買書日記(12月)   掲示板

12月30日(月)

明日から3日ほど出かけるので今年最終回。マイ年間ベストを書いておきます。読了本約150冊から選んだものです。ベスト11です。次回更新は1月2日ごろの予定です。


蒼老たる浮雲 残雪 河出書房新社
  理解不能の切れた幻想的純文学の極北。

キス・キス ロアルド・ダール 早川書房

  奇妙な味の傑作短編集。はずれなし。

魍魎の匣 京極夏彦 講談社ノベルス
  妖怪探偵小説。器械のイメージが鮮烈。

山椒魚戦争 カレル・チャペック 岩波文庫
  今も古びないSFの古典中の古典。今こそ読まれるべきか。

異形の白昼 筒井康隆編 立風書房
  今更初読を表明するのが恥ずかしい名アンソロジー。

見えない暗闇 山田太一 朝日新聞社

  読む人それぞれの心の暗闇を見つめ直してください。

エスペデア・ストリート イアン・バンクス ブックプラス
  心に沁みるロック小説。

冒険者たち 斎藤惇夫 岩波少年文庫
  ガンバたちの活躍は決して忘れない。名作といわれるアニメに負けない原作。大人が読んでも面白い。

ガリバー旅行記 ジョナサン・スィフト 岩波書店
  大人になってからこそ読む価値がある。本当の意味がわかる。

空気頭/田紳有楽 藤枝静男 講談社文藝文庫
  言語道断。冗談のような幻想的私小説。

六番目の小夜子 恩田陸 新潮文庫
  ュブナイルの傑作。甘酸っぱい郷愁に満ちた佳品。


他に今年読んだ本で印象に残った本を下に書いておきます。どれも面白いですが、太字が特に面白かった。
ブラッド・キング ティム・ウィロックス 角川文庫 格好いいエンターテイメント。
ポオ全集1 E・A・ポオ 東京創元社 名作ぞろい。
危険な童話 土屋隆夫 桃源社 推理小説の面白さが味わえます。
時の呼ぶ声 草川隆 三一書房 ロマンチシズムに溢れた長編SF。
吸血鬼幻想 種村季弘 薔薇十字社 吸血鬼を追い求める人に。
とむらい機関車 大阪圭吉 創元推理文庫 何故埋もれていたのか?こんな面白い探偵小説。
コレクター(上)(下) ジョン・ファウルズ 白水uブックス 純文学的クライムノベル。
ユーモアミステリ傑作選 風見潤編 講談社文庫 ユーモアミステリーの珠玉篇。
天使の殺人 辻真先 創元推理文庫 ミステリーのアクロバット。
ラヴクラフト全集1 国書刊行会 幻視者の著者には私小説かもしれない。
後宮小説 酒見賢一 新潮社 中国だからファンタジー。虚実ないまぜのおもしろさ。
秘密 東野圭吾 文藝春秋 ミステリーかSFか。クロスジャンルの面白さ。
アリス狩り 高山宏 青土社 思考のアクロバット。
タイピー ハーマン・メルヴィル 国書刊行会 民俗学的冒険小説的文学作品。
獄門島 横溝正史 角川文庫 やっぱり探偵小説は面白い。抜群のストーリーテリング。
T.R.Y 井上尚登 角川書店 「ルパン三世」を彷彿とさせる詐欺小説の佳品。
夜の果ての街 朝松健 光文社 電波系怪奇魔法ノワール小説
ココ(上)(下) ピーター・ストラウブ 角川ホラー文庫 ベトナム戦争が暗い影を落とす重厚な文学作品。
ハサミ男 殊能将之 講談社ノベルス  すっかりだまされました。
どーなつ 北野勇作 早川書房 ある意味作者にとっては私小説かもしれない。
傀儡后 牧野修 早川書房 著者の内面をぶちまけたインナースペースSF。
飛浩隆作品集T 飛浩隆 神魂別冊 商業出版が待ち遠しい。
シャドウ・オーキッド 柾悟郎 コアマガジン まあSFですねえ。
ダブル 久綱さざれ 学研 なんだか初々しい怪奇小説。
金井美恵子全短編T 日本文芸社 金井美恵子は読まれなけらばならない。

今年もご愛顧ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

(今日買った本:0冊 今月買った本:163冊 今年買った本:1964冊)

12月29日(日)

ひたすら片付け。何故、積み重ねた本というものはあんなに簡単に崩れるものなのだろう。ひたすら惨状で前のほうが片付いているかと思うくらいだ。レンタルスペースは10箱を越えたが、量が減った気がしないのは何故だ。ドラえもんのポケットが欲しい。ただ良かったのはあんな本、こんな本が発掘できたこと。でもスピードが要求されたためダブリでも何でも突っ込んでしまい、処分したい本もごっちゃになってしまった。どうしたものか。しかし本というのはちらかるし、重いしやっかいなものではある。

届いた本を。
おぼつき海岸の流れ星伝説  津原やすみ 講談社X文庫
夢の中のダンス 津原やすみ 講談社X文庫
ふたりと美少年とエトセトラ 津原やすみ 講談社X文庫
五月物語 津原やすみ 講談社X文庫
恋のペーパーチェイス 津原やすみ 講談社X文庫
パーフェクト・キッス 津原やすみ 講談社X文庫
初恋のリフレイン 津原やすみ 講談社X文庫
五月日記  津原やすみ 講談社X文庫
身勝手なヒロイン 津原やすみ 講談社X文庫 最近集めようと思っている津原やすみ。
星からきたボーイフレンド 津原やすみ 講談社X文庫 泰水名義の作品のファンだからといっても読まないかもしれないけどね。
地球に落ちてきたイトコ 津原やすみ 講談社X文庫 でも泰水名義の作品もちゃんと読んでいないのは秘密だ。
あぶない学園キケンな少年 森奈津子 レモン文庫 これは一応読むつもりはある森奈津子作品。最近見ない。
あぶない学園大さわぎ 森奈津子 レモン文庫 残り「禁断のあぶない学園」「お嬢さま大戦」「お嬢さまと無礼者」「お嬢さまの学園天国」「お嬢さまと青バラの君」「お嬢さまの逆襲!」6冊。某さんに探求依頼を出させていただいていますが、最近買われた2冊はもしかして私のためでしょうか?それだと残りは4冊になりまするが。
ドイツ怪奇文学入門 前川道介 綜合舎 最後に来てメチャクチャ嬉しい本です。これもある方から売りに出ているのを教えていただきました。虚像 粒来哲蔵 地球社 署名入り。上記の本を買った店で売りに出ていたので購入。黒猫館さんのHPで存在を知りました。購入は福島県の本屋さんですが、著者は福島県の出身とのことでなんとなく納得。

もうすぐ1巻を読み終われますが、気晴らしに安田五郎「その便所」を読了。

うさぎのゆめ 三田村信行 フレーベル館
ある日山で大きな音がしておかしなものが。ふもとに住むライオンはくまに、くまはきつねに、きつねはうさぎに命じて調査に赴く。そこで見たものは?皮肉は多少あるものの、かわいらしさもありさほど著者らしさは感じない絵本。たむらしげるの絵本ということで探している人も多いかもしれないが、ご本人のHPの作品リストにも掲載されておらず、意外に知られていないのかもしれない。基本的には幼稚園向けで一般販売していないようだししね。絵のほうは鮮やかな色も使用した美しいもので、ぼくは特にファンというわけでもないのだが、これだけで探している人がいてもおかしくないとは思う。


(今日買った本:15冊 今月買った本:163冊 今年買った本:1964冊)


12月28日(土)

片づけ中。レンタルスペースはただいまダンボール11箱だが、部屋は全く広くならず。

それでも買い物をして顰蹙を買う。
ファウンデーションの勝利 デイヴィッド・ブリン 早川書房
うさぎのゆめ 三田村信行 フレーベル館 探求書。たむらしげるの絵なので探している人も多そうだが、自分は三田村信行なので探していたのだ。
有栖川有栖の本格・ミステリ・ライブラリー 角川文庫
仮想の騎士 斎藤直子 新潮社 あと「しゃばけ」かな?
トカジノフ 戸梶圭太角川書店
エンデュアランス号漂流 アルフレッド・ランシング 新潮社
闇の守り人 上橋菜穂子 偕成社 わざわざ出向いて買い直し。

「鉄仮面」は間隙を縫って読むがまだ1巻の終盤。少し面白くなってきたかな?
逃避で「うさぎのゆめ」を読んでしまう。

届いている本もあるが、それは後日。

(今日買った本:7冊 今月買った本:147冊 今年買った本:1949冊)

12月27日(金)

「鉄仮面」を選択したのはいいものの、多忙なせいもあるけど、2日間で、まだ上巻100ページ。ニ段組200ページ強が3冊とはなあ。既にやめたくなっているのでした。

残務で遅くなったものの、買い物はしてみる。

本格ミステリ02 講談社ノベルス
オーディンとのろわれた語り部 スーザン・プライス ダブリかもしんない。エルフ・ギフトも買わなきゃね。
チグリスとユーフラテス 新井素子 集英社
SEVENTH OUT コアラブックス 久美沙織他のホラーアンソロジー。申し訳無いけど新刊で買う気はしなかった。
d虚空の旅人 上橋菜穂子 偕成社 もっていないのは「闇の守人」であったか。
静かなる黄昏の国 篠田節子 角川書店
フロストハート 桐生祐狩 角川書店 ホラー大賞授賞第一作。受賞作も積読。

(今日買った本:7冊 今月買った本:140冊 今年買った本:1942冊)

12月26日(木)

悪魔のカタルシス 鯨統一郎 幻冬舎文庫
悪魔テーマの長編。主人公の祥平はある日ビルの壁に悪魔の姿を見る。その後のある日尊敬する若手政治家の姿までが悪魔に見えてしまい、悩む祥平。そしてカルト教団や自然農法家まで入り乱れての闘争が始まる。
怪奇小説といえば言えるが、基本的には二回読み不可能の趣向が肝である。著者は基本的にミステリー作家に分類されるのだろうが、これはミステリーでは全然無い。終盤明かされる悪魔の正体は思いつきの域を出ない、どうでもいいようなものだが、まあ著者の狙いはそんなところではなく、あくまでも本全体に仕掛けられた趣向にある。表紙、巻頭言、そしてラスト。結局趣向のためだけに書かれたものを読まされてしまったような気もしないでもないが、たまにはいいでしょ。こんな本書く人なんだぁ。


(今日買った本:0冊 今月買った本:133冊 今年買った本:1935冊)

12月25日(水)

雑誌を購入
SFマガジン2月号 バクスター特集。その割に品切れ多いみたい。持っているんだろうか。日下さんの連載は贔屓の荒巻義雄。
ミステリマガジン2月号 クリスマス特集。丁度読み終わった鯨統一郎のインタビューがあり、作品にも触れていた。いや偶然。
SFJAPAN 翻訳SF特集、といっても題名を借りたパロディ・オマージュ短編を掲載し、翻訳そのものは無いという一発ネタみたいな特集。神狩り2はいつのまにやら来春になっているぞ。そうだ、SFJAPANならまだ読むのが追いつくかもしれん。

「悪魔のカタルシス」鯨統一郎 読了。

鉄仮面を読もうか迷うところ。

(今日買った本:3冊 今月買った本:133冊 今年買った本:1935冊)

12月24日(火)

「現代フランス幻想小説」が紛失。どこいっちゃったんだろ。家の中にはあるはずなんだけど。
仕方が無いので鯨統一郎の「悪魔のカタルシス」を読むことにする。

自由が丘のいつものフランス料理レストラン「ラ・ビュット・ボアゼ」へ出かける。食事は美味しかったのだけど、ワインやらシャンパンやらのせいもあって今まで食べた中で一番高い会計でした。もう何年もことあるごとに行ってますが、クリスマスは初めて。でもさすがにここでもクリスマスは高いし、普段はやらない入れ替えだったんだが。

ついでといってはなんだが、本屋には寄っておく。
レアンダの英雄 アンドリュー・ガーブ ポケミス
奇妙なピストル フランシス・リック ポケミス
ちょっと待ちな有平糖 光瀬龍 徳間書店 タイトルは覚えがあるのだが、もっていないといいな。
さらばスティーブンソン 森山清隆 新潮社
五人姉妹 菅浩江 早川書房
昏き目の暗殺者 アトウッド 早川書房 「ダンシングガール」が極めて普通の純文学だったが、こちらはどうなのか。本当は「侍女の物語」を読めばいいんだろうが。

シャットアウト 加納一朗 東都書房
某kashibaさんが日記で評価されていなかったので気になっていた本。株価崩壊のあおりを食って殺されてしまった小手証券会社社長の娘が犯人を追いかける話。で、kashibaさんは地の文で嘘を書いているということで、掟破りということを仰られているのですが、ルール違反かどうかは門外漢の僕にはわからないので別として、確かに仰られる通りなのかなと思います。ただ素人考えですがこれって有名な海外作品のあれとか、日本でも同じ話を書いてしまった某巨匠探偵小説作家のあの作品とわりあい似た趣向なのかな?なんて思ったりしました。ちゃんと伏線がひいてあったのかは、そういう読み方をしないのでさっぱりわからないのですが、あまり真摯なミステリー読みではないぼくはわりあい面白く読んでしまいました。無理して読む必要は無いと思うけれど、ぼくは読んで損は無いと思います。(ただし読んで損をしたと思っても責任はとりませんが)



(今日買った本:6冊 今月買った本:130冊 今年買った本:1932冊)


12月23日(月)

渋谷へ。
ブックファーストへ。出ていたことも知らない本や買わなきゃなと思っていた本がごろごろ。その中から涙を呑んで選択。
家へ帰ってから何やかやと買わなきゃならないなと思っている本をBK1でピックアップしているとたちまち6万、7万とふくれあがる。
こりゃたまらん。出口裕弘、中野美代子、高山宏、国書の本と山積である。ほとんど読めないのにね。読めない本は買わなきゃいいと思うのだけど。
小松左京マガジン8号 1冊も読んでいないや。
人形作家 四谷シモン 講談社現代新書 四谷シモンの本が現代新書から出るとは時代も変わったものである。
受胎告知 矢川澄子 新潮社 建石修司画伯の美しい装丁に飾られた遺作集。
アナイスニンの少女時代 矢川澄子 筑摩書房 逝去直前に刊行された本。
クチュクチュバーン 吉村萬壱 文藝春秋
メグ・アウル ミステリアス・クリスマス2 パロル舎 1も積読ね。
スーパー・カンヌ J・G・バラード すっかりミステリ作家になっちゃいましたな。

加納一朗「シャットアウト」読了。「現代フランス幻想小説」を選択。

異邦人たちの慰め イアン・マキューアン 早川書房
面倒なので帯から引用。「イタリアの古都を訪れた英国人カップル、コリンとメアリは、道に迷った夜ロベルトという地元の男と知り合った。ロベルトの家に招かれ、体が不自由な妻キャロラインに紹介された二人は、自分たちが奇妙な罠にはまったことを知る。」
街は明記されないが、まあヴェニスだという意見がほとんどのようです。帯の惹句にあるように幻想的かというと確かに夕方のヴェニスは幻想的といってもさしつかえない風景であるからわからないでもないけれど、実際の本文ではさほど幻想的な感じはしない。もっとも前半では街をさまよう二人の人物の毎日の描写がホテルでの情事の描写と共にえんえんと続くため一体どうなっちゃうんだろうとは思ったが、その辺は幻想小説の趣が無いこともない。一転後半は別な人物がだんだんと前に出てきて動きがあり、メリハリは利いているようだ。残酷味やポルノ描写も多いため、分類すればポルノグラフィカルなサイコものといってもいいような気がするが、それより男と女という性別の異なる別の生き物の、ある生態を考察した、というな文学作品といった方が当たっているように思う。


結局大量の目録はまともに見れないまま、注文もしないまま終わってしまいました。でもまあいいやって気分。どうせいけないし。それよりも本を読んだほうがいいや。

(今日買った本:7冊 今月買った本:124冊 今年買った本:1926冊)

12月22日(日)

オーロラバード 黒岩研 角川書店
ブラウン神父ブック 井上ひさし編 春秋社

感想ちうのは難しいもんです。

「異邦人たちの慰め」読了。加納一朗「シャットアウト」を選択。

それにしてもkashibaさんに教えてもらった草薙圭一郎が田中文雄のペンネームという件には驚いた。
教えてもらったHPに行くとえらい言われようである。そんなに酷いのか?まあ、そもそもペンネームを使用するところが怪しいけど。

(今日買った本:2冊 今月買った本:117冊 今年買った本:1919冊)


12月21日(土)

買い物リスト。
多毛留 米倉斉加年 偕成社
第二次宇宙戦争 伊吹秀明 ワニブックス
東京難民殺人ネット 村上政彦 ハルキ・ノベルス 「魔王」とかで知られる純文学作家のミステリ。
d塔の物語 井上雅彦 角川ホラー文庫 間違えた。でも帯がついていたので良しとしとこう。
コルト拳銃の謎 フランク・グルーバー 創元推理文庫
汚れた刑事 結城昌治 ケイブンシャ文庫
15秒 安東能明 幻冬舎
朱の紋章 朝倉稔 アグレマン社 久々にたまげる。HPでも書影を載せているが、「魂の飛ぶ男」の著者の(多分)第二作品集で自分は「幻想作家名鑑」で知って探していたものの、こんな古書店が興味を示さなさそうな誰も知らないであろう作家の知らない出版社の本だったため、半ば手に入らないだろうと思っていた。それが、こともあろうに近所のブックオフに100円転がっているとは・・。幻想的な作品かどうかは読まないとわからないけれども、何にせよすごく嬉しい収穫です。(まあこの本を探していたのは日本で一人だったかもしれないけど)
下記は新刊書店にて。欲しい本が一杯出ていて一万円を越えてしまったけれど、嬉しい買い物ばかり。
泉 倉阪鬼一郎 白泉社
世界の果ての庭 西崎憲 新潮社 ファンタジーノベル大賞。待ってました。ただ残念なのはBK1で購入者に新作掌編プレゼントをやっていたのに購入後に気がついたこと。対象商品全部持っているんですけど・・・。
アバラット クライブ・バーカー ソニーマガジンズ 著者のカラーイラスト満載の美しい本。4部作らしい。無事続刊を祈るのみ。
紙葉の家 マーク・Z・ダニエレブスキー ソニーマガジンズ 掲示板でも書いていただいていますがSPOOKYさんが編集に携わっているということで楽しみにしていました。解説には触れていないけれどもストーカー賞にノミネートもされているホラーでもあるようです。タイポグラフィックとは聞いていましたが、内容をぱらぱら見ると難しそう・・。ぼくでも理解できるかしらん。それが心配。今のところ年末年始の除夜の鐘を聞きながら読もうかと思っておりますが・・。(通勤で読むにはでかくて重くて持ち運びしにくいしね)

(今日買った本:12冊 今月買った本:115冊 今年買った本:1917冊)

12月20日(金)

たまには感想でも。

初稿刺青殺人事件 高木彬光 扶桑社ミステリー
一気4冊刊行の復刻版シリーズの一冊。短編を併録。
白雪姫 雪の青森を舞台の密室もの。トリックは今となっては誰でも考え付きそうでいて、この舞台設定ではとても人間技では実行可能であろうとは思えず面白くない。
影なき女 これも密室。影なき女の正体は?いかにも、という終わらせ方。
鼠の贄 読むのは3回目くらいかもしれない。鼠ネタの怪奇ミステリー。この手の作品は好みなので可。
原子病患者 第五福竜丸をネタにした風刺味の濃い作品であるが、今読んでも面白い。こういう材料を使用したミステリーは少ないのじゃないだろうかと思うが、どうなのだろうか。最後のオチも怖いような悲しいような感じで良い。
妖婦の宿 館ものの元祖みたいなものか。まあまあ。
刺青殺人事件 改稿版は読んでいるのでまあ再読いってもいいのかな?分量が約2倍ということだが、正直言ってよく分からなかった。ただ純粋に分量的に言えばこのくらいが丁度いい気がする。現実味の無い密室トリックはぼくには何の感慨も催さず、全体から浮いて思えるのはあいかわらずであるが、全体を貫くトリックは面白く、全体から見れば面白い作品であることには異論は無い。


(今日買った本:0冊 今月買った本:103冊 今年買った本:1905冊)

12月19日(木)

通りがかりの古本屋。
キスの代償 中田耕治編 青弓社 ミステリーアンソロジー

届いた本
ふしぎの丘の化け猫少年 森奈津子 レモン文庫
ふしぎの丘の妖怪変化 森奈津子 レモン文庫
グースカ夢見る問題児 森奈津子 レモン文庫
随想鼠の王様 椿八郎 東峰書房
隕石の寝床 中村正常 芸術社
針の館 仁科東子 カッパノベルス
まぼろしの腕 高原弘吉 新潮社

(今日買った本:8冊 今月買った本:103冊 今年買った本:1905冊)

12月18日(水

アポ途中で通りがかったちょっとした古書市。
星新一の世界 別冊新評 新評社 単行本化したものは持っていますが、雑誌の元版はたぶん未所持。内容違うのかしら。

届いた本。
ボナわが愛と絵画 マンディアルグ 新潮社 

(今日買った本:2冊 今月買った本:95冊 今年買った本:1897冊)

12月17日(火)

読書はイアン・マキューアンを選択。

次はやっぱり課題図書の「鉄仮面」になるかな?

仕事だけでなく月火水と三日間連続の飲み会のため、多忙です。

(今日買った本:0冊 今月買った本:93冊 今年買った本:1895冊)

12月16日(月)

初稿・刺青殺人事件 読了。

目録を見る時間がとれないのが残念だが、ただでさえ取れない読書時間を削ってまでというのもなんだかなあという感じだし。

ジャーロ 買うばかり雑誌を読まないので、せめてジャーロぐらいは読もうと思っているうちにはや10号ですか・・。はぁ。
紫迷宮 祥伝社文庫 書き下ろし競作集 森青花が楽しみ。

大熊さんは厳しいなあ。ぼくは小説は面白ければそれでいいとは言わないけれども、面白いだけの小説も当然あって良いと思うのでした。そういうものを読みたいこともあるしね。

「幻想文学」あと2号で終刊とのこと。休刊では無く明確に終刊。言葉も無いが、思えば高校生のときに町田の有隣堂で2号を見つけたのが運のつき。それから20年以上のつきあいになりますか。人生の半分以上を共に過ごしてきたことになりますね。書きたいことはありますが、一つの雑誌の終焉というキーワードだけで語るには、ぼくにとっては大きい出来事です。

(今日買った本:2冊 今月買った本:93冊 今年買った本:1895冊)

12月15日(日)

ファンタジー小説ファン度調査」なるものをやってみる。古典を含めてかなり広域に作品を集めているためか趣味に合うのか、53作品と僕としては好成績。かなりマイナーな作品も入っていて嬉しくなってしまう。読んでいる一番下はケロールの「海の物語」だが、ベラミーの「顧みれば」(積読ね)より上なのが不思議なような・・。「スポンジ教授」シリーズは見たこと無いけど欲しいな。

SFスナイパー パラドックス傑作選 ミリオン出版

ファンジン「パラドックス」の傑作選。プロとして活躍されている方もいるせいかレベルは高い。
怪獣対策会議(伊吹秀明)謎の怪獣が現れた。対策会議が開かれる。怪獣映画のパロディーでもあり、怪獣という存在をSFに置き換えることもできる。(そうすると安部公房のある文章を体現した形になるのだが) 軽妙かつユーモラスな作品。
惑星ハニー(北川茨)惑星ハニーは単性生殖の娼婦の惑星であった。しかしそこには恐るべき陥穽が・・。恐るべき生態系をユーモラスに描いた作品である。ある意味ジョン・カーペンターの某映画みたいだ。
それゆけ薔薇姫!(まぐろ屋猫丸)本書ではペンネームだが既にファミ通文庫から岡本賢一名義で本を出してしまっている。パルプSFのパロディポルノ作品。ファミ通文庫も買わなきゃね。ただし文庫版は検閲が入っているらしいけど。
パンダにバックドロップを(伊吹秀明)格闘技のパロディSF?であるが、敵はパンダである。どういうことか読めばわかる。この人、変な小説書くね。
ウタハヌヲジの物語(北川茨)神話的世界を端正に描いたファンタジー。読み応えがある。
黒い老人(木川明彦)サキソフォンを吹く黒い老人。その正体は?ショートショートくらいの短さだが、ブラックユーモア的な余韻の残る好作品。気に入りました。
昭和快男児(出雲乱丈)上記の著者のペンネームによる古典空想科学小説パロディだが、今いち著者の創作の意図が伝わらず。
アンビストマの大迷宮(日高トモキチ)著者にはコミックの単行本もあるらしい。作品的にはユーモア探偵小説の構造をもたせたSFである。ミステリーファンにもお勧めできる・・・かな?でも最後はSFだけれど。面白い。
ロボットは泣かない(岡本賢一)本書中一番長く、ハヤカワSFコンテストに最終選考まで残った作品。少しウェットなロボットものでややオールドファッションな気がするので賞が取れなかったのかしら。でもかなりおもしろいと思う。お勧め。ところで著者の「鍋が笑う」がすごく読みたくなったのだが、どこにあるのか見当もつきません。こういうとき困るんだよね。
プロメテウスの娘(新井素夫)最初はミリタリーSFであるが、最後はきちんと宇宙SFとして完結している。面白い。
「黒い老人」と「ロボットは泣かない」が集中ベスト。伊吹作品も妙な魅力がある。しかし岡本賢一も伊吹秀明も本書に収録されているような作品はあまり出版されていなさそうなのが残念。ファンジンの傑作集だが、かなり楽しめたのでお勧めしておきます。


届いていた本がありました。
孤独な娘 フィアリング ポケミス 前によしださんの掲示板で森さんがSFと書かれていたので欲しかった。でもこの本の解説はすごいぞ。乱歩なのだが、「私は未読なので内容はわからない。忙しくてゲラも読めなかった。」ということで、フィアリングについての全然別の話題でお茶を濁しているのだ。うーん。さすが大乱歩は違うなあ。
殺人設計図 鮎川哲也編 双葉社 それなりの金額でオークション落札。残りは「殺意のトリック」でごんすかな?

ダンボール2箱を運び出すが、減った気がしません。(当たり前か)もっと抜本的に処分を考えないとだめみたい。それにしても本がありすぎ。片付けは疲れちゃう。ってそんなに本を買わなきゃいいんだけどね。買っちゃうんだよな、それが。

(今日買った本:2冊 今月買った本:91冊 今年買った本:1893冊)

12月14日(土)

あなたのお耳に 出久根達郎 講談社
夢見館 霞田志郎 アスペクト 
オヨヨ大統領の悪夢 小林信彦 角川書店 文庫はあるがなんとなく。
エンジェル・リンクス(誕生編)(激闘編)(帰還編) 伊吹秀明 富士見ファンタジア文庫 短編が面白かったので買ってみる。
ジャックと離婚 コリン・ベイトマン 創元コンテンポラリ 
双頭の蛇 今邑彩 角川ホラー文庫
オロロ畑でつかまえて 荻原浩 集英社文庫
霊名イザヤ 愛川晶 角川文庫 ホラーミステリとあるが、紹介を読むとカタリ派とか書いてあるぞ。本当か?
悪魔のカタルシス 鯨統一郎 幻冬舎文庫
犯罪は二人で 天藤真 創幻推理文庫
謎のギャラリー名作博本館 北村想 新潮文庫
樹海伝説 折原一 祥伝社文庫
やっとかめ探偵団とゴミ袋の死体 清水義範 祥伝社文庫
文章魔界道 鯨統一郎 祥伝社文庫
真田三妖伝 朝松健 ノンノベル この本買った本屋で朝松健の「ノーザン・トレイル」を加筆完結させた単行本を見つけて驚く。刊行は今年の8月だったらしい。全然知らなかった。ちょっと高い割に少し痛んでいたので買うのはやめる。bk1にでも注文しようかな。
海鳴 明野照葉 双葉社 

(今日買った本:18冊 今月買った本:89冊 今年買った本:1891冊)

12月13日(金)

目録が珍しくたくさん届いているのだが、全く見る暇がありません。早い者勝ちならだめですけど、土日に見ておきたいと思う。

読書は「初稿・刺青殺人事件」を選択。

なんだか、へんて子 山中恒 偕成社文庫
映画「さびしんぼう」原作。「転校生」に続いての山中恒作品。ただし原作の対象年齢は多分こちらのほうが低い。ストーリーは書かないけれども、大林信彦のセンチメンタリズムに横溢した雰囲気はやはり「転校生」と同様に原作には無く、からっとした少年小説になっている。どちらのほうが好ましいかは好みにもよるけど、少なくても本作では登場人物を増やしたり年齢をひきあげたりしているため、映画と小説は別の作品と考えたほうが良いようである。さてここでは原作だが、超自然的な事柄を昭和40年代的な少年の日常にとかしこんで違和感無くストーリーを語っている。子供の視点では超自然も自然もないのだ。少年の眼から見える世界が全てなのである。「転校生」に比べれば少々対象年齢が低いけれども、大人が読んでも充分に面白いほら話である。やはり山中恒は面白い。


4日分終了。

(今日買った本:0冊 今月買った本:71冊 今年買った本:1873冊)

12月12日(木)

シャドウ・ランド(上下) ピーター・ストラウブ 創元推理文庫 待望の新刊。多分最初の予告を見たのは奇想天外のホラー特集だったようなきがするので、そうだとすると以来10年以上(15年近く?)待たされているはずだ。これであと2月についに刊行が正式に予告されたランズデイルの「ドライブイン」(これも刊行予告以来同じくらい待たされているはず)が予定通りに出れば、しばらくは満足である。まあ本当を言えば、残りダンセイニとルヴェルも頼むよ!と言いたいのだが。

届いた本を含めて
真夏の夜の黄金殺人 梶龍雄 徳間ノベルス
海を見ないで陸を見よう 梶龍雄 講談社
もえる目の秘密 R・アーサー 偕成社

SFスナイパー 読了。

(今日買った本:5冊 今月買った本:71冊 今年買った本:1873冊)


12月11日(水)

さすがに4日まとめて書くと、内容的にはほんとうに買い物リストにしかならないわ。4日も前に思ったことなんて憶えてないもの。

にぎやかな夜 立花種久 れんが書房新社 最近の2冊は別として「私設天文台」を持っているかが気になるところ。
ネメシスの哄笑 小森健太郎 出版芸術社
地下道の悪魔 新庄節美 学研
灼熱のミラージュ 羅門祐人 早川文庫JA
ペロー・ザ・キャット 吉川良太郎 徳間書店 そういえば小松左京賞の新しいのが出ているようだが、本屋では全く見ません。
奇遇 山口雅也 講談社 店頭が重版/「このミス」帯に変わる中、1冊だけ売れ残っていた初版/元帯をなんとなく買っておく。
世界は密室でできている 舞城王太郎 講談社ノベルス
夢のもえがら 一色真理 花神社 散文詩集
殺戮の女神 テア・ドルン 扶桑社
サンタがおとした日記 シュー・レイナー リブロポート
少女領域 高原英理 国書刊行会
歩兵型戦闘車両ダブルオー 坂本康宏 徳間書店
ブラック・アンブレラ 山田真美 幻冬舎
詩神たちの館 デイヴィッド・チャクルースキー 早川書房
ジェラルドのパーティー ロバート・クーヴァー 講談社 だんだん持っている気がしてきました・・。

(今日買った本:15冊 今月買った本:66冊 今年買った本:1868冊)


12月10日(火)

蛇行する川のほとり@ 恩田陸 中央公論社 Aが来年4月、Bは8月じゃ読めないよ。
酒の夜語り 井上雅彦編 光文社文庫 江坂遊氏が書いてますな。
古墳殺人事件 島田一男 扶桑社ミステリー ルパンの贋作がおまけ。4冊購入終了。
「X」傑作選 光文社文庫 個人的には倉光俊夫が入っているのに驚く。ミステリーを書いているとは知らなかった。まあ「現代怪奇小説集」(立風書房)にもかなりモダンな作品がはいっているけどね。

(今日買った本:4冊 今月買った本:51冊 今年買った本:1853冊)


12月9日(月)

雪が降っても買い物しました。
マーロウ最後の事件 チャンドラー 晶文社
あやつられた学校 ジリアン・クロス 偕成社
スカッとする話 正進社
ソドムの林檎 野阿梓 早川書房
闇の底のシルキー デイヴィッド・アーモンド 東京創元社
名探偵で行こう カッパノベルス
謎解き・風の又三郎 天沢退二郎 丸善
真っ暗な夜明け 氷川透 講談社ノベルス
最後から二番目の真実 氷川透 講談社ノベルス 
幽霊は行方不明 矢崎在美 角川スニーカー文庫
宇宙生命図鑑 小林めぐみ 徳間デュアル文庫

ダブリかどうかを調べるのさえ面倒になりつつあります。昨日も今日もきっとダブっている本はあると思いますが、とにかく面倒です。ホームページビルダーの反応もむちゃ遅いです。いったいどうなっているんでしょう。今日二日分の日記を書くのに一時間を費やしていますが、時間もったいないです。でも明日は早いです。読書時間が削られます。困ったものです。元来感想は後で自分が内容を思い出すのに使おうと思っていたんですが、前にある本の自分の感想を読んでもさっぱり内容を思い出せなかったことがあり、なんだか意味がないような気がしてきましたので、書きたいことがあるときは別にして無理をせずもっと簡略化することにします。

(今日買った本:11冊 今月買った本:47冊 今年買った本:1849冊)

12月8日(日)

読書は「SFスナイパー」を選択。

占い師はお昼寝中 倉知淳 創元推理文庫 デビュー作は私的にはちょいとダメでしたけど。
異郷の檻の中 陳舜臣 中公文庫 何を持っているやらさっぱりわからん。
おしゃべりな訪問者 小松左京 新潮文庫 持っていないのかな?
華やかな兵器 小松左京 文春文庫 これも。
TOKYO死街戦 辻真先 ケイブンシャノベルス
辺境 井上光晴 集英社文庫
ウォッチャー 草上仁 早川文庫JA 持っていないのかな?
市長、お電話です 草上仁 早川文庫JA これも。
宇宙探査艦ギガンテス 二階堂黎人 徳間デュアル文庫

パリの罠 新章文子 毎日新聞社
著者の本は初挑戦。本当なら乱歩賞受賞の「危険な関係」なんぞを読むのが筋なんだろうが、一番手近にあったもんで。9篇収録の短編集ですが、ミステリーの著作としては晩年になるでしょうか?もしかすると最後かな?
「パリの罠」伯母貞子の遺産をもらえない市子夫婦は、失恋にふさぎこむ遺産相続者の貞子の孫三輪子を自殺にみせかけて殺そうとするが。倒叙形式のサスペンス小説といえば言えるが、ラストはなんとも言えない落とし方で後味悪し。
「盗作の周辺」ジュニア小説の書き手である歌子は自分の書いた小説が少年に盗作され、しかも夫が審査員をするコンテストで3位入賞していたことを知る。少年の盗作は何故か?とかの謎はあるが、はっきり言ってミステリーとは言いがたい。男女間の心理うを描いた普通の小説。
「五円の剃刀」姑と住んでいる女が夫とのいさかいからいきずりの男の子供を宿してしまう。どろどろとした人間感情の縺れを描いて、これもミステリーというにはつらいかも。最後はまた底意地の悪い終わらせ方でなんともはや。
「落ちていた手紙」四郎吉は自分を捨てた女を殺してやりたいと思っていた。そんな時にひょんなことからある話がまいこむ。これは一応クライムのベルで最後の落としどころまでまっとうなミステリーらしく構成している。まあまあ。
「とぎれた声」姉妹の感情。夫の殺害。笑顔の裏には殺意が閃く。少女が挑む父親の冤罪晴らし。これもクライムノベルの体裁を取っている。度合いは違うが、少女をいわば探偵役に持ってきているようなところがあるのだが、仁木悦子とは天と地ほど肌触りが違う。これも持ち味?
「奥さまと推理小説」嘘から出た誠。書いた推理小説から出た犯罪。これもクライムノベル。
「疑惑」若くして夫と死別し、子供を遠くへ預ける女主人公は今日もバーで働く。そんなある日、付き合っていた作家と親愛を深めていた女優が殺され、疑いをかけられる。本書中では一番推理小説らしい短編ではある。ラストが強烈。どうしてそんな終わらせ方をするんだ?
「眠りの時」混血タレントの主人公は死んだと思っていた母親と出会う。最後がまたなんともはやな終わらせ方。
「明日には明日の」老人ホームに送られた老女二人の物語。ミステリーとは全くもって言えないけれども、ある意味小説としては一番面白い。
とにかく暗い。題材的に男女関係の感情の縺れが最も多く、そこから生まれる犯罪をモティーフにした小説がが多い。また最後に後味の非常に悪い落ちを持ってくることも多いようだ。人間の心情を描くという点では(ちょっと偏りはあるものの)それなりに描けていると思うが、人間のいやな部分を中心に描いているため爽快感からはほど遠く、およそ読書の愉しみが感じられないのは事実。どろどろした話が好きな人はどうぞ、って感じ。この人の書くのはこういう小説なの?


(今日買った本:9冊 今月買った本:36冊 今年買った本:1838冊)

12月7日(土)

ささやかなる飲み会で楽しいひと時。

怪傑黒頭巾 高垣眸全集参 桃源社 松本さんに購入していただきました。ありがとうございます。残り1冊は1巻の「銀蛇の窟」らしい。たまに見る気がするけど、2500円え見つければ合計10000円で揃えられたことになるんだが。
悪魔の殿堂 ベン・ヘクト 平凡社 やや壊れかけで決して状態は良くないけれど、欲しかったので我慢。
青子の周囲 新章文子 東都書房 これも決して状態は良くないけれど欲しかったので。あと「嫉ける」と「狂った海」かしらん。
SPOOKYさんには食玩をいくつか頂戴してしまいました。ありがとうございました。

なんだか、へんて子 山中恒 読了。

(今日買った本:3冊 今月買った本:27冊 今年買った本:1829冊)


12月6日(金)

遅くても買い物。
モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な話 ジョージア・ビング 早川書房
三色の家 陳舜臣 扶桑社文庫 おまけはジュブナイル。第二期は欲しい本とそうでない本が半々だったけれど、今回はどれもおまけがついているので買いやすい。がんばれ怪奇幻想編。
殺しも鯖もMで始まる 浅暮三文 講談社ノベルス
ねじの回転 恩田陸 集英社 「ねじの回転」といえばヘンリー・ジェームズなんだけどね。積読だけどさ。

国内SFファン度調査なるものをやってみたが、最近の作品ばかりという条件だったため13冊と惨敗。この手のやつ何をやっても低調な管理人でした。一体私は何を読んできたのでしょうか。

パリの罠 新章文子 読了

(今日買った本:4冊 今月買った本:24冊 今年買った本:1826冊)

12月5日(木)

なんだか最近3日分まとめて更新というパターンが多いね。

翳りある墓標 鮎川哲也 扶桑社文庫 翻訳・読物のおまけつき。分量も今回の4冊では一番多くて嬉しいね。
届いている本を忘れていた。
人生斜断記 エーメ 白水社 ようは「マルタン君物語」のことだと思うけれど。

辛口のカクテルを 斎藤純 出版芸術社 〜恋愛小説集〜
著者がデビュー前に出版した私家版を一部作品を差し替えたりして刊行した短編集。 6篇収録。
「見えない標的」盗まれた車(ポルシェ)を引き取りに行った帰り道で遭遇する女たちの集団とは?後書きによれば私小説としてもエンターテイメンとしても読めると書いているが、そんなことは考えずとも楽しいちょっと変わったお伽噺のような短編。本書では一番面白いかも。
「辛口のカクテルを」バーで出会った中年男の過去は全てを偶然のめぐり合いの中に埋没させる。少々出来すぎの感もあるけれど、これも一種のお伽噺のように読める。
「水曜日の詩人たち」バーで回想するある女性の思い出。
「詩人たちの喧騒」前作と同じ登場人物で、ややまとまりが悪い。この2編はちょっと若書きの感があって読んでいるほうもちょっと恥ずかしい。
「マイルストーンズ」主人公のバイクをかるキャリアウーマンは、真の自分の姿をさらけ出せる男に出会う。恋愛小説。
「月時計の夜」俺はインチキ中古屋のセールスマンだが、突然2人組の男に拉致される。そおで出会ったビッグボスという男に「ムーンフェイス」なるものについて聞かれるが、俺にはさっぱりわからない。人間違いか?これが一番ミステリーだが、突然女スパイとか出てきてコミカルな側面が強い。楽しくは読めるが、最後は苦い終わらせ方。
全体を通してみて、やはり若書きの感が強い。題材的には片岡義雄等にも似た感じもあり、純粋なミステリー短編集とは言えないと思う。(別に言わなくても全然いいのだが) 初体験だが他の作品の読みたい度は50%くらいだろうか。味わいはタイトルとは違って少々甘いけれども、悪いものではないので甘めの小説が好きな人に。文庫化済み。

(今日買った本:2冊 今月買った本:20冊 今年買った本:1822冊)



12月4日(水)

毎日時間が過ぎるのが早い。

読書は新章文子の「パリの罠」を選択。

漫画集13人の金曜日 河出文庫
惨殺! 筑波昭 旺文社文庫 最近再刊されましたね。
d暗黒の秘儀 ラブクラフト ソノラマ文庫 条件反射で購入。
d影が行く キャンベルJr HSFS 平成になって再刊されたHSFS。ま、話の種ですね。
非在 鳥飼否宇 角川書店
永久の別れのために エドマンド・クリスピン 原書房
あしたのロボット 瀬名秀明 文藝春秋
フィリップ・K・ディックレポート 早川文庫SF ディックは好きなんだよね。ただし初期の作品しか読んでいないけど。ディックは一生かけて読んでいきたいと思っている作家です。(大げさだね、どうも)

(今日買った本:8冊 今月買った本:18冊 今年買った本:1820冊)

12月3日(火)

久々に残業らしい残業で本屋も開いておりません。

「辛口のカクテルを」斎藤純 読了

スマートカント アーヴィン・ウェルシュ 青山出版社 〜イギリスの若者の飾らない姿を描いた作品集〜
「トレインスポッティング」で知られる(らしい)現代イギリス作家の未訳中編集。「頭でっかち野郎」と「ロズウェル・インシデント」を収録。前者は頭でっかち野郎(スマートカント)と揶揄される主人公の日々を描く。後者は調査のために誘拐したワルの青年にそそのかされ、地球人の上に君臨してやろうと考えることになってしまった宇宙人の若者と、それとかかわりあうことになった若者たちを多少コミカルなタッチで描く。
どちらの作品もあるタイプのイギリス人の若者の日常を描いたものであろうと思われるが、いずれにしてもぼくの生きてきた生活とはかけ離れているため、この辺の小説になると僕には少々理解しずらい。そもそもエンターテイメントとして描かれているわけではないので、作品世界に共感できないとやはりつらい。「ロズウェル〜」にしてもSFのモティーフを臆面もなく借りてはいるものの、著者は別にSFを書きたかったわけでもなく、若者の姿を際立たせるための道具として使用しているにしぎないように思えるし。ぼくには面白さの理解しずらい作品集でした。


(今日買った本:0冊 今月買った本:10冊 今年買った本:1812冊)

12月2日(月)

夕立で洗濯物がびしょぬれ。

ホームズと不死の創造者 B・スティブルフォード 早川文庫SF タルタロスの世界を2巻まで読んでいるのだけど、面白かったんだよね。
死の殻 ニコラス・ブレイク 創元推理文庫
アニメ界に強くなる本 ソノラマアニメ文庫 別にアニメ界に強くなりたいわけぢゃないんだけどね。
初稿・刺青殺人事件 高木彬光 扶桑社ミステリー 珍しくも読んでいる刺青殺人事件であるが、これも読んでみようかなあ。でも筋を忘れているので、比較にならないかもしれない。

(今日買った本:4冊 今月買った本:10冊 今年買った本:1812冊)

12月1日(日)

ああ、もう師走ですか。早い早い。光陰矢の如し。

スマートカント 読了。

わが英雄スクラッフィ ポール・ギャリコ 創元推理文庫
ソウルに消ゆ 有沢創司 新潮社
チベットの死者の書 ちくま学芸文庫
DOOMSDAY 浦浜圭一郎 ハルキノベルス
サブリエル ガース・ニクス 主婦の友社
愛の続き イアン・マキューアン 新潮社 揃いましたかな?

故あって高原弘吉の未所持本を調べると、「栄光に賭ける」(非ミステリだが車ネタなので欲しい)「秘密の背景」(「吠えろ!裏町の牙」)「野球が二倍楽しくなる本」(これは絶対手に入りそうも無いが、当時のプロ野球を知る上では読みたい気もする)「俺は挑戦者」の4冊らしい。

金井美恵子全短編T 金井美恵子 日本文芸社 〜高密度の幻想的短編を集成〜
一時期狂ったように堅牢な造本で中野美代子を始めとして文芸書単行本を連発したかと思ったら、いつのまにやら撤退してしまった日本文芸社が遺した作品集全3巻の1巻。刊行から10年ほど経つが、刊行時点での全短編を集成したもの。自分は昔、「兎」か「アカシア騎士団」のどちらかを読んだはずだが、何故か印象には残っていなかった。なお参考までに本書の収録作品は「愛の生活」「エオンタ」「自然の子供」「忘れられた土地」「夢の時間」「奇妙な花嫁」「燃える指」「森のメリュジーヌ」「帰還」「恋人たち」「不滅の夜」「愛あるかぎり」「永遠の恋人」「耳」「海のスフィンクス」「腐肉」「兎」「血まみれマリー」「母子像」「山姥」「降誕祭の夜」の21篇。中編の長さのものから掌編程度のものまで様々であるが、硬質な文体で武装されていることはかわらない。初期のものは登場人物がPやIなどアルファベットで表され、キャラクターの個性というか表層的なイメージをもたれることを拒否しているようなところがある。なかでもアイという主人公(語り手)が何度か出てくるが、これはIでもあり、「愛」でもあろう。つまり全作品に共通して底に流れるテーマは「愛」なのである。とはいっても、世間一般にイメージされるであろう「愛」とは異なり、これらの作品の中では「異形の愛」であり、「許されざる愛」なのである。
前半の長めの作品では夜見(黄泉)という時間の停止した亡霊たちの町のようなところを舞台にして語られる作品群で、フランスの心理小説風の味わいがあるが、夢幻的な色彩が強く一筋縄ではいかない。また一転して後半では幻想的な寓話風の作品や残酷味に溢れた短編が収録され、比較的分かりやすくかつ面白い作品になっている。
印象に残るのは、やはり個人的な趣味で後半の作品群であるが、作品単位では甲乙つけがたくどれも素晴らしい作品だ。付録の月報に収録されたインタビューを読むと、幻想的な短編は求められて買いただけで、必ずしも意に添うわけでもないようなことを述べているけれども、著者の意図とは関係なく、一読者としてはやはり本書に後半に収録されているような密度の濃い幻想的な短編を数多く読ませていただきたいものである。推敲が全然出来ていないため、支離滅裂の感想であるけれども、高密度の幻想的小説を求める向きには著者の作品は必読ではないでしょうか。長編は纏められていないけれども、探して読んでみようと思います。


(今日買った本:6冊 今月買った本:6冊 今年買った本:1808冊)