プレス集2005年
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2005年版
●「オールカラー2005日本人レスラー名鑑」

2004年の反省点「来年こそはリング上で人の骨の折れる音を聞かせる」、寸評「最強の称号が与えられるエル・ヌメロ・ウノではキッドに、UDG王座決定トーナメント決勝ではCIMAに敗れといった具合に、あと一歩のところまでいきながら勝利を逃してきた近藤。初代トライアングルゲート王座決定戦でも同じく決勝で敗れている。その鬱憤が来年爆発すると思うと恐ろしい」
(『週刊ゴング』2005.1.5号)

●「2005プロレスラー写真名鑑号」

抱負「お前らみてぇなクソ安月給のブサイク女がこんな本買って喜んでんじゃねぇぞ。だからお前らはいつまでたっても、世間から認められないプオタなんだよ!!他に趣味探せ、バカ!!」、寸評&備考「ゴリラ並のパワーで猛威を振るう。エル・ヌメロ・ウノ準優勝、UDG王座決定トーナメント準優勝で完全にトップの仲間入りを果たした」
(『週刊プロレス』2005.1.12号)

●ドラゴンゲートからのお知らせ

株式会社ドラゴンゲートに所属しておりました以下の選手に対し、素行不良並びに職務怠慢の理由において、2004年12月31日を以って解雇処分と致しましたことをお知らせ申し上げます。
近藤修司
大鷲 透
"brother"YASSHI
高木省吾
菅原拓也
また、この件に関する詳しい内容につきましては、2005年1月9日(日)の弊社名古屋国際会議場大会の会場におきまして、岡村隆志代表取締役社長より改めてご説明させて頂きます。
(『DRAGON GATE Official Site』2005.1.4発表)

●「悪冠一色」解雇関連記事

ドラゲーに何が…

悪冠一色 年末に解雇

内部瓦解の危険も

結束の乱れが原因なら問題にも

マット界の"成功モデル"ドラゴンゲートにカゲリが見えてきた!? 昨年大みそかに、ひっそりと5選手の解雇を公表。SUWA、TARUに続く主力選手の相次ぐ退団に"内部瓦解"の懸念も出てきた。前身の"闘龍門ブーム"からの源泉は、フロントと選手間の結束力だっただけに、そこのタガが緩んできたとなると大きな問題だ。

平成不況に苦しむマット界にあって、プロレスリング・ノアと並んで好況を維持していたドラゴンゲートが、内部から"瓦解"しつつある。
昨年12月31日付で近藤修司、大鷲透、YASSHI、高木省吾、菅原拓也の5選手の解雇が、唐突に発表された。昨年7月、ウルティモ・ドラゴン校長の元を離れ"独立"した形のドラゴンゲート。営業手腕で評価の高い岡村隆志社長を中心に、結束しているものと察せられていたが、まずSUWAが9月にフリー宣言し、ノアに戦場を求めた。そして、11月にはTARUも退団して、全日プロ1・2後楽園で参戦表明。
一昨年から昨年にかけて"闘龍門ブーム"を起こしたころの勢いが、まるで夢物語であったがごとく、実は昨秋あたりから興行にもカゲリが見えてきた。フロントと選手の結束もタガが緩んだかのようで不平や不満があふれ出て、離脱者が目立ってきたのだ。
ただ、若い女性ファンのハートをつかんでブームの立て役者となったCIMA、マグナムTOKYO、望月成晃、ドラゴン・キッドらの主力メンバー、悪の"イタリアン・コネクション"ミラノコレクションA・T、YOSSINOらが健在であることから、目立った被害は表に噴出していない。
しかし、ドラゴンゲートとしての新たな船出に"問題点"があるのは、退団者の急増が如実に示している。岡村社長の的確な営業戦略に加え、選手がチケットを売り歩き、サポーター的なファンを増やしてきたドラゴンゲート。団体としての結束力が、これまでの成功の秘けつだったはず。肝心要の部分にもヒビが入ったとなると、ドラゴンゲートの行く末に"暗雲"がたれ込む。
「昨年のフジテレビとコラボレートした『お台場冒険王』など、マット界の"成功モデル"としてノアと共に高く評価されていたドラゴンゲートだけに、離脱者の急増は気掛かりです。何か内部に問題が発生しているのでしょう。岡村社長のリストラ戦略という見方もありますが、SUWAやTARUは客の呼べる選手だったし、近藤や大鷲も戦力だったと思うのですが?」(他団体関係者)
インディーズとしては所属選手の多かったドラゴンゲートだけに、7人抜けてもマッチメークに大きな支障はないだろう。これ以上の退団者が出れば、問題は大きくなるが。「05年はビッグマッチを減らす。調子に乗らず、逆行しようかな」と岡村社長が語っていたのは、こうした退団者急増を見越しての発言だったか。真相はヤブの中だ……。

昨年12月31日付で素行不良と職務怠慢を理由にドラゴンゲートから解雇された悪冠一色。内部に問題が発生していなければいいが……
(『週刊ファイト』2005.1.12号)


DRAGON GATE情報!
04年の大晦日に激震。DRAGON GATEが悪冠一色の5選手を解雇処分!

昨年の大晦日、DRAGON GATEから編集部に衝撃的なFAXが届いた。そこにはなんと悪冠一色の5選手を12月31日付けで解雇するという内容が記されていたのだ。以下はFAXの抜粋。
「株式会社ドラゴンゲートに所属しておりました以下の選手に対し、素行不良並びに職務怠慢の理由において、平成16年12月31日をもって解雇処分と致しましたことをお知らせ申し上げます。
近藤修司、大鷲透、"brother"YASSHI、高木省吾、菅原拓也。
また、この件に関する詳しい内容につきましては、平成17年1月9日(日)の弊社、名古屋国際会議場大会の会場におきまして、岡村隆志代表取締役社長より改めてご説明させていただきます」
DRAGON GATEでは闘龍門時代から、選手が選手以外の仕事(道場長、選手会長、現場監督、リング設営など)もすることが常となっていた。そのあたりで悪冠一色の選手たちに問題があったということなのか。詳しい内容については、新年最初の大会となる名古屋大会を待つしかないというのが現状。解雇された5選手の今後の活動予定などについてはまったく明らかにされていない。

DRAGON GATEを解雇された"brother"YASSHI、高木省吾、近藤修司、大鷲透、菅原拓也(左から)の5選手。彼らの今後のレスラーとしての活動はどうなるのか
(『週刊プロレス』2005.1.19号)


DRAGON GATE Shocking NEWS

平成16年12月31日をもって
悪冠一色
近藤修司、大鷲透、"brother"YASSHI、高木省吾、菅原拓也
全員解雇

あの悪冠一色がDRAGON GATEを突如、解雇された。DRAGON GATEにあって唯一無二の大ヒール軍団としてリング上で悪の限りを尽してきた悪冠一色に何が起こったのだろうか----。
それにしても昨年、2004年はDRAGON GATEにとって激動の1年だった。
7月4日に行なわれた神戸ワールド記念ホール大会で校長ウルティモ・ドラゴンからの巣立ちを意味した卒業宣言があった。そして翌5日に緊急記者会見が都内でファン参加のもと行われ、闘龍門JAPANからDRAGON GATEへと社名を変更された。
これまで築き上げてきた闘龍門の歴史に1つの幕を下ろし、選手たちはDRAGON GATEという新たな扉を開いた。その最初の大仕事がお台場で50日間繰り広げられたフジテレビお台場冒険王での『お台場毎日プロレス』だった。
50日間でのべ53万人の観客を動員したこのイベント。まさにDRAGON GATEの底力をまじまじと見せつけた。だが、このイベント途中でSUWAが方向性の違いからDRAGON GATEを退団した。
闘龍門時代から続く老舗ユニットであるC-MAXのメンバー、そして1期生ということもあって、このSUWA退団はショッキングだった。後にSUWAはノアのリングに新たな闘いの場を求めて参戦した。
そして団体にとっては2本目のベルトとなるトライアングルゲート王座が誕生する。このベルトを目指して約1ヵ月間のリーグ戦が行なわれた。そこで団体第1号選手となる鷹木信悟がデビュー。CIMAから「ニュージェネレーション」と言われるだけあって、その実力は新人離れしたものがあった。
だがこの鷹木の登場と入れ替わるように今度は団体最年長のTARUが退団を決意。新陳代謝という言葉で片付けてしまえばそれまでだが、TARU退団となった11・2神戸大会でC-MAX解散宣言も飛び出した。
SUWA、TARUの2人を欠いたC-MAXを守るよりも常に前を見て、先に進もうとするCIMAだけに、解散という道を選んだのだろう。
そのCIMAが2度目の防衛戦として迎えた12・16代々木大会。挑戦者はTARU退団により団体最年長となった望月成晃だ。TARU退団時に「次は僕の番ですから」と、背水の陣でこのCIMA戦を迎え、そして見事王座に就いた。シングル王座を巻く者の使命として望月は満天下のファンの前で団体を自らの手で引っ張っていくと宣言した。ファンもそれを後押しするかの様に大歓声を望月に送っていた。
最高の形で幕を下ろしたDRAGON GATEの04年だった。ところが最後の最後、大晦日になって思いも寄らぬFAXがDRAGON GATEから送られてきた。
その内容は「株式会社ドラゴンゲートに所属しておりました以下の選手に対し、素行不良ならびに職務怠慢の理由において、平成16年12月31日をもって解雇処分と致しましたことをお知らせ申し上げます」と。
悪冠一色の近藤修司、大鷲透、"brother"YASSHI、高木省吾、菅原拓也の5名がDRAGON GATEから退団ではなく、解雇処分を言い渡された。一体なぜ!?
この件に関しては、1月9日の名古屋大会で岡村社長の口から説明があるので、今はその時を待ちたいと思う。

昨年の大晦日、DRAGON GATEから送られてきたFAXに今回の件が。/
写真左からブラザー、高木、近藤、そして菅原。これに大鷲を加えた5人が解雇に。/
DRAGON GATE内ではヘビー級の大鷲だが外でその力を発揮できるかが疑問。
(『週刊ゴング』2005.1.19号)


岡村社長が悪冠一色解雇についてコメント

「方針に従えない奴はウチにはいらない」(岡村社長)

1・9名古屋大会の試合開始前、岡村隆志DRAGON GATE社長が記者会見をおこない、昨年12月31日付で悪冠一色の5選手(近藤修司、大鷲透、"b"YASSHI、高木省吾、菅原拓也)を解雇処分にしたことについてコメントを出した。
岡村 解雇はリング上のことじゃありません。ウチの団体がここまで成長してきたのは、選手たちの力、結束。リング外の仕事も含めてやってきたものです。(5選手は)あまりにも目に余るというか、リング外の行動を見ていても、このまま置いておいても仕方ないなということで、解雇に踏み切りました。ハッキリ言いますが、ウチはリング内はもちろん、リング外のことをしっかりやってもらわないと、認めません。
これがそれが望月成晃、CIMA、マグナムであろうと、方針に従わないものはすべて解雇します。わからない人間は出て行ってもらいます。だから他団体に行って、もっと厳しさを学んだ方がいいかなと。他団体の方には迷惑をかけるかもしれませんが、受け入れてくれるところがあれば、自由にやってください。
----5選手の解雇は戦力ダウンになるが、それよりも協調性を大事にしたいと?
岡村 そうですね。選手内からも「非協力的だ」という声が上がっていましたから。私たちはなるべく下の者の声も聞くという姿勢でやっていたんですけど、大きな間違いは、たかが2〜3年の選手が会社の方針に合わさないというレベルなのかと逆に聞きたいです。闘龍門時代から、一度たりとも給料が遅れたりとか、ダウンしたりってことは一度もないんですよ。毎年確実にアップさせています。それはなぜかと言ったら、絶対に経営方針を外さなかったからです。外れるような選手は必要ないということです。
----選手は決定に納得している?
岡村 もちろん。もしも納得していない選手がいれば、辞めてくれと。そういう選手はいないと信じていますけど、もしもそういう選手がいれば、誰であろうと処分するつもりでいます。
どっちが正しかったかっていうのは、1年先、2年先を見ればわかると思います。成長して大きくなれる自信があるからこそ、言い切れるんです。一部の報道で、去年夏以降から業績が下がったと書かれていましたけど、大間違いで、思い切りアップしています。
昔、15人でやっていた時、その頃の結束力は半端じゃなかった。いま、彼らを解雇しても人数は多いですからね。本気になるものがそれだけあれば、もっともっと伸びるんじゃないかと。だから、戦力ダウンとか思わないんです。逆に士気が高まったんじゃないかなと。
----これをプラスに転換していける?
岡村 はい。一部、心配されるかと思いますが、ウチとしては逆に締まったんじゃないかと。これまではそういうことはしなかったんですが、この先乗り切って行こうと思ったら、業界も生き残り合戦なんで生ぬるいこと言ってる場合じゃないんで。
団体イコール会社ですから、好きなことをやりたかったらフリーになって一人でやっていけばいいわけですから。リング外もキッチリやるという、ウチの団体を崩したらあっという間に潰れると思うので、その方針は曲げるわけにはいきません。会社の使命っていうのは、選手、スタッフ、従業員、それに携わる家族、関係者…いったい何人を食わせていかなきゃいけないんだと。それと一部の選手のわがままとどっちを取るかと。僕らはやっぱり守るほうですから。
----5選手が謝罪をしても復帰はない?
岡村 坊主にしてリング上で土下座をしたら考えてもいいですかね。でも、もうちょっと大人かと思ったんですけどね。(去年の7月に)学校制度を卒業と言いましたけど、卒業しきれていなかったのかなと、リング外の仕事が嫌だったら、リング内だけでいい団体で活躍してくれればいいかなと。ウチは何と言ってもトップ選手が率先してリング外でも働いていますから。
----彼らは昨年7月に卒業しきれていなかった?
岡村 そうですね。これでDRAGON GATEはもっとシビアになったかなと。本気でやる。本気でこの会社をデカくしてやろうって奴以外は、いらないです。

岡村社長は試合開始前にはリング上から新年の挨拶をして、ファンに悪冠一色解雇についてのコメントをした
(『週刊プロレス』2005.1.26号)


悪冠一色解雇の理由
※1・9名古屋国際会議場 岡村社長の記者会見概要

解雇。これはリング上のことではありません。団体がここまで成長してきたのは、選手たちの力、結束、リング外の仕事も含めてやってきたものですから。あまりにも目に余るというかリング外の協調性を見てもこの先置いておいても仕方ないだろうと解雇に踏み切りました。年のけじめとして去年の方が、31日でいいじゃないかと。はっきり言いますがリング外のことをやってもらわないと。リング内は勿論、認めません。これはCIMA、マグナム、望月であろうと、その方針に従わない者はすべて解雇です。これが方針なので。分からないなら出て行くか、出て行ってもらうか。どっちかだと思います。勘違いが多いんじゃないかと。他団体に行って、もっと厳しさを学ぶべきだと思います。他団体に上がって、それで頑張ったらいいんじゃないかな。逆に他団体の方には迷惑をかけますけど。受け入れてくれるところがあれば、受け入れて下さい。素行不良…そのままの言葉だと思います。(5人の選手を解雇することは団体として戦力ダウンになりますが、それよりもリング外のことが問題だと)選手内からも非協力的だという声が上がっていましたので。私達はなるべく下の者の声も聞くという姿勢でやっていたんですが。やはり大きな間違いは、たかがデビュー2、3年の選手が首を突っ込むというのも可笑しいし。会社の方針に合わさないというレベルでしょうかと逆に聞きたい。闘龍門時代から、一度たりとも給料が遅れたりだとか、ダウンしたりとか一度もない。それは何故かと言えば、経営方針を外さなかったから。それから外れるようであればいらない。さっきも言いましたが、誰であろうが、そこから外れるようであればいらない。(残った選手はこの件に関して納得しているのですか)もちろん。もし納得していない選手がいたらとっとと辞めてくれ。そういう選手はいないと信じていますが。この先またそういう選手がいれば誰であろうと処分するつもり。その姿勢は変わらない。どっちが正しかったかは、1年先、2年先を見れば分かること。成長して大きくなる自信、戦略があるからこそ、多分下の選手は分からないと思いますけど、確実なものがあるから言い切れる。一部、雑誌等での報道で去年の夏以降から業績が下がったとかありましたけど大間違いで。おもいっきりアップしました。逆にこのまま行けば新人などもデビューし、選手が30人くらいになるんですよね。腐ったみかんじゃないけど、そういうのは早く排除していい水の流れを仕上げないと。やっぱりここから一致団結しないと無理なんですよ。例えば50人、30人になって、それが訳のわからない集団であればその必要はないと思う。昔は15人でやっていましたから。その時の結束力は半端でなかった。今、彼らが解雇されても何人いるんだ。それでも多い方だと思う。逆に意識が高まったのかな。(むしろプラスに展開していけると)もちろん。この先乗り切っていこうと思ったら、やっぱり業界の生き残り合戦なんですよ。生温いことをいってたら、クラブ活動をやっている場合じゃないんで。団体イコール会社ですよ。好きなことをやりたかったらフリーになればいいし、1人でやっていけばいい。団体で作り上げてきましたから。この作り上げてきたことをリング外もキッチリやらないと。気を許したらあっという間に潰れてしまうと思うので。会社の使命は、選手、スタッフ、従業員、それにその家族、関係者と。そうなると何人を食わせていかなきゃいけないのか。それと一部の選手の戯言、どっちを取るのか。僕らは守る方ですから。前者を取ります。当たり前じゃないですか。これまでDRAGON GATEやってこれたのは選手たちがやってきたこと。それを放棄するならいりません。他団体とか行って見た方がいいのかもしれない。僕から言わせれば彼らは坊ちゃんですよ。学校は卒業したというけど、僕からみたらまだ学生かな。卒業しきれなかったんじゃないかな。リング外での仕事が嫌なら、リング内だけでやれる団体で活躍すればいい。(昨年の7月4日、闘龍門から卒業の意味を含め今のDRAGON GATEになりましたが、彼らはあの時点で卒業できていなかったと)そうですね。今はもっとシビアになったかなDRAGON GATEは。本気でこの会社をでかくしてやるというヤツ以外はいらない。もう坊ちゃん、お嬢ちゃん、学生さんはいらない。リング内、リング外でのプロ。最低限でも社会人。これを捻じ曲げるものはいらない。
(『週刊ゴング』2005.1.26号)


昨年12月31日付で近藤修司、大鷲透、YASSHI、菅原拓也、高木省吾の5人を素行不良、職務怠慢を理由に解雇したドラゴンゲート。
1・9名古屋では岡村隆志社長が会見し、近藤らのリング外での目に余る態度、協調性のなさ、ほかのドラゴンゲート勢からも非難の声が上がっていたことを理由に解雇に踏み切ったことをあらためて発表した。
闘龍門時代、唯一のヘビー級である大鷲は別として、近藤、YASSHI、菅原、マスクマンのベリリネッタ・ボクサーだった高木は、いわば"かませ犬"からはい上がってきた苦労人。同じT2P出身であり、スター性のあるミラノコレクションA・T、YOSSINO、アンソニー・W・森や後輩の石森太二の陰に隠れながらもクサることなく、実力でのし上がってきた努力型だ。
デビュー当初は期待されていなかったが、そんな彼らだけで悪冠一色なるユニット結成に至ったあたり、会社から認められた証拠。同ユニットに加入した大鷲もヒール性、存在価値がアップ。ベビーフェースぞろいのドラゴンゲートにあって、悪冠一色はヒールユニットとして貴重な戦力に育った。
それだけに、今回の解雇はドラゴンゲート、悪冠一色双方にとってもったいないとの印象。それでも岡村社長やドラゴンゲート勢は、戦力維持より団体の結束力を優先した。
その方針が奏功し、悪冠一色の解雇後、また、今年初となった後楽園ホール大会は内部のゴタゴタを感じさせないこれまで通りの熱気ぶり。
オープニングMCではCIMAにかみついてきた谷嵜なおきに対し、「オマエ、解雇したろか!?」と悪冠一色の解雇騒動を逆手に取った"口撃"さえ披露し、場内を温めた。(後略)
(『週刊ファイト』2005.1.26号)

●「闘郷 〜マット界ふるさと人国記〜」

静岡県
静岡と聞くと、サッカー王国でもあり、さわやかな風を感じる。
しかし、レスラーに関しては、案外濃い。近藤修司、高木省吾、小笠原和彦、ターザン後藤。どうにも静岡の風を感じない濃さだ。
この県の人たちは、気候の良い地元の風土をことさら愛しているというが、彼らはどうだろうか?
(『週刊プロレス』2005.1.26号)

●「悪冠一色解散インタビュー」

5人が揃うのはこれが最後
悪冠一色解散

昨年の大晦日にDRAGON GATEから解雇を言い渡された近藤修司、"b"YASSHI、大鷲透、高木省吾、そして菅原拓也の5人。解雇理由については1・9名古屋大会で岡村社長から説明があり"リング外"でのことが1つの大きな要因となっている。でも、それは解雇を言い渡した側の言葉。それを通告された側の5人は今、何を考えているのか----。

昨年の大晦日、12月31日をもってDRAGON GATEから解雇を言い渡された近藤修司、"brother"YASSHI、大鷲透、高木省吾、そして菅原拓也の5人。
彼ら5人はDRAGON GATEで悪冠一色というヒール・ユニットを組んでいたが、その暴れっぷりはリング内に止まらず、リング外でもヒール的な振る舞いがあって今回の解雇という結果をもたらした。
これまでSUWA、TARUの2選手がDRAGON GATEから抜けていったがいずれも退団という形。選手と団体の間で話し合いが持たれてのこと。
だが解雇の場合は会社側から一方的に下されるものであり、それ相当の理由がそこには存在する。その理由に関しては1・9名古屋大会で岡村社長の口から説明があり、内容に関しては先週号で掲載した通りだ。
ここでは割愛させて頂くがただ1つ"リング外"でのことが大きいとだけ記しておく。
これまでSUWA、TARUの2人に関してはそれぞれ退団に関する自分達の言葉があり、それを本誌は取材してきた。それが本誌のスタンスであり、今後も変わらぬ方針である。
解雇という言葉の意味を考えた場合、この時期に悪冠一色を扱うのはどうかという声もあるが、片方だけの言葉では全体が見えてこない。
まして昨年の最終興行となった12月26日の川越大会以降、悪冠一色の5人は表舞台に出てきていない。そのため今回の件に関して彼らの言葉が一言も表に出ていないのが現状だ。本誌としてはやはり5人の言葉を聞いておく必要があると判断した。双方に中立的な立場であるならばそれは当然のこと。前述のようにこれが本誌のマスコミとしてのスタンスである。
そこで彼らとのコンタクトを試みる。だが5人の住まいはバラバラでスケジュールが思うように決まらない。一人一人に話を聞くか…いや5人が一緒でなければ意味が無い。
何とか5人が揃う日にちが決まり、彼らが指定してきた場所へと車を走らせた。
彼ら5人と会うのは川越大会以来だ。私服ということもあってリング上の彼らとは少し雰囲気が違っていた。
ことがことだけにお互いにどこかぎこちない喋りがしばらく続く。
遠回しに話しても意味がないのはお互いに分かっていた。どちらが切り出すか。
「ホンマ、俺らなんか取材によう来たな」
ブラザーは雰囲気を察したかのように言葉を投げかけてきた。もう単刀直入に聞くしかない。聞きたいことはただ1つ。
「マスコミってやつは何でも聞きたがりやな。オレらはホンマ忙しいんや。ハッキリ言って期待しているようなコメントはない。暇ちゃうから」
こちらが"解雇"について切り出す前にブラザーから言われてしまった。
「今は何も言うことがない。会社が解雇っていうならオレら5人は解雇だよ。まあ2年先、いや1年後のオレらを観ていてくれれば分かることだから」
大鷲も今この場で言うことはない、いや必要は無いという構えだ。他の3人も同じだった。
「さっきの件と同じで何もないよ。言うことはない」(大鷲)
「オレは今後のことを考えるよりもまず病気を治すことが先ちゃうか」(ブラザー)
「とりあえず金を貯めて神戸から出ることかな。つまり神戸脱出大作戦」(菅原)
「知らねぇよ。なあ、ブラザー」(近藤)
「足刈りを極めたい。全団体で足刈りコンプリート」(高木)
今時の若者といってしまえばそれまでだが、話を聞いていると後先のことを考えずに飛び出してきた感がある。
「まあ、オレらを取材しにきたことに対して面白いネタをやるよ。オレら5人クビ…解雇だから悪冠一色、悪冠一色はこの場で解散。この場で解散宣言や」
解散ということは今後、この5人で活動することはないのか。
「今後オレはこの5人とは一緒にやらない。永遠にな」(近藤)
「オレは好き勝手にやらせてもらう」(大鷲)
「さっきと同じや。オレはとにかく病気を治すことが先決なんや」(ブラザー)
「いつか5人でまた集まってやりたい。その時は今より凄くなっているはずだから」(菅原)
「クビだけに首が痛い」(高木)
高木は別として他の4人は別々の道を歩もうとしている。
悪冠一色として1つのパッケージと思われていたが意外にもメンバーの意識はバラバラだった。そして結果的に悪冠一色、この5人が揃うのはこの日が最後ということになった。
SUWA、TARUのように1人の選手というよりも悪冠一色はユニットとしてのイメージが強いだけに、この解散宣言はマイナスのようにも捉えられるが…。
「絶対はないプロレス界だけど、俺たちがDRAGON GATEに戻ることは絶対にない」
帰り際に大鷲が言ったその言葉からそれぞれが何らかの形でプロレス活動を続けることは間違いないようだ。
(取材/山本浩二)
(『週刊ゴング』2005.2.2号)

●「編集部談話室」Q&A

[Q] 昨年末にドラゴンゲートを解雇された悪冠一色ですが、どの団体に参戦しそうですか? このままプロレス界から消えていくとは思えないんですけど。
[A] 確かにこのまま消えていくとは思えないですね。そろそろ何らかのアクションを起こすのではないかと思われます。問題は5人そろって新天地を求めるのかどうか。それぞれが自身に合った戦場を求めるかもしれません。ただ、YASSHIの強烈な個性を生かし切れる団体はそんなにないでしょう。インディーで細々とレスラー生活を続けるとも思えませんし、それなりの団体に殴り込んでくるのではないかと思われます。そうなると、ある団体が思い浮かぶのですが、さて……。
(『週刊ファイト』2005.2.23号)

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