは正反対の主張をみせるようになる。やはりというべきか、ふたりの意見は真っ向から対立。以来、解決策を見いだせない悪冠一色は迷走街道を突っ走ることとなった。
そして迎えた今回の松江大会。この一戦は、UWA世界6人タッグ選手権試合であると同時に、悪冠一色にとっては望月のリーダー査定試合の意味も持っていた。ここでリーダーシップを発揮してキッド組(通称、ドラゴン・キッド帝国)からベルトを奪えば、晴れてリーダー就任。敗れれば近藤の主張どおり、いままでどおりの悪冠一色。リーダー問題は今大会で一気にケリがつくものかと思われた。
だが、結果は近藤の誤爆が影響して望月が土井にフォール負け。試合後に両者は敗因をめぐって激しく口論。望月が「指示を出していないのに動くな。誤爆がなければ勝っていた」といえば近藤も「リーダー、リーダーといっても、誤爆するときはする」とやり返す。事態をさらにややこしくさせるにいたった。
最終的に、ふたりは6・5越谷大会にラインナップされているUDG争奪戦・悪冠一色代表者決定戦でリーダー問題に決着をつけることで合意。直接対決ではっきりと解決させると宣言した。
望月が勝った場合は、望月体制の新生・悪冠一色がその日よりスタート。近藤が勝った場合には、これまでと同じ自由な悪冠一色を継続。さらには、勝者は悪冠一色の代表として7・4神戸ワールド記念ホール大会でおこなわれるUDG争奪戦に進出。6・5越谷の望月VS近藤戦は悪冠一色の将来を左右する重要な一戦となる。
まとまるべきか、それとも好き勝手に暴れるべきか。いま、悪冠一色がユニットとしてのあり方を問われている。6・5越谷をキッカケに、かつての勢いを取り戻せるか。悪冠一色のあしたはどっちだ!(藤本)
(『週刊プロレス』2004.6.16号)

悪冠一色がキッドに踏みつけ攻撃。だが、近藤はこれに参加せず/
近藤のブルーボックス攻撃が望月に誤爆。「ワザとじゃないのか!」(望月)/
誤爆をめぐって望月と近藤が口論。「指示出してないのに、勝手なことすんな!」(望月)「リーダー、リーダーつっても、誤爆するときはするんだよ!」(近藤)
(『週刊プロレス』2004.6.16号)


悪冠リーダー問題は越谷大会に持ち越し
全ては望月と近藤の一騎打ちで決まる!!


「指示を出したところで誤爆するものはするんだよ」
誤って望月をブルーBOXで殴っておきながら近藤に反省の色など全くない。
「わざとじゃないのか。どう考えても誤爆には思えねぇよ」
望月がこう思うのも無理はない。試合を有利に運んでおきながらあの一発で形勢逆転。
何ごとにも"if(もし…)"はないが…あの一発がなかったら望月たちの腰にベルトが巻かれていたかもしれない。
そうなると困るのは近藤。この試合に勝つことを条件に望月の悪冠一色リーダー就任を認めていたからだ。これまでリーダー不要を言い続けてきた近藤にとっては面白くない。
でも結果は望月の負け。これで悪冠一色のリーダー問題も一段落かと思われた。
「お前の誤爆で負けたんだろ。今日のはチャラだよ。桂(6・5越谷桂スタジオ大会)でお前とシングルあるだろ。UDG代表者決定戦。そこでもう一回賭けろよ。ちょっとは誤爆の責任感じてんだろ。そこで負けたらオレも諦めるよ」
望月は捲し立てるように近藤に言い放つ。この望月の要求に「分かったよ。やってやる」と近藤は即答した。
悪冠一色内で突如勃発したリーダー問題。望月は何がなんでも"オレがリーダーなんだ"というわけではない。エル・ヌメロ以来、足並みの乱れた悪冠一色の歩調を整えたいだけ。
「桂でUDG悪冠代表決定戦とリーダー問題全部賭けるからな。それでもうリーダー問題は全部終結するから。桂…覚悟しておけよ」
この言葉から望月の近藤に対する気持ちは半端ではない。
全ては6月5日、越谷桂スタジオで答えが出る。(後略)
(『週刊ゴング』2004.6.16号)

近藤の身勝手な攻撃が敗北を招く。だが当の本人は「誤爆するものは誤爆するんだ」と。/
望月と近藤の間にできた溝は深まるばかり。全ては越谷のリングで答えが出る。
(『週刊ゴング』2004.6.16号)

●2004.6.5越谷桂スタジオ vs 望月成晃戦(U.D.G.王座争奪トーナメント・悪冠一色代表者決定戦)

悪冠一色激動の2日間を追う!(1)望月VS近藤の代表者決定戦

リーダー問題、一件落着!?

「お前らは好きに暴れろ。オレは一歩引いてまとめる」(望月)

悪冠一色の方向性を巡って望月成晃と近藤修司の意見が真っ向から対立。2人は7・4神戸大会でおこなわれるUDG王座決定トーナメントの代表権と、チームの進む道をかけてシングルで激突した。
そのほかのメンバーは勝負の行方を見守るべく介入は一切なし。文字通り望月と近藤は1対1で己のプライドをぶつけ合った。
望月がキングコング・ラリアットを警戒して右腕殺しを仕掛ければ、近藤はキックを封じるべく足殺しを展開。やられたらやりかえす一進一退の攻防が続いていく。
そして決着は突然訪れる。得意のランサルセを背後から決めた近藤が2発目を狙ったが、望月はこれをジャンプ一番かわすと肩に飛び乗って高角度前方回転エビ固め。一瞬の切り返しで3カウントを奪ってみせた。
「もうこれでいいだろう。オレは別に上に立ちたくてリーダーって言ってるわけじゃない。オマエらは好き勝手に暴れればいい。オレは一歩引いてまとめ役をやる」(望月)
「しょうがねえ。オレも男だから約束は守る」(近藤)
試合前はいがみ合っていた2人だが闘い終わってノーサイド。プロレスラーは肌を合わせれば理解できる。それは過去の歴史が証明している。望月と近藤はガッチリ握手を交わして健闘を称えあった。
「リーダー問題は今日で終わり。これは悪冠一色が上に行くための通過点。また明日からスタートだ」
試合後、望月の号令で悪冠一色は一致団結を誓った。これにてリーダー問題は一件落着…誰もがそう思ったのだが、翌日にはまさかの事態が待っていた。(佐久間)
(『週刊プロレス』2004.6.23号)

望月は近藤のキングコング・ラリアットを警戒してか、執拗に腕への攻撃を仕掛けた/
悪冠一色のほかのメンバーは客席で観戦。試合には一切介入しなかった/
これはバックドロップではない。背後からのランサルセで近藤は望月をはじき飛ばした/
近藤はチェーンで足を絞めあげた。同門対決でも容赦はない/
望月の強烈なレッグラリアットで近藤は一回転/
近藤は望月のキック封じで足を集中攻撃/
最後は一瞬のスキを突いた高角度前方回転エビ固めでフィニッシュ/
試合後、望月は悪冠一色の代表としてUDG獲りを宣言。敗れた近藤は潔く負けを認めて握手を交わした/
「リーダー問題は今日ですべておしまい。ワールドでオレがUDG獲るからオマエらじゃUWA(世界6人タッグ)を取り戻せ」と望月。悪冠一色は一致団結したかに見えたが…
(『週刊プロレス』2004.6.23号)


悪冠問題全て解決

望月成晃リーダー就任 UDG王座決定トーナメント出場

これまで好き勝手に暴れ回り、闘龍門マットで猛威を振るっていた悪冠一色。その動きに乱れが生じ始めたのが先のシリーズ、エル・ヌメロ・ウノ・スペシャルにおいて。ことの発端は悪冠一色が得意とする乱入劇にあった。
5・8福岡大会で近藤のラリアットが望月に誤爆すると、翌9日には反対に望月の蹴りが近藤に誤爆。この誤爆がシリーズを通して悪冠一色につきまとい、いつしかチームとして連戦連敗が続くようになっていた。
この現状を打破すべく持ち出されたのが悪冠一色にリーダーを置こうという考え。コレを言い出したのは望月。だが、個々が好き勝手に暴れるのが悪冠一色と自負する近藤はコレを拒否。誤爆が引き金となり、2人の間には深い溝ができてしまった。
そんな全ての問題に答えを出すべく望月と近藤がシングルマッチで激突。この一戦はUDG王座決定トーナメント出場悪冠一色代表決定戦と謳われていたが、それ以上に悪冠一色の今後を占う闘いでもあった。
オープニングのMCでブラザーもマイクを握り「お前らのカードにはUDGの挑戦者決定戦と書いてあるけどな、そんなの何も興味あらへん。このカードはな悪冠一色にリーダーがいるかいらないか、重大な問題が懸かっている試合なんや」と、ことの重大さをファンに告げていた。
リング上には望月と近藤の2人だけ。後のメンバーはリングサイド席に陣取り2人の闘いを見守る。いつもと違ったシチュエーションに会場の空気はどこか重たかった。
試合は望月が腕を狙えば近藤は足に狙いを定め、お互いに相手の得意とする技を封じ込める作戦に出ていた。望月の腕十字に悲鳴を上げていた近藤。片や近藤のゴリラ・クラッチで苦悶の表情を浮かべていた望月というように。
お互いに一歩も譲らない中、試合時間は10分が経過。ここから近藤は一気呵成に攻め込んだ。だが望月はこれを待ってましたとばかりに丸め込みのチャンスを窺う。そして近藤の肩口に乗ると鮮やかな前方回転エビ固めを決めた。
「近藤、もうこれでいいだろ。丸め込みで勝ったけどコレが結果だ。オレはよ、お前らの上に立ちたくてリーダーをやりたいって言っている訳じゃない。一歩退いてオレはお前らのバックアップをするよ」
これで悪冠一色のリーダーに望月が就任。
「しょうがねぇや。オレも男だからあんたとの約束をきっちり守るよ。UDGのベルト、悪冠の代表ならきっちり巻いてくれよな」
近藤も望月のリーダー就任に異存はない。そして悪冠一色を代表してUDG王座決定トーナメントに出る事に関してエールを送っていた。
悪冠問題が全て解決したことで、再び闘龍門にバッド・エンドが始まる。
(『週刊ゴング』2004.6.23号)

近藤のキングコング・ラリアットを警戒してか望月はしつこいくらい右腕を攻撃した。/
望月が腕ならこっちは足と。近藤はブルーBOXで望月の生命線である右足を攻撃。/
「オレたちは手を出さない」と悪冠のメンバーはリングサイドで闘いを見守っていた。/
近藤はゴリラ・クラッチで望月の足をジワジワと絞め上げる。望月はロープに逃れた。/
突っ込んで来た近藤に望月の右足が突き刺さる。カウンターで決まっただけに強烈だ。/
望月は近藤が持ち出した鎖を奪うと拳に巻きつけ殴りかかる。その顔は鬼の形相だ。/
望月の三角飛びキックが近藤の後頭部にヒット。近藤の表情がダメージの凄さを物語る。/
望月は近藤の肩口に飛び乗ると前方に回転してそのまま丸め込み決戦に終止符を打つ。/
試合後、望月と近藤はガッチリと握手を交わす。悪冠リーダー問題はこれで一件落着。/
控室で団結を誓いあう悪冠一色のメンバー。闘龍門にバッド・エンドが再び始まる。
(『週刊ゴング』2004.6.23号)

●2004.6.6本川越ペペホール・アトラス  望月成晃 vs 谷嵜なおき戦の試合後/vs 横須賀享&堀口元気組戦(P:大鷲透)/ドラゴン・キッド&新井健一郎&セカンド土井組 vs ミラノコレクションA.T.&YOSSINO&アンソニー・W・森組戦(UWA世界トリオ選手権戦)に乱入

悪冠一色激動の2日間を追う!(2)望月成晃を悪冠一色が集団リンチ

モッチー、わずか一日天下に終わる

悪冠一色のメンバーは"望月外し"で一致団結

前日の越谷大会で近藤を破り、晴れて悪冠一色のリーダーに就任した望月に悪夢が待っていた。リーダーとしての初戦は谷嵜なおきとの一騎打ち。厳しい攻撃を仕掛けて終始圧倒。最後はツイスターで文句なしの勝利を収めた。
事件が起きたのは試合終了直後。マイクを握った望月が何か喋ろうとしたその時、近藤がいきなりランサルセを敢行。それを合図に悪冠一色のメンバーが次々と"リーダー"の望月に暴行を加えていった。
「誰がオマエなんかについていくか。しょせんオマエは横須賀享と同じベビーフェースなんだよ」(近藤)
「オマエは悪冠一色クビや。オマエが入ってから悪冠一色の調子が悪くなったんや。望月、一日リーダーごくろうさん」(ブラザー)
悪冠一色のメンバーが出した結論はリーダー不要。望月追放。
もともと悪冠一色は近藤、ブラザー、大鷲の3人が好き勝手に暴れるところからスタートした。チームとしてまとまる必要などまったくなかったのだ。
それが望月の加入で微妙にバランスが狂った。好き放題暴れたいのにチームとしての戦略を立てる望月がいることは、彼らにとって足かせにしかならなかった。
ここ最近、あれだけまとまりを欠いていた悪冠一色がこの日は一致団結していた。チームをまとめようと躍起になっていた望月を追放すること。そんな動機でバラバラのチームがまとまるとは何とも皮肉なことだ。
わずか一日天下に終わってしまった望月は心身ともに大きなダメージを負った様子。このドラマはメインでまたまた急展開する------。
(『週刊プロレス』2004.6.23号)

試合後、望月を襲撃した悪冠一色のメンバーは一方的に三行半を突きつけた。「誰がオマエなんかについていくか」(近藤)/
完璧な試合内容で勝利した望月はマイクを握って近藤に語りかける/
近藤がいきなり望月にランサルセ。それを合図に悪冠一色のメンバーは次々と"リーダー"に攻撃を加えていく。菅原と近藤がサンドイッチラリアットを見舞い、ブラザーは悪冠一色カラーに染めたボックスで一撃。さらに大鷲のダイビング・ボディープレスで完全KOしてみせた。「望月はしょせん横須賀享と同じベビーなんだよ」(近藤)「オマエはクビや」(ブラザー)/
前日にリーダーに就任したばかりの望月だったが、まさかの裏切りにあって一日天下となってしまった
(『週刊プロレス』2004.6.23号)


悪冠一色激動の2日間を追う!(3)6・20有明で望月VS大鷲&近藤のハンデ戦決定

悪冠一色、業界史上最速の分裂劇!

「1対2でも1対5でもやってやる。意地を見せてやる」(望月)

ドラゴンキッド帝国とイタコネによるUWA世界6人タッグ選手権試合は、目まぐるしく攻守が入れ替わる一進一退の好勝負となった。
しかし、悪冠一色の悪夢はここにも飛び火する。土井のバカタレ・スライディングキックからアラケンが阪神タイガースープレックス。勝負ありかと思われたところで、悪冠一色が乱入し、試合をブチ壊してしまったのだ。せっかくの好勝負を台無しにされたとあって、ファンは大ブーイングと「帰れ」コール。ここまで会場全体が憎悪に包まれた闘龍門は久しぶりに見た気がする。
そんななか、第4試合で悪冠一色にボコボコにされた望月が登場。怒りに任せて猛然と襲い掛かったが、多勢に無勢。逆に返り討ちに遭ってしまう。すると今度は横須賀享が登場。これは望月を助けにきたというよりは、直前の試合で悪冠一色にやられたお返しの意味の方が大きい。
それでも享は望月に言いたいことがあった。
「ヒールを極めるって言って何ですかこのザマは。2月のディファは何だったんですか。オレの頭のキズは何だったんですか。もっとしっかりしてくださいよ」
それだけ言い残すと享は足早に控室へと消えていった。
リングに残った望月は正式に悪冠一色からの離脱を宣言。すると近藤は「悪冠一色を辞めたってことは7・4神戸ワールドのUDGトーナメントの代表はオレだな」と自己中心的なコメント。望月が悪冠一色を抜けるなら悪冠一色枠から出られないという言いがかりをつけてみせた。
前日に勝利している望月にすれば納得できるわけがない。「何ならもう1回やるか」と再戦を訴えたが、「昨日やったばかりで見たい奴なんていねえだろ」と近藤はアッサリと拒否。代わりに自分の用意するカードを受けてみろ、と挑発する。
怒りが収まらない望月は「何でもやってやる」と返答。これを聞いた近藤はニヤリとして「望月VS大鷲…&近藤」とハンディキャップマッチを一方的に発表したのだ。
望月は「どんなカードでもやる」とは言ったものの、あくまでも1対1と考えていたはず。それを逆手にとってこの上なく理不尽な要求を突きつけた近藤にはさらに大きなブーイングが飛ばされた。プロレス界史上最速(?)の分裂となった悪冠一色だが、「ヒールを極める」と宣言していた望月を放り出したことで、よりヒール色を強めることになった。
「1対2でも1対5でもやってやるよ。次のディファで悪冠一色は終わらせる。全員潰してやる」
望月は圧倒的不利の試合を受諾。これにより6・20有明大会での望月VS大鷲&近藤戦が決まった。
悪冠一色激動の2日間はひとまず幕を閉じた。しかし、悪冠一色が仕掛ける闘龍門の激動はまだまだ終わりそうもない。(佐久間)
(『週刊プロレス』2004.6.23号)

アラケンが阪神タイガースープレックスを決めて勝負ありかと思われたが、ここで悪冠一色が乱入。試合はノーコンテストとなり、ベルトはコミッショナー預かりとなってしまった/
「オレが10周年を機に一大決心して始めたものを半年で潰しやがって。今日でやめてやるよ」とTシャツを投げ捨てた望月/
悪冠一色の乱入で試合が無効試合になると、怒り心頭の望月が登場。物凄い勢いで飛び掛かっていったが、5対1ではかなうわけがなく逆に猛攻を受けてしまった/
マスクをはがされてしまったキッドを助けたのは何と欠場中のマグナムだった/
望月のピンチに今度は享が登場。セミでやられた悪冠一色に報復。「望月さん、ヒールを極めると言って何なんですかこのザマは。2月のディファは何だったんですか。オレの頭のキズは何だったんですか」/
望月の悪冠一色離脱を聞いた近藤は「神戸ワールドの悪冠一色代表はオレだな」。納得のいかない望月が抗議して「どんなカードでもやってやる」というとハンデ戦を要求。何て奴だ!/
投げ捨てられたTシャツ。悪冠一色は半年足らずで分裂
(『週刊プロレス』2004.6.23号)


望月成晃悪冠追放

史上最短のリーダー解任劇 トーナメント出場権剥奪!?

「明日から再びバッド・エンドの始まりだ」
悪冠一色のリーダーに就任した望月はお馴染みの言葉で昨日の最後を締め括っていた。まさかその言葉が24時間後、自分に降り掛かってくるとは…。
三角蹴り、レッグラリアット、そしてツイスター。これ以上ないという必勝パターンで望月は谷嵜を一蹴。するとリーダーの勝利を祝福しようと近藤を始めメンバー全員がリングイン。だが何やら様子が変だ。
近藤はランサルセで望月をコーナーに吹っ飛ばすと続けざまにキングコング・ラリアット。そしてブラザーが悪冠色に染められたレッドBOXで一撃。仕上げは大鷲のダイビング・プレスだった。
「誰がお前なんかについて行くと思ってんだよ。お前はしょせん横須賀享と同じでベビーフェイスしかできないんだよ」
この近藤の言葉で観客は事の成りゆきを把握した。
「今日でお前は悪冠一色クビや。一日リーダーご苦労さん」
ブラザーのこの言葉にブーイングが沸き起こる。これまで悪の限りをつくしてきた悪冠一色だが、この日のブーイングほど観客の怒りをストレートに表していたものはない。
悪冠一色の勢いはメインにまでおよんだ。
キッド、アラケン、土井組が保持するUWA世界6人タッグ王座に森を加えた新生イタコネが挑戦。両チームはクリーンなファイトで観客を魅了。ここで満を持してアラケンは阪神タイガースープレックスを放つ。
レフェリーがカウントを数える。ワン、ツー…すると悪冠一色の連中が乱入。その後には望月、享が続いた。リング上は大混乱となりUWA世界6人タッグは無効試合となる。
その間キッドはマスクを脱がされ場外にエスケープ。するとマグナムが姿を見せてキッドを抱えて控え室でと消えた。このマグナムの行動の意味するものは…今後の動きに注目したい。
リング上には望月、享、悪冠一色が顔を揃えていた。最初に口を開いたのは享。
「何なんですかこのざまは。ヒール極めるって言って半年たったらこれですか」
望月から出てくる言葉はならない。
「享に助けられた気分はどうだ。情けないな」
近藤は痛い所を突いて来た。
「お前らなんかに未練なんかない。悪冠一色、今日で辞めてやるよ」
近藤は望月からこの言葉が出るのを待っていた。
「今、何て言った。辞めるって言ったよな。だったら悪冠一色の代表はこのオレだ」
近藤はUDG王座決定トーナメントへの出場権を奪うつもりだ。だがそう簡単にはいかない。ならばと近藤は条件を出してきた。それも望月が絶対に断らないという状況を作って。
「6月20日、ディファ有明で望月成晃対大鷲透&近藤修司」
こともあろうに1対2のハンディキャップマッチを要求。
「1対2だろうが1対5だろうがやってやる。お前ら5人潰して悪冠自体を潰してやる」
とは言っても今の大鷲、近藤から簡単に勝星を上げることはできない。それも2人が相手となればなおさらのこと。
6・20ディファ有明大会はどんな結果が待っているのか!?
(『週刊ゴング』2004.6.23号)

思いもよらぬ近藤たちの造反劇に望月は為す術無し。この表情が全てを物語っている。/
メインのリングに雪崩れ込んで来た悪冠一色の面々。レフェリーは無効試合を告げた。/
菅原は観客の目の前でキッドのマスクを剥いだ。キッドはタオルで何とか素顔を隠す。/
突然マグナムが姿を現わしキッドを連れて控え室へ。この行動の意味するものは…。/
悪冠に恥をかかされた望月がメインのリングに登場。ジェットに強烈な膝を見舞った。/
最後に現われた享は不甲斐無い望月に「2月のディファは何だったんだ」と詰め寄った。
(『週刊ゴング』2004.6.23号)


早くも悪冠一色は大暴れ
標的となった横須賀享!

束になっての攻撃ならオレたちに任せろ。悪冠一色の連中は蟻の群れのように享を襲う。/
大鷲の巨体に押しつぶされた享はこの後で近藤のキングコング・ラリアットで葬られた。
(『週刊ゴング』2004.6.23号)

●「今さら人に聞けない闘龍門選手名鑑(CIMAの寸評付き)」

悪冠一色 アーガンイーソー
「スポーツライクになりすぎた(モッチー談)」闘龍門に久々に現れた悪の限りを尽くすヒールユニット。ある意味、ここ1年はこの軍団を中心に闘龍門は回っている。

近藤修司
もの凄い肉体を持った闘龍門イチのパワーファイター。破壊力抜群のラリアットは絶品。昨年はヘル・ミッショネルズばりにマスク狩りに精を出していたが、今年も6・6本川越で再開!
(CIMA選手の寸評)こいつはメキシコ時代に犬の肉を食ってたらしい。そういう噂があります。

TOPIX
モッチー、悪冠一色離脱!!
今年1月、まさかのヒールターンで近藤らと結託。ヒールユニット悪冠一色を結成したモッチーが、締め切り直前の6・6本川越大会で、メンバーの裏切りに遭い正式に悪冠一色を離脱した。若いT2P世代で構成される悪冠一色にあって、ただ一人のベテラン。しかも、一人だけヒールながら声援を浴びているとあって、メンバーとの溝が深まるばかりだったが、ついに爆発してしまった形だ。なお、6・20ディファでは、早速モッチーvs近藤&大鷲の理不尽ハンディマッチが決定。見逃せない!
(『紙のプロレス』2004.75号)

●『CIMAのプロレスCRAZY紀行 VOL37』

7・4神戸 『アニベルサリオ』をナビゲート

(前略)そして、空位になってるUDGのタイトルを懸けた4人によるトーナメント。最高の舞台で最高峰のベルトが懸かった。もちろん、最高の闘いを約束しますわ。
(中略)悪冠一色からはいったん、望月成晃に決定したかに思われたんやけど、モッチー追放(?)により、まだまだどうなるか分からん様子や。
もう1人出てくるとしたら近藤しかおれへん。まァ、モッチーにしろ近藤にしろ、どっちが出てきても正直、苦手な対戦相手や。近藤のパワーといったら、ウチのリングじゃ反則級やで。(後略)
(『週刊ファイト』2004.6.24号)

●2004.6.20ディファ有明 vs 望月成晃&横須賀享組戦(P:大鷲透)(U.D.G.王座争奪トーナメント・出場者決定戦ハンディキャップマッチ→タッグマッチ)

絶望、ケジメ、そして希望

孤立無援の望月、断髪で涙の訴え。「ワールドで組んでくれ」

7・4ワールドで新旧M2K組結成。勝者・近藤はUDG戦へ!

リングの上には、レスラー人生のどん底のなかで泥水をすする望月成晃の姿があった。6・6川越大会で悪冠一色を追放されて以来、望月は孤立無援の状態にある。
オープニングマッチではリングに飛び込んで、ドラゴン・キッド帝国(仮)に危害を加えつづける悪冠一色を蹴散らすも、アラケンに「助けてもらう筋合いはない」といわれる始末。独りになった望月には、帰る場所もいく場所もなかった。
そして迎えたメインイベント。望月はたった独りで近藤&大鷲に立ち向かおうとしていた。勝てば7・4UDG王座決定トーナメントに進出。望月はだれの手も借りずに、失いかけていた闘龍門内での居場所をなんとか確保しようとした。
ところが、試合開始後すぐに厳しい現実が望月を襲った。出足こそ快調だった望月であるが、近藤&大鷲は組織ぐるみで闘いをコントロール。セコンドをつぎつぎと闘いに投入し、あっというまに1人VS5人という戦況を作り上げることに成功した。
ここでリングに登場したのが横須賀享。悪冠に恨みを持つ横須賀は、リングに入るや近藤&大鷲を急襲。収拾がつかなくなったため、試合はいったんはノーコンテストの裁定が下された。
だが、近藤&大鷲が一歩も引かずに応戦したため、試合は急きょタッグマッチに変更。かつてオリジナルM2Kとして暴れ回った望月&享のコンビが、奇しくも復活することになった。
独りの力では何もできない。おそらく、望月はこのことを悟ったはずである。結果的に望月は横須賀に助けられる形で試合を続行。そこに横須賀がいなければ、望月の居場所はその時点で消滅していただろう。
しかしながら、近藤&大鷲の肉の壁はあまりにも厚かった。気迫を全身にみなぎらして闘うも、最終的には完敗。近藤のラリアットを食らい、ふたたび絶望の渕へと叩き落とされてしまった。(後略)
(『週刊プロレス』2004.7.7号)

5人で望月をいたぶった悪冠。試合は一時、ノーコンテストに(2分32秒)/
救出に駆けつけた横須賀が「1対5で試合になるか!」。試合は急きょタッグマッチに変更された/
ここ一番でしかみせないノータッチ・プランチャを発射した望月。この一戦に懸ける意気込みの表れか/
横須賀がジャンボの勝ちで近藤の分厚い体を吹っ飛ばした/
近藤のラリアットを食らった望月がこの表情
(『週刊プロレス』2004.7.7号)


望月の叫びに享、アラケン、土井が…
7・4神戸ワールドで一夜限りの団結


1対2の闘いのはずがリングの中は1対5という状況。だがそれは闘う前からある程度予想されたこと。望月は全てを承知でリングに立っていた。しかしこれを見かねて享がリングイン。無効試合と宣せられた一戦は急遽タッグマッチで続行された。
袂を分かち数年経っているものの体は覚えていた。望月と享はコンビネーションこそなかったもののタッチワークはスムーズに、大鷲と近藤を攻め立てた。戦況は先程とガラリと変わっていた。だが数でものをいう悪冠一色はジワジワと反撃。
そして2人を分断させると近藤のキングコング・ラリアットが望月に決まる。享はカットに入ることができず望月は3カウントを聞くことに。これでUDG王座決定トーナメントへは近藤が出場することになった。
ここ数週間で全てのものを失った望月。だが悪冠一色への怒りは失ってはいない。
「近藤がトーナメントに出るから悪冠は4人。今ここにいる4人で、ワールドで俺と組んでくれないか。俺も引くに引けないんだ。手を貸してくれ」
望月のこの言葉に快い返事が返ってくるはずもない。すると望月はハサミで自分の髪を切り出した。
「これは俺のけじめだ」
望月のこの行動にアラケンは「俺も男だよ。だがワールドでの一回だけだ」と一夜限りのチーム結成を約束した。
(『週刊ゴング』2004.7.7号)

1対2という不利な状況の中で望月はレッドBOXを奪い取ると近藤を一撃。/
乱戦を制したのは近藤。キングコングラリアットでUDGへの切符を掴む。
(『週刊ゴング』2004.7.7号)

●闘龍門7・4神戸ワールド記念ホール大会特集

(1)闘龍門勢力図チェック
悪冠一色(アーガンイーソウ)
元々は近藤、ブラザー、大鷲のはぐれ軍(仮)がベース。今年1月に望月が加入してチーム名がついた。しかし6月に中心人物だった望月を放り出し悪の道を突き進む。闘龍門ナンバーワンのルードユニット。

(3)闘龍門と神戸ワールド
2002年
T2P勢が初参戦したのは02年から。今をときめく近藤修司(当時はコンドッティ修司)もこの大会が初めてのワールドだった
(『週刊プロレス』2004.7.7号)

●2003.7.4神戸ワールド記念ホール  vs ドラゴン・キッド戦(「UDG王座決定トーナメント」1回戦)

キッドはトーナメント準決勝で近藤と対戦したが、ゴリラパワーの前に圧倒され、最後もリフトアップからのキングコング・ラリアットでねじ伏せられた。(後略)
(『週刊プロレス』2004.7.21号)

エル・ヌメロでは、キッドに敗れた近藤だったが、持ち前のパワーで粉砕。軽がるとキッドを投げ捨てた/
悪冠一色仕様のボックスを見事にドロップキックで吹き飛ばしたキッド。セコンドの介入も見事に蹴散らした/
試合後も近藤の非情な攻撃は止まらない。キッドのマスクを剥がすと、続けざまにキングコング・ラリアットを放った/
マグナムがキッドを迎えに姿を現した。「俺はキッドのよさを一番よくわかってるから」(マグナム)「はい!」(キッド)
(『週刊プロレス』2004.7.21号)


近藤強し!キッドはマグナム預かりに

これはエル・ヌメロ・ウノの決勝戦と同じ顔合わせになった。キッドも飛び技を駆使して頑張ったが、近藤が強すぎた。いや、あの時以上にパワーアップしているではないか。危険な投げを次々出してボロ布のようにキッドを叩きつける。最後はキングコング・ラリアットで倒し、マスクまで剥いでしまう。
ここでマグナムが出てきて「キッドは俺に任せてくれ。俺が預かるから」とアラケンと土井の前から連れ去った。キッドはDoFIXER入りなのか!?
(『週刊ゴング』2004.7.21号)

試合後、キッドのマスクを剥いだ近藤はさらにキングコング・ラリアットを叩き込む。エル・ヌメロ・ウノの雪辱を果たした。
(『週刊ゴング』2004.7.21号)

●2003.7.4神戸ワールド記念ホール  vs CIMA戦(「UDG王座決定トーナメント」決勝戦)

涙の独立記念日!

CIMAが最高の闘龍門を示して、全選手が次のステージへ旅立つ

最後に残ったのはCIMAと近藤だった

(前略)UDG王座決定トーナメント決勝の舞台でCIMAと向かい合ったのは近藤修司。4月のエル・ヌメロ・ウノ準決勝で苦杯を舐めた相手だ。
近藤のパワフルな攻撃には苦しめられた。ジャーマンで一回転させられ、ランサルセでは弾き飛ばされ、キングコング・ラリアットでは宙を舞わされた。セコンド陣の介入もあり、CIMAは苦戦を強いられた。
さらに勝負をかけた試合終盤には自ら放ったモナリザ・オーバードライブで右ヒザを負傷。ヒザがガクガクして踏ん張りが利かなくなった。とにかく苦しい闘いだったが、どんなにボロボロになってもCIMAには最高の闘いを見せる使命があった。CIMAの使命は闘龍門全体の使命。次のステージに進むために絶対に負けられなかったのだ。
そんな執念が最高のエンディングを生み出す。最後はヒザの痛みをこらえてシュバイン、マッドスプラッシュと繋いで近藤を撃破。第4代UDG王者に返り咲いてみせた。
そして試合後には全選手をリングに呼び出し、CIMAが一人ひとりに感謝の言葉を投げかけた。ユニットも敵味方も関係なく、リング上に集まった仲間たちと握手を交わし、抱擁を交わす。実はこのシーンは闘龍門の選手たちにとって、卒業の儀式だったのだ。(後略)
(『週刊プロレス』2004.7.21号)

悲願のUDG獲りに向けて近藤も燃えていた。パンチでCIMAの顔を歪ませ、キングコング・ラリアットで豪快に吹っ飛ばす/
CIMAはここ一番の大技「モナリザ・オーバードライブ」(トカレフからのローリングカカト落とし)を仕掛けた際に右ヒザを負傷。しかし、踏ん張りの利かない足でシュバイン、マッドスプラッシュと繋いで勝利を収めた。「足を痛めてからが使命だった。今日は闘龍門のベスト興行にするつもりだった」という執念の勝利だ/
最後は悪冠一色を除く全選手とレフェリーがリング上に集合して一致団結をアピール。感動的なフィナーレだった
(『週刊プロレス』2004.7.21号)


ネクストステージの扉をコジ開ける!
新王者CIMA、マグナムと誓いの抱擁


闘龍門の団体名を改称、新体制で発進
リング上に選手たちが集い結束を固めた


創立5周年記念大会を迎えた闘龍門が新時代に突入。それを象徴するかのようにCIMAが新王者に君臨した。
トーナメントを勝ち上がったCIMAは近藤のパワーに押され大鷲の不法介入、右足の負傷など、あらゆるマイナス要因を跳ね返し新必殺技モナリザ・オーバードライブ、シュバイン、さらに膝が抱える爆弾をも顧みずマッドスプラッシュで逆転勝利を収めた。
昨年の神戸大会で宿敵マグナムに敗れて王座から転落したCIMAは大きなハンデ差を背負った大鷲との抗争を通じ肉体改造、今回返り咲きに成功した。新王者CIMAは「この6回目の神戸大会にして初めての快感を味わいました」と超満員8000人のファンの前で号泣した。(後略)
(『週刊ゴング』2004.7.21号)


イタリアン・コネクション&DF連合軍からはYOSSINO、ドラゴン・キッド帝国からは国王キッド、悪冠一色から近藤修司、C-MAXからCIMAが参戦したUDG王座決定トーナメント。決勝に勝ち残ったのは近藤とCIMAだった。悪冠一色軍団の介入、近藤のチェーン首吊りなどに苦しまされるCIMAだったが、大鷲透の暴走に怒った岡村社長がリングイン、1対1の闘いに。近藤のキングコング・ラリアットをナカユビで返したCIMAが、ロープ際で倒れた近藤にトカレフ。最後はシュバインからマッドスプラッシュへつなぎ、22分にわたる激闘を制した。
(『紙のプロレス』2004.76号)

●2004.7.10北谷公園屋内体育館 vs CIMA&ドン・フジイ&TARU組戦(P:"brother"YASSHI&菅原拓也)

老舗C-MAXは貫禄の勝利

7・4神戸大会が再現。近藤はCIMAを抱えると対角線に走り込んでマットに落とす。
(『週刊ゴング』2004.7.28号)

●2004.7.16〜パンフレット

7・4神戸ワールドでのトーナメントでは、キッドへの借りもキッチリ返して決勝へ。CIMAに敗れてベルト奪取こそならなかったものの。エルヌメ決勝と同様、そのパワー殺法はCIMAを大いに苦しめ、改めて観客を驚嘆させた。望月追放にも成功し、悪冠一色を理想の形にできた今、近藤は一体、どんな手に出てくるのか? 失うものは何もない悪冠の、大攻勢まで待ったなし!


終着点にして出発点 至高のアニベルサリオ!
7・4神戸ワールド記念ホール大会、闘い模様SPECIAL

CIMA、トーナメントを制し王座獲得! そして、全選手に感動のメッセージ!
試合がクリーンに行われるようにとニュートラルコーナーで立ち会っていた大鷲。悪冠一色の乱入にも制裁を…と見せかけて、やっぱり最後は近藤に加勢。リング上も観客も混乱に陥れた/
近藤は一回戦に続き、パワー全開。全力でCIMAを攻め立てたが、一歩及ばなかった/
激闘に終止符を打ったのは、シュバインからのマッドスプラッシュ。見事なフィニッシュだった
トーナメント一回戦はCIMAと近藤が勝ち抜け!
今年のエルヌメ決勝の再戦となった、キッドvs近藤。今回は近藤が勝利し、4月の借りを返した

●2004.8.1ディファ有明 vs 望月成晃&新井健一郎&横須賀享&セカンド土井組戦(P:大鷲透&"brother"YASSHI&菅原拓也)

悪冠一色のボックス進化論

Final M2Kとの全面対抗戦に勝利。赤が青を食った!

近藤&ブラザーがビッグヘッドトレイン・ウィズ・ボックス。イケメン、土井の顔面を破壊しようとした/
空中に投げた横須賀の体をキャッチして、そのままオクラホマ・スタンピードを決めた近藤。ゴリラパワーをみせつけた/
お台場から走って会場に駆けつけたアラケン。そのままリングインして近藤に酒霧を噴射
(『週刊プロレス』2004.8.18号)


元祖ブルーボックスのファイナルM2Kか、"赤箱"の悪冠一色か。DRAGON GATEに改名後、初の東京大会のメインはこの遺恨対決(4対4イリミネーション)となる。(中略)
だが、土井が近藤のキングコング・ラリアットを食ってフォールされ、2対4という絶体絶命の状況となる。そしてここでやっとアラケンがリングに駆け込んできたのだ。
横須賀が奮起してシクロン・ラナで近藤をフォールするが、赤箱で殴られた横須賀はシクロン・ラナを返され菅原にピンを取られる。(後略)
(『週刊ゴング』2004.8.18号)

2対4のピンチを救ったのがアラケンだ。いきなり酒の霧吹き攻撃で近藤の出鼻を叩く。
(『週刊ゴング』2004.8.18号)

●2004.8.3DRAGON GATE ARENA vs 望月成晃&新井健一郎&横須賀享組戦(P:大鷲透&高木省吾)

巧みな販促攻撃でアラケンを痛めつけた近藤。チェーンで絞め上げると、そのまま首投げの要領でマットに叩きつけた
(『週刊プロレス』2004.8.25号)

●2004.8.10DRAGON GATE ARENA vs マグナムTOKYO&ドラゴン・キッド&ミラノコレクションA.T.&YOSSINO組戦(P:大鷲透&"brother"YASSHI&菅原拓也)

開始すぐに乱入してきた悪冠一色。会場は大ブーイング/
近藤&ブラザーがマグナムにダブルのキック。ラフだけではなく、見事な連係もできる悪いひとたち
(『週刊プロレス』2004.9.1号)


DFとイタコネの技を競い合った闘いに悪冠一色が乱入し、強引に8人タッグへと試合を変更。/
リングジャックした悪冠一色のメンバー。身勝手を絵に描いたような連中。
(『週刊ゴング』2004.9.1号)

●2004.8.14京都KBSホール vs 谷嵜なおき戦

本隊興行では通常のコスチュームで闘っている谷嵜。今大会では近藤のゴリラクラッチのまえに完敗(8分36秒)
(『週刊プロレス』2004.9.1号)

●「真・あぶない木曜日」私のPhoto自慢!

大好きな近藤修司さんとツーショット! 一生の宝物です☆
(『週刊プロレス』2004.9.1号)

●2004.8.22〜パンフレット

「お台場毎日プロレス」には背を向けて、我が道を行く悪冠一色。一般層など興味がないとばかり、Final M2Kらを相手に激しすぎ、悪すぎる闘いを展開し続けている。その中で近藤は、持ち前のパワーをさらにさらにアップ。思えば7・4神戸ワールドでのトーナメントでは準優勝までいっただけに、新たに作られた王座にも当然、興味はあることだろう。近藤が具体的な行動に出るのは、いつ、どこになるのか? その時まで、一瞬も気が抜けない!


マッチョの目
TOPIC3 "ジェット"高木省吾、ついに沈黙を破る!?
高木 俺はドリフでは高木ブーがいちばん好きだった。
---- ああ、なんとなくわかる気がします。
高木 ブラザーが志村けん、コンちゃん(近藤修司)が加藤茶、トオルちゃん(大鷲透)がいかりや長介、がっちゃん(菅原拓也)が仲本工事だとすれば…
---- 高木選手は必然的に高木ブー。
高木 俺はこのブー的ポジションを極めたいと思ってる。


トビラの向こうも激闘三昧!
DRAGON GATE 7〜8月の闘い模様

04.07.16〜04.07.25 KYUSHU
谷嵜!地獄の!?10番勝負!
佐賀・諸富では近藤が登場!キングコング・ラリアットで早や8敗目…

DRAGON GATE初の東京大会! 04.08.01 DIFFER
ますます冴え渡る、近藤のパワー殺法。上に投げた横須賀をキャッチして、そのままオクラホマ・スタンピート!

●2004.8.22名古屋国際会議場 vs ミラノコレクションA.T.&アンソニー・W・森組戦(P:大鷲透)

近藤が王子を片腕だけでリフト。会場中にどよめきが走った/
アンソニーに狙いを定めた悪冠一色最強タッグ。龍原砲で王子の体を破壊しようとした/
ミラノがATロックで近藤を捕獲するも大鷲がカット。ギブアップは奪えなかった/
近藤を逆十字で追い詰めたアンソニー。だが、そこに菅原が乱入
(『週刊プロレス』2004.9.8号)

●2004.8.24DRAGON GATE ARENA vs ミラノコレクションA.T.&YOSSINO&アンソニー・W・森組戦(P:大鷲透&"brother"YASSHI)/セミファイナル(CIMA&TARU組vs高木省吾&菅原拓也組戦)後に乱入

●vs ミラノコレクションA.T.&YOSSINO&アンソニー・W・森組戦

近藤はアンソニーの首をつかみ、そのままマットに叩きつけた。そこへ大鷲がD・ボディープレスを決めフォール。この日も販促攻撃でペースをつかんだ悪冠。菅原が乱入し、アンソニーをいたぶる場面も見られた
(『週刊プロレス』2004.9.15号)


●セミファイナル後に乱入

汚されたお台場の誇り

近藤の暴言に毎日プロレスのメンバー
5人が怒りの結束。悪冠一色との抗争へ

34回目の興行で、初めてお台場の空気に亀裂が入った瞬間だった。
「なんでお前らがこのお台場で毎日プロレスしてるか、分かってるのか?オレが教えてやるよ。お前らは実力も人気もない、DRAGON GATEの2軍なんだよ!」
試合後に毎日プロレスのメンバーを呼び出した近藤は、周囲の反応を楽しむかのように、薄笑いを浮かべながらゆっくりと吐き捨てた。
一見さんも多い会場は、あまりに辛らつな言葉に一瞬凍りついた。そして沸き起こるブーイングの嵐。
従来のファンを含めたDRAGON GATEの内側と、その外側にある世間。両者のはざ間で、このアリーナは絶妙な調和を保ってきた。対世間という面で、5人のメンバーは間違いなく最前線に立ってきた。
いまやそのプライドは汚され、調和は引き裂かれた。どよめきの中で所在無くうつむく5人。初めに口を開いたのはアラケンだった。
「俺たちを否定するヤツは、たとえ総理大臣だろうとぶん殴ってやる。オレはそういう気持ちでやってきたんだよ。どうすんだ、お前ら!」
ほつれた調和の隙間から、抑えようもなくあふれ出した怒り。それは、所属チームの異なる5人を、ひとつに結びつける道しるべとなった。
「ここまで言われて黙ってられるか!」。怒りに震える声でシーサーが応える。アンソニー、斎藤了に続き、弱気になっていたTARUが「年寄りのオレやけど力貸してくれ」と決起の意志を固めた時、5人はユニットの枠を超えてひとつになった。
怒りの絆で結束した"チーム冒険王"は、汚された誇りの借りを返すべく、悪冠一色に挑む。(茂原)
(『週刊プロレス』2004.9.15号)

試合後、リングに入ってきた近藤は「年寄りにはよお、毎日プロレスはしんどいよな」と大の字のまま動けないTARUを踏みつけて嘲笑/
前日に40歳になったTARU。試合後には「近藤の言うとおり、オレはこの団体に必要ないのかもしれない」と弱気だったが、試合では気迫みなぎる攻防を展開した/
近藤に「DRAGON GATEのお荷物」とコケにされた毎日プロレスのメンバー。それぞれが怒りを露にし、ユニットの枠を超えた結束の意思を確認し合った
(『週刊プロレス』2004.9.15号)


この夏、一番熱い四十歳

お台場の仲間達とファイナル・ステージで悪冠一色を迎え撃つ

7月17日からスタートしたフジテレビお台場冒険王2004「お台場毎日プロレス」も、いよいよゴールを迎えようとしている。本隊とは離れ、お台場部隊となった選手たちは1日2試合という過酷なスケジュールの中、ユニットの壁を超え1つの絆で結ばれていた。
そこに水を差したのが悪冠一色の連中。セミファイナルで菅原がTARUからフォールを奪うと近藤がマイクを手にした。
「今までお台場で毎日試合してたヤツ出て来い。お前らは人気もない、実力もないDRAGON GATEの二軍なんだ。お前らは会社にとって必要のないお荷物なんだよ」
この言葉に黙っているお台場部隊ではない。アラケンはマイクを掴むと声を大にしてこう叫んだ。
「アトラクションも何にもやんないあいつらに否定されて…斎藤了、シーサー、森、TARUさん、何か言って下さいよ」
菅原の十三不塔のダメージが残るTARUはゆっくりと起き上がり静かな口調で続いた。
「今、お前らの気持ち、お前らの声を聞いてもうひと頑張りしようと思う。こういう気持ちにさせてくれる仲間がオレにはいる。オレも黙っていられない。年老いたオレに力を貸してくれ」
ファイナル・ステージのリングでお台場部隊は悪冠一色を迎える。この夏、一番熱い四十歳。TARUに全ては託された。
(『週刊ゴング』2004.9.15号)

試合後に雪崩れ込んで来た悪冠の近藤がTARU&お台場メンバーを罵倒。/
お台場メンバーが入場ゲートに姿を見せると、その顔は怒りで満ちあふれる。
(『週刊ゴング』2004.9.15号)

●2004.8.31DRAGON GATE ARENA vs TARU&新井健一郎&斎藤了&アンソニー・W・森&カラオケマシーン1号組戦(P:大鷲透&"brother"YASSHI&高木省吾&菅原拓也)

(前略)この日のメインで行われた、チームお台場とヒール軍団・悪冠一色の因縁は、前週のプレミアムマッチでスタートした。第4試合後、菅原拓也に敗れたTARUに対し、セコンドの近藤修司がマイクを持ち「TARU、残念だったなあ。年寄りには毎日プロレス、厳しいだろ」とTARUを揶揄。さらに「ひとつ言いたいことがあるんだよ。毎日プロレスに出てるヤツらリングに上がって来い」と、新井健一郎、アンソニー・W・森、スペル・シーサー、斎藤了らをリングに呼び込んだ。近藤は「お前らが本隊に合流しないで、毎日プロレスしてる理由わかってるのか?お前らは2軍なんだよ。オマエら、はっきり言ってDRAGON GATEのお荷物なんだよ。プロレスやめちまえ」と、暴言を吐き、リングを去った。
残されたのは後に"チームお台場"と命名される5人。先頭に立って『お台場毎日プロレス』を引っ張ってきたアラケンは「TARUさん、俺らは普段、ユニットも違うバラバラのメンバーだった。最初はお客さん相手に何していいかわからなかった。だけど、だんだん1つになってきて、お台場プロレス、すげぇ盛り上がって来たと思うんだよ。俺はたとえ総理大臣であろうと、俺たちの頑張りを否定するヤツはブン殴ってやる。そういう気持ちだった」と、怒りをあらわにして言い放った。
この言葉に、アンソニー、シーサー、斎藤了も同意。TARUも「年寄りの俺やけど、力かしてくれ」と、4人に共闘をよびかけた。
DRAGON GATEにしか実現できなかった"毎日プロレス"を経て出来た、ユニットを越えたつながり。5人はその絆を手に、自分たちが過ごした夏を侮辱した、近藤修司率いる悪冠一色へ立ち向かうことを決めた。
31日、チームお台場がすべてをかけて挑んだ一戦は、毎日プロレスのムードメーカー・斎藤了がメッセンジャーでカウント3を奪取。文句なしの勝利によるハッピーエンド。(後略)
(『紙のプロレス』2004.79号)

●「真・あぶない木曜日」

★こんにちは。この夏、"お台場毎日プロレス"に行きました。そして、一つ試合内容以外で心に残ったことがあります。悪冠一色の近藤修司選手って、お笑いトリオ「ロバート」の秋山さんに似ていませんか? 試合後に横の席の親子(初観戦と思われる)も話していました。(読者からの投稿)
(※近藤修司の写真とロバート・秋山竜次さんの写真)
A これは似てる!
(『週刊プロレス』2004.9.22号)

●OPEN THE DREAM GATE! 9・17代々木大会直前。CIMAvs横須賀享を読み解く

(1)CIMAvs横須賀 徹底比較
横須賀享
[人の技で自分のモノにしたい技]
ラリアットを極めたい。
「使い手がたくさんいるので、その中でも一番極めたいですね。近藤のキングコング・ラリアットとかも凄いですからね」

CIMA
[自薦ベストバウト]
対近藤修司(04年7月4日、神戸ワールド記念ホール)
(『週刊プロレス』2004.9.29号)

●「こちら文京区白山永楽前ゴング編集部」

ちょっとだけよぉ 気になるあの人に…スポットライト

"b"YASSHI(DRAGON GATE)
これからは臭メンの時代や

(前略)ドレッドヘアーにして半年、ようやく理想の体臭になったってことよ。この頭だからシャンプーできへんし。そうこうしてるうち風呂にも入らなくなったってわけよ。今のオレのMY BOOMは体臭を七色の匂いにすることなんや。実はこれが今、悪冠一色でも流行って。コンちゃん、ガッちゃん、透ちゃん、それにジェットまで風呂に入らない。そんでもってイケメンに対抗して"臭メン"を結成したってわけよ。臭メンや臭メン。このコーナーを読んでいるお前、お前や。お前からも臭メンの匂いがプンプンするぞ!
(『週刊ゴング』2004.9.29号)

●2004.9.17〜パンフレット

9・17代々木では菅原と組み、アンソニー&斎藤了組と敗者髪切りタッグマッチに臨むことになった近藤。そもそもこの試合は菅原とアンソニーの因縁から組まれたものであり、一見、近藤には直接関係ないかのように見える。だが、思い出してほしい。「はぐれ軍団(仮)」として始動した頃、団体中のマスクマンからマスクを剥ぎまくっていた近藤を! それが今度は、髪の毛になるのか? "ハンター"近藤の動きが気になる!


Rey de Parejas(レイ・デ・パレハス)〜初代OPEN THE TRIANGLE GATEチャンピオンチーム決定リーグ戦〜
激戦必至!初代王座を手にするのは、どのチームだ!?

昨年に続き、今年もタッグの祭典「Rey de Parejas」の開催が決定した。昨年はドッティ修司(現・近藤修司)、"brother"YASSHI組が優勝した同大会だが、今年はひと味もふた味も違う。トリオでの開催となった上に、優勝チームは初代OPEN THE TRIANGLE GATE王者チームとして認定されるのだ。激闘を駆け抜けて、ベルトを掴むのは一体、どのチームなのか?

悪冠一色からは、昨年のタッグリーグで優勝した近藤修司、"brother"YASSHIのコンビに菅原拓也を加えた陣営。その動きの良さで評価の高い菅原が、ここで一気に名を上げるか?
悪冠一色の場合は、出場するのが誰であれ、常にフルメンバーでの総力戦となるため、他のチームには厄介なことこの上ない存在だ。実質、彼らだけは5人でエントリーしているようなものなのだ。

昨年の「Rey de Parejas」を制したのは、ドッティ修司(当時)、"brother"YASSHI組。今回は果たして?


運命の鍵は享の手に!!
DRAGON GATE 8月の闘い模様

お台場プレミアムマッチ激闘録

8.24 4th SATGE
セミのタッグでは菅原がTARUに勝利。すると近藤がTARU、アラケンらお台場メンバーに「お前らは2軍。DRAGON GATEのお荷物なんだよ!」と侮辱発言。決起したお台場軍は悪冠一色との全面対決を決意

●2004.9.17国立代々木競技場第2体育館 vs 斎藤了&アンソニー・W・森組戦(P:菅原拓也)(敗者髪切りマッチ)

悪冠一色はアンソニーの髪を切るべく2人がかりで集中攻撃/
パワフル&ラフで近藤が大暴れ/
近藤が背後からランサルセ。そして菅原が十三不塔を決めて勝負が決した
(『週刊プロレス』2004.10.6号)


この日の主役ではなかったが、近藤のパワーは相変わらず。ランサルセのダブルでぶっ飛ばす。
(『週刊ゴング』2004.10.6号)

●「マッチョ記者のDRAGON GATE広人苑」

末恐ろしい20歳
がっちゃんって何者だ!?

"がっちゃん"こと菅原拓也は、極めて高い将来性を秘めているレスラーだ。年齢は弱冠20歳。悪いことばかりやってはいるけれど、よく見れば顔だちはかなり整っている。以前はぽっちゃりしていた肉体も、近藤修司式トレーニングで徐々にビルドアップされてきた。(後略)
(『週刊プロレス』2004.10.6号)

●「こちら文京区白山永楽前ゴング編集部」

LAUNDRY
どんな匂いもこれで解決
近藤ランドリーにおまかせ


DRAGON GATE内で悪の限りを尽くす悪冠一色の連中。そんな彼らが先週号で"臭メン(臭メンとは体臭が匂う男のこと)"であることが判明。リーダー格のブラザー曰く「フレグランスなんてしてる場合ちゃうぞ。天然のフレグランスは汗の匂いや」とのこと。
とはいえ誰かに会う時に匂いがきついのはどんなものか。
そんな質問をぶつけたところ「大丈夫。そんな時のために近ちゃんがいるんや」と返ってきた。何でも近藤修司の洗濯方法に謎が隠されているらしい。当の近藤に聞いたところ「教えてあげましょう。近藤ランドリー」と。
近藤ランドリーとは近藤修司の洗濯方法。まず用意するモノはタライに熱湯。決してぬるま湯、水は使用しないこと。その中に洗濯物と洗剤を入れるのだが、洗剤の代わりにシャンプー、トリートメント…ありとあらゆるものを入れるらしい。そして木製のハンガーでぐるぐると。
洗い上がった洗濯ものはちょっとやそっとの匂いに負けないらしく、汗をかく度にシャツからはシャンプーの好い香が漂ってくるらしい。

▲近藤ランドリーで匂いの悩みを解消。
(『週刊ゴング』2004.10.6号)

●2004.10.3〜「Rey de Parejas OPEN THE TRIANGLE GATE CHAMPIONSHIP」パンフレット

(悪冠一色「近藤修司&"brother"YASSHI&菅原拓也組」)
昨年の「Rey de Parejas」では近藤、ブラザー組で優勝をもぎ取っている悪冠。トリオとなった今年は、菅原を入れての編成となった。9・17代々木では敗者髪切りタッグを闘い勝利を得た菅原だが、こと時の勢いという点においてはユニットの中で一番と言っていいだろう。今回のようなリーグ戦の場合、そういう"勢いのある"選手が一人いれば戦力としてかなりの違いがある。そのあたりを睨んでの抜擢だろうか? まあ、そもそも悪冠一色の闘いぶりはセコンドの介入が当たり前の「全員参加型」。今回メンバーに入っていない大鷲や高木も、ほとんどエントリーしているようなもの!? そう考えれば、悪冠一色の優勝の可能性はかなり高いようにも思えるが…果たして!?

●2003.10.3博多スターレーン vs CIMA&TARU&鷹木信悟組戦(「Rey de Parejas」公式戦)(P:"brother"YASSHI&菅原拓也)

巧みかつ流れるような連係で鷹木をイタめつけた悪冠一色。なりふり構わず、叩き潰しに出た/
パワーファイターの近藤を相手にしても一歩も引かなかった鷹木。ブレーンバスターで投げきると、大歓声が起こった/
フィニッシュは近藤の強烈なキングコング・ラリアット。悪冠一色にとっては幸先のいいタッグリーグのスタートに
(『週刊プロレス』2004.10.20号)


ニュージェネレーション
鷹木がベールを脱いだ!

(前略)相手は悪冠一色。いきなりブラザーが鷹木に突っかかる。(中略)
続いて近藤がリングイン。タックルをかますが鷹木は倒れない。ならばもう1発。これを鷹木は意地で踏ん張る。並みの新人ではない。いや、新人ではなく、CIMAに言わせるとニュージェネレーション…DRAGON GATEの新世代だ。
鷹木はこれだけで存在感を博多のファンの目に焼きつけた。
だが様子を見るのはここまで。悪冠一色は束になって鷹木に攻撃を加える。途中、CIMAとTARUが反撃に出るが長くは続かない。そして最後は近藤のラリアットで鷹木はマットに崩れ落ちた。
試合には敗れたが悪冠一色の集中砲火を食らう中、鷹木の目は死んでいなかった。CIMAが言っていた練習しても身に付かない持って生まれたもの。鷹木のその気迫にそれを感じた。
(『週刊ゴング』2004.10.20号)

鷹木は早くも悪冠一色の洗礼を受ける。ブラザーと菅原に両サイドを掴まれ身動き取れない鷹木に向かって近藤は悪冠カラーのBOXで殴りつけた。
(『週刊ゴング』2004.10.20号)

●「マッチョ記者のDRAGON GATE広人苑」

"フロリダの世界"の住人
ベーカリー八木のレフェリー道

(前略)昨年の秋まで、八木は現役のレスラーとして活躍していた。だが、悪冠一色(当時ははぐれ軍団)にイジめられて、泣く泣くレフェリーに転向。現在にいたっている。
「あのころは悔しかったですけど、ぼく自身レスラーとして悩んでいた時期だったんです。いま考えると、ぼくはレフェリーに向いてるのかなって思います。ただ、悪冠一色はいまでも好きじゃないですね」(後略)
(『週刊プロレス』2004.10.20号)

●「マッチョ記者のDRAGON GATE広人苑」

"ゴリラパワー"近藤の意外な趣味
目標は夢の印税生活!?


近藤修司がマックを買った。といってもハンバーガーではない。アップルコンピュータの、マッキントッシュのマックである。
大学時代、近藤はその図体の大きさからは想像できない意外な趣味を持っていた。それは、打ち込みでの音楽制作。ラグビーの練習後、自宅に戻っては夜な夜な曲を作っていたという。
「大学のころ、暇で暇で。練習終わってウチに帰ると、何もすることがねえんだよ。練習あるからバイトはできねえだろ。勉強なんて最初からやらねえし」
そこで手を着けてみたのが、マシンを使っての楽曲作り。音楽はそれほど好きなほうではなかったが、まるで何かに引きずり込まれるように、作曲のおもしろさにハマっていった。
「まあ、遊びでやってただけだよ。仲間で、ひとりギターができるやつがいたんだよ。ああ、ギターいいなあと思って。それで俺も何かやろうと思ったんだけど、ドラムはウチに置けないし、歌もそんなにうまくないし。だったら、俺は(演奏よりも)作るほうだなと思って」
近藤は楽譜も読めないし、ピアノも弾けない。だが、キーボードやドラムマシンなどを器用に操って作曲活動に勤しんだ。
「ドラムがあってベースがありゃあ、なんとなく曲になるんだよ。あとはそれに適当に歌詞つけて。フザけた下ネタの歌詞ばっかりつけてたな」
プロになろうなんて意識はまったく持っていなかった。近藤いわく、楽曲作りはたんなる「遊び」。しかし、妙に熱が入ってしまい、結果的に機材にはかなりのお金を投じることとなった。
「あれって金がめちゃくちゃかかるんだよ。ローンで身を滅ぼしながらやってたよ」
プロレス入りしてから、しばらくは音楽とは無縁の生活を送っていた。ところが、最近になって、音楽制作のすぐれたソフトがあることを耳にした。
「なんか、中澤(DRAGON GATE音響担当)に聞いてみたら、いまはおもしれーセットがあるんだよな。俺の学生時代のころよりも進歩してる。こりゃ暇なときに遊べるなあと思って」
近藤はさっそくマックとiPod(デジタル・オーディオプレーヤー)を購入。現在は数年ぶりに音楽と戯れている。
「そうなんだよ、買ったんだよ。打ち込み以外にもやりたいことがあって、持ってて損はないだろうと思ってね。ホントは自分の入場テーマも作りたいんだよな。こんど(現在の曲の)ドラムを抜いたデータを借りるんで、いろいろイジってみるよ」
ちなみに、好きなジャンルは「なんともいえない激しいやつ」。好きなアーティストは「プロディジーとか、あのへん」。このあたりの好みは、プロレスラー・近藤修司のイメージと合致している。
学生時代と同じように、マックでの楽曲作りはあくまで趣味。だが、抱いている夢は両肩の筋肉のように必要以上にでかい。
「目標は印税生活。夢の印税生活で、毎日肉食って、毎日遊んで暮らしたい」
マック片手に果てしない夢に向かって走りつづける近藤修司。ところで、あの太い指でキーをちゃんと押せるんだろうか?
(『週刊プロレス』2004.10.27号)

●2004.10.16千葉ポートアリーナ vs 望月成晃&横須賀享&K-ness.組戦(P:"brother"YASSHI&菅原拓也)(「Rey de Parejas」公式戦)/vs 望月成晃&横須賀享&K-ness.&新井健一郎&セカンド土井組戦(P:"brother"YASSHI&菅原拓也&大鷲透&高木省吾)

自称・優勝候補
勝ち取った0点


よくよく考えれば、FinalM2Kは打倒・悪冠一色を誓った男たちが集ったユニットである。悪冠一色を壊滅に追い込むために結成された軍団、といってもいいだろう。
K-ness.&横須賀のクネスカは、昨年度のタッグリーグ戦では近藤、ブラザー組に優勝を阻まれた。さらには、ほんの数カ月前には望月が悪冠一色を追放されている。様々な遺恨を積み重ねてきた両軍の公式戦。やはりというべきか、試合はきれいな結末をみせることはなかった。
闘いは序盤から大荒れの様相を呈した。さきにボックスを手にしたのは悪冠一色。これが試合を裁いていたレフェリーの頭部に誤爆。直後には両軍のセコンドがリング上で大乱闘を展開。試合はいったんノーコンテストの裁定が下された。
しかし、今回の一戦は得点を奪い合う公式戦。この結果を認めなかった神田本部長は、すぐさま試合の延長を決定。あくまで勝敗を決するよう、仕切り直しを選手たちに命じた。ところが、延長戦でも決着はつかず。ファイMは三角蹴り、ジャンボの脚、ツイスターで菅原をたたみかけていくも、セコンドの高木がレフェリーの脚をすくって3カウントを阻止。ふたたび乱戦へと戻った闘いは、そのまま場外乱闘へと突入。
カウント19で望月はリングに上がろうとしたが、ここでブラザーが練習生を投げつけて望月をエプロンから転落させるという暴挙に。メインであるにもかかわらず、試合は悪冠一色の狙いしました両軍リングアウトで幕を閉じた。
「おい雑誌! プロレス専門誌ちゅうのがふたつあるやろ! 優勝候補がファイMてなんじゃ! どこも俺らの名前書いてへんやんけ! 去年どこが優勝したか知ってるんか! 会社に乗り込むぞ! 去年は俺らが優勝したんじゃ! ことしも優勝して、俺らが、俺らが、悪冠一色の俺らがハッピーエンドみせたるからな! 勝ち狙いの俺らの試合、ようみとけ!」
そうわめき散らすと、ブラザーは股間をボリボリかきながら控室へと消えていった。「勝ち狙い」や「ハッピーエンド」という言葉に矛盾を感じずにいられないが、マスコミに腹を立てているのはマジのよう。自称・優勝候補として、今後もリーグ戦を混乱させていくであろう。
一方のファイMは、オリジナルM2K時代に得意としていた両リンにこんどは自分たちが泣かされることとなった。打倒・悪冠一色も果たせず。どちらかといえば、今大会で痛い思いをしたのはファイMのほうだった。優勝争いはいまだ混沌。決勝戦での再戦はありえるか。(藤本)
(『週刊プロレス』2004.11.3号)

昨年度の決勝戦での遺恨を引きずった一戦となった悪冠一色VSファイMの公式戦。ポーン!と放り投げた横須賀の体をキャッチした近藤が、そのままアバランシュホールドを決めた。悪冠一色は今年度のリーグ戦を引っかき回すか/
試合前にはブラザーが「勝ちにいく!」と宣言。その言葉どおり、序盤では真っ向勝負を展開していた/
クネスの肩を狙っていった近藤。今回は両リンに終わったが(クネスは)「優勝すれば、それがリベンジしたことになる」と試合後には前向きなコメントを残した/
近藤のレッドボックス攻撃が玉岡レフェリーに誤爆。その直後には、両軍がセコンドを交えての大乱闘を展開。試合はノーコンテストの裁定が下された/
熱くなった両軍は場外でも激しくやりあった。望月がカウント19でリングに戻ろうとしたが、ブラザーが練習生を投げつけてこれを阻止。結果は両軍リングアウトとなってしまった/
ある意味、この一戦のキーパーソンとなったのが、決断を下すスピードには定評のある神田本部長。試合がノーコンテストに終わるや、すぐに延長戦を決定。5対5の再延長戦も即決してみせた/
急きょラインナップされた再延長戦。アラケンらも加わり、5VS5でおこなわれた/
延長戦では望月が久々にプランチャを決行。好勝負に発展するものと思われた/
最後は横須賀が横須賀ライナーで菅原をフォール。ようやく決着がついた(3分54秒)
(『週刊プロレス』2004.11.3号)


望月と享の合体攻撃がレフェリーに誤爆。この後、近藤が悪冠BOXでレフェリーの顔面を殴打しノーコンテスト/
近藤はレフェリーに続いて望月を悪冠BOXで狙ったが…前蹴りが待っていた。
(『週刊ゴング』2004.11.3号)

●2004.10.22横浜赤レンガ倉庫 vs ミラノコレクションA.T.&YOSSINO&アンソニー・W・森組戦(P:"brother"YASSHI&菅原拓也)(「Rey de Parejas」公式戦)

悪用一色

いっさいの反則を禁じた神田本部長の正義感が裏目に
特別ルールを逆利用した悪冠一色がイタコネを破る


もとをたどればT2Pにいきあたる。それがイタコネと悪冠一色の関係だ。闘龍門ジャパン時代、ミラノたちあイタコネを存続させる一方で、近藤らはルードへの道を歩みはじめた。ルーツがいっしょだけに、かえって両軍の確執は根強いものがある。ひとたび交われば収拾のつかない大乱闘になるのも、そのためだ。
案のじょう、試合前のMCで悪冠一色がイタコネを襲撃。騒乱状態を作り出してみせた。これに対し、冷静な対応をとったのが、神田本部長。メインには両軍による6人タッグリーグ公式戦が組まれている。10・16千葉の二の舞は許さないとばかりに、本部長は凶器の使用、セコンドの乱入は即、反則負けにするとアナウンスした。近藤組には明らかに不利なルールだ。
ところが、悪冠一色とは我々が考える以上の"知能犯"だった。試合中に高木省吾が現れリングに突進の構えをとった。異変を察知した神田本部長(レフェリー)はサッとリングを下り、反則行為を身をもって制した。乱入で試合終了の選択肢もあった。が、この試合の本部長の役割は、チャンピオンシップの行方がかかった試合だからこそ、キッチリした決着をつけるところにあったのだ。
にもかかわらず、本部長の見えないところで悪冠一色がボックスを使いまくた、一時はYOSSINOの手に渡ったものの、本部長がとりあげて試合を続行させた。これがかえってイタコネには命取り。レフェリーの視覚を突いた急所打ちからの十三不塔で、菅原が悪冠一色に作戦通りの2点をもたらした。
"本部長の正義感"を利用した悪冠一色。すべては彼らの思い通りに進んでいるのか。(新井)
(『週刊プロレス』2004.11.10号)

試合前のMCでイタリアンコネクションと悪冠一色が乱闘騒ぎ。これを収拾しようとした神田本部長が、公式戦での特別ルールをアナウンスした/
反則行為のすべてを禁止させられた悪冠一色。凶器の使用、乱入は即、反則負けをとられることになった。近藤組には不利なルールとなったのだ。/
正々堂々闘ってほしい。神田本部長がそう望んだメインは、やはりめまぐるしい展開に/
ボックスの使用をやめさせようとする神田本部長。YOSSINOがこのまま使っていたら、イタコネが反則負けをとられていただろう。そして結果的にこの試合では、皮肉にも神田本部長の正義感が完全に裏目に出てしまった/
高木省吾がリングめがけて突進。これを発見した神田本部長が制止に入った。しかし、本部長の背後では…/
レフェリーの見えないところでレッドボックスを使いまくった悪冠一色。すべては、近藤組の狙い通りだった/
フィニッシュは、菅原の十三不塔。YOSSINOが完全な3カウントを奪われた/
「絶対に今日の負けは認めない」と、ミラノは激怒/
首位をいくイタコネを破り、2勝目をゲットした悪冠一色。近藤と菅原は不敵な笑みを浮かべていたが、ブラザーだけは苦しげな表情
(『週刊プロレス』2004.11.10号)

●2004.10.24ディファ有明 vs マイケル岩佐&ダニエル三島&ジョンソン・フロリダ組戦(P:"brother"YASSHI&菅原拓也)(「Rey de Parejas」公式戦)

ハンソクガチッテ、イタイデ〜スネ〜

やられたフリのつもりがホントにやられたフロリダエキスプレス

"新戦力"を獲得したマイケルとダニエルが、フロリダエキスプレスとなってリーグ戦を疾走中…と書きたいところだけれど、頼みのジョンソンがどうも弱っちくて不安定ときた。
そのうえ、ジョンソンは開始ギリギリにならないとフロリダのムーブをおぼえられないらしい。入場直後、リング上でイスの受け渡しを実演するのはデモンストレーションではなく、練習なのだ。本人たちは、レフェリーに見られていることに気づいているのだろうか。
「ワタシたちのセカイに引きずり込んで、アノヒトたちのオチャメなブブンを引き出しましょう」といっていたフロリダ。しかし悪冠一色との公式戦はジョンソンの捕まるシーンがどうしても目立ってしまった。場外戦でも劣勢をしいられマイケルがパントマイムで作ったガラスはブラザーにぶち破られた。マイケルとダニエルはこれまでに見せたことのないような不安げな表情。大丈夫か?
とはいえ、フロリダにもチャンス到来。ジョンソンが"予行演習通り"、イスを相手にパスし、やられたフリへ。ところが、近藤が涼しい顔でイスをキャッチし、持ったまま。玉岡レフェリーは不動の姿勢で動向をチェックしている。そして近藤が、バコンバコンとイスを振り下ろした。この行為を確認してからレフェリーはゴングを要請。勝ちは勝ちでも"いつもと違うホントの反則勝ち"だ。
痛い思いをしたジョンソンだが、これってもしかしたらファインプレーか。野球でいえば、デッドボールで押し出しサヨナラになったようなもの。「ヨソーガイじゃない。いつもドーリですよ」と、マイケル&ダニエルだけが"やられたあとに"胸をはっていた。(新井)
(『週刊プロレス』2004.11.10号)

CIMAの負傷欠場により、フロリダvs悪冠一色の公式戦がメインに。「ワタシたちここまでノボりつめたよ〜」(マイケル)/
「(悪冠一色の)オチャメなブブンをヒキダシましょう」といっていたマイケルだが、フロエキのマジメなファイトが引き出された
1対3の状況からジョンソンが脱出をはかる。菅原の突進をかわし、ヘッドシザースホイップからコーナーのマイケルにタッチ/
一気に不利な体勢から立ち直ったフロリダエキスプレス。マイケルのラリアットからダニエルがバックドロップ(本人曰くルー・テーズ)を決めてみせた/
こんなに曇った表情のフロリダを見たことがあるか。悪冠一色による怒とうの攻撃で大ピンチ。ダニエルが救出に入るも、すぐにつかまってしまった/
結果的には負けてしまった悪冠一色だが、彼らの態度は勝者そのもの。「なんでリーグ戦にお笑いが入ってんだよ。ふざけんじゃねえぞ!」(近藤)/
ジョンソンがイスを投げつけ、やられたフリ。しかし近藤はその手には乗らず、イスでめった打ちに。ことの経緯をしっかり見ていた玉岡レフェリーがゴングを要請。"反則負け"に激怒した近藤が、パワーボムで玉岡レフェリーを思いっきり机に叩きつけた/
フロリダエキスプレスが反則勝ちで2点をゲット。とはいえ、今回ばかりはいつもとちがい、痛みのともなうホントの反則勝ち
(『週刊プロレス』2004.11.10号)


フロリダのペースに付き合うことなく悪冠は最後まで悪冠カラーを貫く。最後はフロリダが持ち出した椅子で近藤がジョンソンをメッタ打ち。初めてフロリダは言葉は悪いが本当の反則技を食らって勝ちを手にした。
(『週刊ゴング』2004.11.10号)

●2004.10.24ディファ有明 vs 望月成晃&横須賀享&K-ness.&TARU&鷹木信悟組戦(P:大鷲透&"brother"YASSHI&高木省吾&菅原拓也)

異常事態のなか、DRAGON GATEがプロレス団体としての底力をみせつけた。10・22横浜大会でマグナムTOKYOが右足を負傷。そして、翌10・23浜松大会では、こんどはCIMAが腰を痛めて戦線離脱。今回のPPV大会は、2大エースが不出場という危機的状況のなかで開催された。
今大会、CIMAらC-MAXはFinalM2Kと公式戦を闘うはずだった。だが、CIMAの欠場により試合はファイMの不戦勝に。代わってメインに繰り上がったのはこの日唯一の公式戦となった悪冠一色VSフロリダエキスプレスの一戦。
試合は悪冠がイスでジョンソンをメッタ打ちにして"普通に"反則負け。大会は、なんとも締まりのない結末を迎えようとしていた。
ところが、この結果をよしとしない男たちがいた。悪冠は制止に入った岡村社長にも暴行。ここでTARU&鷹木がリングイン。つづいて、悪冠に恨みを抱くファイMも登場。大会はそのまま、C-MAX&ファイM連合VS悪冠一色の10人タッグマッチへと突入していった。
はっきりいって、ファイM、C-MAXがリングに飛び込んでこなければ、今大会はドラゲー史上最悪のイベントとなっていた。CIMA、マグナムがいないいま、DRAGON GATEのプロレスを守れるのは俺たちしかいない。そんな強いプロ意識が、望月たちの体を動かしていた。
急きょ実現したボーナストラックに、観客は大きな反応を示した。ファンの期待を一身に集めたのはデビューしたばかりの鷹木信悟。ブラザーに殴られても絶対に引かない。近藤にブン投げられても絶対にダウンしない。
結果的に今大会のラストを締めくくったのが、この鷹木だった。(後略)
(『週刊プロレス』2004.11.10号)

メイン後になおもフロエキに危害を加えようとした悪冠を岡村社長が阻止。だが、大鷲のボディープレスを浴びるなど返り討ちに遭ってしまった/
悪冠は鷹木を標的に。新人を潰しにかかった/
C-MAXとファイMが手を組んだ一戦。望月とTARUが近藤にダブルでのカカト落とし。きみは武輝道場を知ってるか!
(『週刊プロレス』2004.11.10号)


メイン終了後に事件は起こった。フロリダ・エキスプレスとの公式戦で反則大暴走を犯した悪冠一色。その暴挙はレフェリー、そして止めに入った岡村社長にまで及んでいた。この状況を止めるべくTARUと鷹木がリングイン。だが数の論理で敵うはずもなく返り討ちにあう。
悪冠一色は観客に対しても悪態をつき始めた。ブラザーのいう"バッド・エンド"とはこのことを指すのか。だがDRAGON GATEのリングにバッド・エンドなどあり得ない。(中略)
同じコーナーで闘った望月は改めて鷹木の潜在能力を肌で感じ取り「俺もうかうかしてられない。CIMAのドリームゲート、次の挑戦者に名乗りを上げさせてもらう」と。だがこの望月の挑戦表明に悪冠一色の近藤が異を唱えていた。
それは「6月のトーナメントで俺に負けているお前が何故」というもの。リーグ戦はこれから後半戦を迎えるが、それと並行して望月と近藤、この2人の行方が気になるところだ。
(『週刊ゴング』2004.11.10号)

フロリダとの公式戦で反則負けとなった悪冠は暴走してレフェリーにまで危害を加えた。/
悪冠の暴走を止めに入った岡村社長は返り討ちにあう。とたんに会場は静まりかえった。/
悪冠の暴挙を許しちゃ置かぬと望月、享、クネスがTARU&鷹木と緊急出動。
(『週刊ゴング』2004.11.10号)

●2004.10.29四日市オーストラリア記念館 vs ドラゴン・キッド&堀口元気&斎藤了組戦(P:"brother"YASSHI&菅原拓也)(「Rey de Parejas」公式戦)

悪夢の香り

マグナム欠場で代打・斎藤が出場も悪冠一色を止められず

悪冠一色が3勝目をあげて優勝戦進出に王手

(前略)斎藤を加えたDoFIXER(以下DF)は、公式戦で悪冠一色と激突。「DFは誰が出ても勝てる」というキッドの言葉を証明するように、抜群の連係を武器に攻め込む。(中略)
ところが悪冠一色は一筋縄ではいかな相手。昨年のリーグ戦を右腕一本で制した近藤がゴリラパワーを全開。キッドと堀口をランサルセでまとめて吹き飛ばすと、最後は斎藤にキングコング・ラリアットを2連発。3勝目をあげて優勝戦進出にまた一歩前進した。
ここまで悪冠一色の勝ち点はトップタイの6だが、失点は両リンと反則負けによるもの。つまり、一度もまともに負けていないのだ。昨年優勝の近藤&ブラザーのコンビに菅原の技術と機動力を加えた今年は、より強力なチームと言えるだろう。
「優勝は悪冠一色や。オレらがベルトを獲ったらご機嫌ちゃんやろ」
ブラザーがこうアピールしてツバを吐きかけると、場内は静まり返った。そのエンディングシーンは昨年の決勝戦の後とよく似ている。悪冠一色が優勝戦に近づくと同時に悪夢の香りが再び漂ってきた。(佐久間)
(『週刊プロレス』2004.11.17号)

リーダー・マグナムの穴を埋めるべく斎藤は元気いっぱいのファイトで悪冠一色を攻め込んだ/
とにかく近藤のパワーはケタ違い。キッドと堀口をランサルセでまとめてはじき飛ばした/
DFの連係は抜群だったがコンビネーションでは悪冠一色も負けていなかった/
四日市でも不快指数200パーセントだったブラザー。試合後には2年連続の優勝宣言/
フィニッシュは近藤のキングコング・ラリアット2連発。昨年はこの右腕でタッグリーグを制覇している/
勝利した悪冠一色はブラザーが憎々しいマイク。「サイリョウ、オマエはリーグ戦に出る顔じゃねえ。今年も俺らが優勝でみんなご機嫌ちゃんやろ」
(『週刊プロレス』2004.11.17号)

●「バトルロイヤル 編集スタッフ、今週のひと言」

DRAGON GATE関係者のあいだでiPodが大流行している。音響の中澤さんはすでに10GBが満タン。神田本部長は40GBを、近藤修司は20GBを所持。ダニエル三島はさきにiPodminiを買い、それを使いたいがためにパソコンを購入するという。最近になり、40GB&60GBのカラー液晶版も登場。さて、一番乗りはだれだ!?(藤本)
(『週刊プロレス』2004.11.17号)

●2004.11.3豊橋市体育館 望月成晃&横須賀享&K-ness.組 vs ドン・フジイ&セカンド土井&谷嵜なおき組戦に乱入

11・3豊橋大会で勝てばファイMは決勝進出だったが、悪冠一色が乱入。近藤のラリアットを受けた望月が谷嵜にまさかのフォール負け。「望月にはいかなるベルトも巻かさねえ。アイツがベルトに挑戦するのは10年遅い」(近藤)
(『週刊プロレス』2004.11.24号)

●2004.11.6札幌テイセンホール vs ドン・フジイ&セカンド土井&谷嵜なおき組戦(P:"brother"YASSHI&菅原拓也)(「Rey de Parejas」公式戦)/決勝進出チーム決定3WAY6人タッグマッチに乱入

●ドン・フジイ&セカンド土井&谷嵜なおき組戦

粘る谷嵜を悪冠一色の合体技が襲う。このあと、近藤がキングコング・ラリアットで貫禄のフォール勝ち/
近藤に叩き潰されてしまった谷嵜。決勝進出の道を断たれてしまった。これからどうする?
(『週刊プロレス』2004.11.24号)


ゴリラパワーが炸裂しトップで決勝戦に進出

(前略)まずはオープニングマッチで行なわれた公式戦最後の一戦となった悪冠一色とアイパーズの闘い。ブラザーのマイクもなくいきなり試合はスタート。完璧に悪冠一色は勝ちにきていた。
もし星を落とすようなことになると勝ち点6で並ぶチームの仲間入りし、決勝進出決定戦に出る羽目になるからだ。悪冠一色は危な気なくアイパーズを一蹴した。これで勝ち点を8としてトップで決勝戦へと駒を進めた。(後略)
(『週刊ゴング』2004.11.24号)

近藤のキングコング・ラリアットが谷嵜に決まり悪冠一色は決勝戦へ進む。
(『週刊ゴング』2004.11.24号)



●決勝進出チーム決定3WAY6人タッグマッチに乱入

始まりの終戦

大本命・ファイM、悪冠一色の乱入で優勝戦進出を逃す

近藤、YOSSINOの左腕を破壊

(前略)楽しさや華やかさに加えて、決勝進出を争う緊張感もあり、試合は過熱の一途を辿っていったが、DFが失格となったところで、まさかの事態が起こる。ファイM、イタコネの両軍が場外に戦場を移すと、すでに決勝進出を決めている悪冠一色が乱入。ファイMだけを襲ったのだ。
望月、K-ness.が悪冠一色に捕まったことにより、リング上では享が孤立。必殺のジャンボの勝ち!を決めるなど奮闘したが、最後はミラノの新技・IRを浴びてフォール負け。ファイMは豊橋大会に続き、悪冠一色に白星を奪われた格好となった。
「望月にはどんなベルトも絶対に巻かさない。アイツがベルトに挑戦するのは10年遅い」というのが、最近の悪冠一色の主張。自分たちが追放した元リーダーを徹底的に敵対視しているのだ。
「この負けは自分たちの責任ってことにしておきます。大本命って言われて浮かれていたのかもしれない。今日だって悪冠一色の乱入は予想できたことなのに油断がこういう結果を生んだんだと思う」
不本意な敗北にも望月は一切の言い訳をせず、6人タッグ王座は逃したが、すでに次なるターゲットは決まっているようだ。
「オレもドリームゲートへの挑戦を表明したからには、近藤だろうと誰だろうと前に立ちはだかる奴は全員ぶっ潰す。年末は悪冠一色潰しとドリームゲートに目標を定めた」
この日の闘いをもってファイMのリーグ戦は終戦。しかし、望月の闘いはこの日が本格的な始まりとなったようだ。(佐久間)
(『週刊プロレス』2004.11.24号)

勝負が決すると悪冠一色はイタコネにも暴行。近藤はハンマーでYOSSINOの左腕をぶん殴った。この暴挙に怒ったミラノは「悪冠一色にベルトは巻かせない。最高のイタリアン革命を見せる」
(『週刊プロレス』2004.11.24号)


これが悪冠の言うハッピーエンド

試合中の望月に襲いかかり
YOSSINOの左腕も破壊!


(前略)公式戦でファイナルM2Kに敗れているイタコネ。ここは何とかして借りを返して悪冠一色の待つ決勝戦に駒を進めたい。だが試合はファイナルM2K有利で進んでいた。
ここで何やら場外が騒がしくなる。何と悪冠一色の連中が望月を場外で襲ったのだ。悪冠BOXの一撃を食らった望月は会場の片隅でダウン。リング上では享がミラコレのIRに捕らえられ試合終了。
イタコネをアシストする形となった悪冠一色であったが狙いは望月だけではなかった。近藤は手にしたハンマーでYOSSINOの左腕を一撃。そしてマイクを握ったブラザーは「これが悪冠一色のハッピー・エンドや」と吐き捨てた。
決勝の舞台では悪冠一色のいうハッピー・エンド…バッド・エンドが待っているのか。それを阻止するのはイタコネの3人しかいない。本当の意味でのハッピー・エンド…ファンはそれをイタコネに期待している。
(『週刊ゴング』2004.11.24号)

試合の途中で悪冠一色が乱入。望月を場外へ誘い出すと悪冠BOXでKOした。/
ブラザーと菅原に取り押さえられたYOSSINOは身動きがとれない。そこを近藤は手にしたスレッジハンマーで襲いかかる。/
近藤のスレッジハンマーはYOSSINOの左腕を打ち抜いた。その時、鈍い音が会場に響き渡った。まさか骨が折れたのか?/
YOSSINOの腕を打ち抜いた近藤は実に満足そう。何とも恐ろしい連中だ。/
決勝戦を前にしてYOSSINOのケガはイタコネにとって大打撃だ。明日の試合が心配される。
(『週刊ゴング』2004.11.24号)

●2004.11.7札幌テイセンホール vs ミラノコレクションA.T.&YOSSINO&アンソニー・W・森組戦(P:"brother"YASSHI&菅原拓也)(「Rey de Parejas」優勝決定戦)

レボリューション・エボリューション

イタリアン・コネクション、初代トライアングルゲート王者組に!

YOSSINOが左腕負傷。イタコネ、絶体絶命。

"秋の祭典"を締めくくったのはアンソニー!

CIMAもいなければマグナムもいない。今シリーズを締めくくったのは、まだ3年弱の歴史しか持たないユニット、イタリアン・コネクションだった。
6人タッグリーグの優勝戦。イタリアン・コネクションの反対側のコーナーには悪冠一色が立っていた。試合を裁いたのはベーカリー八木。セコンドには高木省吾の姿もあった。
いまでこそ悪の軍団に属しているものの、近藤、ブラザー、ジェットらはかつてはイタコネの一員としてミラノらと行動をともにしていた。奇しくも、今大会のメインには結成当初のイタコネ、ロイヤル・ブラザーズのメンバーが集結。ある種の予感をはらんだ新鮮な光景が生み出された。
彼らは闘龍門ジャパン(当時)の弟分的存在だったT2P出身の選手たち。CIMAらよりも、一世代若いレスラーたちだ。
今回のタッグリーグ戦開催期間中に、C-MAXは解散を宣言した。そのC-MAXと入れ代わるように、リーグ戦ではイタコネと悪冠一色が勝ち進んできた。時代の移り変わりを感じさせる顔合わせが、優勝戦で実現した。
前日、悪冠一色は3WAY戦を闘い終えたばかりのYOSSINOを襲撃。ハンマーで左腕に大ケガを負わせていた。
いざ試合になると、悪冠一色はやはりYOSSINOの負傷箇所に集中砲火。あの手この手でいたぶっていった。
キーポイントとなったのは、"悩める王子"アンソニーのファイトだった。9・17代々木大会の髪切りタッグマッチでアンソニーは菅原に敗北。だが、実際に頭を丸めたのはアンソニーの相方である斎藤了であった。
髪を切らなかったアンソニーは、ちょっとしたブーイングを食らってしまった。ファンの評価、身代わりになってくれた斎了の気持ち、そしてサポートしてくれるミラノら仲間たちの存在、そのすべてを背負って、アンソニーは今回のリーグ戦に参加していた。
ここでがんばらなければ、いったいいつがんばるんだ!? そんな状況下での闘いだった。菅原に十三不塔を仕掛けられたそのとき、アンソニーの体がまるで何かに操られるかのように動いた。
奇跡的な逆転劇を目の当たりにした観客は、総立ち状態になって興奮に酔いしれた。宿敵の菅原から奪った3カウント。アンソニーは自らの手で、自らの力で優勝、ファンの歓声を勝ち取ってみせた。(後略)
(『週刊プロレス』2004.11.24号)

優勝決定戦で悪冠一色を破り、初代オープン・ザ・トライアングルゲート組となったイタリアン・コネクション。新世代の王者組がここに誕生した/
前日に負傷させたYOSSINOの左腕に狙いを定めていった悪冠一色。3人がかりで踏みつけた/
近藤に首を絞められ、窮地に陥ったアンソニー。序盤戦では悪冠一色から集中砲火を浴びるも、王子はこれを耐え抜いた/
随所で高度な攻防がみられたこの一戦。菅原の突進をミラノが開脚で返すと、さらに菅原が飛び込み前転で切り返しを狙う/
菅原がYOSSINOの左腕を木槌でめった打ち。YOSSINOの腕を破壊しようとした/
重戦車のようなファイトをみせた近藤。YOSSINOを旋回式ランサルセでマットに叩きつけた/
菅原の十三不塔を切り返してアンソニーが歓喜の勝利! 王子が秋の祭典を締めくくった/
ミラノとYOSSINOがジャベの二重奏。同時に王子が伸びのあるプランチャを放った/
IRがブラザーに決まるもジェットがレフェリーの足をすくってカウントを阻止した/
コーナーに昇ってベルトを誇示するイタコネ。王子はこれが初戴冠/
「この借りは倍にして返してやる!」と菅原が噛みつくも王子は「望むところだ!」
(『週刊プロレス』2004.11.24号)


3人の力、心技体が1つになった
イタリアン・コネクション、初代トライアングルゲート王座に君臨

10・3博多スターレーン大会でイタリア革命を高々と宣言したイタリアン・コネクション。だが本当の意味でのイタリア革命は初代オープン・ザ・トライアングルゲート王座を腰に巻かないことには始まらない。
決勝進出決定戦を制して何とかファイナルのリングに立ったイタコネ。反対側のコーナーに立つのは悪冠一色。10・22横浜赤レンガ大会での公式戦で苦汁を飲まされた相手だ。
珍しくイタコネは先制攻撃を仕掛ける。だが前日、近藤のスレッジハンマー攻撃で左腕を負傷したYOSSINOが捕まり形勢は直ぐに逆転した。
本調子とはほど遠いYOSSINOを抱えたイタコネはピンチの連続だった。ここを凌げたのはアンソニーの頑張りに尽きる。それはミラノもYOSSINOも認めるところだ。
そしてアンソニーが試合を決めた。菅原が十三不塔に来るところを切り返してエレガントマジック。レフェリーのカウントが入った瞬間、会場の札幌テイセンホールは拍手で包まれた。
前日の悪冠一色が見せたハッピー・エンドとは違い、アンソニーの勝利は正真正銘のハッピー・エンドだった。これがDRAGON GATEの世界とでもいった感じだった。
今まではCIMA、マグナムがこの世界を築いていた。だが決勝のリングにはミラノを始めT2Pといわれた選手たちが最後を締め括っていた。
C-MAX解散を新陳代謝と言い表したCIMA。まさにDRAGON GATEは新しい動きを見せている。そしてイタリア革命が今、始まった。
(『週刊ゴング』2004.11.24号)

トライアングルゲート王座の歴史にイタリアン・コネクションが最初に名前を刻んだ。/
YOSSINOは左腕に痛みを抱えながら悪冠一色に向かっていく。その気迫が勝利へと。/
ブラザーが珍しく脇固めを見せた。そこまでしてYOSSINOの左腕を壊しにかかった。/
ミラノの新兵器"IR"がブラザーに決まったが、ここは悪冠一色のカットによって阻まれた。/
近藤は軽量のアンソニーをコーナーからコーナーへとランサルセで吹っ飛ばした。凄い力だ。/
菅原に対して一歩も引かないアンソニー。これだけ気迫のこもったエルボーを放つのは珍しい。/
アンソニーは菅原の十三不塔を切り返すとエレガントマジックから3カウントを奪った。
(『週刊ゴング』2004.11.24号)

●2004.11.7札幌テイセンホール 望月成晃との一騎打ち決定

夢の扉をふさぐ邪魔者!

望月のドリームゲート挑戦に近藤が待った

かねてからドリームゲート挑戦を表明していた望月成晃が正式にベルト獲りに動き出した。
望月は王者・CIMAとタッグで対戦したこの日の全試合終了後、神田本部長にベルト挑戦を直訴。
「デビュー10周年の節目として、最初で最後のドリームゲートタイトルマッチを組んでください」
"最初で最後"という決意でベルト挑戦をアピールした望月だったが、この気持ちに待ったをかけたのが、悪冠一色の近藤修司だった。
「なんで何の実績もねえ、テメーが挑戦できるんだ。そんなに簡単に挑戦できるベルトなのか。オマエみたいなジジイがベルトに挑戦するなんて10年遅いんだよ」
この言葉を聞いた望月は、自らの実績が乏しいことを認めたうえで、「越えなきゃいけないハードルがあるならカードを組んでくれ」と近藤との挑戦者決定戦を神田本部長に要求した。
ここで問題となるのが近藤のスタンス。ドリームゲートのベルトに興味があるのではなく、ただ単に望月の邪魔をしたいだけなのだ。
「オレはベルトはいらない。だけど望月にはいかなるベルトも巻かせねえ。何とか探しマッチみたいな試合はしねえぞ。そんな試合組んだらボイコットだ」(近藤)
両者の意向を聞いた神田本部長は、11・16後楽園での望月VS近藤戦を発表し、「ルールと試合形式はこれから考えて当日発表します」と続けた。望月は"最初で最後の"ドリームゲート戦に向けたハードルを越えられるのか。(後略)

全試合終了後、望月が神田本部長にドリームゲート挑戦を正式に表明すると、近藤が待ったをかけた
(『週刊プロレス』2004.11.24号)


ハードルになるならいつでも来い
11・16後楽園で望月VS近藤決定!

CIMAが保持するドリームゲート王座に挑戦表明をしていた望月成晃。この日、改めてその気持ちを神田本部長に伝えるのだった。すると以前から望月の挑戦表明を面白く思っていない近藤が登場。ごちゃごちゃ文句を言ってくる近藤に望月は「俺は今年、シングルで大した結果は残していない。越えなきゃいけないハードルはあると思っている。お前がそのハードルなら一騎打ち、今度の後楽園でやってやる」と。試合形式、ルールは神田本部長に一任した。とにかく11・16後楽園大会で2人の一騎打ちは決定された。だが帰り際に近藤は「ルールによってはボイコットだ」と気になる言葉を吐き捨てていた。

CIMAに対して望月はドリームゲート王座への挑戦をアピール。望月は最初で最後という。/
望月が神田本部長にCIMAへの挑戦を正式に述べていると、近藤が2人の間に割って入った。/
近藤は「ルールによってはボイコットだ」と11・16後楽園大会での望月戦について吐き捨てた。
(『週刊ゴング』2004.11.24号)

●2004.11.16〜パンフレット

タッグリーグ戦では余裕の単独首位で決勝進出も、イタコネに足元をすくわれてしまった。OPEN THE TRIANGLE GATE王座のベルトを腰に巻くことはできなかったが、「望月みたいな年寄りがベルトを巻くのは、10年遅いんだよ!」と、CIMAのベルトへの挑戦を表明した望月を徹底的に邪魔する行動に出た。過去の因縁からも、望月に対する自信は十分。望月潰しの青写真は、現実のものになるのか? いや、力づくでもさせる!

緊急リポート!
OPEN THE DREAM GATE王座、次期挑戦者は誰に!?
11・16後楽園で激突!
望月成晃 近藤修司 他にも…!?

ROAD TO YOYOGI 3つのキーポイント
1. 出場選手は…?
王者・CIMAへの挑戦を最初に表明したのは、Final M2Kの望月成晃。(中略)
その望月に立ちはだかったのが悪冠一色の近藤修司だ。今年1年、4月のEL NUMERO UNO、7月はUDG王座決定トーナメント、そして11月のタッグリーグ戦Rey de Parejasと、すべてにおいて決勝進出という目覚ましい成績を残している近藤。しかし、裏を返せばいずれの大会も最後の最後で敗れているだけに、今年最大の成果を残したいのか…と思いきや、自分がベルトを巻きたいというよりも、「望月には挑戦させない」という強烈な意識の表れ。近藤も望月と同じく英連邦ジュニアのベルトを巻いていたこともあり、7月のトーナメント決勝ではCIMAと激闘を展開してもいることからタイトル・コンテンダーとしての資格は十分すぎるほどあるが、彼自身にとってはそれよりも"目の上のタンコブ"ともいうべき望月の存在の方が気になるのだろう。悪冠一色での因縁もあり、近藤のみならず悪冠のメンバー全員が全力で"望月潰し"に躍起になってくるに違いない。(後略)

●2004.11.16後楽園ホール vs 望月成晃 vs ドン・フジイ(次期OPEN THE DREAM GATE王座挑戦者決定3WAY戦)

十執念!

望月成晃が3WAY戦を制して12・16
代々木でCIMAのドリームゲートに挑戦

望月を邪魔したい近藤
CIMAへの思いが強いフジイ

引き寄せた過去から未来への挑戦権
夢の扉を開けてみせる!


オープニングMC!
望月VS近藤の次期挑戦者決定戦は試合当日に神田本部長よりルールが発表されることになっていた。「カギ探しマッチとかくだらねえルールだったらボイコットだ」と毒づく近藤に対して、神田本部長は「試合は普通のプロレスルールです」と発表。しかし、「もう一人名乗りを挙げている選手がいる」ということで3WAYマッチでおこなうことを宣言した。もう一人のエントリー選手とはドン・フジイ。「28日のディファでC-MAXは解散します。その集大成としてCIMAと闘いたい」とフジイが名乗りをあげた理由をアピールすると大きな拍手が沸き起こった。望月がベルトに挑戦できる確率は1/2から1/3となったため、近藤はこのルールを受諾。一方、とにかく勝つしかない望月は「34歳同士、正々堂々闘おう」とフジイとガッチリ握手を交わした。


(前略)近藤の狙いはあくまでもかつての仲間である望月の邪魔をすることだが、もう一人のフジイには望月同様に大きな覚悟があった。(中略)
3人の中でもっとも勢いがあるのは近藤。それ以上に厄介だったのはセコンド陣の介入だ。悪冠一色はセコンド総出で望月の挑戦権獲得を阻止にかかる。近藤が勝利をつかむのは時間の問題かと思われたが…。
勝負は一瞬のスキが明暗をわけた。望月がフジイのラリアットをかわすと、これが近藤に命中。すかさずフジイのバックに回った望月はドラゴン・スープレックス。やや形は崩れたが強引に押さえ込んで3カウントを奪取。望月の執念がフジイの覚悟を上回った。
試合後には直接フォールを奪われていない近藤が襲撃にきたが、これも最強ハイキックで返り討ち。2人を完璧に沈めたことにより、次期挑戦者は文句なく望月に決定した。(後略)
(『週刊プロレス』2004.12.8号)

フジイから勝利を奪った望月は試合後に仕掛けてきた近藤も最強ハイキックでKO。ドリームゲートへのハードルを飛び越えて挑戦権を獲得した/
3WAY戦とあって敵対している望月と近藤が合体攻撃を見せる場面も/
試合をリードしていたのは近藤。パワフルな攻撃で2人を蹴散らしていった/
とにかく望月にベルトを巻かせたくない悪冠一色はリング内外で試合に介入/
この日はまさに「男・ドン・フジイ」。気迫全開のファイトを見せた/
近藤の暴れっぷりは凄まじかった。ゴミ箱を望月に投げつける/
近藤のジャーマンを一回転して着地した望月だったが、すぐさまフジイがナイスジャーマン。一瞬も気が抜けない展開が続いた/
フジイのラリアットをかわして近藤に誤爆させておいてドラゴンを決めた望月。これで勝利をつかんだ/
望月がボックスを投げつけると近藤はジャンプ一番かわす。ボックスを足に受けてダメージを負ったフジイに近藤はすかさずゴリラクラッチ。近藤にとって最大の勝機だったが望月がカット
(『週刊プロレス』2004.12.8号)


12・16代々木の鍵を手にしたのはモッチーだ!

最年長の意地
3WAYで近藤、フジイを撃破


フジイが入っての3WAY。協力もするが、突然、敵にもなる。ノンストップの攻防だ。/
フジイがブルーボックスを奪って近藤をぶっ叩く。ビッグチャンスに34歳も張り切る。/
赤いボックスを奪った望月がそれを投げると近藤がジャンプ。それがフジイの足を直撃。/
近藤のジャーマンを着地した望月だが、フジイのナイスジャーマンが待っていた。/
試合中に何度も悪冠一色が乱入して望月、フジイを襲う。ファイナルM2Kも逆襲。/
ここがフィニッシュ前。望月がフジイをかわすとエプロンの近藤とラリアットの相打ち。/
近藤と同士討ちにした後にフジイのバックを取ったモッチーはドラゴン・スープレックス。これでピンフォール。
(『週刊ゴング』2004.12.8号)

●DRAGON GATE12・16代々木大会展望特集 Face of Secret (4)菅原拓也

菅原拓也21歳、冠(ロイヤル)を捨て、悪一色に染まるまで

中3のときに偶然テレビで見たプロレスが、菅原拓也の運命を切り拓いた。(中略)
ただし、同期に比べデビューにはかなりの時間を要した。近藤修司、小川内潤(JUN=引退)は、半年前から試合をしている。しかも近藤は、ヤングドラゴン杯準優勝の実績を作った。「離された」と、菅原は焦りを感じていた。01年闘龍門自主興行でのデビュー戦は、菅原同様に後れをとったベルリネッタ・ボクサー(現・高木省吾)とタッグを組んでの鯱マシーン戦だった。(中略)
悪一色に染まる菅原拓也。大きくなったカラダは、「近藤式練習」の賜物だ。
(『週刊プロレス』2004.12.15号)

●「プロレス技BOOK 〜オリジナル・ホールド・セレクション〜 DRAGON GATE編/インディー系主力選手編」

ミラクル・キングコング・パワー
近藤修司

キングコング・ラリアット
近藤の右腕から繰り出されるキングコング・ラリアットは低い位置から地を這うように相手の首に巻き付く。その時、腰の捻り…回転運動が加わり、技を食らった相手の方は一瞬、無重力状態となって体が宙に舞う。

ゴリラ・クラッチ
腕を使ったインディアン・デスロックと言われるゴリラ・クラッチ。スタンディングの体勢からグランドに持ち込んでボディシザースを決めて完成型となる。04年の第4回エル・ヌメロ・ウノの決勝戦では旋回式を披露している。

ランサルセ
スペイン語で牛が突進する意味のランサルセ。ここでの牛は闘牛を指す。近藤が相手選手を抱える様は闘牛が角でマタドールを突き刺す場面を連想させる。スピードとパワーが必要とされるこの技はラグビー出身の近藤ならではだ。

ホエール・ハント
キングコング・ムーブの1つであるホエール・ハント。相手を脇に抱えて垂直に持ち上げるやリングの対角線を走り込んでマットに叩きつける。近藤にはこの他にも名前の付いていないキングコング・ムーブが数多く存在している。


"brother"YASSHI

ペニス・カッター
ギロチン&サイドバスターであるこの技の名前が何故ペニス・カッターなのか近藤&ブラザーの2人は多くを語ろうとしない。ただ2人の息の合った合体殺法であることには変わりはなく。この他にはビッグ・ヘッド・トレイン等がある。


CIMA

モナリザ・オーバー・ドライブ
04年7月3日(※原文ママ)の神戸ワールド大会で出したトカレフの進化型のモナリザ・オーバー・ドライブ。トップロープからジャンプして一回転しながら相手にアタック。「体が頑丈な近藤だから出せた技だ」とCIMAは言う。
(『週刊ゴング』2004.12.29号)

●2004.12.16〜パンフレット

本当に、悪冠一色の悪逆非道は、どこまで行ったら止まるのか。11・16後楽園では予定外の3WAYになったこともあって、望月の挑戦を妨害することには失敗したが、11・28ディファでは何と岡村社長を丸坊主にしてしまった! そして目論見通りにまんまと12・16代々木で、イタコネのタッグ王座に挑戦することが決定。彼らは04年最後のビッグマッチである代々木大会をも、真っ赤に染めてしまうというのか?

OPEN THE DREAM GATE タイトルマッチ展望
04.11.16 KORAKUEN HALL
次期王座挑戦者決定3WAYマッチ
望月成晃vs近藤修司vsドンフジイ

最初に挑戦を表明した望月、それをジャマするためだけに名乗りを挙げた近藤。そして当日、これに加わったのがフジイだった。かくして、挑戦者決定戦は3WAYに。近藤が入っているだけに悪冠のメンバーが加勢し乱戦となる場面もあったが、最後は望月がフジイをフォール。見事に、挑戦者の証であるカギを手に入れた。

●2004.12.16国立代々木競技場第2体育館 vs ミラノコレクションA.T.&YOSSINO&アンソニー・W・森組戦(P:"brother"YASSHI&菅原拓也)(OPEN THE TRIANGLE GATE選手権戦)

ここぞという時にリングに登場する近藤は、それまでに溜めていたパワーを一気に放出する。ロープをアンソニーの首にかけて担いだばかりか、そのまま背負って投げつけた
(『週刊プロレス』2005.1.5号)


近藤のキングコングパワーはやっぱり魅力。エルボーだけでも迫力がある。/
悪冠一色の暴走は止まらない。縄を使ってチョーク攻撃。堂々し過ぎだ。/
ゴリラ・クラッチは決まりそうな雰囲気もあった。アンソニーが驚異的な踏ん張り。
(『週刊ゴング』2005.1.5号)

●2004.12.25本川越ペペホール・アトラス vs 望月成晃&横須賀享&K-ness.&新井健一郎&セカンド土井組戦(P:大鷲透&"brother"YASSHI&高木省吾&菅原拓也)(ユニット対抗10人タッグ1DAYトーナメント1回戦)

DRAGON GATEの年末といえば、ファン感謝イベントとして開催される川越2連戦である。このイベントは、普段はみることができないチーム、カードが大放出されるファン垂涎の大会。昨年もシーサーVSSAITOや近藤VS大鷲などのカードがつぎつぎと実現し、話題を集めた。(後略)
(『週刊プロレス』2005.1.12号)

悪冠一色はなんと1回戦で敗北。近藤&大鷲が龍原砲を放つなどの活躍をみせたが、最後はジェットが土井に捕まってしまった
(『週刊プロレス』2005.1.12号)

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